JP2011087912A - 左冠動脈用カテーテル及びその係合方法 - Google Patents

左冠動脈用カテーテル及びその係合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】操作性をより向上させた左冠動脈用カテーテル及びその係合方法を提供する。
【解決手段】左冠動脈用カテーテル10において、カテーテル本体12は、略直線状の本体部16と、本体部16から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部18とからなる。湾曲部18は、本体部16から第1の屈曲部20を介して本体部16に対して傾斜した方向に延びる傾斜部22と、傾斜部22から第1の屈曲部20と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部24を介して続く略直線部26と、第1の略直線部26から第2の屈曲部24と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部28を介して続く略直線状の最先端部30とからなる。最先端部30が左冠動脈口に位置したとき、第1の屈曲部20が腕頭動脈内に位置するように形状付けられ、かつ、第2の屈曲部24が左冠動脈口と反対側の上行大動脈の内壁に接触し得るように形状付けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、心臓又はその周辺組織の治療・造影用の左冠動脈用カテーテル及びその係合方法に関する。
従来、冠動脈造影用カテーテルとしては、ジャドキンス(Judkins)型、アンプラッツ(Amplatz)型等のカテーテルがあり、通常これらのカテーテルを大腿動脈よりセルジンガー法あるいはシース法により導入し、冠動脈を選択的に造影している。
また、カテーテルを用いた末梢部位の治療も現在広く普及している。その一例としては、バルーン付きカテーテルを用いた虚血性心疾患治療の経皮的冠動脈形成術(PTCA)が挙げられる。このような治療に際し、治療用カテーテルを安全且つ効率的に目的の血管まで挿入するためには、治療用カテーテルの性能が非常に重要であり、その挿入によって生じる反作用を緩和し、十分なバックアップ力を与え滑らかな導入を補助するガイディングカテーテルが必要とされる。このようなガイディングカテーテルの形状としては、上記した冠動脈造影用カテーテルと同様にジャドキンス(Judkins)型、アンプラッツ(Amplatz)型等が挙げられ、通常これらの形状のカテーテルを大腿動脈よりセルジンガー法あるいはシース法により導入し、冠動脈を選択的に確保した後、その内面にPTCA用バルーンカテーテル等の治療用カテーテルを導入している。
このような従来のカテーテルによる造影や治療においては、導入部位が大腿部であることにより、術後に穿刺部を止血するため、絶対安静が必要であり、したがって排尿、排便、飲食をも背臥位で行わねばならず、患者にとっては腰痛等、かなりの苦痛を伴うという問題があった。さらに大腿部からカテーテルを導入した場合には、絶対安静を保っていても出血する可能性があり、出血が後腹膜腔に及ぶと生命の危険があること、また、背臥位で排尿困難をきたす症例もあり、その場合は尿道カテーテルを用いることにより尿路感染症をきたす恐れがある等の問題があった。
これらの問題点を解消するための方法としては、腕の動脈、特に上腕動脈(Brachial Artery)または橈骨動脈(Radial Artery)からの導入が有効であるものと考えられる。すなわち、上腕穿刺部を伸ばした状態を保つのみで、手術直後より歩行可能であり、腰痛等もなく排尿、排便、飲食も通常通りに行え、また上記した後腹膜腔の出血や尿路感染症の心配もなくなる。
かかる事情に鑑み、下記特許文献1では、腕からの導入に適する形状の左冠動脈用カテーテルが提案されている。特許文献1の左冠動脈用カテーテル100は、図8に示すように、カテーテル本体112と、ハブ114とを有する。カテーテル本体112は、略直線状の本体部116と湾曲形状を有する先端部118とからなり、該先端部118は、該本体部116から第1の屈曲部120を介して続く第1の略直線部122と、該第1の略直線部122から該第1の屈曲部120と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部123を介して続く第2の略直線部124と、該第2の略直線部124から該第2の屈曲部123と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部125を介して続く第3の略直線部126と、該第3の略直線部126から該第3の屈曲部125と同じ方向に湾曲する第4の屈曲部128を介して続く略直線状の最先端部130とからなり、前記カテーテル100の先端が左冠動脈口に位置したとき、前記第1の屈曲部120が腕頭動脈から大動脈弓に導入されるように形状付けられ、かつ、前記第2の略直線部124が左冠動脈口と反対側の大動脈弓壁に接触し得るように形状付けられている。
左冠動脈用カテーテル100は、前記のような構成を有するので、大腿動脈を経由せずに、腕の動脈、例えば上腕動脈あるいは橈骨動脈からカテーテルを冠動脈口へ導入でき、これにより、より容易、安全且つ迅速に導入でき、患者の術後負担を軽減できる。
特許第3563540号明細書
ところで、例えば、カテーテル先端が左冠動脈口に係合している状態でカテーテル先端の向きを変える等の操作が必要となる場合がある。このような操作の必要性に鑑みて、カテーテルの操作性を向上させることは、医師による手技をより容易、安全且つ迅速にするものであり、患者の負担軽減にも寄与するものである。
従って、腕からの導入に適する形状のカテーテルについても、より操作性を向上させることが望ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、腕の動脈、例えば上腕動脈あるいは橈骨動脈からの導入が可能な左冠動脈用カテーテルであって、操作性をより向上させた左冠動脈用カテーテル及びその係合方法を提供することにある。
本発明は、腕の動脈(特に右腕の動脈)から左冠動脈口に先端を導入するための左冠動脈用カテーテルであって、カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、前記湾曲部は、前記本体部から第1の屈曲部を介して前記本体部に対して傾斜した方向に延びる傾斜部と、前記傾斜部から前記第1の屈曲部と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部を介して続く略直線部と、前記略直線部から該第2の屈曲部と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部を介して続く略直線状の最先端部とからなり、前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記第1の屈曲部が腕頭動脈内に位置するように形状付けられ、かつ、前記第2の屈曲部が前記左冠動脈口と反対側の上行大動脈の内壁に接触し得るように形状付けられている、ことを特徴とする。
上記の本発明の構成によれば、最先端部が左冠動脈口に位置したとき、第2の屈曲部が左冠動脈口と反対側の大動脈壁に接触し、湾曲した第2の屈曲部においてバックアップサポートがなされる。このように、大動脈壁に接触する部分が湾曲している場合、大動脈壁に接触する部分が直線的である場合と比べて、大動脈壁に対する接触長さが短くなる。このため、バックアップサポートをしていても第2の屈曲部を支点として湾曲部の向きを変えやすく、従って、左冠動脈口に位置する最先端部の向きを変えやすい。
また、大動脈壁に接触する部分が湾曲している本発明の場合、大動脈壁に接触する部分が直線的である場合と比べて、大動脈壁との接触面積が小さくなることで、第2の屈曲部と大動脈壁との接触圧を高くすることができる。これにより、左冠動脈口に位置する最先端部の向きを変えようとするとき、バックアップサポートがなされる第2の屈曲部の位置がずれにくく、従って、左冠動脈口から最先端部が外れにくい。
本発明の左冠動脈用カテーテルでは、傾斜部と略直線部との間が第2の屈曲部のみで構成されるのに対し、従来の左冠動脈用カテーテル(図8)では、第1の略直線部と第3の略直線部との間が2つの屈曲部と1つの略直線部で構成される。このような差異により、本発明の左冠動脈用カテーテルにおける傾斜部と略直線部との相対位置関係(2つの略直線部の間隔及びそれらのなす角)と、従来の左冠動脈用カテーテルにおける第1の略直線部と第3の略直線部との上記相対位置関係が同等である場合には、本発明の左冠動脈用カテーテルでは、第2の屈曲部の曲率半径を、従来の左冠動脈用カテーテルの第2の屈曲部及び第3の屈曲部よりも大きくすることができる。一般にカテーテルでは屈曲部の曲率半径が小さいほど、トルクをかけたときにキンクや捩れが生じやすいが、本発明では第2の屈曲部の曲率半径が比較的大きく設定されることで、キンクや捩れの発生に対する耐性が高まるので、手元側から先端にトルクをかけやすく、最先端部の向きを変えやすい。さらにまた、最先端部の向きを変える際に、最先端部の向きが変わることによる略直線部の変位を、第2の屈曲部の弾性変形によって吸収してバックアップ力を維持するので、左冠動脈口から最先端部が外れにくい。
以上のように、本発明によれば、操作性を一層向上させた左冠動脈用カテーテルの提供が可能となる。
また、前記左冠動脈用カテーテルにおいて、前記略直線部は、前記第2の屈曲部を介して前記傾斜部に対して反り返った方向に延在する、ことを特徴とする。
このように構成される場合、腕の動脈から左冠動脈口へのカテーテル先端の挿入が一層容易となる。
また、前記左冠動脈用カテーテルにおいて、前記湾曲部は、前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記最先端部が前記左冠動脈口の軸線方向に対して傾斜するように(これらの軸線が平行ではなく交差するように)形状付けられている、ことを特徴とする。
上記のように構成されることにより、最先端部が冠動脈の奥側に進入し過ぎることを防止し、最先端部を適切な位置で左冠動脈口に係合させることができる。
また、前記左冠動脈用カテーテルにおいて、前記湾曲部は、一平面上に存在する、ことを特徴とする。
腕頭動脈口、大動脈弓、上行大動脈及び左冠動脈口は略一平面上に存在するので、前記湾曲部が上記のように構成される場合、腕の動脈から左冠動脈口への最先端部の挿入が一層容易となる。
また、前記左冠動脈用カテーテルにおいて、前記傾斜部は、前記第1の屈曲部と同じ方向に湾曲する、ことを特徴とする。
このように構成される場合、カテーテル先端である最先端部が左冠動脈口に係合し、且つ第2の屈曲部が大動脈内壁と接触してバックアップサポートの状態になると、傾斜部が湾曲形状に復元しようとする力により、第2の屈曲部が大動脈内壁に押圧される。このため、バックアップサポートの安定性が増し、操作性が一層向上する。
また、本発明は、先端を左冠動脈口に係合させる左冠動脈用カテーテルであって、前記左冠動脈用カテーテルは、腕の動脈から左冠動脈口に先端を導入するように構成され、前記左冠動脈用カテーテルのカテーテル本体は、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、前記湾曲部は、前記本体部から第1の屈曲部を介して前記本体部に対して傾斜した方向に延びる傾斜部と、前記傾斜部から前記第1の屈曲部と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部を介して続く略直線部と、前記略直線部から該第2の屈曲部と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部を介して続く略直線状の最先端部とからなり、前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記第1の屈曲部が腕頭動脈内に位置するように形状付けられ、かつ、前記第2の屈曲部が前記左冠動脈口と反対側の上行大動脈の内壁に接触し得るように形状付けられており、前記左冠動脈用カテーテルは、さらに、前記第2の屈曲部を大動脈壁に位置づけるように構成され、前記最先端部を前記左冠動脈口付近に近づけるように構成され、前記大動脈壁に位置づけた前記第2の屈曲部を回転中心として、前記湾曲部を回転させるように構成され、前記最先端部を前記左冠動脈口に係合させるように構成されている、ことを特徴とする。
また、本発明は、左冠動脈用カテーテルの先端を左冠動脈口に係合させる左冠動脈用カテーテルの係合方法であって、前記左冠動脈用カテーテルは、腕の動脈から左冠動脈口に先端を導入するように構成され、前記左冠動脈用カテーテルのカテーテル本体は、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、前記湾曲部は、前記本体部から第1の屈曲部を介して前記本体部に対して傾斜した方向に延びる傾斜部と、前記傾斜部から前記第1の屈曲部と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部を介して続く略直線部と、前記略直線部から該第2の屈曲部と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部を介して続く略直線状の最先端部とからなり、前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記第1の屈曲部が腕頭動脈内に位置するように形状付けられ、かつ、前記第2の屈曲部が前記左冠動脈口と反対側の上行大動脈の内壁に接触し得るように形状付けられており、前記方法は、前記第2の屈曲部を大動脈壁に位置づけるステップと、前記最先端部を前記左冠動脈口付近に近づけるステップと、前記大動脈壁に位置づけた前記第2の屈曲部を回転中心として、前記湾曲部を回転させるステップと、前記最先端部を前記左冠動脈口に係合させるステップとを含む、ことを特徴とする。
上記の左冠動脈用カテーテル及びその係合方法によれば、湾曲部の第2の屈曲部が、線接触ではなく点接触に近い状態で大動脈壁に接するため、第2の屈曲部を回転させることにより最先端部の位置を容易に調整でき、これにより、最先端部の左冠動脈口への係合を容易かつ迅速に行うことができる。
本発明に係る左冠動脈用カテーテルによれば、カテーテル先端が左冠動脈口に導入された際、第2の屈曲部が大動脈内壁に接触するので、該第2の屈曲部を支点として湾曲部の向きを変えやすく、従って、カテーテル先端の向きを変えやすく、しかも、第2の屈曲部と大動脈内壁との接触圧を高めてバックアップサポートの安定性を向上できるので、左冠動脈口から最先端部が外れにくい。よって、操作性を一層向上させた左冠動脈用カテーテルの提供が可能となる。
本発明に係る左冠動脈用カテーテルの係合方法によれば、最先端部の左冠動脈口への係合を容易かつ迅速に行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る左冠動脈用カテーテルを示す一部省略平面図である。 図1に示す左冠動脈用カテーテルのII−II線での断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る左冠動脈用カテーテルの血管への導入方法を示す概略説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る左冠動脈用カテーテルの使用方法を示す概略説明図であって、前記左冠動脈用カテーテルの先端をガイドワイヤーにより左冠動脈の近傍まで導入した状態を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る左冠動脈用カテーテルの使用方法を示す概略説明図であって、前記左冠動脈用カテーテルの先端を左冠動脈口に係合させた状態を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る左冠動脈用カテーテルを示す一部省略平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る左冠動脈用カテーテルの先端を左冠動脈口に係合させた状態を示す図である。 従来技術に係る左冠動脈用カテーテルを示す一部省略平面図である。
以下、本発明に係る左冠動脈用カテーテル及びその係合方法について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る左冠動脈用カテーテル10(以下、カテーテル10ともいう)を示す一部省略平面図である。このカテーテル10は、腕の動脈(右腕の動脈)から左冠動脈口に先端を導入するためのものである。
図1に示すように、カテーテル10は、可撓性を有する中空構造のカテーテル本体12と、このカテーテル本体12の基端部に形成されたハブ14とを有している。ハブ14は、造影剤等を注入する際の注入口として機能する。
カテーテル10をヒトの上腕動脈、好ましくは橈骨動脈から導入できるよう、カテーテル本体12の外径は、その全長にわたり2.7mm以下(好ましくは2.1mm以下)に設定される。
カテーテル本体12は、自然状態で略直線状の本体部16と、この本体部16から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部18とを有している。ここで、前記「自然状態」とは、外力を加えない状態を意味するものであり、以下の説明においても同様の意味として用いる。
本体部16は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)である。この本体部16の長さは特に限定されないが、400〜1000mmであれば好ましい。
湾曲部18は、本体部16から第1の屈曲部20を介して本体部16に対して傾斜した方向に延びる傾斜部22と、該傾斜部22から該第1の屈曲部20と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部24を介して続く略直線部26と、該略直線部26から該第2の屈曲部24と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部28を介して続く略直線状の最先端部30とから構成されている。また、湾曲部18は、第1の屈曲部20から最先端部30までの各構成部分が一平面上に存在するように形状付けられている。
第1の屈曲部20は、自然状態で湾曲した形状(図1中、本体部16から時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。本発明において、この第1の屈曲部20は、本体部16と傾斜部22とのなす角度α1が、自然状態で90〜150°、好ましくは100〜140°となるように設定される。α1が150°を越えると、カテーテル10が鎖骨下動脈と腕頭動脈合流部を伸展させ過ぎて患者に苦痛を与える恐れがあり、また90°未満の場合、カテーテル先端である最先端部30の左冠動脈口への挿入が困難となり、また挿入されたとしても十分なバックアップ力を得がたくなる。
α1を上記範囲に設定することにより、腕頭動脈から上行大動脈に挿入されたカテーテル10からガイドワイヤーを引き抜き元の形状に復帰させた時に、十分な反発力が生じ、トルクを加える等の操作を必要とせずにこの反発力のみを利用してカテーテル先端を左冠動脈口に向かせて容易、安全かつ迅速に導入できる。また、第1の屈曲部20の曲率半径(湾曲半径)R1は、特に限定されないが、自然状態で30〜100mm程度とすることが好ましい。
傾斜部22は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)である。この傾斜部22の長さL1は、特に限定されないが、30〜80mm程度とするのが好ましい。
第2の屈曲部24は、自然状態で、第1の屈曲部20と反対の方向(図1中、傾斜部22から反時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。第2の屈曲部24の曲率半径(湾曲半径)R2は、特に限定されないが、自然状態で5〜20mm程度とすることが好ましい。また、第2の屈曲部24が介在することによる、傾斜部22と略直線部26とのなす角α2は、特に限定されないが、自然状態で120〜175°程度が好ましく、より好ましくは140〜170°程度である。
第2の屈曲部24は、留置時に常に左冠動脈口の反対側の大動脈内壁(上行大動脈右壁)に接触するように形状設定されており、これにより、左冠動脈口からカテーテル先端が外れることがなく、十分なバックアップ力を付与し、治療用カテーテルと共に用いるガイドカテーテルにおいてはそのルーメンに挿入される治療用カテーテルの操作を確実に補助することができる。
略直線部26は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)であり、第2の屈曲部24を介して傾斜部22に対して反り返った方向に延在する。この略直線部26の長さL2は、実質的に留置時において左冠動脈口と反対側となる上行大動脈右壁から左冠動脈口までの距離とほぼ一致するように設定される。これにより、第2の屈曲部24が確実に上行大動脈右壁に当たり、カテーテル先端が左冠動脈口から外れることを防止できる。具体的には、長さL2は10〜100mm程度であり、より好ましくは20〜50mmである。
第3の屈曲部28は、自然状態で、第2の屈曲部24と同じ方向(図1中、略直線部26から反時計回りの方向に湾曲した形状)を呈する。この第3の屈曲部28が介在することによる、略直線部26と最先端部30とのなす角度α3は、特に限定されないが、自然状態で30〜150°程度が好ましく、より好ましくは90〜130°程度である。また、第3の屈曲部28の曲率半径(湾曲半径)R3は、特に限定されないが、外力を加えない状態で5〜20mm程度とすることが好ましい。
最先端部30は、自然状態で実質的に直線状(略直線状)である。この最先端部30の長さL3は、左冠動脈口に入り込み過ぎずかつ確実に挿入、留置できる程度に設定され、具体的には5〜50mm程度である。湾曲部18は、最先端部30が左冠動脈口に位置したとき、最先端部30が左冠動脈の軸線方向に対して傾斜するように形状付けられている。
上記のように構成されるカテーテル10では、角度α1〜α3、曲率半径R1〜R3及び長さL1〜L3は、例えば、以下の構成例1〜4のように設定され得る。
(構成例1)
α1:134°
α2:162°
α3:104°
R1:43mm
R2:16mm
R3:11mm
L1:59mm
L2:25mm
L3:4mm
(構成例2)
α1:145°
α2:174°
α3:110°
R1:50mm
R2:20mm
R3:15mm
L1:65mm
L2:35mm
L3:6mm
(構成例3)
α1:108°
α2:155°
α3:92°
R1:35mm
R2:11mm
R3:8mm
L1:40mm
L2:21mm
L3:3mm
(構成例4)
α1:130°
α2:160°
α3:103°
R1:42mm
R2:17mm
R3:12mm
L1:50mm
L2:45mm
L3:4mm
図2は、図1に示す左冠動脈用カテーテル10のII−II線での断面図である。図2に示すように、カテーテル本体12のほぼ中心部には、ルーメン32が形成されている。このルーメン32は、カテーテル本体12の先端で開口している。
また、カテーテル本体12は、内側から外側に向かって内層34、中層36、外層38が同心的に積層された構造となっている。このような構成としたことにより、カテーテル本体12の折れ曲がりを防止するとともに、各層の構成材料、配合剤、表面性状等を変え、それらの利点を共有することが出来るという利点がある。
内層34、中層36及び外層38の構成材料としては、ポリアミド系樹脂(例えば、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6)、ポリエステル系ポリアミド系樹脂(例えば、グリラックス(商品名、メーカーDIC))、ポリエーテル系ポリアミド樹脂(例えば、ペバックス(商品名、メーカー/アトケム))、ポリウレタン、ABS樹脂、ポリエステルエラストマー樹脂、ポリウレタンエラストマー樹脂、フッ素系樹脂(PFA、PTFE、ETFE等)が使用可能である。特に、前記内層34、前記中層36及び前記外層38の構成材料として、ABS樹脂、あるいはナイロンを使用することにより、湾曲部18に適度な強度を付与することができる。また、前記内層34にはフッ素系樹脂、好ましくはPTFEを使用することにより、ルーメン32に挿入されるガイドワイヤー48(図3参照)や治療用カテーテルの操作性が向上する。なお、カテーテル10の挿入は、X線透視下で、その位置を確認しつつ行う為、上記カテーテル本体12を構成する材料に、例えば硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステンのようなX線不透過材料を配合しておくことが好ましい。
また、内層34、中層36及び外層38の厚さは特に限定されないが、図示の例において、内層34は、中層36及び外層38に比べ、薄いものになっている。また、内層34、中層36及び外層38はそれぞれ適宜の接着剤により接着または熱により融着されるか、あるいは被覆成形等により一体成形される。なお、外層38と中層36は同じ樹脂からなる第1の層として形成されてもよい(図示せず)。
中層36には、補強材としての役割を有する金属メッシュ40が全周にわたって埋設されているか、または内層34の外表面に接するように存在している。この金属メッシュ40は、カテーテル10の長手方向に対しては、カテーテル本体12の先端より、所定長を除くほぼ全長にわたって埋没されている。この、金属メッシュ40の先端の位置は、カテーテル本体12の先端より0.5〜150mm(好ましくは1〜100mm)の範囲にあるのがよい。
このような金属メッシュ40を埋設することにより、カテーテル本体12の折れ曲がりを防止し、また、カテーテル本体12を回転させた時のトルク伝達性を向上させることができる。金属メッシュ40を構成するワイヤの断面は円形、長方形、略楕円形であってよい。
なお、カテーテル本体12の先端より所定長金属メッシュ40を埋設しないのは、カテーテル本体12の最先端まで金属メッシュ40が入っていると、カテーテル先端部で血管壁を傷つけてしまう虞れがあり、また、材質によっては先端近くまでメッシュ40を入れた場合カテーテルが硬くなり、後述の手技においてカテーテル先端が左冠動脈口に入らず、左心室に入りやすくなってしまう為である。本発明のカテーテル10の先端は左心室や左心房へ到達させて使用するようには構成されていない。
但し、金属メッシュ40が、カテーテル本体12の先端より150mmを越えた長さの部分に存在しないと前記のトルク伝達性が十分に得られない場合がある。
なお、金属メッシュ40を設けない部分の長さは、カテーテル本体12の材質、内外径差(内層34、中層36及び外層38の合計厚)、等により適宜決定される。例えば、カテーテル本体12の内外径の差が大きいもの、あるいは、弾性力の大きい材質のものほど、金属メッシュ40を設けない部分の長さを長くするのがよい。
金属メッシュ40の具体例としては、ステンレス、ステンレスばね線、タングステン、Ni−Ti、炭素繊維等の細径の線により構成されたものを挙げることができ、その線形は、例えば0.01〜0.2mm程度のものである。
第1の実施形態に係るカテーテル10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用及び効果について説明する。以下では、カテーテル10の使用方法について、治療用カテーテルとともに用いるガイディングカテーテルとして使用する場合を例として説明する。
図3に示すように、セルジンガー法によりカテーテルイントロデューサー44を上腕動脈、又は橈骨動脈50に穿刺し、ガイドワイヤー48を挿入した状態のカテーテル10を、カテーテルイントロデューサー44に挿入する。そして、カテーテル本体12の先端に対してガイドワイヤー48を先行させた状態で、カテーテル本体12の先端を、カテーテルイントロデューサー44の先端開口部から上腕動脈、又は橈骨動脈50内へ挿入する。
次に、カテーテル10、及びガイドワイヤー48を、図3中矢印方向に徐々に送り、図4に示すように、大動脈54の大動脈弓56を通して、上行大動脈58に挿入していく。この際、カテーテル本体12の先端が血管の屈曲部を通過するように、ガイドワイヤー48の出し入れ、カテーテル10の進退及び回転を適宜組み合わせた操作を行う。
図4に示すように、腕頭動脈52より上行大動脈58内へ導入されたカテーテル10は、心臓の左心室60の近傍まで導入される。カテーテル10の湾曲部は、鎖骨下動脈の屈曲に合うように形成されているため、上行大動脈58に達するまでに血管内を僅かに回転しながら進んでいく。その結果、上行大動脈58に湾曲部18が達したときには、最先端部30は自動的に左冠動脈62の口部(左冠動脈口64)を向きやすくなる。そのままカテーテル10を挿入すると、第2の屈曲部24は、バルサルバ洞に当接する。なお、このとき、カテーテル本体12の湾曲部18は、ルーメン32内に挿入されたガイドワイヤー48によって伸ばされているので、略直線形状を呈している。
その後、ガイドワイヤー48をカテーテル本体12から引き抜くと、湾曲部18は、元の湾曲形状に復帰する。この形状復帰により生じる反発力によって、図5に示すように、カテーテル先端が左冠動脈口64に向けられ、湾曲部18の第2の屈曲部24の頂点は、左冠動脈口64と反対側に位置する上行大動脈右壁66に接触する。このとき、カテーテル先端が左冠動脈口64に挿入された場合には、カテーテル先端(最先端部30)が左冠動脈口64に係合する状態となる。またこのとき、上行大動脈58から鎖骨下動脈にかけたカーブに沿って、湾曲部18の第2の屈曲部24が位置することにより、カテーテル10の固定が良好となる。
カテーテル10の左冠動脈口64への係合は、第2の屈曲部24を大動脈壁(上行大動脈右壁66)に位置づけるステップと、最先端部30を左冠動脈口64付近に近づけるステップと、大動脈壁に位置づけた第2の屈曲部24を回転中心として、湾曲部18を回転させるステップと、最先端部30を左冠動脈口64に係合させるステップとを実施することにより、行ってもよい。
すなわち、湾曲部18が元の湾曲形状に復帰した際、もし、左冠動脈口64にカテーテル先端が挿入されていなければ、適宜にカテーテル10の手元部に軽度の回転を与えることにより、第2の屈曲部24の頂点を回転中心として、最先端部30を回転させて左冠動脈口64に向ける。これにより、カテーテル先端が左冠動脈口64に容易に挿入される。そして、この状態において、さらに、カテーテル10の根元部を回転することで、第2の屈曲部24の頂点を回転中心として最先端部30を回転させ、左冠動脈口64での最先端部30の向きを調整する。第2の屈曲部24は、線接触ではなく点接触に近い状態で大動脈壁に接するので、第2の屈曲部24を回転させることにより最先端部30の位置を容易に調整でき、これにより、最先端部30の左冠動脈口64への係合を容易かつ迅速に行うことができる。
カテーテル先端が左冠動脈口64に係合する状態において、第2の屈曲部24が左冠動脈口64と反対側に位置する上行大動脈右壁66に接触し、湾曲した第2の屈曲部24においてバックアップサポートがなされる。カテーテル本体12は、前述のように形状付けられているため、高いバックアップ力が生じる。このバックアップ力により、カテーテル本体12の湾曲部18が上行大動脈58に対して良好に固定されるので、左冠動脈口64からカテーテル先端が外れにくい。このとき、第1の屈曲部20は腕頭動脈52内の大動脈弓56に近接する部位で血管壁に接する。このように接することにより第1の屈曲部20は湾曲部18の大動脈54内での位置を保持する。
また、自然状態では略直線状を呈する傾斜部22が、図5に示すように、カテーテル先端が左冠動脈口64に係合する状態において湾曲する長さに設定されると、傾斜部22が直線状に復元しようとする力により第2の屈曲部24の上行大動脈右壁66への押圧が補助され、バックアップ力が増大する。これにより、より安定したバックアップサポートがなされる。
以上の説明から明らかなように、カテーテル10は、第2の屈曲部24を大動脈壁に位置づけるように構成され、最先端部30を左冠動脈口64付近に近づけるように構成され、大動脈壁に位置づけた第2の屈曲部24を回転中心として、湾曲部18を回転させるように構成され、最先端部30を左冠動脈口64に係合させるように構成されている。
本実施の形態に係るカテーテル10は、上述したように形状が規定されているため、以上説明した操作によって、煩雑な操作や高いトルク伝達性を必要とせずに、容易、安全かつ迅速に左冠動脈口64に導入することができる。
以上の操作によりカテーテル先端が左冠動脈口64に挿入された後は、ルーメン32からガイドワイヤー48を抜去し、ハブ14の後端に装着されたYコネクタ51(図3参照)にコネクタを接続して造影剤を注入する。注入された造影剤はルーメン32内を通りその先端開口から目的部位である左冠動脈62内に噴出される。これによりカテーテル先端の左冠動脈口64への挿入位置の確認、及び左冠動脈62の造影が可能となる。
次に、Yコネクタ51の後端部、及びルーメン32を経由して、PTCAバルーンカテーテル等の治療用カテーテル(図示せず)を挿入する。一般的にこれら治療用カテーテルは、そのカテーテル本体に剛性があり、治療用カテーテルの操作により、その反作用で該カテーテルを目的留置部位である左冠動脈から押し戻すことが多い。この作用が発生すると、治療用カテーテルを目的の部位へ挿入することが困難となる。従って、カテーテル10の前述したバックアップ力が非常に重要である。
ところで、図8に示した従来の左冠動脈用カテーテル100では、第2の略直線部124において大動脈壁(上行大動脈右壁)に接触するため、その接触長さが比較的長くなる。これに対し、本実施の形態に係るカテーテル10では、図5に示すように、第2の屈曲部24において上行大動脈右壁66に接触しており、その接触長さHが、従来の左冠動脈用カテーテル100のそれと比べて短くなる。このため、バックアップサポートをしていても第2の屈曲部24を支点として湾曲部18の向きを変えやすく、従って、左冠動脈口64に位置するカテーテル先端(最先端部30)の向きを変えやすい。よって、操作性のより向上した左冠動脈用カテーテル10の提供が可能となる。接触長さHは約10mm未満が望ましい。
また、大動脈内壁に接触する部分が湾曲している本実施の形態に係るカテーテル10によれば、大動脈内壁に接触する部分(第2の略直線部124)が直線的である従来のカテーテル100(図8)と比べて、大動脈内壁との接触面積が小さくなることで、第2の屈曲部24と大動脈内壁との接触圧を高くすることができる。これにより、左冠動脈口64に位置するカテーテル先端(最先端部30)の向きを変えようとするとき、バックアップサポートがなされる第2の屈曲部24の位置がずれにくく、従って、左冠動脈口64からカテーテル先端が外れにくい。
本発明のカテーテル10では、傾斜部22と略直線部26との間が第2の屈曲部24のみで構成されるのに対し、従来のカテーテル100(図8)では、傾斜部22に対応する第1の略直線部122と略直線部26に対応する第3の略直線部126との間が2つの屈曲部123、125と1つの略直線部124で構成される。このような差異により、本発明のカテーテル10における傾斜部22と略直線部26との相対位置関係(2つの略直線部22、26の間隔及びそれのなす角α2)と、従来のカテーテル100における第1の略直線部122と第3の略直線部126との上記相対位置関係が同等である場合には、本発明のカテーテル10では、第2の屈曲部24の曲率半径R2を、従来のカテーテル100の第2の屈曲部123及び第3の屈曲部125の曲率半径R2a、R3aよりも大きくすることができる。
一般にカテーテルでは屈曲部の曲率半径が小さいほど、トルクをかけたときにキンクや捩れが生じやすいが、本発明のカテーテル10では第2の屈曲部24の曲率半径R2が比較的大きく設定されることで、キンクや捩れの発生に対する耐性が高まるので、手元側からカテーテル先端(最先端部30)にトルクをかけやすく、カテーテル先端の向きを変えやすい。さらにまた、カテーテル先端の向きを変える際に、カテーテル先端の向きが変わることによる略直線部26の変位を、第2の屈曲部24の弾性変形によって吸収してバックアップ力を維持するので、左冠動脈口64からカテーテル先端が外れにくい。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る左冠動脈用カテーテル10a(以下、カテーテル10aともいう)を示す一部省略平面図である。なお、第2の実施形態に係るカテーテル10aにおいて、上述した第1の実施形態に係るカテーテル10と同一又は同様な機能及び効果を奏する要素には同一の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
図6に示すように、カテーテル10aは、可撓性を有する中空構造のカテーテル本体12aと、このカテーテル本体12aの基端部に形成されたハブ14とを有している。カテーテル本体12aの外径は、図1に示したカテーテル本体12と同様に、その全長にわたり2.7mm以下(好ましくは2.1mm以下)に設定される。
カテーテル本体12aは、図2に示したカテーテル本体12の構造と同様に、略中心部にルーメンを有し、内側から外側に向かって順に内層、中層及び外層が同心状に積層した構造を有し、該中層には金属メッシュが埋設されている。
カテーテル本体12aは、自然状態で略直線状の本体部16と、この本体部16から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部18aとを有している。この湾曲部18aは、傾斜部22aの形状に関し、第1の実施形態における湾曲部18と異なる。すなわち、傾斜部22aは、自然状態で第1の屈曲部20と同じ方向に緩やかに湾曲する形状を有する。この傾斜部22aの曲率半径(湾曲半径)R4は、第1〜第3の屈曲部28の曲率半径R1〜R3よりも大きく、自然状態で40〜200mm程度とすることが好ましい。
また、傾斜部22aの長さL4は、特に限定されないが、30〜80mm程度とするのが好ましい。
上記のように構成されたカテーテル10aは、第1の実施形態に係るカテーテル10の場合と同様の方法で、最先端部30を左冠動脈口64に係合させることができる。すなわち、カテーテル10aは、第2の屈曲部24を大動脈壁に位置づけるように構成され、最先端部30を左冠動脈口64付近に近づけるように構成され、大動脈壁に位置づけた第2の屈曲部24を回転中心として、湾曲部18aを回転させるように構成され、最先端部30を左冠動脈口64に係合させるように構成されている。
また、このように構成されたカテーテル10aでは、図7に示すように、カテーテル先端である最先端部30が左冠動脈口64に係合し、且つ、第2の屈曲部24が上行大動脈右壁66に接触してバックアップサポートの状態になると、傾斜部22aが湾曲形状に復元しようとする力により、第2の屈曲部24が上行大動脈右壁66に押圧される。このため、バックアップサポートの安定性を向上できる。従って、第2の実施形態によれば、操作性の一層向上したカテーテル10aが提供される。
なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する各構成部分については、第1の実施形態における当該共通の各構成部分がもたらす作用及び効果と同一又は同様の作用及び効果が得られることは勿論である。
上記において、本発明について好適な実施の形態を挙げて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10、10a…左冠動脈用カテーテル 12、12a…カテーテル本体
16…本体部 18、18a…湾曲部
20…第1の屈曲部 22、22a…傾斜部
24…第2の屈曲部 26…略直線部
28…第3の屈曲部 30…最先端部

Claims (7)

  1. 腕の動脈から左冠動脈口に先端を導入するための左冠動脈用カテーテルであって、
    カテーテル本体が、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、
    前記湾曲部は、前記本体部から第1の屈曲部を介して前記本体部に対して傾斜した方向に延びる傾斜部と、前記傾斜部から前記第1の屈曲部と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部を介して続く略直線部と、前記略直線部から該第2の屈曲部と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部を介して続く略直線状の最先端部とからなり、
    前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記第1の屈曲部が腕頭動脈内に位置するように形状付けられ、かつ、前記第2の屈曲部が前記左冠動脈口と反対側の上行大動脈の内壁に接触し得るように形状付けられている、ことを特徴とする左冠動脈用カテーテル。
  2. 請求項1記載の左冠動脈用カテーテルにおいて、
    略直線部は、前記第2の屈曲部を介して前記傾斜部に対して反り返った方向に延在する、ことを特徴とする左冠動脈用カテーテル。
  3. 請求項1又は2記載の左冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記湾曲部は、前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記最先端部が前記左冠動脈口の軸線方向に対して傾斜するように形状付けられている、ことを特徴とする左冠動脈用カテーテル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の左冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記湾曲部は、一平面上に存在する、ことを特徴とする左冠動脈用カテーテル。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の左冠動脈用カテーテルにおいて、
    前記傾斜部は、前記第1の屈曲部と同じ方向に湾曲する、ことを特徴とする左冠動脈用カテーテル。
  6. 先端を左冠動脈口に係合させる左冠動脈用カテーテルであって、
    前記左冠動脈用カテーテルは、腕の動脈から左冠動脈口に先端を導入するように構成され、
    前記左冠動脈用カテーテルのカテーテル本体は、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、
    前記湾曲部は、前記本体部から第1の屈曲部を介して前記本体部に対して傾斜した方向に延びる傾斜部と、前記傾斜部から前記第1の屈曲部と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部を介して続く略直線部と、前記略直線部から該第2の屈曲部と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部を介して続く略直線状の最先端部とからなり、
    前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記第1の屈曲部が腕頭動脈内に位置するように形状付けられ、かつ、前記第2の屈曲部が前記左冠動脈口と反対側の上行大動脈の内壁に接触し得るように形状付けられており、
    前記左冠動脈用カテーテルは、さらに、前記第2の屈曲部を大動脈壁に位置づけるように構成され、前記最先端部を前記左冠動脈口付近に近づけるように構成され、前記大動脈壁に位置づけた前記第2の屈曲部を回転中心として、前記湾曲部を回転させるように構成され、前記最先端部を前記左冠動脈口に係合させるように構成されている、
    ことを特徴とする左冠動脈用カテーテル。
  7. 左冠動脈用カテーテルの先端を左冠動脈口に係合させる左冠動脈用カテーテルの係合方法であって、
    前記左冠動脈用カテーテルは、腕の動脈から左冠動脈口に先端を導入するように構成され、
    前記左冠動脈用カテーテルのカテーテル本体は、自然状態で略直線状の本体部と、前記本体部から延伸して先端までの部分を構成し自然状態で湾曲形状を有する湾曲部とからなり、
    前記湾曲部は、前記本体部から第1の屈曲部を介して前記本体部に対して傾斜した方向に延びる傾斜部と、前記傾斜部から前記第1の屈曲部と反対の方向に湾曲する第2の屈曲部を介して続く略直線部と、前記略直線部から該第2の屈曲部と同じ方向に湾曲する第3の屈曲部を介して続く略直線状の最先端部とからなり、
    前記最先端部が前記左冠動脈口に位置したとき、前記第1の屈曲部が腕頭動脈内に位置するように形状付けられ、かつ、前記第2の屈曲部が前記左冠動脈口と反対側の上行大動脈の内壁に接触し得るように形状付けられており、
    前記係合方法は、
    前記第2の屈曲部を大動脈壁に位置づけるステップと、
    前記最先端部を前記左冠動脈口付近に近づけるステップと、
    前記大動脈壁に位置づけた前記第2の屈曲部を回転中心として、前記湾曲部を回転させるステップと、
    前記最先端部を前記左冠動脈口に係合させるステップとを含む、
    ことを特徴とする係合方法。
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