JP2011088411A - 微小部品の粉末成形体成形方法 - Google Patents

微小部品の粉末成形体成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微小部品の粉末成形体を押し型成形法で成形するにあたって、設備費の低減や省エネルギー化を図る。
【解決手段】型開き状態の押し型4の下型6に設けられた原料貯留部63に、ディスペンサ8を用いて、流動性を有する状態の可塑性原料Pを定量供給して貯留し、次いで、押し型4を型締めしてから、原料貯留部63に貯留された原料Pを、下パンチ62を下型6に押し込んで加圧することにより、原料Pを歯車1の形状に対応したキャビティ10に充填して圧縮し、歯車1の粉末成形体1Aを成形する。
【選択図】図2

Description

本発明は、微小歯車等の微小部品を得るにあたり、粉末原料を押し型成形法によって微小部品に近似する形状に成形する粉末成形体成形方法に関する。
近年、デジタル家電製品や先端医療機器、あるいはIT機器等の生産分野においては、デバイスの小型化・高機能化に伴い、構成部品に対する小型化・薄肉化の要求が益々高まってきており、元来が小型・薄肉のいわゆる微小部品にあっても、さらなる小型化・薄肉化が要求されてきている。このような微小部品を製造するには、従来の一般部品の製造方法である機械加工や放電加工の他に、半導体デバイスの製造プロセスなどの利用も検討されているが、金型による素材の押し型成形は、高精度で、かつ、大量に製造することができる点で有効である(特許文献1等参照)。
特開2009−000863号公報
上記特許文献1には、円柱状のペレットを素材としており、1つの素材を金型内に供給し、金型を加熱して軟化させた素材をパンチで加圧・圧縮して成形体に造形し、造形後には金型を冷却して成形体を取り出すといったサイクルを繰り返すことが記載されている。
しかしながらこのような成形方法にあっては、まず、原料をペレット状に成形するといった事前の素材準備工程を要し、このため全体の製造時間が長くなるといった欠点がある。しかもペレットを作製するには、原料を加熱して軟化させ、成形するといった設備が必要であり、余分な設備やエネルギーがかかるといった問題もある。また、ペレット状の素材には成形時の形状や重量にバラツキがあり、したがって金型内への供給量が均一になりにくく、少量の原料から押し型成形する際、上記の微小部品を高精度に成形する上では不利である。また、金型温度を上下させるために要する時間が長くかかり、この点からも製造時間が長くなったりエネルギーが増大したりする要因となっている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、微小部品の粉末成形体を押し型成形法で成形するにあたって、設備費の低減や省エネルギー化を効果的に実現することができるとともに、原料供給量を高精度に均一化して高品質な微小部品の粉末成形体を得ることができる粉末成形体成形方法を提供することにある。
本発明の微小部品の粉末成形体成形方法は、可動型を有し、可動型を移動させることにより型締め・型開きがなされる押し型を用いて、微小部品の粉末成形体を成形する方法であって、前記押し型に設けられた原料貯留部に、ディスペンサを用いて、流動性を有する状態の可塑性原料を定量供給して貯留し、次いで、前記原料貯留部に貯留された流動性を有する前記原料を、加圧部材を前記押し型内に押し込んで加圧することにより、該原料を前記押し型内に形成されている前記微小部品の形状に対応したキャビティに充填するとともに圧縮して、前記微小部品の粉末成形体を造形し、次いで、前記押し型を型開きして前記粉末成形体を取り出すことを特徴とする。
本発明によれば、流動性を有する状態の可塑性原料をディスペンサによって押し型の原料貯留部に定量供給するため、押し型への原料の供給量を常に高精度で均一とすることができる。そして、このように流動性を有する状態の可塑性原料を直接押し型に供給することから、上記従来技術のように原料をペレット状に作製する工程を省くことができ、これによって製造時間を短縮させることができるとともに、ペレットを作製するための余分な設備やエネルギーが不要となる。また、ペレットを軟化させるための金型の加熱時間を取る必要がないため、加熱時間の短縮が図られ、この点からも製造時間の短縮や省エネルギー化が図られる。
また、本発明の成形方法は、可塑性原料を押し型成形法で加圧して粉末成形体を成形するものであって、原料の変形能が高く、微細な隙間に原料を入り込ませることができる。このため、微小部品の粉末成形体を、押し型内において所望形状に、かつ、比較的低圧によって高精度で成形することができる。その結果、装置の小型化が図られ、使用するエネルギーも最小限度で済むといった利点を有する。
次に、本発明は、前記押し型の内部には、前記原料貯留部から前記キャビティに至る原料導入路が形成されており、該押し型には、前記粉末成形体を造形した後に、該原料導入路および該粉末成形体を冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記押し型の内部には、前記加圧部材によって前記原料を前記キャビティに充填して前記粉末成形体を造形する際に、該原料を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、前記押し型は、型締め方向に交差する方向に移動して分割する分割型を有し、この分割型を移動させて分割させることにより、前記粉末成形体を前記キャビティから取り出し可能とすることを特徴とする。
本発明によれば、微小部品の粉末成形体を押し型成形法で成形するにあたって、設備費の低減や省エネルギー化を効果的に実現することができるとともに、原料供給量を高精度に均一化して高品質な微小部品の粉末成形体を得ることができるといった効果を奏する。
(a)本発明の第1実施形態で成形する粉末成形体から得られる微小歯車を示す一部断面側面図、(b)本発明の第2実施形態で成形する粉末成形体から得られる微小歯車を示す側面図である。 第1実施形態の成形方法の前半工程を示す断面図である。 第1実施形態の成形方法の後半工程を示す断面図である。 第1実施形態の成形方法の金型の動作状態を示す線図である。 本発明の第2実施形態の成形方法の前半工程を示す断面図である。 第2実施形態の成形方法の後半工程を示す断面図である。 第2実施形態の分割する上下のダイスを示す断面図である。 第2実施形態の分割する上下のダイスを示す平面図である。 第2実施形態の粉末成形体を4つ設けた場合の上下のダイスを示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[1]第1実施形態
(1)微小歯車
図1(a)は、一実施形態の成形方法によって成形した粉末成形体を焼結して得られる微小部品である微小歯車(以下、歯車)を示している。この歯車1は、複数の歯部11からなる外歯12が外周面に形成された歯車部13と、この歯車部13の一端面(図で上側の端面)に、歯車部13の軸心と同心状、かつ、一体に形成された円柱状の軸部14とを有している。この歯車1の内部には、歯車部13および軸部14にそれぞれ対応した内径の異なる中空部13a,14aが形成されており、中空部13a,14aは歯車部13側に開口している。これら中空部13a,14aにより、歯車1の円筒状の側壁部の肉厚は概ね均一となっている。
歯車1の寸法は、例えば歯車部13の外径が0.3〜1mm、軸部11の外径が0.1〜0.9mm、歯車部13のモジュール(ピッチ円直径/歯部11の数)が0.01〜0.1といった寸法が挙げられる。
(2)押し型の構成
図2(a)〜(c)、図3(a)〜(c)は、上型5と下型6とで構成される押し型4によって上記歯車1の粉末成形体を成形するプロセスを示している。まず、図2により上型5と下型6を説明する。
(2−1)上型
上型5は固定金型であって、水平な下面には、下方に開口する左右一対の雌型孔51が形成されている。この雌型孔51は歯車1の外面形状に対応した円筒状の内周面を有するものであって、歯車部13に対応した下方に開口する歯車部孔53と、歯車部孔53に連通し、軸部14に対応した軸部孔54とからなっており、軸方向が鉛直方向に沿った状態で形成されている。歯車部孔53の内周面には、歯車部13の外歯12を形成する内歯が形成されている。上型5の中心であって2つの雌型孔51の中間位置には、可塑性原料を下方に吐出する円筒状のディスペンサ8が設置されている。ディスペンサ8からは、定量の原料が断続的に吐出される。
(2−2)下型
下型6は昇降可能に設けられた可動金型であって、図2(c)に示すように、下型6が上昇して固定側の上記上型5に当接することにより、型締めされた押し型4が構成される。下型6の中心には、上型5に設置されているディスペンサ8の軸心と同心状の上下方向に延びる下パンチ挿入孔61が形成されている。この下パンチ挿入孔61には、円柱状の下パンチ(加圧部材)62が摺動自在に挿入されている。下パンチ62は、図2(a)で示す下方の待機位置と、図2(c)で示す上方の加圧位置との間を上下動する。下パンチ62が待機位置に位置付けられている状態では、下パンチ挿入孔61における下パンチ62の上方に凹所が形成され、この凹所が原料貯留部63とされる。上記ディスペンサ8からは、この原料貯留部63に原料が吐出される。
また、下型6の上面の、上型5の雌型孔51に対応する位置には、雌型孔51とともに歯車部13の中空部13a,14aを形成する雄型である中子64が固定されている。この中子64は歯車1の内面形状に対応した円筒状の外周面を有するものであって、歯車部13に対応した大径部643と、軸部14に対応した小径部644とを有しており、小径部644を上側に配し、軸方向が鉛直方向に沿った状態に下型6に固定されている。下型6を上昇させると、中子64は上型5の雌型孔51に入り込んでいき、図2(c)に示すように押し型4が型締めされると、雌型孔51の内面と中子64の外面との間に、歯車1に対応したキャビティ10が形成される。
下型6の水平な上面における下パンチ挿入孔61の両側には、下パンチ挿入孔61から外側方向に延びる溝状の凹所が湯道(原料導入路)65として形成されている。図2(c)に示すように押し型4が型締めされた状態で、原料貯留部63は、湯道65を介して左右のキャビティ10に連通するようになっている。
下型6内の上面に近接した箇所には、冷却手段66が埋設されている。この冷却手段66は、冷水などの冷媒が流れる管状体からなるものであり、図2(c)に示すように、押し型4が型締めされた状態で、湯道65からキャビティ10にわたる領域の下方に近接して配設されている。冷却手段66には、押し型4の冷却時には管状体に冷媒が流され、粉末成形体の排出時には加圧エアが吹き込まれて冷媒が管状体から排出される。
下型6の上面の両端部には上方に突出する段部67が形成されており、この段部67内の内側に、加熱手段68が埋設されている。加熱手段68は、図2(c)に示すように、押し型4が型締めされた状態で、冷却手段66の外側であってキャビティ10の周囲に配設される。加熱手段68は、高周波誘導加熱コイルを有するものであって、コイルに電流を流すことにより、上型5の雌型孔51(歯車部孔53と軸部孔54)の表面近傍に誘導電流を発生させ、この誘導電流の抵抗加熱により雌型孔51を加熱するとともに、このように誘導加熱された雌型孔51の熱により上記原料貯留部63に供給された原料を加熱する。上型5の下面の外側には、下型6の段部67が嵌合する凹所57が形成されている。
上型5および下型6には、各キャビティ10で成形された粉末成形体を型から押し出して抜き出す円筒状のイジェクトピン59,69がそれぞれ上下動可能に設けられている。なお、図3では、図面の簡略化を図るために、上側イジェクトピン59は(b)でのみ、また、下側イジェクトピン69は(c)でのみ、図示している。各イジェクトピン59,69は、先端の円形状の端面が粉末成形体の歯車部に作用して粉末成形体を型から抜き出すように機能する。
(3)成形
次に、上記押し型4を用いて歯車1の粉末成形体を成形する手順を、図2〜図3、および図4(時間にしたがった動作状態を線の上下で示す図)により説明する。
(3−1)原料の供給と押し型の型締め
はじめに、図2(a)に示すように、下型6を下げて上型5から離間させ押し型4を型開きの状態とする。そして、下パンチ62を待機位置まで下げて原料貯留部63を形成するとともに、上型5側および下型6側の各イジェクトピン59,69を後退させておく。また、下型6を予め加熱手段68によって成形温度に加熱しておき、冷却手段66は非稼働状態(管状体に冷媒を流さない)としておく。さらにディスペンサ8内の原料を、予め軟化した状態としておく。
この準備状態から、図2(b)に示すように、下型6を上昇させるとともに、上昇中の型開きしている間に、ディスペンサ8を作動させ、ディスペンサ8から、軟化状態の流動性を有する原料Pを定量吐出して原料貯留部63に落下させて供給する(図4:原料の供給)。
原料Pは、鉄粉等の金属粉末に、熱可塑性樹脂とワックスからなるバインダを例えば40〜60体積%の比率で添加し混練した可塑性を有するものが用いられる。下型6の温度すなわち成形温度は、バインダに添加される熱可塑性樹脂の軟化点程度の温度に設定される。なお、熱可塑性樹脂は、軟化点が例えば160〜170℃程度のものが用いられ、また、ワックスは、軟化点が例えば60℃程度のものが用いられる。この場合、成形温度は160〜170℃程度となる。図2(c)に示すように、下型6が上型5に当接して押し型4が型締めされるまでに、原料Pは原料貯留部63に供給される。
なお、図2(a)に示す型開きしている状態でディスペンサ8から原料貯留部63に原料を供給してもよいが、下型6を上昇させながら型開きしている間に原料を供給する方法は、製造時間の短縮が図られるため好ましい。また、下型6を上昇させて型締めした状態で、原料Pの供給量に応じて下パンチ62を下降させて原料供給部63の容積を増大させながら、ディスペンサ8から原料供給部63に原料Pを供給してもよい。
(3−2)加圧成形
押し型4が型締めされると、上記キャビティ10が形成される。また、下型6の熱が伝達して上型5も加熱される。そして、図3(a)に示すように下パンチ62を上昇させて、原料貯留部63に貯留されている軟化状態の原料Pを上方に押し込み、所定荷重で加圧する(図4:T1〜T5)。原料貯留部63内の原料Pは、下パンチ62で押されることにより湯道65を通ってキャビティ10内に流入して充満し、さらに加圧されて圧縮される。これにより原料Pはキャビティ10内で塑性変形しながらキャビティ10の形状に造形されて、歯車1に近似した形状を有する所定密度の粉末成形体1Aに成形される。また、この加圧成形の間には、加熱手段68による加熱を停止するとともに、冷却手段66を稼働させて押し型4を冷却する。
(3−3)型開きおよび粉末成形体の抜き出し(図4:T5〜T9)
次に、下型6を下降させて押し型4を型開きするが、この時点で押し型4の温度は粉末成形体1Aの排出温度まで冷却されている。排出温度は、キャビティ10内の粉末成形体1A中の可塑性樹脂は硬化しており、かつ、バインダのワックスは軟化している温度とされ、例えば130℃以下、120℃程度とされる。
押し型4の型開きは、まず、図3(b)に示すように、下型6を下降させながら、上側イジェクトピン59を下方に進出させて粉末成形体1Aを雌型孔51から抜き出す。上側イジェクトピン59は粉末成形体1Aの歯車部13Aの上端面を押して粉末成形体1Aを雌型孔51から抜き出すため、歯車部13Aの細かい外歯を損傷させることなく、健全な状態の粉末成形体1Aを雌型孔51から抜き出すことができる。各キャビティ10で成形された2つの粉末成形体1Aは湯道65に残った原料Pが硬化したランナー部65Aによって連結されており、これら粉末成形体1Aおよびランナー部65Aは、上側イジェクトピン59によって下型6側に残される。
次いで、上側イジェクトピン59を上方に退避させてから、図3(c)に示すように、下降した下型6の下側イジェクトピン69を上方に進出させ、下側イジェクトピン69で歯車部13Aを持ち上げることにより、粉末成形体1Aを中子64から抜き出す。この後は粉末成形体1Aからランナー部65Aを切断、除去し、粉末成形体1Aを得る。粉末成形体1Aが抜き出される時には、軟化しているワックスの作用で円滑に抜き出される。
(4)作用効果
上記一実施形態の成形方法によれば、軟化状態の流動性を有する原料Pをディスペンサ8によって下型6の原料貯留部63に定量供給するため、原料Pの供給量を常に高精度で均一とすることができる。
そして、このように流動性を有する状態の原料Pを直接下型6に供給することから、原料をペレット状に作製する工程を省くことができる。これらのことから、原料の準備を含めた全体の製造時間を短縮させることができるとともに、ペレットを作製するための余分な設備やエネルギーが不要となる。また、ペレットを軟化させるための金型の加熱時間を取る必要がないため、加熱時間の短縮が図られ、したがってこの点からも製造時間の短縮や省エネルギー化が図られる。
また、粉末成形体1Aから得る歯車1は、外歯12を構成する1つ1つの歯部11はきわめて薄肉であるとともに、歯部11間の間隔もきわめて狭小なものであるが、上記成形方法は、原料Pを押し型成形法で加圧して粉末成形体1Aを成形するものであって、原料Pの変形能が高く、微細な隙間に原料を入り込ませることができる。このため、歯車1の粉末成形体1Aを、押し型4内において所望形状に、かつ、比較的低圧によって高精度で成形することができる。これにより、装置の小型化、すなわち押し型4の小型化が図られ、小型化すると冷却手段66および加熱手段68による温度の上下変動が速やかになされることが可能となり、その結果、上記の製造時間の短縮や省エネルギー化がさらに促進される。
[2]第2実施形態
次に、図1(b)に示す歯車2の粉末成形体を成形する他の実施形態を説明する。
(1)微小歯車
第2実施形態に係る微小部品である歯車2は、軸部14が、歯車部13側の太い大径軸部141の先端側に、大径軸部141よりも細い小径軸部142が形成された段付き軸部となっている。また、歯車2は、上記歯車1とは異なり、中空ではなく中実のものである。
(2)押し型
図5(a)〜(c)、図6(a)〜(c)は、上型5と下型6とで構成される押し型4によって上記歯車2の粉末成形体を成形するプロセスを示している。この押し型4の下型6は、上記実施形態と同様の構成を有するものであり、説明を省略する。なお、この実施形態での下型6は、上記中子64およびイジェクトピン69を有していない。
一方、上型5は、この実施形態では本体ダイス71と、本体ダイス71に組み込まれる上下一対の上側ダイス(分割型)72および下側ダイス(分割型)73を有している。本体ダイス71の中心には、定量の原料を下方に吐出する上記ディスペンサ8が設置されている。本体ダイス71のディスペンサ8の両側には、歯車2の歯車部13を形成する歯車部孔713が形成されている。この歯車部孔713の断面形状および寸法は歯車部13の外歯15の外形に対応しており、すなわち歯車部孔713の内周面には、外歯15に対応した内歯が形成されている。
本体ダイス71の、歯車部孔713の上方には、図5および図6において紙面表裏方向に延びる溝711が形成されており、この溝711内に、下側ダイス73と上側ダイス72が、それぞれ溝711に沿って独自に摺動可能に、かつ、重なった状態で嵌合されている。
これら上下のダイス72,73は、図7および図8に示すように(図7、図8で矢印方向が図5、図6での紙面表裏方向である)、2分割する一対の可動分割ダイス721,731によってそれぞれ構成される。下側ダイス73の下側可動分割ダイス731は、粉末成形体の成形時に、互いに対向する合わせ面732が当接されて合体状態とされるもので、各合わせ面732には、内周面が段付きの半割り円筒状を呈する切欠き733が形成されている。これら下側可動分割ダイス731を、合わせ面732を互いに合わせて合体させると、双方の切欠き733が合体して、大径軸部141および小径軸部142からなる軸部14の外周面に対応する内周面を有する軸部孔734が形成されるようになっている。
また、上側ダイス72も下側ダイス73と同様の構成であって、2分割する一対の上側分割ダイス721が合体して構成されるものである。上側分割ダイス721の互いの合わせ面722に形成された切欠き723は、単純な半割り円筒状であり、合わせ面722が当接されて上側分割ダイス721が合体すると、切欠き723が合体して上パンチ挿入孔734が形成されるようになっている。上パンチ挿入孔734は、上側ダイス72の軸部孔734の上部に形成される小径側の孔の内径と同等の内径を有する。
上パンチ挿入孔734には、上下方向に延びる円柱状の上パンチ(加圧部材)74が摺動自在に挿入される。また、この上パンチ74の周囲には、円筒状のイジェクトピン75が、上パンチ74に沿って上下に摺動自在に挿通されている。このイジェクトピン75は、外径が粉末成形体の歯車部の外径と同等で、内径が粉末成形体の小径軸部が摺動に挿入可能な寸法を有している。
(3)成形
次に、上記押し型4を用いて歯車2の粉末成形体を成形する手順を、図5〜図6により説明する。
(3−1)原料の供給と押し型の型締め
はじめに、図5(a)に示すように、下型6を上型5から離間させて型開きの状態とし、下型6においては下パンチ62を待機位置まで下げて原料貯留部63を形成する。一方、上型5においては、下側可動分割ダイス731を合体させて下側ダイス73を構成し、上側分割ダイス721を合体させて上側ダイス72を構成する。この時、上下のダイス72,73の上パンチ挿入孔724および軸部孔734は、歯車部孔713と同心状に連通した状態に配置される。そして、上パンチ74を上パンチ挿入孔724の途中まで挿入する。また、イジェクトピン75を上型5の上方の待機位置に位置付ける。
この準備状態から、図5(b)に示すように、下型6を上昇させるとともに、上昇中の型開きしている間に、ディスペンサ8から、軟化状態の流動性を有する原料Pを定量吐出して下型6の原料貯留部63に供給する。図5(c)に示すように、下型6が上型5に当接して押し型4が型締めされるまでに、原料Pは原料貯留部63に供給される。
(3−2)加圧成形
押し型4が型締めされると、歯車部孔713および軸部孔734が下型6に閉じられ、キャビティ20が形成される。このキャビティ20は、上記湯道65を介して原料貯留部63に連通している。次に、図6(a)に示すように下パンチ62を上昇させて、原料貯留部63に貯留されている軟化状態の原料Pを上方に押し込み、次いで図6(b)に示すように上パンチ74を先端が上側ダイス72の下面高さ位置に到達するまで下降させる。原料Pは下パンチ62により原料貯留部63から湯道65を通ってキャビティ20内に流入して充満し、加圧され、さらに上パンチ74で加圧されることにより、キャビティ20内で塑性変形しながらキャビティ20の形状に造形されて、歯車2に近似した形状を有する所定密度の粉末成形体2Aに成形される。
(3−3)型開きおよび粉末成形体の抜き出し
次に、図8に示すように、上型5の上下のダイス72,73を分割して、各可動分割ダイス721,731を粉末成形体2Aから離間させる。続いて図6(c)に示すように、下型6を下降させながら、イジェクトピン75を下方に進出させて粉末成形体2Aをキャビティ20から抜き出す。イジェクトピン75は粉末成形体2Aの歯車部13Aの上端面を押して粉末成形体2Aをキャビティ20から抜き出す。各キャビティ20で成形された2つの粉末成形体2Aは湯道65に残った原料Pが硬化したランナー部65Aによって連結されており、これら粉末成形体2Aおよびランナー部65Aは、上側イジェクトピン75によって下型6側に残される。この後、下パンチ62を上昇させるなどして粉末成形体2Aおよびランナー部65Aを下型6から離脱させ、粉末成形体2Aを得る。
なお、本実施形態の成形工程においても、第1実施形態と同様に加熱手段68と冷却手段66により、工程に応じた温度制御がなされる。
(4)作用効果
第2実施形態の成形方法においても、第1実施形態と同様に、型開きした状態からディスペンサ8によって軟化している原料Pを原料貯留部63に定量供給することによる製造時間の短縮やペレット製造設備の不要、あるいは装置の小型化による省エネルギー化や製造時間の短縮といった種々の効果を、同様に得ることができる。また、軸部を、分割する上下のダイス72,73で形成することにより、粉末成形体2Aを上型5から抜き出す際には分割させた可動分割ダイス721,731間にイジェクトピン75を通して粉末成形体2Aの歯車部13Aに直接当接させ、歯車部13Aを押し下げて粉末成形体2Aをキャビティ20から抜き出すことができる。このため、歯車部13Aの細かい外歯を損傷させることなく、健全な状態の粉末成形体2Aを抜き出すことができる。
また、1つの押し型4で2つの粉末成形体2Aを得ることができるため、生産効率の向上が図られる。なお、1つの押し型で複数の粉末成形体を得る態様としては、図9に示すように粉末成形体2Aを例えば4つ成形できる態様が考えられる。この場合、粉末成形体の成形部は下パンチ挿入孔61の周囲に4カ所設けられ、各成形部においては、湯道65に直交する方向に上記の可動分割ダイス721,731が移動するように設けられる。
1,2…微小歯車(微小部品)
1A,2A…粉末成形体
10,20…キャビティ
4…押し型
5…上型
6…下型
62…下パンチ(加圧部材)
63…原料貯留部
65…湯道(原料導入路)
66…冷却手段
68…加熱手段
72…上側ダイス(分割型)
73…下側ダイス(分割型)
74…上パンチ(加圧部材)
8…ディスペンサ
P…可塑性原料

Claims (4)

  1. 可動型を有し、可動型を移動させることにより型締め・型開きがなされる押し型を用いて、微小部品の粉末成形体を成形する方法であって、
    前記押し型に設けられた原料貯留部に、ディスペンサを用いて、流動性を有する状態の可塑性原料を定量供給して貯留し、
    次いで、前記原料貯留部に貯留された流動性を有する前記原料を、加圧部材を前記押し型内に押し込んで加圧することにより、該原料を前記押し型内に形成されている前記微小部品の形状に対応したキャビティに充填するとともに圧縮して、前記微小部品の粉末成形体を造形し、
    次いで、前記押し型を型開きして前記粉末成形体を取り出すこと
    を特徴とする微小部品の粉末成形体成形方法。
  2. 前記押し型の内部には、前記原料貯留部から前記キャビティに至る原料導入路が形成されており、該押し型には、前記粉末成形体を造形した後に、該原料導入路および該粉末成形体を冷却する冷却手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の微小部品の粉末成形体成形方法。
  3. 前記押し型の内部には、前記加圧部材によって前記原料を前記キャビティに充填して前記粉末成形体を造形する際に、該原料を加熱する加熱手段が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の微小部品の粉末成形体成形方法。
  4. 前記押し型は、型締め方向に交差する方向に移動して分割する分割型を有し、この分割型を移動させて分割させることにより、前記粉末成形体を前記キャビティから取り出し可能とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の微小部品の粉末成形体成形方法。
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