以下に、図面を参照して、この発明に係る実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素の相対配置、数式、数値等は、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施形態1>
図1は、バーコードを含む印刷物の外観を示している。図1において、印刷物222の左上にバーコード221が印刷されている。ここで、バーコード221の印刷される位置やバーコード221の大きさと個数は、任意である。また、本発明の説明で用いる図面には、バーコードの例として、QRコード(登録商標)を示しているが、バーコードがQRコード(登録商標)以外でも良い。
図2は、画像処理装置3001の内部を示すブロック図である。
コントローラ3300は、スキャナ部3202やプリンタ部3203を制御する。また、コントローラ3300は、LAN又はWAN3301を介して、クライアントPC1001と、画像処理装置3001との間のデータ通信を制御する。
RAM3302は、CPU3400が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ、画像処理装置3001が受け取った原稿画像データを一時記憶するためのメモリでもある。
ROM3303は、画像処理装置3001のブートプログラムなどを格納する。
HDD3304は、ハードディスクドライブであり、画像処理装置3001のシステムソフトウェアや画像処理装置3001が受け取った原稿画像データを格納する。
操作部I/F3305は、システムバス3307と操作部3201とを接続するためのインタフェース部である。操作部I/F3305は、操作部3201に表示するための原稿画像データをシステムバス3307から受取り、操作部3201に出力すると共に、操作部3201から入力された情報をシステムバス3307へ出力する。
NetworkI/F3306は、LAN又はWAN3301とシステムバス3307とを接続するインタフェースボードである。
画像バス3319は、原稿画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
スキャナ画像処理部3312は、スキャナ部3202からスキャナI/F3311を介して受け取った原稿画像データをバーコード抽出処理部3309に転送する。
バーコード抽出処理部3309は、原稿画像データに付加されているバーコードを検出し、復号化を行なう。これにより、原稿画像データから付加情報が取得されることになる。また、この検出と復号化はコントローラのCPU3400によって、ROM3303、または、HDD3304に記憶された制御プログラムに基づいて行われる。
ここで、バーコードの検出と復号化は、一般に、計算コストが低いため、CPU3400上でソフトウェア(ソフトデコーダー)により実行されても良いが、上記の他のハードウェアにより実行されても良い。
プリンタ画像処理部3317は、受け取った原稿画像データに対して画像処理(印刷に必要な画像処理、例えば、ハーフトーン)を施す。
バーコード生成部3315は、付加情報を符号化してバーコードを生成する。次いで、プリンタ画像処理部3317は、このバーコードを原稿画像データに付加する。このプリンタ画像処理部3317によるバーコードの付加処理は、コントローラ3300のCPU3400によって、ROM3303、または、HDD3304に記憶された制御プログラムに基づいて行われる。
画像変換部3314は、原稿画像データに対して回転や色空間変換、2値多値変換、画像合成、間引きといった所定の変換処理を施す。
RIP部3308は、クライアントPC1001から送信されたPDLコードデータを元に生成された中間データを受取り、ビットマップデータを生成する。生成されたビットマップデータは、画像バス3319へ送られる。
図2を参照して、画像処理装置3001の動作を詳細に説明する。
ユーザが原稿フィーダ上に原稿を載せ、操作部3201が、ユーザからの複写開始指示を受け取ると、スキャナ部3202は、原稿の読み取りを開始する。スキャナ部3202は、読み取った原稿画像データを、スキャナI/F3311を介して、スキャナ画像処理部3312に送る。そして、スキャナ画像処理部3312は、受け取った原稿画像データをバーコード抽出処理部3309に送る。
バーコード抽出処理部3309は、受け取った原稿画像データに対してバーコードの検出と復号化処理を行なう。なお、検出処理と復号化処理とを組み合わせた処理が抽出処理である。
そして、バーコード抽出処理部3309は、抽出結果(即ち、抽出により得られた付加情報)をジョブ制御部3320に送る。
ジョブ制御部3320は、受け取った抽出結果にしたがって複写動作を実行するか停止するかどうかを判定する。
ジョブ制御部3320が、複写動作を停止すると判定した場合には、ジョブ制御部3320は、複写動作の停止命令を、プリンタI/F3318を介して、プリンタ部3203に送る。さらに、ジョブ制御部3320は、操作部I/F3305を制御して、後述する図5のダイアログボックス41を操作部3201に表示する。
なお、プリンタ部3203は、ジョブ制御部3320から複写動作の停止命令を受け取ると、印刷中であっても印刷を停止する。
本実施形態に係る画像処理装置3001とスキャナ部3202とプリンタ部3203とからなるシステムは、印刷物を複写するものである。なお、画像処理装置3001とスキャナ部3202とプリンタ部3203とからなるシステムを単に複写装置と呼ぶこともある。もちろん、複写装置という表現には、複写だけの機能を有する複写機や、それに他の機能(例えば、Eメール送信機能)の追加された複合機が含まれる。
図3は、バーコード2021に符号化された状態で含まれる付加情報2022を示す図である。付加情報2022は、第1の情報2023と、第2の情報2024とを含む。
第1の情報2023は、原稿画像データの印刷を制御する複写制御情報として使用される。
第2の情報2024は、紙2020にバーコード2021が付加された印刷物2060の印刷者を追跡し、印刷物の情報漏洩の経路を追跡するための情報(追跡情報)を含む。追跡情報には例えば、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名、デバイス名といった印刷時の情報が含まれる。このように、1つのバーコードに複写制御情報と追跡情報を含ませることにより、例えば、バーコードが印刷物の美感を損なわずに、バーコードを迅速に検出可能なものとすることができる。
ユーザが、複写装置を用いて、バーコードが付加された印刷物の複写を試みると、複写装置は、印刷物にバーコードが付加されていることを検知する。次いで、複写装置は、そのバーコードを復号化して付加情報を得る。そして、その付加情報のうちの複写制御情報にしたがって、複写動作を制御する。例えば、複写制御情報が「複写禁止」を示す場合(複写制御情報が複写禁止情報を含む場合)には、複写装置は複写動作を停止する。これによって、複写が禁止された印刷物の複写を防止できる。逆に、複写制御情報が「複写許可」を示す場合(複写制御情報が複写許可情報を含む場合)には、複写装置は複写動作を継続する。なお、複写禁止を示す情報は1であり、複写許可を示す情報は0であるものとして、付加情報内の所定の位置(例えば、先頭)に含まれている。
上記の複写制御情報を用いることにより、例えば、会社のオフィスにおいて悪意を持つ社員が印刷物を複写するのを禁止することができる。また、例えば、バーコードから複写制御情報を迅速に復号化することにより、複写装置は、複写対象となる印刷物の複写が禁止されているか否かを迅速に判定することができる。また、例えば、複写装置は、複写制御情報により、複写対象となる印刷物の複写が許可されていると判定した場合には、迅速に印刷物を複写し、複写装置のユーザの複写要求を満たすことができる。
図4は、画像処理装置3001が印刷物に付加する複写制御情報の設定画面の一例を示している。
図4の印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31は、操作部3201に表示され、ユーザに複写装置における印刷物に対する付加情報の内容を設定させる画面である。
印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31内のラジオボタン32にユーザにより入れられたチェックマークを受け付けることにより、画像処理装置3001は、付加する複写制御情報の内容を「複写を許可する」、「複写を禁止する」、の条件の中から設定する。選択された複写制御情報は、HDD3304に保存される。なお、画像処理装置3001が、複写制御情報の選択をユーザから受け付けない場合に、画像処理装置3001は、デフォルト設定である「複写を許可する」の条件を複写制御情報に設定する。
HDD3304に保存されている複写制御情報の内容は複写を含む印刷時に使用され、付加情報内の複写制御情報として印刷データに付加される。
なお、印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31における複写制御情報の設定は、一般ユーザが複写指示時に、その複写動作のみに画像処理装置3001により設定されるものであってもよい。また、画像処理装置3001は、印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31における複写制御情報の設定を、管理者などの一般ユーザよりも高い操作権限を持っているユーザのみから受け付けるように制限しても良い。また、複写制御情報の設定は、複写装置の複写動作を含む全印刷動作について設定されても良い。印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31による最終的な設定は、画像処理装置3001がボタン34の押下げを受け付けることにより終了する。また、画像処理装置3001がボタン35の押下げを受け付けると、印刷セキュリティ設定ダイアログボックス31による設定がキャンセルされる。
次に、図2と図4を参照して、画像処理装置3001の印刷動作を詳細に説明する。
クライアントPC1001は、ユーザから印刷データの印刷操作指示を受け付けると、PDLコードデータを生成する。そして、クライアントPC1001は、LAN又はWAN3301を介して、画像処理装置3001にPDLコードデータを送信する。送信されたPDLコードデータはNetworkI/F3306とシステムバス3307を介して、CPU3400に送信される。
CPU3400はシステムバス3307から受け取ったPDLコードデータを元に中間データを生成する。その後、CPU3400はその中間データをRIP部3308へ送信される。
RIP部3308は受け取った中間データからビットマップデータを生成する。生成されたビットマップデータは画像バス3319を介してプリンタ画像処理部3317へ送信される。
バーコード生成部3315は、HDD3304に保存されている、複写制御情報の設定内容と追跡情報をまとめる(即ち、二つの情報に分かれていたものを一つの情報にまとめる)。ここで、追跡情報とは、例えば、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名といった情報等である。これにより、付加情報が生成される。そしてこの付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後生成したバーコードは画像バス3319を介してプリンタ画像処理部3317へ送信される。
プリンタ画像処理部3317はバーコード生成部3315の生成したバーコードをRIP部3308が生成したビットマップデータに付加し印刷画像データを生成する。その後、印刷画像データはプリンタI/F3318介しプリンタ部3203へ送られ、印刷される。
図5は、複写制御情報として「複写を禁止する」ことを示すバーコードの付加された印刷文書の複写をユーザが試みたときに操作部3201に表示されるダイアログボックス41を示す。複写装置は、複写対象である印刷文書に「複写を禁止する」を示す複写制御情報が含まれていることを検知すると、複写を行なわない旨のメッセージをユーザに通知する。したがって、この通知を受けたユーザは、複写を断念することになる。
図6は、本実施形態において、複写装置が実行する複写制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS6001において、操作部3201は、ユーザから複写開始指示を受け取る。その命令がスキャナ部3202に伝えられると、スキャナ部3202は、原稿を読み取り、読み取った原稿画像データを、スキャナI/F3311とスキャナ画像処理部3312を経由して、バーコード抽出処理部3309に送る。なお、このとき、スキャナ画像処理部3312は、原稿画像データを受け取ると、ガンマ補正などの画像処理を実行する。そして、スキャナ画像処理部3312は、画像処理後の原稿画像データをバーコード抽出処理部3309とプリンタ画像処理部3317に送る。
次に、ステップS6002において、バーコード抽出処理部3309は、スキャナ画像処理部3312から受け取った原稿画像データからバーコードを検出する処理を実行する。
ステップS6003において、ジョブ制御部3320の指示を受けてバーコード抽出処理部3309が原稿画像データにバーコードが付加されていると判定した場合には、ステップS6004に処理が進む。
ステップS6003において、ジョブ制御部3320の指示を受けてバーコード抽出処理部3309が原稿画像データにバーコードが付加されていないと判定した場合には、ステップS6008に処理が進む。
ステップS6004において、バーコード抽出処理部3309は、原稿画像データから検出したバーコードに対して復号化処理を行なう。これにより、原稿画像データから付加情報が取得されることになる。復号化処理の完了後、ステップS6005に処理が進む。
ステップS6005において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に、複写制御情報として複写を禁止する情報(複写禁止情報)が含まれているかどうかを判定する。複写制御情報に複写を禁止する情報が含まれていない場合には、複写制御情報に複写を許可する情報(複写許可情報)が含まれているので、ステップS6006に処理が進む。なお、複写を禁止する情報(複写禁止情報)は1という情報になっており、複写を許可する情報(複写許可情報)は0という情報になっている。
ステップS6005においてバーコード抽出処理部3309が付加情報の中に複写制御情報として複写を禁止する情報(複写禁止情報)が含まれていると判定した場合、ジョブ制御部3320は、複写動作の停止を決定する。そして、ジョブ制御部3320は、ジョブをキャンセルすることにより、プリンタ部3203の複写動作を停止する。その際に、ジョブ制御部3320は、図5に示すダイアログボックス41を操作部3201に表示し、印刷を停止することをユーザに知らせる。その後、処理を終了する。
ステップS6006において、バーコード生成部3315が付加情報と、新たな追跡情報から、新たな付加情報を生成する。そして、この新たな付加情報の符号化を行なう。これにより、バーコードが再生成されることになる。
具体的には、バーコード生成部3315は、バーコード抽出処理部3309で得られた付加情報のうち複写制御情報(即ち、複写を許可する情報(複写許可情報))を、そのままの状態にする。即ち、複写制御情報(複写許可情報)は変更されず、同じ情報のままにされる。一方、追跡情報については、古い追跡情報に新しい追跡情報を追記するという情報の更新が行なわれる。すなわち、複写制御情報は、そのままの状態にされ、追跡情報のみが更新される。なお、本明細書において、更新と変更は同じ意味である。このような処理により、複写を許可した、印刷物を作成した当初のユーザの意思を尊重することができる。
なお、上記追跡情報には、例えば、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名といった情報等、が含まれる。また、印刷指示をしたユーザのユーザ名を取得できない場合は、複写者を特定するために有用な情報が含まれていればよい。本明細書における追跡情報の定義は、印刷者を特定するために使いうる情報である。
また、上記追跡情報の更新とは、古い追跡情報に新しい追跡情報を書き加えるということである。ただし、書き加え可能な追跡情報の量に制限がある場合には、原稿画像に付加されていた付加情報のうち最も古い追跡情報を削除して新しい追跡情報を書き加える。ただし、最も古い追跡情報が削除される場合に、原稿画像の作成者の情報が追跡情報に残されていても良い。このように、古い追跡情報のうちの一部を削除して新しい追跡情報を書き加えることも追跡情報の更新という用語の意味に含まれる。
そして、バーコード生成部3315は、上記のように変更された追跡情報と変更されていない複写制御情報とを合わせて、新たな付加情報を生成する。そして、バーコード生成部3315は、当該新たな付加情報を符号化することで新たなバーコードを生成し、当該生成されたバーコードをプリンタ画像処理部3317に送信し、ステップS6007に処理が進む。
ステップS6007において、プリンタ画像処理部3317がステップS6006にてバーコード生成部3315の生成した新たなバーコードを印刷画像データに付加する。その際、プリンタ画像処理部3317は、バーコード抽出処理部3309で検出された(原稿画像データ内の)バーコードと同じ位置に、生成された新たなバーコードを配置する。即ち、プリンタ画像処理部3317は、スキャナ画像処理部3312から原稿画像データの特定の場所へのバーコードの合成指示を受け付けて、スキャナ画像処理部3312から送られてきた原稿画像データに新たなバーコードを付加(合成)する。その際、プリンタ画像処理部3317は、古い原稿画像データにおける古いバーコードと同じ位置に、その新たなバーコードを付加する。この付加により、印刷画像データが生成されるため、プリンタ画像処理部3317は、印刷画像データに対してプリンタ画像処理(ハーフトーンなどの印刷に必要な画像処理)を行う。そして、プリンタ画像処理部3317は、プリンタ画像処理後の印刷画像データをプリンタI/F3318を通じて、プリンタ部3203に送信し、ステップS6010に処理が進む。
なお、本実施形態及び他の実施形態では、古いバーコードと同じ位置に新たなバーコードが付加されると、古いバーコードは削除される。即ち、新たなバーコードが古いバーコードに上書きされる。
なお、古いバーコードをいったん削除してから、新たなバーコードを付加してもよいのは言うまでもない。
一方、ステップS6003でバーコードが付加されていないと判定された場合には以下の処理が行われる。まず、ステップS6008において、バーコード生成部3315は設定されている複写制御情報と、複写装置にログインしているユーザ情報から、新たな付加情報を生成し、符号化することでバーコードの生成を行なう。ここで、ユーザ情報とは、例えば、複写装置にログインしているユーザのユーザ名およびユーザIDおよびデバイス名である。
すなわち、バーコード生成部3315が新たに生成する付加情報のうち複写制御情報は、事前に設定されHDD3304に保存されている、複写制御情報の設定内容である。そして、追跡情報は印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名といった複写者を特定する情報である。そして、バーコード生成部3315は付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後生成したバーコードは、画像バス3319を介して、バーコード生成部3315によりプリンタ画像処理部3317へ送信され、ステップS6009に処理が進む。
ステップS6009において、プリンタ画像処理部3317がステップS6008にてバーコード生成部3315の生成したバーコードを付加した印刷画像データを作成する。その際、プリンタ画像処理部3317はバーコードの付加位置として設定されている位置に付加する。なお、そのバーコードの付加位置は印刷物の四隅のいずれかに付加される。四隅の各領域は3cm×3cmであり、バーコードのサイズは2cm×2cmである。この四隅の中のどの隅に付加するかや、その隅のうちのどの位置に付加するかは事前に設定され、設定内容はHDD3304に保存されているが、ユーザが選べるようにしても良い。以降、この3cm×3cm×4隅の領域のことを規定エリアと呼ぶことにする。その後、ステップS6009で作成された印刷画像データを、プリンタI/F3318を通じて、プリンタ画像処理部3317がプリンタ部3203に送信し、ステップS6010に処理が進む。
ステップS6010において、ジョブ制御部3320は、プリンタ部3203に印刷画像データの印刷開始の指令を送る。
ここで、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317から既に印刷画像データを受け取っている場合に、プリンタ部3203は、その印刷画像データの印刷を開始する。
一方、プリンタ部3203が、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取っていない場合には、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317における画像処理が終了するまで待機する。そして、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取った後に、その印刷画像データの印刷を開始する。
そして、プリンタ部が印刷画像データの印刷後、処理を終了する。
次に、図10を説明する。図10は、本実施形態において、画像処理装置3001が実行する複写制御の流れを示すフローチャートである。
前述の図6は、複写装置が出力する複写物に付加されるバーコードの複写制御情報は一般ユーザが指示した複写動作のみに設定していることを前提としている。
一方、図10では、管理者などの一般ユーザよりも高い操作権限があるユーザによって複写装置の全印刷物に対して、複写許可あるいは複写禁止が設定されていることを前提にしている。
ステップS10001において、操作部3201は、ユーザから複写開始指示を受け取る。その命令がスキャナ部3202に伝えられると、スキャナ部3202は、原稿を読み取り、読み取った原稿画像データを、スキャナI/F3311とスキャナ画像処理部3312を経由して、バーコード抽出処理部3309に送る。なお、このとき、スキャナ画像処理部3312は、原稿画像データを受け取ると、ガンマ補正などの画像処理を実行する。そして、スキャナ画像処理部3312は、画像処理後の原稿画像データをバーコード抽出処理部3309とプリンタ画像処理部3317に送る。
次に、ステップS10002において、バーコード抽出処理部3309は、スキャナ画像処理部3312から受け取った原稿画像データからバーコードを検出する処理を実行する。
ステップS10003において、バーコード抽出処理部3309は原稿画像データにバーコードが付加されていると判定した場合にはステップS10004に処理が進む。
ステップS10003において、バーコード抽出処理部3309は原稿画像データにバーコードが付加されていないと判定した場合には、ステップS10008に処理が進む。
ステップS10004において、バーコード抽出処理部3309は、原稿画像データから検出したバーコードに対して復号化処理を行なう。これにより、原稿画像データから付加情報が取得されることになる。復号化処理の完了後、ステップS10005に処理が進む。
ステップS10005において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に、複写制御情報として複写を禁止する情報が含まれていたかどうかを判定する。複写制御情報に複写を禁止する情報が含まれていない場合(この場合には、複写制御情報に複写を許可する情報が含まれているということになるので)、ステップS10006に処理が進む。なお、複写を禁止する情報は1という情報になっており、複写を許可する情報は0という情報になっている。
ステップS10005において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に複写制御情報として複写を禁止する情報が含まれていると判定した場合、ジョブ制御部3320は、複写動作の停止を決定する。そして、ジョブ制御部3320は、ジョブをキャンセルすることにより、プリンタ部3203の複写動作を停止する。その際に、ジョブ制御部3320は、図5に示すダイアログボックス41を操作部3201に表示し、バーコード検知範囲の外にバーコードが付加されていることと、印刷を停止することとをユーザに知らせる。その後、処理を終了する。
ステップS1005において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に複写制御情報として複写を禁止する情報が含まれていないと判定した場合、ステップS10011に処理が進む。
ステップS10011において、バーコード抽出処理部3309が、複写装置に複写許可が設定されていると判定した場合、ステップS10013に処理が進む。ステップS10013では、複写制御情報の変更はされず、ステップS10006に処理が進む。
ステップS10011において、バーコード抽出処理部3309が、複写装置に複写許可が設定されていない(複写装置に複写禁止が設定されている)と判定した場合、ステップS10012に処理が進む。ステップS10012では、バーコード生成部3315が、ステップS10004で復号化されたバーコードにもともと含まれていた複写許可情報を複写禁止情報に変更し、ステップS10006に処理が進む。
このようにして、複写装置において、原稿画像データの複写が禁止されているときに、ステップS10004で復号化されたバーコードから複写許可情報が取得された場合に、バーコード生成部3315は、複写許可情報を複写禁止情報に変更する。
上記のような処理により、印刷物が機密情報でないと考えられており、もともと複写制御情報に複写許可情報が含まれていた場合に、例えば以下のようなことが可能になる。すなわち、複写制御情報が定められた後になって印刷物が機密情報であるとわかり、印刷物の複写を禁じたい場合に、例外的に、複写装置の設定により、印刷物の複写を禁止することができる。
ステップS10006において、バーコード生成部3315が付加情報と新たな追跡情報と設定されている複写制御情報から、新たな付加情報を生成し、符号化することでバーコードの生成を行なう。
すなわち、バーコード生成部3315が生成する付加情報のうち複写制御情報と追跡情報ともに情報の更新を行なう。すなわち複写制御情報は、事前に設定されHDD3304に保存されている、複写制御情報の設定内容であり、追跡情報は付加情報内の元の追跡情報に新たな追跡情報を追記したものである。ここで、追跡情報とは、例えば、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名といった複写者を特定する情報である。そして、バーコード生成部3315は付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後、生成されたバーコードをプリンタ画像処理部3317に送信し、ステップS10007に処理が進む。
ステップS10007において、プリンタ画像処理部3317がステップS10006にてバーコード生成部3315の生成した新たなバーコードを印刷画像データに付加する。その際、プリンタ画像処理部3317はバーコード抽出処理部3309で検出された(原稿画像データ内の)バーコードと同じ位置に、生成された新たなバーコードを配置する。すなわち、プリンタ画像処理部3317は、スキャナ画像処理部3312から原稿画像データの特定の場所へのバーコードの合成指示を受け付けて、スキャナ画像処理部3312から送られてきた原稿画像データに新たなバーコードを付加(合成)する。その際、プリンタ画像処理部3317は、古い原稿画像データにおける古いバーコードと同じ位置に、その新たなバーコードを付加する。この付加により、印刷画像データが生成されることになるため、印刷画像データに対してプリンタ画像処理(ハーフトーンなどの印刷に必要な画像処理)を行なう。そして、プリンタ画像処理後の印刷画像データをプリンタI/F3318を通じて、プリンタ部3203に送信し、ステップS10010に処理が進む。
ステップS10008において、バーコード生成部3315は設定されている複写制御情報と、複写装置にログインしているユーザ情報とから、新たな付加情報を生成し、符号化することでバーコードの生成を行なう。
すなわちバーコード生成部3315が生成する付加情報のうち複写制御情報は、事前に設定されHDD3304に保存されている、管理者などの一般ユーザよりも高い操作権限があるユーザによって複写装置の全印刷物に対する複写制御情報の設定内容である。そして、追跡情報は、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名といった複写者を特定する情報である。そしてバーコード生成部3315は付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後生成したバーコードは画像バス3319を介してプリンタ画像処理部3317へ送信される。
ステップS10009において、プリンタ画像処理部3317がステップS10008にてバーコード生成部3315の生成したバーコードを付加した印刷画像データを生成する。その際、HDD3304に保存されているバーコードの付加設定位置に付加する。プリンタ画像処理部3317は画像処理装置3001において複写設定されている位置に付加する。
その後、生成した印刷画像データをプリンタI/F3318を通じて、プリンタ部3203に送信し、ステップS10010に処理が進む。
ステップS10010において、ジョブ制御部3320は、プリンタ部3203に印刷画像データの印刷開始の指令を送る。
プリンタ部3203が、プリンタ画像処理部3317から既に印刷画像データを受け取っている場合に、プリンタ部3203は、その印刷画像データの印刷を開始する。
一方、プリンタ部3203が、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取っていない場合には、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317における画像処理が終了するまで待機する。そして、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取った後に、その印刷画像データの印刷を開始する。そして、印刷画像データの印刷後、処理を終了する。
図11は、図6と図10の処理フローに従って、符号化されバーコードとして印刷物に付加された付加情報の変化を示す図である。
複写前原稿1201には、付加情報1202が付加され印刷されている。付加情報1202の第1の情報1203には、複写制御情報として複写許可が、第2の情報1204には、追跡情報として、ユーザX情報が記録されている。
画像処理装置1205には、付加するバーコードの複写制御情報を変更しないような設定がなされている。
一方、画像処理装置1206には、付加するバーコードの複写制御情報を複写禁止に変更するような設定がなされている。
ここで、ユーザYが、複写前原稿1201を画像形成装置1205で複写を実行した場合、図6の処理が流れ、第2の情報、すなわち追跡情報のみが更新される。
その結果、複写後原稿1207に示されるように、付加情報1208のうち、その原稿を複写した最新の追跡情報としてユーザY情報が第2の情報1210に追加されることになる。
一方、ユーザZが、複写前原稿1201を画像形成装置1206で複写を実行した場合、図10の処理が流れ、第1の情報と第2の情報、すなわち複写制御情報と追跡情報が更新される。
その結果、複写後原稿1211に示されるように、付加情報1212のうち、第1の情報1213は複写禁止に変更され、その原稿を複写した最新の追跡情報としてユーザZ情報が第2の情報1214として含められることになる。
このように、複写物上のバーコードの、追跡情報の内容の更新を行ないつつ、複写制御情報の引継ぎと変更を切り替えることにより、複写物のセキュリティレベルを維持すること出来る。
<実施形態2>
次に、実施形態2について説明する。
図8(a)はスキャナ部3202の紙原稿の読み取り範囲とバーコードの検出範囲を示した図である。
最大原稿読み取り範囲801はスキャナ部3202の最大読み取り範囲である。
原稿読み取り範囲802は、原稿台に置かれた用紙をスキャンするエリアであって、最大原稿読み取り範囲801内で実際に紙原稿が読み込まれる際に、紙原稿のサイズにあわせて設定される範囲である。したがって、原稿読み取り範囲802においてスキャンされたデータが、原稿画像データとなる。なお、原稿読み取り範囲802は最大時、最大原稿読み取り範囲801と同等になり、これ以上拡大する事がないのは言うまでもない。
バーコード検出範囲803〜806は原稿読み取り範囲802内において予め設定された領域であり、その領域内においてバーコードを探索するための処理が実行される探索エリアである。そして、検出範囲803〜806はそれぞれ、原稿の四隅に設定される。なお、バーコード検出範囲803〜806の大きさは、任意の大きさに設定することができる。しかし、バーコード検出範囲803〜806は、原稿読み取り範囲802よりも小さく、かつ、規定エリア811〜814よりも大きく設定されることが望ましい。原稿読取り範囲802よりも小さく設定するのは、検出スピードを向上させるためである。また、いずれかの規定エリア811〜814よりも大きく設定することは、ユーザがきちんと印刷物を複写機の上に載せない場合(例えば、斜めに載せてしまう場合)であっても、バーコードの検出精度を向上させるためである。従って、例えば、5cm×5cmのエリアをバーコード検出範囲803〜806に設定するのが望ましい。なお、この検出範囲をデフォルトの検出範囲とすることができ、後に検出範囲の大きさを変更してもよい。
図8(b)は紙原稿807が読み取り範囲からずれて置かれた場合、すなわち規定エリア811〜814外にバーコードが置かれてしまった場合の、前述の実施形態1での複写結果を示している。
複写物808は複写装置において設定されているバーコードの付加位置が原稿の右上である場合の複写物である。原稿にあった元バーコード809と新しく付加されたバーコード810が重なっているために、複写物808上には元バーコード809の断片が残されたものになっている。
一方、複写物821は複写装置において設定されているバーコードの付加位置が原稿の右下である場合の複写物である。原稿にあった元バーコード822と新しく付加されたバーコード823が別の場所にあるために、複写物811上には元バーコード822と新しいバーコード823が並存することになってしまう。
実施形態2はこのように原稿の元バーコードが複写物に残らないようにする。また、実施形態2は、紙原稿が原稿読み取り範囲からずれて置かれた場合にも、複写装置において設定されているバーコードの付加位置にバーコードが付加された複写物を生成するための複写装置の制御方法である。
図7は、本実施形態において、複写装置が実行する複写制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS7001において、操作部3201は、ユーザから複写開始指示を受け取る。その命令がスキャナ部3202に伝えられると、スキャナ部3202は、原稿を読み取り、読み取った原稿画像データを、スキャナI/F3311とスキャナ画像処理部3312を経由して、バーコード抽出処理部3309に送る。なお、このとき、スキャナ画像処理部3312は、原稿画像データを受け取ると、ガンマ補正などの画像処理を実行する。そして、スキャナ画像処理部3312は、画像処理後の原稿画像データをバーコード抽出処理部3309とプリンタ画像処理部3317に送る。
次に、ステップS7002において、バーコード抽出処理部3309は、スキャナ画像処理部3312から受け取った原稿画像データにおけるバーコード検出範囲803〜806から、バーコードを検出する処理を実行する。なお、この検出のことを検知と呼ぶこともある。また、原稿を読取る処理と、読み取った原稿画像からバーコードを検出する処理との組み合わせを、バーコードを探索する処理と呼ぶこともある。
ステップS7003において、バーコード抽出処理部3309は原稿画像データのバーコード検知範囲803〜806における規定エリア811〜814(3cm×3cm)内に、バーコードが付加されていると判定した場合にはステップS7004に処理が進む。
ステップS7003において、バーコード抽出処理部3309が原稿画像データの規定エリア811〜814内にバーコードが付加されていないと判定した場合には、ステップS7008に処理が進む。
ステップS7004において、バーコード抽出処理部3309は、原稿画像データから検出したバーコードに対して復号化処理を行なう。これにより、原稿画像データから付加情報が取得されることになる。復号化処理の完了後、ステップS7005に処理が進む。
ステップS7005において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に、複写制御情報として複写を禁止する情報が含まれていたかどうかを判定する。複写制御情報に複写を禁止する情報が含まれていない場合には、複写制御情報に複写を許可する情報(複写許可情報)が含まれているので、ステップS7006に処理が進む。なお、複写を禁止する情報(複写禁止情報)は1という情報になっており、複写を許可する情報(複写許可情報)は0という情報になっている。
ステップS7005において、バーコード抽出処理部3309が付加情報の中に、複写制御情報として複写を禁止する情報(複写禁止情報)が含まれていると判定した場合、ジョブ制御部3320は、複写動作の停止を決定する。そして、ジョブ制御部3320は、ジョブをキャンセルすることにより、プリンタ部3203の複写動作を停止する。その際に、ジョブ制御部3320は、図5に示すダイアログボックス41を操作部3201に表示し、印刷を停止することをユーザに知らせる。その後、処理を終了する。
ステップS7006において、バーコード生成部3315が付加情報と新たな追跡情報から、新たな付加情報を生成する。そして、この新たな付加情報の符号化を行なう。これにより、バーコードが再生成されることになる。
すなわち、バーコード生成部3315は、バーコード抽出処理部3309で得られた付加情報のうち複写制御情報を、そのままの状態にする。そして、複写制御情報は変更されず、同じ情報のままにされる。一方、追跡情報については、古い追跡情報に新しい追跡情報を追記するという情報の更新が行われる。すなわち、複写制御情報は、そのままの状態にされ、追跡情報のみが更新される。ここで、複写制御情報は、事前に設定されHDD3304に保存されている、複写制御情報の設定内容であり、追跡情報は付加情報内の元の追跡情報に新たな追跡情報を追記したものである。ここで、追跡情報とは、例えば、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名といった複写者を特定する情報である。そして、バーコード生成部3315は、付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後、バーコード生成部3315は、生成したバーコードをプリンタ画像処理部3317に送信し、ステップS7007に処理が進む。
ステップS7007において、プリンタ画像処理部3317がステップS7006にてバーコード生成部3315の生成した新たなバーコードを印刷画像データに付加する。その際、プリンタ画像処理部3317はバーコード抽出処理部3309で検出されたバーコードと同じ位置に、生成された新たなバーコードを配置する。すなわち、プリンタ画像処理部3317は、スキャナ画像処理部3312から原稿画像データの特定の場所へのバーコードの合成指示を受け付けて、スキャナ画像処理部3312から送られてきた原稿画像データに新たなバーコードを付加(合成)する。その際、プリンタ画像処理部3317は、古い原稿画像データにおける古いバーコードと同じ位置に、その新たなバーコードを付加する。この付加により、印刷画像データが生成されるため、プリンタ画像処理部3317は、印刷画像データに対してプリンタ画像処理(ハーフトーンなどの印刷に必要な画像処理)を行なう。そして、プリンタ画像処理部3317は、プリンタ画像処理後の印刷画像データをプリンタI/F3318を通じて、プリンタ部3203に送信し、ステップS7016に処理が進む。
ステップS7008において、バーコード抽出処理部3309は原稿画像データのバーコード検知範囲803〜806内にバーコードが付加されていないと判定した場合には、ステップS7009に処理が進む。
ステップS7008において、バーコード抽出処理部3309が原稿画像データのバーコード検知範囲803〜806外にバーコードが付加されていると判定した場合にはステップS7011に処理が進む。
ステップS7009において、バーコード生成部3315は設定されている複写制御情報と、複写装置にログインしているユーザ情報とから、新たな付加情報を生成し、新たな付加情報を符号化してバーコードの生成を行なう。すなわちバーコード生成部3315が生成する付加情報のうち複写制御情報は、事前に設定されHDD3304に保存されている、複写制御情報の設定内容である。そして、追跡情報は、複写者を特定する情報(印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名など)である。そしてバーコード生成部3315は付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後生成したバーコードは、画像バス3319を介して、バーコード生成部3315によりプリンタ画像処理部3317へ送信され、ステップS7010に処理が進む。
ステップS7010において、プリンタ画像処理部3317がステップS7009にてバーコード生成部3315の生成したバーコードを付加した印刷画像データを作成する。その際、プリンタ画像処理部3317はHDD3304に保存されているバーコードの付加設定位置に付加する。その後、ステップS7010で作成された印刷画像データを、プリンタI/F3318を通じて、プリンタ画像処理部3317がプリンタ部3203に送信し、ステップS7016に処理が進む。
ステップS7011において、バーコード抽出処理部3309は、原稿画像データから検出したバーコードに対して復号化処理を行なう。これにより、原稿画像データから付加情報が取得されることになる。復号化処理の完了後、ステップS7012に処理が進む。
ステップS7012において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に、複写制御情報として複写を禁止する情報が含まれていたかどうかを判定する。複写制御情報に複写を禁止する情報が含まれていない場合(この場合には、複写制御情報に複写を許可する情報が含まれているということになるので)、ステップS7013に処理が進む。
ステップS7012において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に、複写制御情報として複写を禁止する情報が含まれていると判定した場合、ジョブ制御部3320は、複写動作の停止を決定する。そして、ジョブ制御部3320は、ジョブをキャンセルすることにより、プリンタ部3203の複写動作を停止する。その際に、ジョブ制御部3320は、図5に示すダイアログボックス41を操作部3201に表示し、印刷を停止することをユーザに知らせる。その後、処理を終了する。
ステップS7013において、バーコード生成部3315が付加情報と、新たな追跡情報から、新たな付加情報を生成する。そして、この新たな付加情報の符号化を行なう。これにより、バーコードが再生成されることになる。
具体的には、バーコード生成部3315は、バーコード抽出処理部3309で得られた付加情報のうち複写制御情報(即ち、複写を許可する情報(複写許可情報))を、そのままの状態にする。即ち、複写制御情報(複写許可情報)は変更されず、同じ情報のままにされる。一方、追跡情報については、古い追跡情報に新しい追跡情報を追記するという情報の更新が行なわれる。すなわち、複写制御情報は、そのままの状態にされ、追跡情報のみが更新される。このような処理により、複写を許可した、印刷物を作成した当初のユーザの意思を尊重することができる。その後、生成したバーコードをプリンタ画像処理部3317に送信し、ステップS7014に処理が進む。
ステップS7014において、プリンタ画像処理部3317はステップS7008にてバーコード抽出部3309が検出したバーコードを原稿画像データから削除する(消す)。すなわち、プリンタ画像処理部3317は検出したバーコードに重なるように、バーコードが消された跡に、背景色のベタ画像等を合成し、バーコードを削除する(消す)。その後、ステップS7015に処理が進む。
ステップS7015において、プリンタ画像処理部3317は、ステップS7014でバーコードが削除された原稿画像データに、ステップS7013で生成されたバーコード付加して印刷画像データを作成する。その際、バーコードが元々付加されていた位置に最も近い隅を特定する。
例えば、図8(b)に示す紙原稿807のように、右上隅の位置にバーコードが元々付加されていた場合について説明する。この場合、当該バーコードに最も近い規定エリアは規定エリア811なので、規定エリア811内にステップS7013で生成されたバーコードを付加する。もちろん、規定エリア811のうちのどの位置にバーコード画像を付加するかはユーザに選択させてもよい。また、あわせて、バーコード画像をHDD3304に保存するようにしても良い。その後、ステップS7015で作成された印刷画像データを、プリンタI/F3318を通じて、プリンタ画像処理部3317がプリンタ部3203に送信し、ステップS7016に処理が進む。
ステップS7016において、ジョブ制御部3320は、プリンタ部3203に印刷画像データの印刷開始の指令を送る。
プリンタ部3203が、プリンタ画像処理部3317から既に印刷画像データを受け取っている場合に、プリンタ部3203は、その印刷画像データの印刷を開始する。
一方、プリンタ部3203が、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取っていない場合には、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317における画像処理が終了するまで待機する。そして、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取った後に、その印刷画像データの印刷を開始する。そして、印刷画像データの印刷後、処理を終了する。
このように、図7の動作は、原稿画像データ上でバーコードが検出された場所が規定エリア内であるか規定エリア外であるかについての判定結果に応じて、バーコードが付加される位置を変化させるものである。
すなわち、バーコード抽出処理部3309が原稿画像データの規定エリア内にバーコードが埋め込まれていると判定した場合には、原稿画像データの元のバーコードと同じ位置に新しいバーコードを付加した印刷画像データを作成する。
また、原稿画像データの規定エリア外にバーコードが付加されていると判定された場合には、以下のような処理が行われる。すなわち、原稿画像データの元のバーコードが消されて、最も近い隅に新しいバーコードが付加された印刷画像データが作成される。
また、バーコード抽出処理部3309が原稿画像データのバーコード検知範囲803〜806の内にバーコードが埋め込まれていないと判定した場合には、ユーザの設定した規定エリア内にバーコードを付加した印刷画像データを作成する。
このように、追跡情報の内容の更新を行ないつつ、複写制御情報の引継を行なうことにより、複写物上には元バーコードの断片が残されたり、元バーコードと新しいバーコードが並存したりすることを防ぐこと出来る。
<実施形態3>
次に、実施形態3について説明する。前述の実施形態2では、原稿画像データの規定エリア811〜814の外にバーコードが埋め込まれていると判定された場合に、原稿画像データのバーコードが消される。そして、ユーザの設定した規定エリアに新しいバーコードが付加された印刷画像データが作成される。
実施形態3は、実施形態2同様に原稿画像データの規定エリア811〜814の外にバーコードが埋め込まれていると判定された場合に、元バーコードの断片が残されたり、元バーコードと新しいバーコードが並存したりすることを防ぐ。
図9は、本実施形態において、複写装置が実行する複写制御の流れを示すフローチャートである。
ステップS9001において、操作部3201は、ユーザから複写開始指示を受け取る。その命令がスキャナ部3202に伝えられると、スキャナ部3202は、原稿を読み取り、読み取った原稿画像データを、スキャナI/F3311とスキャナ画像処理部3312を経由して、バーコード抽出処理部3309に送る。なお、このとき、スキャナ画像処理部3312は、原稿画像データを受け取ると、ガンマ補正などの画像処理を実行する。そして、スキャナ画像処理部3312は、画像処理後の原稿画像データをバーコード抽出処理部3309とプリンタ画像処理部3317に送る。
次に、ステップS9002において、バーコード抽出処理部3309は、スキャナ画像処理部3312から受け取った原稿画像データからバーコードを検出する処理を実行する。
ステップS9003において、ジョブ制御部3320の指示を受けてバーコード抽出処理部3309は原稿画像データの規定エリア811〜814内にバーコードが付加されていると判定した場合にはステップS9004に処理が進む。
ステップS9003において、ジョブ制御部3320の指示を受けてバーコード抽出処理部3309が原稿画像データの規定エリア811〜814内にバーコードが付加されていないと判定した場合には、ステップS9008に処理が進む。
ステップS9004において、バーコード抽出処理部3309は、原稿画像データから検出したバーコードに対して復号化処理を行なう。これにより、原稿画像データから付加情報が取得されることになる。復号化処理の完了後、ステップS9005に処理が進む。
ステップS9005において、バーコード抽出処理部3309は、付加情報の中に、複写制御情報に複写を禁止する情報(複写禁止情報)が含まれているかどうかを判定する。複写制御情報に複写を禁止する情報が含まれていない場合には、複写制御情報に複写を許可する情報(複写許可情報)が含まれているので、ステップS9006に処理が進む。なお、複写を禁止する情報(複写禁止情報)は1という情報になっており、複写を許可する情報(複写許可情報)は0という情報になっている。
ステップS9005において、バーコード抽出処理部3309付加情報の中に、複写制御情報として複写を禁止する情報(複写禁止情報)が含まれていると判定した場合、ジョブ制御部3320は、複写動作の停止を決定する。そして、ジョブ制御部3320は、ジョブをキャンセルすることにより、プリンタ部3203の複写動作を停止する。その際に、ジョブ制御部3320は、図5に示すダイアログボックス41を操作部3201に表示し、印刷を停止することをユーザに知らせる。その後、処理を終了する。
ステップS9006において、バーコード生成部3315が付加情報と新たな追跡情報、すなわち、複写装置にログインしているユーザ情報に関する情報から、新たな付加情報を生成する。そして、この新たな付加情報の符号化を行なう。これによりバーコードが再生成されることになる。
すなわちバーコード生成部3315が生成する付加情報のうち複写制御情報と追跡情報ともに情報の更新を行なう。すなわち複写制御情報は、事前に設定されHDD3304に保存されている、複写制御情報の設定内容であり、追跡情報は付加情報内の元の追跡情報に新たな追跡情報を追記したものである。ここで、追跡情報とは、例えば、印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名といった複写者を特定する情報である。そして、バーコード生成部3315は付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後、生成したバーコードをプリンタ画像処理部3317に送信し、ステップS9007に処理が進む。
ステップS9007において、プリンタ画像処理部3317がステップS9006にてバーコード生成部3315の生成した新たなバーコードを原稿画像データに付加する。その際、プリンタ画像処理部3317はバーコード抽出処理部3309が原稿画像データ上で検出したバーコードと同じ位置に、生成された新たなバーコードを配置する。すなわち、プリンタ画像処理部3317は、スキャナ画像処理部3312から原稿画像データの特定の場所へのバーコードの合成指示を受け付けて、スキャナ画像処理部3312から送られてきた原稿画像データに新たなバーコードを付加(合成)する。その際、プリンタ画像処理部3317は、古い原稿画像データにおける古いバーコードと同じ位置に、その新たなバーコードを付加する。この付加により、印刷画像データが生成されるため、プリンタ画像処理部3317は、印刷画像データに対してプリンタ画像処理(ハーフトーンなどの印刷に必要な画像処理)を行なう。そして、プリンタ画像処理部3317は、プリンタ画像処理後の印刷画像データをプリンタI/F3318を通じて、プリンタ部3203に送信し、ステップS9011に処理が進む。
ステップS9008において、バーコード抽出処理部3309が原稿画像データのバーコード検出範囲803〜806内にもバーコードが付加されていないと判定した場合には、ステップS9009に処理が進む。
ステップS9008において、バーコード抽出処理部3309が原稿画像データのバーコード検出範囲803〜806内にバーコードが付加されていると判定した場合にはステップS9012に処理が進む。
ステップS9009において、バーコード生成部3315は設定されている複写制御情報と、複写装置にログインしているユーザ情報とから、新たな付加情報を生成し、新たな付加情報を符号化し、バーコードの生成を行なう。すなわち、バーコード生成部3315が生成する付加情報のうち複写制御情報は、事前に設定されHDD3304に保存されている、複写制御情報の設定内容である。そして、追跡情報は、複写者を特定する情報(印刷日時、印刷指示をしたユーザのユーザ名(即ち、ユーザID)、デバイス名など)である。そしてバーコード生成部3315は付加情報の符号化を行ない、バーコードを生成する。その後、ステップS9009で生成されたバーコードを、画像バス3319を介して、バーコード生成部3315がプリンタ画像処理部3317へ送信し、ステップS9010に処理が進む。
ステップS9010において、プリンタ画像処理部3317がステップS9009にてバーコード生成部3315の生成したバーコードを付加した印刷画像データを作成する。その際、プリンタ画像処理部3317はHDD3304に保存されているバーコードの付加設定位置に付加する。その後、作成した印刷画像データをプリンタI/F3318を通じて、プリンタ部3203に送信し、ステップS9011に処理が進む。
ステップS9011において、ジョブ制御部3320は、プリンタ部3203に印刷画像データの印刷開始の指令を送る。
そして、プリンタ部3203が、プリンタ画像処理部3317から既に印刷画像データを受け取っている場合には、プリンタ部3203は、その印刷画像データの印刷を開始する。
一方、プリンタ部3203が、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取っていない場合には、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317における画像処理が終了するまで待機する。そして、プリンタ部3203は、プリンタ画像処理部3317から印刷画像データを受け取った後に、その印刷画像データの印刷を開始する。そして、印刷画像データの印刷後、処理を終了する。
ステップS9012において、ジョブ制御部3320は、複写動作の停止を決定する。そして、ジョブ制御部3320は、ジョブをキャンセルすることにより、プリンタ部3203の複写動作を停止する。その際に、ジョブ制御部3320は、図12に示すダイアログボックス1301を操作部3201に表示し、印刷を停止することをユーザに知らせる。その後、処理を終了する。
これにより、複写物上には元バーコードの断片が残されたり、元バーコードと新しいバーコードが並存したりすることを防ぐことができる。そして、複写物上のバーコードの、追跡情報の内容の更新を行ないつつ、複写制御情報の引継ぎと変更を切り替えることにより、複写物のセキュリティレベルを維持することできる。
なお、上記の実施形態は、スキャンや印刷の機能を有する複写装置に適用可能であるが、スキャンやFAX送信やEメール送信の機能を有する複写装置にも適用可能である。
本実施形態等(本実施形態と、それ以外の実施形態)の説明では、(情報量的に)規定サイズの情報を含むことが可能な(面積的に)規定サイズのバーコードを対象とした場合について説明した。なお、そうした規定サイズのバーコードが、規定サイズの情報を含むことができるだけでなく、規定サイズ以下の情報を含むこともできる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
なお、以上の処理では、設定されたバーコード検知範囲内からバーコードを検出したが、原稿の読取範囲内全てからバーコードを検出しても良い。この場合は、当然、検出スピードが遅くなることとなる。そして、このようにして検出したバーコードが規定のエリア内にあるものとみなし、検出したバーコードの位置に合わせて原稿の残りの部分の位置をずらしても良い。