JP2000297334A - 焼結多孔質体の製造方法および焼結多孔質体 - Google Patents

焼結多孔質体の製造方法および焼結多孔質体

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JP2000297334A JP10665399A JP10665399A JP2000297334A JP 2000297334 A JP2000297334 A JP 2000297334A JP 10665399 A JP10665399 A JP 10665399A JP 10665399 A JP10665399 A JP 10665399A JP 2000297334 A JP2000297334 A JP 2000297334A
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resin mixture
porous body
resin
powder
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Kozo Makino
耕三 牧野
Kouki Deguchi
好希 出口
Toshio Inamori
俊夫 稲守
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空孔率および連続空孔率が高く、しかも空孔径
が微小であって、種々の粉体材料の適用が可能な焼結多
孔質体の製造方法および焼結多孔質体を提供すること。 【解決手段】焼結性を有する金属類粉体を焼結して得た
焼結部21から主に成る多孔質体であり、空孔率が50
体積%以上99.5体積%以下、かつ、連続空孔3の占
める連続空孔率が80体積%以上100体積%以下、か
つ、空孔径の平均値が0.001μm以上100μm以
下に形成されている焼結多孔質体1および製造方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、軽量構造
材料、断熱材料、吸音材料、軸受材料、成形金型材料、
ガス導入バルブ材料、ガス排出バルブ材料、フィルタ
ー、電池電極、水素吸蔵合金、吸着材、触媒担持体、あ
るいは触媒として利用できる金属やセラミックス等から
なる焼結多孔質体の製造方法および焼結多孔質体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】軽量化、断熱性、吸音性、摩擦低減、通
気性、吸着性、担持性、あるいは触媒活性の反応効率向
上等の特性を付与するために空孔を内部に有した多孔質
体は公知である。こうした多孔質体の製造方法として
は、いくつかの方法が提案されている。例えば、「発泡
体・多孔質体技術と用途展開」((株)東レリサーチセ
ンター調査研究部門編集、(株)東レリサーチセンター
1996.2)によると、大別して以下の方法が示され
ている。
【0003】(1)発泡法 アルミニウム等の低融点金属の溶融物に発泡剤としてチ
タニウムやジルコニウム等の水素化物を添加し、攪拌し
ながら鋳造することによって金属発泡体を得るものであ
る。空気を吹込んだり、特殊合金で溶融金属の粘度を高
くする等の工夫により、より高空孔率となる。
【0004】(2)焼結法 鉄系粉末、黄銅系粉末等の金属粒子を型枠に入れて加
熱、焼結するようにしたものである。連続開放孔で最大
空孔率が50体積%程度である。
【0005】(3)メッキ法 ポリウレタンフォームの様な3次元網目構造を有する高
分子材料の内部の骨格の表面に各種の金属をメッキし、
内部の骨格を形成している高分子材料を燃焼して除去す
ることにより、多孔質体を得るものである。空孔率を最
大98体積%程度と非常に大きくすることができ、空孔
径の大きな多孔質体を得ることも容易である。
【0006】(4)加圧鋳造法 型内に充填した粒子の間隙に溶融金属を加圧鋳造して多
孔質体を製造するようにしたものである。この加圧鋳造
法としては、充填拉子の種類に応じて、溶出法、多孔質
粒子分散法、中空三次元骨格法等がある。 a)溶出法:食塩等の水溶性粒子を充填粒子として使用
し、粒子間にアルミニウム等の溶融金属を加圧鋳造し、
凝固後に水溶性粒子を水で溶出、除去して多孔質体を得
る。空孔率は最大65体積%程度である。 b)多孔質粒子分散法:中空ガラス、軽石、パーライ
ト、多孔質炭素粒子等の無機質の多孔質粒子を充填粒子
として型内に充填し、溶融金属を加圧鋳造して、金属多
孔質を製造する。充填した無機粒子はそのまま内部に残
り、無機質粒子と金属との複合した独立気泡の多孔質体
となる。 c)中空三次元骨格法:中空三次元骨格を有するセラミ
ックスに溶融金属を加圧鋳造して製造する。セラミック
スは金属中にそのまま残り、セラミックス多孔質体の内
部に空孔が存在する多孔質体となる。
【0007】これらの方法のうち、本発明と同様に、空
孔の連続した多孔質体が得られるのは、(2)焼結法、
(3)メッキ法、(4)加圧鋳造法の溶出法である。し
かしながら、(2)焼結法や(4)加圧鋳造法の溶出法
では、空孔率を高く設定するのが困難であり、空孔率の
高い多孔質体を得るには(3)メッキ法しかないのが実
情である。かかる(3)メッキ法は、例えば特開平7−
150270号公報に開示されているが、当該公報開示
のメッキ法は発泡樹脂等の絶縁物にメッキを施すにあた
り、メッキの前処理として導電処理またはシーダー処理
等が必要である等、工程が煩雑であり決して生産効率が
よいとは言えない。
【0008】一方、空孔径のサイズは、用いられる高分
子材料の発泡体の気泡径に依存してしまうため、100
μm以下の微小な空孔径の多孔質体を得るのが容易でな
いという課題もあった。因みに、空孔径が小さいと、多
孔質体の比表面積は向上し、吸着性、担持性、触媒活性
の反応効率、断熱性、吸音性等の特性も向上が期待でき
る。また、引張強度や曲げ強度等も向上する。このよう
に、性能の向上が予想されながら、高空孔率で、尚かつ
連続空孔率が高く、しかも空孔径が微小な多孔質体はこ
れまでに実現されてなかったのである。更に、メッキ法
によってはセラミックス等の非導電性物質および2種類
以上の合金からなるものが得られず、適用材料がNi、
Cu等といった一部のメッキ可能な金属に限られるとい
う問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明は、
上記の問題点に鑑みてなされたものであり、空孔率およ
び連続空孔率が高く、しかも空孔径が微小であって、種
々の粉体材料の適用が可能な焼結多孔質体の製造方法お
よび焼結多孔質体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記した目的を達成する
ために、本発明の請求項1に記載の発明に係る焼結多孔
質体の製造方法(以下、「請求項1の製造方法」と記
す)は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、焼結性を有
する粉体を100重量部以上1000重量部以下の割合
で配合して樹脂混合物を得、該樹脂混合物をガスに暴露
してガスを樹脂混合物中に溶解させ、樹脂混合物中に溶
解しているガスの圧力を減圧しガスを気化させて樹脂混
合物を発泡させたのち、発泡した樹脂混合物を加熱して
粉体を焼結させる構成にしてある。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の発明に係
る焼結多孔質体の製造方法(以下、「請求項2の製造方
法」と記す)は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、焼
結性を有する粉体が100重量部以上1000重量部以
下の割合で配合された樹脂混合物を成形機で成形する際
に成形機供給前の樹脂混合物および/または成形機中の
樹脂混合物をガスに暴露してガスを樹脂混合物中に溶解
させるガス溶解工程を有しているとともに、更に、樹脂
混合物中に溶解しているガスの圧力を減圧しガスを気化
させて樹脂混合物を発泡させる発泡工程と、発泡した樹
脂混合物を加熱して粉体を焼結させる焼結工程とを備え
ているものである。
【0012】また、本発明の請求項3に記載の発明に係
る焼結多孔質体の製造方法(以下、「請求項3の製造方
法」と記す)は、請求項1または請求項2の製造方法に
おいて、樹脂混合物の発泡に際し、ガスの圧力を2MP
a/秒以上50MPa/秒以下の減圧速度で減圧して樹
脂混合物を発泡させるようにしたものである。
【0013】また、本発明の請求項4に記載の発明に係
る焼結多孔質体の製造方法(以下、「請求項4の製造方
法」と記す)は、請求項1〜請求項3の製造方法におい
て、ガスが二酸化炭素であるものとした。
【0014】また、本発明の請求項5に記載の発明に係
る焼結多孔質体(以下、「請求項5の焼結多孔質体」と
記す)は、金属類の粉体が焼結されてなる焼結多孔質体
であって、空孔率が50体積%以上99.5体積%以
下、かつ、連続空孔率が80体積%以上100体積%以
下、かつ、空孔径の平均値が0.001μm以上100
μm以下に形成されているものである。
【0015】ここで、本発明の請求項1または請求項2
に記載の「熱可塑性樹脂」は粉体の結合剤として働き、
あるいはガスにより膨脹し、最終的に得られる焼結多孔
質体の空孔率を高くするものが選定される。すなわち、
熱可塑性樹脂は、熱可塑性と熱分解性を有すること、少
量で粉体を結合する効果を発揮し安価であること、粉体
と反応しないこと、分解揮発した後に灰分が残らないこ
と、分解ガスが有害性のないこと等の条件を満足するも
のが好ましい。尚、必要に応じて、熱可塑性樹脂に分散
剤、可塑剤、潤滑剤等の添加剤を加えてもよい。
【0016】これらの条件を満たす熱可塑性樹脂として
は、特に限定されないが、例えばポリビニルブチラー
ル、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢
酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ア
クリル系樹脂、ポリアミド等の非水素結合剤、あるい
は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキシド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリ
ルアミド等の水素結合剤が挙げられ、これらを好適に用
いることができる。尚、本発明においては、非水素結合
剤を用いるのがより好ましい。
【0017】本発明の請求項1または請求項2に記載の
「焼結性を有する粉体」としては、種々の金属類、セラ
ミックス、カーボン等が適用可能であり、これらは単独
であるいは複数種の混合物が用いられる。特に、請求項
5の金属類としては、金属単体、金属酸化物、金属窒化
物、金属炭化物、および/または、2種類以上の金属か
ら成る合金等を用いることができ、これらは単独である
いは複数種を適宜組合わせて用いて良い。
【0018】粉体の粒径としては、0.01μm以上1
00μm以下の範囲が好ましく、10μm以下がより好
ましい。更に1μm以下であれば特に好ましい。粉体の
粒径が100μmを超えると、最終的に得られる焼結多
孔質体の壁が厚くなり空孔率が低くなって好ましくな
い。一方、粒径が0.01μmを下回ると、細かすぎて
取扱いにくくなる。尚、粉体の粒形状は特に限定される
ものでない。
【0019】本発明において、粉体の配合量は、熱可塑
性樹脂100重量部に対し、100重量部以上1000
重量部以下に限定される。その理由は、粉体の配合量が
100重量部未満では焼成時に粉体の非連続部が多くな
り、最終的に得られる焼結多孔質体の強度が弱くなる。
他方、1000重量部を超えると、樹脂混合物の粘度が
著しく増大するか、或いは最終的に得られる焼結多孔質
体が非常に脆くなり一定形状を保てない。
【0020】本発明の請求項1〜請求項3に記載の「樹
脂混合物」には、上記した熱可塑性樹脂および粉体の他
に、滑剤、安定剤、アンチブロッキング剤、消泡剤等の
添加剤を本発明の目的を損なわない程度で配合しても構
わない。樹脂混合物の成形は、熱可塑性樹脂に粉体を充
填した後、混合・混練して所望の形状にすることであ
り、バッチ式または連続成形のいずれでも良い。バッチ
式ではロール、プラストミル、ミキサー等を利用して混
合・混練を行い、その後プレス等で所望の形状に成形す
ることができる。一方、連続成形では押出成形機や射出
成形機等に代表される成形機を用いて充填・混合・混練
・形状付与を連続して行うことができる。
【0021】本発明の請求項1〜請求項4に記載の「ガ
ス」は、常温・常圧(25℃・1気圧)で気体状態にあ
る有機物あるいは無機物が好ましく用いられ、高温・高
圧下で熱可塑性樹脂への溶解性が良好であり樹脂を劣化
させないものであれば、特に限定されずに使用される。
すなわち、本発明に用いられるガスは使用後に容易に熱
可塑性樹脂から除去することが可能で火災や爆発等の危
険性がなく、また環境や作業者の健康に対して安全であ
り回収が容易あるいは不要なものが好ましい。かかるガ
スとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、アルゴン、ネ
オン、ヘリウム、酸素等の無機ガスや、フロンガス、低
分子量の炭化水素等の有機ガスが挙げられるが、用いる
樹脂に最も溶解しやすいものが好ましく選択される。
【0022】なかでも、請求項4に記載の「二酸化炭
素」は熱可塑性樹脂に対する溶解量が大きく、特に好適
に用いることができる。また、二酸化炭素は熱可塑性樹
脂に対する溶解量が多く、特に連続成形の場合に流動性
を向上させる効果が大きく、粉体を多量に熱可塑性樹脂
に充填させることができる。しかも、不燃性ガスである
から火災等の危険性がなく安全であり、特に好適に用い
ることのできるガスである。
【0023】本発明の請求項1または請求項2に記載の
「樹脂混合物へのガスの溶解」において、ガスを溶解さ
せる方法・装置としては特に限定されない。例えば、バ
ッチ式の容器内でもよいし、ライン式の連続混練機内や
連続成形機内でも構わない。かかるガスを溶解させるた
めの容器や機器は、ガスが漏れて大気中に抜けていくの
を抑制するうえで、大気と遮断シール可能な密閉構造で
あることが好ましい。また、これらの容器や機器へのガ
スの供給は、ガスボンベから直接供給してもよいし、加
圧ポンプ等を用いて高圧で供給することもできる。
【0024】ガスの溶解量は、熱可塑性樹脂の溶融粘度
を発泡成形に適した粘度とする量であればよく、熱可塑
性樹脂の種類やガスの種類によって適宜選択することが
できるが、熱可塑性樹脂100重量部に対し、3重量部
以上50重量部以下のガスを溶解させるのが好ましい。
より好ましくは5重量部以上30重量部以下である。ガ
ス溶解量が3重量部未満では溶解量が少なすぎて十分に
発泡しなかったり、連続気泡率が低く抑えられることに
なる。また、50重量部以上溶解させようとすると、圧
力が高くなりすぎて設備が大がかりとなり設備コストが
嵩む。
【0025】尚、熱可塑性樹脂に溶解したガスは飽和状
態にあることが、最終的に得られる焼結多孔質体の空孔
率を高くできて特に好ましい。ガスの溶解量は熱可塑性
樹脂の供給量とガスの供給量から算出した値である。溶
解に要する時間は熱可塑性樹脂およびガスの種類によっ
て異なり、適宜決定される。
【0026】ガス溶解時における容器内の温度および圧
力は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、3重量部以上
50重量部以下のガスを溶解させるよう、以下のとおり
に決定される。「ガス溶解時の温度」は、熱可塑性樹脂
が充分に軟化しガスを短時間で溶解させることが可能
で、熱可塑性樹脂あるいは粉体が熱分解しない温度範囲
であるのが好ましく、使用する熱可塑性樹脂およびガス
の種類によって任意に設定できる。但し、熱可塑性樹脂
のうち、結晶性樹脂の場合は融点以上の温度が妥当であ
り、非結晶性樹脂の場合はガラス転移温度以上の温度が
妥当である。上記した融点やガラス転移点以下ではガス
の溶解に時間がかかり過ぎ、生産効率が悪くなって好ま
しくない。
【0027】「ガス溶解時の圧力」はガスを短時間で溶
解し得る圧力であれば特に限定されないが、(ガスの臨
界圧力−3MPa)以上(ガスの臨界圧力+100MP
a)以下であることが好ましい。かかる範囲にガスの圧
力を設定することで、樹脂混合物を良好な樹脂発泡体に
することができる。ガス溶解時の圧力が(ガスの臨界圧
力−3MPa)未満ではガスの溶解量が少なすぎて樹脂
混合物の発泡倍率が低くなってしまう。他方、(ガスの
臨界圧力+100MPa)を超えると、圧力が高すぎて
設備が大がかりになるので好ましくない。
【0028】ガス溶解時の圧力として、より好ましく
は、(ガスの臨界圧力−3MPa)以上(ガスの臨界圧
力+50MPa)以下である。更に好ましくは、熱可塑
性樹脂にガスを均一に溶解させるため、超臨界状態にあ
るガスを供給するのが好ましい。超臨界状態とは、ガス
がその臨界温度以上、かつ、臨界圧力以上にある状態を
いう。因みに、ガスが二酸化炭素の場合に臨界温度は3
0.9℃、臨界圧力は7.4MPaである。また、窒素
の場合、臨界温度は−146.9℃、臨界圧力は3.4
MPaである。このような樹脂混合物へのガスの溶解
は、熱可塑性樹脂に粉体を充填する際、粉体の充填後、
および/または、これらの混合・混練後に行うこともで
きる。
【0029】そうして、ガスを熱可塑性樹脂に供給して
暴露させた後は、十分な量のガスを溶解させるため、上
記の温度と圧力のままで一定時間保持することが好まし
い。十分にガスが溶解すれば、飽和量に達するが、必ず
しもガスを飽和させる必要はない。また、上記の温度と
圧力に保つ時間は熱可塑性樹脂の種類、ガスの種類、あ
るいは溶解時の条件によって異なるが、適宜の時間を選
択する必要がある。
【0030】一方で、樹脂混合物内にガスが溶解する
と、特開平8−332154号公報に示されるように熱
可塑性樹脂の粘度が低下するため、ガスを溶解させない
従来一般の押出成形法と比較して、粉体が配合された樹
脂混合物を処理するにも拘らず押出機の負荷が低減化さ
れ、剪断による樹脂混合物の発熱も低下する。これによ
り、従来技術では不可能であったレベルまで、粉体の添
加割合を増加させることができる。
【0031】本発明の請求項1〜請求項3に記載した
「樹脂混合物の発泡」においては、熱可塑性樹脂に溶解
しているガスを一定の高圧と発泡温度以上の高温に保持
した状態とし、そののち減圧して樹脂混合物中の熱可塑
性樹脂を発泡させることで、粉体を含有した樹脂発泡体
が得られる。ここでいう発泡は、熱可塑性樹脂に溶解し
たガスを発泡剤として利用し、発泡温度において急激に
減圧させることにより、溶解したガスを樹脂内部で気化
させて熱可塑性樹脂を膨らませることを示している。
【0032】発泡直前におけるガス圧力の保持とは、発
泡させる温度まで加熱または冷却を行う際に、発泡が起
らない圧力を樹脂混合物に負荷することであり、このと
きの圧力は熱可塑性樹脂の種類、ガスの種類、あるいは
溶解時の条件によって異なるが、溶解しているガスが過
飽和とならない条件を選択することが必要である。例え
ば、バッチ式の場合には、容器内のガス圧力を調節した
りプレス等で加圧することができる。また、連続成形の
場合には、ガスの溶解した熱可塑性樹脂に対し金型構造
によって圧力を負荷することができる。
【0033】発泡時の温度は、熱可塑性樹脂や粉体の種
類、これらの配合量、あるいはガスの溶解量によって異
なるが、熱可塑性樹脂が結晶性樹脂である場合は、(樹
脂の融点−20℃)以上(樹脂の融点+20℃)以下の
温度範囲が好ましく、非結晶性樹脂である場合は、(樹
脂のガラス転移点)以上(樹脂のガラス転移点+60
℃)以下の温度範囲が好ましく選択される。これらの温
度範囲でガス圧力を開放すると、熱可塑性樹脂が発泡に
適した粘度となって十分発泡することが可能であり、高
い空孔率の樹脂発泡体が得られる。また、成長している
気泡は多量に充填された粉体によって破泡しやすくなる
ため、高い連続空孔率の樹脂発泡体が得られる。
【0034】発泡温度が上記の下限値未満である場合
は、熱可塑性樹脂の粘度が高くなりすぎて気泡が成長で
きず発泡が困難となる。また、発泡温度が上限値よりも
大きい場合は、熱可塑性樹脂の粘度が低すぎ、気泡が成
長する前に破泡して発泡が困難となる。因みに、空孔径
は、粉体の充填量、形状、発泡温度、および減圧速度に
影響を受けることが見出されている。そのうち、減圧速
度が大きいと、溶解しているガスが気化できる核が樹脂
内部に大量に発生する結果、空孔径が小さく、かつ、高
空孔率の樹脂発泡体が得られる。以上の操作により、粉
体を多量に空孔壁に充填した、高発泡倍率で高い連続空
孔率を有する樹脂発泡体が成形される。
【0035】ここで、減圧速度は、発泡温度に保持され
ている樹脂混合物のガス圧力を常圧まで低下させるとき
の単位時間あたりの圧力低下量で表される。減圧速度を
2MPa/秒以上とすることにより、空孔のもととなる
ガスの核が非常に多く発生し、それらが樹脂内部で膨張
した後、粉体を起点として連通化することで、空孔径が
小さく、高い空孔率で、高い連続空孔率を有する樹脂発
泡体が得られるのである。この場合、請求項3の「減圧
速度」は2MPa以上50MPa/秒以下に限定される
が、より好ましくは2MPa以上20MPa/秒以下で
ある。減圧速度が50MPa/秒よりも大きいと、装置
が大がかりになり好ましくない。2MPa/秒未満では
開放されるガスの圧力低下が小さすぎるため、熱可塑性
樹脂が十分に発泡しない。
【0036】かかる減圧速度は、バッチ式の場合には容
器に取付けたバルブ等により、密閉していたガスを大気
中に開放する時にバルブの径や開度を調節することで、
所望の値に設定できる。また、連続成形、特に押出成形
の場合には、金型先端側に樹脂圧力を調整できる流路を
設け、この流路部分を通過させた後に発泡させることが
できる。この流路部分の間隙、長さ等の形状や温度を適
宜選択することで所望の値に調節することができる。
尚、減圧直前の樹脂混合物の温度および圧力は特に限定
されないが、高い発泡倍率で均一な孔径の空孔を有する
樹脂発泡体が得られる温度と圧力が好適であり、使用す
る熱可塑性樹脂、粉体、各種添加物、またはガスの種類
により、好適な温度と圧力が異なる。
【0037】ところで、連続成形に用いられる成形機
は、ガスに暴露することによりガスの溶解した樹脂混合
物をシリンダや金型に供給できるものであれば、特に限
定されない。但し、樹脂混合物中に溶解したガスは常圧
下で急速に拡散するため、特開平9−152595号公
報に挙げられるように、ガスの溶解から成形機の供給ま
でを閉鎖した高圧の空間内で行える、耐圧ホッパを備え
た成形機を用いることが望ましい。ここで用いる成形機
は連続成形を可能にするものであれば良く、例えば押出
成形機や射出成形機が例示される。
【0038】押出成形機とは、1軸および2軸以上或い
はこれらを組み合わせた押出機であり、2軸の場合スク
リューの回転方向がそれぞれの軸で反対のもの、あるい
は同じものであっても良い。また、軸のタイプはパラレ
ルタイプでもコニカルタイプでも良く、押出機を多段に
組み合わせたタンデム方式を用いても構わない。また、
射出成形機とは、加熱装置を備えたシリンダと回転運動
するスクリューにより熱可塑性樹脂原料を計量し溶融す
る機構と、スクリューの前後運動により溶融した熱可塑
性樹脂原料を型内に射出する機構とを備えた成形機を指
す。尚、射出成形機と前記の押出成形機を組み合わせた
成形機を用いても良い。成形機のシリンダは高圧ガスを
シールできるものが好ましく、スクリューの駆動源側に
耐圧シール構造を設けることができる。
【0039】そして、成形機内で溶融時の樹脂混合物に
ガスを溶解させるにあたっては、樹脂混合物を常圧下で
成形機に供給した後、溶融した樹脂混合物とガスを成形
機内に密閉するようにしても良い。かかる密閉状態を具
現化する手段としては、上記したタンデム方式の押出機
を用い各段の接続部にガスを供給する方法や、押出機内
に2ケ所の溶融樹脂シールを構成できるスクリューを用
いて溶融樹脂シール間にガスを供給する方法等が挙げら
れる。
【0040】熱可塑性樹脂にガスを溶解させると流動性
が向上し混練が容易となる。このため、大量に粉体を充
填した場合でも、粘度の上昇が抑えられて容易に成形す
ることができ、粉体を熱可塑性樹脂中に均一に混練する
ことができる。均一混練が得られない場合は、発泡状態
が不均一になったり、充填した粉体が凝集したりして、
次に行う焼成が困難となり好ましくない。かかる均一混
練については、スクリュー形状、ミキシング装置の追
加、混練時間、温度等により所望の処理条件を得ること
ができる。また、熱可塑性樹脂の流動性向上により通常
よりも低温で成形できたり、生産性が向上する等の長所
を有する。
【0041】そうして、成形機に連接した金型内に、ガ
スを溶解した樹脂混合物を高圧下で導入し、更に金型か
ら樹脂混合物を大気圧下に開放すると、樹脂内部に溶解
していたガスが気化して発泡し、前記のように粉体を多
量に空孔壁に充填した、高発泡倍率で高い連続空孔率を
有する樹脂発泡体が成形されるのである。
【0042】本発明の請求項1または請求項2に記載の
「焼結」とは、粉体の融点付近の温度まで加熱して粉体
を結着させることである。かかる粉体の焼結において、
一般に粉体の焼結温度よりも熱可塑性樹脂の分解温度の
ほうが低いため、樹脂発泡体中の熱可塑性樹脂は粉体焼
結前に一部または全部が熱分解して除去される。この熱
可塑性樹脂が分解していく過程で、空孔を構成する樹脂
壁に高密充填された粉体どうしが接触し、焼結温度にお
いて粉体どうしが結着して、空孔率の高い焼結多孔質体
が得られるのである。焼結時の温度は使用する粉体の種
類により異なるが、粉体を構成する材料の融点以下の温
度に設定するのが好ましい。焼結時の温度が融点以上で
あれば微細な多孔質構造を維持するのが困難となる。
【0043】かかる焼結の条件は、使用する熱可塑性樹
脂および粉体の性状に応じて、処理温度、時間、雰囲気
が適宜選択される。尚、粉体として金属類を使用した場
合は、熱可塑性樹脂の分解除去時は酸化雰囲気、金属粉
体の焼結時は還元雰囲気といったように処理雰囲気を変
えることが好ましく、粉体に金属酸化物、金属酸化物セ
ラミックス、あるいは白金粉体を使用した場合は酸化の
問題がないため、酸化雰囲気だけで樹脂分解除去および
粉体焼結を一連に処理することができる。
【0044】そうして、請求項5の発明で粉体として用
いられる「金属類」は、例えば金属単体、金属酸化物、
金属炭化物、金属窒化物、および/または、有機金属等
が挙げられ、これらから選択される1種以上の材料を、
単独であるいは複数種組み合わせて用いることができ
る。
【0045】また、金属類として、金属酸化物、金属炭
化物、金属窒化物、および/または有機金属等といった
「金属単体以外の物質」を使用する場合、酸化還元反応
等の化学処理を行うことにより、その一部あるいは全部
を金属に変換することも可能である。かかる金属への変
換は製造工程のどの時点で行ってもよく、任意に選択す
ることが可能であるが、熱可塑性樹脂を除去した後に行
うことが好ましい。
【0046】そして、請求項5の焼結多孔質体における
「空孔率」は、以下の式1で定義される。
【0047】
【数1】
【0048】前記の「空孔率」は50体積%以上99.
5体積%以下に限定される。かかる焼結多孔質体は多孔
質であるため、通気性、吸着性、担持性、触媒活性、軽
量性、断熱性、吸音性、あるいは低摩擦性等の特性が良
好である。50体積%以下の空孔率では、上記した種々
の特性が十分に発揮されない。逆に、99.5体積%を
超えた空孔率では、機械的強度が低くなってしまう。す
なわち、空孔率は75体積%以上99.5体積%以下と
するのがより好ましい。
【0049】また、請求項5の焼結多孔質体における
「連続空孔率」は80体積%以上100体積%以下に限
定される。連続空孔とは焼結多孔質体内に形成された空
孔のうち外気と連通している孔のことを示し、その値は
ASTM D2856の方法に準拠して求められる。本
発明の焼結多孔質体は空孔が連続したものであるため、
通気性、吸着性、担持性、軽量性、あるいは吸音性等の
特性が良好である。因みに、80体積%未満の連続空孔
率では前記の性能が十分に発揮されない。すなわち、連
続空孔率は90体積%以上100体積%以下であるのが
より好ましい。
【0050】また、請求項5の焼結多孔質体における
「空孔径の平均値」は0.001μm以上100μm以
下の範囲に設定される。従って、得られた焼結多孔質体
は単位重量あたりの表面積(比表面積)が大きく、吸着
性、担持性、触媒活性、断熱性、吸音性等の特性が良好
である。空孔径の平均値が0.001μm未満では空孔
があまりに小径すぎて吸着性、担持性等の性能が十分発
揮されず好ましくない。他方、100μmを超えると、
比表面積が小さくなり良好な性能を発揮するのが困難と
なる。すなわち、空孔径の平均値は0.001μm以上
50μm以下の範囲がより好ましく、0.01μm以上
30μm以下が特に好ましい。また、空孔径の大きさの
範囲は、無作為に選択した100ケ以上の空孔の径を評
価したときの最大の孔径と最小の孔径との比が1以上3
以下であることも、安定した性能を発揮するために好ま
しい。前記の孔径比が1.0以上2.0以下であるとい
っそう好ましい。かかる空孔径の平均値は、焼結多孔質
体を電子顕微鏡等により観察して算出される。
【0051】また、請求項5の焼結多孔質体を製造する
製造方法としては、特に限定されないが、請求項1〜請
求項4のいずれかに記載の焼結多孔質体の製造方法を行
うことが好ましい。
【0052】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面を参照しつつ詳しく説明する。図1は本発明に係る焼
結多孔質体の1つの実施の形態である焼結多孔質シート
の断面を模式的にあらわしている。図1に示すように、
焼結多孔質シート1は、焼結により3次元網目状に残っ
た酸化ニッケルまたはニッケル単体から成る焼結部21
で主に構成され、焼結部21内には外気と連通する微細
な連続空孔3が形成されている。この焼結多孔質シート
1は、空孔率が50体積%以上99.5体積%以下で、
連続空孔率が80体積%以上100体積%以下で、連続
空孔3の空孔径の平均値が0.001μm以上100μ
m以下となっている。
【0053】上記の焼結多孔質シート1は、図2に示す
押出成形装置4を使用して以下のように製造される。ま
ず、押出機5の耐圧ホッパ51中に、熱可塑性樹脂とし
てのポリビニルブチラール2´および焼結性粉体である
金属類としての酸化ニッケル粉末(図示せず)を、ポリ
ビニルブチラール2´が100重量部に対し酸化ニッケ
ル粉末が100重量部以上1000重量部以下の割合と
なるように予め混合して投入する。そして、耐圧ホッパ
51中で、ガスボンベ6から加圧ポンプ61を介して送
られてくる超臨界状態の二酸化炭素にポリビニルブチラ
ール2´を暴露してポリビニルブチラール2´に二酸化
炭素を溶解させる。その後、二酸化炭素の溶解したポリ
ビニルブチラール2´と酸化ニッケル粉末とを耐圧ホッ
パ51から押出機5のシリンダ7内に供給する。
【0054】次に、供給されたポリビニルブチラール2
´および酸化ニッケル粉末はスクリュ8で混練されて金
属粉混合溶融樹脂(樹脂混合物)22となりつつ排出側
へ送られる。その間に、ガスボンベ6から加圧ボンプ6
2,63を介して送られてくる超臨界状態の二酸化炭素
を、固体輸送部に設けられた前流ガス供給孔71および
溶融体輸送部に設けられた後流ガス供給孔72を介して
シリンダ7内に供給し、更なる二酸化炭素をポリビニル
ブチラール2´および樹脂混合物22へ溶解させる。
【0055】このようして、二酸化酸素がポリビニルブ
チラールに溶解した樹脂混合物22をシリンダ7の押出
機5の排出端部に設けられた排出管路74を介して金型
9へ送り、金型9内のチョークバー91によって樹脂圧
を調整しながら、金型9内で冷却しつつシート状の賦形
物にして大気中に連続的に押し出す。このようにシート
状賦形物を大気中に押し出すことにより、溶解している
ガスを2MPa/秒以上50MPa/秒以下の減圧速度
で開放してシート状賦形物を発泡させる。これにより、
樹脂発泡シートを連続的に得るようになっている。尚、
図2中、64,65,66はバルブ、81はスクリュ8
の駆動装置としてのモータ、82は減速機である。
【0056】このようにして得られた樹脂発泡シート
は、大気雰囲気中で焼成温度まで加熱されることにより
ポリビニルブチラールが分解除去され、更に焼成されて
酸化ニッケルまたはニッケル単体から成る3次元網目構
造の焼結多孔質シート1となる。この焼結多孔質シート
1は、上記のように、ポリビニルブチラール2´が10
0重量部に対し、酸化ニッケル粉末が100重量%以上
1000重量%以下の割合で含まれた樹脂混合物を発泡
させたのち、焼結により残った酸化ニッケルまたはニッ
ケル単体を主成分とする焼結部21から成っている。ま
た、焼結多孔質シート1は、空孔率が50体積%以上9
9.5体積%以下、かつ、連続空孔率が80体積%以上
100体積%以下、かつ、空孔径の平均値が0.001
μm以上100μm以下であるので、連続空孔3内の空
気がシート外部の空気と変換されやすく、比表面積や機
械的強度が大である。
【0057】すなわち、焼結多孔質シート1は触媒作用
を有するシート内部が連続空孔3を通して外気と常に接
触した状態に保たれるので、例えばニッケル水素2次電
池電極として好適に使用可能である。因みに、従来用い
られているニッケル多孔質体(例えば、セルメット(住
友電工社製で空孔径が約100μm))と比較しても、
平均空孔径が小さく孔径が均一で導電材料が脱落しにく
く、充放電回数の大きな金属電極として好適な構造と考
えられる。また、触媒作用の高い還元反応の触媒として
も好適に使用可能である。
【0058】尚、本実施形態で用いたニッケルと同様
に、脱水素能を有し還元作用を有する金属類としては、
白金、銀、銅、水銀、鉄、鉛等の金属単体、酸化クロム
(Cr 2 3 )、酸化モリブデン(MoO2 )等の金属
酸化物等、およびこれら複数種の金属から成る合金ある
いは組成物が挙げられ、これらは本発明の金属類として
好適に利用される。また、これら金属類を酸化アルミニ
ウム(Al2 3 )、酸化ケイ素(SiO 2 )等に担持
させて触媒として用いることも、本発明においては可能
であり、従来公知の触媒作用を有する金属類組成物も本
発明に好適に利用できる。
【0059】一方、上記製造方法においては、ポリビニ
ルブチラールと酸化ニッケルの混練前および混練中に超
臨界状態の二酸化炭素をポリビニルブチラール中に溶解
させるようにしたので、樹脂粘度が低下し、結果として
充填材の混合された樹脂混合物の粘度も低下する。従っ
て、ガスを溶解させない一般的な押出成形と比べて、押
出機への負荷が低減され、剪断による樹脂混合物の発熱
も低下する。すなわち、従来の技術では不可能であった
レベルまで充填材の割合を増加させることが可能とな
る。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明をいっそう詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
【0061】(実施例1)熱可塑性樹脂としてポリビニ
ルブチラール(積水化学工業社製で製品名「エスレック
B グレード BL−1」、ガラス転移点=66℃)の
粉砕物100重量部と、焼結性を有する粉体として酸化
ニッケル(II)の粉末(山中化学工業社製、平均粒径
0.55μm)300重量部とを170℃の温度下で均
一に混練し、プレスにより厚さ1mmの平板状賦形物を
得た。続いて、この平板状賦形物をオートクレーブに入
れ、ガスとして二酸化炭素を用い、140℃、ガス圧力
17MPaの条件下で1時間、二酸化炭素を平板状賦形
物に溶解させた。その後、ガス圧力を17MPaに保持
したまま110℃まで冷却し、更にオートクレーブのバ
ルブ開度を調節することにより4MPa/秒の減圧速度
で常圧まで減圧して発泡させて、樹脂発泡シートを作製
した。この樹脂発泡シートをオートクレーブから取出し
て、500℃、20分間大気雰囲気中に平置きし、ポリ
ビニルブチラールを熱分解除去した。次に、1000℃
で、水素ガスを流した還元雰囲気中に前記の樹脂発泡シ
ートを30分間保持した。これにより、酸化ニッケルが
還元されてニッケル単体が焼結した3次元網目状構造の
焼結多孔質シートを得た。この焼結多孔質シートは空孔
率が80体積%で、連続空孔率が100体積%で、平均
空孔径が10μmであり、空孔径は比較的均一であっ
た。
【0062】(比較例1)ガスの減圧速度を1.5MP
a/秒の条件に変更したこと以外は、実施例1と同様に
してニッケル単体の焼結多孔質シートを得た。この焼結
多孔質シートは空孔率が35体積%、連続空孔率が40
体積%といずれも低く、しかも空孔径が不均一であっ
た。
【0063】(実施例2)以下の条件で、押出成形装置
による連続成形を行い、酸化ニッケル粉末を含有する樹
脂発泡シートを作製した。 〔押出成形装置〕 ・押出機:逆駆動方式押出機(φ40単軸押出機、L/
D=30、7.5kw直流モータ駆動、図2参照) ・金型:幅40mm厚み3mmスリットダイ(流路先端
に発泡時の圧力調整用チョークバーが設置され、樹脂通
過面はPTFE(四フッ化エチレン樹脂)でコーティン
グされていて、オイル循環による冷却賦形が可能となっ
ている。) 〔成形条件〕 ・押出機・・・スクリュー回転数:5rpm、 温度設定:120〜170℃、 押出量:1.0kg/hr ・金型・・・・設定温度:110℃ ・熱可塑性樹脂:実施例1と同じポリビニルブチラールの粉砕物 ・・・100重量部 ・金属類:実施例1と同じ酸化ニッケル(II)の粉末 ・・・300重量部 ・ガス:二酸化炭素(溶解圧力200kg/cm2 、樹脂100重量部に対す る平均溶解量10重量部(押出量とガス供給量から算出)) ・耐圧ホッパ内加圧(押出機途中へのガス供給は無し) ・減圧速度:チョークバ−の操作により5MPa/秒に調整
【0064】前記の押出機で作製した樹脂発泡シートを
500℃、20分間大気雰囲気中に保持し、熱可塑性樹
脂であるポリビニルブチラールを熱分解除去した。つい
で、ポリビニルブチラールの除去された樹脂発泡シート
を、1000℃で水素ガスを流した還元雰囲気中に30
分間保持した。これにより、酸化ニッケルが還元されて
ニッケル単体が焼結した焼結多孔質シートを得た。この
焼結多孔質シートは空孔率が83体積%、連続空孔率が
100体積%、平均空孔径が8μmであり、空孔径は均
一であった。
【0065】(比較例2)実施例2で使用したものと同
じ押出成形装置を用いるとともにガス供給以外は同じ条
件とし、ポリビニルブチラール粉砕物と酸化ニッケル粉
末から成る樹脂混合物をガスの供給なしで押出成形しよ
うとした。しかしながら、樹脂混合物の粘度が高すぎて
押出成形装置がトルクオーバーとなり、押出が不可能で
あった。
【0066】(実施例3)実施例1と同じく、ポリビニ
ルブチラールの粉砕物100重量部と、酸化ニッケル
(II)の粉末300重量部とを150℃の温度下で均一
に混練し、プレスにより厚さ140μmのシート状賦形
物を得た。続いて、シート状賦形物をオートクレーブ内
に収容し、140℃、圧力17MPaの二酸化炭素に暴
露する条件下で1時間、二酸化炭素をシート状賦形物に
溶解させた。その後、温度と圧力を70℃と11MPa
まで低下させて保持し、更にこれを4MPa/秒の減圧
速度で大気圧まで圧力を開放して発泡させた。得られた
樹脂発泡シートの発泡倍率は体積で4.2倍であった。
これを500℃で20分間大気雰囲気中に保持してポリ
ビニルブチラールを焼去し、更に1000℃に加熱した
水素雰囲気下の炉内で加熱して、酸化ニッケル粉末の焼
結処理および還元処理を行って、ニッケル単体の焼結多
孔質シートを得た。得られた焼結多孔質シートは、空孔
率が80体積%、連続空孔率が100体積%、空孔径の
平均値が5μmであり、空孔径は均一であった。
【0067】そこで、上記した実施例1〜3および比較
例1,2について、ガス溶解工程の有無、減圧速度や成
形態様による、各焼結多孔質シートの物性や状態の違い
を纏めて次の表1に示した。
【0068】
【表1】
【0069】前記の表1から、本実施例1〜3および比
較例1のように熱可塑性樹脂と粉体の樹脂混合物にガス
を溶解させると樹脂混合物の粘度が低下して極めて容易
に成形できたのに対し、ガスを溶解させない比較例2で
は樹脂混合物の粘度が高すぎて押出成形すら不可能とな
った。また、本実施例1〜3のように溶解しているガス
を急速な減圧速度で気化・発泡させると空孔率、連続空
孔率、および平均空孔径の好適な焼結多孔質体が最終的
に得られるのに対し、ゆるやかな減圧速度でガスを気化
・発泡させた比較例1では得られた焼結多孔質体の空孔
率と連続空孔率が低く、空孔径がばらついて不均一にな
ることが判る。
【0070】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
の製造方法によれば、焼結性を有する粉体を熱可塑性樹
脂に多量に配合した樹脂混合物にガスを溶解させ、ガス
圧力の減圧によりガスを発泡剤として作用させて樹脂混
合物を発泡させたのち、発泡した樹脂混合物を加熱し粉
体を焼結させて焼結多孔質体を得るようにしたので、従
来のメッキ法よりも簡便に、かつ、メッキ法では適用困
難であったセラミックス等の非導電性物質や2種類以上
の金属から成る合金等についても、本発明は適用可能で
ある。また、溶解していたガスにより樹脂混合物を発泡
させるため、発泡時に粉体が連続空孔形成剤として作用
し、粉体同士が十分に密接した樹脂混合物が得られる。
このとき、ガス溶解量、ガス圧力、温度等を適当な範囲
に選択できて任意の発泡倍率の樹脂混合物が得られるの
で、その後の焼成により、高い空孔率と連続空孔率で、
微細な空孔径を有する焼結多孔質体を簡便に製造できる
のである。
【0071】請求項2の製造方法によれば、樹脂混合物
を成形機で連続成形するにあたり樹脂混合物の熱可塑性
樹脂へガスを溶解させたことにより、従来技術よりも低
負荷で、かつ、発熱を抑制して樹脂混合物を連続成形す
ることが可能となった。これにより、従来技術よりも多
量の粉体を熱可塑性樹脂に配合することができ、難燃
化、軽量化、吸着性等のように、充填剤に起因する特性
を極めて高く発揮させることができる。加えて、従来で
は連続成形できなかったりあるいは連続成形が困難であ
った、熱分解性を示す熱可塑性樹脂に対しても成形機に
よる連続成形が可能となった。また、熱可塑性樹脂の熱
分解が抑制されるため、製造条件の自由度が高まって生
産効率を増大させることが可能となる。更には、可塑剤
や溶剤を用いる必要がないため、環境や安全に対する問
題点が解消される。
【0072】請求項3の製造方法によれば、溶解してい
るガスの圧力を素早く減圧して樹脂混合物を発泡させる
ようにしたので、最終的に空孔率や連続空孔率が高く微
小な空孔径の焼結多孔質体が得られ、焼結多孔質体の比
表面積が増大する。このため、吸着性、担持性、触媒活
性の反応効率等といった特性が向上し、更には引張強度
や曲げ強度等の機械強度も向上した焼結多孔質体を得る
ことができる。
【0073】請求項4の製造方法によれば、ガスとして
用いる二酸化炭素の熱可塑性樹脂に対する溶解度が高い
ため、樹脂混合物の粘度低下効果が大きく、そのぶん粉
体の充填量を多くすることができる。また、二酸化炭素
は安価であり環境への影響や安全上の問題が無いため、
取り扱いが容易で好ましい。また、二酸化炭素は発泡剤
としても利用されるため、高価であるにも拘らず熱安定
性の悪い化学発泡剤等を用いる必要が無く、高空孔率・
高連続空孔率で、微小な空孔径を有する焼結多孔質体の
工業生産に寄与する。
【0074】本発明に係る請求項5の焼結多孔質体によ
れば、焼結性を有する粉体として金属類を用いて製造さ
れ従来にないレベルの高空孔率を有しているので、担持
性、吸着性、触媒活性等に富み、例えば2次電池電極材
料として使用した場合に多量の導電材料を担持できて容
量の大きな電池を得ることができる。加えて、導電材料
が脱落しにくく、可能充放電回数の多大な電池を提供で
きる。また、高い連続空孔率を有しているので、気体媒
体や液体媒体の通過性が良好で、しかも単位重量あたり
の比表面積が大きく、触媒作用の非常に高い反応触媒と
して使用できる。そして、空孔径が微細で揃っているた
め、密度が同程度の従来の多孔質材料と比較して引張強
度や曲げ強度に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る焼結多孔質体の1つの実施の形態
である焼結多孔質シートの断面を拡大して模式的にあら
わす断面図である。
【図2】本発明に係る焼結多孔質体の製造方法に用いる
押出成形装置の1例を模式的にあらわす断面図である。
【符号の説明】
1 焼結多孔質シート(焼結多孔質体) 3 連続空孔 4 押出成形装置(成形機) 21 焼結部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂100重量部に対し、焼結性
    を有する粉体を100重量部以上1000重量部以下の
    割合で配合して樹脂混合物を得、該樹脂混合物をガスに
    暴露してガスを樹脂混合物中に溶解させ、樹脂混合物中
    に溶解しているガスの圧力を減圧しガスを気化させて樹
    脂混合物を発泡させたのち、発泡した樹脂混合物を加熱
    して粉体を焼結させることを特徴とする焼結多孔質体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂100重量部に対し、焼結性
    を有する粉体が100重量部以上1000重量部以下の
    割合で配合された樹脂混合物を成形機で成形する際に成
    形機供給前の樹脂混合物および/または成形機中の樹脂
    混合物をガスに暴露してガスを樹脂混合物中に溶解させ
    るガス溶解工程を有しているとともに、更に、樹脂混合
    物中に溶解しているガスの圧力を減圧しガスを気化させ
    て樹脂混合物を発泡させる発泡工程と、発泡した樹脂混
    合物を加熱して粉体を焼結させる焼結工程とを備えてい
    ることを特徴とする焼結多孔質体の製造方法。
  3. 【請求項3】樹脂混合物の発泡に際し、ガスの圧力を2
    MPa/秒以上50MPa/秒以下の減圧速度で減圧し
    て樹脂混合物を発泡させる請求項1または請求項2に記
    載の焼結多孔質体の製造方法。
  4. 【請求項4】ガスが二酸化炭素である請求項1〜請求項
    3のいずれか1項に記載の焼結多孔質体の製造方法。
  5. 【請求項5】金属類の粉体が焼結されてなる焼結多孔質
    体であって、空孔率が50体積%以上99.5体積%以
    下、かつ、連続空孔率が80体積%以上100体積%以
    下、かつ、空孔径の平均値が0.001μm以上100
    μm以下に形成されていることを特徴とする焼結多孔質
    体。
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