JP2017222984A - コンクリート構造物の製造方法、及び当該コンクリート構造物の製造方法に用いられる硬質シート - Google Patents

コンクリート構造物の製造方法、及び当該コンクリート構造物の製造方法に用いられる硬質シート Download PDF

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達也 温品
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Abstract

【課題】 コンクリート表面への皺の発生をより確実に抑制して美観を向上させることができるコンクリート構造物の製造方法を提供する。【解決手段】 コンクリート構造物の製造方法は、コンクリート打設用の型枠5の内面にプラスチック焼結多孔質体又はセラミック焼結多孔質体からなる硬質シート10を設置する設置工程と、硬質シート10が型枠5の内面に設置された状態で当該硬質シート10の表面12にコンクリート7が接触するように型枠5内にコンクリート7を打設する打設工程と、打設されたコンクリート7の締固めを行い、コンクリート7内部の気泡を除去する除去工程と、型枠を脱型する脱型工程と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、コンクリート構造物の製造方法、及び当該コンクリート構造物の製造方法に用いられる硬質シートに関する。
コンクリートを型枠内に打設してコンクリート構造物を構築する際、コンクリートに内在又は巻き込まれる空気が表面気泡として型枠内部の上面(例えばハンチ部)や打設天端に残留してしまうことがある。これら表面気泡の残留により、コンクリート構造物の外観を損ねてしまったり、また鉄筋かぶりを小さくしてしまうことで耐久性を低下させてしまったりすることがある。そこで、表面気泡の残留を抑制するため、コンクリートを打設する際、透水性を有する布状の多孔質シートを型枠内面に貼り付けることが行われている(例えば特許文献1,2参照)。
特開2006−283366号公報 実開平5−45144号公報
しかしながら、例えば特許文献1に記載の透水材を用いてコンクリートを打設した場合、表面気泡を抑制することはできるものの、透水シートをプレートに貼り付けてコンクリート型枠に用いているため、その貼り付けが十分でないと透水シートが剥がれてしまい、発生したよれがコンクリート表面に皺として転写され、コンクリート構造物の外観を損ねてしまうおそれがある。特許文献2に記載の脱水型枠では、強化繊維と熱硬化性樹脂とを混合したシート(いわゆるFRP)を用いているが、硬質で強度が高いが故に、設置場所での寸法合わせなどの切断および加工に難がある。また、複合材料であるために、そのほとんどはリサイクルできずに単純焼却もしくは埋立処分となってしまう。
そこで、本発明の課題は、コンクリート表面への皺の発生をより確実に抑制して美観を向上させることができるコンクリート構造物の製造方法、及び当該製造方法に用いることができる硬質シートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法は、コンクリート打設用型枠の内面にプラスチック焼結多孔質体又はセラミック焼結多孔質体からなる硬質シートを設置する設置工程と、硬質シートが型枠の内面に設置された状態で当該硬質シートの表面にコンクリートが接触するように型枠内に当該コンクリートを打設する打設工程と、打設されたコンクリートの締固めを行い、コンクリート内部の気泡を除去する除去工程と、型枠を脱型する脱型工程と、を備えている。
このコンクリート構造物の製造方法では、コンクリート打設用型枠の内面に焼結多孔質体からなる硬質シートを設置し、この硬質シートの表面にコンクリートが接触するようにコンクリートを打設している。この場合、硬質シートが多孔質体であることから、打設されたコンクリートの表面に浮いてきた空気を当該シートで取り込み、又は排出することで、表面気泡を取り除くことができる。しかも、一般的に所定の強度、厚み、及び剛性を有する焼結体からなる硬質シートを用いているため、シートによれが発生することがなく、コンクリート表面への皺の発生をより確実に抑制することができる。以上により、このコンクリート構造物の製造方法によれば、コンクリート表面の美観や品質を向上させることができる。なお、この製造方法では、コンクリートを打設する前に硬質シートを型枠内に設置(例えば貼り付け)するだけですむため、製造方法を簡略化することができる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、硬質シートの平均気孔径が100μm以下であることが好ましい。この場合、構築されるコンクリート構造物の表面形状を滑面とすることが可能である。なお、硬質シートがプラスチック焼結多孔質体である場合、硬質シートの平均気孔径は20μm以下であることがより好ましく、この場合、構築されるコンクリート構造物の表面形状をより綺麗なものとすることができる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、硬質シートの気孔率が20%以上50%以下であることが好ましい。この場合、かかる硬質シートの使用により、コンクリート内の空気をより確実に収容もしくは開気孔(連続気孔)によりシートの背面に気泡を逃がすことができ、コンクリート表面に残留気泡による跡を発生させづらくなる。なお、硬質シートの気孔率は、より好ましくは30%以上50%以下であり、更に好ましくは35%以上40%以下である。なお、「気孔率」は、JIS M 8716により以下の式で算出される。
気孔率P(%)=(ρ‐ρ1)/ρ × 100
ここで、ρは真密度を、ρ1は見かけの密度を示す。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、硬質シートの厚みが1mm以上であることが好ましい。焼結により形成されたシートであってもその厚みが1mm以上、より好ましくは2mm以上であることにより、シートの剛性を保つことが可能となり、よれの発生をより確実に抑制することができる。なお、硬質シートの厚みの上限は特にないが、実用的には型枠組立時の出来形精度を勘案して6mm以下であることが好ましい。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、JIS K 7203硬化プラスチックの曲げ試験方法による硬質シートの3点曲げ強度は、下限として1.2MPa以上又は1.5MPa以上、上限として6.0MPa以下であることが好ましいが、下限として2.0MPa以上であることがより好ましい。硬質シートの曲げ強度が2.0MPa以上であることにより、シートの剛性を保つことが可能となり、よれの発生をより一層確実に抑制することができる。しかも、硬質シートの曲げ強度が2.0MPa以上である場合、シートの取扱い性を向上させることもできる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、硬質シートは、型枠側の裏面に凸部又は凹部を有し、設置工程において、硬質シートの凸部又は凹部が型枠の内面側に形成された凹部又は凸部と嵌合し、これにより、硬質シートが型枠の内面に固定されるようにしてもよい。この場合、硬質シートが型枠に嵌合するため、脱型した際、硬質シートがコンクリート側に付着してしまうことなく、型枠と一体となってコンクリートから取り除くことが可能となる。なお、硬質シートは、両面テープや糊剤等により型枠に取り付けられていてももちろんよい。
上記のコンクリート構造物の製造方法では、設置工程において、硬質シートは、その一部が型枠の継目部分から外部に露出するように型枠の内面に設置されてもよい。この場合、型枠の継目部分における砂すじの発生抑制や空気の呼び込みなどを行うことができる。
上記のコンクリート構造物の製造方法において、プラスチック焼結多孔質体を構成するプラスチック材料の熱膨張係数が200×10−6/℃以下であることが好ましい。硬質シートの熱膨張係数が上述した上限値以下であることにより、プラスチック材料を用いた場合であっても、シート自体の厚みや剛性もあることから、シートに発生するよれを抑制することができる。
なお、本発明は、別の側面として、上述した何れかのコンクリート構造物の製造方法に用いられる硬質シートに関する。この硬質シートは、プラスチック焼結多孔質体又はセラミック焼結多孔質体からなっている。かかる硬質シートを用いることにより、上述したように、構築されるコンクリート構造物への皺の転写が抑制され、美観を向上させることができる。
本発明によれば、コンクリート表面への皺の発生をより確実に抑制して美観を向上させることができる。
本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法を示すフローチャートである。 本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法を示す断面図である。 型枠への硬質シートの取り付け例を示す模式的な断面図である。 実施例に用いた型枠の形状を示す模式的な断面図である。 (a)は、プラスチック焼結多孔質体を用いた場合のコンクリート構造物を示す写真であり、(b)は、(a)と異なる平均気孔径のプラスチック焼結多孔質体を用いた場合のコンクリート構造物を示す写真であり、(c)は、透水性シートを用いなかった場合のコンクリート構造物を示す写真であり、(d)は、布製の透水性シートを用いた場合のコンクリート構造物を示す写真である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るコンクリート構造物の製造方法について説明する。
本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法は、図1に示すように、多孔質体からなる硬質シートを型枠の内面に設置する設置工程(ステップS1)、コンクリートを打設する打設工程(ステップS2)、打設されたコンクリートの締固めを行い、コンクリート内部の気泡を除去する除去工程(ステップS3)、及び、型枠を脱型する脱型工程(ステップS4)を含んでいる。
ステップS1の設置工程では、まず、図2の(a)に示すように、コンクリートの打設用型枠の内面に配置する硬質シート10を準備する。硬質シート10は、例えば1mm〜3mm程度の厚みを有する矩形形状のシートであり、詳細は後述するが、プラスチック焼結多孔質体又はセラミック焼結多孔質体からなる透水性の硬質シートである。硬質シート10の厚みは、例えば1mm以上10mm以下であり、これにより、所定の強度を確保することができる。プラスチック焼結多孔質体は、各種プラスチック粉末を原料として焼結することにより平均的な気孔径を持つように構成された三次元網目構造の成形体である。セラミック焼結多孔質体も用いる原料は異なるが同様の成形体である。このような硬質シートとしては、例えば、株式会社先田製作所の「プラスチック焼結多孔質体」を用いることができる。
硬質シート10は、コンクリートを打設した際によれが発生しないように所定の強度を有しており、その3点曲げ強度が1.2MPa以上6.0MPa以下であり、好ましくは2.0MPa以上となっている。1枚当たりの貼り付け面積が大きかったり、曲面があったりする場合には、硬質シート10の曲げ強度が2.0MPa以上であることにより、シートの剛性を保つことがより容易に可能となり、よれの発生をより一層確実に抑制することができる。しかも、硬質シート10の曲げ強度が2.0MPa以上である場合、シートの取扱い性を向上させることもできる。なお、この3点曲げ強度は、例えば、JIS K 7203硬化プラスチックの曲げ試験方法により測定される。このような硬質シート10を、図2の(b)に示すように、その表面12が内側に裏面14が型枠5側へ向くように、型枠5の内側に配置して貼り付ける。これにより、設置工程が終了する。
続いて、ステップS2の打設工程に進み、図2の(c)に示すように、型枠5の内面に硬質シート10が貼り付けられた状態で、硬質シート10の表面12にコンクリート7が接触するようにコンクリート7の打設を行う。
続いて、コンクリート7の打設が完了すると、ステップS3に進み、打設されたコンクリート7に対してバイブレータ(不図示)をかけて締固めを行う。このコンクリート7の締固めにより、コンクリート7内部の気泡が外部に向かって移動し、除去される。除去される気泡は型枠5側に移動し、内部に空隙を有する焼結体からなる硬質シート10により取り込まれる。なお、硬質シート10に取り込まれた気泡の一部は、外部に排出されてもよい。コンクリート7の締固めが終了すると、型枠5をはめたまま、コンクリート7の湿潤養生を例えば7日〜28日程度行い、コンクリートを硬化させる。コンクリート7が硬化するまでそのままの状態を維持する。
続いて、コンクリートの打設工程及び気泡の除去工程が完了しコンクリートの硬化が進むと、ステップS4の型枠を脱型する脱型工程に進み、図2の(d)に示すように、型枠5を脱型し、コンクリート7から引き離す。また、その後に若しくは同時に、硬質シート10をコンクリート7から剥離する。なお、型枠の脱型及び硬質シート10の剥離後、養生シート等を用いてコンクリート構造物7aを養生してもよい。
ここで、硬質シート10について、より詳細に説明する。硬質シート10は、上述したように、プラスチック焼結多孔質体又はセラミック焼結多孔質体から構成されており、好ましくは、プラスチック焼結多孔質体から構成される。プラスチック焼結多孔質体としては、特に制限されないが、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリメチルメタクリレート(MA)、ポリスチレン(PS)、又はフッ素樹脂等のプラスチック粉末を原料として、焼結及び成形した成形品又はその圧縮成形品等が上げられる。プラスチック焼結多孔質体は、上記した原料単体から構成されることが多いが、他の材料が含まれていてもよい。但し、単一の材料から構成される場合、硬質シート10のリサイクルが容易になったり、また、材料の焼結温度や収縮量が同じであるため、硬質シートの製造を行いやすくなる。なお、プラスチック焼結多孔質体は、多孔質プラスチック成形体と称されることもある。
このような硬質シート10は、例えば上述したプラスチック材料の焼結体から形成されるが、その熱膨張係数は、材料がポリエチレンの場合、110〜200×10−6/℃であり、材料がポリプロピレンの場合、58〜102×10−6/℃であり、材料がポリメチルメタクリレートの場合、45〜70×10−6/℃である。つまり、熱膨張係数が200×10−6/℃以下の硬質シート10を用いることになる。硬質シート10の熱膨張係数は、上述したような値であり、コンクリートや鉄(12×10−6/℃)に比べて大きいが、硬質シート10自体の厚みや剛性により、よれが発生しないようになっている。
また、硬質シート10は、上述したような焼結体から構成されており、その平均気孔径は、100μm以下であり、より好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは20μm以下である。ここでいう「平均気孔径」は、例えば、マイクロスコープ等によって測定される。このような平均気孔径の硬質シート10を用いることにより、構築されるコンクリート構造物の表面形状を滑面とすることが可能である。なお、硬質シート10がプラスチック焼結多孔質体である場合に硬質シート10の平均気孔径が20μm以下であると、構築されるコンクリート構造物の表面形状をより平滑で綺麗なものとすることができる。
また、硬質シート10の気孔率は、20%以上50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以上50%以下であり、更に好ましくは35%以上40%以下である。気孔率が上記の範囲にあることにより、コンクリート7内の空気をより確実に収容することができ、コンクリート表面に残留気泡による跡を発生させづらくなる。ここでいう「気孔率」は、シート容積全体に対する空隙部分の容積を示す比率であり、例えば、JIS M 8716により、以下の式で算出される。
気孔率P(%)=(ρ‐ρ1)/ρ × 100
ここで、ρは真密度を、ρ1は見かけの密度を示す。
このような構成を備えた硬質シート10は、設置工程において、例えば図3の(a)に示すように、両面テープ15や糊剤により型枠5に貼り付けられてもよい。または、図3の(b)及び(c)に示すように、硬質シート10に代えて、複数の凸部14aを裏面14側に備えた硬質シート10aを用い、複数の凹部5bが設けられた型枠5aに硬質シート10aを貼り付け固定されるようにしてもよい。硬質シート10aは、凸部14aを設けたこと以外は硬質シート10と同様の構成である。この場合、硬質シート10aの凸部14aが型枠5aの凹部5bに嵌合するため、硬質シート10aが型枠5aに確実に貼り付けられることとなり、型枠5aを脱型した際、硬質シート10aがコンクリート側に付着してしまうことなく、型枠5aと一体となってコンクリートから取り除くことが可能となる。なお、針材等を打ち込むことによって硬質シート10を型枠5に直接固定するようにしてもよい。
以上、本実施形態に係るコンクリート構造物の製造方法では、コンクリート打設用型枠5又は5aの内面に焼結多孔質体からなる硬質シート10又は10aを設置し、この硬質シート10又は10aの表面12にコンクリート7が接触するようにコンクリートを打設している。このように硬質シート10又は10aが多孔質体であることから、打設されたコンクリート7の表面に浮いてきた空気を当該シート10又は10aで取り込み、又は排出することで、表面気泡を取り除くことができる。しかも、一般的に所定の強度を有する焼結体からなる硬質シート10又は10aを用いているため、シート10又は10aによれが発生することがなく、コンクリート表面への皺の発生をより確実に抑制することができる。なお、この製造方法では、コンクリートを打設する前に硬質シート10又は10aを型枠5又は5a内に設置(例えば貼り付け又は嵌合)するだけですむため、製造方法を簡略化することができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく様々な実施形態に適用できる。例えば、上記実施形態では、型枠5と硬質シート10とが一対一で対応した場合を例にとって説明したが、設置工程において、硬質シート10が、その一部が型枠5の継目部分から外部に露出するように型枠5の内面に設置されてもよい。この場合、型枠5の継目部分における砂すじの発生抑制や空気の呼び込みなどを行うことができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例では、その適用の一例として、ハンチ付型枠のような一般に気泡が抜けにくい箇所に本発明を適用した例を示しているが、そのほか一般的な構造体に対して同様に本発明を適用することはもちろん可能である。
まず、以下の表1に示す材料構成のコンクリートを所定量、準備した。
続いて、実施例1として、ハンチ部を有する型枠5に硬質シートを貼り付けて、コンクリートの打設を行った。型枠5は、図4に示す通りの形状であり、長さ900mm、幅300mm、高さ600mmの直方体形状の一部にハンチが設けられた型枠であった。また、実施例1で用いたプラスチック焼結多孔質体(硬質シート10)は、株式会社先田製作所製のポリプロピレン製の焼結多孔質体であった。このプラスチック焼結多孔質体は、平均気孔径が50μmであり、気孔率は35〜40%であり、厚みは5mmであり、曲げ強度は1.3MPaであった。
実施例1のプラスチック焼結多孔質体及び型枠5を用いてコンクリートの打設を行った後、7日間、コンクリートを硬化・養生させ、その後、型枠5を脱型すると共に硬質シートをコンクリートから引き剥し、コンクリート供試体を作製した。このように製造されたコンクリート供試体の表面を確認したところ、図5の(a)に示すように、コンクリート表面に気泡が形成されていないことが確認された。また、コンクリート表面に皺が転写されていないことも確認された。
また、実施例2として、高密度ポリエチレン製のプラスチック焼結多孔質体(株式会社先田製作所製)からなる硬質シート及び型枠5を用いて、実施例1と同様にコンクリート供試体を作製した。実施例2では、硬質シートの材料がポリエチレンであり、平均気孔径が30μmであり、気孔率は35〜40%であり、厚みは5mmであり、曲げ強度は2.4MPaである以外は、実施例1と同様の条件でコンクリート供試体を作製した。
実施例2のプラスチック焼結多孔質を用いた製造方法によって作製されたコンクリート供試体の表面を確認したところ、実施例1の場合と同様に、コンクリート表面に気泡が形成されていないことが確認された(図5(b)参照)。また、コンクリート表面に皺が転写されていないことも確認された。しかも、実施例2の場合、用いた硬質シートの平均気孔径が実施例1よりも細かなものを用いたため、作製されたコンクリート表面の平滑性が実施例1よりも格段に向上して表面形状が綺麗であった。
一方、比較例1として、透水性シートを用いず型枠5のみを用いて、表1に示す材料構成のコンクリートを打設して、実施例1等と同様の条件でコンクリート供試体を作製したところ、図5の(c)に示すように、コンクリート構造物の表面に多数の気泡が形成されてしまった。
また、比較例2として、布状の透水性シート(エアレックス(登録商標)シート:東洋紡績株式会社製)を鋼製型枠5の内面に貼り付けて、表1に示す材料構成のコンクリートを打設して、実施例1等と同様の条件でコンクリート供試体を作製した。その結果、図5(d)に示すように、コンクリート供試体の表面に気泡は形成されなかったが、よれが転写されてしまい、皺が発生してしまった。
5,5a…型枠、7…コンクリート、7a…コンクリート構造物、10,10a…硬質シート、12…表面、14…裏面。

Claims (9)

  1. コンクリート打設用型枠の内面にプラスチック焼結多孔質体又はセラミック焼結多孔質体からなる硬質シートを設置する設置工程と、
    前記硬質シートが前記型枠の内面に設置された状態で当該硬質シートの表面にコンクリートが接触するように前記型枠内に当該コンクリートを打設する打設工程と、
    打設された前記コンクリートの締固めを行い、前記コンクリート内部の気泡を除去する除去工程と、
    前記型枠を脱型する脱型工程と、
    を備えるコンクリート構造物の製造方法。
  2. 前記硬質シートの平均気孔径が100μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  3. 前記硬質シートの気孔率が20%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載にコンクリート構造物の製造方法。
  4. 前記硬質シートの厚みが1mm以上であることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  5. 前記硬質シートの3点曲げ強度は、2.0MPa以上であることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  6. 前記硬質シートは、前記型枠側の裏面に凸部又は凹部を有し、
    前記設置工程において、前記硬質シートの前記凸部又は凹部は、前記型枠の内面側に形成された凹部又は凸部と嵌合し、これにより、前記硬質シートが前記型枠の内面に固定されることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  7. 前記設置工程において、前記硬質シートは、その一部が前記型枠の継目部分から外部に露出するように前記型枠の内面に設置されることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  8. 前記プラスチック焼結多孔質体を構成するプラスチック材料の熱膨張係数が200×10−6/℃以下であることを特徴とする、請求項1〜7の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載のコンクリート構造物の製造方法に用いられる硬質シートであって、プラスチック焼結多孔質体又はセラミック焼結多孔質体からなる硬質シート。
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