JP2011085240A - クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】取付孔から取外すときの変形を防止して、クリップの再利用を図ることができ、外観を良好にすることができるクリップを提供する。
【解決手段】このクリップ10は、周方向複数箇所に切欠き部22を有する固定フランジ20と、ステム部25と、複数の弾性係止片30と、各弾性係止片30先端に連結され、切欠き部22の形状にほぼ整合する可動フランジ40とを備え、弾性係止片30には、取付孔3の裏側周縁に係合する係合段部31が設けられ、弾性係止片30は可動フランジ40の内径側端部43よりも所定距離だけ外径側に連結されており、取付孔3に係合段部31が係合した取付状態で、可動フランジ40が切欠き部22にほぼ整合すると共に、その状態から固定フランジ20を乗り越えさせて、可動フランジ40を内径側に寄せることにより、弾性係止片30を更にすぼめることが可能とされている。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、自動車の車体パネル等の被取付部材に形成された取付孔に、挿入されて固定されるクリップに関する。
例えば、自動車の車体パネル等の被取付部材に、インシュレータ(防音材)や、トリムボード等の取付部材を取付ける際に、クリップが用いられている。
従来のこの種のクリップとして、下記特許文献1には、ベースと、該ベースに突設された支柱と、該支柱の先端から前記ベース側に斜めに延び、撓み可能な複数の係止アームと、該各係止アームの自由端側に設けられ、パネルの取付孔の孔縁に係合する係合段差と、取付孔への係合時に、パネル表面に押圧接触して係合のガタを吸収するバネ性を有したスカート部とを備え、このスカート部を前記各係止アームに対応させて分割し、分割した各スカート部を、前記各係止アームの自由端に一体に連結したパネル係合用クリップが開示されている。その実施形態には、ベースから突設された支柱の両側から、一対の係止アームが伸びており、各係止アームに、半円形の薄肉フランジ状をなしたスカート部がそれぞれ連結されていることが記載されている。そして、取付孔に支柱及び一対の係止アームを挿入して、各係止アームの係合段差が取付孔の裏側周縁に係合すると共に、取付孔の表側周縁に一対の半円形のスカート部が弾性的に当接して、取付孔にクリップが取付けられるようになっている。
特開2008−291979号公報
ところで、車両のメンテナンスや取付部材の交換等のために、クリップを取付孔から取外したい場合がある。上記特許文献1のクリップの場合、一対のスカート部を摘んで互いに近づけて、一対の係止アームを内側に撓ませることにより、係合段差が取付孔から外れ、この状態で係止アームを取付孔から引き抜くことにより、クリップを取外すことができるようになっている。
上記特許文献1のクリップでは、一対のスカート部の間に支柱が配置されているので、一対のスカート部を摘んで互いに近づけさせると、スカート部の内側端部が支柱の側面に当接するようになっている。そのため、一対のスカート部を強く摘んだ場合には、両スカート部の内側端部が支柱の両側面に強く突き当たり、その部分を支点として取付孔から離れるように、スカート部が反り返って変形してしまう場合がある。このようにスカート部が反り返って塑性変形した場合、取付孔の表側周縁に弾性的に当接しなくなるので、クリップの再利用を図ることができないという不都合があった。
また、上記特許文献1のクリップにおいては、上述したように、一対のスカート部の間に支柱が配置されているため、支柱の両側面と両スカート部の内側端部との間に隙間が生じ、取付孔表側から見たときの外観が良いとは言いにくい。なお、この隙間を幅狭にしたり無くしたりした場合、外観は良くなるが、一対のスカート部の移動ストロークを確保できず、一対の係止アームを内側へ十分に撓ませることができなくなり、クリップを取付孔から取外すことができなくなる。
したがって、本発明の目的は、取付孔から取外すときの変形を防止して、クリップの再利用を図ることができると共に、外観を良好にすることができるクリップを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、周方向複数箇所に切欠き部を有する固定フランジと、該固定フランジの裏面から延出されたステム部と、該ステム部の先端部から前記固定フランジ側に向けて斜め外方に延出された複数の弾性係止片と、該各弾性係止片の先端に連結された、前記切欠き部の形状にほぼ整合する形状をなす可動フランジとを備え、前記弾性係止片には、取付孔の裏側周縁に係合する係合段部が設けられ、前記弾性係止片は、前記可動フランジの内径側端部よりも所定距離だけ外径側に連結されており、前記取付孔に前記係合段部が係合した取付状態で、前記可動フランジが前記切欠き部にほぼ整合すると共に、該取付状態から前記固定フランジを乗り越えさせて前記可動フランジを内径側に寄せることにより、前記弾性係止片を更にすぼめることが可能とされていることを特徴とする。
本発明においては、前記弾性係止片は、前記係合段部よりも先端側で外径側へ向けて折曲されており、その折曲して延出された部分の先端に前記可動フランジが連結されていることが好ましい。
本発明においては、前記弾性係止片の折曲して延出された部分は、前記取付状態で、前記取付孔の表側周縁に当接しないように構成されていることが好ましい。
本発明においては、前記固定フランジの前記切欠き部の、前記可動フランジに整合する部分の表側縁部に、テーパ面が形成されていることが好ましい。
本発明においては、前記可動フランジは、内径側が切欠かれた扇形状をなしており、前記固定フランジの切欠き部は、前記可動フランジの形状にほぼ適合する形状をなしていることが好ましい。
本発明においては、前記ステム部は、前記固定フランジの裏面から、空隙を介して延出した一対の柱部を有し、前記弾性係止片は一対のものからなり、これら一対の弾性係止片が内方に撓んだときに、前記一対の柱部間の空隙に入り込んで、互いに当接可能に構成されていることが好ましい。
本発明においては、取付部材に形成された取付孔に、前記ステム部及び前記弾性係止片を挿入し、前記取付孔の表側周縁に可動フランジを係合させると共に、前記取付孔の裏側周縁に前記弾性係止片の係合段部を係合させて、取付部材にクリップを仮固定する際、可動フランジの内径側端部が前記弾性係止片に当接するように構成されていることが好ましい。
本発明によれば、ステム部及び弾性係止片を取付孔に挿入すると、弾性係止片がすぼめられつつ取付孔を通過し、弾性係止片の係合段部が取付孔の裏側周縁に係合すると、固定フランジ及び可動フランジが取付孔の表側周縁に当接するので、係合段部と、固定フランジ及び可動フランジとで取付孔周縁が挟持され、取付孔にクリップを固定することができる。
なお、例えばインシュレータ等の取付部材をボディパネル等の被取付部材に取付ける場合には、ステム部及び弾性係止片を取付部材の取付孔に予め挿入することにより、同取付孔の表側周縁に可動フランジが係合すると共に、取付孔の裏側周縁に弾性係止片の係合段部が係合するので、取付部材にクリップを仮固定することができる。その状態で、クリップのステム部と弾性係止片を、更に被取付部材の取付孔に挿入することにより、弾性係止片がすぼまって被取付部材の取付孔を通過し、弾性係止片の係合段部が被取付部材の取付孔の裏側周縁に係合して、取付部材を被取付部材に固定することができる。
こうして、クリップを被取付部材に取付けた状態では、可動フランジが固定フランジの切欠き部にほぼ整合するので、表側から見たときの外観を良好にすることができる。
また、クリップを取外したいときには、上記取付状態から固定フランジを乗り越えさせて可動フランジを内径側に寄せることにより、弾性係止片を更にすぼめることができるので、弾性係止片の係合段部と取付孔との係合を解除して、ステム部及び弾性係止片を取付孔からスムーズに引き抜くことができる。
更に、上記取外しの際、固定フランジが可動フランジと弾性係止片との間に挿入され、可動フランジが固定フランジに当接してその反り返りが防止されるので、クリップの変形が防止されると共に、弾性係止片を大きくすぼませて取付孔から無理なく引き抜くことができるので、クリップの再利用を図ることができる。
本発明のクリップの一実施形態を示す斜視図である。 同クリップを図1とは異なる方向から見た斜視図である。 同クリップを示し、(a)は断面図、(b)は底面図である。 同クリップの側面図である。 同クリップを取付部材の取付孔に仮固定した状態の断面図である。 同クリップを用いて、被取付部材に取付部材を取付けた状態を示し、(a)は断面図、(b)は平面図である。 同クリップを、被取付部材の取付孔に対する係合を解除した状態を示す断面図である。
以下、図1〜7を参照して、本発明のクリップの一実施形態について説明する。
このクリップは、所定の部材に形成された取付孔に挿入されて、同取付孔に固定されるものである。このクリップ10は、例えば、インシュレータ(防音材)や、トリムボード、パネル部材、ガーニッシュ、カバー、アシストグリップ等の取付部材5に形成された取付孔7に挿入されて仮固定され(図5参照)、更に、車体パネル等の被取付部材1に形成された取付孔3に挿入されて、前記取付部材5を被取付部材1に取付けるために用いられる(図6参照)。
図1に示すように、この実施形態におけるクリップ10は、周方向複数箇所に切欠き部22を有する固定フランジ20と、該固定フランジ20の裏面から延出されたステム部25と、該ステム部25の先端部から前記固定フランジ20側に向けて斜め外方に延出されると共に撓み可能とされた弾性係止片30と、該各弾性係止片30の先端に連結され、前記切欠き部22の形状にほぼ整合する形状をなす可動フランジ40とを備えている。
この実施形態における前記固定フランジ20は、本固定状態において、被取付部材1の取付孔3の裏側周縁に弾性係止片30の係合段部31(後述)が係合したときに、取付部材5の取付孔7の表側周縁に係合する一方(図6(a)参照)、仮固定状態において、同取付孔7の裏側周縁に弾性係止片30の係合段部31が係合したときには、取付部材5の表面から浮き上がって、取付孔7の表側周縁に係合しないものとなっている(図5参照)。
図2及び図3(a)に示すように、前記固定フランジ20は、その中心Cから斜め外方に向けて緩やかなカーブを描きつつスカート状に広がって、外周縁が円弧状をなすと共に、周方向に対向する箇所に一対の切欠き部22,22を有している。一対の切欠き部22,22は、内径側が切欠かれた扇形状の一対の可動フランジ40,40にほぼ適合する形状をなしている。
すなわち、固定フランジ20の周方向所定箇所が、直線状の内側縁部23と、該内側縁部23の両端から固定フランジ20の外径方向に向けて次第に離れる両側縁部24,24とにより切欠かれて、固定フランジ20に一対の切欠き部22,22が形成されている。各切欠き部22の内側縁部23,23は互いに平行とされ、固定フランジ20の中央部21(図2参照)は一定幅で形成されている。また、図2に示すように、切欠き部22の内側縁部23及び両側縁部24,24の、固定フランジ20の表側には、テーパ面23a及びテーパ面24a,24aがそれぞれ形成されている。
そして、図6(b)に示すように、各切欠き部22の内側縁部23及び両側縁部24,24に、後述する可動フランジ40の内径側端部43及び両側端部44,44がそれぞれ整合するようになっている。
なお、切欠き部の形状は上記形状に限定されるものではなく、少なくとも可動フランジ40の内径側端部が整合するような形状であればよい。例えば、円形傘状をなした固定フランジ20の対向する周縁を、互いに平行となるように直線状に切欠いて、これらの直線状に切欠いた部分を、本発明における切欠き部としてもよい。
前記ステム部25は、図1,4に示すように、固定フランジ20の中央部21の裏面側から空隙26を介して、延出した一対の柱部27,27を有している。図1及び図3(b)に示すように、一対の柱部27,27は、固定フランジ20の中心Cに対して斜め方向に対向した位置に設けられている。両柱部27,27の延出方向先端部は、丸みを帯びた連結部28により連結されていて、ステム部25全体の剛性が高められている。
前記弾性係止片30は、ステム部25先端の連結部28の両側から、固定フランジ20側に向けて斜め外方にそれぞれ延出された一対のものからなる。一対の弾性係止片30,30は、取付孔3,7に挿入されていない自由状態では、ステム部25の軸方向に対して斜め外方に向けて大きく広がり、取付孔3,7に挿入されたときに、これらの取付孔3,7の内周に押圧されて弾性変形してすぼむようになっている。
また、図1及び図3(b)に示すように、一対の弾性係止片30,30は、柱部27,27間の空隙26の両側開口に位置すると共に、一対の切欠き部22,22側に整合する位置で、撓み可能となるように対向して配置されている。その結果、一対の弾性係止片30,30を内方に撓ませたときに、両弾性係止片30,30が前記空隙26内にそれぞれ入り込み、互いに当接可能となっている。
各弾性係止片30の延出方向途中であって、その外径側には段状をなした係合段部31が所定高さでそれぞれ突設されている。この係合段部31は、クリップ10が取付部材5の取付孔7に仮固定されるときには、同取付孔7の裏側周縁に係合し(図5参照)、クリップ10が被取付部材1の取付孔3に固定されるときには、同取付孔3の裏側周縁に係合するようになっている(図6(a)参照)。
また、各弾性係止片30の前記係合段部31よりも延出方向先端側は、折曲部33を介して外径側へ向けて折曲されて、先端延出部35(本発明における弾性係止片の「折曲して延出された部分」)をなしている。この実施形態の先端延出部35は、弾性係止片30の基部側(ステム部25先端から所定長さ伸びる部分)に対して、ほぼ直交するように折曲されている。
図3に示すように、この先端延出部35は、その先端が可動フランジ40の裏面側の幅方向中央であって、可動フランジ40の内径側端部43から所定距離外径側の位置に連結されている。そのため、被取付部材1の取付孔3に、前記係合段部31が係合して、固定フランジ20の切欠き部22に可動フランジ40が整合した状態から、可動フランジ40を内径側に寄せるときに、可動フランジ40と先端延出部35との間に、固定フランジ20が挿入されるようになっている。
また、図6(a)に示すように、前記先端延出部35は、弾性係止片30の係合段部31が取付孔3の裏側周縁に係合したときに、前記固定フランジ20の中央部21に対してほぼ平行で、かつ、取付孔7の表側周縁に当接しない位置となるように形成されている。このように先端延出部35を固定フランジ20の中央部21に対しほぼ平行に設けたことにより、クリップ10が取付孔3,7に固定された状態から、図7に示すように可動フランジ40を内径側に寄せるとき、可動フランジ40と先端延出部35との間の奥まで固定フランジ20が入り込み、可動フランジ40を内径側に大きく寄せることができる。
更に、弾性係止片30の前記折曲部33は、斜めに面取りされた形状をなしているので(図3(a)参照)、一対の弾性係止片30,30を内方に撓ませたときに、折曲部33,33どうしが互いに突き当たって干渉することを最大限抑制することができ、図7に示すように一対の弾性係止片30,30を内方へ大きく撓ませることができるようになっている。
上記一対の弾性係止片30,30の各先端延出部35,35の先端には、一対の可動フランジ40,40が対向して、それぞれ連結されている。この実施形態における可動フランジ40は、取付部材5の取付孔7の裏側周縁に弾性係止片30の係合段部31が係合したときに、同取付孔7の表側周縁に係合すると共に(図5参照)、被取付部材1の取付孔3の裏側周縁に弾性係止片30の係合段部31が係合したときにも、取付部材5の取付孔7の表側周縁に係合するようになっている(図6(a)参照)。
図2,4に示すように、各可動フランジ40は、直線状の内径側端部43と、同内径側端部43の両端から外径方向に向けて次第に離れる両側端部44,44と、円弧状の外径側端部45とを有し、内径側が直線状に切欠かれ、外径側に向けて次第に幅広となる略扇形状をなしている。また、上述したように、各可動フランジ40には弾性係止片30の先端延出部35の先端が連結されており(図1及び図3(b)参照)、その結果、一対の弾性係止片30,30と一対の可動フランジ40,40とが一体化され、可動フランジ40を内径側に寄せると、それに伴って弾性係止片30がすぼまるようになっている。
図2及び図3に示すように、外力のない状態では、一対の弾性係止片30,30は、ステム部25先端から固定フランジ20側へ向けて斜め外方に伸びており、一対の可動フランジ40,40は、この弾性係止片30,30の先端延出部35の先端に連結されているので、固定フランジ20の切欠き部22,22の外側に、花びらのように開いた状態で配置されている。
そして、図6(a),(b)に示すように、取付孔3の裏側周縁に弾性係止片30,30の係合段部31、31が係合した固定状態では、一対の切欠き部22,22内に一対の可動フランジ40,40がそれぞれ入り込んで、各切欠き部22の内側縁部23及び両側縁部24,24に、各可動フランジ40の内径側端部43及び両側端部44,44がほぼ整合するようになっている。
この実施形態では、固定フランジ20の切欠き部22,22に、一対の可動フランジ40,40が整合すると、図6(b)に示すように、クリップ10の取付孔7の表側に配置される部分が、全体としてほぼ円形状をなすようになっている。この状態で前記固定フランジ20を乗り越えさせて、一対の可動フランジ40,40を互いに近づくように内径側に寄せることにより、一対の弾性係止片30,30を更にすぼめることが可能となっている(図7参照)。
図3(a)に示すように、各可動フランジ40は、内径側が肉薄で、外径側に向けて次第に肉厚に形成されていると共に、表面及び裏面が前記固定フランジ20に適合する緩やかなカーブを描いた形状となっている。また、可動フランジ40の裏面側には、前記外径側端部45に沿って平坦な係合面47が形成されており(図1,3参照)、この係合面47が取付孔3,7の表側周縁に係合する部分となっている。
上記のように、可動フランジ40が外径側に向けて次第に肉厚に形成されていることにより、可動フランジ40の剛性を外径側に向けて増大させることができ、取付孔3,7の表側周縁に対する可動フランジ40の係合力を高めることが可能となっている。また、可動フランジ40の表面が前記固定フランジ20に適合する曲面をなしていることにより、取付孔3,7にクリップ10が固定され、一対の切欠き部22,22に可動フランジ40,40が整合配置されたとき、固定フランジ20及び可動フランジ40の表面での凹凸を少なくして、見栄えを良くすることができるようになっている(図6(a)参照)。
更に、図2及び図3(b)に示すように、各可動フランジ40の内径側端部43及び両側端部44,44の裏側には、テーパ面43a及びテーパ面44a,44aが形成されている。これらのテーパ面43a,44a及び固定フランジ20に形成された前記テーパ面23a,24aによって、一対の可動フランジ40,40を内径側に寄せるときに、切欠き部22の各縁部23,24に引っ掛からずに固定フランジ20をスムーズに乗り越えさせることが可能となっている。
また、図5に示すように、取付部材5の取付孔7の裏側周縁に、弾性係止片30の係合段部31が係合すると共に、取付孔7の表側周縁に可動フランジ40の係合面47が係合して、クリップ10が取付孔7に仮固定された状態のとき、可動フランジ40の内径側端部43が、前記弾性係止片30の先端延出部35の一側面に当接するようになっている。
次に本発明のクリップ10の使用方法及び作用効果について説明する。
まず、インシュレータ等の取付部材5に形成された円形状の取付孔7に、その表側からクリップ10のステム部25及び一対の弾性係止片30,30を挿入していく(図1参照)。すると、取付孔7の内周に一対の弾性係止片30,30が押圧され、一対の弾性係止片30,30が内方に撓んですぼんでいく。そして、各弾性係止片30の係合段部31が取付孔7の裏側へ抜け出ると、一対の弾性係止片30,30が弾性復帰して、取付孔7の裏側周縁に係合段部31,31が係合すると共に、取付孔7の表側周縁に一対の可動フランジ40,40の係合面47が係合して、図5に示すように、取付孔7にクリップ10を仮固定することができる。
このとき、この実施形態においては、可動フランジ40の内径側端部43が、弾性係止片30の先端延出部35に当接するように構成されているので(図5参照)、可動フランジ40の反り返りを防止することができ、取付孔7にクリップ10をより強固に仮固定させることができる。
上記状態で、取付孔7の裏側から突出したクリップ10のステム部25及び一対の弾性係止片30,30を、車体パネル等の被取付部材1に形成された円形状の取付孔3に整合させて挿入していく。すると、取付孔3内周に一対の弾性係止片30,30が押圧されて、一対の弾性係止片30,30が更に内方に撓んですぼんでいくと共に、一対の可動フランジ40,40が固定フランジ20の一対の切欠き部22,22内に徐々に入り込んでいく。そして、各弾性係止片30の係合段部31が取付孔3の裏側へ抜け出ると、一対の弾性係止片30,30が弾性復帰して、被取付部材1の取付孔3の裏側周縁に係合段部31,31が係合すると共に、一対の切欠き部22,22内に一対の可動フランジ40,40が完全に入り込み、同一対の可動フランジ40,40の係合面47及び固定フランジ20の外周縁が、取付部材5の取付孔7の表側周縁に共に係合して、両者により被取付部材1及び取付部材5が挟み込まれて、クリップ10を介して被取付部材1に取付部材5を取付けることができる(図6参照)。
このとき、図6(b)に示すように、各切欠き部22の内側縁部23及び両側縁部24,24に、各可動フランジ40の内径側端部43及び両側端部44,44がほぼ整合するようになっているので、切欠き部22の内側縁部23と可動フランジ40の内径側端部43との隙間、及び、切欠き部22の両側縁部24,24と可動フランジ40の両側端部44,44との隙間を、最小限にすることができ、取付孔7の表側から見たときのクリップ10の外観を良好にすることができる。
また、この実施形態においては、上記のように取付孔3,7にクリップ10が固定された状態で、弾性係止片30の折曲して延出された先端延出部35が、取付孔7の表側周縁に当接しないようになっているので(図6(a)参照)、クリップ10に不測の外力(取付部材5を引き剥す力や、取付部材5を横ずれさせる力等)が作用した場合でも、先端延出部35に取付孔7の内周縁が当たりにくくなって、弾性係止片30が内方に撓んで縮径してしまうことを抑制することができ、クリップ10を取付孔3,7にしっかりと取付けた状態に保持することができる。
ところで、この実施形態においては、可動フランジ40は、内径側が切欠かれた扇形状をなすと共に、固定フランジ20の切欠き部22は、同可動フランジ40の形状にほぼ適合する形状をなしている。そのため、固定フランジ20の中央部21の幅をある程度広く残して、その剛性を高めることができると共に、後述するクリップ10の取外し時に、固定フランジ20を乗り越えさせて可動フランジ40を内径側に寄せる際に、一対の可動フランジ40,40どうしが干渉しないようにして、その移動量を大きくとることができる。
そして、車両のメンテナンスや取付部材5の交換等の理由で、取付部材5を被取付部材1から取外したい場合や、クリップ10自体を両部材の取付孔3,7から取外したい場合がある。
この場合、一対の可動フランジ40,40の外径側端部45,45を摘んで、両可動フランジ40,40どうしを互いに近づく方向(すなわち、取付孔3,7の内径側)に寄せていく。すると、図7に示すように、各可動フランジ40と各弾性係止片30の先端延出部35との間に、固定フランジ20の中央部21の両側がそれぞれ挿入されていくと共に、一対の可動フランジ40,40が固定フランジ20の表面に乗り上がり、それに連動して一対の弾性係止片30,30が更に内方へと撓んですぼんでいく。そして、被取付部材1の取付孔3の裏側周縁に係合段部31,31が係合しない程度に、一対の弾性係止片30,30をすぼませた後、ステム部25及び一対の弾性係止片30,30を取付孔3,7から引き抜くことにより、取付孔3,7からクリップ10を取外すことができると共に、被取付部材1から取付部材5を取外すことができる。
このように、このクリップ10においては、取付孔3,7に取付けられた状態から、固定フランジ20を乗り越えさせて、可動フランジ40,40を内径側に寄せることにより、一対の弾性係止片30,30を更にすぼめることができるので、弾性係止片30の係合段部31と取付孔3の裏側周縁との係合を解除して、ステム部25及び弾性係止片30を取付孔3,7からスムーズに引き抜くことができる。
また、上記のクリップ取外しの際、固定フランジ20が可動フランジ40と弾性係止片30の先端延出部35との間に挿入され、その状態で更に一対の可動フランジ40,40を内径側に寄せても、可動フランジ40の内径側端部43が固定フランジ20の表面側に当接して、可動フランジ40の反り返りが防止される。したがって、クリップ10の変形を防止しつつ、一対の弾性係止片30,30を大きくすぼませることでき、取付孔3,7からクリップ10を無理なくスムーズに引き抜くことが可能となって、クリップ10の再利用を図ることができる。
この実施形態においては、弾性係止片30の先端延出部35の先端に可動フランジ40が連結されていることにより、弾性係止片30の先端を、可動フランジ40の内径側端部43から外径側に大きく離れた位置で、可動フランジ40に連結することができるので、クリップ取外しに、一対の弾性係止片30,30を内径側に、より大きくすぼませることができる。
また、この実施形態においては、固定フランジ20の切欠き部22の各縁部23,24には、テーパ面23a,24aがそれぞれ形成されているので、クリップ10を取付孔3,7から取外すべく、可動フランジ40を内径側に寄せたときに(図7参照)、可動フランジ40を固定フランジ20の上面にスムーズに乗り上げさせることでき、取外し作業性を向上させることができる。
更に、この実施形態においては、ステム部25は、固定フランジ20の裏面から、空隙26を介して延出した一対の柱部27,27を有していることにより、一対の可動フランジ40,40を内径側に寄せたときに、一対の弾性係止片30,30を前記空隙26内に入り込ませて当接するまで撓ませることができるので、クリップ10を取付孔3,7から取外すときの、弾性係止片30の内方への撓み量を多く確保することができる。
1 被取付部材
3 取付孔
5 取付部材
7 取付孔
10 クリップ
20 固定フランジ
21 中央部
22 切欠き部
23a,24a テーパ面
25 ステム部
26 空隙
27,27 柱部
30 弾性係止片
31 係合段部
40 可動フランジ
43 内径側端部

Claims (7)

  1. 周方向複数箇所に切欠き部を有する固定フランジと、
    該固定フランジの裏面から延出されたステム部と、
    該ステム部の先端部から前記固定フランジ側に向けて斜め外方に延出された複数の弾性係止片と、
    該各弾性係止片の先端に連結された、前記切欠き部の形状にほぼ整合する形状をなす可動フランジとを備え、
    前記弾性係止片には、取付孔の裏側周縁に係合する係合段部が設けられ、
    前記弾性係止片は、前記可動フランジの内径側端部よりも所定距離だけ外径側に連結されており、
    前記取付孔に前記係合段部が係合した取付状態で、前記可動フランジが前記切欠き部にほぼ整合すると共に、該取付状態から前記固定フランジを乗り越えさせて前記可動フランジを内径側に寄せることにより、前記弾性係止片を更にすぼめることが可能とされていることを特徴とするクリップ。
  2. 前記弾性係止片は、前記係合段部よりも先端側で外径側へ向けて折曲されており、その折曲して延出された部分の先端に前記可動フランジが連結されている請求項1記載のクリップ。
  3. 前記弾性係止片の折曲して延出された部分は、前記取付状態で、前記取付孔の表側周縁に当接しないように構成されている請求項2記載のクリップ。
  4. 前記固定フランジの前記切欠き部の、前記可動フランジに整合する部分の表側縁部に、テーパ面が形成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のクリップ。
  5. 前記可動フランジは、内径側が切欠かれた扇形状をなしており、前記固定フランジの切欠き部は、前記可動フランジの形状にほぼ適合する形状をなしている請求項1〜4のいずれか1つに記載のクリップ。
  6. 前記ステム部は、前記固定フランジの裏面から、空隙を介して延出した一対の柱部を有し、
    前記弾性係止片は一対のものからなり、これら一対の弾性係止片が内方に撓んだときに、前記一対の柱部間の空隙に入り込んで、互いに当接可能に構成されている請求項1〜5のいずれか1つに記載のクリップ。
  7. 取付部材に形成された取付孔に、前記ステム部及び前記弾性係止片を挿入し、前記取付孔の表側周縁に可動フランジを係合させると共に、前記取付孔の裏側周縁に前記弾性係止片の係合段部を係合させて、取付部材にクリップを仮固定する際、可動フランジの内径側端部が前記弾性係止片に当接するように構成されている請求項1〜6のいずれか1つに記載のクリップ。
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