JP2011082437A - 電子素子供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアテープからの取出し位置において磁力を有する電子素子の姿勢を安定化させることのできる電子素子供給装置を得る。
【解決手段】磁力を有する電子素子30をキャリアテープ50に所定のピッチで形成した収納凹部51に収納し、かつ、カバーテープ52を貼着した状態で、キャリアテープ50を搬送部60上で一方向に搬送し、位置Aでカバーテープ52を引き剥がして凹部51を開放し、開放された凹部51から素子30を吸引ノズル62にて取り出す電子素子供給装置。搬送部60のキャリアテープ50と対向する部分には磁性体部材65が設置されており、磁性体部材65と素子30との間に生じる磁気回路(磁束)によって素子30の姿勢の安定化を図る。
【選択図】図6

Description

本発明は、電子素子供給装置、特に、アイソレータやサーキュレータを構成するフェライト・磁石素子などの電子素子を、組立て工程に供するために、キャリアテープに梱包した状態で搬送して取り出す電子素子供給装置に関する。
従来より、組立て工程に供するため、複数の電子素子をキャリアテープの凹部にそれぞれ格納してカバーテープで封止した状態でリールに巻き取っておき、これらのテープを巻き戻しつつ自動マウント機で電子素子を1個ずつ取り出すようにした供給装置が用いられている。
この種の供給装置では、取出しのためにカバーテープを剥離すると、収納されている電子素子が立ち上がったり、移動し、電子素子の姿勢が安定しないことがある。そこで、特許文献1,2,3には、キャリアテープからの素子供給部に永久磁石を配設し、該永久磁石の磁力によって格納されている電子素子を下方に引っ張り、電子素子の姿勢を安定させることが提案されている。
ところで、電子素子にあって、アイソレータやサーキュレータなどを構成するフェライト・磁石素子のように、永久磁石などの磁力を有する部品を含むものがある。このように磁力を有する電子素子を供給部に配設した前記永久磁石で吸着保持しようとすると、両者の磁極の位置関係によっては反発し合って電子素子が立ち上がったり、飛散する不具合が発生する。また、カバーテープを引き剥がすためのシャッタ部材が磁性材からなる場合、自らが磁力を有する電子素子がシャッタ部材に引かれて凹部から飛び出し、シャッタ部材に吸着されてしまうという不具合も発生する。
特開平11−307992号公報 特開2000−228600号公報 特開2006−186078号公報
そこで、本発明の目的は、キャリアテープからの取出し位置において磁力を有する電子素子の姿勢を安定化させることのできる電子素子供給装置を提供することにある。
本発明の一形態である電子素子供給装置は、
磁力を有する部品を含む電子素子をキャリアテープに所定のピッチで形成した収納凹部に収納し、かつ、該キャリアテープの上面にカバーテープを貼着した状態で、該キャリアテープを搬送部上で一方向に搬送し、搬送中の所定位置で前記カバーテープを順次引き剥がして収納凹部を開放し、開放された収納凹部から電子素子を取り出す電子素子供給装置において、
前記搬送部の前記キャリアテープの裏面と対向する部分であって、少なくとも前記カバーテープを引き剥がす位置から電子素子の取出し位置にわたって、磁性体部材が設置されていること、
を特徴とする。
前記電子素子供給装置では、カバーテープが引き剥がされた取出し位置において、キャリアテープの裏面と対向する部分に設置した磁性体部材と、電子素子の持っている磁力との間に磁気回路(磁束)が形成され両者が磁気的に引き合う。磁性体部材は磁極を有していないので、磁極を有する電子素子と干渉し合うことはなく、取出し位置において電子素子の姿勢が安定化する。
本発明によれば、キャリアテープの凹部に収納された磁力を有する電子素子を、カバーテープが剥離された取出し位置においてその姿勢を安定化させることができ、ひいては取出し不良の発生を極力抑えることができる。
本発明に係る電子素子供給装置のキャリアテープに収納される電子素子の一例(フェライト・磁石素子)を示す斜視図である。 前記フェライト・磁石素子を備えたアイソレータを示す斜視図である。 前記フェライト・磁石素子を備えた複合電子部品の第1例を示す斜視図である。 前記フェライト・磁石素子を備えた複合電子部品の第2例を示す斜視図である。 本発明に係る電子素子供給装置の概略構成図である。 前記電子素子供給装置における取出し動作を説明する断面図である。 カバーテープを剥離するシャッタ部材が磁性材である場合に形成される磁気回路を示す説明図である。 カバーテープを剥離するシャッタ部材が非磁性材である場合に形成される磁気回路を示す説明図である。
以下、本発明に係る電子素子供給装置の実施例について添付図面を参照して説明する。
(被収納電子素子の説明、図1〜図4参照)
まず、本発明に係るキャリアテープに収納される電子素子の一例として、フェライト・磁石素子30について図1を参照して説明する。このフェライト・磁石素子30は、直方体形状のフェライト32とその両主面に接着層42を介して接着した一対の永久磁石41とから構成されている。フェライト32の両主面には図示しない第1及び第2の中心電極が互いに電気的に絶縁状態で交差して巻回配置されている。一対の永久磁石41はフェライト32に直流磁界を印加し、第1及び第2の中心電極を磁気的に結合させる。
図2は前記フェライト・磁石素子30を含む集中定数型の2ポート型アイソレータ1を示し、整合回路を構成するチップタイプのコンデンサC1,C2,CS1,CS2やチップタイプの終端抵抗Rを備え、これらの素子が多層構造の回路基板20上に形成した各種電極に半田付けにて実装されている。
なお、この種のアイソレータ1やフェライト・磁石素子30の構成、作用については、例えば、国際公開WO2008/087788号公報に詳述されている。
図3に前記フェライト・磁石素子30を備えた複合電子部品の第1例を示す。この複合電子部品3は、前記アイソレータ1とパワーアンプ81とをプリント配線回路基板82の表面に実装してモジュール化したものである。パワーアンプ81の周囲にも必要とされるチップタイプの回路素子83a〜83fが実装されている。
図4に前記フェライト・磁石素子30を備えた複合電子部品の第2例を示す。この複合電子部品4は、アイソレータ1A,1Bをプリント配線回路基板91の表面に実装してモジュール化したものである。アイソレータ1A,1Bは前記アイソレータ1と同じ構成であるが、異なった周波数帯に使用される。
(電子素子供給装置、図5〜図8参照)
次に、本発明に係る電子素子供給装置について説明する。この電子素子供給装置は、図5にその概略構成を示すように、予めフェライト・磁石素子30を収納したキャリアテープ50を巻き取ったリール55からキャリアテープ50を左方に引き出し、搬送部60上を搬送し、A位置でカバーテープ52を引き剥がし、B位置で素子30を取り出し、C位置で取出し不良品を回収し、その後、キャリアテープ50をリール56に巻き取る。
剥離位置Aにはシャッタ部材61が左右方向に移動可能に配置されている。取出し位置Bには吸引ノズル62が上下方向に移動可能に配置されている。また、回収位置Cには回収装置63が配置されている。
図6に詳細を示す。キャリアテープ50は、樹脂材からなり、収納凹部51をエンボス加工によって所定のピッチで形成したもので、該凹部51にフェライト・磁石素子30が予め収納されている。素子30はキャリアテープ50の表面に貼着したカバーテープ52によって封止されている。
カバーテープ52はシャッタ部材61のスリット61aに挿入して搬送方向とは逆方向に引き出されており、図6(A)から(B)に示すようにシャッタ部材61が右方に移動することにより、キャリアテープ50(凹部51)から引き剥がされる。剥離されたカバーテープ52はリール57に巻き取られていく。
吸引ノズル62は取出し位置Bの直上で待機しており、シャッタ部材61によって凹部51が開放されると、図6(B)に示すように下降して素子30を吸引保持し、素子30を所定の組立て位置へと搬送する。素子30を取り出した後、キャリアテープ50及びシャッタ部材61が1ピッチ左方へ移動する。また、吸引ノズル62による取出し不良(吸着ミス)が発生した場合、そのような素子30は凹部51に姿勢が崩れて入れられた状態で左方に搬送され、図5に示す回収装置63にて回収される。なお、吸引ノズル62や回収装置63は周知の構成であり、詳細な説明は省略する。
さらに、本電子素子供給装置では、搬送部60のキャリアテープ50の裏面と対向する部分に磁性体部材65が配置されている。この磁性体部材65は強磁性部材であることが好ましい。例えば、鉄、コバルト、ニッケル、SUS430などのフェライト系ステンレス、SUS420などのマルテンサイト系のステンレスである。
電子素子供給装置では、シャッタ部材61の往復移動や吸引ノズル62の素子30への当接などでキャリアテープ50が振動し、凹部51内での素子30の姿勢が安定しない。しかし、キャリアテープ50の裏面側に磁性体部材65が配置されているため、磁性体部材65と素子30の永久磁石41の持っている磁力との間に磁気回路が形成され両者が磁気的に引き合う。磁性体部材65は磁極を有していないので、磁極を有する永久磁石41と干渉し合うことはなく、フェライト・磁石素子30の姿勢が安定化する。
磁性体部材65と素子30とが引き合う磁力は、両者の距離の2乗に反比例し、実験によれば、磁性体部材65の厚みが0.04〜0.5mmでは磁力の差は見られず、姿勢を安定化するのに必要な磁力が得られた。このように、磁性体部材65は薄いものであるため、既設の搬送部60上に容易に設置することができる。ちなみに、磁性体部材65をSUS430とし、磁性体部材65と素子30との間隔を300μm程度とした場合に、両者の間に発生する磁力は1mN程度であり、素子30が凹部51から飛び出したりすることはなく、その姿勢が安定化した。
前記磁性体部材65は、図5に示すように、少なくとも剥離位置Aから取出し位置Bにわたる領域X1に設置されていればよい。また、剥離位置A以降の搬送状態では凹部51は開放されているので、取出し不良品が凹部51から飛び出さないように、磁性体部材65は回収位置Cまでの領域X2に設置されていることが好ましい。磁性体部材65は、本実施例では剥離位置Aの前段部分にも余裕をもった領域X3に設置されている。
図7及び図8に、磁性体部材65とフェライト・磁石素子30との間に形成される磁気回路(磁束)の様子を示す。この磁気回路は、キャリアテープ50の直上に位置するシャッタ部材61の材質によって変化する。即ち、シャッタ部材61は、通常、ステンレスなどの磁性材にて形成されている。この場合、図7に示すように、磁性体部材65との間で形成される磁束φ1に加えて、シャッタ部材61との間にも磁束φ2が形成される。但し、磁束φ2は磁束φ1に比べて小さく、素子30の姿勢の安定化に支障を生じることはない。
一方、シャッタ部材61を非磁性材にて形成すれば、図8に示すように、図7に示した磁束φ2は拡散して消滅し、磁性体部材65との間に形成される磁束φ1が大きくなり、素子30の安定性が向上する。非磁性材としては、例えば、アルミニウム、真鍮、銅、リン青銅などの金属材料や、耐摩耗性と強度を有する樹脂などの非金属材料を幅広く用いることができる。
(他の実施例)
なお、本発明に係る電子素子供給装置は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更できることは勿論である。
特に、本発明における被収納物は、中間製品であるフェライト・磁石素子に限定されることはなく、アイソレータなどの完成製品であってもよい。また、搬送部などの構成は任意である。
以上のように、本発明は、キャリアテープを用いた電子素子供給装置に有用であり、特に、キャリアテープからの取出し位置において磁力を有する電子素子の姿勢を安定化できる点で優れている。
30…フェライト・磁石素子
32…フェライト
41…永久磁石
50…キャリアテープ
51…収納凹部
52…カバーテープ
60…搬送部
61…シャッタ部材
65…磁性体部材
A…剥離位置
B…取出し位置
C…回収位置

Claims (4)

  1. 磁力を有する部品を含む電子素子をキャリアテープに所定のピッチで形成した収納凹部に収納し、かつ、該キャリアテープの上面にカバーテープを貼着した状態で、該キャリアテープを搬送部上で一方向に搬送し、搬送中の所定位置で前記カバーテープを順次引き剥がして収納凹部を開放し、開放された収納凹部から電子素子を取り出す電子素子供給装置において、
    前記搬送部の前記キャリアテープの裏面と対向する部分であって、少なくとも前記カバーテープを引き剥がす位置から電子素子の取出し位置にわたって、磁性体部材が設置されていること、
    を特徴とする電子素子供給装置。
  2. 前記磁性体部材は、前記カバーテープを引き剥がす位置から前記取出し位置を超えて取出し不良品を回収する位置にわたって設置されていること、を特徴とする請求項1に記載の電子素子供給装置。
  3. 前記磁性体部材は強磁性材からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子素子供給装置。
  4. 前記カバーテープを引き剥がすためのシャッタ部材が設置されており、該シャッタ部材は非磁性材からなること、を特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の電子素子供給装置。
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