JP2011086400A - 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 - Google Patents
燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011086400A JP2011086400A JP2009236330A JP2009236330A JP2011086400A JP 2011086400 A JP2011086400 A JP 2011086400A JP 2009236330 A JP2009236330 A JP 2009236330A JP 2009236330 A JP2009236330 A JP 2009236330A JP 2011086400 A JP2011086400 A JP 2011086400A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel cell
- reference cell
- fuel
- supply path
- gas supply
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
Landscapes
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
【課題】発電を行う燃料電池スタックの触媒被毒による劣化を抑制し、適切なタイミングで燃料電池スタックの被毒回復処理を行う燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック101と、第1基準セル102と、第2基準セル103と、切替器104、105と、第1検知器106と、第2検知器107と、被毒判定器120aと、制御器120と、を備え、被毒判定器120aは、第1基準セル102に反応ガスが供給された状態で第1検知器106で検知された第1基準セル102の電圧値又は電流値が、第2基準セル103に反応ガスが供給された状態で第2検知器107で検知された第2基準セル103の電圧値又は電流値より小さい場合、燃料電池スタック101の高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定する、燃料電池システム。
【選択図】図2
【解決手段】燃料電池スタック101と、第1基準セル102と、第2基準セル103と、切替器104、105と、第1検知器106と、第2検知器107と、被毒判定器120aと、制御器120と、を備え、被毒判定器120aは、第1基準セル102に反応ガスが供給された状態で第1検知器106で検知された第1基準セル102の電圧値又は電流値が、第2基準セル103に反応ガスが供給された状態で第2検知器107で検知された第2基準セル103の電圧値又は電流値より小さい場合、燃料電池スタック101の高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定する、燃料電池システム。
【選択図】図2
Description
本発明は、燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法に関する。
高分子電解質形燃料電池(以下、PEFCという)は、水素を含有した燃料ガスと空気等の酸素を含有した酸化剤ガスとを電気化学反応させることにより、電力と熱とを同時に発生させるものである。PEFCの単電池(セル)は、高分子電解質膜及び一対のガス拡散電極(アノード及びカソード)から構成されるMEA(Membrane−Electrode−Assembly:膜−電極接合体)と、ガスケットと、導電性の板状のセパレータと、を有している。そして、PEFCは、一般的には、このセルを複数積層し、積層されたセルの両端を端板で挟み、該端板とセルとを締結具により締結することにより、燃料電池スタックとして形成されている。
ところで、PEFCのアノード及びカソードに用いる電極触媒としては、一般に白金又は白金合金が用いられている。白金又は白金合金は高い反応性を有しているため、電極触媒としては非常に優れた材料であるが、反応ガス又はPEFC内部に不純物が存在する場合、その量が極めて少量であっても、電極触媒の表面に不純物が付着して、触媒が被毒され、電池性能が低下するという問題がある。中でも、二酸化硫黄、メチルメルカプタン、硫化水素等の硫黄化合物は白金の被毒効果が大きいことが知られている。燃料電池の酸化剤としては空気を用いるのが一般であるが、空気中には、硫黄酸化物や二酸化硫黄等の大気汚染物質が含まれている。したがって、空気を供給する燃料電池では、不純物、とりわけ、硫黄化合物による触媒被毒で発電性能が大きく低下することが問題となっている。
このような問題に対して、触媒被毒による発電性能の低下後に、触媒性能を回復する処理を行なう燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、周期的に変化する電圧を印加することで、電極触媒表面に付着している不純物を除去する燃料電池システムが開示されている。また、触媒層から排出される水の量を増加させることにより、触媒活性を回復させる燃料電池システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2では、通常の運転時よりも燃料電池の温度を下げる等して、触媒層から排出される水の量を増加させることで、触媒活性を回復させる燃料電池システムが開示されている。さらに、汚染物質除去装置に空気を通過させた後に、燃料電池の空気極に空気を供給する燃料電池空気極の汚染防止方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3では、Mn酸化物および/またはMn−Cu複合酸化物と、ルテニウム酸塩と、を含有する汚染物質吸着剤を充填してなる汚染物質除去装置内の吸着除去剤を通過させた空気を、燃料電池の空気極に供給する燃料電池空気極の汚染防止方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1に開示されている燃料電池システムでは、周期的に回復処理を行っているため、燃料電池の電極の触媒に不純物が付着して、電池性能が低下していない場合でも回復処理を行なうおそれがあり、このような場合、余分なエネルギー消費するばかりでなく、触媒層を構成するカーボンの劣化が生じるおそれがある。また、上記特許文献1及び特許文献2に開示されている燃料電池システムでは、燃料電池に供給される空気中に含まれる不純物を除去する手段がないため、電極触媒層に付着した不純物による電池性能の劣化を抑制することができない。さらに、上記特許文献3に開示されている燃料電池空気極の汚染防止方法では、周期的に汚染物質吸着剤を交換するが、周期的に交換を行うと、汚染物質吸着剤の吸着除去能が低下していないにもかかわらず、汚染物質吸着剤を交換して、コストが増加するおそれがある。また、汚染物質吸着剤の吸着除去能が低下して、汚染物質除去装置内では汚染物質を吸着していないにもかかわらず、汚染物質吸着剤を使用し続けて、燃料電池の空気極に汚染物質が吸着するおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、発電を行う燃料電池スタックの触媒被毒による劣化を抑制し、適切なタイミングで燃料電池スタックの被毒回復処理を行うことができる、燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、反応ガスを供給する第1反応ガス供給路と、前記第1反応ガス供給路の途中に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有する第1基準セルと、前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルよりも上流側で分岐された第2反応ガス供給路と、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有し、前記第2反応ガス供給路から前記反応ガスが供給される第2基準セルと、前記第2反応ガス供給路を通流する前記反応ガスを前記第2基準セルに供給し及び遮断する切替器と、前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルの下流側に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有する高分子電解質形燃料電池を複数有し、前記第1基準セルを通過した反応ガスを用いて発電する燃料電池スタックと、前記第1基準セルの電圧値及び/又は電流値を検知する第1検知器と、前記第2基準セルの電圧値及び/又は電流値を検知する第2検知器と、前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池の被毒を判定する被毒判定器と、を備え、前記制御器は、前記燃料電池スタックの発電運転中には前記第2基準セルへの前記反応ガスの供給を遮断するように前記切替器を制御し、前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池の被毒判定時には、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を制御し、前記被毒判定器は、前記第1基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第1検知器で検知された前記第1基準セルの電圧値又は電流値が、前記第2基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第2検知器で検知された前記第2基準セルの電圧値又は電流値より小さい場合、前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定する。
これにより、反応ガスに触媒被毒物質(例えば、二酸化硫黄等の硫黄酸化物)が混入していても、第1基準セルで触媒被毒物質が吸着されるため、燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池に触媒被毒物質の混入を抑制することができる。また、燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の被毒を適切に判定されることにより、燃料電池スタックの被毒回復処理を行うタイミングを適切に判断することができる。さらに、不必要な触媒層の回復処理を抑制することにより、触媒層を構成するカーボンの劣化を抑制することができる。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記制御器は、前記燃料電池スタックの発電停止中に前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を制御してもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1反応ガス供給路は、第1燃料ガス供給路と第1酸化剤ガス供給路を有し、前記第2反応ガス供給路は、第2燃料ガス供給路と第2酸化剤ガス供給路を有し、前記第1酸化剤ガス供給路の前記切替器の上流側に接続され、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルの前記カソードに不活性ガスを供給する不活性ガス供給路と、前記不活性ガス供給路に前記不活性ガスを供給するように構成された不活性ガス供給器と、を備え、前記制御器は、前記燃料電池スタックの発電停止中に、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルの前記アノードに燃料ガスが供給され、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルの前記カソードに不活性ガスが供給されるように前記不活性ガス供給器と前記切替器を制御し、前記被毒判定器は、前記第1基準セルに前記燃料ガス及び前記不活性ガスが供給された状態で前記第1検知器で検知された前記第1基準セルの電圧値が、前記第2基準セルに前記燃料ガス及び前記不活性ガスが供給された状態で前記第2検知器で検知された前記第2基準セルの電圧値より小さい場合、前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定されてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1検知器は前記第2検知器を兼ねるように構成されていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1基準セル及び前記第2基準セルのアノード及びカソードの電極面積が、前記高分子電解質形燃料電池のアノード及びカソードの電極面積と同じであってもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記第1基準セル及び前記第2基準セルのアノード及びカソードの電極面積が、前記高分子電解質形燃料電池のアノード及びカソードの電極面積と異なっていてもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記不活性ガスは、窒素ガス、メタンガス、及び二酸化炭素ガスからなるガス群から選ばれる1以上のガスであってもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムでは、前記制御器は、所定時間経過後に、前記燃料電池スタックの発電運転中には前記第1基準セルへの前記反応ガスの供給を遮断し、前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を制御してもよい。
さらに、本発明に係る燃料電池システムでは、被毒回復処理器をさらに備え、前記制御器は、前記被毒判定器が前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定すると、前記被毒回復処理器を被毒された前記高分子電解質形燃料電池の被毒除去操作を行うように制御してもよい。
また、本発明に係る燃料電池システムの運転方法は、反応ガスを供給する第1反応ガス供給路と、前記第1反応ガス供給路の途中に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有し、前記アノード及び前記カソードで前記第1反応ガス供給路から供給された反応ガスを用いて発電する第1基準セルと、前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルよりも上流側で分岐された第2反応ガス供給路と、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有し、前記第2反応ガス供給路から前記反応ガスが供給される第2基準セルと、前記第2反応ガス供給路を通流する前記反応ガスを前記第2基準セルに供給し及び遮断する切替器と、前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルの下流側に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有する高分子電解質形燃料電池を複数有し、前記第1基準セルを通過した反応ガスを用いて発電する燃料電池スタックと、を備える燃料電池システムの運転方法であって、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を切り替えるステップ(A)と、前記第1基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第1基準セルの電圧値又は電流値を検知するステップ(B)と、前記第2基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第2基準セルの電圧値又は電流値を検知するステップ(C)と、前記ステップ(B)で検知された前記第1基準セルの電圧値又は電流値が前記ステップ(C)で検知された前記第2基準セルの電圧値又は電流値よりも小さい場合には前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定するステップ(D)と、を備える。
これにより、反応ガスに触媒被毒物質(例えば、二酸化硫黄等の硫黄酸化物)が混入していても、第1基準セルで触媒被毒物質が吸着されるため、燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池に触媒被毒物質の混入を抑制することができる。また、燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の被毒を適切に判定されることにより、燃料電池スタックの被毒回復処理を行うタイミングを適切に判断することができる。さらに、不必要な触媒層の回復処理を抑制することにより、触媒層を構成するカーボンの劣化を抑制することができる。
本発明の燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法によれば、発電を行う燃料電池スタックの触媒被毒による劣化を抑制し、適切なタイミングで燃料電池スタックの被毒回復処理を行うことが可能となる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、全ての図面において、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1は、燃料電池スタックに接続された反応ガス流路の上流側に第1基準セルと第2基準セルが並列に配置される形態を例示するものである。
本発明の実施の形態1は、燃料電池スタックに接続された反応ガス流路の上流側に第1基準セルと第2基準セルが並列に配置される形態を例示するものである。
[燃料電池システムの構成]
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。なお、図1は、燃料電池スタックの発電運転中の模式図であり、図2は、燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の被毒判定時の模式図である。
図1及び図2は、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。なお、図1は、燃料電池スタックの発電運転中の模式図であり、図2は、燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の被毒判定時の模式図である。
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態1に係る燃料電池システム100は、燃料電池スタック101、第1基準セル102、第2基準セル103、第1燃料ガス供給路201、第1酸化剤ガス供給路202、第1切替器104、第2切替器105、第1電気化学測定器(第1検知器)106、第2電気化学測定器(第2検知器)107、被毒判定器120a、及び制御器120を備えていて、被毒判定器120aは、第1基準セル102に反応ガスが供給された状態で第1電気化学測定器106で検知された第1基準セルの電圧値又は電流値が、第2基準セル103に反応ガスが供給された状態で第2電気化学測定器107で検知された第2基準セル103の電圧値又は電流値より小さい場合、燃料電池スタック101の高分子電解質形燃料電池50(図4参照)が被毒されていると判定する。
燃料電池スタック101は、高分子電解質形燃料電池(以下、単に燃料電池という)50を複数有し、反応ガス供給路から供給された反応ガスを用いて発電するように構成されている。なお、燃料電池スタック101の構成については、後述する。
また、燃料電池システム100は、燃料ガス供給器108及び酸化剤ガス供給器109を備えていて、燃料ガス供給器108及び酸化剤ガス供給器109は、それぞれ、燃料電池スタック101に燃料ガス及び酸化剤ガス(反応ガス)を供給する。なお、本実施の形態1においては、燃料電池システム100が燃料ガス供給器108と酸化剤ガス供給器109を備える構成を例示するが、燃料電池システム100はこれらを必ずしも備える必要はない。燃料ガス供給器108としては、例えば、原料ガスと水から燃料ガス(水素ガス)を生成する水素生成装置を用いてもよく、また、例えば、水素ボンベ、水素吸蔵合金等を用いてもよい。また、酸化剤ガス供給器109としては、例えば、ファンやブロワ等のファン類を使用することができる。
燃料ガス供給器108には、第1燃料ガス供給路201を介して燃料電池スタック101の燃料ガス入口101Aが接続されていて、第1燃料ガス供給路201の途中には、第1基準セル102が設けられている。より詳しくは、第1燃料ガス供給路201の第1基準セル102よりも上流側の部分(以下、第1燃料ガス供給路201の上流側部分という)の上流端には、燃料ガス供給器108が接続されていて、その下流端には、第1基準セル102の燃料ガス入口102Aが接続されている。また、第1燃料ガス供給路201の第1基準セル102よりも下流側の部分(以下、第1燃料ガス供給路201の下流側部分という)の上流端には、第1基準セル102の燃料ガス出口102Bが接続されていて、その下流端には、燃料電池スタック101の燃料ガス入口101Aが接続されている。
また、第1燃料ガス供給路201の上流側部分の途中には、第1切替器104が設けられている。第1切替器104には、第2燃料ガス供給路205の上流端が接続されていて、その下流端は、第1燃料ガス供給路201の第1基準セル102の下流側に接続されている。第2燃料ガス供給路205の途中には、第2基準セル103が設けられている。より詳しくは、第2燃料ガス供給路205の第2基準セル103より上流側の部分(以下、第2燃料ガス供給路205の上流側部分という)の上流端には、第1切替器104が接続されていて、その下流端には、第2基準セル103の燃料ガス入口103Aが接続されている。また、第2燃料ガス供給路205の第2基準セル103より下流側の部分(以下、第2燃料ガス供給路205の下流側部分という)の上流端には、第2基準セル103の燃料ガス出口103Bが接続されていて、その下流端には、第1燃料ガス供給路201が接続されている。すなわち、本実施の形態1においては、第2燃料ガス供給路205は、第1燃料ガス供給路201の第1基準セル102より上流側で分岐している。
また、第1切替器104は、三方弁で構成されていて、燃料電池スタック101の発電運転中には、燃料ガスが第2燃料ガス供給路205を通流しないように(第2基準セル103に燃料ガスが供給されないように)、そのポートを切り替え、燃料電池スタック101の被毒判定時には、第1基準セル102及び/又は第2基準セル103に燃料ガスが供給されるように、そのポートを切り替える。
なお、本実施の形態1においては、第1切替器104を三方弁で構成したが、これに限定されず、例えば、第1燃料ガス供給路201と第2燃料ガス供給路205の上流側部分とに、それぞれ、燃料ガスの通流を許可/遮断する開閉弁を設けて、これらの開閉弁で第1切替器104を構成してもよい。また、第2燃料ガス供給路205の下流端を、第1燃料ガス供給路201の下流側部分で接続したが、これに限定されず、例えば、第1燃料ガス供給路201の上流側部分で接続してもよく、また、大気開放してもよく、燃料ガス供給器108が水素生成装置である場合には、該水素生成装置の燃焼器に接続してもよい。
また、酸化剤ガス供給器109には、第1酸化剤ガス供給路202を介して燃料電池スタック101の酸化剤ガス入口101Cが接続されていて、第1酸化剤ガス供給路202の途中には、第1基準セル102が設けられている。より詳しくは、第1酸化剤ガス供給路202の第1基準セルよりも上流側の部分(以下、第1酸化剤ガス供給路202の上流側部分という)の上流端には、酸化剤ガス供給器109が接続されていて、その下流端には、第1基準セル102の酸化剤ガス入口102Cが接続されている。また、第1酸化剤ガス供給路202の第1基準セル102よりも下流側の部分(以下、酸化剤ガス供給路201の下流側部分という)の上流端には、第1基準セル102の酸化剤ガス出口102Dが接続されていて、その下流端には、燃料電池スタック101の酸化剤ガス入口101Cが接続されている。
また、第1酸化剤ガス供給路202の上流側部分の途中には、第2切替器105が設けられている。第2切替器105には、第2酸化剤ガス供給路206の上流端が接続されていて、その下流端は、第1酸化剤ガス供給路202の第1基準セル102の下流側に接続されている。より詳しくは、第2酸化剤ガス供給路206の第2基準セル103より上流側の部分(以下、第2酸化剤ガス供給路206の上流側部分という)の上流端には、第2切替器105が接続されていて、その下流端には、第2基準セル103の酸化剤ガス入口103Aが接続されている。また、第2酸化剤ガス供給路206の第2基準セル103より下流側の部分(以下、第2酸化剤ガス供給路206の下流側部分という)の上流端には、第2基準セル103の酸化剤ガス出口103Dが接続されていて、その下流端には、第1酸化剤ガス供給路202が接続されている。すなわち、本実施の形態1においては、第2酸化剤ガス供給路206は、第1酸化剤ガス供給路202の第1基準セル102より上流側で分岐している。
また、第2切替器105は、三方弁で構成されていて、燃料電池スタック101の発電運転中には、酸化剤ガスが第2酸化剤ガス供給路206を通流しないように(第2基準セル103に酸化剤ガスが供給されないように)、そのポートを切り替え、燃料電池スタック101の被毒判定時には、第1基準セル102及び/又は第2基準セル103に酸化剤ガスが供給されるように、そのポートを切り替える。
なお、本実施の形態1においては、第2切替器105を三方弁で構成したが、これに限定されず、例えば、第1酸化剤ガス供給路202と第2酸化剤ガス供給路206上流側部分とに、それぞれ、酸化剤ガスの通流を許可/遮断する開閉弁を設けて、これらの開閉弁で第2切替器105を構成してもよい。また、第2酸化剤ガス供給路206の下流端を、第1酸化剤ガス供給路202の下流側部分で接続したが、これに限定されず、例えば、第1酸化剤ガス供給路202の上流側部分で接続してもよく、また、大気開放してもよい。
また、本実施の形態1においては、第1燃料ガス供給路201と第1酸化剤ガス供給路202が反応ガス供給路を構成し、第2燃料ガス供給路205と第2酸化剤ガス供給路206が第2反応ガス供給路を構成する。
燃料電池スタック101の燃料ガス出口101Bには、該燃料電池スタック101内で未使用の燃料ガスが排出される第1燃料ガス排出路203が接続されている。また、燃料電池スタック101の酸化剤ガス出口101Dには、該燃料電池スタック101内で未使用の酸化剤ガスが排出される第1酸化剤ガス排出路204が接続されている。なお、未使用の燃料ガスは、例えば、未使用の酸化剤ガスで充分に希釈してから大気中に排出してもよく、燃料ガス供給器108が、水素生成装置で構成されている場合には、該水素生成装置の燃焼器に供給されてもよい。
また、第1基準セル102には、適宜な配線を介して、第1電気化学測定器106が接続されており、第2基準セル103には、適宜な配線を介して、第2電気化学測定器107が接続されている。第1電気化学測定器106は、第1基準セル102の電圧値及び/又は電流値を検知し、検知した電圧値及び/又は電流値を制御器120に出力するように構成されている。同様に、第2電気化学測定器107は、第2基準セル103の電圧値及び/又は電流値を検知し、検知した電圧値及び/又は電流値を制御器120に出力するように構成されている。なお、第1電気化学測定器106及び第2電気化学測定器107は、公知のポテンショスタット/ガルバノスタットを使用してもよく、また、電流計及び/又は電圧計を使用してもよい。
ここで、図3を参照しながら、第1電気化学測定器106について説明する。
図3は、図1に示す燃料電池システム100の第1電気化学測定器106と第1基準セル102との間の電気回路を示す模式図である。なお、図3においては、第1電気化学測定器106の原理上の構成を示している。従って、第1電気化学測定器106は、実際には種々の形態に構成することができる。第2電気化学測定器107も同様である。
図3に示すように、第1電気化学測定器106は、電流計106Aと電圧計106Bを有していて、電流計106Aと電圧計106Bは、第1基準セル102と並列に電気配線301で接続されている。また、第1電気化学測定器106は、可変抵抗器106Cを有していて、該可変抵抗器106Cは、電流計106Aと直列に接続されている。さらに、第1電気化学測定器106は、スイッチ106D及びスイッチ106Eを有していて、スイッチ106Dを電気的に接続することにより、電流計106Aは、第1基準セル102の電流値を検知し、電圧計106Bは、電流計106Aに電流が流れたときの第1基準セル102の電圧値を検知する。また、スイッチEを電気的に接続することにより、第1基準セル102の電圧値を検知する。
また、図1に示すように、制御器120は、被毒判定器120aを有している。制御器120は、マイコン等のコンピュータによって構成されており、CPU、半導体メモリから構成された内部メモリ、通信部、及びカレンダー機能を有する時計部(いずれも図示せず)を有している。そして、内部メモリに格納された所定のソフトウェアによって、被毒判定器120aが実現されている。ここで、本発明において、制御器は、単独の制御器だけでなく、複数の制御器が協働して燃料電池システム100の制御を実行する制御器群をも意味する。このため、制御器120は、単独の制御器から構成される必要はなく、複数の制御器が分散配置され、それらが協働して燃料電池システム100を制御するように構成されていてもよい。
さらに、被毒回復処理器112は、例えば、系統電源や二次電池等の電源で構成されていて、燃料電池スタック101の燃料電池50及び第1基準セル102の電位を上げることで、燃料電池スタック101の燃料電池50のカソード4B及び第1基準セル102のカソード4Bの回復処理を行ってもよく、また、例えば、加湿器で構成されていて、燃料電池スタック101の燃料電池50のカソード4B及び第1基準セル102のカソード4Bに供給される酸化剤ガスの加湿量を、燃料電池スタック101(燃料電池システム100)の発電運転時よりも増加することで、燃料電池スタック101の燃料電池50のカソード4B及び第1基準セル102のカソード4Bから排出される水の量を増加させることで、燃料電池スタック101の燃料電池50のカソード4B及び第1基準セル102のカソード4Bの回復処理を行ってもよい。
[燃料電池スタックの構成]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システム100の燃料電池スタック101の構成について、図4を参照しながら詳細に説明する。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システム100の燃料電池スタック101の構成について、図4を参照しながら詳細に説明する。
図4は、図1及び図2に示す燃料電池システム100における燃料電池スタック101の概略構成を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、燃料電池スタック101は、例えば、セル積層体70と、該セル積層体70の両端に配置された端板71A、71Bと、セル積層体70と端板71A、71Bを燃料電池50の積層方向において締結する締結具(図示せず)と、を有する。また、端板71Aとセル積層体70の間には、絶縁板72A及び集電板73Aが配置されている。同様に、端板71Bとセル積層体70との間には、絶縁板72B及び集電板73Bが配置されている。セル積層体70は、複数の燃料電池50を有していて、該複数の燃料電池50がその厚み方向に積層されて形成されている。
セル積層体70には、燃料ガス供給マニホールド、酸化剤ガス供給マニホールド、冷却媒体供給マニホールド、燃料ガス排出マニホールド、酸化剤ガス排出マニホールド、及び冷却媒体排出マニホールドが設けられている(いずれも図示せず)。また、端板71A、絶縁板72A、及び集電板73Aには、燃料ガス供給マニホールド等の各マニホールドに対応する(連通する)貫通孔が設けられている。そして、端板71Aの燃料ガス供給マニホールド等の各マニホールドに対応する貫通孔には、それぞれ、第1燃料ガス供給路201、冷却媒体供給路(図示せず)、第1酸化剤ガス供給路202、第1燃料ガス排出路203、冷却媒体排出路(図示せず)、及び第1酸化剤ガス排出路204が接続されている。これにより、燃料ガス等が燃料電池スタック101に供給され、使用されなかった燃料ガス等が燃料電池スタック101から排出される。
また、図4に示すように、燃料電池50は、MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極接合体)5と、一対のセパレータ6A、6Bと、一対のガスケット7A、7Bと、を備えている。
MEA5は、一対の電極4A、4Bと、一対の電極4A、4Bの間に配置された電解質層1と、を有している。本実施の形態1においては、電極4Aがアノード4Aを構成し、電極4Bがカソード4Bを構成している。電解質層1としては、例えば、水素イオンを選択的に輸送する高分子電解質膜(例えば、米国デュポン(株)製のNafion(商品名))を用いることができる。
電解質層1は、本実施の形態1においては、略4角形(ここでは、矩形)の形状を有している。電解質層1の両面には、その周縁部より内方に位置するように、アノード4A及びカソード4Bが、それぞれ配設されている。なお、電解質層1の周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔、冷却媒体供給マニホールド孔、酸化剤ガス供給マニホールド孔、燃料ガス排出マニホールド孔、冷却媒体排出マニホールド孔、及び酸化剤ガス排出マニホールド孔が厚み方向に貫通するように設けられている(図示せず)。
アノード4Aは、電解質層1の一方の主面上に設けられ、電極触媒(例えば、白金及び白金を含む合金)を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなるアノード触媒層2Aと、アノード触媒層2Aの主面上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたアノードガス拡散層3Aと、を有している。同様に、カソード4Bは、電解質層1の他方の主面上に設けられ、電極触媒(例えば、白金及び白金を含む合金)を担持した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性を有する高分子電解質との混合物からなるカソード触媒層2Bと、カソード触媒層2Bの主面上に設けられ、ガス通気性と導電性を兼ね備えたカソードガス拡散層3Bと、を有している。
なお、アノード触媒層2A及びカソード触媒層2Bは、白金及び白金を含む合金からなる電極触媒を担持した導電性炭素粒子と、高分子電解質と、分散媒と、を含む触媒層形成用インクを用いて、当該分野で公知の方法により形成することができる。また、アノードガス拡散層3A及びカソードガス拡散層3Bを構成する材料としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができ、例えば、カーボンクロスやカーボンペーパーなどの導電性多孔質基材を用いることができる。また、この導電性多孔質基材には、従来公知の方法で撥水処理を施しても構わない。
また、MEA5のアノード4A及びカソード4Bの周囲(正確には、アノードガス拡散層3A(カソードガス拡散層3B)の外方)には、電解質層1を挟んで一対の環状のガスケット7A、7Bが配設されている。これにより、燃料ガスや酸化剤ガスが燃料電池50外にリークされることが抑制され、また、燃料電池50内でこれらのガスが互いに混合されることが抑制される。なお、ガスケット7A、7Bの周縁部には、厚み方向の貫通孔からなる燃料ガス供給マニホールド孔等の各マニホールド孔(図示せず)が設けられている。
また、MEA5とガスケット7A、7Bを挟むように、導電性を有する板状の一対のセパレータ6A、6Bが配設されている。これにより、MEA5が機械的に固定され、複数の燃料電池50をその厚み方向に積層したときには、MEA5が電気的に接続される。なお、これらのセパレータ6A、6Bは、熱伝導性及び導電性に優れた金属、黒鉛、または、黒鉛と樹脂を混合したものを使用することができ、例えば、カーボン粉末とバインダー(溶剤)との混合物を射出成形により作製したものやチタンやステンレス鋼製の板の表面に金メッキを施したものを使用することができる。
セパレータ6Aのアノード4Aと接触する一方の主面には、燃料ガスが通流するための溝状の燃料ガス流路8が設けられており、また、他方の主面には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路10が設けられている。同様に、セパレータ6Bのカソード4Bと接触する一方の主面には、酸化剤ガスが通流するための溝状の酸化剤ガス流路9が設けられており、また、他方の主面には、冷却媒体が通流するための溝状の冷却媒体流路10が設けられている。なお、セパレータ6A、6Bの主面の周縁部には、燃料ガス供給マニホールド孔等の各マニホールド孔が設けられている(図示せず)。
これにより、燃料電池50では、アノード4A及びカソード4Bに、それぞれ、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給され、これらのガスが反応して電気と熱が発生する。また、冷却水等の冷却媒体を冷却媒体流路10に通流させることにより、発生した熱の回収が行われる。
[第1基準セル及び第2基準セルの構成]
一方、第1基準セル102は、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有している。同様に、第2基準セル103は、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有している。そして、第1基準セル102及び第2基準セル103の構成は、燃料電池スタック101の燃料電池50と同様に構成されている。このため、第1基準セル102及び第2基準セル103の構成については、その詳細な説明は省略する。
一方、第1基準セル102は、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有している。同様に、第2基準セル103は、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有している。そして、第1基準セル102及び第2基準セル103の構成は、燃料電池スタック101の燃料電池50と同様に構成されている。このため、第1基準セル102及び第2基準セル103の構成については、その詳細な説明は省略する。
なお、第1基準セル102は、第1基準セル102の厚み方向から見て、そのアノード及びカソードの電極面積が、燃料電池50のアノード4A及びカソード4Bの電極面積と同じであってもよく、燃料電池50のアノード4A及びカソード4Bの電極面積と異なってもよい。同様に、第2基準セル103は、第2基準セル103の厚み方向から見て、そのアノード及びカソードの電極面積が、燃料電池50のアノード4A及びカソード4Bの電極面積と同じであってもよく、燃料電池50のアノード4A及びカソード4Bの電極面積と異なってもよい。第1基準セル102及び第2基準セル103のアノード及びカソードの電極面積が、燃料電池50のアノード4A及びカソード4Bの電極面積と同じであると、第1基準セル102(第2基準セル103)の被毒程度と、燃料電池スタック101の燃料電池50の被毒程度と、がほぼ同じにすることができ、第1基準セル102(第2基準セル103)が被毒されていると判定されると、燃料電池50も被毒されていると判断することができることから好ましい。また、第1基準セル102及び第2基準セル103のアノード及びカソードの電極面積が、燃料電池50のアノード4A及びカソード4Bの電極面積より小さいと、被毒検知の感度を高くすることができる観点から好ましく、第1基準セル102及び第2基準セル103のアノード及びカソードの電極面積が、燃料電池50のアノード4A及びカソード4Bの電極面積より大きいと、被毒許容量が増え、耐久性が向上することができる観点から好ましい。
また、本実施の形態1においては、第1基準セル102及び第2基準セル103をそれぞれ、1のセルを締結して構成したが、これに限定されず、複数のセルを積層してセル積層体を形成して、該セル積層体を締結して構成してもよい。
[燃料電池システムの動作]
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システムの一般的動作及び被毒判定動作(運転方法)について、図1乃至図5を参照しながら説明する。なお、以下の諸動作は、制御器120が燃料電池システム100を制御することにより遂行される。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システムの一般的動作及び被毒判定動作(運転方法)について、図1乃至図5を参照しながら説明する。なお、以下の諸動作は、制御器120が燃料電池システム100を制御することにより遂行される。
まず、実施の形態1に係る燃料電池システムの一般的動作について、図1及び図4を参照しながら説明する。
制御器120は、燃料ガスが、第2燃料ガス供給路205を通流しないように(第2基準セル103に燃料ガスが供給されないように)、第1切替器104のポートを切り替えさせる。同様に、酸化剤ガスが、第2酸化剤ガス供給路206を通流しないように(第2基準セル103に酸化剤ガスが供給されないように)、第2切替器105のポートを切り替えさせる。
次に、制御器120は、燃料ガス供給器108から第1燃料ガス供給路201に燃料ガスを供給させ、酸化剤ガス供給器109から第1酸化剤ガス供給路202に酸化剤ガスを供給させる。第1燃料ガス供給路201に供給された燃料ガス及び第1酸化剤ガス供給路202に供給された酸化剤ガスは、それぞれ、第1基準セル102を通過して(第1基準セル102に供給された後に)、燃料電池スタック101に供給される。燃料電池スタック101では、アノード4Aに供給された燃料ガスと、カソード4Bに供給された酸化剤ガスとが電気化学的に反応して、電気と熱が生成され、図示されない電力調整器により生成された電気が取り出される。そして、燃料電池スタック101で使用されなかった燃料ガスは、第1燃料ガス排出路203に排出される。同様に、燃料電池スタック101で使用されなかった酸化剤ガスは、第1酸化剤ガス排出路204に排出される。また、燃料電池スタック101には、冷却水等の冷却媒体が供給され、冷却媒体は各燃料電池50の冷却媒体流路10に通流され、発生した熱の回収が行われる。
なお、燃料電池スタック101の発電運転中に、第1基準セル102からも電力を取り出してもよく、電力を取り出さなくてもよい。また、第1基準セル102から電力を取り出す場合、燃料電池スタック101の燃料電池50から取り出す電力と同程度の電力を取り出してもよい。
ところで、酸化剤ガス供給器109から供給される酸化剤ガスが空気である場合、空気中には、硫黄酸化物や二酸化硫黄等の大気汚染物質が含まれているため、空気とともに、これらの硫黄酸化物等の硫黄化合物が酸化剤ガス供給器109から第1酸化剤ガス供給路202に混入する。
しかしながら、本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、第1酸化剤ガス供給路202において、燃料電池スタック101の上流側に第1基準セル102が設けられている。このため、酸化剤ガス供給器109から第1酸化剤ガス供給路202に混入した硫黄化合物は、第1基準セル102のカソード触媒層2Bで吸着される。これにより、燃料電池スタック101に混入する硫黄化合物が減少し、燃料電池スタック101の燃料電池50のカソード4B(正確には、カソード触媒層2B)の被毒化が抑制され、燃料電池スタック101の電池性能の低下を抑制することができる。
そして、本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、第1基準セル102が被毒されている場合には、燃料電池スタック101の燃料電池50が被毒されていると判定する。
次に、本実施の形態1に係る燃料電池システム100の被毒判定動作について、図2乃至図5を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、燃料電池スタック101の発電停止中に被毒判定動作を行う場合について説明するが、被毒判定動作は、燃料電池スタック101の発電運転中に行ってもよい。ここで、燃料電池スタック101の発電運転中とは、燃料電池システム100(正確には、燃料電池システム100の制御器120)に外部から運転起動指令が入力されたときから、外部から燃料電池システム100(正確には、燃料電池システム100の制御器120)の運転停止指令が入力されるまでの間をいう。また、燃料電池スタック101の発電停止中とは、燃料電池システム100(正確には、燃料電池システム100の制御器120)の運転停止指令が入力されたときから燃料電池システム100(正確には、燃料電池システム100の制御器120)に外部から運転起動指令が入力されるまでの間をいう。
図5は、本実施の形態1に係る燃料電池システム100における制御器120の記憶部に格納された被毒判定プログラムを概略的に示すフローチャートである。
図5に示すように、まず、燃料電池システム100外部から燃料電池システム100の制御器120に運転停止指令が入力される(ステップS101)。すると、制御器120は、燃料電池システム100の各機器に運転停止指令を出力し、本プログラムと同時に、燃料電池システム100の運転停止処理が行われる。
次に、制御器120は、第1切替器104及び第2切替器105にポートの切り替え指令を出力する(ステップS102)。これにより、第1切替器104及び第2切替器105は、第1基準セル102及び第2基準セル103に酸化剤ガスが供給されるように、そのポートを切り替える。そして、制御器120は、第1電気化学測定器106に第1基準セル102の電流値を検知させ、第2電気化学測定器107に第2基準セル103の電流値を検知させ、検知した電流値を取得する(ステップS103)。
次に、制御器120は、ステップS103で取得した第1基準セル102の電流値と第2基準セル103の電流値とを比較して(ステップS104)、第1基準セル102の電流値の方が第2基準セル103の電流値よりも大きい場合には、ステップS105に進み、第2基準セル103の電流値のほうが第1基準セル102の電流値よりも大きい場合には、ステップS108に進む。
ステップS105では、制御器120(被毒判定器120a)は、燃料電池50が被毒されていると判定する。そして、制御器120は、被毒回復処理器112に、第1基準セル102の回復処理指令を出力し(ステップS106)、及び燃料電池スタック101(燃料電池50)の回復処理指令を出力して(ステップS107)、本プログラムを終了する。なお、第1基準セル102及び燃料電池スタック101(燃料電池50)の被毒回復処理器112による回復処理は、例えば、特開2006−19279号公報や特開2008−77911号公報等に開示されているような方法で、第1基準セル102及び燃料電池スタック101(燃料電池50)のカソード触媒層2Bに付着した硫黄化合物を酸化等して除去する。
一方、ステップS108では、制御器120(被毒判定器120a)は、燃料電池50は被毒されていないと判定し、本プログラムを終了する。
このように本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、燃料電池システム100(燃料電池スタック101)の発電運転中には、第2基準セル103に硫黄化合物等の被毒物質が混入しないように、第1切替器104及び第2切替器105を制御することで、第2基準セル103に対して第1基準セル102が被毒しているか否かの判定をより正確に行うことができる。また、本実施の形態1に係る燃料電池システム100では、第1基準セル102が被毒されている場合には、燃料電池スタック101の燃料電池50が被毒されていると判定することで、燃料電池スタック101の被毒回復処理を行うタイミングを適切に判断することができる。さらに、不必要なカソード触媒層2Bの回復処理を抑制することにより、カソード触媒層2B(及びアノード触媒層2A)を構成するカーボンの劣化を抑制することができる。
なお、本実施の形態1においては、第1電気化学測定器106は、第1基準セル102の電流値を検知し、第2電気化学測定器107は、第2基準セル103の電流値を検知するように構成したが、これに限定されず、第1電気化学測定器106は、第1基準セル102の電圧値を検知し、第2電気化学測定器107は、第2基準セル103の電圧値を検知するように構成してもよく、また、第1電気化学測定器106は、第1基準セル102の電流値及び電圧値を検知し、第2電気化学測定器107は、第2基準セル103の電流値及び電圧値を検知するように構成してもよい。さらに、第1電気化学測定器106と第2電気化学測定器107と、2つの電気化学測定器を用いて、それぞれの電気化学測定器が、第1基準セル102及び第2基準セル103の電流値を検知するように構成したが、これに限定されず、1つの電気化学測定器を用いて、第1基準セル102及び第2基準セル103の電流値及び/又は電圧値を検知するように構成してもよい。
また、本実施の形態1においては、第1切替器104及び第2切替器105が、ポートの切り替えを行った後に、第1電気化学測定器106が第1基準セル102の電流値を検知し、第2電気化学測定器107が第2基準セル103の電流値を検知するように構成したが、これに限定されず、第1電気化学測定器106が第1基準セル102の電流値を検知した後に、第2基準セル103のみに燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されるように、第1切替器104及び第2切替器105が、ポートの切り替えを行い、その後、第2電気化学測定器107が第2基準セル103の電流値を検知するように構成してもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2は、燃料電池スタックに接続された反応ガス流路の上流側に第1基準セルと第2基準セルが並列に配置される形態を例示するものである。
本発明の実施の形態2は、燃料電池スタックに接続された反応ガス流路の上流側に第1基準セルと第2基準セルが並列に配置される形態を例示するものである。
本発明の実施の形態2に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、所定の時間経過ごとに、燃料電池システム100(燃料電池スタック101)の発電運転中における、反応ガスの供給先を第1基準セル102と第2基準セル103との間で交互に切り替えるように構成されている点が異なる。
具体的には、例えば、制御器120は、所定の時間経過するまでは、燃料電池システム100(燃料電池スタック101)の発電運転中に、第1基準セル102に反応ガスが供給され、第2基準セル103に反応ガスが供給されないように、第1切替器104及び第2切替器105を制御する。次に、制御器120は、燃料電池システム100が設置されて、運転開始してから経過した時間の合計時間や燃料電池システム100の発電運転した合計時間等が、所定の時間経過すると、次回の燃料電池システム100の運転起動指令が入力されたときには、第2基準セル103に反応ガスが供給され、第1基準セル102に反応ガスが供給されないように、第1切替器104及び第2切替器105を制御する。そして、制御器120は、第2基準セル103に反応ガスが供給され、第1基準セル102に反応ガスが供給されないように、第1切替器104及び第2切替器105を制御してから、さらに所定の時間経過すると、次回の燃料電池システム100の運転起動指令が入力されたときには、第1基準セル102に反応ガスが供給され、第2基準セル103に反応ガスが供給されないように、第1切替器104及び第2切替器105を制御する。
このように構成された、本実施の形態2に係る燃料電池システム100では、燃料電池システム100(燃料電池スタック101)の発電運転中における、反応ガスの供給先を第1基準セル102と第2基準セル103の間で交互に切り替えることにより、硫黄化合物等によるカソード触媒層2Bの劣化以外の劣化を2つの基準セルの間で分散することができ、基準セルの長寿命化を図ることができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3は、燃料電池システムの運転停止時に不活性ガスが供給される形態を例示するものである。
本発明の実施の形態3は、燃料電池システムの運転停止時に不活性ガスが供給される形態を例示するものである。
図6及び図7は、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システムの概略構成を示す模式図である。なお、図6は、燃料電池スタックの発電運転中の模式図であり、図7は、燃料電池スタックの高分子電解質形燃料電池の被毒判定時の模式図である。
図6及び図7に示すように、本発明の実施の形態3に係る燃料電池システム100は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と基本的構成は同じであるが、第1酸化剤ガス供給路202の途中に不活性ガス供給器110が設けられ、燃料電池スタック101(燃料電池システム100)の運転停止時に、不活性ガス供給器110から第1酸化剤ガス供給路202を介して燃料電池スタック101に不活性ガスが供給される点が異なる。
具体的には、第1酸化剤ガス供給路202の第2切替器105の上流側に、不活性ガス供給路207の下流端が接続され、不活性ガス供給路207の上流端には、不活性ガス供給器110が接続されている。また、不活性ガス供給路207の途中には、不活性ガスの通流を許可/遮断する(不活性ガス供給路207から第1酸化剤ガス供給路202への不活性ガスの通流を許可/遮断する)開閉弁111が設けられている。
なお、不活性ガスとしては、燃料電池スタック101の燃料電池50内で、燃料ガスと反応しないガスであれば、特に限定されないが、例えば、窒素ガス、メタンガス、及び二酸化炭素ガスからなるガス郡から選ばれる1以上のガスであってもよい。また、不活性ガス供給器110としては、例えば、不活性ガスが貯えられたタンクと流量調整可能なポンプ、不活性ガスが貯えられたタンクとポンプと流量調整弁等が挙げられる。さらに、本実施の形態3においては、不活性ガス供給路207の途中に開閉弁111を設けて、不活性ガス供給路207から第1酸化剤ガス供給路202への不活性ガスの通流を許可/遮断するように構成したが、これに限定されず、不活性ガス供給路207から第1酸化剤ガス供給路202への不活性ガスの通流を許可/遮断することができれば、例えば、第1酸化剤ガス供給路202と不活性ガス供給路207の接続点に三方弁を設けてもよい。
[燃料電池システムの動作]
次に、本実施の形態3に係る燃料電池システム100の被毒判定動作(運転方法)について、図6乃至図8を参照しながら説明する。なお、本実施の形態3に係る燃料電池システム100の一般的動作は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と同じであるため、その説明は省略する。
次に、本実施の形態3に係る燃料電池システム100の被毒判定動作(運転方法)について、図6乃至図8を参照しながら説明する。なお、本実施の形態3に係る燃料電池システム100の一般的動作は、実施の形態1に係る燃料電池システム100と同じであるため、その説明は省略する。
図8は、本実施の形態3に係る燃料電池システム100における制御器120の記憶部に格納された被毒判定プログラムを概略的に示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、燃料電池システム100外部から燃料電池システム100の制御器120に運転停止指令が入力される(ステップS201)。すると、制御器120は、燃料電池システム100の各機器に運転停止指令を出力し、本プログラムと同時に、燃料電池システム100の運転停止処理が行われる。
次に、制御器120は、第1切替器104及び第2切替器105にポートの切り替え指令を出力し、開閉弁111に弁の開放指令を出力し(ステップS202)、酸化剤ガス供給器109の停止指令を出力し、不活性ガス供給器110に運転開始指令を出力する(ステップS203)。これにより、不活性ガス供給器110は、不活性ガス供給路207に不活性ガスが供給され、不活性ガス供給路207に供給された不活性ガスは、第1酸化剤ガス供給路202及び第2酸化剤ガス供給路206を通流して、第1基準セル102、第2基準セル103のカソード4Bに供給される。また、不活性ガスは、第1酸化剤ガス供給路202から燃料電池スタック101(正確には、燃料電池50のカソード4B)に供給される。
そして、制御器120は、第1電気化学測定器106に第1基準セル102の電圧値を検知させ、第2電気化学測定器107に第2基準セル103の電圧値を検知させ、検知した電圧値を取得する(ステップS204)。
次に、制御器120は、ステップS204で取得した第1基準セル102の電圧値と第2基準セル103の電圧値とを比較して(ステップS205)、第1基準セル102の電圧値の方が第2基準セル103の電圧値よりも大きい場合には、ステップS206に進み、第2基準セル103の電圧値のほうが第1基準セル102の電圧値よりも大きい場合には、ステップS210に進む。
ステップS206では、制御器120(被毒判定器120a)は、燃料電池50が被毒されていると判定する。そして、制御器120は、不活性ガス供給器110に運転停止指令を出力する(ステップS207)。これにより、不活性ガス供給器110から不活性ガスの供給が停止する。
次に、制御器120は、第1基準セル102の回復処理指令を出力し(ステップS208)、燃料電池スタック101(燃料電池50)の回復処理指令を出力して(ステップS209)、本プログラムを終了する。なお、第1基準セル102及び燃料電池スタック101(燃料電池50)の回復処理は、例えば、特開2006−19279号公報や特開2008−77911号公報等に開示されているような方法で、第1基準セル102及び燃料電池スタック101(燃料電池50)のカソード触媒層2Bに付着した硫黄化合物を酸化等して除去する。
一方、ステップS210では、制御器120(被毒判定器120a)は、燃料電池50は被毒されていないと判定し、不活性ガス供給器110の運転停止指令を出力して(ステップS211)、本プログラムを終了する。
このように構成された本実施の形態3に係る燃料電池システム100であっても、実施の形態1に係る燃料電池システム100と同様の作用効果を奏する。
本発明の燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法は、発電を行う燃料電池スタックの触媒被毒による劣化を抑制し、適切なタイミングで燃料電池スタックの被毒回復処理を行うことができるため、燃料電池の技術分野で有用である。
1 電解質層
2A アノード触媒層
2B カソード触媒層
3A アノードガス拡散層
3B カソードガス拡散層
4A アノード(電極)
4B カソード(電極)
5 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極接合体)
6A セパレータ
6B セパレータ
7A ガスケット
7B ガスケット
8 燃料ガス流路
9 酸化剤ガス流路
10 冷却媒体流路
50 高分子電解質形燃料電池(燃料電池)
70 セル積層体
71A 端板
71B 端板
72A 絶縁板
72B 絶縁板
73A 集電板
73B 集電板
100 燃料電池システム
101 燃料電池スタック
101A 燃料ガス入口
101B 燃料ガス出口
101C 酸化剤ガス入口
101D 酸化剤ガス出口
102 第1基準セル
102A 燃料ガス入口
102B 燃料ガス出口
102C 酸化剤ガス入口
102D 酸化剤ガス出口
103 第2基準セル
103A 燃料ガス入口
103B 燃料ガス出口
103C 酸化剤ガス入口
103D 酸化剤ガス出口
104 第1切替器
105 第2切替器
106 第1電気化学測定器(第1検知器)
106A 電流計
106B 電圧計
106C 可変抵抗器
106D スイッチ
106E スイッチ
107 第2電気化学測定器(第2検知器)
108 燃料ガス供給器
109 酸化剤ガス供給器
110 不活性ガス供給器
111 開閉弁
112 被毒回復処理器
120a 被毒判定器
120 制御器
201 第1燃料ガス供給路
202 第1酸化剤ガス供給路
203 第1燃料ガス排出路
204 第1酸化剤ガス排出路
205 第2燃料ガス供給路
206 第2酸化剤ガス供給路
207 不活性ガス供給路
301 電気配線
2A アノード触媒層
2B カソード触媒層
3A アノードガス拡散層
3B カソードガス拡散層
4A アノード(電極)
4B カソード(電極)
5 MEA(Membrane−Electrode−Assembly:電解質層−電極接合体)
6A セパレータ
6B セパレータ
7A ガスケット
7B ガスケット
8 燃料ガス流路
9 酸化剤ガス流路
10 冷却媒体流路
50 高分子電解質形燃料電池(燃料電池)
70 セル積層体
71A 端板
71B 端板
72A 絶縁板
72B 絶縁板
73A 集電板
73B 集電板
100 燃料電池システム
101 燃料電池スタック
101A 燃料ガス入口
101B 燃料ガス出口
101C 酸化剤ガス入口
101D 酸化剤ガス出口
102 第1基準セル
102A 燃料ガス入口
102B 燃料ガス出口
102C 酸化剤ガス入口
102D 酸化剤ガス出口
103 第2基準セル
103A 燃料ガス入口
103B 燃料ガス出口
103C 酸化剤ガス入口
103D 酸化剤ガス出口
104 第1切替器
105 第2切替器
106 第1電気化学測定器(第1検知器)
106A 電流計
106B 電圧計
106C 可変抵抗器
106D スイッチ
106E スイッチ
107 第2電気化学測定器(第2検知器)
108 燃料ガス供給器
109 酸化剤ガス供給器
110 不活性ガス供給器
111 開閉弁
112 被毒回復処理器
120a 被毒判定器
120 制御器
201 第1燃料ガス供給路
202 第1酸化剤ガス供給路
203 第1燃料ガス排出路
204 第1酸化剤ガス排出路
205 第2燃料ガス供給路
206 第2酸化剤ガス供給路
207 不活性ガス供給路
301 電気配線
Claims (10)
- 反応ガスを供給する第1反応ガス供給路と、
前記反応ガス供給路の途中に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有する第1基準セルと、
前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルよりも上流側で分岐された第2反応ガス供給路と、
電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有し、前記第2反応ガス供給路から前記反応ガスが供給される第2基準セルと、
前記第2反応ガス供給路を通流する前記反応ガスを前記第2基準セルに供給し及び遮断する切替器と、
前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルの下流側に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有する高分子電解質形燃料電池を複数有し、前記第1基準セルを通過した反応ガスを用いて発電する燃料電池スタックと、
前記第1基準セルの電圧値及び/又は電流値を検知する第1検知器と、
前記第2基準セルの電圧値及び/又は電流値を検知する第2検知器と、
前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池の被毒を判定する被毒判定器と、
制御器と、を備え、
前記制御器は、前記燃料電池スタックの発電運転中には前記第2基準セルへの前記反応ガスの供給を遮断するように前記切替器を制御し、前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池の被毒判定時には、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を制御し、
前記被毒判定器は、前記第1基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第1検知器で検知された前記第1基準セルの電圧値又は電流値が、前記第2基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第2検知器で検知された前記第2基準セルの電圧値又は電流値より小さい場合、前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定する、燃料電池システム。 - 前記制御器は、前記燃料電池スタックの発電停止中に前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記第1反応ガス供給路は、第1燃料ガス供給路と第1酸化剤ガス供給路を有し、
前記第2反応ガス供給路は、第2燃料ガス供給路と第2酸化剤ガス供給路を有し、
前記第1酸化剤ガス供給路の前記切替器の上流側に接続され、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルの前記カソードに不活性ガスを供給する不活性ガス供給路と、
前記不活性ガス供給路に前記不活性ガスを供給するように構成された不活性ガス供給器と、を備え、
前記制御器は、前記燃料電池スタックの発電停止中に、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルの前記アノードに燃料ガスが供給され、前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルの前記カソードに不活性ガスが供給されるように前記不活性ガス供給器と前記切替器を制御し、
前記被毒判定器は、前記第1基準セルに前記燃料ガス及び前記不活性ガスが供給された状態で前記第1検知器で検知された前記第1基準セルの電圧値が、前記第2基準セルに前記燃料ガス及び前記不活性ガスが供給された状態で前記第2検知器で検知された前記第2基準セルの電圧値より小さい場合、前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定する、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 前記第1検知器は前記第2検知器を兼ねるように構成されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記第1基準セル及び前記第2基準セルのアノード及びカソードの電極面積が、前記高分子電解質形燃料電池のアノード及びカソードの電極面積と同じである、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記第1基準セル及び前記第2基準セルのアノード及びカソードの電極面積が、前記高分子電解質形燃料電池のアノード及びカソードの電極面積と異なる、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記不活性ガスは、窒素ガス、メタンガス、及び二酸化炭素ガスからなるガス群から選ばれる1以上のガスである、請求項2に記載の燃料電池システム。
- 前記制御器は、所定時間経過後に、前記燃料電池スタックの発電運転中には前記第1基準セルへの前記反応ガスの供給を遮断し、前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 被毒回復処理器をさらに備え、
前記制御器は、前記被毒判定器が前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定すると、前記被毒回復処理器を被毒された前記高分子電解質形燃料電池の被毒除去操作を行うように制御する、請求項1に記載の燃料電池システム。 - 反応ガスを供給する第1反応ガス供給路と、前記第1反応ガス供給路の途中に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有する第1基準セルと、前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルよりも上流側で分岐された第2反応ガス供給路と、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有し、前記第2反応ガス供給路から前記反応ガスが供給される第2基準セルと、前記第2反応ガス供給路を通流する前記反応ガスを前記第2基準セルに供給し及び遮断する切替器と、前記第1反応ガス供給路の前記第1基準セルの下流側に設けられ、電解質層と該電解質層を挟むアノード及びカソードを有する高分子電解質形燃料電池を複数有し、前記第1基準セルを通過した反応ガスを用いて発電する燃料電池スタックと、を備える燃料電池システムの運転方法であって、
前記第1基準セル及び/又は前記第2基準セルに前記反応ガスが供給されるように前記切替器を切り替えるステップ(A)と、
前記第1基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第1基準セルの電圧値又は電流値を検知するステップ(B)と、
前記第2基準セルに前記反応ガスが供給された状態で前記第2基準セルの電圧値又は電流値を検知するステップ(C)と、
前記ステップ(B)で検知された前記第1基準セルの電圧値又は電流値が前記ステップ(C)で検知された前記第2基準セルの電圧値又は電流値よりも小さい場合には前記燃料電池スタックの前記高分子電解質形燃料電池が被毒されていると判定するステップ(D)と、を備える、燃料電池システムの運転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009236330A JP2011086400A (ja) | 2009-10-13 | 2009-10-13 | 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009236330A JP2011086400A (ja) | 2009-10-13 | 2009-10-13 | 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011086400A true JP2011086400A (ja) | 2011-04-28 |
Family
ID=44079208
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009236330A Pending JP2011086400A (ja) | 2009-10-13 | 2009-10-13 | 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011086400A (ja) |
-
2009
- 2009-10-13 JP JP2009236330A patent/JP2011086400A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2330669B1 (en) | Method for restoring performance of polymer electrolyte fuel cell | |
KR101601378B1 (ko) | 연료 전지 관리 방법 | |
JP5049413B2 (ja) | 燃料電池システム及びその運転方法 | |
US20110195324A1 (en) | Methods and processes to recover voltage loss of pem fuel cell stack | |
US7749637B2 (en) | Water blocking layer and wicking reservoir for PEMFC | |
US20070036891A1 (en) | Method of Making A Fuel Cell Component Using An Easily Removed Mask | |
JP2005166479A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2011086398A (ja) | 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 | |
JP2004039632A (ja) | 燃料電池システムにおける化学センサ手段 | |
JP5071254B2 (ja) | 燃料電池発電システムおよびその運転方法 | |
EP2639869B1 (en) | Operation method of polymer electrolyte fuel cell system and polymer electrolyte fuel cell system | |
JP4336182B2 (ja) | 燃料電池システムの運転方法および燃料電池システム | |
JP4661055B2 (ja) | 燃料電池システムおよび運転方法 | |
US20090029201A1 (en) | Fuel cell system | |
JP2008243430A (ja) | 燃料電池の保護方法及び保護システム | |
JP2009093800A (ja) | 燃料電池システム | |
US20070048557A1 (en) | Diagnosis of cell-to-cell variability in water holdup via dynamic voltage sensor pattern in response to a cathode flow pulse | |
JP6981883B2 (ja) | 燃料電池のエージング方法 | |
JP2004172106A (ja) | 燃料電池システムの運転方法および燃料電池システム | |
JP2009134987A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2006156040A (ja) | 燃料電池システム | |
EP2555299A1 (en) | Fuel cell system | |
JP2011086400A (ja) | 燃料電池システム及び燃料電池システムの運転方法 | |
JP2021174618A (ja) | 燃料電池システム、及び、燃料電池スタックのリユース可否の判断方法 | |
JP4772293B2 (ja) | 燃料電池システム |