JP2011083444A - 眼科装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】被検眼の測定/検査を行なう光学系を有する検眼ユニットと、被検眼を照明する複数の照明光源と、複数の照明光源により照明された被検眼像を撮像素子に受光して観察する観察光学系と、撮像素子に受光した被検眼像を表示する表示手段と、撮像素子の制御信号に同期して複数の照明光源の点滅を行なう光源点灯制御手段と、2次元位置検出素子により前記被検眼像に重畳する照明光源の反射像を検出して被検眼に対する検眼ユニット手段のアライメント状態の検出を行なうアライメント状態取得手段とを有する眼科装置において、アライメント状態取得手段は複数の照明光源の点灯制御信号に同期して取得される2次元位置検出素子の信号を差分した情報に基づいてアライメント状態を検出する。
【選択図】図7
Description
しかしながら、この装置ではアライメント指標の角膜反射光束の位置を検出する位置検出素子の他に光量検出素子が必要となるため、部品増加とともに構成が複雑になり製造コストが上昇してしまう問題がある。
測定光投影系40tは、前述の照明光源21L,21R,22L,22Rと帯域が異なる赤外領域の波長を射出する測定光源41・レンズ42・リング絞り43・光分割ミラー44・レンズ45により構成されており、測定光源41の光(測定光)は観察光学系20の波長選択ミラー24により反射されて被検眼Eの眼底に導かれる。
眼底反射光受光系40rは、測定光投影系40tと兼用されるレンズ45・光分割ミラー44と、絞り46・レンズ47・光軸方向に移動可能な測定用CCD48により構成されており、被検眼Eの眼底で反射された測定光を測定用CCD48に導く。
図6は、被検眼Eに対して装置がアライメントされた状態で観察用CCD28が受光する被検眼Eの観察像をモニタ7に表示した状態を示したものである。ここで、モニタ7の表示範囲の縦横の中央線の交点は図3に示した光学系の光軸O1と一致するようにされている。
図6(a)は照明光源1ならびに照明光源2が点灯された状態であり、被検眼Eには照明光源1の反射像R21L,R21Rならびに照明光源2の反射像R22L,R22Rが観察される。なお、照明光源の反射像を”●”と”○”によって示しているが、内部塗りつぶしの有無により照明光源1あるいは照明光源2のいずれに起因するものであるか識別可能とするためである。
図6(b)および図6(c)は照明光源1あるいは照明光源2の一方のみが点灯されている状態の被検眼Eの観察像である。ここで、モニタ7に表示される被検眼Eは重畳している照明光源の反射像に近い程明るくなる。例えば、図6(b)の場合は左上および右下の領域は明るく左下および右上の領域は暗くなり、図6(c)の場合は逆になる。従って、一方の照明光源のみが点灯されて明るさが不均一となる期間は観察用CCD28を電荷掃出し状態とすることにより被検眼Eの観察情報を破棄する。これにより、モニタ7に表示される被検眼Eの観察像が照明光源の点灯状態の影響を受けてちらつくことを防止することが可能となる。
従って、最新点灯光源情報が“1”(図5ではFrame[i]のTsub経過時点に該当。)の場合には照明光源2が点灯されて照明光源1ならびに2が点灯状態となることで、モニタ7には画面全体の明るさが均一な被検眼Eの観察像(図6(a)に該当)が表示される。さらに、照明光源の点灯が行われたことにより最新点灯光源情報が更新され、点灯されたのが照明光源2であれば最新点灯光源情報は“2”に書換えられてメモリに保持される。前述の照明光源1ならびに2・観察用CCD28・2次元位置検出素子33の状態は、制御回路70が観察用CCD28から次のフレーム切換え信号を検知するまで継続して保持される。
従って、最新点灯光源情報として保持されていない照明光源を消灯させ、その後段落[0030]以降の処理を行なうことにより連続するフレーム走査時間における2次元位置検出素子33によるアライメント情報は直前のフレーム走査時間と異なる照明光源が点灯された状態で取得されることになるとともに、いずれの照明光源も点灯した状態で観察用CCD28により取得された被検眼Eの観察情報がモニタ7に表示されることになる。
ここで、横あるいは縦方向について取得される輝度の射影データに注目する。輝度の射影データは1ラインに存在する全ての輝度値を総和することで求められる。
図9は、図8に示した観察用CCD28の情報から取得された射影データの分布を示したものである。これによれば、図9において特定される照明光源の横方向位置Cx1,Cx2あるいは縦方向位置Cy1,Cy2には、図8(b)のX’−X’間およびY’−Y’間の輝度分布から特定される照明光源の位置が反映されることが理解される。従って、アライメント情報から求められる輝度の射影データの分布情報に基づいて照明光源の位置を特定すれば良い。
なお、図9は観察用CCD28の信号に基づいて取得される射影データを示しているが、光学系の説明において前述したように2次元位置検出素子33は輝度分布情報を出力することから、同様に射影データを求めることが可能である。さらに、輝度分布情報を出力する2次元位置検出素子には輝度の射影データを直接出力する製品も提供されており、この製品を利用することによりライン毎に輝度情報を総和する処理を省略することも可能となる。
図10(a)は、モニタ7の表示範囲(言い換えれば観察用CCD28の受光領域)と2次元位置検出素子33の受光領域の関係を示している。2次元位置検出素子33は、モニタ7の表示範囲(観察画面)の座標系に対して角度45°傾斜するとともに表示範囲の中央Oに2次元位置検出素子33の受光領域の中央が対応(一致)するように配置されている。なお、観察光学系の合焦位置においてモニタ7に表示される範囲は横方向Dw,縦方向Dhとする。
図10(b)は、2次元位置検出素子33の受光領域について示したもので、横(PSx)方向にm列,縦(PSy)方向にm行の画素から構成される正方領域となっており、列ならびに行の番号は0から始まるものとする。なお、図中の括弧付き符号は2次元位置検出素子33の画素を参照する列あるいは行の番号を示している。また、2次元位置検出素子33の受光領域の一辺の長さをPSLとする。
ここで、2次元位置検出素子33により検出される位置情報は、アライメントの移動方向に対応していない座標系における情報であるため、アライメントの移動方向に対応する座標系の情報への変換が必要となる。
図10(c)は、2次元位置検出素子33により検出される点Pを2次元位置検出素子33の座標系PS(以下座標系PSと表記)ならびにアライメントの移動方向に対応する座標系D(以降座標系Dと表記)により示したものであり、この図に基づいて変換手順を説明する。なお、座標系PSの基準位置PS0は座標系Dの基準位置0から横(Dx)方向にDx0の距離に設定する。まず、座標系PSにおける点Pの位置について検討する。2次元位置検出素子33はPSx方向がPSx1,PSy方向がPSy1の位置に点Pを検出する。ここで、2次元位置検出素子33の基準位置PS0と点Pを結ぶ線分の長さをLP,PSx方向に対する傾斜角をθとして極座標表示すると、
PSx1=LP・cosθ
PSy1=LP・sinθ
となる。次に、座標系Dにおける点Pの位置を検討する。Dx方向の位置をDx1,Dy方向の位置をDy1として極座標により表すと、
Dx1−Dx0=LP・cos(θ+45°)
Dy1=LP・sin(θ+45°)
となり、上式の右辺を加法定理に基づいて展開することにより2つの座標系の関係が導かれる。
Dx1=(PSx1−PSy1)/√2+Dx0
Dy1=(PSx1+PSy1)/√2
これにより、座標系PSの位置情報から座標系Dの位置情報へ変換される。ここで、2次元位置検出素子33の中央にアライメント基準AS0を設定すると、座標系DにおけるAS0の位置はDx方向がDx0,Dy方向はDy0となり、Dy0は2次元位置検出素子33の受光領域の対角長の半分に相当することから、
Dy0=PSL/√2
となる。従って、座標系Dにおけるアライメント基準AS0に対する点PのずれはDx方向をΔPx,Dy方向をΔPyとすると、
ΔPx=Dx1−Dx0=(PSx1−PSy1)/√2
ΔPy=Dy1−Dy0=(PSx1+PSy1−PSL)/√2
となる。ただし、前述のずれは2次元位置検出素子33におけるずれを表しており、実際の装置と被検眼のずれΔx,Δyは、
Δx=MPA・ΔPx=MPA・(PSx1−PSy1)/√2
Δy=MPA・ΔPy=MPA・(PSx1+PSy1−PSL)/√2
と表される。ここで、MPAはアライメント光学系の倍率であり、Z方向のアライメント基準位置において図10(a)に示すモニタ7の縦方向の表示範囲Dhが2次元位置検出素子33の対角に対応するように設定されている場合は、
Dh=MPA・√2・PSL
の関係から、
MPA=Dh/(√2・PSL)
が導かれ、実際の装置と被検眼のずれΔx,Δyは
Δx=Dh・(PSx1−PSy1)/(2・PSL)
Δy=Dh・(PSx1+PSy1)/(2・PSL)−Dh/2
となる。
なお、2次元位置検出素子33の受光領域は図10(b)に示すようにm行×m列の画素により構成されていることから、位置情報は画素の列あるいは行の番号として取得される。ここで、1画素の1辺の長さはPSL/mであり、前述のPSx1が第j列(列番号の最初は0)の画素位置に該当する場合には、
PSx1=(PSL/m)・(j+1/2)
と表わすことができる。従って、2次元位置検出素子33の座標系PSにおける検出位置情報に基づいて座標系DにおけるアライメントのずれΔx,Δyが算出される。
図11(a)および図11(b)の被検眼Eならびに射影データの分布情報内の点線は、被検眼Eの中央付近に外乱光nが存在する場合の情報を重ねて示したものである。このように外乱光が存在する場合、単一のアライメント情報の輝度値を比較する方法では照明光源の像の特定は行なえない。
しかしながら、段落[0034]に述べたように照明光源1のみ点灯された状態で取得される図11(a)の輝度分布情報から照明光源2のみが点灯された状態で取得される図11(b)の輝度分布情報を縦横方向毎に差し引くことにより、図11(c)に示すように外乱光nならびに被検眼Eの情報が排除されて照明光源1および照明光源2の角膜による反射像(虚像)の位置情報のみが抽出される。この際、差分処理における2つのアライメント情報の関係(引かれる側と引く側)により符号の正負が決定されることから、段落[0031]においてアライメント情報毎に関連付けられた最新点灯光源情報を差分処理において利用することにより、符号の正負によりいずれの照明光源に起因する情報であるか特定することが可能となる。例えば、最新点灯光源情報として“1”が関連付けられているアライメント情報(図11(a)に該当)から最新点灯光源情報として“2”が関連付けられているアライメント情報(図11(b)が該当)を差し引くように定めることにより、図11(c)のように照明光源1に基づく情報は正の値、照明光源2に基づく情報は負の値として抽出される。なお、本実施例は照明光源1に相当する照明光源21L,21Rあるいは照明光源2に相当する照明光源22L,22Rは2次元位置検出素子33において照明光源21L,21RのY方向位置あるいは照明光源22L,22RのX方向位置は同じになるように配置しているため、照明光源1の反射像のY方向位置はPy3の1点のみ抽出され、同様に照明光源2の反射像のX方向位置はPx3の1点のみ抽出される。
図12(a)は、投影レンズ31の方向から見た円柱レンズ32と2次元位置検出素子33の位置関係を示したもので、円柱レンズ32の円柱軸CyAは2次元位置検出素子33のY方向と一致するように配置されている。また、図12(b)は、アライメント状態が適正である場合に2次元位置検出素子33に照射される照明光源の反射像の位置関係を示している。照明光源1ならびに照明光源2の反射像は、2次元位置検出素子33の受光領域の半分以上の間隔になるように配置されている。この配置は、照明光源の反射像が1つのみ検出される場合に検出領域に基づいて光源の特定を可能とする。(後述)
図13は、円柱レンズ32を透過する光束の結像位置(焦点)と2次元位置検出素子33の配設された位置関係ならびに検出される光束の形状を示したものである。
図13(a)は、円柱レンズ32の円柱軸CyAに対して平行で光軸を含む断面を透過する光束(実線)の焦点位置Vfp(結像レンズ31の焦点に該当)と円柱レンズ32の円柱軸CyAに対して垂直で光軸を含む断面を透過する光束(点線)の焦点位置Hfpの間に2次元位置検出素子33が配設されていることを示している。
図13(b)は、図13(a)に示した光学系に円形の光束を平行に照射した際にVfpとHfpおよび2次元位置検出素子33の受光面において観察される光束の形状を示している。ここで、図13(a)に示すように2次元位置検出素子33を配置することにより前後(Z)方向のアライメント状態を評価する手順を説明する。
図14は、図13(a)において2次元位置検出素子33が円形の光束を検出する位置を前後(Z)方向のアライメント基準(Z=0)として設定した際に、2次元位置検出素子33が検出する光束が装置と被検眼Eの位置とともに変化することを示したものである。図14(a)は基準位置に被検眼Eが位置している状態、図14(b)は被検眼Eが接近した状態、図14(c)は離反した状態をそれぞれ示している。
被検眼Eが基準位置より接近する(Z<0)と、アライメント光学系30において被検眼Eの光束が結像する位置が後方(図では右)に移動するため、図13(a)ではHfpの位置に結像している円柱レンズ32の円柱軸に直交する光束の像が次第に2次元位置検出素子33に接近する。そして、図14(b)に示すように円柱レンズ32の円柱軸に直交する光束の像が2次元位置検出素子33に結像すると、2次元位置検出素子33は図13(b)のHfp面と同様な縦長の光束を検出する。逆に被検眼Eが基準位置から離反する(Z>0)と、被検眼Eの光束が結像する位置が前方(図では左)に移動するため、2次元位置検出素子33が検出する光束の形状は図13(a)のVfpの位置で結像している円柱レンズ32の円柱軸に平行な光束の像が2次元位置検出素子32に接近することになる。そして、図14(c)に示すように円柱レンズ32の円柱軸に平行する光束の像が2次元位置検出素子33に結像すると、2次元位置検出素子33は図13(b)のVfp面と同様な横長の光束を検出する。
従って、2次元位置検出素子33により検出される光束の形状に基づいて基準位置に対する被検眼Eの遠近を評価することが可能となる。ただし、被検眼Eが図14(b)よりも接近あるいは図14(c)よりも離反した状態では2次元位置検出素子33に受光される光束は縦横方向に拡散して光量が低下するため形状が識別できない。この場合、前述の遠近評価を行なうことはできないため、前後(Z)方向のアライメント状態が検出できないことを表示して手動によるアライメント操作を操作者に促す。
図15(a)は、円柱レンズ32が配設されていない場合の形状ならびに差分情報を示したもので、図14(b)は円柱レンズ32が配設された場合の形状ならびに差分情報を示している。ただし、図15(a)については2次元位置検出素子33が結像レンズ31の焦点位置(Vfpの位置に相当)に配設された場合について示している。
被検眼が基準位置に存在している場合(Z=0)、円柱レンズ32の有無に関係なく2次元位置検出素子33の受光面に結像する照明光源の像は円形となり、図11(c)に示す差分情報が取得される。基準位置より被検眼が離れている場合(Z>0)、円柱レンズ32が配設されていなければZ=0の場合と同様に形状は円形になるが、光束の結像位置がVfp’に移動してしまうため2次元位置検出素子33が受光する光束の面積が拡がり、面積あたりの受光光量が低下する。図15(b)においても2次元位置検出素子33の受光面に結像する照明光源の像がX方向に伸びるためX方向の分布における射影データは低くなるが、Y方向の光束は収束することからY方向の分布における射影データは基準位置とほぼ同じ大きさになる。逆に、基準位置より被検眼が接近している場合(Z<0)、2次元位置検出素子33が受光する照明光源の像の光束はY方向に伸びるためY方向の分布における射影データは低くなるが、X方向の分布における射影データは基準位置とほぼ同じ大きさになる。
ここで、円柱レンズ32が配設されていない場合は基準位置より被検眼Eが離れている場合(Z>0)とほぼ同様な差分信号になってしまうため、2次元位置検出素子33により取得される差分情報に基づいて被検眼の遠近を識別することはできない。しかしながら、円柱レンズ32を透過した光束を2次元位置検出素子33において受光させる構成とすることにより、図14(b)と図14(c)を両端とする範囲においてはX方向あるいはY方向の少なくとも一方において基準位置と同等以上の大きさの射影データが取得される。
従って、X方向およびY方向の射影データの大きさが所定値(図15の差分情報に示した破線)以上であるか否かを評価することで前後(Z)方向の位置関係が把握される。なお、X方向の分布における照明光源2に基づく射影データ(塗りつぶし無)とY方向における照明光源1に基づく射影データ(塗りつぶし有)は2つの照明光源の情報が重複していることから、半値に基づいて前述の評価を行なう必要があることに注意する。例えば、Z<0のように差分情報のX方向の分布における射影データのみが所定以上の大きさである場合、被検眼Eが基準位置より近くに位置していることが把握されるため、検眼部3が被検眼Eから離反するように制御回路70は検眼部3を被検眼Eから離反させるように駆動回路78を介してZ軸駆動モータ85の駆動制御を行なう。そして、差分情報の射影データの大きさの評価とそれに基づくZ軸駆動モータ85の制御を繰り返すことにより、検眼部3が被検眼Eから離反するに従って差分情報におけるY方向の分布における射影データも大きくなる。Y方向の分布における射影データのみが所定以上の場合、検眼部3を被検眼Eに接近させる駆動制御を行なえば良い。
Z方向のアライメントが適切な状態(Z=0)であるか否かの判断は、差分情報の正負いずれか一方の射影データのX方向の分布およびY方向の分布における大きさ(高さ)の比較により行なう。2次元位置検出素子33が受光する照明光源の反射像の光束が円形である場合、差分情報のX方向の分布において抽出される照明光源の反射像に関わる全ての射影データの大きさ(高さ)を積算した情報とY方向の分布において抽出される照明光源の反射像に関わる全ての射影データの大きさ(高さ)を積算した情報はほぼ同じになる。従って、X方向の分布において抽出される全ての射影データの大きさ(高さ)を積算した情報とY方向の射影データの大きさ(高さ)を積算した情報の差が0であれば前後(Z)方向の基準位置であると判断可能となる。例えば、図15(b)のZ=0の場合、差分情報には符号が正である射影データと負である射影データが存在し、それぞれの射影データには2つの照明光源の情報が反映されている。符号が正の射影データに限定すると、X方向の分布に2つとY方向の分布に1つの射影データが存在している。ここで、Y方向の分布に存在する射影データは2つの照明光源の情報が重複しているため、X方向の分布において認められる2つの射影データを積算した高さにほぼ等しくなることから、X方向の分布に存在する射影データとY方向の分布に存在する射影データの差は0となる。なお、図15は照明光源1ならびに照明光源2に関わる全ての反射像が検出された場合の例であるが、照明光源1あるいは照明光源2のいずれか1つの反射像が2次元位置検出素子33により検出されることで前後(Z)方向のアライメント状態について評価することが可能となる。
図16は、上下左右(XY)方向のずれにより照明光源の反射像が1つのみ検出される状態において2次元位置検出素子33により取得される差分情報が前後(Z)方向のアライメント状態により変化することを示したものである。被検眼Eに向けて照射された照明光源の反射像は、図16(a)に示すように被検眼Eがモニタ7の右上寄りに位置する場合は照明光源もモニタ7の右上方向に確認される。ここで、モニタ7の表示範囲と2次元位置検出素子33の検出範囲は図10(a)に示した関係であるため、図16(a)の例では照明光源22Lの反射像のみが2次元位置検出素子33により検出される
。図16(b)は、図14(a)から図14(c)に示したそれぞれの状態において2次元位置検出素子33により取得される差分情報を示している。図16(b)のZ=0の場合、符号が負の射影データがX方向の分布ならびにY方向の分布において大きさ(高さ)が等しいことからその差はほとんど0となる。
図17は、左右上下(XY)方向のずれの程度により2次元位置検出素子33が取得する差分情報が変化する状態を示している。図17(a)から図17(c)は2次元位置検出素子33により検出される照明光源の反射像の数が変化した際の差分情報である。
まず、図17(a)のように左右上下(XY)方向のアライメント状態が適正位置から大きく外れている場合、2次元位置検出素子33は照明光源の反射像を1つのみ検出する。全照明光源の中間点MPを2次元位置検出素子33の中央部に移動させることによりアライメント状態が適切な状態となるが、図17(a)の状態ではMPは2次元位置検出素子33の検出範囲から外れているため適切なアライメント状態からのずれ量を認識できない。しかしながら、図17(a)の例では検出された照明光源の反射像R21Rの位置は2次元位置検出素子33の基準位置(CLXとCLYの交点)に対してPSx方向が+ΔPSxPP、PSy方向が−ΔPSyPPずれていることを把握可能である。ここで、前述のずれを解消する方向に照明光源の反射像R21Rが移動するように駆動制御を行なうことにより、図17(b)に示すように2次元位置検出素子33の受光領域内に中間点MPが誘導される。中間点MPが2次元位置検出素子33の受光領域内に誘導されると、照明光源21Rに加えて照明光源2の少なくとも一方の反射像も受光領域内に誘導される。
従って、差分情報には照明光源1ならびに照明光源2による2つの情報が含まれることになるため、2次元位置検出素子33の基準位置ならびにMPの位置関係を把握可能となる。これにより、中間点BPを2次元位置検出素子33の基準位置に誘導するために必要な移動量ΔPSxMP,ΔPSyMPを算出できるため、検眼部3を移動する駆動制御を行なうことが可能となる。
以上に述べた差分情報の取得と駆動制御を繰り返すことにより中間点BPと2次元位置検出素子33の基準位置のずれは次第に解消され、最終的に図17(c)に示すように中間点BPは2次元位置検出素子33の基準位置(受光領域の中央)にほぼ一致した状態に近づくため、中間点BPと2次元位置検出素子33のずれが所定量以下であれば左右上下(XY)方向のアライメント状態が適切であると判断して検眼部3のアライメント駆動を停止する。ここで、アライメントが適切な状態になったことを報知する信号を出力することで、操作者に測定・検査を実施する段階に移行したことを報知させることや測定・検査を自動的に実施することが可能となる。
被検眼Eに照射された測定光は眼底において反射され眼底反射光受光系40rを経由して測定用CCD48に導かれる。なお、被検眼Eの眼屈折力により眼底反射光の合焦位置が変動するため、制御回路70は駆動回路C74を介して測定用CCD駆動モータ81を軸方向に移動させて合焦状態の眼底反射光の像を検出可能としている。このようにして測定用CCD48により検出されたリング像(眼底反射光)は被検眼Eの眼屈折力に応じて大きさが変化するものであり、リング像の大きさを検出することにより眼屈折力が求められる。測定用CCD48で検出されるリング像の大きさと眼屈折力の関係については本出願人による特開2003−102687号公報に記載があり本発明との関係も薄いため説明は省略する。求められた眼屈折力は、制御回路70により図形表示回路72・合成回路73を介して本体10のモニタ7に表示される。
20 観察光学系
21L,21R,22L,22R 照明光源
28 観察用CCD
30 アライメント光学系
32 円柱レンズ
33 2次元位置検出素子
40 眼屈折力測定光学系
50 指標光学系
70 制御回路
Claims (5)
- 被検眼の検査あるいは測定を行なう検眼光学系が組み込まれた検眼ユニットと、
前記検眼ユニットを3次元的に移動する移動手段と、
被検眼を照明する複数の照明光源と、
該複数の照明光源により照明された被検眼像を撮像素子に受光して観察する観察光学系と、
前記撮像素子に受光した前記被検眼像を表示する表示手段と、
前記撮像素子の制御信号に同期して前記複数の照明光源の点滅を行なう光源点灯制御手段と、
前記被検眼像に重畳する前記照明光源の反射像を2次元位置検出素子により検出して前記検眼ユニットと被検眼のアライメント状態の取得を行なう少なくとも一部が前記観察光学系と兼用されているアライメント状態取得手段とを有し、
前記アライメント状態取得手段により検出されたアライメント状態に基づいて前記検眼ユニットの移動を行なう眼科装置において、
前記アライメント状態取得手段は前記光源点灯制御手段の制御信号と同期して前記2次元位置検出素子から出力される2つの信号を差分した情報に基づいてアライメント状態を取得することを特徴とする眼科装置。 - 前記光源点灯制御手段は、前記撮像素子の撮像周期内において前記複数の照明光源の半数を点灯する第1の状態と全数点灯する第2の状態を切換えるとともに次の撮像周期に移行した際に前記第1の状態の点灯と消灯が逆転するように制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
- 前記第1の状態と前記第2の状態の切換えは前記撮像素子のフィールド切換えあるいは電子シャッタタイミングと同期して行なうことを特徴とする請求項2に記載の眼科装置。
- 前記複数の照明光源は前記検眼光学系の光軸に対して点対称となる位置に配置され、前記2次元位置検出素子は前記第1の状態において点灯している光源と消灯している光源とを結ぶ直線に対して45°傾斜するように配置したことを特徴とする請求項2又は3に記載の眼科装置。
- 前記撮像素子は前記2次元位置検出素子と兼用されることを特徴とする請求項1乃至4に記載の眼科装置。
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