JP2011083596A - 冠動脈用カテーテル及びその係合方法 - Google Patents

冠動脈用カテーテル及びその係合方法 Download PDF

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    • A61M25/0021Catheters; Hollow probes characterised by the form of the tubing
    • A61M25/0041Catheters; Hollow probes characterised by the form of the tubing pre-formed, e.g. specially adapted to fit with the anatomy of body channels

Abstract

【課題】冠動脈口への導入をより迅速、確実且つ容易に行うことが可能な冠動脈用カテーテル及びその係合方法を提供する。
【解決手段】冠動脈用カテーテル10のカテーテル本体14は、本体部16と湾曲部18とからなる。湾曲部18は、本体部16から延伸して湾曲する第1カーブ20と、第1カーブ20より延伸する中間部21と、中間部21より延伸して第1カーブ20と同じ向きに湾曲する第2カーブ22と、第2カーブ22より延伸する略直線状の最先端部23とからなる。第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22は、略同一平面上に存在する。本体部16の上側に湾曲部18が位置し、且つ本体部16の右側に湾曲部18が位置する視点で湾曲部18を見たとき、最先端部23は、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面から奥側へ斜めに略直線状に延びている。
【選択図】図2

Description

本発明は、心臓又はその周辺組織の治療・造影用の冠動脈用カテーテル及びその係合方法に関する。
従来、冠動脈造影用カテーテルとしては、ジャドキンス(Jndkins)型、アンプラッツ(Amplatz)型等のカテーテルがあり、通常これらのカテーテルを大腿動脈よりセルジンガー法あるいはシース法により導入し、冠動脈を選択的に造影している。
また、カテーテルを用いた末梢部位の治療も現在広く普及している。その一例としては、バルーン付きカテーテルを用いた虚血性心疾患治療の経皮的冠動脈形成術(PTCA)が挙げられる。このような治療に際し、治療用カテーテルを安全且つ効率的に目的の血管まで挿入するためには、治療用カテーテルの性能が非常に重要であり、その挿入によって生じる反作用を緩和し、十分なバックアップ力を与え滑らかな導入を補助するガイディングカテーテルが必要とされる。このようなガイディングカテーテルの形状としては、上記した冠動脈造影用カテーテルと同様にジャドキンス(Judkins)型、アンプラッツ(Amplatz)型等が挙げられ、通常これらの形状のカテーテルを大腿動脈よりセルジンガー法あるいはシース法により導入し、冠動脈を選択的に確保した後、その内面にPTCA用バルーンカテーテル等の治療用カテーテルを導入している。
このような従来のカテーテルによる造影や治療においては、導入部位が大腿部であることにより、術後に穿刺部を止血するため、絶対安静が必要であり、したがって排尿、排便、飲食をも背臥位で行わねばならず、患者にとっては腰痛等、かなりの苦痛を伴うという問題があった。さらに大腿部からカテーテルを導入した場合には、絶対安静を保っていても出血する可能性があり、出血が後腹膜腔に及ぶと生命の危険があること、また、背臥位で排尿困難をきたす症例もあり、その場合は尿道カテーテルを用いることにより尿路感染症をきたす恐れがある等の問題があった。
これらの問題点を解消するための方法としては、腕の動脈、特に上腕動脈(Brachial Artery)または橈骨動脈(Radial Artery)からの導入が有効であるものと考えられる。すなわち、上腕穿刺部を伸ばした状態を保つのみで、手術直後より歩行可能であり、腰痛等もなく排尿、排便、飲食も通常通りに行え、また上記した後腹膜腔の出血や尿路感染症の心配もなくなる。このような事情に鑑み、下記特許文献1〜4では、腕からの導入に適する形状の冠動脈用カテーテルが提案されている。
特開平8−10247号公報 特開平8−215313号公報 特許第3078261号明細書 特許第3563540号明細書
ところで、ヒトの大動脈が存在する平面を仮定し、ヒトの大動脈の前側から大動脈及び左右の冠動脈を見たとき、左冠動脈口は前記平面よりも僅かに手前側に位置し、右冠動脈は前記平面よりも僅かに奥側に位置する。しかしながら、前記の特許文献1〜4に記載された冠動脈用カテーテルは、前述した大動脈と左右の冠動脈口の位置関係を考慮した形状設定がなされておらず、冠動脈口へのカテーテル先端の導入をより迅速・容易化するために、より改良された冠動脈用カテーテルの開発が望まれる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、腕の動脈を通してカテーテル先端を冠動脈口に導入可能なカテーテルであって、冠動脈口への導入をより迅速、確実且つ容易に行うことが可能な冠動脈用カテーテル及びその係合方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、腕の動脈から冠動脈口に先端を導入するための冠動脈用カテーテルであって、カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、前記湾曲部は、前記本体部から延伸して湾曲する第1カーブと、前記第1カーブより延伸する中間部と、前記中間部より延伸して前記第1カーブと同じ向きに湾曲する第2カーブと、前記第2カーブより延伸する略直線状の最先端部とからなり、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブは、略同一平面上に存在し、前記本体部の上側に前記湾曲部が位置し、且つ前記本体部の右側に前記湾曲部が位置する視点で前記湾曲部を見たとき、前記最先端部は、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブが存在する平面から奥側へ斜めに略直線状に延びている、ことを特徴とする。
上記の本発明の構成によれば、前述のような特定の視点で湾曲部を見たとき、湾曲部の最先端部が、第1カーブ、中間部及び第2カーブが存在する平面から逸脱して奥側へ(平面の裏側へ)斜めに略直線状に延びているので、冠動脈口にカテーテル先端を導入するのに好適であるように形状設定がなされている。すなわち、ヒトの大動脈が存在する平面(ヒトの上行大動脈とヒトの腕頭動脈が存在する平面)を仮定し、大動脈の前側から大動脈及び左右の冠動脈を見たとき、左冠動脈口は前記平面よりも僅かに手前側に位置し、右冠動脈口は前記平面よりも僅かに奥側に位置しているところ、本発明の冠動脈用カテーテルでは、最先端部が、第1カーブ、中間部及び第2カーブが存在する平面に対して前述のように斜めに延びているため、湾曲部が大動脈内に導入された際、大動脈が存在する面又はこれと平行な面に第1カーブ、中間部及び第2カーブが位置していても、最先端部が左冠動脈口側又は右冠動脈口側を指向する。このため、左右の冠動脈口へのカテーテル先端の導入をより迅速、確実、且つ容易に行うことが可能となる。
また、上記の冠動脈用カテーテルにおいて、前記最先端部が冠動脈口に係合したとき、前記冠動脈口と反対側の大動脈内壁に前記第1カーブが当接し、前記第1カーブと前記大動脈内壁が当接する長さは、10mm未満である、ことを特徴とする。
上記のように構成されることにより、第1カーブが大動脈内壁に当接してバックアップサポートがなされるが、第1カーブと大動脈内壁との接触長さが10mm未満であれば、第1カーブを回転支点として湾曲部の向きを変えやすく、従って、カテーテル先端(最先端部)の向きを変えやすい。このため、冠動脈用カテーテルの操作性を向上できる。
また、上記の冠動脈用カテーテルにおいて、前記湾曲部は、前記最先端部が前記冠動脈口に係合したとき、前記冠動脈口の軸線と前記最先端部の軸線とが傾斜するように(これらの軸線が平行ではなく交差するように)形状設定されている、ことを特徴とする。
上記のように構成されることにより、最先端部が冠動脈の奥側に進入し過ぎることが防止され、最先端部を適切な位置で冠動脈口に係合させることができる。
また、上記の冠動脈用カテーテルにおいて、前記湾曲部は、前記第1カーブ、前記中間部、前記第2カーブ及び前記最先端部の4つの要素のみで構成される、ことを特徴とする。
上記のように構成されることにより、カテーテルを血管内で走行させる際に、より多くのカーブを有するカテーテルより血管内抵抗が少なく、治療用デバイスのカテーテル内の通過性が良好であり、さらにカテーテルにトルクをかけやすい。
また、上記の冠動脈用カテーテルにおいて、前記湾曲部は、左冠動脈口及び右冠動脈口のいずれにも選択的に係合可能であるように形状設定されている、ことを特徴とする。
このように、左右の冠動脈に両用可能に構成される場合、係合対象を左冠動脈口から右冠動脈口に切り替えるときは、湾曲部を180°回転させれば、最先端部が右冠動脈口を指向し、逆に、係合対象を右冠動脈口から左冠動脈口に切り替えるときは、湾曲部を180°回転させれば最先端部が左冠動脈口を指向する。従って、係合対象を左冠動脈口と右冠動脈口との間で切り替える際においても、最先端部を左右の冠動脈口に容易に係合させることができる。
また、本発明は、腕の動脈を通して冠動脈口に先端を導入するための冠動脈用カテーテルを冠動脈口に係合させる冠動脈用カテーテルであって、前記冠動脈用カテーテルは、カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、前記湾曲部は、前記本体部から延伸して湾曲する第1カーブと、前記第1カーブより延伸する中間部と、前記中間部より延伸して前記第1カーブと同じ向きに湾曲する第2カーブと、前記第2カーブより延伸する略直線状の最先端部とからなり、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブは、略同一平面上に存在し、前記本体部の上側に前記湾曲部が位置し、且つ前記本体部の右側に前記湾曲部が位置する視点で前記湾曲部を見たとき、前記最先端部は、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブが存在する基準平面から奥側へ斜めに略直線状に延びており、前記湾曲部は、左冠動脈口及び右冠動脈口のいずれにも選択的に係合可能であるように形状設定されており、前記冠動脈用カテーテルは、さらに、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方に係合させるように構成され、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から外すように構成され、前記最先端部が大動脈壁に対して形成する角度が小さい方向に、前記最先端部を大動脈壁に沿って回転させるように構成され、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の他方に係合させるように構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、腕の動脈を通して冠動脈口に先端を導入するための冠動脈用カテーテルを冠動脈口に係合させる冠動脈用カテーテルの係合方法であって、前記冠動脈用カテーテルは、カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、前記湾曲部は、前記本体部から延伸して湾曲する第1カーブと、前記第1カーブより延伸する中間部と、前記中間部より延伸して前記第1カーブと同じ向きに湾曲する第2カーブと、前記第2カーブより延伸する略直線状の最先端部とからなり、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブは、略同一平面上に存在し、前記本体部の上側に前記湾曲部が位置し、且つ前記本体部の右側に前記湾曲部が位置する視点で前記湾曲部を見たとき、前記最先端部は、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブが存在する基準平面から奥側へ斜めに略直線状に延びており、前記湾曲部は、左冠動脈口及び右冠動脈口のいずれにも選択的に係合可能であるように形状設定されており、前記係合方法は、前記最先端部を左冠動脈及び右冠動脈口の一方に係合させるステップと、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から外すステップと、前記最先端部が大動脈壁に対して形成する角度が小さい方向に、前記最先端部を大動脈壁に沿って回転させるステップと、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の他方に係合させるステップと、を含む、ことを特徴とする。
上記の冠動脈用カテーテル及びその係合方法によれば、冠動脈用カテーテルの最先端部が第1カーブ、中間部及び第2カーブが存在する平面から逸脱して奥側へ(平面の裏側へ)斜めに略直線状に延びているので、左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から他方に移動する際に、大動脈壁に対して直角よりは小さい角度をもって接触した状態で、大動脈内壁に沿って回転する。このため、最先端部が湾曲部の他の部分と同じ平面上に存在するカテーテルと比較して、大動脈壁を傷つけにくい。
上記の冠動脈用カテーテル及びその係合方法において、前記中間部は、略直線状であり、前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、8〜35°に設定されているとよい。
このように最先端部の傾斜角度を設定することにより、中間部が略直線状である冠動脈用カテーテルの最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から他方に移動する際に、大動脈内壁に強く引っ掛かることなく、大動脈内壁に沿って回転することができる。
上記の冠動脈用カテーテル及びその係合方法において、前記中間部は、略直線状であり、前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、10〜30°に設定されているとよい。
このように最先端部の傾斜角度を設定することにより、中間部が略直線状である冠動脈用カテーテルの最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から他方に移動する際に、大動脈内壁に沿ってスムーズに回転することができ、かつ、冠動脈口への係合をスムーズに行うことができる。
上記の冠動脈用カテーテル及びその係合方法において、前記中間部は、前記第1カーブと同じ向きに湾曲する形状であり、前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、7〜36°に設定されているとよい。
このように最先端部の傾斜角度を設定することにより、中間部が湾曲形状である冠動脈用カテーテルの最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から他方に移動する際に、大動脈内壁に強く引っ掛かることなく、大動脈内壁に沿って回転することができる。
上記の冠動脈用カテーテル及びその係合方法において、前記中間部は、前記第1カーブと同じ向きに湾曲する形状であり、前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、11〜29°に設定されているとよい。
このように最先端部の傾斜角度を設定することにより、中間部が湾曲形状である冠動脈用カテーテルの最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から他方に移動する際に、大動脈内壁に沿ってスムーズに回転することができ、かつ、冠動脈口への係合をスムーズに行うことができる。
本発明の冠動脈用カテーテルによれば、最先端部が、カテーテル本体の湾曲部を大動脈内に導入したときに左冠動脈口側又は右冠動脈口側を指向するように、第1カーブ、中間部及び第2カーブが存在する平面に対して傾斜するので、左右の冠動脈口へのカテーテル先端の導入をより迅速、確実、且つ容易に行うことが可能となる。
本発明の冠動脈用カテーテルの係合方法によれば、左右の冠動脈壁の一方から他方に係合対象を切り替える際、最先端部が大動脈壁に対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動するので、大動脈壁を傷つけにくい。
本発明の第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテルを示す一部省略平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの立体形状を説明するための一部省略斜視図である。 図1に示す冠動脈用カテーテルのIII−III線での断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの血管への導入方法を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの先端をガイドワイヤーにより左右の冠動脈口の近傍まで導入した状態を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの先端を左冠動脈口に係合させた状態を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの先端を右冠動脈口に係合させた状態を示す概略説明図である。 図7のVIII−VIII線での断面図である。 比較例に係る冠動脈用カテーテルを示す一部省略平面図である。 比較例に係る冠動脈用カテーテルの先端を右冠動脈口に係合させた状態を示す図である。 図10のXI−XI線での断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る冠動脈用カテーテルを示す一部省略平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの立体形状を説明するための一部省略斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの先端を左冠動脈口に係合させた状態を示す概略説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの先端を右冠動脈口に係合させた状態を示す概略説明図である。 図15のXVI−XVI線での断面図である。 図17Aは、右冠動脈口から左冠動脈口に最先端部の係合対象を切り替える際の、第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテルの最先端部の挙動を示す図であり、図17Bは、右冠動脈口から左冠動脈口に最先端部の係合対象を切り替える際の、比較例に係る冠動脈用カテーテルの最先端部の挙動を示す図である。
以下、本発明に係る冠動脈用カテーテル及びその係合方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る冠動脈用カテーテル10(以下、カテーテル10ともいう)を示す一部省略平面図である。このカテーテル10は、腕の動脈(特に右腕の動脈)から左冠動脈口又は右冠動脈口に先端を導入するためのものである。
図1に示すように、カテーテル10は、可撓性を有する中空構造のカテーテル本体14と、このカテーテル本体14の基端部に形成されたハブ12とを有している。ハブ12は、造影剤等を注入する際の注入口又は治療用デバイスの挿入口として機能する。
カテーテル10をヒトの上腕動脈、好ましくは橈骨動脈から導入できるよう、カテーテル本体14の外径は、その全長にわたり2.7mm以下(好ましくは2.1mm以下)に設定される。腕から導入されたカテーテル10は腕頭動脈を経由して上行大動脈に到達する。
カテーテル本体14は、自然状態で略直線状の本体部16と、この本体部16から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部18とを有している。ここで、前記「自然状態」とは、外力を加えない状態を意味するものであり、以下の説明においても同様の意味として用いる。
本体部16は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)である。この本体部16の長さは特に限定されないが、400〜1000mmであれば好ましい。
湾曲部18は、本体部から延伸して湾曲する第1カーブ20と、第1カーブ20より延伸する中間部21と、中間部21より延伸して第1カーブ20と同じ向きに湾曲する第2カーブ22と、第2カーブ22より延伸する略直線状の最先端部23とから構成される。第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22は、略同一平面上に存在する。
第1カーブ20は、自然状態で湾曲した形状(図1中、本体部16から時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。本発明において、この第1カーブ20は、自然状態でその曲率半径R1が15〜25mm、角度(曲率中心回りの延在範囲)が70〜90°となるように設定されることが好ましい。図1に示した構成例では、第1カーブ20の曲率半径R1は15mm、その角度は88°に設定されている。
中間部21は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)である。中間部21の長さL1は、最先端部23が左冠動脈口に係合したとき左冠動脈口の反対側の大動脈内壁(上行大動脈右壁)に第1カーブ20が当接し、最先端部23が右冠動脈口に係合したとき右冠動脈口の反対側の大動脈内壁(上行大動脈左壁)に第1カーブ20が当接する長さとなるように設定される。これにより、第1カーブ20が確実に大動脈内壁に当たり、最先端部23が左冠動脈口又は右冠動脈口から外れることを防止できる。このような観点から、中間部21の長さL1は、大動脈の一方の壁から他方の壁へ横切り得る長さとして、例えば、10〜40mm程度とするのが好ましい。図1に示した構成例では、中間部21の長さL1は、20mmに設定されている。
第2カーブ22は、自然状態で湾曲した形状(図1中、本体部16から時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。本発明において、この第2カーブ22は、自然状態でその曲率半径R2が5〜10mm、角度が60〜65°となるように設定されるのが好ましい。図1に示した構成例では、第2カーブ22の曲率半径R2は8mm、その角度は65°に設定されている。
最先端部23は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)である。この最先端部23の長さL2は、左冠動脈口及び右冠動脈口に入り込み過ぎずかつ確実に挿入、留置できる程度に設定され、具体的には5〜50mm程度に設定されるのが好ましい。図1に示した構成例では、最先端部23の長さL2は7mmに設定されている。湾曲部18は、最先端部23が左冠動脈口に位置したとき、最先端部23が左冠動脈口の軸線方向に対して傾斜するように形状付けられている。
湾曲部18は、第1カーブ20、中間部21、第2カーブ22及び最先端部23の4つの要素のみで構成されることが好ましい。このように構成されることにより、カテーテル10を血管内で走行させる際に、より多くのカーブを有するカテーテルより血管内抵抗が少なく、治療用デバイスのカテーテル10内の通過性が良好であり、さらにカテーテル10にトルクをかけやすい。
上記のように形状設定されたカテーテル10は、左冠動脈口及び右冠動脈口のいずれに対しても選択的に最先端部23を係合させることが可能である。
図2は、第1の実施形態に係るカテーテル10の立体形状を説明するための一部省略斜視図である。図2示すように、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面Aを想定する。また、本体部16の上側に湾曲部18が位置し、且つ本体部16の右側に湾曲部18が位置する視点(図2中矢印X方向からの視点)で湾曲部18を見ることを想定したならば、最先端部23は、平面Aから奥側へ斜めに(平面Aから逸脱するように)略直線状に延びている。平面Aに対する最先端部23の傾斜角度αは、10〜30°、好ましくは16〜20°程度に設定される。図2に示した構成例では、傾斜角度αは16°に設定されている。αが最小角(10°)より小さいと、最先端部23が平面Aと非常に近い面に存在することとなり、冠動脈の奥にまで最先端部23が挿入されてしまう。αが最大角(30°)より大きいと、冠動脈に最先端部23が係合せず、無理に入れると反発力で血管壁を傷めるおそれがある。
図3は、図1に示す冠動脈用カテーテル10のIII−III線での断面図である。図3に示すように、カテーテル本体14のほぼ中心部には、ルーメン41が形成されている。このルーメン41は、カテーテル本体14の先端で開口している。
また、カテーテル本体14は、内側から外側に向かって内層42、中層43、外層44が同心的に積層された構造となっている。このような構成としたことにより、カテーテル本体14の折れ曲がりを防止するとともに、各層の構成材料、配合剤、表面性状等を変え、それらの利点を共有することが出来るという利点がある。
内層42、中層43及び外層44の構成材料としては、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6)、ポリエステル系ポリアミド系樹脂(例えば、グリラックス(商品名、メーカーDIC))、ポリエーテル系ポリアミド樹脂(例えば、ペバックス(商品名、メーカー/アトケム))、ポリウレタン、ABS樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂、ポリウレタンエラストマー樹脂、フッ素系樹脂(PFA、PTFE、ETFE等)が使用可能である。特に、内層42、中層43及び外層44の構成材料として、ABS樹脂、あるいはナイロンを使用することにより、湾曲部18に適度な強度を付与することができる。また、内層42にはフッ素系樹脂、好ましくはPTFEを使用することにより、ルーメン41に挿入されるガイドワイヤー48(図5参照)や治療用カテーテルの操作性が向上する。なお、カテーテル10の挿入は、X線透視下で、その位置を確認しつつ行う為、上記カテーテル本体14を構成する材料に、例えば硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステンのようなX線不透過材料を配合しておくことが好ましい。
また、内層42、中層43及び外層44の厚さは特に限定されないが、図示の例において、内層42は、中層43及び外層44に比べ、薄いものになっている。また、内層42、中層43及び外層44はそれぞれ適宜の接着剤により接着または熱により融着されるか、あるいは被覆成形等により一体成形される。なお、外層44と中層43は同じ樹脂からなる第1の層として形成されてもよい(図示せず)。
中層43には、補強材としての役割を有する金属メッシュ45が全周にわたって埋設されている。金属メッシュ45は内層42の外表面に接するように存在してもよい。この金属メッシュ45は、カテーテル10の長手方向に対しては、カテーテル本体14の先端より、所定長を除くほぼ全長にわたって埋没されている。金属メッシュ45の先端の位置は、カテーテル本体14の先端より0.5〜150mm(好ましくは1〜100mm)の範囲にあるのがよい。
このような金属メッシュ45を埋設することにより、カテーテル本体14の折れ曲がりを防止し、また、カテーテル本体14を回転させた時のトルク伝達性を向上させることができる。金属メッシュ45を構成するワイヤの断面は円形、長方形、略楕円形であってよい。
なお、カテーテル本体14の先端より所定長金属メッシュ45を埋設しないのは、カテーテル本体14の最先端まで金属メッシュ45が入っていると、カテーテル先端部で血管壁を傷つけてしまう恐れがあり、また、材質によっては先端近くまでメッシュ45を入れた場合カテーテルが硬くなり、後述の手技においてカテーテル先端が冠動脈口に入らず、左心室に入りやすくなってしまう為である。本発明のカテーテル10の先端は左心室や左心房へ到達させて使用するように構成されていない。
但し、金属メッシュ45が、カテーテル本体14の先端より150mmを越えた長さの部分に存在しないと前記のトルク伝達性が十分に得られない場合がある。
なお、金属メッシュ45を設けない部分の長さは、カテーテル本体14の材質、内外径差(内層42、中層43及び外層44の合計厚)、等により適宜決定される。例えば、カテーテル本体14の内外径の差が大きいもの、あるいは、弾性力の大きい材質のものほど、金属メッシュ45を設けない部分の長さを長くするのがよい。
金属メッシュ45の具体例としては、ステンレス、ステンレスばね線、タングステン、Ni−Ti、炭素繊維等の細径の線により構成されたものを挙げることができ、その線形は、例えば0.01〜0.2mm程度のものである。
第1の実施形態に係るカテーテル10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用及び効果について説明する。以下では、カテーテル10の使用方法について、治療用カテーテルとともに用いるガイディングカテーテルとして使用する場合を例として説明する。
図4に示すように、セルジンガー法によりカテーテルイントロデューサー47を上腕動脈、又は橈骨動脈50に穿刺し、ガイドワイヤー48を挿入した状態のカテーテル10を、カテーテルイントロデューサー47に挿入する。そして、カテーテル本体14の先端に対してガイドワイヤー48を先行させた状態で、カテーテル本体14の先端を、カテーテルイントロデューサー47の先端開口部から上腕動脈、又は橈骨動脈50内へ挿入する。
次に、カテーテル10、及びガイドワイヤー48を、図4中矢印方向に徐々に送り、図5に示すように、大動脈54の大動脈弓56を通して、上行大動脈58に挿入していく。この際、カテーテル本体14の先端が血管の屈曲部を通過するように、ガイドワイヤー48の出し入れ、カテーテル10の進退及び回転を適宜組み合わせた操作を行う。
図5に示すように、腕頭動脈52より上行大動脈58内へ導入されたカテーテル10は、心臓の左心室60の近傍まで導入される。このとき、カテーテル本体14の湾曲部18は、ルーメン41内に挿入されたガイドワイヤー48によって伸ばされているので、略直線形状を呈している。
その後、ガイドワイヤー48をカテーテル本体14から引き抜くと、湾曲部18は、元の湾曲形状に復帰する。この形状復帰により生じる反発力によって、図6に示すように、カテーテル先端が左冠動脈62の口部(左冠動脈口64)に向けられ、挿入される。これにより、カテーテル先端(最先端部23)が左冠動脈口64に係合する状態となる。なお、もし、左冠動脈口64にカテーテル先端が挿入されていなければ、適宜にカテーテル10の手元部に軽度の回転を与えることにより、最先端部23が左冠動脈口64に容易に挿入される。
最先端部23が左冠動脈口64に係合する状態において、第1カーブ20が左冠動脈口64と反対側に位置する上行大動脈右壁66に接触し、第1カーブ20においてバックアップサポートがなされる。カテーテル本体14は、前述のように形状付けられているため、高いバックアップ力が生じる。このバックアップ力により、カテーテル本体14の湾曲部18が上行大動脈58に対して良好に固定されるので、左冠動脈口64から最先端部23が外れにくい。
第1の実施形態に係るカテーテル10によれば、図2に示したように特定の視点で湾曲部18を見たとき、湾曲部18の最先端部23が、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面Aから奥側へ斜めに略直線状に延びているので、左冠動脈口64に最先端部23を導入するのに好適な形状設定がなされている。すなわち、ヒトの大動脈54が存在する平面A(ヒトの上行大動脈58と腕頭動脈52が存在する平面)を仮定し、大動脈54の前側から大動脈54及び左冠動脈口64を見たとき、左冠動脈口64は大動脈54が存在する平面Aよりも僅かに手前側に位置しているところ、本発明の冠動脈用カテーテル10では、最先端部23が、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面Aに対して傾斜する方向に延びているため、湾曲部18が大動脈54内に導入された際、大動脈54が存在する面又はこれと平行な面に第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が位置していても、最先端部23が左冠動脈口64側を指向する。このため、左冠動脈口64への最先端部23の導入をより迅速、確実、且つ容易に行うことが可能となる。
第1の実施形態に係るカテーテル10において、第1カーブ20は、大動脈内壁との接触長さH1が10mm未満となるように形状設定されているのが好ましい。第1カーブ20と大動脈内壁との接触長さが10mm未満であれば、第1カーブ20を回転支点として湾曲部18の向きを変えやすく、従って、カテーテル先端(最先端部23)の向きを変えやすい。このため、冠動脈用カテーテル10の操作性を向上できる。
図6に示すように、湾曲部18は、最先端部23が左冠動脈口64に係合したとき、左冠動脈口64の軸線と最先端部23の軸線とが傾斜するように形状設定されていることが好ましい。このように形状設定されることにより、最先端部23が冠動脈の奥側に進入し過ぎることが防止され、最先端部23を適切な位置で左冠動脈口64に係合させることができる。
以上の操作により最先端部23が左冠動脈口64に挿入された後は、ルーメン41からガイドワイヤー48を抜去し、ハブ12の後端に装着されたYコネクタ51(図4参照)にコネクタを接続して造影剤を注入する。注入された造影剤はルーメン41内を通りその先端開口から目的部位である左冠動脈62内に噴出される。これによりカテーテル先端の左冠動脈口64への挿入位置の確認、及び左冠動脈62の造影が可能となる。次に、Yコネクタ51の後端部、及びルーメン41を経由して、PTCAバルーンカテーテル等の治療用カテーテル(図示せず)を挿入する。
カテーテル10の最先端部23を右冠動脈口65に導入するには、右冠動脈口65に導入する場合と同様の操作を行って、図5に示すように大動脈54内にカテーテル10を導入する。この際、湾曲部18からガイドワイヤー48を抜いたときに湾曲部18が曲がる方向が右冠動脈63側となるようにカテーテル10を回転操作する。また、カテーテル10の最先端部23を左冠動脈口64に導入した状態から、右冠動脈口65へ導入対象を切り替える場合には、カテーテル10を、一旦図5の状態に戻し、湾曲部18を180°回転させる。
次に、ガイドワイヤー48をカテーテル本体14から引き抜くと、湾曲部18は、元の湾曲形状に復帰する。この形状復帰により生じる反発力によって、図7に示すように、最先端部23が右冠動脈63の口部(右冠動脈口65)に向けられ、挿入される。これにより、最先端部23が右冠動脈口65に係合する状態となる。なお、もし、右冠動脈口65に最先端部23が挿入されていなければ、適宜にカテーテル10の手元部に軽度の回転を与えることにより、最先端部23が右冠動脈口65に容易に挿入される。
最先端部23が右冠動脈口65に係合する状態において、第1カーブ20が右冠動脈口65と反対側に位置する上行大動脈左壁67に接触し、湾曲した第1カーブ20においてバックアップサポートがなされる。
図2に示したように特定の視点で湾曲部18を見たとき、湾曲部18の最先端部23が、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面Aから奥側へ斜めに略直線状に延びている。従って、カテーテル10は、右冠動脈口65に最先端部23を導入するのに好適であるように形状設定されている。すなわち、ヒトの大動脈54が存在する平面A(ヒトの上行大動脈58と腕頭動脈52が存在する平面)を仮定し、大動脈54の前側から大動脈54及び右冠動脈63を見たとき、右冠動脈口65は大動脈54が存在する平面Aよりも僅かに奥側に位置しているところ、本発明の冠動脈用カテーテル10では、最先端部23が、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面Aに対して前述のように斜めに延びているため、湾曲部18が大動脈54内に導入された際、大動脈54が存在する面又はこれと平行な面に第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が位置していても、湾曲部18が湾曲形状に戻るときに最先端部23が右冠動脈口65側を指向する。このため、右冠動脈口65への最先端部23の導入をより迅速、確実、且つ容易に行うことが可能となる。
また、カテーテル10は、左右の冠動脈口64、65に両用できるように形状設定されているため、係合対象を左冠動脈口64から右冠動脈口65に切り替えるときは、湾曲部18を180°回転させれば、最先端部23が右冠動脈口65を指向し、逆に、係合対象を右冠動脈口65から左冠動脈口64に切り替えるときは、湾曲部18を180°回転させれば最先端部23が左冠動脈口64を指向する。従って、係合対象を左冠動脈口64と右冠動脈口65との間で切り替える際においても、最先端部を左右の冠動脈口64、65に容易に係合させることができる。
図8は、図7のVIII−VIII線での断面図である。図2に示したように、最先端部は、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面Aに対して傾斜角度αで傾斜している。このため、図8に示すように、最先端部23が右冠動脈口65に係合しているとき、最先端部23の軸線は、右冠動脈口65の軸線に対して傾斜する。これにより、最先端部23が右冠動脈63の奥側に進入し過ぎることが防止され、最先端部23を適切な位置で右冠動脈口65に係合させることができる。
図9は、比較例に係る冠動脈用カテーテル70(以下、カテーテル70ともいう)を示す一部省略平面図である。このカテーテル70のカテーテル本体71は、本体部72と湾曲部73とからなり、湾曲部73は、第1カーブ75と中間部76と第2カーブ77と最先端部78とからなる。比較例に係るカテーテル70において、第1カーブ75、中間部76及び第2カーブ77の構成は、第1の実施形態における第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22と同様に構成されているが、最先端部78は、第1カーブ75、中間部76及び第2カーブ77が存在する平面と同じ平面上に存在する。
上記のように構成された比較例に係るカテーテル70の最先端部78は、第1カーブ75、中間部76及び第2カーブ77が存在する平面と同じ平面上に存在するため、湾曲部73が大動脈54内に導入された際、大動脈54が存在する面又はこれと平行な面に第1カーブ75、中間部76及び第2カーブ77が位置する場合には、湾曲部73が湾曲形状に戻るときに最先端部78が左冠動脈口64又は右冠動脈口65から僅かにずれた位置に指向する。このため、カテーテル70を回転操作して最先端部78が左冠動脈口64又は右冠動脈口65を指向するように微調整をする必要がある。これに対し、本発明のカテーテル10は、前述したように湾曲部18が湾曲形状に戻るときに最先端部23が左冠動脈口64側又は右冠動脈口65側を指向するので、左右の冠動脈口64、65へのカテーテル先端の導入をより迅速、確実、且つ容易に行うことが可能となる。
図10は、カテーテル70の最先端部78が右冠動脈口65に係合した状態を示す概略説明図であり、図11は、図10のXI−XI線での断面図である。前述したように比較例に係るカテーテル70の最先端部78は、第1カーブ75、中間部76及び第2カーブ77が存在する平面と同じ平面上に存在するため、図11に示すように、最先端部78が右冠動脈口65に係合したとき、最先端部78の軸線は、右冠動脈口65の軸線と略平行となる。これに対し、本発明のカテーテル10では、前述したように、最先端部23が右冠動脈口65に係合したとき、最先端部23の軸線が右冠動脈口65の軸線に対して傾斜するので、最先端部23が右冠動脈63の奥側に進入し過ぎることが防止され、最先端部23を適切な位置で右冠動脈口65に係合させることができる。
[第2の実施形態]
図12は、本発明の第2の実施形態に係る冠動脈用カテーテル10a(以下、カテーテル10aともいう)を示す一部省略平面図である。なお、第2の実施形態に係るカテーテル10aにおいて、上述した第1の実施形態に係るカテーテル10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図12に示すように、カテーテル10aは、可撓性を有する中空構造のカテーテル本体14aと、このカテーテル本体14aの基端部に形成されたハブ12とを有している。カテーテル本体14aの外径は、図1に示したカテーテル本体14と同様に、その全長にわたり2.7mm以下(好ましくは2.1mm以下)に設定される。
カテーテル本体14aは、図3に示したカテーテル本体14の構造と同様に、略中心部にルーメンを有し、内側から外側に向かって順に内層、中層及び外層が同心状に積層した構造を有し、該中層には金属メッシュが埋設されている。
カテーテル本体14aは、自然状態で略直線状の本体部16と、この本体部16から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部18aとを有している。湾曲部18aは、本体部から延伸して湾曲する第1カーブ30と、第1カーブ30より延伸する中間部31と、中間部31より延伸して第1カーブ30と同じ向きに湾曲する第2カーブ32と、第2カーブ32より延伸する略直線状の最先端部33とから構成される。第1カーブ30、中間部31及び第2カーブ32は、略同一平面上に存在する。
第1カーブ30は、自然状態で湾曲した形状(図12中、本体部16から時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。この第1カーブ30の曲率半径R3及び角度(曲率中心周りの延在範囲)の好ましい設定範囲は、第1の実施形態における第1カーブ20と同様である。図12に示した構成例では、第1カーブ30の曲率半径R3は15mm、その角度は70°に設定されている。
中間部31は、自然状態で湾曲した形状(図12中、第1カーブ30から時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。中間部31の曲率半径R3、角度及び弧の長さは、最先端部33が左冠動脈口64に係合したとき左冠動脈口64の反対側の大動脈内壁(上行大動脈右壁66)に第1カーブ30が当接し、最先端部33が右冠動脈口65に係合したとき右冠動脈口65の反対側の大動脈内壁(上行大動脈左壁67)に第1カーブ30が当接するように設定される。これにより、第1カーブ30が確実に大動脈内壁に当たり、最先端部33が左冠動脈口64又は右冠動脈口65から外れることを防止できる。このような観点から、中間部31の曲率半径R5は25〜70mm程度、その角度は30〜70°程度、その弧の長さは10〜40mm程度となるように設定されるのが好ましい。図12に示した構成例では、中間部31は、曲率半径R5が35mm、その角度が55°、その弧の長さが20mmに設定されている。
第2カーブ32は、自然状態で湾曲した形状(図12中、中間部31から時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。この第2カーブ32の曲率半径及び角度の好ましい設定範囲は、第1の実施形態における第1カーブ20と同様である。図12に示した構成例では、第2カーブ32の曲率半径R4は8mm、その角度は60°に設定されている。
最先端部33は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)である。この最先端部33の長さL3は、左冠動脈口64及び右冠動脈口65に入り込み過ぎずかつ確実に挿入、留置できる程度に設定され、具体的には5〜50mm程度に設定されるのが好ましい。図12に示した構成例では、最先端部33の長さL3は7mmに設定されている。湾曲部18aは、最先端部33が左冠動脈口64に位置したとき、最先端部33が左冠動脈口64の軸線方向に対して傾斜するように形状付けられている。
湾曲部18aは、第1カーブ30、中間部31、第2カーブ32及び最先端部33の4つの要素のみで構成されることが好ましい。このように構成されることにより、カテーテル10aを血管内で走行させる際に、より多くのカーブを有するカテーテルより血管内抵抗が少なく、治療用デバイスのカテーテル10a内の通過性が良好であり、さらにカテーテル10aにトルクをかけやすい。
上記のように形状設定されたカテーテル10aは、左冠動脈口64及び右冠動脈口65のいずれに対しても選択的に最先端部33を係合させることが可能である。
図13は、第2の実施形態に係るカテーテル10aの立体形状を説明するための一部省略斜視図である。図13示すように、第1カーブ30、中間部31及び第2カーブ32が存在する平面Bを想定する。また、本体部16の上側に湾曲部18aが位置し、且つ本体部16の右側に湾曲部18aが位置する視点(図13中矢印X方向からの視点)で湾曲部18aを見ることを想定したならば、最先端部33は、平面Bから奥側へ斜めに略直線状に延びている。平面Bに対する最先端部33の傾斜角度βは10〜30°、好ましくは16〜20°程度に設定される。図2に示した構成例では、傾斜角度βは18°に設定されている。
第2の実施形態に係るカテーテル10aは、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用及び効果について説明する。以下では、カテーテル10aの使用方法について、治療用カテーテルとともに用いるガイディングカテーテルとして使用する場合を例として説明する。
図14は、第2の実施形態に係るカテーテルの最先端部33を左冠動脈口64に係合させた状態を示す概略説明図である。最先端部33を左冠動脈口64に係合させる際のカテーテル10aの操作は、第1の実施形態に係るカテーテル10の場合と同様である。
前述したように、第2の実施形態に係るカテーテル10aによれば、最先端部33が、第1カーブ30、中間部31及び第2カーブ32が存在する平面Bに対して前述のように斜めに延びている。従って、第1の実施形態に係るカテーテル10と同様に、湾曲部18aが大動脈54内に導入された際、大動脈54が存在する面又はこれと平行な面に第1カーブ30、中間部31及び第2カーブ32が位置していても、最先端部33が左冠動脈口64側を指向する。このため、左冠動脈口64への最先端部33の導入をより迅速、確実、且つ容易に行うことが可能となる。
第2の実施形態に係るカテーテルにおいて、第1カーブ30は、大動脈内壁(図14では上行大動脈右壁66)との接触長さH2が10mm未満となるように形状設定されているのが好ましい。第1カーブ30と大動脈内壁との接触長さH2が10mm未満であれば、第1カーブ30を回転支点として湾曲部18aの向きを変えやすく、従って、カテーテル先端(最先端部33)の向きを変えやすい。このため、冠動脈用カテーテル10aの操作性を向上できる。
図14に示すように、湾曲部18aは、最先端部33が左冠動脈口64に係合したとき、左冠動脈口64の軸線と最先端部33の軸線とが傾斜するように形状設定されていることが好ましい。このように形状設定されることにより、最先端部33が左冠動脈62の奥側に進入し過ぎることが防止され、最先端部33を適切な位置で左冠動脈口64に係合させることができる。
図15は、第2の実施形態に係るカテーテルの最先端部33を右冠動脈口65に係合させた状態を示す概略説明図である。最先端部33を右冠動脈口65に係合させる際のカテーテル10aの操作は、第1の実施形態に係るカテーテル10の場合と同様である。図15に示すように、最先端部33が右冠動脈口65に係合する状態において、第1カーブ30が右冠動脈口65と反対側に位置する上行大動脈左壁67に接触し、第1カーブ30においてバックアップサポートがなされる。
前述のようにカテーテルでは、最先端部33が、第1カーブ30、中間部31及び第2カーブ32が存在する平面Bに対して前述のように斜めに延びている。従って、第1の実施形態に係るカテーテルと同様に、湾曲部18aが大動脈54内に導入された際、大動脈54が存在する面又はこれと平行な面に第1カーブ30、中間部31及び第2カーブ32が位置していても、湾曲部18aが湾曲形状に戻るときに最先端部33が右冠動脈口65側を指向する。このため、右冠動脈口65へのカテーテル先端の導入をより迅速、確実、且つ容易に行うことが可能となる。
図16は、図15のXVI−XVI線での断面図である。図13に示したように、最先端部33は、第1カーブ30、中間部31及び第2カーブ32が存在する平面Bに対して傾斜角度βで傾斜している。このため、図16に示すように、最先端部33が右冠動脈口65に係合しているとき、最先端部33の軸線は、右冠動脈口65の軸線に対して傾斜する。これにより、最先端部33が右冠動脈の奥側に進入し過ぎることが防止され、最先端部33を適切な位置で右冠動脈口65に係合させることができる。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する各構成部分については、第1の実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
[第1の実施形態に係るカテーテルの使用方法]
上記では、第1の実施形態に係るカテーテル10の使用方法について、カテーテル10の最先端部23を左冠動脈口64に係合させた後、一旦、最先端部23を上行大動脈58の中心付近まで戻してから最先端部23を回転させ、右冠動脈口65に係合対象を切り替える例について説明したが、以下のようにしてカテーテル10の最先端部23の係合を行ってもよい。
図5に示すように、腕頭動脈52より上行大動脈58内へ導入されたカテーテル10は、最先端部23が上行大動脈58に達するまで血管内をわずかに回転しながら進んでいく。腕頭動脈52の大動脈に近い部分の湾曲と、カテーテル10の湾曲部18の形状との関係により、カテーテル先端(最先端部23)が上行大動脈58に達したときは、カテーテル先端は自動的に右冠動脈口65を向きやすくなる。そのまま、カテーテル先端を右冠動脈口65に近づけ、カテーテル10の手元部を回転操作することにより最先端部23を右冠動脈口65に係合させる。カテーテル10の最先端部23を右冠動脈口65に係合させた後、所望の処置(例えば、上述した造影剤の注入や治療用カテーテルの挿入等)を行うことができる。
次に、右冠動脈口65から最先端部23を外す(最先端部23の係合を解除する)。この場合、最先端部23を上行大動脈58の中心付近まで戻すのではなく、最先端部23を右冠動脈口65の近傍に留まらせておく。このように右冠動脈口65から最先端部23を外し、カテーテル10の根元部を反時計回りに回転させると、カテーテル10のシャフトが大動脈54内(具体的には、上行大動脈58及び大動脈弓56の内部)で大動脈54の中心線(長軸)を軸線として、上行大動脈58側から大動脈弁側を見た視点で反時計回りの方向に回転する。
図17Aは、この場合の最先端部23の挙動を示すものであって、左右の冠動脈口64、65を含む、上行大動脈58の軸線に垂直な断面を示している。すなわち、最先端部23は、大動脈54の内壁58a(以下、大動脈壁58aという)に接触しながら、右冠動脈口65付近から患者の体の前側を経由するように回転して左冠動脈口64付近へ到達する。そして、さらに最先端部23を回転させて、最先端部23を左冠動脈口64に係合させる。
ところで、第1カーブ75、中間部76及び第2カーブ77が存在する平面と同じ平面上に最先端部78が存在するように形成されたカテーテル70(図9参照)を用いた手技において、上記と同様に大動脈壁58aに沿って最先端部78を回転させた場合、図17Bに示すように、最先端部78が大動脈壁58aに対してほぼ直角に接して大動脈壁58aに沿って回転する。このため、最先端部78が大動脈壁58aを傷つける恐れがある。
これに対し、本発明に係るカテーテル10では、最先端部23が、第1カーブ20、中間部21及び第2カーブ22が存在する平面Aに対して傾斜している(図2参照)。このため、大動脈壁58aに沿って最先端部23を上記のように回転させた場合、図17Aに示すように、最先端部23は、外周面が大動脈壁58aに接しながら、大動脈壁58aに対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動する。そのため、最先端部23が大動脈壁58aを傷つけにくい。
なお、左右の冠動脈口64、65への最先端部23の係合は、上記とは逆に、左冠動脈口64、右冠動脈口65の順番で行ってもよい。すなわち、先に、左冠動脈口64に最先端部23を係合させ、その後、最先端部23を左冠動脈口64から外し、カテーテル10の根元部を反時計回りに回転させる。すると、最先端部23が、上行大動脈58側から大動脈弁側を見た視点で反時計回りの方向に回転する。この場合、最先端部23は、大動脈壁58aに接触しながら、左冠動脈口64付近から患者の体の後側を経由するように回転して右冠動脈口65付近へ到達する。そして、さらに最先端部23を回転させて、最先端部23を右冠動脈口65に係合させる。この場合、最先端部23は、外周面が大動脈壁58aに接しながら、大動脈壁58aに対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動する。そのため、最先端部23が大動脈壁58aを傷つけにくい。
係合対象を右冠動脈口65から左冠動脈口64に切り替える際の最先端部23の移動のより良好な円滑性を考慮する場合には、右冠動脈口65に係合していた最先端部23を一旦図5の状態まで基端側に引き戻すことで最先端部23を大動脈壁58aから遠ざけてから、最先端部23を回転させて左冠動脈口64に向けてもよい。この場合において、ガイドワイヤーをカテーテル本体14から引き抜いて湾曲部18を元の湾曲形状に復帰させた際、最先端部23は左冠動脈口64に直接係合せず、主に左冠動脈口64よりも患者の前側寄りの箇所に接触する。最先端部23を左冠動脈口64に係合させるには、カテーテル10の根元部を反時計回りに回転させ、最先端部23を左冠動脈口64に移動させる。この場合、最先端部23は、外周面が大動脈壁58aに接触しながら、大動脈壁58aに対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動する。そのため、最先端部23が大動脈壁58aを傷つけにくい。
係合対象を左冠動脈口64から右冠動脈口65に切り替える際の最先端部23の移動のより良好な円滑性を考慮する場合には、左冠動脈口64に係合していた最先端部23を一旦図5の状態まで基端側に引き戻すことで最先端部23を大動脈壁58aから遠ざけてから、最先端部23を回転させて右冠動脈口65に向け、最先端部23を右冠動脈口65よりも患者の後側寄りの箇所に接触させ、右冠動脈口65に移動させる。この場合も、最先端部23は外周面が大動脈壁58aに接触しながら、大動脈壁58aに対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動する。
以上の説明から明らかなように、カテーテル10は、最先端部23を左冠動脈口64及び右冠動脈口65の一方に係合させるように構成され、最先端部23を左冠動脈口64及び右冠動脈口65の一方から外すように構成され、最先端部23が大動脈壁58aに対して形成する角度が小さい方向に、最先端部23を大動脈壁58aに沿って回転させるように構成され、最先端部23を左冠動脈口64及び右冠動脈口64の他方に係合させるように構成されている。
中間部21が直線状に形成されたカテーテル10の作用効果を確認するため、角度αが互いに異なる実施例1−1〜1−5と、傾斜角度αがゼロ、すなわち図10に示したカテーテル70(これを、比較例1とする)について、使用試験を実施した。この実験では、37℃の水中において、大動脈と冠動脈の透明な実物大模型に、各実施例および比較例1に係るカテーテル10、70を挿入し、最先端部23を右冠動脈口に係合させ、その後、最先端部23を右冠動脈口から外して図17Aの矢印C方向に相当する方向に回転させ、左冠動脈口に係合させた。その結果を下記表1に示す。
Figure 2011083596
ここで、表1中、角度αは、自然状態(何らの外力も作用していない状態)で最先端部23が図2に示した平面A(基準平面)に対して立体的に斜めに突出する角度である。角度α’は、最先端部23が大動脈壁に沿って移動する際の、最先端部23の平面Aに対する傾斜角度である(図17A参照)。角度α”は、最先端部23が冠動脈口に係合したときの、最先端部23が冠動脈の軸線に対して傾斜する角度である。
また、表1中、マル、三角、バツの記号は、大動脈又は冠動脈に対する影響の度合いを示すものであり、マルは、血管壁を傷つける可能性が極めて低いことを示し、三角は、血管壁を傷つける可能性が低いことを示し、バツは、血管壁を傷つける恐れがあることを示す。
表1に示すように、実施例1−1〜1−5があるが、ここでは代表的に実施例1−2(角度α=10°)について詳細に説明し、その他の実施例については、概略のみを説明する。
実施例1−2に係るカテーテル10を上述した模型内に挿入し、最先端部23を右冠動脈口に係合させた。この場合、図8を参照して説明したとおり、最先端部23は右冠動脈口に対して同軸ではなく、僅かに斜めになっていた。このため、最先端部23は、その外周面が右冠動脈口の内壁の側面に接触した状態で、右冠動脈口に係合した。この状態で、ガイドワイヤー入りバルーンカテーテルを右冠動脈内に挿入したが引っ掛かりなどなく、容易に操作することができた。
次に、最先端部23を右冠動脈口から外した後、カテーテル10の根元部を反時計回りに回した。このときカテーテル10の最先端部23は変形するが、大動脈壁に対して直角より小さい角度を形成して大動脈壁に接触しながらスムーズに回転した。カテーテル10の最先端部23に引っ掛かりなどは無かった。さらに、カテーテル10を操作することで、最先端部23が左冠動脈口64に対して非同軸状態、すなわち左冠動脈口64の軸線に対して傾斜した状態で係合した。この状態で、ガイドワイヤー入りバルーンカテーテルを左冠動脈内に挿入したが引っ掛かりなどなく、容易に操作することができた。
実施例1−1については、最先端部23は、大動脈壁に接触しながら回転するときには僅かに引っ掛かりを感じたが比較的スムーズに回転した。また、最先端部23は、冠動脈口とほぼ同軸で係合した。特に右冠動脈口に対する係合時には最先端部23は右冠動脈の奥まで入った。
実施例1−3及び実施例1−4については、最先端部23は、大動脈壁に接触しながらスムーズに回転した。また、最先端部23は、その外周面が冠動脈口の内壁に接触した。
実施例1−5については、最先端部23は、大動脈壁に接触しながらスムーズに回転した。また、最先端部23は、冠動脈口に入りにくく、冠動脈壁に先端が突き当たった。
比較例1については、以下のようになった。最先端部78は、右冠動脈口に同軸で係合した。この状態で、ガイドワイヤー入りバルーンカテーテルを右冠動脈内に挿入したが引っ掛かりなどなく、容易に操作することができた。次に、最先端部78を右冠動脈口から外した後、カテーテル70の根元部を反時計回りに回すと、カテーテル70の最先端部78は大動脈壁に対してほぼ直角を形成して大動脈壁に接触しながら回転した。このとき、カテーテル70の最先端部78に抵抗あるいは引っ掛かりを感じた。さらに、カテーテル70を操作することで、最先端部78が左冠動脈口に対して同軸状態で係合した。この状態で、ガイドワイヤー入りバルーンカテーテルを左冠動脈内に挿入したが引っ掛かりなどなく、容易に操作することができた。
以上のように、第1の実施形態に係るカテーテル10を用いた係合方法によれば、左右の冠動脈口64、65の一方から他方に係合対象を切り替える際、最先端部23が大動脈壁58aに対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動するので、大動脈壁58aを傷つけにくい。
上記の試験結果によれば、中間部21が略直線状に形成された第1の実施形態に係るカテーテル10において、最先端部23と平面Aとのなす角は、8〜35°に設定されるのがよく、10〜30°に設定されるのがより好ましい。
[第2の実施形態に係るカテーテルの使用方法]
上記では、第2の実施形態に係るカテーテル10a(図13参照)の使用方法について、カテーテル10aの最先端部33を左冠動脈口64に係合させた後、一旦、最先端部33を上行大動脈58の中心付近まで戻してから最先端部33を回転させ、右冠動脈口65に係合対象を切り替える例について説明した。しかし、上述した第1の実施形態に係るカテーテル10と同様に、第2の実施形態に係るカテーテル10aについて、以下のような手順で最先端部33を冠動脈口に係合させてもよい。
すなわち、腕頭動脈52を通してカテーテル10aを上行大動脈58に導入したら、右冠動脈口65に最先端部33を係合させ、その後、最先端部33を右冠動脈口65から外し、カテーテル10aの根元部を反時計回りに回転させる。すると、最先端部33が、上行大動脈58側から大動脈弁側を見た視点で反時計回りの方向に回転する。この場合、最先端部33は、大動脈壁58aに接触しながら、大動脈壁58aに対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動することで、右冠動脈口65付近から患者の体の前側を経由するように回転して左冠動脈口64付近へ到達する。そして、さらに最先端部33を回転させて、最先端部33を左冠動脈口64に係合させる。なお、左右の冠動脈口64、65への最先端部33の係合は、上記とは逆に、左冠動脈口64、右冠動脈口65の順番で行ってもよい。
係合対象を右冠動脈口65から左冠動脈口64に切り替える際の最先端部33の移動のより良好な円滑性を考慮する場合には、右冠動脈口65に係合していた最先端部33を一旦図5の状態まで基端側に引き戻すことで最先端部33を大動脈壁から遠ざけてから、最先端部33を回転させて左冠動脈口64に向け、最先端部33を左冠動脈口64よりも患者の前側寄りの箇所に接触させ、左冠動脈口64に移動させる。また、係合対象を左冠動脈口64から右冠動脈口65に切り替える際の最先端部33の移動のより良好な円滑性を考慮する場合には、左冠動脈口64に係合していた最先端部33を一旦図5の状態まで基端側に引き戻すことで最先端部33を大動脈壁から遠ざけてから、最先端部33を回転させて右冠動脈口65に向け、最先端部33を右冠動脈口65よりも患者の後側寄りの箇所に接触させ、右冠動脈口65に移動させる。いずれの場合も、最先端部33は外周面が大動脈壁に接触しながら、大動脈壁に対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動する。
以上の説明から明らかなように、カテーテル10aは、最先端部33を左冠動脈口64及び右冠動脈口65の一方に係合させるように構成され、最先端部33を左冠動脈口64及び右冠動脈口65の一方から外すように構成され、最先端部33が大動脈壁58aに対して形成する角度が小さい方向に、最先端部33を大動脈壁58aに沿って回転させるように構成され、最先端部33を左冠動脈口64及び右冠動脈口64の他方に係合させるように構成されている。
中間部31が湾曲形状に形成されたカテーテル10a(図13参照)の作用効果を確認するため、角度βが互いに異なる実施例2−1〜2−5と、角度βがゼロの比較例2(図13に示したカテーテル10aにおいて最先端部33の平面Bに対する角度をゼロに設定したものに相当)について、使用試験を実施した。この実験では、37℃の水中において、大動脈と冠動脈の透明な実物大模型に、実施例2−1〜2−5及び比較例2に係るカテーテルを挿入し、最先端部を右冠動脈口に係合させ、その後、最先端部を右冠動脈口から外して図17Aの矢印C方向に相当する方向に回転させ、左冠動脈口に係合させた。その結果を下記表2に示す。
Figure 2011083596
ここで、表2中、角度βは、自然状態(何らの外力も作用していない状態)で最先端部33が図13に示した平面B(基準平面)に対して立体的に斜めに突出する角度である。角度β’は、最先端部33が大動脈壁58aに沿って移動する際の、最先端部33の平面Bに対する傾斜角度である。角度β”は、最先端部33が冠動脈口に係合したときの、最先端部33が冠動脈の軸線に対して傾斜する角度である。表2中のマル、三角、バツの記号は、表1中の同一の記号と同じ意味である。
実施例2−1〜2−5及び比較例2については、それぞれ、上述した実施例1−1〜1−5及び比較例2とほぼ同様の結果が得られた。そのため、以下では、これらの結果の概略のみを説明する。
実施例2−1については、最先端部33は、大動脈壁に接触しながら回転するときには僅かに引っ掛かりを感じたが比較的スムーズに回転した。また、最先端部33は、冠動脈口とほぼ同軸で係合した。特に右冠動脈口に対する係合時には最先端部33は右冠動脈の奥まで入った。
実施例2−2については、大動脈壁に接触しながら回転するときには僅かに引っ掛かりを感じたが比較的スムーズに回転した。また、最先端部33が冠動脈口に係合した際、最先端部33は冠動脈口(冠動脈内)に位置した。
実施例2−3及び実施例2−4については、最先端部33は、大動脈壁に接触しながらスムーズに回転した。また、最先端部33は、その外周面が冠動脈口の内壁に接触した。
実施例2−5については、最先端部33は、大動脈壁に接触しながらスムーズに回転した。また、最先端部33は、冠動脈口に入りにくく、冠動脈壁に先端が突き当たった。
比較例2については、最先端部33が大動脈壁に対してほぼ直角を形成して大動脈壁に接触しながら回転する際、カテーテルの最先端部33に抵抗あるいは引っ掛かりを感じた。また、最先端部33は、冠動脈口に対して同軸状態で係合し、特に、右冠動脈では奥まで入った。
以上のように、第2の実施形態に係るカテーテル10aを用いた係合方法によれば、左右の冠動脈口64、65の一方から他方に係合対象を切り替える際、最先端部33が大動脈壁58aに対して直角よりは小さい角度を形成した状態でスムーズに移動するので、大動脈壁58aを傷つけにくい。
上記の試験結果によれば、中間部31が湾曲形状に形成された第2の実施形態に係るカテーテル10aにおいて、最先端部33と平面Aとのなす角は、7〜36°に設定されるのがよく、11〜29°に設定されるのがより好ましい。
上記において、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、10a…冠動脈用カテーテル 14、14a…カテーテル本体
16…本体部 18、18a…湾曲部
20、30…第1カーブ 21、31…中間部
22、32…第2カーブ 23、33…最先端部

Claims (15)

  1. 腕の動脈から冠動脈口に先端を導入するための冠動脈用カテーテルであって、
    カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、
    前記湾曲部は、前記本体部から延伸して湾曲する第1カーブと、前記第1カーブより延伸する中間部と、前記中間部より延伸して前記第1カーブと同じ向きに湾曲する第2カーブと、前記第2カーブより延伸する略直線状の最先端部とからなり、
    前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブは、略同一平面上に存在し、
    前記本体部の上側に前記湾曲部が位置し、且つ前記本体部の右側に前記湾曲部が位置する視点で前記湾曲部を見たとき、前記最先端部は、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブが存在する平面から奥側へ斜めに略直線状に延びている、ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  2. 請求項1記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記最先端部が冠動脈口に係合したとき、前記冠動脈口と反対側の大動脈内壁に前記第1カーブが当接し、前記第1カーブと前記大動脈内壁が当接する長さは、10mm未満である、ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  3. 請求項1又は2記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記湾曲部は、前記最先端部が前記冠動脈口に係合したとき、前記冠動脈口の軸線と前記最先端部の軸線とが傾斜するように形状設定されている、ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記湾曲部は、前記第1カーブ、前記中間部、前記第2カーブ及び前記最先端部の4つの要素のみで構成される、ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記湾曲部は、左冠動脈口及び右冠動脈口のいずれにも選択的に係合可能であるように形状設定されている、ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  6. 腕の動脈を通して冠動脈口に先端を導入するための冠動脈用カテーテルを冠動脈口に係合させる冠動脈用カテーテルであって、
    前記冠動脈用カテーテルは、
    カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、
    前記湾曲部は、前記本体部から延伸して湾曲する第1カーブと、前記第1カーブより延伸する中間部と、前記中間部より延伸して前記第1カーブと同じ向きに湾曲する第2カーブと、前記第2カーブより延伸する略直線状の最先端部とからなり、
    前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブは、略同一平面上に存在し、
    前記本体部の上側に前記湾曲部が位置し、且つ前記本体部の右側に前記湾曲部が位置する視点で前記湾曲部を見たとき、前記最先端部は、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブが存在する基準平面から奥側へ斜めに略直線状に延びており、
    前記湾曲部は、左冠動脈口及び右冠動脈口のいずれにも選択的に係合可能であるように形状設定されており、
    前記冠動脈用カテーテルは、さらに、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方に係合させるように構成され、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から外すように構成され、前記最先端部が大動脈壁に対して形成する角度が小さい方向に、前記最先端部を大動脈壁に沿って回転させるように構成され、前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の他方に係合させるように構成されている、
    ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  7. 請求項6記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記中間部は、略直線状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、8〜35°に設定されている、
    ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  8. 請求項6記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記中間部は、略直線状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、10〜30°に設定されている、
    ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  9. 請求項6記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記中間部は、前記第1カーブと同じ向きに湾曲する形状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、7〜36°に設定されている、
    ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  10. 請求項6記載の冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記中間部は、前記第1カーブと同じ向きに湾曲する形状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、11〜29°に設定されている、
    ことを特徴とする冠動脈用カテーテル。
  11. 腕の動脈を通して冠動脈口に先端を導入するための冠動脈用カテーテルを冠動脈口に係合させる冠動脈用カテーテルの係合方法であって、
    前記冠動脈用カテーテルは、
    カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、
    前記湾曲部は、前記本体部から延伸して湾曲する第1カーブと、前記第1カーブより延伸する中間部と、前記中間部より延伸して前記第1カーブと同じ向きに湾曲する第2カーブと、前記第2カーブより延伸する略直線状の最先端部とからなり、
    前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブは、略同一平面上に存在し、
    前記本体部の上側に前記湾曲部が位置し、且つ前記本体部の右側に前記湾曲部が位置する視点で前記湾曲部を見たとき、前記最先端部は、前記第1カーブ、前記中間部及び前記第2カーブが存在する基準平面から奥側へ斜めに略直線状に延びており、
    前記湾曲部は、左冠動脈口及び右冠動脈口のいずれにも選択的に係合可能であるように形状設定されており、
    前記係合方法は、
    前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方に係合させるステップと、
    前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の一方から外すステップと、
    前記最先端部が大動脈壁に対して形成する角度が小さい方向に、前記最先端部を大動脈壁に沿って回転させるステップと、
    前記最先端部を左冠動脈口及び右冠動脈口の他方に係合させるステップと、を含む、
    ことを特徴とする係合方法。
  12. 請求項11記載の係合方法において、
    前記中間部は、略直線状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、8〜35°に設定されている、
    ことを特徴とする係合方法。
  13. 請求項11記載の係合方法において、
    前記中間部は、略直線状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、10〜30°に設定されている、
    ことを特徴とする係合方法。
  14. 請求項11記載の係合方法において、
    前記中間部は、前記第1カーブと同じ向きに湾曲する形状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、7〜36°に設定されている、
    ことを特徴とする係合方法。
  15. 請求項11記載の係合方法において、
    前記中間部は、前記第1カーブと同じ向きに湾曲する形状であり、
    前記最先端部と前記基準平面とのなす角は、11〜29°に設定されている、
    ことを特徴とする係合方法。
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