JP2011084193A - ランフラットタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】単糸膠着が発生したポリケトン繊維を用いたランフラットタイヤにおいて、タイヤ重量を低減しつつ、通常走行時の乗り心地とランフラット耐久性との両立を図る。
【解決手段】カーカス層2と、そのタイヤ半径方向外側に配設されたベルト層3とを有し、トレッド部12と、バットレス部13と、サイド部14とを備え、バットレス部からサイド部にわたるカーカス層の内側に断面三日月状のサイド補強ゴム層4が配設されてなるランフラットタイヤである。扁平率が50%以下であり、カーカスプライの補強材として
、単糸膠着率が30%より大きく、単糸繊度が0.5〜10dtexであり、引張強度が10.0cN/dtex以上であるポリケトン繊維からなるコードであって、ディップ処理済みコードとしての、最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲であり、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が0.3〜5%の範囲であるコードを用いた。
【選択図】図1

Description

本発明はランフラットタイヤ(以下、単に「タイヤ」とも称する)に関し、詳しくは、サイド補強タイプのランフラットタイヤにおけるカーカスコードの改良に関する。
一酸化炭素と、エチレンやプロピレンのようなオレフィンとを、パラジウムやニッケル等の遷移金属錯体を触媒として用いて重合させることにより、一酸化炭素とオレフィンとが実質的に完全に交互共重合したポリケトンが得られることが知られている(非特許文献1)。このようなポリケトンを産業資材用繊維として応用する検討が多くの研究者によってなされ、高強度や高弾性率、高温での寸法安定性、接着性、耐クリープ性等の特性を活かして、タイヤコード、ベルト等の補強繊維や、コンクリート補強用繊維といった複合材料用繊維への応用が期待されている。
特に、エチレンと一酸化炭素との繰り返し単位からなるポリケトンは、結晶性や融点が高いことから、高強度、高弾性率の繊維やフィルムが最も得やすく、高温下での物性変化や収縮率が小さい等、熱安定性が最も優れている。このようなポリケトン繊維を製造する際には、溶融紡糸が困難であるため、溶剤にポリケトンを溶解して、乾式または湿式紡糸法により繊維化が行われている。
ところが、溶剤として金属塩水溶液を用いてマルチフィラメントの湿式紡糸を行った場合、乾燥時にポリケトン繊維が単糸膠着を起こしやすいことが明らかとなった。このような単糸膠着は熱延伸後も残り、加撚時の強力利用率を低下させたり、単糸切れを発生させたりする原因となる。また、膠着によって原糸の強力利用率が低下しやすく、同時にフィラメントが乱れることで、タイヤコード等に適用した際に、ポリケトン繊維の熱収縮特性が阻害されやすいという問題もあった。
かかるポリケトン繊維に関する改良技術としては、例えば、特許文献1に、繰り返し単位の95モル%以上が所定構造で示されるポリケトンと金属塩水溶液とからなるポリケトン溶液を用いて湿式紡糸して得られ、単糸膠着率が30%以下であるポリケトン繊維が開示されている。
一方で、従来、パンク等によりタイヤの内圧が低下した状態でも、タイヤが荷重支持能力を失うことなくある程度の距離を安全に走行することが可能なタイヤ、いわゆるランフラットタイヤとして、タイヤのサイド部のカーカスの内側に比較的モジュラスが高い断面三日月状のサイド補強ゴム層を配置してサイド部の剛性を向上させ、内圧低下時にサイド部の撓み変形を極端に増加させることなく荷重を負担できるようにしたサイド補強タイプのランフラットタイヤが各種提案されている(特許文献2〜5参照)。
しかし、サイド補強タイプのランフラットタイヤは、サイド部に断面三日月状のサイド補強ゴム層を有するため、通常のタイヤに比べて縦バネが大きく、通常走行時の乗り心地が悪いという難点がある。また、サイド補強タイプのランフラットタイヤは、サイド補強ゴム層を有するため、通常のタイヤに比べてタイヤ重量が増加しており、バネ下重量が増えることで、操縦安定性が悪化するという問題も有する。さらに、サイド補強タイプのランフラットタイヤは、タイヤ重量の増加による車両入力の増大によって、車両自体の耐久性にも少なからず悪影響を及ぼしていると考えられる。
これに対し、サイド補強タイプのランフラットタイヤのタイヤ重量を低減するための手法としては、(1)サイド補強ゴム層のゲージを薄くすることや、(2)カーカスプライの層数を減らす(例えば、2枚を1枚にする)ことが有効であるが、いずれの手法を用いた場合においても、タイヤのランフラット耐久性が犠牲となるため、これらランフラット耐久性の向上と、タイヤ重量の低減とを両立することは困難であった。
特に、上記(2)に関しては、路面の凹凸(突起やポットホール)やうねり路での瞬間的な大入力、および、サイドウォールへの局部入力(サイドカット)等、悪路を通常内圧状態で走行する際に必要な耐久性や安全性(悪路耐久性)を確保する上で実施が困難になるケースが多く、通常は2枚以上のカーカスプライを適用せざるを得ない場合がほとんどであった。
また、従来、ランフラット耐久性や悪路耐久性を確保しつつ、カーカスプライの重量を低減するための手段として、カーカスプライの折り返し端をベルト下まで延ばして、カーカスの構造をいわゆるエンベロープ構造とすることがあるが、この場合、折り返しカーカスプライの巻上げが均一にならなかったり、カーカスプライのジョイント部が重なったりすることで、タイヤの均一性(ユニフォミティ)を著しく悪化させる場合が多かった。
特開2002−242025号公報(特許請求の範囲等) 特開2000−264012号公報 特表2002−500587号公報 特表2002−500589号公報 特開2004−306658号公報
「工業材料」12月号,第5頁,1997年
上記のように、単糸膠着を起こしたポリケトン繊維をタイヤコードとして用いると、単糸切れの発生や強力利用率の低下等に加え、熱収縮特性が阻害されやすいという問題があった。一方で、ランフラットタイヤにおいては、他性能を損なうことなく、かつ、通常走行時の乗り心地を悪化させずに、ランフラット耐久性の向上とタイヤ重量の低減とを両立することが求められていた。
そこで本発明の目的は、膠着が発生したポリケトン原糸における強度や弾性率の低下を抑制して、高強力および高弾性率を維持することで、撚糸およびディップ後でも高い熱収縮応力を発揮できるポリケトン繊維を実現し、かかるポリケトン繊維をカーカスプライの補強繊維として用いることで、特に扁平率50%以下のサイド補強タイプのランフラットタイヤにおいて、タイヤ重量を低減しつつ、通常走行時の乗り心地とランフラット耐久性との両立を図ることにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ランフラットタイヤのカーカスプライの補強材として、ある程度膠着が発生していても、特定の熱収縮応力および弾性率を満足し、単糸繊度および強力が所定の範囲内であるポリケトン繊維コードを用いることで、ランフラット耐久性を維持しつつ、通常走行時の乗り心地性を改善できるとともに、タイヤ重量の低減が可能となることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のランフラットタイヤは、一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する1枚以上のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配設された1層以上のベルト層とを有し、該カーカス層のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、該トレッド部の両端部に位置する一対のバットレス部と、該バットレス部と前記ビード部との間を連結する一対のサイド部とを備え、前記バットレス部から前記サイド部にわたる前記カーカス層の内側に、一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層が配設されてなるランフラットタイヤにおいて、
扁平率が50%以下であり、かつ、前記カーカスプライの補強材として、下記式(I)、
単糸膠着率(%)=[1−(見かけの単糸数/単糸数)]×100 (I)
(式中、見かけの単糸数は、繊維を10cmの長さに切断し、膠着して分繊ができない単糸の組を1本として数えたときの単糸の本数であり、単糸数は、前記繊維の製造に用いた紡口口金の孔数と同じ値である)で表される単糸膠着率が30%より大きく、単糸繊度が0.5〜10dtexであり、引張強度が10.0cN/dtex以上であるポリケトン繊維からなるコードであって、ディップ処理済みコードとしての、最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲であり、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が0.3〜5%の範囲であるコードを用いたことを特徴とするものである。
ここで、コードの最大熱収縮応力とは、一般的なディップ処理を施した加硫前のコードの、25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する最大応力(単位:cN/dtex)である。また、コードのディップ処理済みコードとしての乾熱処理時熱収縮率とは、オーブン中で150℃、30分の乾熱処理を行ない、熱処理前後の繊維長を、1/30(cN/dtex)の荷重をかけて計測して下式により求められる値である。
乾熱収縮率(%)=(Lb−La)/Lb×100
但し、Lbは熱処理前の繊維長、Laは熱処理後の繊維長である。
本発明においては、前記サイド補強ゴム層の、前記カーカス層に直交する方向における最大ゲージが30mm以下であることが好ましい。
本発明によれば、上記構成としたことにより、タイヤ重量を低減しつつ、通常走行時の乗り心地とランフラット耐久性との両立を図ったランフラットタイヤを実現することができる。すなわち、本発明においては、単糸膠着率が30%より大きいポリケトン繊維を、最適な撚り条件にて処理して、カーカスコードに適用するものとしたことで、カーカスプライとして必要な強度を維持しつつ、高温時に発現する熱収縮応力を最大化することが可能となった。さらに、本発明においては、特に、扁平率50%以下のタイヤにおいて、サイド補強ゴム層の最大ゲージを30mm以下にすることにより、ランフラットタイヤの縦ばねを低減して、乗り心地とランフラット耐久性とのより高度な両立を達成することができる。
本発明のランフラットタイヤの一例を示す幅方向片側断面図である。 撚糸用リングを示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に、本発明のランフラットタイヤの一例の幅方向片側断面図を示す。図示するように、本発明のランフラットタイヤは、左右一対のビード部11にそれぞれ埋設されたビードコア1間にトロイド状に延在する本体部、および、ビードコア1の周りにタイヤ幅方向内側から外側に向けて巻上げられた巻上げ部からなる1枚以上のカーカスプライからなるカーカス層2を骨格とし、カーカス層2のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部12と、その両端部に位置する一対のバットレス部13と、バットレス部13とビード部11との間を連結する一対のサイド部14とを備えており、バットレス部13からサイド部14にわたるカーカス層2の内側には、一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層3が配設されている。
また、図示するタイヤにおいては、カーカス層2の本体部と巻上げ部との間であってビードコア1のタイヤ半径方向外側に、ビードフィラー4が配置されており、カーカス層2のクラウン部のタイヤ半径方向外側には、2枚のベルト層からなるベルト5と、ベルト5の全体を覆うベルト補強層6Aと、ベルト補強層6Aの両端部のみを覆う一対のベルト補強層6Bとが順次配置されている。ここで、ベルト層は、通常、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びるコードのゴム引き層、好ましくは、スチールコードのゴム引き層からなり、2枚のベルト層は、各ベルト層を構成するコードが互いにタイヤ赤道面を挟んで交差するように積層されてベルト5を構成する。また、ベルト補強層6A,6Bは、通常、タイヤ周方向に対し実質的に平行に配列したコードのゴム引き層からなる。
図示するタイヤのカーカス層2は1枚のカーカスプライからなるが、本発明においては、カーカス層2を構成するカーカスプライの枚数はこれに限られるものではなく、2枚以上であってもよい。また、その構造も、ラジアルカーカスには特に限定されない。ビード部におけるカーカス層2の係止構造についても、図示するようにビードコアの周りに巻き上げて係止した構造に限られず、カーカス層の端部を2層のビードコアで挟み込んだ構造でもよい(図示せず)。
また、図示するベルト5は2枚のベルト層からなるが、本発明においては、ベルト5を構成するベルト層の枚数はこれに限られるものではない。さらに、図示するベルト補強層6A,6Bは、ベルト5の全体を覆う1層のベルト補強層6Aと、その両端部のみを覆う一対のベルト補強層6Bとから構成されて、いわゆるキャップ・レイヤー構造をなしているが、本発明においては、ベルト補強層6A,6Bの配設は必須ではなく、別の構造および層数のベルト補強層を配設することもできる。
さらに、図示するタイヤは、サイド部14からビード部11にわたる領域のカーカス層2の折り返し部のタイヤ幅方向外側に、断面略三角形状のリムガード7を備えているが、本発明においては、リムガード7の配設も必須ではなく、他の形状のリムガードを配設することもできる。
本発明においては、上記カーカス層2を構成するカーカスプライの補強材として、下記条件を満足するポリケトン繊維からなるコードを用いる点が重要である。すなわち、本発明において用いるポリケトン繊維は、下記式(I)、
単糸膠着率(%)=[1−(見かけの単糸数/単糸数)]×100 (I)
(式中、見かけの単糸数は、繊維を10cmの長さに切断し、膠着して分繊ができない単糸の組を1本として数えたときの単糸の本数であり、単糸数は、前記繊維の製造に用いた紡口口金の孔数と同じ値である)で表される単糸膠着率が30%より大きいものである。単糸膠着率が30%より大きいポリケトン繊維を、撚りやディップの条件を適宜調整することにより使いこなすことができれば、ポリケトンの製造条件を大きく緩和することが可能となる。
また、本発明において用いるポリケトン繊維は、単糸繊度が0.5〜10dtexであることが必要である。単糸繊度が0.5dtex未満であると、すだれ織物の製造からタイヤ製造におけるプロセスにおいて、緯糸切れが多発する懸念がある。一方、単糸繊度が10.0dtexを超えると、タイヤ製造の拡張工程において均一に破断しなくなり、カーカスコード配列の乱れが大きくなる懸念がある。
さらに、本発明において用いるポリケトン繊維は、引張強度が10.0cN/dtex以上であることが必要である。この引張強度が10cN/dtex未満の場合、タイヤとしての強度が不十分となる。また、引張強度が高いほど使用する繊維の重量を少なくすることができるため、好適には、引張強度15cN/dtex以上のポリケトン繊維を用いる。ここで、ポリケトン繊維の引張強度は、JIS−L−1013に準じて測定することにより得られる値である。
さらにまた、本発明に用いるポリケトン繊維コードは、ディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力が、0.1〜1.8cN/dtex、好適には0.4〜1.6cN/dtex、より好適には0.6〜1.4cN/dtexの範囲であることが必要である。これにより、ランフラット走行時のタイヤの撓みを抑制し、その結果として、タイヤのランフラット耐久性を良好に向上させることができる。かかるポリケトン繊維コードのディップ処理済みコードとしての最大熱収縮応力が0.1cN/dtex未満であると、ランフラット走行耐久性を十分に向上できない場合がある。一方、最大熱収縮応力が1.8cN/dtexを超えると、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
さらにまた、本発明に用いるポリケトン繊維コードは、ディップ処理済みコードとしての150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が0.3〜5%、好適には1〜3%の範囲であることが必要である。150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が0.3%未満であると、タイヤ製造時の加熱による引き揃え効率が著しく低下し、タイヤとしての強度が不十分となる。一方、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が5%を超えると、タイヤ製造時の加熱によりコードが著しく収縮するため、出来上がりのタイヤ形状が悪化する懸念がある。
なお、本発明に用いるポリケトン繊維の引張弾性率は、高いほど同一荷重下での寸法変化が小さく、形態安定性に優れることから、200cN/dtex以上、特には300cN/dtex以上であることが好ましい。ここで、ポリケトン繊維の引張弾性率は、JIS−L−1013に準じて測定することにより得られる値であり、具体的には、伸度0.1%における荷重と伸度0.2%における荷重とから算出した初期弾性率の値である。
本発明においては、カーカスプライの補強材として上記ポリケトン繊維からなるコードを用いたことで、コード量の低減によりタイヤの軽量化を図った場合でも、ランフラット耐久性と通常走行時の乗り心地とをいずれも確保することが可能となった。特に、カーカス層2を2枚以上のカーカスプライからなるものとする場合には、全てのカーカスプライについて上記条件を満足するポリケトン繊維からなるコードを用いることが必要である。本発明は特に、扁平率が50%以下、例えば30〜45%のタイヤにおいて有用である。
また、本発明においては、サイド補強ゴム層4の、カーカス層2に直交する方向における最大ゲージが30mm以下、例えば、4〜12mmであることが好ましい。特に、低扁平率のタイヤにおいて、サイド補強ゴム層4の最大ゲージを30mm以下とすることにより、タイヤの縦ばねを低減して、乗り心地とランフラット耐久性とをより高度に両立させることができる。また、タイヤの軽量化にも寄与できる。
本発明において、単糸膠着率が30%より大きいポリケトン繊維を撚糸する場合には、例えば、図2に示すような撚糸用リング21を用いることができる。図示する撚糸用リング21は、上端部にフランジ22を有し、フランジ22にC字状のトラベラー23が遊嵌されている。また、撚糸用リング21の中央空間には、高速で回転するスピンドル25にボビン26が取り付けられている。
ここで、ポリケトン繊維24は、トラベラー23を介してボビン26に巻き取られるが、この時、ポリケトン繊維24がトラベラー23と摺動するとともに、トラベラー23は撚糸用リング21のフランジ22に沿って摺動し、円周状に回転することによって、糸切れを防止しながら高速で繊維の巻取りを行うようになっている。本発明においては、トラベラー23の重量を50mg以上5g未満、特には100mg〜3g、さらには300mg〜1gとすることが好ましい。また、トラベラー23の回転数は、100rpm以上10000rpm未満、特には1000〜5000rpm、さらには1500〜2000rpmとすることが好ましい。
巻取り工程においては、トラベラー23がフランジ22に沿って摺動し、ポリケトン繊維24に張力が加わることになる。ここで、高張力が加わると、膠着率が高いポリケトン繊維24に対して強い引張りが生じ、強力保持率が低下してしまう。したがって、得られたポリケトン繊維コードをカーカスプライに適用すると、耐カット性が悪化してしまうこととなる。そこで、従来の撚糸条件よりも軽量のトラベラーを用いるとともに、トラベラー撚糸リングの回転数を少なくすることにより、ポリケトン繊維24に加わる張力を低下させて、強力保持率を高めることができる。上記範囲よりも速く撚糸すると、糸切れが発生しやすくなり、一方、100rpm未満の速度であると、工業的な生産性が著しく低下するため、いずれも望ましくない。
また、撚糸後のコードのディップ処理に際しては、ディップ液を含浸させた後、生コード内部に含浸したディップ液を最表面へ押出すために、絞りロールにて接着液量の調整を行う。この際、単糸膠着率が30%より大きい繊維では、ディップ液成分がコード内部に含浸しにくいため、ロール圧は、比較的低圧である250Pa〜1000Pa、好適には250Pa〜500Paとすることができる。これにより、コードが潰れてしまうという不具合の発生を防止することができる。この絞りロールによる処理によって、コード表面の膠着部分にも接着剤の成分を保持させることができるので、ゴムとの接着処理(RFL処理)において最も重要な、ディップコード最表面層の接着層を良好に形成することができ、単糸膠着率が30%以下の原糸では達成できなかった、ゴムとの良好な接着力を有するコードを得ることができ、これにより、耐久性に優れたタイヤを得ることが可能となる。上記効果を良好に得るためには、ポリケトン繊維の単糸膠着率は65%以上であることが好ましい。一方、85%を超えると、強力利用率が低下してしまうため、好ましくない。
カーカスプライは、上記条件を満足するポリケトン繊維からなるコードと、このコードを被覆するコーティングゴムとからなる。かかるポリケトン繊維を用いてカーカスプライを作製するに際しては、まず、かかるポリケトン繊維に、上記撚糸方法に従い所定の撚りを加えて、2〜3本にて撚り合せ、これを経糸として多数本引き揃え、それに細く弱い緯糸を荒く打込んでスダレ状とし、さらに、ゴムとの接着を行うための上記接着剤処理(ディップ処理)を行う。その後、所定の厚さのトッピングゴムで被覆し、ゴム被覆コードとする。次に、このゴム被覆コードの経糸が一定の長さとなるように裁断し、裁断面以外の両縁部を接合することで、タイヤのカーカスプライとすることができる。タイヤ成型時には、かかるカーカスプライをドラム成型機(または類似設備)上で経糸と同一方向に切断し、接合することにより筒状にする。
本発明において、上記ポリケトン繊維に用いるポリケトンは、下記一般式(II)、
Figure 2011084193
(式中、Aは不飽和結合によって重合された不飽和化合物由来の部分であり、各繰り返し単位において同一であっても異なっていてもよい)で表される。本発明においては、繰り返し単位の95モル%以上が1−オキソトリメチレンであることが好ましく、より好ましくは99モル%以上であり、100モル%が最も好ましい。
かかるポリケトンは、部分的にケトン基同士、不飽和化合物由来の部分同士が結合していてもよいが、不飽和化合物由来の部分とケトン基とが交互に配列している部分の割合が90質量%以上であることが好ましく、97質量%以上であることが更に好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、上記式(II)において、Aを形成する不飽和化合物としては、エチレンが最も好ましいが、プロピレン、ブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ドデセン、スチレン、アセチレン、アレン等のエチレン以外の不飽和炭化水素や、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、アクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ウンデセン酸、ウンデセノール、6−クロロヘキセン、N−ビニルピロリドン、スルニルホスホン酸のジエチルエステル、スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルピロリドンおよび塩化ビニル等の不飽和結合を含む化合物等であってもよい。
さらに、上記ポリケトンの重合度としては、下記式(III)、
Figure 2011084193
(上記式中、tおよびTは、純度98%以上のヘキサフルオロイソプロパノールおよび該ヘキサフルオロイソプロパノールに溶解したポリケトンの希釈溶液の25℃での粘度管の流過時間であり、cは、上記希釈溶液100mL中の溶質の質量(g)である)で定義される極限粘度[η]が、1〜20dL/gの範囲内にあることが好ましく、3〜8dL/gの範囲内にあることがより一層好ましい。極限粘度が1dL/g未満では、分子量が小さ過ぎて、高強度のポリケトン繊維コードを得ることが難しくなる上、紡糸時、乾燥時および延伸時に毛羽や糸切れ等の工程上のトラブルが多発することがあり、一方、極限粘度が20dL/gを超えると、ポリマーの合成に時間およびコストがかかる上、ポリマーを均一に溶解させることが難しくなり、紡糸性および物性に悪影響が出ることがある。
さらにまた、ポリケトン繊維は、結晶化度が50〜90%、結晶配向度が95%以上の結晶構造を有することが好ましい。結晶化度が50%未満の場合、繊維の構造形成が不十分であって十分な強度が得られないばかりか加熱時の収縮特性や寸法安定性も不安定となるおそれがある。このため、結晶化度としては50〜90%が好ましく、より好ましくは60〜85%である。
上記ポリケトンの繊維化方法としては、(1)未延伸糸の紡糸を行った後、多段熱延伸を行い、該多段熱延伸の最終延伸工程で特定の温度および倍率で延伸する方法や、(2)未延伸糸の紡糸を行った後、熱延伸を行い、該熱延伸終了後の繊維に高い張力をかけたまま急冷却する方法が好ましい。上記(1)または(2)の方法でポリケトンの繊維化を行うことで、上記ポリケトン繊維コードの作製に好適な所望のフィラメントを得ることができる。
ここで、上記ポリケトンの未延伸糸の紡糸方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特開平2−112413号、特開平4−228613号、特表平4−505344号に記載されているようなヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等の有機溶剤を用いる湿式紡糸法、国際公開第99/18143号、国際公開第00/09611号、特開2001−164422号、特開2004−218189号、特開2004−285221号に記載されているような亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液を用いる湿式紡糸法が挙げられ、これらの中でも、上記塩の水溶液を用いる湿式紡糸法が好ましい。
例えば、有機溶剤を用いる湿式紡糸法では、ポリケトンポリマーをヘキサフルオロイソプロパノールやm−クレゾール等に0.25〜20質量%の濃度で溶解させ、紡糸ノズルより押し出して繊維化し、次いでトルエン、エタノール、イソプロパノール、n−ヘキサン、イソオクタン、アセトン、メチルエチルケトン等の非溶剤浴中で溶剤を除去、洗浄してポリケトンの未延伸糸を得ることができる。
一方、水溶液を用いる湿式紡糸法では、例えば、亜鉛塩、カルシウム塩、チオシアン酸塩、鉄塩等の水溶液に、ポリケトンポリマーを2〜30質量%の濃度で溶解させ、50〜130℃で紡糸ノズルから凝固浴に押し出してゲル紡糸を行い、さらに脱塩、乾燥等してポリケトンの未延伸を得ることができる。ここで、ポリケトンポリマーを溶解させる水溶液には、ハロゲン化亜鉛と、ハロゲン化アルカリ金属塩またはハロゲン化アルカリ土類金属塩とを混合して用いることが好ましく、凝固浴には、水、金属塩の水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶媒等を用いることができる。
また、得られた未延伸糸の延伸法としては、未延伸糸を該未延伸糸のガラス転移温度よりも高い温度に加熱して引き伸ばす熱延伸法が好ましく、さらに、かかる未延伸糸の延伸は、上記(2)の方法では一段で行ってもよいが、多段で行うことが好ましい。熱延伸の方法としては、特に制限はなく、例えば、加熱ロール上や加熱プレート上に糸を走行させる方法等を採用することができる。ここで、熱延伸温度は、110℃〜(ポリケトンの融点)の範囲内が好ましく、総延伸倍率は、好適には10倍以上とする。
上記(1)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、上記多段熱延伸の最終延伸工程における温度は、110℃〜(最終延伸工程の一段前の延伸工程の延伸温度−3℃)の範囲が好ましく、また、多段熱延伸の最終延伸工程における延伸倍率は、1.01〜1.5倍の範囲が好ましい。一方、上記(2)の方法でポリケトンの繊維化を行う場合、熱延伸終了後の繊維にかける張力は、0.5〜4cN/dtexの範囲が好ましく、また、急冷却における冷却速度は、30℃/秒以上であることが好ましく、更に、急冷却における冷却終了温度は、50℃以下であることが好ましい。熱延伸されたポリケトン繊維の急冷却方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、ロールを用いた冷却方法が好ましい。なお、こうして得られるポリケトン繊維は、弾性歪みの残留は大きいため、通常、緩和熱処理を施し、熱延伸後の繊維長よりも繊維長を短くすることが好ましい。ここで、緩和熱処理の温度は、50〜100℃の範囲が好ましく、また、緩和倍率は、0.980〜0.999倍の範囲が好ましい。
また、ポリケトン繊維コードの高い熱収縮特性を最も効果的に活用するには、加工時の処理温度や使用時の成型品の温度が、最大熱収縮応力を示す温度(最大熱収縮温度)と近い温度であることが望ましい。具体的には、必要に応じて行われる接着剤処理におけるRFL処理温度や加硫温度等の加工温度が100〜250℃であること、また、繰り返し使用や高速回転によってタイヤ材料が発熱した際の温度は100〜200℃にもなることなどから、最大熱収縮温度は、好ましくは100〜250℃の範囲内、より好ましくは150〜240℃の範囲内である。
なお、本発明において、上記ポリケトン繊維を用いて、前述の物性値を満足するカーカスプライコードを得るための方法としては、ディップ処理時の温度やテンションを調節する方法が挙げられる。具体的には例えば、温度100〜250℃で、コード1本当たりのテンションを500g〜4kg程度かけて処理することにより、本発明の条件を満足するカーカスプライコードを得ることができる。
なお、本発明に用いるポリケトン繊維コードは、下記式(IV)、
Figure 2011084193
(式中、Tは撚り数(回/100mm)、Dはコードの総繊度(dtex)、ρはコードに使用される繊維素材の密度(g/cm)である)で定義される撚り係数αが0.25〜1.25の範囲であることが好ましい。ポリケトン繊維コードの撚り係数αが0.25未満では、熱収縮応力が十分に確保できず、一方、1.25を超えると、弾性率が十分に確保できず、補強能が小さくなる。
本発明のランフラットタイヤにおいては、上記カーカスプライの補強材等に係る条件を満足することのみが重要であり、それ以外のタイヤ構造の詳細や材料などについては特に制限されるものではなく、常法に従い製造することができる。また、本発明において、タイヤ内に充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を変えた空気、または窒素等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<ポリケトン繊維の調製例>
常法により調製したエチレンと一酸化炭素が完全交互共重合した極限粘度5.3のポリケトンポリマーを、塩化亜鉛65質量%/塩化ナトリウム10質量%含有する水溶液に添加し、80℃で2時間攪拌溶解し、ポリマー濃度8質量%のドープを得た。
このドープを80℃に加温し、20μm焼結フィルターでろ過した後に、80℃に保温した紡口径0.10mmφ、50ホールの紡口より10mmのエアーギャップを通した後に5質量%の塩化亜鉛を含有する18℃の水中に吐出量2.5cc/分の速度で押出し、速度3.2m/分で引きながら凝固糸条とした。
引き続き凝固糸条を濃度2質量%、温度25℃の硫酸水溶液で洗浄し、さらに30℃の水で洗浄した後に、速度3.2m/分で凝固糸を巻取った。この凝固糸にIRGANOX1098(Ciba Specialty Chemicals社製)、IRGANOX1076(Ciba Specialty Chemicals社製)をそれぞれ0.05質量%ずつ(対ポリケトンポリマー)含浸せしめた後に、該凝固糸を240℃にて乾燥後、仕上剤を付与して未延伸糸を得た。
仕上剤は以下の組成のものを用いた。
オレイン酸ラウリルエステル/ビスオキシエチルビスフェノールA/ポリエーテル(プロピレンオキシド/エチレンオキシド=35/65:分子量20000)/ポリエチレンオキシド10モル付加オレイルエーテル/ポリエチレンオキシド10モル付加ひまし油エーテル/ステアリルスルホン酸ナトリウム/ジオクチルリン酸ナトリウム=30/30/10/5/23/1/1(質量%比)。
得られた未延伸糸につき、Journal of AppliedPolymer Science Vol94,446−452(2004)の記載のとおり、延伸倍率および乾燥温度を適宜変更することにより、下記表中に示す物性を有するポリケトン原糸を得た。例えば、得られた未延伸糸を、1段目を240℃で、引き続き258℃で2段目、268℃で3段目、272℃で4段目の延伸を行った後に、引き続き5段目に200℃で1.08倍(延伸張力1.8cN/dtex)の5段延伸を行って、巻取機にて巻取り、未延伸糸から5段延伸糸までの全延伸倍率を17.1倍とした場合、この繊維原糸は引張強度15.6cN/dtex、伸度4.2%、引張弾性率347cN/dtexの高物性を有していた。
<タイヤの製造>
下記表中に示す物性を有するポリケトン繊維を用いて、所定の撚り条件にて、同表中に示す繊度および構造を有するポリケトン繊維コードを作製した。得られたコードを、それぞれカーカスプライの補強材に適用して、同表中に示すタイヤサイズを有するサイド補強タイプのランフラットタイヤを作製した。得られた各供試タイヤにつき、下記に従い縦バネ指数、ランフラット耐久性およびタイヤ重量の評価を行った。
(1)内圧充填時の縦バネ
230kPaの内圧を充填した供試タイヤの荷重−撓み曲線を測定し、得られた荷重−撓み曲線上のある荷重における接線の傾きを該荷重に対する縦バネ定数とし、それぞれタイヤサイズが同一の従来例のタイヤの縦バネ定数の値を100として指数表示した。指数値が小さい程、縦バネ定数が小さく、通常走行時の乗り心地に優れていることを示す。
(2)ランフラット耐久性
各供試タイヤに内圧を充填することなく、荷重4.17kN、速度89km/h、温度38℃の環境下でドラム試験を行い、タイヤが故障に至るまでの走行距離を測定して、それぞれタイヤサイズが同一の従来例のタイヤが故障に至るまでの走行距離を100として指数表示した。指数値が大きい程、故障に至るまでの走行距離が長く、ランフラット耐久性に優れていることを示す。
(3)カーカスプライの重量
常法に従い製造したカーカスプライの単位面積当たりの重量を測定し、それぞれタイヤサイズが同一の従来例を100として指数表示した。この数値が小さいほど、重量が少なく、良好であることを示す。
Figure 2011084193
*1)前記式(I)に従って得られる値である。
*2)一般的なディップ処理を施した加硫前のコードの、25cmの長さ固定サンプルを5℃/分の昇温スピードで加熱して、177℃時にコードに発生する最大応力(単位:cN/dtex)である。
*3)ディップ処理済みコードについてオーブン中で150℃、30分の乾熱処理を行ない、熱処理前後の繊維長を、1/30(cN/dtex)の荷重をかけて計測して、下式により求められる値である(但し、Lbは熱処理前の繊維長、Laは熱処理後の繊維長)。
乾熱収縮率(%)=(Lb−La)/Lb×100
Figure 2011084193
Figure 2011084193
Figure 2011084193
Figure 2011084193
ランフラット耐久性はサイド補強ゴム層のゲージに大きく依存するものの、上記表中に示すように、本発明の条件を満足するポリケトン繊維をカーカスプライの補強材として用いた各実施例のランフラットタイヤにおいては、タイヤ重量の増加および通常走行時の乗り心地の悪化を抑制しつつ、ランフラット耐久性を確保できることが明らかである。これにより、カーカスコードに用いるポリケトン繊維の単糸膠着率が高くても、かかるポリケトン繊維の物性値について本発明の条件を満足するものとすることで、単糸膠着率が低いポリケトン繊維を用いた従来例のタイヤと同等のランフラット耐久性が確保できることが確かめられた。
1 ビードコア
2 カーカス
3 サイド補強ゴム層
4 ビードフィラー
5 ベルト
6A,6B ベルト補強層
7 リムガード
11 ビード部
12 トレッド部
13 バットレス部
14 サイド部
21 撚糸用リング
22 フランジ
23 トラベラー
24 ポリケトン繊維
25 スピンドル
26 ボビン

Claims (2)

  1. 一対のビード部にそれぞれ埋設されたビードコア間にトロイド状に延在する1枚以上のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に配設された1層以上のベルト層とを有し、該カーカス層のクラウン部のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド部と、該トレッド部の両端部に位置する一対のバットレス部と、該バットレス部と前記ビード部との間を連結する一対のサイド部とを備え、前記バットレス部から前記サイド部にわたる前記カーカス層の内側に、一対の断面三日月状のサイド補強ゴム層が配設されてなるランフラットタイヤにおいて、
    扁平率が50%以下であり、かつ、前記カーカスプライの補強材として、下記式(I)、
    単糸膠着率(%)=[1−(見かけの単糸数/単糸数)]×100 (I)
    (式中、見かけの単糸数は、繊維を10cmの長さに切断し、膠着して分繊ができない単糸の組を1本として数えたときの単糸の本数であり、単糸数は、前記繊維の製造に用いた紡口口金の孔数と同じ値である)で表される単糸膠着率が30%より大きく、単糸繊度が0.5〜10dtexであり、引張強度が10.0cN/dtex以上であるポリケトン繊維からなるコードであって、ディップ処理済みコードとしての、最大熱収縮応力が0.1〜1.8cN/dtexの範囲であり、150℃×30分乾熱処理時熱収縮率が0.3〜5%の範囲であるコードを用いたことを特徴とするランフラットタイヤ。
  2. 前記サイド補強ゴム層の、前記カーカス層に直交する方向における最大ゲージが30mm以下である請求項1記載のランフラットタイヤ。
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