JP2011085844A - 光ファイバテープ心線の製造方法および光ファイバテープ心線 - Google Patents

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Abstract

【課題】外側被覆層除去時における単心化が防止された新規な光ファイバテープ心線とその製造方法を提供すること。
【解決手段】複数本の光ファイバ心線を並列させて一括被覆樹脂で被覆してサブユニットを形成し、前記サブユニットを複数個並列させて連結被覆樹脂で被覆して光ファイバテープ心線を製造する方法において、前記連結被覆樹脂を含有する組成物を塗布する工程の前に、反応性物質を前記サブユニットの外部から接触させて、前記一括被覆樹脂からなる層の表面に含まれている二重結合を有した炭素原子と前記反応性物質とを結合させる工程を含むことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、分割型の光ファイバテープ心線に関するものである。
従来から、敷設または配線時に先端部を長手方向に容易に分割してサブユニット毎、あるいは単心毎に分離可能な分割型の光ファイバテープ心線が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1の分割型の光ファイバテープ心線は、「複数本の光ファイバを並列して被覆層で一括被覆したサブユニットであるテープ心線を水平に並べて被覆層で一括被覆してなる光ファイバテープ心線、または、前記光ファイバテープ心線をサブユニットとして複数本水平に並べて被覆層で一括被覆して順次形成される光ファイバテープ心線であって、前記被覆層はJIS K 7113による引張強度σが、0.5kgf/mm≦σ≦8.0kgf/mmであり、かつ前記引張強度σが内層側から外層側に向かって徐々に小さくなるように設定されていること(請求項1)」、更に、「内層側から外層側に向かって隣接する前記被覆層間の引張強度の差が0.2kgf/mm以上に設定されていること(請求項2)」を特徴とするものである。特許文献1では、かかる構成によって、被覆層を外側から順に段階的に剥がすことができるとしている。
特開2007−148270号公報
本発明の目的は、外側被覆層除去時における単心化が防止された新規な光ファイバテープ心線とその製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、光ファイバテープ心線における外側被覆層(サブユニットを被覆する連結被覆樹脂)と内側被覆層(サブユニットを形成する一括被覆樹脂)との層間密着性が強固である程、外側被覆層除去時における単心化が生じ易いことを知見した。
本発明者は、上記知見に基づき鋭意検討した結果、光ファイバテープ心線の製造工程において、外側被覆樹脂の塗布工程の前に、内側被覆層に含まれる樹脂成分の未反応の二重結合を不活化する処理工程を行なうことで、得られる光ファイバテープ心線における外側被覆層と内側被覆層との層間密着性を低下させ、上記特許文献1の分割型光ファイバテープ心線と同等の優れた単心化防止効果が得られることを見出すに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
(1) 複数本の光ファイバ心線を並列させて一括被覆樹脂で被覆してサブユニットを形成し、前記サブユニットを複数個並列させて連結被覆樹脂で被覆して光ファイバテープ心線を製造する方法において、前記連結被覆樹脂を含有する組成物を塗布する工程の前に、反応性物質を前記サブユニットの外部から接触させて、前記一括被覆樹脂からなる層の表面に含まれている二重結合を有した炭素原子と前記反応性物質とを結合させる工程を含むことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
(2) 上記(1)の製造方法により製造された光ファイバテープ心線であって、前記一括被覆樹脂よりも前記連結被覆樹脂の破断強度が大きいことを特徴とする光ファイバテープ心線。
本発明によれば、光ファイバテープ心線の製造工程において、外側被覆層をなす連結被覆樹脂の塗布工程の前に、内側被覆層である一括被覆樹脂からなる層の表面に含まれる未反応の二重結合を反応性物質と結合させて不活化する処理工程を行なうため、外側被覆層と内側被覆層との層間密着性が小さく、外側被覆層除去時における単心化が防止された光ファイバテープ心線を形成することが可能となる。また、本発明においては、外側被覆層をなす連結被覆樹脂の破断強度を、内側被覆層をなす一括被覆樹脂の引張強度よりも大きくすることで、より高い単心化防止効果が得られる。
本発明の実施形態にかかる分割型の光ファイバテープ心線の概略断面図である。 不活性化処理工程の第一形態について説明する概略図である。 不活性化処理工程の第二形態について説明する概略図である。 分岐工具によるサブユニットへの分離方法について説明する概略図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態にかかる分割型の光ファイバテープ心線の概略断面図である。
図1に示す光ファイバテープ心線20は、並列に配置した2個のサブユニット10を連結被覆樹脂層20aによって被覆してなる。このサブユニット10は、並列に配置した2心の光ファイバ心線1を一括被覆樹脂層10aで被覆することにより構成されている。光ファイバ心線1は、例えば、外径125μmの石英ガラスの外周面を紫外線硬化型樹脂等で外径250μmに被覆形成してなる構成である。
光ファイバテープ心線20における連結被覆樹脂層20aおよび一括被覆樹脂層10aは、紫外線硬化型樹脂組成物を硬化することで形成される。この紫外線硬化型樹脂組成物は、反応性の二重結合を有する樹脂成分と光重合開始剤とを、少なくとも含有してなる。
未硬化の紫外線硬化型樹脂組成物に紫外線が照射されると、前記紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤が紫外線のエネルギーを受けて遊離基(ラジカル)を生成し、この遊離基が樹脂成分に含まれる二重結合に作用して、それらの二重結合が開裂して遊離基を生成する。そして、この二重結合部分であった遊離基が他の樹脂成分の二重結合に作用してラジカル重合が起こることで樹脂成分が硬化し、被覆樹脂層が形成される。
しかしながら、紫外線硬化型樹脂組成物を完全に硬化する(即ち、樹脂成分が有する二重結合を全て反応させる)ことは困難であり、上記により形成された被覆樹脂層には未反応の二重結合が含まれる。本発明者は、一括被覆樹脂層10aに密着して形成される連結被覆樹脂層20aを構成する紫外線硬化型樹脂組成物の硬化工程の際に、一括被覆樹脂層10aの前記二重結合残基と連結被覆樹脂層20aの紫外線照射で遊離基を生成する反応性基とが結合し、層間密着性を強固にしてしまうことを知見した。
そこで、本発明では、連結被覆樹脂層20aをなす紫外線硬化型樹脂組成物を塗布する前に、反応性物質を一括被覆樹脂層10aの表面に含まれる二重結合残基の炭素原子に結合させ、該二重結合残基を不活性化する工程(以下、不活性化処理工程ともいう)を行なう。これにより、一括被覆樹脂層10aに含まれる二重結合残基の量を減らし、連結被覆樹脂層20aを構成する紫外線硬化型樹脂組成物に含まれる反応基との結合を減少させることができる。この結果、一括被覆樹脂層10aと連結被覆樹脂層20aとの層間密着性が低下するため、連結被覆樹脂層20aの被覆除去時において一括被覆樹脂層10aが破壊除去されず、光ファイバ心線1への単心化を防止することが可能となる。
一括被覆樹脂層10aの二重結合残基を不活性化する方法は、次に述べる第一形態と第二形態とが挙げられる。
第一形態は、二重結合残基を開裂する作用を有する反応性物質を一括被覆樹脂層10aの外部から接触させることによって、一括被覆樹脂層10aの二重結合残基を開裂させ、且つ、前記開裂して生成された二重結合の遊離基(炭素ラジカル)と、前記反応性物質とを結合させる形態である。
第二形態は、一括被覆樹脂層10aに紫外線等のエネルギーを与えて二重結合残基の遊離基を生成させ、そこに該一括被覆樹脂層10aの外部から反応性物質を接触させることにより、前記遊離基と前記反応性物質とを結合させる形態である。
第一形態では、二重結合残基を開裂する作用を有する反応性物質の例に遊離基を挙げることができる。遊離基が一括被覆樹脂層10aの二重結合残基に作用してラジカル反応を起こし、二重結合を有していた炭素原子と結合する。
遊離基を生成させる方法には、ハロゲン化合物や水素などの気体を出発物質とし、前記出発物質にエネルギーを与える方法が挙げられる。ハロゲン化合物には、クロロホルム、フッ化水素ガス、塩素ガス、臭素ガスが例示できる。前記出発物質にエネルギーを与える手段には、光や電子線などの放射線を照射すること、200℃以下の気体プラズマ中に前記第一物質を晒すこと、前記出発物質を加熱すること、前記出発物質をグロー放電などの放電下に晒すことが例示できる。
以下、図2を参照して不活性化処理工程の第一形態についてその一例を説明する。
図2は、クロロホルムに紫外線を照射することにより発生する塩素の遊離基及びジクロロメチルの遊離基を反応性物質とし、該反応性物質と一括被覆樹脂層10aの表面に残存する二重結合残基とを結合させる工程を示す概略図である。
まず、並列配置された複数の供給ボビン2から各光ファイバ心線1が並列状態を保持したまま繰り出され、ガイドローラ3a、3bを経由して一括被覆樹脂層10aを形成するための塗布硬化装置5に供給される。塗布硬化装置5は、紫外線硬化型樹脂組成物供給タンク6に接続された塗布手段7(ダイスコーター等)と、紫外線照射手段8とで構成されている。並列状態を保持して繰り出された各光ファイバ心線1は塗布手段7によりその外周面に紫外線硬化型樹脂組成物が塗布され、次いで該組成物が紫外線照射手段8により硬化される。これによりサブユニット10が形成される。
得られたサブユニット10は反応室22に供給される。反応室22にはガス供給口23およびガス排出口24が設けられる。ガス供給口23は配管25によりクロロホルム供給源26に連結されている。反応室22にはクロロホルム供給源26からクロロホルムガスが供給される。反応室22内のクロロホルムガスはガス排出口24から排出される。つまり反応室内22にはガス供給口23からガス排出口24に向かうクロロホルムガスの流れができる。
クロロホルム供給源26にはクロロホルム液体27が貯留されており、キャリアガスを供給する配管28が該クロロホルム貯留液にその端部が浸漬するように設置されている。配管28は不図示のキャリアガス源に接続されており、キャリアガスをクロロホルム液体27に吹き込む。キャリアガスによってクロロホルム液体27は気化されてクロロホルムガスになる。すなわち、バブリング方式によりクロロホルム液体27が気化され、配管25を通ってガス供給口23から反応室22に供給される。クロロホルム供給源26にはヒーター29を取り付け、温度をクロロホルムの沸点(例えば約60℃)に保ち、クロロホルムを安定して気化させるのが好ましい。
配管25や反応室22にはテープヒータ(不図示)を巻くなどして60℃程度に加熱してクロロホルムが液化しないようにするのが好ましい。
反応室22の外には紫外線ランプ30が配置される。紫外線ランプ30から照射された紫外線が反応室22に入り、反応室22内のクロロホルムガスにエネルギーを与えて、塩素の遊離基(Cl・)とジクロロメチル(CHCl・)の遊離基を生成する。この反応を効率よく進めるには紫外線の波長を250nm以下にするのがよい。このような波長の紫外線を照射可能な紫外線ランプには、例えばフュージョンのHバルブがある。
反応室22は紫外線を透過する材質からなる。例えば石英からなることが好ましい。紫外線ランプ30の周りには反射鏡(不図示)が配置されるのが好ましい。反射鏡によって、紫外線ランプ30から照射された紫外線は効率良く反応室22内に取り込まれる。
また、反応室22および反射鏡を覆うように、紫外線を遮断する筺体31を配置するのが好ましい。これにより紫外線が筺体31の外部に漏れて周囲の機器等を劣化させるのを防ぐことができる。
反応室22内で生成した塩素の遊離基(Cl・)やジクロロメチルの遊離基(CHCl・)は下記式1乃至式3の反応によって一括被覆樹脂層10aに含まれる二重結合残基を開裂し、当該二重結合を有していた炭素原子に結合する。こうして一括被覆樹脂層10a表面に存在する未反応の二重結合が減少する。
Figure 2011085844
Figure 2011085844
Figure 2011085844
反応室22を通過したサブユニット10は、ガイドローラ3c、3dによりパスラインの向きを変えられて、引取装置32により引き取られた後、張力調整手段33により張力調整されながら、ガイドローラ3eを経由して巻取装置21に巻取られる。
上記の方法により表面を不活性化処理されたサブユニット10は、複数本が並列配置された状態で連結被覆樹脂層20aによって被覆されることとなる。即ち、複数本のサブユニット10を並列状態に保持したまま、その外周面に連結被覆樹脂層20aを成す紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、該組成物を紫外線硬化手段により硬化することで光ファイバテープ心線20が形成される。本製造方法によれば、一括被覆樹脂層10aの表面に残存する未反応の二重結合を反応性物質と結合させることによって不活性化処理しているため、続いて塗布硬化される連結被覆樹脂層20aとの結合が抑制され、過度な密着が防止されている。従って、ブラシ等により連結被覆樹脂層20aを除去する際、一括被覆樹脂層10aの破壊除去が抑制され、単心化が防止される。
第二形態では、一括被覆樹脂層10aの表面の二重結合残基にエネルギーを与え、下記式4に示すように該二重結合残基を開裂させて、炭素の遊離基を生成させる。
Figure 2011085844
生成した炭素の遊離基が反応性物質に作用してラジカル反応を起こし、前記反応性物質またはその一部分と共有結合を生じる。例えば、反応性物質が四フッ化二炭素(C)であると下記式5に示す反応が起こり、一括被覆樹脂層10aの表面にあった未反応の二重結合を有していた炭素は四フッ化二炭素由来の炭素と共有結合により結合する。
Figure 2011085844
第二形態において、一括被覆樹脂層10aにエネルギーを与える手段には、光や電子線などの放射線を照射すること、200℃以下の気体プラズマ中に晒すこと、加熱すること、グロー放電などの放電下に晒すこと等が例示できる。
以下、図3を参照して不活性化処理工程の第二形態について、その一例を説明する。
図3は、一括被覆樹脂層10aを高温の気体プラズマに晒してその表面の二重結合残基を開裂させることにより炭素の遊離基を生成させ、これに反応性物質である四フッ化二炭素ガスを結合させる工程を示す概略図である。
前記第一形態と同様の方法によって塗布硬化装置5で一括被覆樹脂層10aを被覆されたサブユニット10は、活性化室41に供給される。
活性化室41には供給口42および排出口43が設けられる。供給口42は配管44により気体プラズマ供給源45に連結されている。活性化室41には気体プラズマ供給源45から窒素、アルゴンまたは酸素等の200℃以下の気体プラズマが供給される。活性化室41内の気体プラズマは排出口43から排出される。つまり、活性化室41内には供給口42から排出口43に向かう気体プラズマの流れができる。反応性プラズマを200℃以下とすることにより、一括被覆樹脂層10aに損傷を与えることがない。
活性化室41内では、気体プラズマのエネルギーが一括被覆樹脂層10a表面の未反応の二重結合を有する炭素原子に与えられ、前記式4に示した反応によって該二重結合が開裂することにより、炭素の遊離基が生成される。
活性化室41の下流には反応室46が配される。
反応室46には供給口47および排出口48が設けられる。供給口47は配管49により反応性物質供給源50に連結されている。反応室46には反応性物質供給源50から反応性物質である四フッ化二炭素(C)ガスが供給される。反応室46内の四フッ化二炭素ガスは排出口48から排出される。つまり、反応室46内には供給口47から排出口48に向かう四フッ化二炭素ガスの流れができる。
活性化室41を通過したサブユニット10は反応室46に入るが、その表面には活性化室41内で生成された炭素の遊離基が存在する。この炭素の遊離基が反応室46内で前記式5に示したように四フッ化二炭素ガスと反応する。こうして一括被覆樹脂層10a表面に存在する未反応の二重結合が減少する。
反応室22を通過したサブユニット10は、ガイドローラ3c、3dによりパスラインの向きを変えられて、引取装置32により引き取られた後、張力調整手段33により張力調整されながら、ガイドローラ3eを経由して巻取装置21に巻取られる。
上記の方法により表面を不活性化処理されたサブユニット10は、複数本が並列配置された状態で連結被覆樹脂層20aによって被覆されることとなる。即ち、複数本のサブユニット10を並列状態に保持したまま、その外周面に連結被覆樹脂層20aを成す紫外線硬化型樹脂組成物を塗布した後、該組成物を紫外線硬化手段により硬化することで光ファイバテープ心線20が形成される。本製造方法によれば、一括被覆樹脂層10aの表面に残存する未反応の二重結合を反応性物質と結合させることによって不活性化処理しているため、続いて塗布硬化される連結被覆樹脂層20aとの結合が抑制され、過度な密着が防止されている。従って、ブラシ等により連結被覆樹脂層20aを除去する際、一括被覆樹脂層10aの破壊除去が抑制され、単心化が防止される。
第一形態、第二形態のいずれにおいても二重結合を有していた炭素と結合する反応性物質は、前記二重結合と反応した後に、一括被覆樹脂層10aの表面自由エネルギーを低下させる物質であることが望ましい。一括被覆樹脂層10aの表面自由エネルギーは、一括被覆樹脂層10aと水との接触角を測定することにより評価することができる。接触角が大きいほど表面自由エネルギーが少ない。かかる構成とすることで、連結被覆樹脂層20aと一括被覆樹脂層10aとの密着性をより低下させることが可能となる。
以下に本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
〔光ファイバテープ心線の作製〕
(実施例1、2の光ファイバテープ心線の作製)
上述した製造方法(図2、図3参照)に基づき、図1に示す光ファイバテープ心線を作製する(実施例1、2)。光ファイバテープ心線は、4心光ファイバテープ心線(幅2.1mm×厚さ0.4mm)であり、構成単位であるサブユニットは2心テープ心線(幅0.6mm×厚さ0.3mm)で、各光ファイバ心線の外径は0.25mmである。
一括被覆樹脂層(内側被覆樹脂層)には、ヤング率が800MPa程度、破断強度が10、20MPaの樹脂を使用する。また、連結被覆樹脂層(外側被覆樹脂層)には、ヤング率が200MPa、破断強度が25MPaの樹脂を使用する。但し、上記破断強度はJIS K 7113の引張破断強度試験により測定される値である。
尚、本実施例では一括被覆樹脂層および連結被覆樹脂層のいずれにおいてもウレタンアクリレート系の紫外線硬化型樹脂を使用し、モノマーであるN−ビニルピロリドンあるいは多官能モノマーを含有させることで破断強度を調整している。
二重結合残基を開裂する作用を有する反応性物質を一括被覆樹脂層の外部から接触させ、前記一括被覆樹脂層の表面に含まれる二重結合残基の炭素原子に結合させ、前記二重結合残基を不活性化する。
(比較例1、2の光ファイバテープ心線の作製)
一括被覆樹脂層の不活性化処理工程を行なわない以外は実施例1、2と同様の組成および製造方法により、比較例1、2の光ファイバテープ心線をそれぞれ作製する。
〔サブユニットへの分離性評価〕
次いで、実施例1、2、比較例1、2の光ファイバテープ心線のサブユニットへの分離性を評価した。ここで、分離方法について説明する。
まず、図4(A)および(B)に示すように、光ファイバテープ心線20を、分岐工具60の上ベース61および下ベース62で挟み、これらの上下ベース61、62に立設させた可撓性線材63(例えば、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン等のプラスチック線材)を光ファイバテープ心線の連結被覆樹脂層20aに近づける。さらに、分岐工具60を光ファイバテープ心線20に押し付けると、図4(C)に示すように、可撓性線材63は撓み、この撓んだ可撓性線材63の先端の角が光ファイバテープ心線20の連結被覆樹脂層20aと強く接触する。そして、分岐工具60を押し付けた状態で、分岐工具60を光ファイバテープ心線20の長手方向(図4(C)において左右方向)へ相対的に移動させて、可撓性線材63の先端部で連結被覆樹脂層20aを擦る。これにより、連結被覆樹脂層20aを破壊除去することで、サブユニット10に分離される。
サブユニットへの分離性は下記に示す基準により評価した。
○:一部一括被覆樹脂が破壊されることはあるが、単心にまで分離されることはない。
×:一括被覆樹脂が破壊され単心にまでばらける。
表1に、実施例1、2、比較例1、2の光ファイバテープ心線の構成とサブユニットへの分離性評価結果をそれぞれ示す。
Figure 2011085844
実施例1、2の結果から、前記一括被覆樹脂からなる層の表面に含まれている二重結合を有した炭素原子と前記反応性物質とを結合させる不活性処理をすることにより、連結樹脂層を除去するときに単心にまで分離されることがなく、サブユニットへの分離性がよい。内側被覆樹脂層を構成する一括被覆樹脂の破断強度が外側被覆樹脂層を構成する連結被覆樹脂の破断強度よりも小さい場合であっても分離性が良い。
一方、製造時に一括被覆樹脂層の不活性化処理工程を行なわない比較例1、2においては、連結被覆樹脂除去中に一括被覆樹脂が一挙に破壊され、単心への分離が生じる。
これらの結果から、実施例のように製造時に一括被覆樹脂層を不活性化処理することで、良好な分離性を確保することが可能であることが判る。
1.光ファイバ心線、 5.一括被覆樹脂層塗布形成装置、 10.サブユニット、 10a.一括被覆樹脂層、 20.光ファイバテープ心線、 20a.連結被覆樹脂層、 22、46.反応室、 26.クロロホルム供給源、 30.紫外線ランプ、 41.活性室、 45.気体プラズマ供給源、 50.四フッ化二炭素供給源。

Claims (2)

  1. 複数本の光ファイバ心線を並列させて一括被覆樹脂で被覆してサブユニットを形成し、前記サブユニットを複数個並列させて連結被覆樹脂で被覆して光ファイバテープ心線を製造する方法において、前記連結被覆樹脂を含有する組成物を塗布する工程の前に、反応性物質を前記サブユニットの外部から接触させて、前記一括被覆樹脂からなる層の表面に含まれている二重結合を有した炭素原子と前記反応性物質とを結合させる工程を含むことを特徴とする光ファイバテープ心線の製造方法。
  2. 請求項1の製造方法により製造された光ファイバテープ心線であって、前記一括被覆樹脂よりも前記連結被覆樹脂の破断強度が大きいことを特徴とする光ファイバテープ心線。
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