JP2022115744A - 光ファイバ心線の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造後に更なる紫外線が照射される場合に、プライマリ層の硬化を十分に抑制し、マイクロベンドロスを効果的に回避することができる光ファイバ製造方法を提供すること。【解決手段】ファイバ母材から光ファイバ裸線を線引きする工程と、前記光ファイバ裸線の周囲に第1紫外線硬化型樹脂を塗布する工程と、酸素濃度が2%よりも高い雰囲気で前記第1紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射する第1照射工程と、前記第1紫外線硬化型樹脂の周囲に第2紫外線硬化型樹脂を塗布する工程と、前記第2紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射する第2照射工程と、前記第2照射工程の後に、前記第1紫外線硬化型樹脂および前記第2紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射する第3照射工程と、を備えることを特徴とする光ファイバの製造方法。【選択図】図3

Description

本発明は、光ファイバ心線の製造方法に関する。
光ファイバ心線において、光ファイバ裸線を覆うプライマリ層およびセカンダリ層を紫外線硬化型樹脂によって所望のヤング率に設定する技術が知られている(特許文献1、2)。例えば、プライマリ層のヤング率は低く設定され、プライマリ層は光ファイバ裸線に加わる外力を緩衝し、光ファイバ裸線の微小変形による光の伝送損失(マイクロベンドロス)を抑えることができる。また、セカンダリ層のヤング率はプライマリ層のヤング率よりも高く設定され、セカンダリ層は光ファイバ裸線およびプライマリ層を外力から保護している。
特開2018-177630号公報 特許第6576995号公報
光ファイバ心線は、製造後において、紫外線の照射を伴う着色工程あるいはテープ化工程を経る場合がある。このため、プライマリ層の硬化は、セカンダリ層を透過した紫外線によっても進行し、プライマリ層の硬化を十分に抑制することができず、マイクロベンドロスを効果的に回避することができないという問題が生じ得る。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、製造後におけるプライマリ層の硬化を十分に抑制することができる光ファイバ心線の製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、ファイバ母材から光ファイバ裸線を線引きする線引き工程と、前記光ファイバ裸線の周囲に第1紫外線硬化型樹脂を塗布する第1塗布工程と、前記第1塗布工程の後に、2%よりも高い第1酸素濃度の雰囲気において、前記光ファイバ裸線に向けて第1波長領域の紫外線を照射する第1照射工程と、前記第1紫外線硬化型樹脂の周囲に第2紫外線硬化型樹脂を塗布する第2塗布工程と、前記第2塗布工程の後に、前記光ファイバ裸線に向けて前記第1波長領域と異なる第2波長領域の紫外線を照射する第2照射工程と、前記第2照射工程の後に、前記光ファイバ裸線に向けて前記第1波長領域の紫外線を照射する第3照射工程とを備えることを特徴とする光ファイバ心線の製造方法が提供される。
本発明によれば、製造後に更なる紫外線が照射される場合に、プライマリ層の硬化を十分に抑制し、マイクロベンドロスを効果的に回避することができる。
第1実施形態に係る製造方法により製造される光ファイバ着色心線の断面図である。 第1実施形態に係る製造方法により製造される光ファイバリボンの断面図である。 第1実施形態に係る製造方法に用いる製造装置の模式図である。 第1実施形態に係る第1照射装置の構造を示す概略断面図である。 第1実施形態に係る製造方法のフローチャートである。 第2実施形態に係る製造方法に用いる製造装置の模式図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。各図面を通じて共通する機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略又は簡略化することがある。
[第1実施形態]
図1、図2は第1実施形態に係る製造方法により製造される光ファイバ心線である。図1は、第1実施形態に係る製造方法により製造される光ファイバ着色心線の断面図である。光ファイバ心線1は、光ファイバ裸線2と、光ファイバ裸線2の外周に被覆されたプライマリ層3と、プライマリ層3の外周に被覆されたセカンダリ層4とを備える。光ファイバ着色心線は、光ファイバ心線1の外周に被膜された着色層5を更に備える。光ファイバ着色心線は、プライマリ層3、セカンダリ層4及び着色層5の3層の被覆層により被覆される。図2は、第1実施形態に係る製造方法により製造される光ファイバリボンの断面図である。光ファイバリボンは、接着層6を介して複数の光ファイバ心線1を帯状に束ねることによって構成される。
光ファイバ裸線2は、例えば石英系ガラス等から形成され、光を伝達する。プライマリ層3、セカンダリ層4、着色層5、接着層6は、それぞれ紫外線照射により紫外線硬化型樹脂を硬化させることによって形成される。紫外線硬化型樹脂は、紫外線照射によって重合可能なものであれば特に限定されるものではない。紫外線硬化型樹脂は、例えば、光ラジカル重合などにより重合可能なものである。紫外線硬化型樹脂は、例えば、ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートのようなウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートなどの紫外線照射により重合及び硬化するエチレン性不飽和基などの重合性不飽和基を有する紫外線硬化型樹脂であり、重合性不飽和基を少なくとも2つ有するものであることが好ましい。紫外線硬化型樹脂における重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などの不飽和二重結合を有する基、プロパルギル基などの不飽和三重結合を有する基などが挙げられる。これらの中でも、アクリロイル基、メタクリロイル基が重合性の面で好ましい。紫外線硬化型樹脂は、紫外線照射により重合を開始して硬化するモノマー、オリゴマー又はポリマーであり得るが、好ましくはオリゴマーである。なお、オリゴマーとは、重合度が2~100の重合体である。また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの一方又は両方を意味する。
ポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリエーテル骨格を有するポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応物のように、ポリエーテルセグメント、(メタ)アクリレート及びウレタン結合を有する化合物である。また、ポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレートとは、ポリエステル骨格を有するポリオールと、有機ポリイソシアネート化合物及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートとの反応物のように、ポリエステルセグメント、(メタ)アクリレート及びウレタン結合を有する化合物である。
さらに、紫外線硬化型樹脂は、オリゴマーおよび光重合開始剤に加えて、例えば希釈モノマー、光増感剤、連鎖移動剤および各種添加剤を含んでもよい。希釈モノマーとしては、単官能(メタ)アクリレート又は多官能(メタ)アクリレートが用いられる。ここで、希釈モノマーとは、紫外線硬化型樹脂を希釈するためのモノマーを意味する。
本実施形態において、プライマリ層3およびセカンダリ層4のそれぞれの紫外線硬化型樹脂の光重合開始剤は、互いに異なる波長領域において感度を有することが望ましい。例えば、プライマリ層3の光重合開始剤は紫外線発光ダイオードなどのUVLEDランプの波長領域において感度を有し、セカンダリ層4の光重合開始剤は蛍光管などのUVランプの波長領域において感度を有し得る。
プライマリ層3は、好ましくは0.2~3MPa、さらに好ましくは0.2~1MPaのヤング率を有する軟質層であり、光ファイバ裸線2に加わる外力を緩衝するための機能を有している。セカンダリ層4は、好ましくは500~2000MPaのヤング率を有する硬質層であり、光ファイバ裸線2およびプライマリ層3を外力から保護するための機能を有している。着色層5は、光ファイバ心線1を識別するために着色されている。
本実施形態に係る光ファイバは、図1、図2に示された構成に限定されない。例えば、光ファイバ裸線2は4層以上の層により被覆されてもよい。あるいは、光ファイバ着色心線または光ファイバリボンがシースにより収容された形態をとってもよい。また、着色されたセカンダリ層4を光ファイバ着色心線の最外層としてもよい。セカンダリ層4が着色される場合には、顔料や滑剤等を混合した着色剤をセカンダリ層4に添加することによって、セカンダリ層4が着色される。着色されたセカンダリ層4における着色剤の含有量は、着色剤に含まれる顔料の含有量や紫外線硬化型樹脂等の他の成分の種類等により適宜決定され得る。
光ファイバ裸線2の直径は、80~150μmであり、好ましくは124~126μmであり得る。プライマリ層3の厚さは、10~60μmであり得る。セカンダリ層4の厚さは、10~60μmであり得る。また、着色層5の厚さは、数μm程度であり得る。
図3は、第1実施形態に係る製造方法に用いる製造装置10の模式図である。製造装置10は、ヒータ11、第1塗布装置12、第1照射装置13、第2塗布装置14、第2照射装置15、第3照射装置16、塗布装置17、照射装置18、ガイドローラ19、および巻取り装置20を有する。製造装置10は、ファイバ母材7から光ファイバ心線1を製造する装置である。ファイバ母材7は、例えば石英系のガラスからなり、VAD法、OVD法、MCVD法など周知の方法により製造される。ヒータ11は、テープヒータ、リボンヒータ、ラバーヒータ、オーブンヒータ、セラミックヒータ、ハロゲンヒータなどの任意の熱源であり得る。ファイバ母材7の端部は、ファイバ母材7の周囲に配置されたヒータ11によって加熱されて溶融し、線引きされて光ファイバ裸線2が引き出される。以下、線引きされた光ファイバ裸線2が進行する方向を単に「搬送方向」と記載することがある。
ヒータ11の下方には、第1塗布装置12が設けられる。第1塗布装置12には、プライマリ層3の被覆材料(第1紫外線硬化型樹脂ともいう)が保持される。第1塗布装置12によって光ファイバ裸線2の周囲に第1紫外線硬化型樹脂が塗布される。第1塗布装置12の下方には、第1照射装置13が設けられる。第1照射装置13は、UVLEDランプを含む紫外線光源を備える。UVLEDランプは、例えば、紫外線発光ダイオード等の半導体素子により構成され、低消費電力という利点を有している。第1紫外線硬化型樹脂が塗布された光ファイバ裸線2は、第1照射装置13に入り、2%よりも高い第1酸素濃度の雰囲気において、第1紫外線硬化型樹脂に紫外線が照射される。第1照射装置13によって照射される紫外線は、第1紫外線硬化型樹脂を硬化させる第1波長領域に設定される。その結果、第1紫外線硬化型樹脂は硬化され、プライマリ層3を形成する。
第1照射装置13の下方には、第2塗布装置14が設けられる。第2塗布装置14には、セカンダリ層4の被覆材料(第2紫外線硬化型樹脂ともいう)が保持される。第2塗布装置14によってプライマリ層3の周囲に第2紫外線硬化型樹脂が塗布される。第2塗布装置14の下方には、第2照射装置15が設けられる。第2照射装置15は、UVランプを含む紫外線光源を備える。UVランプは、例えば、メタルハライドランプ、水銀ランプ等の蛍光管により構成され得る。第2紫外線硬化型樹脂が塗布された光ファイバ裸線2は、第2照射装置15に入り、第2紫外線硬化型樹脂に紫外線が照射される。第2照射装置15によって照射される紫外線は、第2紫外線硬化型樹脂を硬化させ、第2波長領域に設定される。その結果、第2紫外線硬化型樹脂は硬化され、セカンダリ層4を形成する。なお、第1波長領域は、第2波長領域と異なる波長領域である。これにより、第1波長領域あるいは第2波長領域の紫外線を照射することで、光ファイバ裸線2の周囲に被覆された第1紫外線硬化型樹脂、第2紫外線硬化型樹脂を選択的に硬化させることができる。
第2照射装置15の下方には、第3照射装置16が設けられる。第3照射装置16は、第1照射装置13と同様に構成され、紫外線光源としてUVLEDランプを備えるが、UVLEDに代えてUVランプを備えてもよい。第3照射装置16によって照射される紫外線は、第1紫外線硬化型樹脂を硬化させる第1波長領域に設定される。プライマリ層3、セカンダリ層4が光ファイバ裸線2に被覆され、光ファイバ心線1が形成される。光ファイバ心線1は、第3照射装置16の下方に設けられたガイドローラ19によってガイドされる。第3照射装置16は、第1波長領域の紫外線に加えて第2波長領域の紫外線を照射するように更に構成されてもよい。第2照射装置15、第3照射装置16の紫外線照射によって、セカンダリ層4の硬化が進行し、セカンダリ層4はプライマリ層3に比べて十分なヤング率を有する硬質層となる。例えば、光ファイバ心線の製造後において、プライマリ層3のヤング率は0.2~3MPa、セカンダリ層4のヤング率は500~2000MPaであることが望ましい。
第2照射装置15による紫外線照射の終了から、第3照射装置16による紫外線照射の開始までの時間はできるだけ短いことが好ましく、例えば0.05秒未満であることが望ましい。これにより、第2紫外線硬化型樹脂の硬化熱等によって第1紫外線硬化型樹脂の温度が上昇した後、第1紫外線硬化型樹脂が十分に高温な状態において紫外線照射がなされ得る。これにより、第1紫外線硬化型樹脂の硬化の進行を十分に抑制することができる。本実施形態においては、第3照射装置16は、第3照射装置16における搬送方向が光ファイバ裸線2の線引き方向と同じとなるように、配されている。このため、第2照射装置15による紫外線照射の終了から、第3照射装置16による紫外線照射の開始までの時間を特に短くすることができ、上述の効果をさらに高めることが可能となる。
第3照射装置16の下方には、塗布装置17が設けられる。塗布装置17は、着色層5の被覆材料(着色層材料ともいう)を保持する。塗布装置17によって、光ファイバ心線1の周囲に着色層材料が塗布される。塗布装置17の搬送方向に、照射装置18が設けられる。照射装置18は、第3照射装置16と同様に構成される。光ファイバ心線1は照射装置18に入り、着色層材料に紫外線が照射される。その結果、紫外線硬化型樹脂を主な成分とする着色層5が形成される。光ファイバ心線1に着色層5が被膜され、光ファイバ着色心線が形成される。光ファイバ着色心線は、ガイドローラ19にガイドされ、巻取り装置20に巻き取られる。塗布装置17には、着色層材料に代えて、接着層6の被覆材料が保持されてもよい。なお、光ファイバ心線1は、塗布装置17による紫外線硬化型樹脂の塗布および照射装置18による紫外線の照射を行わず巻取り装置20に巻き取られてもよい。この場合、光ファイバ心線1には、巻き取られた後に塗布装置17および照射装置18によって、着色層5または接着層6が別途被膜されてもよい。
なお、光ファイバ心線1は、セカンダリ層4の硬化を完全に進行させた後にガイドローラ19によってガイドされることが望ましい。これにより、ガイドローラ19との接触の際に未硬化の紫外線硬化型樹脂が付着する事態を防ぐことができる。
図4は、第1照射装置13の構造を示す概略断面図である。図4は、光ファイバ裸線2の搬送方向に平行な面における第1照射装置13の断面図を示している。
図4に示されているように、第1照射装置13は、筐体131、石英管132、照射部133、UVLEDランプ134、反射板135、上部キャップ136および下部キャップ137を有する。
筐体131は、側壁と2つの底壁を備える箱状をなしている。筐体131は、頑丈な金属から構成され得るが、筐体131の材料は特定の材料に限定されない。石英管132は、筐体131の2つの底壁を貫通するように設けられる。石英管132は、例えば、石英系ガラス等から形成され、紫外線を透過させる。光ファイバ裸線2は、石英管132を通ることによって、第1照射装置13を通過する。
照射部133は、筐体131の内部に収容され、石英管132を取り囲むように配置される。UVLEDランプ134は、照射部133に設けられる。UVLEDランプ134から照射された紫外線は、石英管132を透過し、光ファイバ裸線2に塗布された第1紫外線硬化型樹脂に吸収される。反射板135は、筐体131の内部に収容され、石英管132および照射部133を取り囲むように配置される。UVLEDランプ134から照射された紫外線の一部は、反射板135によって反射される。反射板135により反射された紫外線も、石英管132を透過し、光ファイバ裸線2に塗布された第1紫外線硬化型樹脂に吸収される。反射板135を設けることによって、UVLEDランプ134から照射された紫外線を効率よく第1紫外線硬化型樹脂に吸収させることができる。
照射部133、UVLEDランプ134および反射板135のそれぞれは、図4で示される個数および配置に限定されない。また、照射部133、UVLEDランプ134および反射板135は、光ファイバ裸線2の全面に紫外線が照射されるように設けられることが望ましい。例えば、光ファイバ裸線2の軸に直交する面において、光ファイバ裸線2の軸を中心とした円周上に複数のUVLEDランプ134が設けられることが好ましい。また、光ファイバ裸線2の全面がUVLEDランプ134の直接光に照射される必要はなく、一部の面が反射板135による反射光のみに照射されてもよい。
なお、筐体131には、給気口131a、排気口131bが設けられる。給気口131aは筐体131内に冷却用ガスを給気し、排気口131bは筐体131外に冷却用ガスを排気する。筐体131内に収容されたUVLEDランプ134は、冷却用ガスによって冷却される。なお、UVLEDランプ134は、紫外線の照射に伴う発熱によって劣化し得る。給気口131a、排気口131bを設けることによって、筐体131内に冷却用ガスが循環し易くなり、UVLEDランプ134を冷却し、UVLEDランプ134の劣化を効果的に抑制することができる。
上部キャップ136は筐体131の上方の底壁に設けられ、上方の底壁を貫通した石英管132を収容する。下部キャップ137は筐体131の下方の底壁に設けられ、下方の底壁を貫通した石英管132を収容する。また、上部キャップ136には給気口136aが設けられ、下部キャップ137には排気口137aが設けられる。給気口136aを介して酸素ガスが筐体131内に給気され、酸素ガスは排気口137aを介して筐体131の外部へ排気される。後述するように、酸素ガスは、プライマリ層3の硬化を抑制させるため、2%よりも高い酸素濃度を有することが好ましい。酸素ガスの酸素濃度は、2%以上であれば特に限定されないが、2~20%、好ましくは3~10%の酸素濃度に設定され得る。あるいは、酸素ガスとして空気を用いてもよい。酸素ガスは、その他の成分として窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを含み得る。上部キャップ136、石英管132、下部キャップ137の内部は、酸素ガスによって満たされる。これにより、所定の酸素濃度の雰囲気下で光ファイバ裸線2に紫外線を照射することができる。なお、下部キャップ137の給気口137aを介して酸素ガスが筐体131内に給気され、上部キャップ136の排気口136aを介して筐体131の外部へ酸素ガスが排気されてもよい。
図5は、第1実施形態に係る製造方法のフローチャートである。まず、ファイバ母材7から光ファイバ裸線2を線引きする線引き工程が行われる。次に、第1塗布工程において、第1塗布装置12は、線引きされた光ファイバ裸線2の周囲に第1紫外線硬化型樹脂を塗布する(ステップS101)。次に、第1照射工程において、第1照射装置13は、2%よりも高い第1酸素濃度の雰囲気において、光ファイバ裸線2に向けて第1波長領域の紫外線を照射し、プライマリ層3を形成する(ステップS102)。続いて、第2塗布工程において、第2塗布装置14はプライマリ層3の周囲に第2紫外線硬化型樹脂を塗布する(ステップS103)。その後、第2照射工程において、第2照射装置15は光ファイバ裸線2に向けて第1波長領域と異なる第2波長領域の紫外線を照射し、セカンダリ層4を形成する(ステップS104)。そして、第3照射工程において、第3照射装置16は、光ファイバ裸線2に向けて第1波長領域の紫外線を照射し、プライマリ層3の第1紫外線硬化型樹脂において硬化反応を生じさせる(ステップS105)。その後、塗布装置17は、光ファイバ心線1の周囲に着色層材料を塗布し(ステップS106)、紫外線を照射して着色層5を形成する(ステップS107)。以上により、着色層5が被覆された光ファイバ心線1が得られる。なお、塗布装置17による紫外線硬化型樹脂の塗布(ステップS106)および照射装置18による紫外線照射(ステップS107)は、光ファイバ心線1を巻取り装置20によって巻き取った後に別途行われてもよい。
光ファイバ心線の製造工程において、光ファイバ心線1を形成した後、着色層5を形成する際の紫外線照射(ステップS107)によりプライマリ層3が硬化し得る。より具体的には、セカンダリ層4、着色層5、セカンダリ層4が着色されている場合には着色されたセカンダリ層4を透過した紫外線がプライマリ層3に吸収され、プライマリ層3の硬化がさらに進行し得る。紫外線硬化型樹脂が硬化し過ぎると、プライマリ層3のヤング率が高くなり、プライマリ層3は光ファイバ裸線2に加わる外力を十分に緩衝することが困難となり得る。この結果、マイクロベンドロスが生じ得る。
本実施形態によれば、第1照射工程(ステップS102)において、酸素濃度が2%よりも高い雰囲気で第1紫外線硬化型樹脂の硬化が進行する。このとき、酸素と光重合開始剤との反応および酸素と成長ポリマーラジカルとの反応が起き、第1紫外線硬化型樹脂の硬化の進行が抑制される。
また、第2照射工程(ステップS104)において、高いヤング率を有するセカンダリ層4を形成する過程で、重合反応が繰り返し生じ、多量の硬化熱が発生する。このとき、プライマリ層3の第1紫外線硬化型樹脂の温度はセカンダリ層4の硬化熱等によって上昇する。続く第3照射工程(ステップS105)において、第1波長領域の紫外線はプライマリ層3の第1紫外線硬化型樹脂において硬化反応を生じさせるが、第1紫外線硬化型樹脂は高温となっているため、硬化の進行が抑制される。
したがって、本実施形態によれば、光ファイバ心線1の製造後に更なる紫外線が照射された場合においても、プライマリ層3の硬化が十分に抑制され、マイクロベンドロスを効果的に回避することが可能となる。
なお、本実施形態において、第2紫外線硬化型樹脂の塗布は、第1紫外線硬化型樹脂が硬化された状態で行われてもよく、第1紫外線硬化型樹脂が十分に硬化されていない状態で行われてもよい。すなわち、本実施形態の製造方法は、Wet-On-Dry方式、Wet-On-Wet方式のどちらの方式にも用いることができる。Wet-On-Dry方式を採用する場合、第1塗布装置12には第1紫外線硬化型樹脂のみが保持され、第2塗布装置14には第2紫外線硬化型樹脂が保持される。このとき、第1塗布工程(ステップS101)における第1紫外線硬化型樹脂の塗布、第1照射工程(ステップS102)におけるプライマリ層3の形成、第2塗布工程(ステップS103)における第2紫外線硬化型樹脂の塗布のそれぞれが別工程として実行される。一方、Wet-On-Wet方式を採用する場合、第1塗布装置12には第1紫外線硬化型樹脂と第2紫外線硬化型樹脂とが別々に保持される。この場合、製造装置10は、必ずしも第2塗布装置14を有することを要しない。このとき、第1塗布工程(ステップS101)において、第1紫外線硬化型樹脂の塗布と第2紫外線硬化型樹脂の塗布とが行われ、第2塗布工程(ステップS103)を省くことができる。
[第2実施形態]
続いて、第2実施形態に係る製造方法を図6を参照しながら説明する。本実施形態は、セカンダリ層4の第2塗布工程と第2照射工程との間に追加の第4照射工程を行う点において第1実施形態と異なる。
図6は、第2実施形態に係る製造方法に用いる製造装置10の模式図である。第2塗布装置14の下方、かつ、第2照射装置15の上方に、第4照射工程を行うための第4照射装置21が設けられる。第4照射装置21は、セカンダリ層4の第2紫外線硬化樹脂を硬化させる紫外線光源を備える。第4照射装置21の紫外線光源は、UVLEDランプまたはUVランプであり得るが、第2波長領域の紫外線を照射可能であることが望ましい。第4照射装置21は、第2酸素濃度の雰囲気下で、第2照射装置15と同様に紫外線を光ファイバ裸線2に向けて照射することによって第2紫外線硬化型樹脂を硬化させる。ここで、第2酸素濃度は適宜設定され得るが、後述するように、第1酸素濃度と第2酸素濃度との平均酸素濃度は2%を超えることが望ましい。
本実施形態においても、第1紫外線硬化型樹脂の高温硬化および酸素による硬化阻害によって、第1実施形態と同様の効果を有する光ファイバ心線1の製造方法が提供される。さらに、本実施形態においては、第2照射工程および第4照射工程によって、異なる紫外線照射条件においてセカンダリ層4の第2紫外線硬化型樹脂の硬化を段階的に行うことができる。
なお、第2照射工程および第4照射工程における紫外線光源、酸素濃度などの照射条件は適宜変更可能である。例えば、紫外線光源としてUVランプを用いる場合、十分な光量の紫外線照射を行うことができ、セカンダリ層4のヤング率を高め、表面を十分に硬化させることができる。これにより、セカンダリ層4とガイドローラ19とが接触する際の削れを抑制することができる。一方、紫外線光源としてUVLEDランプを用いる場合、紫外線照射に伴う消費電力を抑えることができる。例えば、第4照射工程においては、表面硬化に必要な光量は、低消費電力のUVLEDランプで十分に得ることができる。また、後の第2照射工程においては、十分な光量を確保できるUVランプを用いて、セカンダリ層4の内部を十分に硬化することができる。さらに、第4照射工程における第2酸素濃度を第1酸素濃度よりも低くした場合、セカンダリ層4の表面の硬化は阻害され難くなり、セカンダリ層4の表面硬化を十分に行うことができる。
上述したように、本実施形態によれば、複数の照射工程においてセカンダリ層4を硬化させることにより、低コストかつ高品質な光ファイバを製造することができる。
以下、本発明の第1実施形態および第2実施形態に係る光ファイバ心線の製造方法の実験の結果について説明する。
Figure 2022115744000002
表1は、第1実施形態における光ファイバ心線の製造方法の実施例、比較例におけるマイクロベンドロスの評価を表している。すなわち、表1は、実施例1~4、比較例1、2における第1照射装置13における第1照射工程、第2照射装置15における第2照射工程、第3照射装置16における第3照射工程のそれぞれの紫外線照射における照射条件、マイクロベンドロスの評価を表している。
表1における「UVLED」とは、UVLEDを光源とする紫外線照射が行われたことを示す。また、表1における「UV」とは、UVランプを光源とする紫外線照射が行われたことを示す。また、表1における「2%超」とは、2%よりも高い酸素濃度雰囲気で紫外線照射が行われたことを示す。また、表1における「2%以下」とは、2%以下の酸素濃度雰囲気で紫外線照射が行われたことを示す。また、表1における「空気雰囲気」とは、空気雰囲気で紫外線照射が行われたことを示す。また、表1における「反射板」とは、光ファイバ裸線2の一部の面が反射板135による反射光のみに照射されるように紫外線照射が行われたことを示す。また、表1における「縦方向」とは、第3照射装置16を通過する光ファイバ心線1の搬送方向が光ファイバ裸線2の線引き方向と同じ方向であることを示す。また、表1における「水平方向」とは、第3照射装置16を通過する光ファイバ心線1の搬送方向がガイドローラ19によって縦方向から変換された方向であることを示す。
表1における「評価」は、紫外線を追加で照射した後の光ファイバ心線1におけるマイクロベンドロスが基準(1.0dB/km以下)を満たすか否かを表している。マイクロベンドロスが基準を満たす場合には、評価は良好(OK)と判断され、マイクロベンドロスが基準を満たさない場合には、評価は不良(NG)と判断される。
マイクロベンドロスの測定方法については様々なものが考えられる。本明細書では、番手が#1000のサンドペーパーを巻いた大きめのボビンに、100gfの張力で、400m以上の長さの光ファイバを互いに重ならないように1層巻きに巻き付けた状態Aにおける測定対象の光ファイバの伝送損失と、状態Aと同じボビンに状態Aと同じ張力、同じ長さで巻き付けた、サンドペーパーが巻かれていない状態Bの光ファイバの伝送損失との差をマイクロベンドロスの値として定義した。ここで状態Bの光ファイバの伝送損失はマイクロベンドロスを含まず、光ファイバそのものに固有の伝送損失と考えられる。なお、この測定方法は、JIS C6823:2010に規定される固定径ドラム法に類似するものである。また、この測定方法は、サンドペーパー法とも呼ばれる。また、この測定方法では、伝送損失は波長1550nmで測定しているので、以下のマイクロベンドロスも波長1550nmでの値である。
実施例1において、第1照射工程の照射条件は、2%よりも高い酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、UVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする縦方向の紫外線照射であった。実施例1においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
実施例2において、第1照射工程の照射条件は、2%よりも高い酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、空気雰囲気下でUVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする縦方向の紫外線照射であった。実施例2においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
実施例3において、第1照射工程の照射条件は、2%よりも高い酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。この時、光ファイバ裸線2の一部の面が反射板135による反射光のみに照射されるように紫外線照射が行われた。第2照射工程の照射条件は、UVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする縦方向の紫外線照射であった。実施例3においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
実施例4において、第1照射工程の照射条件は、2%よりも高い酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、UVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする水平方向の紫外線照射であった。実施例4においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
比較例1において、第1照射工程の照射条件は、2%以下の酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、空気雰囲気下でUVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする縦方向の紫外線照射であった。比較例1においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/kmを超え、評価は不良(NG)であった。
比較例2において、第1照射工程の照射条件は、2%よりも高い酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、UVランプを光源とする紫外線照射であった。その後、第3照射工程による紫外線照射を行わなかった。比較例2においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/kmを超え、評価は不良(NG)であった。
表1に示されているように、第1照射工程の紫外線照射を2%よりも高い酸素濃度雰囲気で紫外線照射を行い、続いて第2照射工程、第3照射工程による紫外線照射を行う場合、紫外線を追加で照射する際のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となることが確認された。したがって、第1照射工程による紫外線照射は、2%よりも高い酸素濃度雰囲気下で行うことが好ましい。
以上述べたように、本実施形態によれば、製造後に更なる紫外線が照射される場合に、プライマリ層の硬化を十分に抑制し、マイクロベンドロスを効果的に回避することができる。
Figure 2022115744000003
表2は、第2実施形態における光ファイバ心線の製造方法の実施例、比較例におけるマイクロベンドロスの評価を表している。すなわち、表2は、実施例5~8における第1照射装置13における第1照射工程、第4照射装置21における第4照射工程、第2照射装置15における第2照射工程、第3照射装置16における第3照射工程のそれぞれの紫外線照射における照射条件、マイクロベンドロスの評価を表している。
表2における「3~10%」とは、3~10%の酸素濃度雰囲気下で紫外線照射が行われたことを示す。また、表2における「1~10%」とは、1~10%の酸素濃度雰囲気下で紫外線照射が行われたことを示す。また、表2における「2%未満」とは、2%未満の酸素濃度雰囲気下で紫外線照射が行われたことを示す。その他の表2における表記の意味は表1と同様である。
実施例5において、第1照射工程の照射条件は、3~10%の第1酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第4照射工程の照射条件は、1~10%の第2酸素濃度雰囲気下でUVランプを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする紫外線照射であった。なお、第1照射工程の照射条件における第1酸素濃度と第4照射工程の照射条件における第2酸素濃度との平均酸素濃度は2%超であった。実施例5においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
実施例6において、第1照射工程の照射条件は、3~10%の第1酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第4照射工程の照射条件は、1~10%の第2酸素濃度雰囲気下でUVランプを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、空気雰囲気でUVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする縦方向の紫外線照射であった。なお、第1照射工程の照射条件における第1酸素濃度と第4照射工程の照射条件における第2酸素濃度との平均酸素濃度は2%超であった。実施例6においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
実施例7において、第1照射工程の照射条件は、3~10%の第1酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第4照射工程の照射条件は、2%未満の第2酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、空気雰囲気下でUVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする縦方向の紫外線照射であった。なお、第1照射工程の照射条件における第1酸素濃度と第4照射工程の照射条件における第2酸素濃度との平均酸素濃度は2%超であった。実施例7においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
実施例8において、第1照射工程の照射条件は、空気雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第4照射工程の照射条件は、2%未満の第2酸素濃度雰囲気下でUVLEDを光源とする紫外線照射であった。第2照射工程の照射条件は、空気雰囲気下でUVランプを光源とする紫外線照射であった。第3照射工程の照射条件は、UVLEDを光源とする縦方向の紫外線照射であった。なお、第1照射工程の照射条件における第1酸素濃度と第4照射工程の照射条件における第2酸素濃度との平均酸素濃度は2%超であった。実施例8においては、紫外線を追加で照射した後のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となり、評価は良好(OK)であった。
表2に示されているように、第1照射工程の紫外線照射を2%よりも高い酸素濃度雰囲気で紫外線照射を行い、続いて第4照射工程、第2照射工程、第3照射工程による紫外線照射を行う場合、紫外線を追加で照射する際のマイクロベンドロスは1.0dB/km以下となることが確認された。したがって、第1照射装置13による紫外線照射は、2%よりも高い酸素濃度雰囲気下で行うことが好ましい。
さらに、第2実施形態によれば、第1照射工程の照射条件における第1酸素濃度と第4照射工程の照射条件における第2酸素濃度との平均酸素濃度は2%超となることが好ましい。
以上述べたように、本実施形態によれば、製造後に更なる紫外線が照射される場合に、プライマリ層の硬化を十分に抑制し、マイクロベンドロスを効果的に回避することができる。
本発明は、上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、いずれかの実施形態の一部の構成を他の実施形態に追加した例、ほかの実施形態の一部の構成と置換した例も、本発明の実施形態である。また、実施形態において特段の説明や図示のない部分に関しては、当該技術分野の周知技術や公知技術を適宜適用可能である。
1 光ファイバ心線
2 光ファイバ裸線
3 プライマリ層
4 セカンダリ層
5 着色層

Claims (11)

  1. ファイバ母材から光ファイバ裸線を線引きする線引き工程と、
    前記光ファイバ裸線の周囲に第1紫外線硬化型樹脂を塗布する第1塗布工程と、
    前記第1塗布工程の後に、2%よりも高い第1酸素濃度の雰囲気において、前記光ファイバ裸線に向けて第1波長領域の紫外線を照射する第1照射工程と、
    前記第1紫外線硬化型樹脂の周囲に第2紫外線硬化型樹脂を塗布する第2塗布工程と、
    前記第2塗布工程の後に、前記光ファイバ裸線に向けて前記第1波長領域と異なる第2波長領域の紫外線を照射する第2照射工程と、
    前記第2照射工程の後に、前記光ファイバ裸線に向けて前記第1波長領域の紫外線を照射する第3照射工程とを備えることを特徴とする光ファイバ心線の製造方法。
  2. 前記第2塗布工程の後であって、前記第2照射工程の前に、第2酸素濃度の雰囲気において、前記光ファイバ裸線に向けて前記第2波長領域の紫外線を照射する第4照射工程をさらに備え、
    前記第1酸素濃度および前記第2酸素濃度の平均酸素濃度が2%よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  3. 前記第2塗布工程は前記第1照射工程の後に行われることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  4. 前記第2塗布工程は、前記第1塗布工程の後であって、前記第1照射工程の前に行われることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  5. 前記第2照射工程は空気雰囲気において行われることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  6. 前記第1酸素濃度は2~20%であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  7. 前記第1酸素濃度は3~10%であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  8. 前記第3照射工程における前記光ファイバ裸線の搬送方向は、前記光ファイバ裸線の線引きの方向と同じであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  9. 前記第1照射工程において、前記第1波長領域の紫外線は、前記光ファイバ裸線の軸に直交する面において前記軸を中心とした円周上に配された複数の光源から照射されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  10. 前記第1波長領域の紫外線は半導体素子から照射され、前記第2波長領域の紫外線は蛍光管から照射されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の光ファイバ心線の製造方法。
  11. 光ファイバ心線の製造後において、前記第1紫外線硬化型樹脂のヤング率は0.2~3MPaであって、前記第2紫外線硬化型樹脂のヤング率は500~2000MPaであることを特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の光ファイバ心線の製造方法。
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