JP2011088974A - 連続多孔体の製造方法及びこの製造方法により製造される連続多孔体 - Google Patents
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【課題】気孔径が大きく、通水性に優れた連続多孔体を提供する。
【解決手段】以下の工程により製造される連続多孔体1の製造方法。(a)高分子物質と、気孔形成剤と、熱膨張性マイクロカプセルとを含有する配合成形物を、前記高分子物質が溶融し、且つ、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張する発泡温度に加熱し、この熱膨張性マイクロカプセルの膨張により、配合成形物を発泡する工程。(b)発泡した配合成形物に含まれる気孔形成剤を溶媒により溶解し、気孔形成剤の存在した空間を、連続した気泡とする工程。
【選択図】図1
【解決手段】以下の工程により製造される連続多孔体1の製造方法。(a)高分子物質と、気孔形成剤と、熱膨張性マイクロカプセルとを含有する配合成形物を、前記高分子物質が溶融し、且つ、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張する発泡温度に加熱し、この熱膨張性マイクロカプセルの膨張により、配合成形物を発泡する工程。(b)発泡した配合成形物に含まれる気孔形成剤を溶媒により溶解し、気孔形成剤の存在した空間を、連続した気泡とする工程。
【選択図】図1
Description
本発明は、連続多孔体の製造方法及びこの製造方法により製造される連続多孔体に関する。
樹脂を原料とする多孔体を製造する方法としては、例えば、樹脂に炭酸ガスやアンモニアガス等の揮発型発泡剤を混練し、発生させた揮発ガスにより発泡品を得る方法や、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン又はヒドラゾジカルボンアミド等の分解型発泡剤を混練し、この分解型発泡剤の分解によって生じるガスにより発泡品を得る方法(以下、「発泡法」と言う。)が知られている。
これらの発泡法によれば、先ず、独立気泡タイプの発泡体が得られ、これのみでは、連続気泡の気泡多孔体ではないため、この発泡体に更に、機械的変形を加えて気泡を破壊し、独立気泡を連続気泡に変化させることが行われている(特許文献1参照)。
但し、このような方法で連続気泡を得ようとすると、全ての独立気泡を破壊して連通とすることは難しく、連続気泡率の高い多孔体を得ることは、困難であった。
但し、このような方法で連続気泡を得ようとすると、全ての独立気泡を破壊して連通とすることは難しく、連続気泡率の高い多孔体を得ることは、困難であった。
そのため、熱可塑性樹脂に、この熱可塑性樹脂の融点よりも高い融点を有する水溶性粉末等を溶融混練し、発泡した成形物を得た後に、水溶性粉末等を抽出して、多孔体を得る方法(以下、「抽出法」と言う。)が知られている(特許文献2参照)。
しかしながら、前述した抽出法では、平均気孔径が、10〜100μm程度のものしか得られず、例えば水質浄化用フィルターとして使用し、処理量を増やす又は処理時間を短くしたい場合、より気孔径が大きく、通水性の良い連続多孔体が望まれる。
尚、本明細書にて述べる平均気孔径とは、多孔体の断面をSEMで観察し、任意の気孔径10ヶ所を測定し、それを平均して求めるものである。
尚、本明細書にて述べる平均気孔径とは、多孔体の断面をSEMで観察し、任意の気孔径10ヶ所を測定し、それを平均して求めるものである。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、気孔径が大きく、通水性に優れた連続多孔体を提供することを、目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)以下の工程により製造される連続多孔体の製造方法。
(a)高分子物質と、気孔形成剤と、熱膨張性マイクロカプセルとを含有する配合成形物を、前記高分子物質が溶融し、且つ、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張する発泡温度に加熱し、この熱膨張性マイクロカプセルの膨張により、配合成形物を発泡する工程。
(b)発泡した配合成形物に含まれる気孔形成剤を溶媒により溶解し、気孔形成剤の存在した空間を、連続した気泡とする工程。
(2)項(1)において、気孔形成剤が、水溶性物質である連続多孔体の製造方法。
(3)項(1)又は(2)において、配合成形物が、更に機能性充填剤を含む連続多孔体の製造方法。
(4)項(1)乃至(3)の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、低沸点炭化水素を内包した熱可塑性樹脂粉体である連続多孔体の製造方法。
(5)項(1)乃至(4)の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、その発泡温度を、140〜240℃とする連続多孔体の製造方法。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、その添加量を、高分子物質100質量部に対して、2〜30質量部である連続多孔体の製造方法。
(7)項(1)乃至(6)の何れかに記載される製造方法により製造される連続多孔体。
(1)以下の工程により製造される連続多孔体の製造方法。
(a)高分子物質と、気孔形成剤と、熱膨張性マイクロカプセルとを含有する配合成形物を、前記高分子物質が溶融し、且つ、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張する発泡温度に加熱し、この熱膨張性マイクロカプセルの膨張により、配合成形物を発泡する工程。
(b)発泡した配合成形物に含まれる気孔形成剤を溶媒により溶解し、気孔形成剤の存在した空間を、連続した気泡とする工程。
(2)項(1)において、気孔形成剤が、水溶性物質である連続多孔体の製造方法。
(3)項(1)又は(2)において、配合成形物が、更に機能性充填剤を含む連続多孔体の製造方法。
(4)項(1)乃至(3)の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、低沸点炭化水素を内包した熱可塑性樹脂粉体である連続多孔体の製造方法。
(5)項(1)乃至(4)の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、その発泡温度を、140〜240℃とする連続多孔体の製造方法。
(6)項(1)乃至(5)の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、その添加量を、高分子物質100質量部に対して、2〜30質量部である連続多孔体の製造方法。
(7)項(1)乃至(6)の何れかに記載される製造方法により製造される連続多孔体。
本発明の方法によれば、気孔径が従来よりも大きく、通水性に優れた連続多孔体を容易に得ることができる。
気孔形成剤が、水溶性物質である場合は、発泡した配合成形物を溶媒に含浸させて気孔形成剤を溶解し連続気孔を形成させる工程で、溶媒として水を使用できるため、この工程後の溶媒の廃棄作業が簡便でかつ環境性に優れる効果がある。
配合成形物が、更に機能性充填剤を含む場合は、連続多孔体に研磨機能、熱伝導機能、熱伝導防止機能、導電性機能、光線吸収機能、分子ふるい機能、イオン交換機能、有害物質吸着機能等を、付与できる効果がある。
熱膨張性マイクロカプセルが、低沸点炭化水素を内包した熱可塑性樹脂粉体である場合は、基体となる高分子物質が分解せず、しかも溶融或いは軟化する温度範囲内で低沸点炭化水素を内包する熱可塑性樹脂が溶融するとともに、低沸点炭化水素が気化、膨張するため、容易に高分子物質を発泡させる効果がある。
熱膨張性マイクロカプセルが、その発泡温度を、140〜240℃とする場合は、高分子物質、気孔形成剤、熱膨張性マイクロカプセル等を加熱して混練する工程で、熱膨張性マイクロカプセルが膨張を開始することがなく、成形物形成が容易で、加熱発泡工程にて、高分子物質が劣化、分解する可能性が、少ない。
熱膨張性マイクロカプセルが、その添加量を、高分子物質100質量部に対して、2〜30質量部である場合は、抽出法にて得られるよりも十分に大きな気孔を得られ、それでいて連続多孔体の強度が低下することのない大きさとすることができる。
そして、このような製造方法により製造された連続多孔体は、気孔径が従来の抽出法にて得られるものよりも大きく、より強い透過性を求められる場面にて、多く使用することができる。
気孔形成剤が、水溶性物質である場合は、発泡した配合成形物を溶媒に含浸させて気孔形成剤を溶解し連続気孔を形成させる工程で、溶媒として水を使用できるため、この工程後の溶媒の廃棄作業が簡便でかつ環境性に優れる効果がある。
配合成形物が、更に機能性充填剤を含む場合は、連続多孔体に研磨機能、熱伝導機能、熱伝導防止機能、導電性機能、光線吸収機能、分子ふるい機能、イオン交換機能、有害物質吸着機能等を、付与できる効果がある。
熱膨張性マイクロカプセルが、低沸点炭化水素を内包した熱可塑性樹脂粉体である場合は、基体となる高分子物質が分解せず、しかも溶融或いは軟化する温度範囲内で低沸点炭化水素を内包する熱可塑性樹脂が溶融するとともに、低沸点炭化水素が気化、膨張するため、容易に高分子物質を発泡させる効果がある。
熱膨張性マイクロカプセルが、その発泡温度を、140〜240℃とする場合は、高分子物質、気孔形成剤、熱膨張性マイクロカプセル等を加熱して混練する工程で、熱膨張性マイクロカプセルが膨張を開始することがなく、成形物形成が容易で、加熱発泡工程にて、高分子物質が劣化、分解する可能性が、少ない。
熱膨張性マイクロカプセルが、その添加量を、高分子物質100質量部に対して、2〜30質量部である場合は、抽出法にて得られるよりも十分に大きな気孔を得られ、それでいて連続多孔体の強度が低下することのない大きさとすることができる。
そして、このような製造方法により製造された連続多孔体は、気孔径が従来の抽出法にて得られるものよりも大きく、より強い透過性を求められる場面にて、多く使用することができる。
<高分子物質>
本発明にて述べる高分子物質は、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビニルアルコール等が挙げられ、押出成形、カレンダー成形、射出成形をするのに、各々に最適な樹脂を選択して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して用いてもよい。特に、加工性が高く、安価で入手しやすい点から、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
本発明にて述べる高分子物質は、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6・6、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリビニルアルコール等が挙げられ、押出成形、カレンダー成形、射出成形をするのに、各々に最適な樹脂を選択して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の熱可塑性樹脂を混合して用いてもよい。特に、加工性が高く、安価で入手しやすい点から、オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
<気孔形成剤>
本発明にて述べる気孔形成剤は、水又は高分子物質が溶解しない有機溶剤に対して、気孔形成剤が溶解する物質を用いることができ、中でも水溶性物質であることが好ましい。具体的には、ペンタエリスリトール、L−ペンタエリスリトール、D−ペンタエリスリトール、ピナコール等の多価アルコール、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖等の単糖または二糖、尿素、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の水溶性アルカリ金属、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂等を用いることができる。
本発明にて述べる気孔形成剤は、水又は高分子物質が溶解しない有機溶剤に対して、気孔形成剤が溶解する物質を用いることができ、中でも水溶性物質であることが好ましい。具体的には、ペンタエリスリトール、L−ペンタエリスリトール、D−ペンタエリスリトール、ピナコール等の多価アルコール、ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖等の単糖または二糖、尿素、塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の水溶性アルカリ金属、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂等を用いることができる。
<熱膨張性マイクロカプセル>
本発明にて述べる熱膨張性マイクロカプセルは、低沸点炭化水素を熱可塑性高分子殻(シェル)で包み込んだものであり、加熱すると高分子殻が軟化し、中の液状炭化水素が気体に変化するため、その圧力でカプセルが膨張する。この膨張により、本熱膨張性マイクロカプセルを含有する配合成形物内に、気孔が発生するものである。
熱膨張性マイクロカプセルは、気孔形成剤を溶媒に溶解させる前の工程で、高分子物質からなる成形物に気孔を形成することで、より短い時間で気孔形成剤を抽出することができ、更に気孔径も大きくなり、より通水性の高い連続多孔体が得られる。
本発明にて述べる熱膨張性マイクロカプセルは、低沸点炭化水素を熱可塑性高分子殻(シェル)で包み込んだものであり、加熱すると高分子殻が軟化し、中の液状炭化水素が気体に変化するため、その圧力でカプセルが膨張する。この膨張により、本熱膨張性マイクロカプセルを含有する配合成形物内に、気孔が発生するものである。
熱膨張性マイクロカプセルは、気孔形成剤を溶媒に溶解させる前の工程で、高分子物質からなる成形物に気孔を形成することで、より短い時間で気孔形成剤を抽出することができ、更に気孔径も大きくなり、より通水性の高い連続多孔体が得られる。
このような熱膨張性マイクロカプセルとしては、例えば、松本油脂製薬株式会社から提供されている「マツモトマイクロスフェアー(松本油脂製薬株式会社商標)」がある。これは、中空球状体の外殻が、アクリロニトリルコポリマーで構成され、中空球状体内に低沸点炭化水素が封入された構成になっている。膨張は、外殻のポリマーが軟化すると共に内包された低沸点炭化水素がガス化し、体積が50〜100倍に膨張する。本発明では、熱膨張性マイクロカプセルとして各種のものを用いることができるものであり、このものに限定されるものでない。また、前記高分子物質との混合性がよい点で、発泡前の熱膨張性マイクロカプセルの粒径は、3〜50μmであることが好ましい。粒径が3μm未満では、高分子物質への分散性が不十分となり、50μmを超えると、連続多孔体としての強度が大きく低下する。
本発明では、高分子物質100質量部に対して、20〜30質量部の範囲で熱膨張性マイクロカプセルを配合するのが好ましい。熱膨張性マイクロカプセルの配合量が20質量部未満では、熱膨張性マイクロカプセルを配合したことによる上記の効果が徐々に薄れ、逆に30質量部を超えると気孔が徐々に粗大になるため、機械的強度の低下が懸念される。
熱膨張性マイクロカプセルの発泡温度は、特に限定されるものではないが、140〜240℃が好ましく、この温度範囲とすることで、熱膨張性マイクロカプセルの膨張による気孔形成効果を最大限に生かすことができる。
<機能性充填剤>
本発明にて述べる機能性充填材の機能としては、研磨機能、熱伝導機能、熱伝導防止機能、導電性機能、光線吸収機能、分子ふるい機能、イオン交換機能、分子鋳型機能等がある。
具体的に用いる機能性充填材としては、無機又は有機の充填材であって、特定の機能を有するものであればよい。
無機の機能性充填材としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化セリウム等の研磨剤、炭酸カルシウム、酸化珪素等の熱伝導又は熱伝導防止を担う物質、金、銀、銅等の熱伝導性又は導電性の金属の粒子、酸化チタン等の顔料粒子等がある。
有機の機能性充填材としては、主に高分子化合物からなるものがあり、ポリスチレン多孔体粒子(例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィのカラム剤として使用されるものがあり、これは、ジビニルベンゼンにより架橋されていてもよい)、イオン交換樹脂粒子、高分子化合物を用いた分子鋳型、研磨剤としての高分子樹脂粒子等がある。その他有機顔料、ポリエチレンパウダー等の改質用高分子微粒子等がある。
機能性充填材としては、無機と有機の複合材料であっても良い。たとえば、ポリスチレン粒子に金めっきを施した粒子等があり、これを用いると連続多孔体に導電性を付与することができる。
本発明にて述べる機能性充填材の機能としては、研磨機能、熱伝導機能、熱伝導防止機能、導電性機能、光線吸収機能、分子ふるい機能、イオン交換機能、分子鋳型機能等がある。
具体的に用いる機能性充填材としては、無機又は有機の充填材であって、特定の機能を有するものであればよい。
無機の機能性充填材としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化セリウム等の研磨剤、炭酸カルシウム、酸化珪素等の熱伝導又は熱伝導防止を担う物質、金、銀、銅等の熱伝導性又は導電性の金属の粒子、酸化チタン等の顔料粒子等がある。
有機の機能性充填材としては、主に高分子化合物からなるものがあり、ポリスチレン多孔体粒子(例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィのカラム剤として使用されるものがあり、これは、ジビニルベンゼンにより架橋されていてもよい)、イオン交換樹脂粒子、高分子化合物を用いた分子鋳型、研磨剤としての高分子樹脂粒子等がある。その他有機顔料、ポリエチレンパウダー等の改質用高分子微粒子等がある。
機能性充填材としては、無機と有機の複合材料であっても良い。たとえば、ポリスチレン粒子に金めっきを施した粒子等があり、これを用いると連続多孔体に導電性を付与することができる。
<配合成形体>
連続多孔体用の配合成形物は、シート状、フィルム状、矩形状、円筒状、円柱状、角柱状等任意とすることができる。
また、配合成形物の成形前の配合剤は、配合成形物に賦形する前に又は配合成形物に賦形する際に、溶融混練することが好ましい。
配合成形物の成形前の配合剤の溶融混練処理は、熱可塑性樹脂において一般的に用いられる方法、即ち、混練ロールを用いる方法や、ヘンシェルミキサー、単軸押出機、ニ軸押出機等によって行うことができる。
また、配合成形物の成形前の配合剤は、必要に応じて、ペレット状にカッティングされる。
連続多孔体用の配合成形物は、シート状、フィルム状、矩形状、円筒状、円柱状、角柱状等任意とすることができる。
また、配合成形物の成形前の配合剤は、配合成形物に賦形する前に又は配合成形物に賦形する際に、溶融混練することが好ましい。
配合成形物の成形前の配合剤の溶融混練処理は、熱可塑性樹脂において一般的に用いられる方法、即ち、混練ロールを用いる方法や、ヘンシェルミキサー、単軸押出機、ニ軸押出機等によって行うことができる。
また、配合成形物の成形前の配合剤は、必要に応じて、ペレット状にカッティングされる。
溶融混練した配合成形物の成形前の配合剤は、溶融混練と同時又はその後に、賦形工程によって、配合成形物に賦形される。賦形方法は、必要な配合成形物の形状によって決まる。即ち、シート状の配合成形物を要する場合には、プレス成形法、カレンダー成形法、押出成形法等によって、円筒形、円柱形、角柱形等の場合には押出成形法等によって成形され、複雑な3次元形状を要する場合には、射出成形法等の成形法によって成形される。
その他、複雑な3次元形状でも、一旦シート状に成形した後に、真空成形法、圧空成形法等により複雑な3次元形状に賦形する方法を、用いてもよい。
その他、複雑な3次元形状でも、一旦シート状に成形した後に、真空成形法、圧空成形法等により複雑な3次元形状に賦形する方法を、用いてもよい。
配合成形物の発泡は、配合成形物を加熱することで行われる。この工程を、発泡工程という。発泡工程は、配合成形物を、練り込まれた熱膨張性マイクロカプセルの発泡温度まで昇温することによって行われる。昇温は、例えば加熱板にて行われる。
<気泡成形>
以上のようにして作製した、発泡後の配合成形物は、使用した高分子物質は溶解しないが、気孔形成剤は溶解する溶媒を用いて、気泡形成剤を抽出し、気泡形成剤が存在した空間を、気泡とする。
以上のようにして作製した、発泡後の配合成形物は、使用した高分子物質は溶解しないが、気孔形成剤は溶解する溶媒を用いて、気泡形成剤を抽出し、気泡形成剤が存在した空間を、気泡とする。
<溶媒>
本発明にて用いる溶媒としては、高分子物質及び気孔形成剤の種類によって適宜選択され、水又は水性媒体、好ましくは水が用いられる。
水性媒体としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が用いられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソブチルアルコール等のアルコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステルが挙げられる。
本発明にて用いる溶媒としては、高分子物質及び気孔形成剤の種類によって適宜選択され、水又は水性媒体、好ましくは水が用いられる。
水性媒体としては、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒が用いられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソブチルアルコール等のアルコール、ジエチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステルが挙げられる。
気泡形成剤の抽出は、液温が、常温(25℃)〜60℃の水又は水性媒体を収容した槽中に発泡した配合成形体を投入し、浸漬することによって行うことができる。この際、溶媒をスクリュー等で攪拌したり、伸縮性のある材料の場合、2本ロール等に通して絞り加工を繰り返すと、抽出時間を短くすることができる。
連続多孔体は、高分子物質、気孔形成剤、熱膨張性マイクロカプセルの種類、量、製造条件等を適当に選ぶことにより、各種の孔径で、各種の気孔率のものを得ることができる。
前述してきた方法により作製される連続多孔体は、気孔率が、50〜90容積%とすることが可能であり、特に、気孔率が、80〜90容積%という、従来にない高い気孔率が可能である。また、抽出によって形成される気泡は連続気泡であり、高い気孔率の連続多孔体とすることができ、通水性に優れる。
尚、明細書にて述べる気孔率とは、連続多孔体中の樹脂分の容積(V1)と、多孔体の縦、横、高さ寸法から得られる容積(V)から、「気孔率={(V−V1)/V}×100(容積%)」の式より算出される。
尚、明細書にて述べる気孔率とは、連続多孔体中の樹脂分の容積(V1)と、多孔体の縦、横、高さ寸法から得られる容積(V)から、「気孔率={(V−V1)/V}×100(容積%)」の式より算出される。
発泡工程を含まない従来法では成形性の観点より成形が難しいが、本発明では、熱膨張性マイクロカプセルの発泡工程を加えることによって、気孔率の高い多孔体が得られる。
また、気泡形成剤を滑らかな表面から抽出すると、順次内部へと溶かしながら抽出することになり、抽出時間が長くかかるのに対して、発泡体から抽出する場合、内部の気泡を伝って溶解しながら抽出されるため、抽出時間が短くて済む利点がある。
本発明によって得られた連続多孔体は、通気性、通水性に優れるので、これらの性質を利用した用途に適用することが好ましい。
具体的な用途としては、居室空間・車内空気浄化用フィルター、工業・農業廃水の浄化用フィルター、水のイオン交換用フィルター等に使用することができる。
具体的な用途としては、居室空間・車内空気浄化用フィルター、工業・農業廃水の浄化用フィルター、水のイオン交換用フィルター等に使用することができる。
本発明の連続多孔体は、機能性充填材の種類によって様々な性能を付与することができる。例えば、高分子化合物を用いた有害物吸着粒子を担持させて、工業廃水や生活排水を通水すれば、特定の有害物質を除去するフィルターとして用いることができる。従って、濾過材の一種としても用いることができる。
<実施例1>
高分子物質として、EVA樹脂(東ソー株式会社製、商品名:ウルトラセン540、密度:0.93g/cm3)100質量部を、気孔形成剤として、ペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)と、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18)とを各々225質量部、熱膨張性マイクロカプセルとして、(松本油脂製薬株式会社製、商品名:マツモトマイクロスフィアーF−190D)20質量部を用い、ロール混練(混練温度:130℃)した。
続いて、プレス成形機(型締め力:19.6MPa)で、130℃で5分間加熱の後、常温(25℃)まで冷却して、縦:250mm×横:250mm×厚さ:3mmの配合成形物を得た。その後、この配合成形物を縦:300mm×横:300mm×厚さ:10mmの型枠を置いたプレス成形機にて、220℃で30分間加熱して発泡せしめた。
引き続いて、発泡済み配合成形物を水槽内に設置し、40℃の水で、90時間の間、水を攪拌機で攪拌しつつ、気孔形成剤を抽出した。
その後、抽出済み成形物を、40℃の乾燥機で24時間乾燥させ、連続多孔体を得た。
高分子物質として、EVA樹脂(東ソー株式会社製、商品名:ウルトラセン540、密度:0.93g/cm3)100質量部を、気孔形成剤として、ペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)と、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18)とを各々225質量部、熱膨張性マイクロカプセルとして、(松本油脂製薬株式会社製、商品名:マツモトマイクロスフィアーF−190D)20質量部を用い、ロール混練(混練温度:130℃)した。
続いて、プレス成形機(型締め力:19.6MPa)で、130℃で5分間加熱の後、常温(25℃)まで冷却して、縦:250mm×横:250mm×厚さ:3mmの配合成形物を得た。その後、この配合成形物を縦:300mm×横:300mm×厚さ:10mmの型枠を置いたプレス成形機にて、220℃で30分間加熱して発泡せしめた。
引き続いて、発泡済み配合成形物を水槽内に設置し、40℃の水で、90時間の間、水を攪拌機で攪拌しつつ、気孔形成剤を抽出した。
その後、抽出済み成形物を、40℃の乾燥機で24時間乾燥させ、連続多孔体を得た。
<実施例2>
熱膨張性マイクロカプセルの混合量を、30質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
熱膨張性マイクロカプセルの混合量を、30質量部としたこと以外は、実施例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
<比較例1>
高分子物質として、EVA樹脂(東ソー株式会社製、商品名:ウルトラセン540、密度:0.93g/cm3)100質量部を、気孔形成剤として、ペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)と、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18)とを各々225質量部、発泡剤として、アゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5質量部を用い、ロール混練(混練温度:130℃)した。続いて、プレス成形機(型締め力:19.6MPa)で、130℃で5分間加熱の後、常温(25℃)まで冷却して、縦:250mm×横:250mm×厚さ:3mmの配合成形物を得た。その後、この配合成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に設置し、230℃で5分間加熱して発泡せしめた。
引き続いて、発泡済み配合成形物を水槽内に設置し、40℃の水で、後述する表1の比較例1の時間、抽出時間欄に示す抽出時間(90時間)の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。
その後、抽出済み成形物を、40℃の乾燥機で24時間乾燥させ、連続多孔体を得た。
高分子物質として、EVA樹脂(東ソー株式会社製、商品名:ウルトラセン540、密度:0.93g/cm3)100質量部を、気孔形成剤として、ペンタエリスリトール(広栄化学工業株式会社製、商品名:ペンタリット)と、ポリエチレンオキシド(住友精化株式会社製、商品名:PEO−18)とを各々225質量部、発泡剤として、アゾジカルボンアミド(大塚化学株式会社製、商品名:ユニフォームAZ)4.5質量部を用い、ロール混練(混練温度:130℃)した。続いて、プレス成形機(型締め力:19.6MPa)で、130℃で5分間加熱の後、常温(25℃)まで冷却して、縦:250mm×横:250mm×厚さ:3mmの配合成形物を得た。その後、この配合成形物を高温槽中のフッ素樹脂シート上に設置し、230℃で5分間加熱して発泡せしめた。
引き続いて、発泡済み配合成形物を水槽内に設置し、40℃の水で、後述する表1の比較例1の時間、抽出時間欄に示す抽出時間(90時間)の間、水を攪拌機で攪拌しつつ気孔形成剤を抽出した。
その後、抽出済み成形物を、40℃の乾燥機で24時間乾燥させ、連続多孔体を得た。
実施例1、2及び比較例1で得られた連続多孔体の、気孔径、通水時間を、下記表1に示す。また、併せて、表1に気孔形成剤又発泡剤の抽出時間と、気孔率を掲載した。
尚、気孔径、通水時間及び気孔率の測定は次の方法にて行った。
(気孔径)
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−800(型式))を用いて、倍率50倍、加速電圧15kVで表面と断面を観察し、観察された気孔径を10点ずつ測定してその平均値を求めた。
(通水性)
図1に測定装置の断面図を示す。即ち、作製した厚み:4mmの連続多孔体1を、濾過用フィルターホルダー(東洋濾紙株式会社製、内径:35mm品)2と、同じく内径35mmの口を有する減圧ポンプ接続口付容器3との間に挟み、クランプ4で挟持した。
減圧ポンプへの接続口5を減圧ポンプ(図示せず)に接続し、10cmHgで減圧した。減圧を継続しつつ、フィルターホルダーに50mlの純水を供給し、その純水が下部容器に通水し、フィルターホルダーに純水がなくなるまでの時間(秒)を測定した。
(気孔率(容積%))
空気比較式比重計(東京サイエンス株式会社製、1000型)を用いて、真空中での多孔体の容積(連続多孔体中の樹脂分の容積):V1を測定し、V1及び多孔体の縦、横、高さ寸法から得られる容積:Vから、「多孔体気孔率={(V−V1)/V}×100(容積%)」の式により算出した。
尚、気孔径、通水時間及び気孔率の測定は次の方法にて行った。
(気孔径)
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−800(型式))を用いて、倍率50倍、加速電圧15kVで表面と断面を観察し、観察された気孔径を10点ずつ測定してその平均値を求めた。
(通水性)
図1に測定装置の断面図を示す。即ち、作製した厚み:4mmの連続多孔体1を、濾過用フィルターホルダー(東洋濾紙株式会社製、内径:35mm品)2と、同じく内径35mmの口を有する減圧ポンプ接続口付容器3との間に挟み、クランプ4で挟持した。
減圧ポンプへの接続口5を減圧ポンプ(図示せず)に接続し、10cmHgで減圧した。減圧を継続しつつ、フィルターホルダーに50mlの純水を供給し、その純水が下部容器に通水し、フィルターホルダーに純水がなくなるまでの時間(秒)を測定した。
(気孔率(容積%))
空気比較式比重計(東京サイエンス株式会社製、1000型)を用いて、真空中での多孔体の容積(連続多孔体中の樹脂分の容積):V1を測定し、V1及び多孔体の縦、横、高さ寸法から得られる容積:Vから、「多孔体気孔率={(V−V1)/V}×100(容積%)」の式により算出した。
表1の結果から、実施例1よりも熱膨張性マイクロカプセルの添加量が10質量部多い実施例2は、気孔径が大きくなり、通水時間を短縮する効果がある。また、熱膨張性マイクロカプセルによる発泡工程を行った実施例1及び2は、比較例1よりも気孔径が大きくなり、通水性に優れる。
<実施例3>
機能性充填剤として、熱伝導性を向上させる熱炭素性繊維(帝人株式会社製、ラヒーマA101(商品名))を100質量部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
機能性充填剤として、熱伝導性を向上させる熱炭素性繊維(帝人株式会社製、ラヒーマA101(商品名))を100質量部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
<比較例2>
機能性充填剤として熱伝導性を向上させる熱炭素性繊維(帝人株式会社製、ラヒーマA101(商品名))を100質量部添加したこと以外は、比較例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
機能性充填剤として熱伝導性を向上させる熱炭素性繊維(帝人株式会社製、ラヒーマA101(商品名))を100質量部添加したこと以外は、比較例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
実施例1、実施例3及び比較例2の気孔径、通水時間、熱伝導率の測定結果を、下記表2に示す。
尚、熱伝導率の測定は次の方法にて行った。
(熱伝導率)
迅速熱伝導率計(京都電子工業株式会社製、商品名:QTM−500)にて、熱線加熱法にて行った。本装置は、熱線プローブを表面温度が均一な試料表面に押し当てた際の、温度上昇曲線から熱伝導率を求めることができる。
尚、熱伝導率の測定は次の方法にて行った。
(熱伝導率)
迅速熱伝導率計(京都電子工業株式会社製、商品名:QTM−500)にて、熱線加熱法にて行った。本装置は、熱線プローブを表面温度が均一な試料表面に押し当てた際の、温度上昇曲線から熱伝導率を求めることができる。
表2の結果から、熱膨張性マイクロカプセルによる発泡工程を行った実施例3では、熱炭素繊維を添加しなかった実施例1と比較して熱伝導性に優れる。また、実施例3よりも気孔径が小さい比較例2の熱伝導率がほぼ同等であることから、気孔径を大きくしても熱伝導性に優れていることがわかる。
<実施例4>
機能性充填剤として、農薬吸着性能を有するポリマーゲル(日立化成工業株式会社製、GL−SPE−H1(商品名))を、20質量部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
機能性充填剤として、農薬吸着性能を有するポリマーゲル(日立化成工業株式会社製、GL−SPE−H1(商品名))を、20質量部添加したこと以外は、実施例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
<比較例3>
機能性充填剤として、農薬吸着性能を有するポリマーゲル(日立化成工業株式会社製、GL−SPE−H1(商品名))を、20質量部添加したこと以外は、比較例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
機能性充填剤として、農薬吸着性能を有するポリマーゲル(日立化成工業株式会社製、GL−SPE−H1(商品名))を、20質量部添加したこと以外は、比較例1と同じ方法で連続多孔体を得た。
実施例1、4と比較例3の気孔径、通水性の評価については、実施例1と2及び比較例1と同様に行った。
実施例1、実施例4及び比較例3の気孔径、通水性、農薬回収率の測定結果を、下記表3に示す。
尚、農薬吸着回収性の測定は次の方法にて行った。
(農薬回収率)
(イ)農薬水の調整
農薬用途として頻繁に用いられているチウラム(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)を選定して、超純水に濃度が約5mg/Lになるように添加して、攪拌溶解した。
(ロ)農薬吸着実験
(イ)にて作製した農薬水の農薬吸着回収実験に、図2に示す実験装置を用いた。本装置は、直径:60mm、厚み:4mmの連続多孔体を6枚連続して設置するフィルター濾過部8と、農薬水6を送水してフィルター濾過部8を通過させる送液ポンプ7からなる。本装置を用いて、農薬水を流量500ml/minにてフィルター濾過部8へ通過させた後に得られた通水液の残留農薬濃度を分析した。
(ハ)チウラム回収率
HPLC(株式会社島津製作所製)にて、(ロ)で得られた通水液のチウラムの回収濃度分析を行い、得られた濃度から回収率を算出した。
尚、農薬吸着回収性の測定は次の方法にて行った。
(農薬回収率)
(イ)農薬水の調整
農薬用途として頻繁に用いられているチウラム(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)を選定して、超純水に濃度が約5mg/Lになるように添加して、攪拌溶解した。
(ロ)農薬吸着実験
(イ)にて作製した農薬水の農薬吸着回収実験に、図2に示す実験装置を用いた。本装置は、直径:60mm、厚み:4mmの連続多孔体を6枚連続して設置するフィルター濾過部8と、農薬水6を送水してフィルター濾過部8を通過させる送液ポンプ7からなる。本装置を用いて、農薬水を流量500ml/minにてフィルター濾過部8へ通過させた後に得られた通水液の残留農薬濃度を分析した。
(ハ)チウラム回収率
HPLC(株式会社島津製作所製)にて、(ロ)で得られた通水液のチウラムの回収濃度分析を行い、得られた濃度から回収率を算出した。
表3の結果から、熱膨張性マイクロカプセルによる発泡工程を行った実施例4は、気孔が大きく、機能性充填剤である農薬吸着性能を有するポリマーゲルと農薬水との接触性が向上したことで農薬が吸着されやすくなり、農薬回収率が高い。一方、比較例3は、気孔径が小さいため、農薬水との接触が低く、農薬回収性に劣る。
1…連続多孔体、2…濾過用フィルターホルダー、3…減圧ポンプ接続口付容器、4…クランプ、5…減圧ポンプ接続口、6…農薬水、7…送液ポンプ、8…フィルター濾過部
Claims (7)
- 以下の工程により製造される連続多孔体の製造方法。
(a)高分子物質と、気孔形成剤と、熱膨張性マイクロカプセルとを含有する配合成形物を、前記高分子物質が溶融し、且つ、前記熱膨張性マイクロカプセルが膨張する発泡温度に加熱し、この熱膨張性マイクロカプセルの膨張により、配合成形物を発泡する工程。
(b)発泡した配合成形物に含まれる気孔形成剤を溶媒により溶解し、気孔形成剤の存在した空間を、連続した気泡とする工程。 - 請求項1において、気孔形成剤が、水溶性物質である連続多孔体の製造方法。
- 請求項1又は請求項2において、配合成形物が、更に機能性充填剤を含む連続多孔体の製造方法。
- 請求項1乃至3の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、低沸点炭化水素を内包した熱可塑性樹脂粉体である連続多孔体の製造方法。
- 請求項1乃至4の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、その発泡温度を、140〜240℃とする連続多孔体の製造方法。
- 請求項1乃至5の何れかにおいて、熱膨張性マイクロカプセルが、その添加量を、高分子物質100質量部に対して、2〜30質量部である連続多孔体の製造方法。
- 請求項1乃至6の何れかに記載される製造方法により製造される連続多孔体。
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2009
- 2009-10-21 JP JP2009242330A patent/JP2011088974A/ja active Pending
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