[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。図1において、半導体記憶装置1は、行列状に配列される複数のメモリセルを有するメモリセルアレイ2と、外部からのアドレス信号ビットA7−A19を受けて内部行アドレス信号RAを生成する行アドレスバッファ3と、外部からのアドレス信号ビットA0−A6を受けて内部列アドレス信号CAを生成する列アドレスバッファ4と、内部行アドレス信号RAをデコードし、メモリセルアレイ2の行を選択する行デコーダ5と、内部列アドレス信号CAをデコードして、メモリセルアレイ2の列を選択するための列選択信号を生成する列デコーダ6と、行デコーダ5により選択された行上のメモリセルのデータを検知し増幅しかつラッチするセンスアンプと、列デコーダ6からの列選択信号に従ってメモリセルアレイ2の選択列を内部データ線(IO線)に結合するIOゲートを含む。図1においては、これらのセンスアンプおよびIOゲートを、1つのブロック7で示す。
半導体記憶装置1は、さらに、データ書込時下位バイトデータDQ0−DQ7を書込む下位入力バッファ8と、データ読出時、下位バイトデータを外部へ出力する下位出力バッファ9と、データ書込時、上位バイトデータDQ8−DQ15を取込み内部書込データを生成する上位入力バッファ10と、データ読出時、上位バイトデータDQ8−DQ15を出力する上位出力バッファ11と、外部からの制御信号、すなわちチップイネーブル信号CE♯、出力イネーブル信号OE♯、書込イネーブル信号WE♯、下位バイトイネーブル信号LB♯、および上位バイトイネーブル信号UB♯に従って各種内部動作を制御する信号を生成する内部制御信号発生回路12を含む。
チップイネーブル信号CE♯は、Lレベルのときに、この半導体記憶装置1が選択されたことを示し、このチップイネーブル信号CE♯がLレベルのときに、この半導体記憶装置1に対しアクセスすることができる。出力イネーブル信号OE♯は、Lレベルのときに、データ読出モードを指定する。書込イネーブル信号WE♯は、Lレベルのときに、データ書込動作を指定する。下位バイトイネーブル信号LB♯は、Lレベルのときに、下位バイトデータDQ0−DQ7が有効であることを示し、上位バイトイネーブル信号UB♯は、上位バイトデータDQ8−DQ15が有効であることを示す。
内部制御信号発生回路12は、このチップイネーブル信号CE♯、出力イネーブル信号OE♯および書込イネーブル信号WE♯に従って、行アドレスバッファ3、列アドレスバッファ4、行デコーダ5、列デコーダ6、およびセンスアンプ/IOゲートブロック7の動作を制御する。この内部制御信号発生回路12は、さらに、上位バイトイネーブル信号UB♯および下位バイトイネーブル信号LB♯に従って、動作モードに応じて、下位入力バッファ8、下位出力バッファ9、上位入力バッファ10、上位出力バッファ11の活性/非活性を制御する。
半導体記憶装置1は、さらに、外部からの制御信号CE♯、OE♯およびWE♯とアドレス信号A0−A19とデータビットDQ0−DQ15を受け、この半導体記憶装置1を特定の動作モードに設定するモード制御回路20と、モード制御回路20からのモード設定信号MDに従って、この半導体記憶装置1の内部状態を指定された状態に設定する状態制御回路22を含む。
モード制御回路20は、その構成は後に詳細に説明するが、通常アクセスモード時に、使用されないアクセスシーケンスでこの半導体記憶装置1へアクセスが行なわれたときに、この半導体記憶装置1は、コマンドモードに入り、特定の内部状態を指定するコマンドを受付ける状態となる。この状態において、特定のアドレスを指定して、データビットDQ0−DQ15を用いて内部状態を指定するコマンドを与える。このコマンドのデコード結果に従って内部状態設定信号(モード設定信号)MDが生成される。
状態制御回路22は、モード制御回路20からの状態制御信号MDに従って内部状態を、たとえば初期状態、およびパワーダウン状態などの状態に設定する。この状態制御回路22は、内部状態としては、スタンバイ状態などの低消費電力が要求される動作モードに関連する内部状態を設定する。これらの構成については後に詳細に説明する。内部状態の設定のために外部からのコマンドを利用することにより、パワーダウンなどの状態の指定のために、専用のピン端子を利用する必要がない。また、データアクセスを行なう通常動作モード時と同じ信号のタイミング関係で所望の動作モードを指定することができ、外部のメモリコントローラなどは、プログラムの変更のみで所望の動作モードを指定することができ、従来の外部装置の内部構成を大幅に変更する必要がなく、従来のメモリとの互換性を容易に維持することができる。
図2は、図1に示す半導体記憶装置1のデータ読出時の動作を示す信号波形図である。図2において、チップイネーブル信号CE♯をLレベルに設定し、また、上位バイトデータおよび下位バイトデータを指定する上位バイトイネーブル信号UB♯および下位バイトイネーブル信号LB♯を読出すデータビットに応じてLレベルに設定する。この状態で、アドレス信号ビットA0−A19を設定し、続いて、出力イネーブル信号OE♯をLレベルに設定する。ライトイネーブル信号WE♯はHレベルに維持する。
出力イネーブル信号OE♯のLレベルへの立下がりをトリガとして、内部制御信号発生回路12の制御の下に、行アドレスバッファ3および列アドレスバッファ4が外部からのアドレス信号ビットA19−A0を取込み、内部行アドレス信号RAおよび内部列アドレス信号CAをそれぞれ生成する。これらの内部行アドレス信号RAおよび内部列アドレス信号CAに従って行デコーダ5および列デコーダ6が、内部制御信号発生回路12の制御の下に、それぞれ所定のタイミングでデコード動作を行なって、メモリセルの選択を行なって、選択メモリセルのデータを読出す。
上位バイトイネーブル信号UB♯がHレベルのときには、上位バイトデータDQ8−DQ15はハイインピーダンス状態となり、下位バイトイネーブル信号LB♯をLレベルに設定すると、下位バイトデータDQ0−DQ7に、有効データが読出される。外部データは、出力イネーブル信号OE♯がHレベルに立上がってから、出力回路がディスエーブル状態と設定されるまでの期間、有効状態を維持する。
図3は、図1に示す半導体記憶装置1のデータ書込時の動作を示す信号波形図である。図3に示すように、データ書込時においても、上位バイトイネーブル信号UB♯および下位バイトイネーブル信号LB♯に従って、上位バイトデータおよび下位バイトデータの有効/無効が指定される。チップイネーブル信号CE♯がLレベルになると、この半導体記憶装置1に対するアクセスが可能である。データ書込時においては、ライトイネーブル信号WE♯をLレベルに立下げる。このライトイネーブル信号WE♯の立下がりをトリガとして、外部からのアドレス信号ビットA19−A0が内部に取込まれ、内部行アドレス信号RAおよび内部列アドレス信号CAが生成され、図1に示す行デコーダ5および列デコーダ6により、メモリセルの選択動作が行なわれる。この外部からのデータビットDQ0−DQ15が、上位バイトイネーブル信号UB♯および下位バイトイネーブル信号LB♯に従って、選択的に内部に書込まれる。
データビットDQ0−DQ15は、ライトイネーブル信号WE♯の立上がりに対しセットアップ時間tsuおよびホールド時間thdが要求される。図1に示す半導体記憶装置1は、DRAMベースの半導体記憶装置であり、内部で、行選択動作および列選択動作が、時分割的に実行されている。したがって、ライトイネーブル信号WE♯またはリードイネーブル信号OE♯によりデータアクセスが指定されたとき、外部からのアドレス信号に従って内部で行および列アドレス信号が生成される。このメモリセルの選択時において、まず行選択動作が行なわれて、センスアンプによりメモリセルデータがラッチされる。続いて列選択動作が行なわれ、選択メモリセルのデータの読出または選択メモリセルへのデータの書込が実行される。
したがって、この列選択動作が行なわれるまでの期間ライトイネーブル信号WE♯は、Lレベルを維持する必要があり、またこの列選択動作により、選択メモリセルへデータを書込むために、外部のデータビットDQ0−DQ15に対し、セットアップ時間tsuが要求される。ホールド時間thdは、したがって最小0ns(ナノ秒)であってもよい。
図2および図3のタイミング図に示すように、図1に示す半導体記憶装置1は、チップイネーブル信号CE♯、出力イネーブル信号WE♯および書込イネーブル信号WE♯に従って、外部からのアドレス信号を取込み、データの書込/読出を行なっている。したがって、これらの半導体記憶装置1において用いられる制御信号は、SRAMと同じであり、半導体記憶装置1のインターフェイスは、SRAMと互換性を有している。
モード制御回路20は、外部からの制御信号CE♯、OE♯およびWE♯とアドレス信号ビットA0−A19に従って、通常のアクセスシーケンスと異なるシーケンスでアクセスが実行されたときに、特定の動作モードを指定するモード(コマンドモード)が指定されたと判断し、そのコマンドモードに入ると外部からの信号(コマンド)に従って内部動作状態を制御する。すなわち、ある特定のアクセスシーケンスが実行された時に、コマンドモードが設定され、外部からのコマンドを受付ける状態となる。このコマンドモードにおいて、外部からのデータビットなどの信号を特定のアドレスを指定して書き込むと、これらの外部信号がコマンドとして取り込まれ、このコマンドが指定する状態に内部が設定される。
図4は、図1に示すモード制御回路20の構成を概略的に示す図である。図4において、モード制御回路20は、外部からの制御信号CE♯、OE♯およびWE♯とアドレス信号ビットA19−A0を受け、予め定められたシーケンスでこれらの信号が与えられたときに、コマンドモードエントリ信号CMERYを生成するコマンドモード検出回路30と、コマンドエントリ信号CMERYの活性化時活性化され、データビットDQ0−DQ15の所定のビットをコマンドとして受けてデコードし、このデコード結果に従ってモード指定信号MDを生成するモードデコード回路32を含む。
コマンドモード検出回路30は、アドレス信号ビットA19−A0が特定のアドレスを指定して、連続して所定回数アクセスが行なわれると、コマンドモードエントリ信号CMERYを活性化する。具体的に、一例として、このコマンドモード検出回路30は、最終アドレス(FFFFFH)に対し、連続して4回データ読出が実行されると、コマンドモードエントリ信号CMERYを活性化する。このコマンドモードエントリ信号CMERYが活性化されると、モードデコード回路32が、外部からのコマンドの受付可能状態になる。
通常動作モード時において、同一アドレスに対し連続して4回データの読出が行なわれる事は、殆どない。特に最終アドレスは一般に使用される事は少ない。このような通常アクセスモード時と異なるアクセスシーケンスでアクセスが行なわれたときにコマンドモードを設定する事により、複雑な信号タイミング関係を利用することなく、通常動作モード時と同じ信号タイミング関係だけで確実にコマンドモードを指定する事ができる。
また、例え最終アドレスに有効データが格納されている場合であっても、読出モードを指定しているだけであり、このコマンドモードエントリ時において、最終アドレスの格納データが読み出されるだけであり、格納データの破壊は生じない。
図5(A)は、図4に示すコマンドモード検出回路30の構成の一例を概略的に示す図である。図5(A)において、コマンドモード検出回路30は、アドレス信号ビットA0−A19をデコードするデコード回路30aと、出力イネーブル信号OE♯とチップイネーブル信号CE♯とを受けてデータ読出モードが指定されたとき読出モード指示信号φrzを活性化する読出モード検出回路30bと、チップイネーブル信号CE♯と書込イネーブル信号WE♯とを受け、データ書込が指定されたとき書込モード指示信号φwzをLレベルに駆動する書込モード検出回路30cと、読出モード検出回路30bからの読出モード指示信号φrzに従って、アドレスデコード回路30aの出力信号FADを順次転送するシフタ30dと、シフタ30dの出力ビットQ1−Q4をデコードするシーケンスデコード回路30eと、シーケンスデコード回路30eの出力信号がHレベルのときセットされるフリップフロップ30fを含む。このフリップフロップ30fから、コマンドモードエントリ信号CMERYが生成される。
アドレスデコード回路30aは、アドレス信号ビットA19−A0がすべて“1”のとき、そのデコード信号FADをHレベルに立上げる。すなわち、最終アドレス“FFFFFH”が指定されたときに、このデコード信号FADがHレベルに設定される。読出モード検出回路30bは、出力イネーブル信号OE♯およびチップイネーブル信号CE♯がともにLレベルの活性状態のときに、読出モード指示信号φrzをLレベルに設定する。書込モード検出回路30cは、書込イネーブル信号WE♯とチップイネーブル信号CE♯がともにLレベルの活性状態となると書込モード指示信号φwzをLレベルに設定する。
シフタ30dは、図5(B)に示すように、4段の縦続接続されるDラッチ30da−30deを含む。これらのDラッチ30da−30deの各々は、読出モード指示信号φrzがLレベルとなると、その入力に与えられた信号を取込み、読出モード指示信号φrzがHレベルとなると、その取込んだ信号をラッチ指かつ出力するラッチ状態となる。これらのDラッチ30da−30deは、書込モード指示信号φwzがLレベルとなると、その出力データビットQ1−Q4が“0”にリセットされる。
シーケンスデコード回路30eは、このシフタ30dの出力ビットQ1−Q4がすべてHレベルとなると、その出力信号をHレベルに立上げてセット/リセットフリップフロップ30fをセットし、コマンドモードエントリ信号CMERYをHレベルに駆動する。セット/リセットフリップフロップ30fは、たとえばコマンドモードイグジットコマンドなどが与えられたときに生成されるリセット信号RSTによりリセットされる。
フリップフロップ30fを利用するのは、このコマンドモードエントリ時において指定される動作モードとして、後に説明するように、データ保持ブロックに指定されたメモリブロックを示すデータを読出すモードがあり、データ読出が指定される場合があり、コマンドエントリモードにおいては、常に、コマンドの書込が行なわれるとは限らないためである。
図6は、図5(A)および図5(B)に示すコマンドモード検出回路30の動作を示すタイミング図である。以下、図5(A)および図5(B)および図6を参照して、コマンドモード検出回路30の動作について説明する。
アドレス信号ビットA0−A19をすべてHレベルに設定し、最終アドレスFFFFFHを指定する。次いで、出力イネーブル信号OE♯をLレベルに設定し、データ読出を指示する。チップイネーブル信号CE♯はLレベルである。したがって、このデータ読出モードが指定されると、読出モード検出回路30bからの読出モード指示信号φrzがLレベルとなり、シフタ30dが、デコード回路30aからのデコード信号FADを取込む。出力イネーブル信号OE♯が一旦Hレベルに設定されると、データ読出モードが完了する。
ここで、この図1に示す半導体記憶装置はDRAMベースの半導体記憶装置であり、出力イネーブル信号OE♯により、行選択および列選択を行なう1つのアクセスサイクルが規定される。1つのアクセスサイクルを完了させるために、この出力イネーブル信号OE♯を一旦Hレベルに立上げる。出力イネーブル信号OE♯がHレベルに立上がると、読出モード検出回路30bからの読出モード指示信号φrzがHレベルとなり、シフタ30dが、シフト動作を行ない、その出力ビットQ1をHレベルに立上げる。すなわち、図5(B)に示すDラッチ30ba−30deは、それぞれ、読出モード検出信号φrzがLレベルのときに、その入力に与えられた信号を取込み、この読出モード指示信号φrzがHレベルとなると、その出力に取込んだ信号を出力し、かつラッチ状態となる。
以降、この最終アドレスFFFFFHに対するデータ読出動作を、4回行なうと、この読出モード検出信号φrzの立上がりに応答して、シフタ30dの出力ビットQ1−Q4がすべてHレベルとなり、応じてセット/リセットフリップフロップ30fがセットされ、コマンドモードエントリ信号CMERYがHレベルとなる。これにより、この半導体記憶装置がコマンドモードに設定される。
最終アドレスFFFFFHは、通常動作モード時には、それほどアクセスされない。また、同一アドレスに対し4回連続してデータ読出を行なうことも通常の動作モード時においては行なわれない。最大、考えられるのは、上位バイトデータおよび下位バイトデータをそれぞれ最終アドレスから読出すモードが考えられるだけである。この場合でも、最終アドレスに対し連続して2回データ読出が行なわれるだけであり、したがって、この4回連続して最終アドレスに対しデータ読出を行なうことは、通常の動作サイクルでは行なわれておらず、確実に、この半導体記憶装置を、通常動作モード時の動作に悪影響を及ぼすことなくコマンドモードに設定することができる。
また、このコマンドモードエントリ時においてデータ書込が指定された場合には、書込モード指示信号φwzがLレベルとなり、シフタ30bがリセットされ、その出力ビットQ1−Q4がすべてLレベルとなる。この場合には、再度コマンドモードエントリ動作を最初から実行する必要がある。
また、このコマンドモードエントリ時において、最終アドレスと異なるアドレスを指定してデータ読出を行なった場合、アドレスデコード回路30aの出力するデコード信号FADはLレベルとなる。この場合、シフタ30dのビットQ1−Q4において、以降、最終アドレスに対し連続して4回読出が行なわれるまで1つのビットがLレベルとなる。したがって、常に、最終アドレスに対し4回連続してデータ読出が行なわれたときのみ、コマンドモードエントリ信号CMERYをHレベルに設定することができる。これにより、通常動作モード時と異なるシーケンスでのアクセスを識別して、コマンドモードを指定する事ができる。
また、SRAMと同様の信号、すなわちチップイネーブル信号CE♯、出力イネーブル信号OE♯および書込イネーブル信号WE♯とアドレス信号とを用いてコマンドモードを設定しており、システムクロック信号などのクロック信号と非同期で、このコマンドモードを設定することができ、SRAMと互換性のあるインターフェイスを利用してコマンドモードを設定することができる。
なお、デコード回路30aに与えられるアドレス信号ビットA0-A19は、ず1に示す行アドレスバッファ3および列アドレスバッファ4からの信号であってもよい。出力イネーブル信号OE♯がLレベルとなると、これらのアドレスバッファ3および4がアドレス取り込みを行なって、内部アドレス信号を生成する。また、このデコ−ド回路30aに対するアドレス信号ビットA0−A19は、単なる入力バッファ回路を介して生成される信号であっても良い。
図7は、この発明の実施の形態1に従う半導体記憶装置のコマンドモードエントリ時の状態遷移を示す図である。以下、図7を参照して、コマンドモードエントリ時の状態遷移について簡単に説明する。
通常のデータの読出/書込が行なわれる通常リード/ライト状態ST0において、アドレスFFFFFH(Hex.)に対しデータ読出を指示する。この最終アドレスに対するデータ読出により、コマンドモードセットアップ状態ST1に状態が遷移する。このコマンドモードセットアップ状態ST1において再び、最終アドレスに対しデータ読出を実行すると、次のコマンドモードセットアップ状態ST2に状態が移行する。再び、最終アドレスに対しデータ読出を指示すると、最終コマンドモードセットアップ状態ST3に移行する。この最終のコマンドモードセットアップ状態ST3において再び最終アドレスに対しデータ読出を行なうと、この半導体記憶装置1がコマンドモードに入り、コマンドを待ち受けるコマンドスタンバイ状態ST4となる。
これらのセットアップ状態ST1−ST3において、最終アドレスに対するデータ読出と異なるアクセスを行なった場合には、このコマンドモードセットアップがリセットされ、通常リード/ライト状態ST0に、その状態が復帰する。
図8は、図4に示すモードデコード回路32の構成を概略的に示す図である。図8において、このモードデコード回路32の前段に、外部データDQ0−DQ7を入出力する入出力バッファ40と、外部の制御信号CE♯、WE♯およびOE♯を入力する入力バッファ41が設けられる。入出力バッファ40は、図1に示す入力バッファ8および出力バッファ9に対応する。入力バッファ41は、外部のチップイネーブル信号CE♯、書込イネーブル信号WE♯および出力イネーブル信号OE♯をそれぞれバッファ処理して内部チップイネーブル信号CE、内部書込イネーブル信号WE、および内部出力イネーブル信号OEを生成する。これらの内部チップイネーブル信号CE、内部書込イネーブル信号WE、および内部出力イネーブル信号OEは、すべて、活性化時Hレベルに設定される。
モードデコード回路32は、内部チップイネーブル信号CEと内部書込イネーブル信号WEを受けるNAND回路42と、内部チップイネーブル信号CEと内部出力イネーブル信号OEを受けるNAND回路43と、NAND回路42および43の出力信号を受けるNAND回路44と、NAND回路44の出力信号とコマンドモードエントリ信号CMERYを受けてパルス信号PLSを生成するAND回路45と、パルス信号PLSに従って与えられたデータを順次転送するシフトレジスタ47と、コマンドモードエントリ信号CMERYに従って入出力バッファ40を内部書込/読出回路とシフトレジスタ47の一方に結合するバス切換回路46と、シフトレジスタ47から出力されるデータをデコードするコマンドデコーダ48と、図5(A)に示すアドレスデコード回路からのデコード信号FADとパルス信号PLSに従ってコマンドデコーダ48の出力信号をラッチして内部動作モード指示信号を生成するコマンドセット回路49を含む。
コマンドモード時においては、下位バイトデータDQ0−DQ7がコマンドとして利用され、上位バイトデータDQ8−DQ15は使用されない。また、このコマンドモード時においては、コマンドが与えられたことを、デコード信号FADにより検出する。したがって、たとえば最終アドレス以外のアドレスを指定して、コマンドモード時にデータの書込が行なわれたときには、コマンドの取込みは行なわれない。
内部書込/読出回路は、プリアンプおよびライトドライバを含み、メモリセルアレイの選択メモリセルと内部データの授受を行なう。コマンドモードが指定されると、内部書込読出回路は、入出力バッファから切離され、メモリセルアレイに対するデータの書込/読出は行なわれない。このコマンドモード時において、行および列選択動作が禁止されても良い。この構成においては、コマンドモードエントリ信号CMERYにより、行および列選択動作を禁止する。ただし、アドレス信号およびデータの取込みを行なう回路は動作可能とされる。これに代えて、データビットDQ0−DQ7およびアドレス信号ビットA0−A19を単なるバッファ回路を介して受けて、これらのコマンドモードエントリおよびコマンドモード設定をする場合には、これらのバッファ回路は、外部制御信号と非同期で動作するため、コマンドモード時においては、行および列選択に関連する通常アクセスを実行する回路をすべて、コマンドモードエントリ信号CMERYに従って動作停止状態(スタンバイ状態)に設定されても良い。
コマンドセット回路49は、コマンドデコーダ48の出力信号に従って、コマンドモードを終了させて通常動作モードに移行するイグジット指示信号EXIT、内部回路への電源の供給を遮断するパワーダウン指示信号PWD、このパワーダウンモードを完了させるウェイクアップ指示信号WKU、データ保持領域を指定するデータ保持ブロック設定信号DHBS、データ保持ブロック領域についての情報を読出すデータ保持領域読出指示信号DHBR、および内部を初期状態にセットするソフトウェアリセット信号SFRSTを生成する。
これらのパワーダウンモード、ソフトウェアリセットモード、およびデータ保持領域指定は、この半導体記憶装置のスタンバイ状態に関連する状態を指定する。データ保持領域を特定することにより、長期にわたってスタンバイ状態に保持される場合、このデータ保持領域のデータが保持される。ただし、パワーダウンモードが設定された場合には、データの保持は行なわれない。
これらのコマンドセット回路49から出力される内部モード指定信号が、図1に示すモード設定信号MDに対応する。
図9は、図8に示すモードデコード回路32の動作を示すタイミング図である。以下、図9に示すタイミング図を参照して、図8に示すモードデコード回路32の動作について簡単に説明する。
図9においては、1つの動作モードを指定するコマンドが、3バイトのデータD0−D2により構成される場合が一例として示される。
コマンドモード時においては、コマンドモードエントリ信号CMERYはHレベルである。コマンドスタンドバイステージST4において、最終アドレスFFFFFHが指定されて、データ書込が行なわれる。書込イネーブル信号WE♯が活性化されると、図8に示すNAND回路42の出力信号はLレベルとなり、応じて、NAND回路42の出力信号がHレベルとなる。コマンドモードエントリ信号CMERYはHレベルであるため、AND回路45からのパルス信号PLSがHレベルとなる。このパルス信号PLSに従ってシフトレジスタ47がシフト動作を行ない、バス切換回路46から与えられるデータビットDQ7−DQ0を取込む。
ここで、バス切換回路46は、このコマンドモードエントリ信号CMERYの活性化時、入出力バッファ40をシフトレジスタ47に接続しており、内部の書込/読出回路は、入出力バッファ40と分離されている。すなわち、このコマンドモードエントリ時においては、メモリセルへのデータの書込/読出が行なわれない。これは、前述のように、単にコマンドモードエントリ信号CMERYに従って、図1に示す内部制御信号発生回路12の動作を停止させることにより容易に実現される。
最終アドレスを指定して、所定回数データの書込が行なわれると、シフトレジスタ47において、データD0、D1およびD2が格納される。コマンドデコーダ48は、シフトレジスタ47の格納データを、常時デコードしており、このデータD0−D2のデータパターンに従って、コマンドデコーダ48は、特定の動作モードを指定するコマンドが与えられたと判定し、その対応の内部モード指定信号をHレベルに駆動する。
コマンドセット回路49は、パルス信号PLSが与えられ、かつ最終アドレスが特定されたことを示すアドレスデコード信号FADがHレベルとなると、コマンドデコーダ48の出力信号に従って対応の内部モード指定信号をHレベルの活性状態へ駆動する。
データ読出が、このコマンドモード設定時に指定された場合においても、パルス信号PLSが活性化される。この場合には、シフトレジスタ47がシフト動作を行ない、バス切換回路46を介して与えられるデータを取込み転送する。したがって、この場合、データ保持領域読出コマンド以外では、コマンドと全く異なるデータがシフトレジスタ47に取込まれたことになり、コマンドデコーダ48の出力信号は、非活性状態を維持する。
データ読出モード時においてもパルス信号PLSを発生するのは、データ保持ブロックリードモードDHBRが指定された場合、読出モードを指定して出力バッファ回路を介して、図示しないレジスタに格納されたデータ保持ブロック特定信号を読出すためである。シフトレジスタ47のシフト動作により、コマンドデコーダ48にデータ保持領域読出コマンドが与えられ、データ保持領域読出指示信号DHBRがHレベルとなり、これに応答して、データ保持領域特定データを格納するレジスタの格納データが読出される。
図10は、図8に示すシフトレジスタ47、コマンドデコーダ48およびコマンドセット回路49の具体的構成の一例を示す図である。図10において、シフトレジスタ47は、それぞれが1バイトのレジスタ段を有するレジスタ回路47a−47cを含む。これらのレジスタ回路47a−47cは、パルス信号PLSに従ってバイト単位でシフト動作を行なう。これにより、図8に示すバス切換回路46からのデータビットDQ7−DQ0が、パルス信号PLSに従ってレジスタ回路47a、47b、および47cへ順次転送される。
コマンドデコーダ48は、各動作モード指定信号に対応して設けられるデコード回路48aを含む。この図10においては、デコード回路48aは、レジスタ回路47a−47cのデータビットを受け、これらはそれぞれ特定の所定の組合せのときに、その出力信号をHレベルに設定する。指定される動作モードにおいては、このコマンドがバイトデータで構成される場合、および2バイトデータで構成される場合があり、それぞれのコマンドの構成に応じて、このデコード回路が設けられる。
コマンドセット回路49は、最終アドレスの指定を示すデコード信号FADとパルス信号PLSとに従って、トリガ信号を生成するトリガ信号発生回路49aと、このトリガ信号発生回路49aの出力信号に従って、対応のコマンドデコード回路48aの出力信号を取込みラッチするラッチ回路49bを含む。トリガ信号発生回路49aは、たとえば、AND回路で構成され、デコード信号FADおよびパルス信号PLSがHレベルのときにHレベルの信号を出力する。
ラッチ回路49bは、トリガ信号発生回路49aの出力信号に従って導通状態となる転送ゲート50aと、転送ゲート50aを介して与えられる対応のコマンドデコード信号を反転するインバータ50bと、インバータ50bの出力信号を反転してモード指定信号MDaを生成するインバータ50bと、インバータ50bの出力信号を反転してインバータ50bの入力に伝達するインバータ50cを含む。
したがって、このラッチ回路49bは、トリガ信号発生回路49aの出力信号がHレベルとなると、スルー状態となり、対応のコマンドデコード回路48aの出力信号を取込みラッチして、モード指定信号MDaを活性状態のHレベルへ駆動する。したがって、このラッチ回路49bを、各モード指定信号EXIT、PWD、WKU、BHBS、DHBR、およびSFRSTそれぞれに対応して設けることにより、各モード指定信号を設定することができる。
トリガ信号発生回路49aを、これらの複数のモード指定信号に対し共通に設けても、同時に2つの動作モードが実行されることはなく、たとえばパワーダウンモードを完了するためには、イグジットコマンドを与えてイグジットモード指定信号EXTを活性化する必要があり、その場合は、パワーダウンモード指定信号PWDが非活性化される。したがって、特に問題は生じない。
各コマンドに対応してフリップフロップが配置され、対応のコマンドが与えられた時このフリップフロップがセットされても良い。例えば、フリップフロップのリセットは、ウェイクアップコマンド、イグジットコマンドまたはリセットコマンドの印加、または、コマンドモードの終了の指定により行なわれればよい。
すなわち、この図10に示すコマンドセット回路49において、ラッチ回路49bに代えて、セット/リセットフリップフロップが用いられてもよい。例えば、イグジットコマンドが与えられたとき、またはソフトウェアリセットコマンドSFRSTが与えられたときに、このコマンドセット回路49がリセットされる。各モードが指定する動作モードに応じて、適当なコマンドの印加時に、フリップフロップがリセットされれば良い。
図11は、コマンドモード設定時の内部状態の遷移を示す図である。図11において、コマンドの設定は、最終アドレスFFFFFHへのデータの書込の指定により行なわれるため、図11においては、コマンドを構成する示すデータのみを示す。コマンドスタン(ド)バイ状態ST4において、最終アドレスを指定してデータB1Hを書込んだ場合、ソフトウェアパワーダウンセットアップ状態ST5に状態が移行する。コマンドモード時であり、メモリセルアレイに対するデータの書込は行なわれない(メモリアレイは、スタンバイ状態に保持される)。
次いで、再び最終アドレスを指定して、所定のデータDOHが書込まれると、ソフトウェアパワーダウン状態ST6に状態が移行する。このソフトウェアパワーダウン状態ST6においては、コマンドセット回路からのパワーダウン指定信号PWDが活性状態となり、内部回路への電源供給が遮断される。パワーダウンが完了すると、この状態において、次のコマンドを待ち受けるコマンドスタンバイ状態ST7に移行する。このコマンドスタンバイ状態ST7は、パワーダウン状態であり、図1に示すモード制御回路22(入力バッファ回路を含む)を除く回路に対する電源供給が遮断される。
このコマンドスタンバイ状態ST7において最終アドレスを指定してデータFAHを書込んだ場合、ウェイクアップ状態ST8に状態が移行する。このウェイクアップ状態ST8においては、パワーダウンが完了し、電源供給が遮断された内部回路に対する電源供給が行なわれる。電源供給が回復した後、このウェイクアップ状態ST8から、次のコマンドを待ち受けるコマンドスタンバイ状態ST4に移行する。ウェイクアップ動作完了後、ウェイクアップ状態ST8から通常のリード/ライト状態ST0へ状態が移行しないのは、内部状態を初期化する必要があり、このためのコマンドを実行する必要があるためである。
コマンドスタンバイ状態ST4において、最終アドレスを指定してデータD2Hを書込んだ場合、ソフトウェアリセットセットアップ状態ST9に状態が移行する。このソフトウェアリセットセットアップ状態ST9において、再び、最終アドレスを指定して、データDOHを書込むと、ソフトウェアリセット状態ST10に状態が移行する。このソフトウェアリセット状態ST10においては、内部周辺回路が初期化される。このソフトウェアリセット状態ST10において内部状態の初期化が完了すると、再び、コマンドスタンバイ状態ST4へ状態が移行する。このソフトウェアリセット状態において、電源投入時と同様に、電源投入検出信号に従って内部ノードが所定の電位レベルに初期化される。しかしながら、この初期化時において、通常のDRAMにおいて行なわれているように、所定回数ダミーサイクルが実行されて内部回路を動作させて、内部状態を確実にスタンバイ状態に設定する事が行なわれても良い。
このコマンドスタンバイ状態ST4において、最終アドレスを指定してデータFFHを書込むと、イグジット状態ST11に状態が移行する。このイグジット状態ST11においては、先の図5(A)に示すリセット信号RSTがリセットされ、コマンドモードエントリ信号CMERYが非活性状態となり、コマンドモードCMが完了し、通常リード/ライト状態ST0へ状態が移行する。これにより、以降、通常のデータの書込/読出が可能となる。このとき、また再び、コマンドモードをセットアップすることもできる。
一方、コマンドスタンバイ状態ST7において、最終アドレスを指定して、データFFHを書込んだ場合、再びイグジット状態ST11に移行し、パワーダウン状態を完了させて、通常のリード/ライト状態ST0へ状態が移行する。この場合、内部の初期化が行なわれていないため、新たにソフトウェアリセットを実行することが必要である。
一方、コマンドスタンバイ状態ST4において、最終アドレスを指定してデータD3Hを書込むと、DHB選択セットアップ状態ST12へ状態が移行する。このDHB選択セットアップ状態ST12において、再び最終アドレスを指定して、データ保持ブロック領域を指定するデータDHBを指定することにより、DHB選択セットアップ状態ST13に状態が移行する。
この状態ST13において、再度、最終アドレスを指定してデータDOHを書込むと、データ保持ブロックの領域がデータDHBに従って設定され、DHBライト状態ST14へ状態が移行する。この状態ST14において、データ保持領域を特定するデータの書込が行なわれ、データ保持領域が指定される。
この状態ST14によるデータ保持ブロックの設定が完了すると、再び、コマンドスタンバイ状態ST4へ状態が移行する。
一方、コマンドスタンバイ状態ST4において、最終アドレスを指定して、データ7DHを書込むと、DHBリードセットアップ状態ST15へ状態が移行する。このDHBリードセットアップ状態ST15により、データ保持ブロックの内容を読出す状態の設定が行なわれる。この状態ST15において、データ読出を実行すると、DHBリード状態ST16に移行し、各データ保持ブロック情報が呼出される。このDHBリード状態ST16が完了すると、再び、コマンドスタンバイ状態ST4へ状態が移行する。このDHBリードを行なうことにより、データ保持が指定されているメモリブロックを確認することができる。
これらのセットアップ状態において、各内部状態設定に要求される最終アドレスへのデータDOHの書込または最終アドレスのデータ読出を指定するアクセスと異なるアクセスを行なった場合、再びコマンドスタンバイ状態ST4へ状態が移行する。
コマンドスタンバイ状態ST4において、外部から最終アドレスを指定してデータ端子を介してコマンドの書込を行なうことにより、容易にセットアップ状態から内部コマンド実行状態へ移行することができる。これにより、この半導体記憶装置の各種動作モード、特に初期化に関連する動作モードを通常のSRAMに対するピンの互換性を保持しつつ設定することができる。特に、このコマンドの設定に、下位バイトデータDQ0−DQ7を利用しており、下位バイトデータDQ0−DQ7に代えて上位バイトデータDQ8−DQ15を使用することができ、内部構成に応じて、上位バイトデータによるコマンドの設定および下位バイトデータによるコマンドの設定いずれをも容易に実現することができる。
図12は、この図11に示す状態遷移図におけるパワーダウンを完了させるウェイクアップシーケンスを示すフロー図である。以下、このウェイクアップシーケンスについて簡単に説明する。
今、図11に示すようにコマンドスタンバイ状態ST7においては、半導体記憶装置1は、ソフトウェアパワーダウン状態にある(ステップSTP0)。この状態において、図11に示す状態ST5およびST6を遷移して、ウェイクアップコマンドを実行する(ステップSTP1)。このウェイクアップコマンドの実行により、内部でのパワーダウン状態の回路がパワーアップされる(電源電圧が供給される)。単に電源供給が行なわれただけであり、内部状態は不定である。したがって、内部初期化のために、図11に示す状態ST9およびST10を遷移して、ソフトウェアリセットコマンドを実行する(ステップSTP2)。このソフトウェアリセットコマンドの実行により、内部状態が所定の状態に初期化される。
内部状態の初期化の後、図11に示す状態ST11へ移行し、イグジットコマンドを実行する(ステップSTP3)。このイグジットコマンドの実行により、コマンドモードが完了し、図7に示す通常書込/読出状態ST0に復帰する。したがって、次の動作を行なうステップSTP4においては、通常のリード/ライトのデータアクセスが行なわれてもよく、また、再びコマンドモードを設定するために最終アドレスへの連続リード動作が行なわれてもよい。
一方、ソフトウェアパワーダウン状態ST7において、イグジットコマンドを実行した場合(ステップSTP5)、この場合でも、コマンドモードが完了し、パワーダウン状態の内部回路に対し、電源電圧が供給される。イグジットコマンドを実行した場合、単に、コマンドモードが完了し、パワーダウン状態が解除されて、図7に示す通常書込/読出状態ST0に移行するだけであり、この半導体記憶装置の内部状態は不定である。したがって、再び最終アドレスに対する連続リード動作を所定回数(4回)実行し、コマンドモードを設定する(ステップSTP6)。コマンドモードに入った後、再び、ステップSTP2へ入り、ソフトウェアリセットコマンドを実行し、以降のステップSTP3およびSTP4を実行する。
したがって、このパワーダウン状態からパワーアップ状態への移行時においても、単にコマンドの実行だけであり、外部から特定のピン端子を介して内部状態をハードウェア的に設定することは要求されず、また、特別な信号のタイミング関係は必要とされず、通常の動作時に用いられる端子群を利用して、通常動作時と同じ信号の論理レベルの状態設定で、この初期化のための動作を行なうことができる。
図13は、電源投入時の動作シーケンスを示すフロー図である。電源投入が行なわれると(ステップSTP10)、電源電圧VCCが所定値以上に到達したか否かが判断される(ステップSTP11)。この電源電圧VCCが所定値に到達したか否かは、たとえば、内部の電源投入検出回路(POR検出回路)の出力する電源投入検出信号PORにより検出される。
ステップSTP11において、電源電圧VCCが所定値以上に到達したと判断されると、次いで、内部状態が安定化するまで、たとえば500μsの所定時間経過するまで待機する(ステップSTP12)。この所定時間が経過すると、コマンドモードエントリ動作を実行し、コマンドモードに入る(ステップSTP13)。このコマンドモードエントリにより、図11に示すコマンドスタンバイ状態ST4に、図4に示すモードデコード回路32が入る。コマンドモードに入ると、ソフトウェアリセットコマンドが実行される(ステップSTP14)。このソフトウェアリセットコマンドの実行により、内部状態が初期化される。このソフトウェアリセットコマンドの実行により、電源投入検出信号PORを受けない周辺回路においても、その内部状態を確実に初期化する。
次いで、イグジットコマンドを実行し(ステップSTP15)、コマンドモードから通常モードに移行し、次の動作を実行する(ステップSTP16)。このステップSTP16により、電源投入後のノーマルモードの設定が完了する。
したがって、電源投入後の内部状態の初期化においても、通常の信号を用いて内部を確実に初期状態に設定することができる。これは、電源遮断後の電源復帰時においても同様である。
図14は、図1に示す状態制御回路22のパワーダウンに関連する部分の構成を概略的に示す図である。図14において、状態制御回路22は、モード制御回路からのウェイクアップ指示信号WKUとモード制御回路20からのイグジット指示信号EXITを受けるOR回路60aと、モード制御回路20からのパワーダウン指示信号PWDの活性化時セットされかつOR回路60aの出力信号がHレベルのときにリセットされるセット/リセットフリップフロップ60bと、このセット/リセットフリップフロップ60bの出力Qからの信号に従って電源ノードを、メモリ回路50の電源線52に結合する電源トランジスタ60cを含む。この電源トランジスタ60cは、たとえばPチャネルMOSトランジスタで構成され、セット/リセットフリップフロップ60bがセット状態となると非導通状態となり、メモリ回路電源線52を電源ノードから分離する。このメモリ回路電源線は、メモリ回路50内の周辺回路とメモリセルアレイとに対して別々に設けられる電源線、すなわち、周辺電源線とアレイ電源線とを含む。
モード制御回路20に対しては、常時、電源電圧VCCが供給される。また、図示しない入出力回路(コマンドモード指定のために使用される入出力回路)に対しても、パワーダウンモード時においても電源電圧VCCが供給される。
この図14に示す状態制御回路22の構成において、パワーダウンモードに入ると、パワーダウン指示信号PWDがHレベルとなり、セット/リセットフリップフロップ60bがセットされて、その出力Qからの信号がHレベルとなる。応じて、電源トランジスタ60cが非導通状態となり、メモリ回路50に対する電源線52への電源電圧VCCの供給が遮断される。メモリ回路50は、図1に示すメモリセルアレイ2およびその周辺回路を含む。
モード制御回路20に対しデータの書込/読出を示す信号が与えられたときに、入力バッファの動作が内部制御信号発生回路12により制御される場合には、この内部制御信号発生回路12の、入出力バッファ回路制御部に対しても電源電圧が供給される。メモリセルアレイの行および列選択に関連する部分は、メモリ回路50に含まれ、電源電圧の供給が遮断される。
ウェイクアップコマンドが与えられると、ウェイクアップ指示信号WKUがHレベルとなり、OR回路60aの出力信号がHレベルとなり、セット/リセットフリップフロップ60bがリセットされ、その出力Qからの信号がLレベルとなり、電源トランジスタ60cが導通し、メモリ回路50に対し、電源電圧Vccが供給される。
イクジットコマンドが与えられると、イクジット指示信号EXITがHレベルとなり、OR回路60aの出力信号がHレベルとなり、同様、セット/リセットフリップフロップ60bがリセットされる。応じて、電源トランジスタ60cの導通により、メモリ電源線52が電源端子に結合されて電源電圧VCCを受ける。このメモリ電源線52の電圧の安定化および内部回路の状態の安定化までに、所定の時間が必要とされる。
図15は、図1に示す状態制御回路22のソフトウェアリセットに関連する部分の構成を概略的に示す図である。図15において、状態制御回路22は、電源電圧VCCが所定の電圧レベルに到達したか否かを検出する電源投入検出回路62aと、電源投入検出回路62aからの電源投入検出信号PORとソフトウェアリセット信号SFRSTとを受けてリセット信号RSTTを生成するゲート回路62bを含む。このゲート回路62bは、電源投入検出信号PORがLレベルであるかまたはソフトウェアリセット信号SFRSTがHレベルとなると、リセット信号RSTTをHレベルに駆動する。
メモリ回路50において、所定の内部ノード53に対しリセットトランジスタ54が設けられており、このリセット信号RSTTに従って所定の内部ノード53が接地電圧レベルに設定される。したがって、初期設定時において、この内部ノード53が電源電圧VCCレベルにリセットされる場合には、リセット用トランジスタとしてPチャネルMOSトランジスタが用いられて、導通時その所定の内部ノード53が、電源ノードに結合される。
なお、このソフトウェアリセット信号SFRSTに従って、内部でアレイ活性化信号が所定回数発生されて、行選択動作を実行するダミーサイクルが所定回数実行されて、内部状態が初期化されても良い。
図16は、図15に示す状態制御回路22の動作を示す信号波形図である。以下、図16に示す信号波形図を参照して、図15に示す状態制御回路22の動作について簡単に説明する。電源投入後または電源遮断後の復帰時において、電源電圧VCCが供給されて、その電圧レベルが上昇する。電源電圧VCCが所定の電圧レベルに到達すると、電源投入検出回路62aからの電源投入検出信号PORが所定期間Lレベルとなり、応じてゲート回路62bからのリセット信号RSTTがHレベルとなる。これにより、電源投入時または電源遮断後の復帰時において内部ノード53が所定の電圧レベルにリセットされる。
内部ノードの電圧レベルが安定化すると、次いでソフトウェアリセット信号SFRSTをソフトウェアリセットコマンドに従って活性状態に駆動する。この場合にも、ゲート回路62bにより、リセット信号RSTTがHレベルとなり、メモリ回路50において所定の内部ノード53が、接地電圧レベルに初期設定される。
このソフトウェアリセットコマンド(リセット指示信号)SFRSTを利用することにより、パワーダウンモード時において、内部での電源供給が遮断されており、外部からは電源電圧が供給されている場合においても、電源投入検出信号PORに代えて、内部ノードをリセットすることができる。また、内部ノードの電圧レベルが安定化した後に、ソフトウェアリセットを行なうことにより、確実に、内部ノードを所定電圧レベルに初期化することができる。これにより、スタンバイ状態時において内部ノードの初期化およびスタンバイ状態完了後の初期化を確実に行なうことができる。
長期にわたってこの半導体記憶装置がスタンバイ状態に保持される場合、この半導体記憶装置は、データ保持モードに設定され、内部で所定間隔でセルフリフレッシュモードに従って記憶データのリフレッシュを実行する。このリフレッシュ時において、データ保持領域を特定することにより、必要な領域に対してのみリフレッシュを行ない、リフレッシュ回数を低減し、このデータ保持モード時における消費電流を低減する。
図17は、メモリセルアレイとデータ保持ブロック特定データとの対応関係を概略的に示す図である。図17において、メモリセルアレイ2は、8個のメモリアレイブロックMAB0−MAB7に分割される。これらのメモリブロックMAB0−MAB7が、それぞれ、データ保持ブロック特定ビットDHB0−DHB7により指定される。このデータ保持ブロック特定ビットDHB0−DHB7が、データ保持用レジスタ70に、DHB選択モード印加時、外部データDQ0−DQ7に従って設定される。
DHBリード時においては、このデータ保持用レジスタ70に格納されたデジタル保持ブロック特定ビットDHB0−DHB7が外部に読出される。すなわち、DHB選択コマンドが与えられ、図8に示すコマンドセット回路49からのDHB選択信号DHBSがHレベルとなると、シフトレジスタ47に格納されたデータ保持ブロック特定ビットDQ0−DQ7が、データ保持用レジスタ70に格納される。DHBリードコマンドが与えられ、図8に示すコマンドセット回路49からのDHBリード信号DHBRがHレベルの活性状態となると、データ保持用レジスタ70に格納されたデータが読出されて、図1に示すデータバス切換回路を介して出力バッファへ与えられて外部へ読出される。
このデータ保持用レジスタ70は、各データ保持特定ビットそれぞれに対して設けられるラッチ回路で構成されてもよく、また、各データ保持ブロック特定ビットに対応して配置されるセット/リセットフリップフロップで構成されてもよい。
データ保持用レジスタ70の格納データが、図1に示す内部制御信号発生回路12に含まれるリフレッシュ制御回路へ与えられ、そのリフレッシュ領域が設定される。
リフレッシュを行なってデータを保持する領域を特定する場合、データ保持領域の設定の態様(仕様)により、このリフレッシュアドレス領域の特定の方法が異なる。以下では、メモリブロックMAB0−MAB7個々に、データ保持を行なうか否かの設定をできる手法の一例について説明する。
図18は、図1に示す内部制御信号発生回路12に含まれるリフレッシュ制御部の構成を概略的に示す図である。図18において、リフレッシュ制御部は、所定の間隔で、リフレッシュ活性化信号RRASを生成するリフレッシュ制御回路72と、このリフレッシュ制御回路72の制御の下に、そのカウント値が順次更新されるリフレッシュアドレスカウンタ74と、データ保持領域データ(データ保持ブロック特定ビット)DHB0−DHB7とリフレッシュアドレスカウンタ74からのカウントアップ信号CUPとに従って、リフレッシュブロックを特定するリフレッシュブロックアドレスを発生するリフレッシュブロックアドレス発生回路76と、リフレッシュアドレスカウンタ74の出力ビットとリフレッシュブロックアドレス発生回路76の出力ビットとに従って、リフレッシュアドレスREFADを生成するリフレッシュアドレス発生回路78を含む。
リフレッシュ制御回路72からのリフレッシュ活性化信号RRASは、行デコーダ、センスアンプ、行アドレスバッファなどの行選択動作に関連する行系回路へ与えられる。リフレッシュアドレスカウンタ74は、メモリブロック内のワード線を特定するブロック内アドレス、すなわちリフレッシュワード線アドレスを生成する。
フレッシュカウンタ74は、リフレッシュ動作完了毎にそのカウント値が更新される。一つのメモリブロック内におけるメモリセルの記憶データのリフレッシュが完了すると、リフレッシュアドレスカウンタ74は、カウントアップ信号CUPを生成する。
リフレッシュブロックアドレス発生回路76は、データ保持領域データ(データ保持ブロック特定ビット)DHB0−DHB7に従って、先頭リフレッシュブロックアドレスを指定し、このカウントアップ信号CUPに従ってシフト動作を行なって順次データ保持ブロックを特定するリフレッシュブロックアドレスを生成する。このシフト動作時において、リフレッシュブロック特定ビットDHB0−DHB7に従って、データ保持領域と異なるメモリブロックに対してはそのシフト動作がバイパスされる。
したがって、データ保持ブロック特定ビットDHB0−DHB7が、たとえば“1”であり、対応のメモリブロックがデータ保持ブロックに指定されているときに、このリフレッシュブロックアドレス発生回路76が、データ保持領域のメモリブロックを特定するブロックアドレスを順次生成する。
リフレッシュアドレス発生回路78は、タイミング調整のために、このリフレッシュアドレスカウンタ74からのリフレッシュワード線アドレスと、リフレッシュブロックアドレス発生回路76からのリフレッシュブロックアドレスとを受けて、リフレッシュアドレスREFADを生成する。このリフレッシュアドレスREFADは、行アドレスバッファを介して行デコーダへ与えられる。
図19は、図18に示すリフレッシュブロックアドレス発生回路76の構成の一例を示す図である。図19において、リフレッシュブロックアドレス発生回路76は、データ保持ブロック特定ビットDBH0−DBH1のうち、最も上位の“1”のビット位置を検出する最上位位置検出回路80と、メモリブロックそれぞれに対応するレジスタ段を有し、最上位位置検出回路80により、初期設定されかつカウントアップ信号とデータ保持領域ビットDBH0−DBH1に従ってシフト動作を行なうバイパス機能付シフトレジスタ82と、このバイパス機能付シフトレジスタ82の出力信号に従ってブロックアドレスを順次選択してリフレッシュブロックアドレスRFBADを生成するブロックアドレスレジスタ回路84を含む。このバイパス機能つきシフトレジスタは、リング上にシフト動作を行なうように、最終段の出力が初段のレジスタ段の入力にフィードバックされる。
最上位位置検出回路80は、通常の検出回路で構成され、ビットDBH0−DBH7のうち、最も上位の“1”の位置を検出する。これらのビットDBH0−DBH7が“1”のとき、対応のメモリブロックが、データ保持領域として指定される。
バイパス機能付シフトレジスタ82は、メモリブロックそれぞれに対応して配置されるレジスタ段を有し、このデータ保持ブロックのうちの最上位位置のメモリブロックに対応するレジスタ段が、“1”に初期設定される。このバイパス機能付シフトレジスタは、対応のビットDBH0−DBH7に従って選択的にシフト動作を実行する。すなわち、対応のメモリブロックがデータ保持領域に指定されていない場合には、その対応のレジスタ段をスキップして、データ保持領域に特定されたメモリブロックに対応するレジスタ段間でのシフト動作を実行する。
ブロックアドレスレジスタ回路84は、メモリブロックそれぞれに対応するブロックアドレス(3ビット)を格納し、バイパス機能付シフトレジスタ82からの出力信号がHレベルとなると、対応のブロックアドレスを出力する。
図20は、バイパス機能付シフトレジスタ82の1段のレジスタ段の構成を概略的に示す図である。
なお、このバイパス機能付シフトレジスタ82は、その最終段のレジスタ段の出力は、その初段のレジスタ段へフィードバックされる。
図20は、バイパス機能付シフトレジスタ82の1段のレジスタ段の構成を概略的に示す図である。図20において、レジスタ段は、データ保持ブロック特定ビットDBHiとカウントアップ信号CUPとを受けるAND回路82aと、AND回路82aの出力信号をクロック信号として転送動作を行ない、前段のレジスタ段から与えられたデータを取込み次段へ転送するラッチ回路82bと、データ保持ブロック特定ビットDBHiに従ってラッチ回路82bの入力と出力とを短絡するトランスファーゲート82cを含む。ここで、iは0から7の自然数であり、メモリブロックMBiを示す。
ラッチ回路82bは、最上位位置検出回路80からの対応の最上位位置検出信号MHPiに従ってその内部がセットされ、対応の選択信号SELiが、セット時Hレベルに設定される。データ保持領域ビットDBHiがHレベル(“1”)のときには、転送ゲート82cはひ導通状態にあり、また、AND回路82aがカウントアップ信号CUPに従って出力信号を生成してラッチ回路へ与える。したがって、この場合にはラッチ回路82bが、信号の転送動作を行なう。一方、データ保持ブロック特定ビットDBHiが“0”(Lレベル)のときには、転送ゲート82cが導通状態となり、一方、AND回路82aの出力信号はLレベルであり、ラッチ回路82bは、この転送ゲート82cによりバイパスされて、シフト動作は行なわない。この場合、対応の最上位ビット位置検出信号MHPiはLレベルであり、選択信号SELiも常時Lレベルを維持する。これにより、データ保持ブロック特定ビットDBH0−DBH7が特定するデータ保持領域に対してのみ、ブロックアドレスを活性化することができる。
なお、この最上位位置検出回路80の出力信号に従ってバイパス機能付シフトレジスタ82を初期設定する場合、この初期設定は、ソフトウェアリセット動作時または、DBHライト動作時に実行される。これは、ソフトウェアリセット時またはDBHライト時に、ワンショットのパルスを発生し、最上位位置検出回路80の出力信号MHPiに従って、バイパス機能付シフトレジスタ82を初期設定する。
図21は、図19に示すブロックアドレスレジスタ回路84の構成の一例を示す図である。図21において、ブロックアドレスレジスタ回路76は、メモリブロックMB0−MB7それぞれのブロックアドレスを格納するレジスタ回路RG0−RG7と、バイパス機能付シフトレジスタからの選択信号SEL1−SEL7に従ってレジスタ回路RG0−RG7の出力信号を選択して、リフレッシュブロックアドレスRFBADを生成する選択ゲートTX1−TX7を含む。これらの選択ゲートTX1−TX7は、それぞれレジスタ回路RG0−RG7に対応して設けられる。選択信号SEL1−SEL7の1つが、活性状態に維持され、レジスタ回路RG0−RG7に格納されたブロックアドレスのうちの一つが、リフレッシュブロックアドレスとして選択される。
なお、上述の構成においては、ブロックアドレスレジスタ回路84によりリフレッシュブロックアドレスを生成し、行アドレスバッファを介して行デコーダへこのリフレッシュブロックアドレスを与えて、そこでデコード動作を行なっている。しかしながら、この選択信号SEL1−SEL7がそれぞれ、メモリ行ブロック選択信号として利用されてもよい。すなわち、行デコーダからの出力信号のうちのメモリブロックを特定する行ブロック選択信号に代えて、この選択信号SEL1−SEL7が、リフレッシュ用の行ブロック選択信号として利用され、選択メモリ行ブロックにおいてリフレッシュ行を選択するデコード動作が行なわれるように構成されてもよい。
[実施の形態2]
図22は、この発明の実施の形態2の要部の構成を概略的に示す図である。この図22においては、図5(A)に示すコマンドモード検出回路30の要部の構成を示す。
図22に示すコマンドモード検出回路30においては、図5(A)に示すシフトレジスタ30bに代えて、2ビットカウンタ30iが設けられる。このカウンタ30iが、デコード信号FADと読出モード指示信号φrzを受けるゲート回路30gの出力信号をカウントする。デコード信号FADおよび読出指示信号φrzを受けるゲート回路30mと、このゲート回路30mの出力信号と書込モード指示信号φwzを受けるゲート回路30nが、カウンタ30iをリセットするために設けられる。
ゲート回路30gは、デコード信号FADがHレベルでありかつ読出指示信号φrzがLレベルのときにHレベルの信号を出力する。すなわち、ゲート回路30gは、最終アドレスに対するリードアクセスが行なわれる事を検出する。
ゲート回路30mは、デコード信号FADがLレベルでありかつ読出指示信号がLレベルのときにHレベルの信号を出力する。すなわち、ゲート回路30mは、最終アドレス以外のアドレスへのリードアクセスが行なわれたときにHレベルの信号を出力する。
ゲート回路30nは、ゲート回路30mの出力信号がHレベルとなるかまたは書込指示信号φwzがLレベルとなると、Hレベルの信号を出力してカウンタ30iをリセットする。従って、カウンタ30iは、最終アドレス以外のアドレスに対する読出が行なわれるかまたはデータの書込が行なわれると、そのカウント値がリセットされる。
このカウンタ30iの桁上りビットCARが、図5(A)に示すレジスタ回路35(フリップフロップ)に格納される。
この図22に示す構成においては、ゲート回路30gは、デコード信号FADと読出モード指示信号φrzとに従って刺繍アドレスに対するリードアクセスを検出し、この最終アドレスに対するリードアクセスが行なわれるとき、Hレベルの信号を出力する。カウンタ30iは、このゲート回路30gの出力信号の立上がりをカウントする。したがって、最終アドレスへ連続してリードアクセスが行なわれた回数を、カウンタ30iがカウントする。
一方、データ読出時において、デコード信号FADがLレベルのときには、ゲート回路30nの出力信号がHレベルとなり、カウンタ30iがリセットされる。また、データ書込が行われた場合、書込モード指示信号φwzがLレベルとなり、同様ゲート回路30nにより、カウンタ30iがリセットされる。
したがって、この最終アドレスへ連続して所定回数読出アクセスが行なわれたときにカウンタ30iが、その桁上げビット(キャリービット)CARをHレベルとし、レジスタ(フリップフロップ)30fがセットされて、コマンドモードが設定される。
この図22に示す構成の場合、カウンタ30iは、2段のDラッチで構成することができ、データレジスタを用いるデータレジスタを用いる構成に比べて回路占有面積を低減することができる。
[他の実施の形態]
上述の説明においては、コマンドモードに入るために、最終アドレスを連続4回リードしている。この場合、外部に、最終アドレスのデータが読出される。データの単なる読出が行なわれるだけであり、データの破壊は生じない。しかしながら、この最終アドレスの記憶データが破壊されてもよい場合には、このコマンドモードエントリ時の動作として、リードモードとライトモードとが、適当に組合せて所定回数行なわれるように構成されてもよい。コマンドモードエントリのために、通常動作モード時に行なわれる動作シーケンスと異なる動作シーケンスが実行されればよい。
また、特定アドレスとしては、最終アドレスに限定されず、任意のアドレスたとえば先頭アドレスまたは中間アドレスなどのアドレスであってもよい。最終アドレスは、通常動作モード時において使用される頻度が小さく、このような使用頻度の低いアドレスを所定回数連続アクセスする事により、容易にかつ確実にコマンドモードエントリモードと通常動作モードとを区別する事ができる。
また、この半導体記憶装置は、1ビットのデータを2つのDRAMセルで記憶する半導体記憶装置であってもよい。すなわち対をなすビット線に、常に相補なメモリセルデータを読出して、ビット線間読出電圧を、1ビットメモリセルを1ビットデータ記憶に用いる場合の2倍の大きさに設定する。この場合、リフレッシュ間隔をより長くすることができる。
また、コマンドモードエントリとしては、最終アドレスを指定して、リードまたはライトのアクセスを行なうシーケンスに代えて、通常の動作モード時に使用されない任意の動作シーケンスが利用されてもよい。すなわち、特定のアドレス信号と特定のデータビットとをある組合せの状態に設定して、連続して、リードまたはライトが行なわれるシーケンスがコマンドモードエントリモードとして利用されてもよい。