JP2011080697A - 給湯機の貯湯タンクユニット - Google Patents

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【課題】貯湯タンクユニットを運搬時に万が一落下させた場合であっても、貯湯タンクを覆う外郭ケースの変形を確実に防止することができ、且つ保温性能に優れた給湯機の貯湯タンクユニットを提供すること。
【解決手段】本発明の給湯機の貯湯タンクユニットは、加熱手段4で加熱された湯を貯湯する貯湯タンク1と、貯湯タンク1を覆う成形断熱材7と、成形断熱材7で覆われた貯湯タンク1を覆う外郭ケース側板10および外郭ケース天板11と、成形断熱材7と外郭ケース天板11との間の空間に設置され、外郭ケース天板11に一端を当接し、他端を成形断熱材7に当接させた支持部材13とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、加熱手段で加熱された湯を貯湯する貯湯タンクと、貯湯タンクの周囲を覆う断熱材と、断熱材で覆われた貯湯タンクを覆う外郭ケースとを備えた給湯機の貯湯タンクユニットに関する。
風呂、台所、洗面台などの給湯端末に湯を供給するための給湯機において、加熱手段で加熱された湯を貯湯タンクへ移送して貯留しておき、必要時にその貯湯タンク内の湯を給湯端末へ供給するものが広く用いられている。このような給湯機の貯湯タンクユニットは、貯湯タンクと、放熱ロスを抑制するために貯湯タンクの周囲を覆う断熱材と、断熱材で覆われた貯湯タンクを覆う外装となる外郭ケースとを備えている。外郭ケースは、金属製であり、貯湯タンクの側面を覆う側板と、貯湯タンクの上面を覆う天板とを有している。
この種の給湯機では、湯は、貯湯タンクの上側から出入りする。そして、貯湯タンク内で上側にある湯の下側には加熱されていない水が導入され、貯留タンク内は常に満たされた状態になっている。このため、貯湯タンク内の上部には常に湯があり、高温になっている。従って、貯湯タンクの特に上部からの放熱ロスを防ぐことが重要となる。
特開2009−92306号公報に開示された従来の給湯機の貯湯タンクユニットでは、貯湯タンクの上面を成形断熱材で覆っている。その成形断熱材の内部には、貯湯タンクの上に設置された混合弁等を収納する高温部材収納空間が形成されている。その高温部材収納空間を形成する成形断熱材の上部には、真空断熱材が密着して配置されている。これにより、高温部材収納空間の上で成形断熱材の肉厚が薄くなっている部分からの放熱ロスを抑制するようにしている。
特開2009−92306号公報
通常、貯湯タンクユニットでは、貯湯タンクから外郭ケースへの熱伝導を抑制するために、貯湯タンクと外郭ケースとは直接には結合固定されておらず、台座となる底板に対して貯湯タンクと外郭ケースとがそれぞれ別々に固定された構造となっている。
また、上記公報に開示された従来の給湯機の貯湯タンクユニットでは、貯湯タンクの上面を覆う成形断熱材と、外郭ケースの天板とは接触しておらず、それらの間には空間(隙間)が設けられている。成形断熱材と外郭ケースの天板との間に空間を設けることにより、外郭ケースの天板への熱伝導が抑制されるので、放熱ロスを低減する観点からは、このような構造が望ましい。しかしながら、万が一、貯湯タンクユニットを運搬時に落下させてしまった場合に、次のような問題がある。
前述したように、貯湯タンクと外郭ケースとは直接には結合固定されておらず、且つ貯湯タンク上部の成形断熱材と外郭ケースの天板との間には空間がある。このため、落下した貯湯タンクユニットが床あるいは地面に着地して貯湯タンクの降下が急停止したとき、外郭ケースは、慣性のために止まりきれず、成形断熱材と天板との間の空間の分だけ更に下方に下がり続けようとする。その結果、外郭ケースに歪みが生じ、最悪の場合には、外郭ケースがその荷重に耐えきれなくなって変形(塑性変形)してしまう、という問題がある。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、貯湯タンクユニットを運搬時に万が一落下させた場合であっても、貯湯タンクを覆う外郭ケースの変形を確実に防止することができ、且つ保温性能に優れた給湯機の貯湯タンクユニットを提供することを目的とする。
この発明に係る給湯機の貯湯タンクユニットは、加熱手段で加熱された湯を貯留する貯湯タンクと、貯湯タンクの少なくとも上面を覆う成形断熱材と、成形断熱材の上面を空間を介して覆う天板を有し、貯湯タンクおよび成形断熱材を覆う外郭ケースと、天板と成形断熱材との間に配置され、一端が天板に当接し、他端が成形断熱材に当接する支持部材と、を備えたものである。
この発明によれば、貯湯タンクユニットを運搬時に万が一落下させたとしても、外郭ケースが変形することを確実に防止することが可能となる。また、貯湯タンクの上部からの放熱ロスを十分に抑制することができ、優れた保温性能が得られる。
本発明の給湯機の貯湯タンクユニットの実施の形態1を示す構成図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
実施の形態1
図1は、本発明の給湯機の貯湯タンクユニットの実施の形態1を示す構成図である。
図1に示す貯湯タンクユニットにおける貯湯タンク1は、略円筒形状をなしており、直立した姿勢に支持されている。貯湯タンク1の下部には、給水配管2が接続されている。この給水配管2を通して、水が貯湯タンク1内に供給される。入水配管3は、一端が貯湯タンク1の下部に接続され、他端が加熱手段4に接続されている。出湯配管5は、一端が加熱手段4に接続され、他端が貯湯タンク1の上部に接続されている。貯湯タンク1の上部には、給湯配管6が更に接続されている。
貯湯タンク1内に供給された水は、入水配管3を通って加熱手段4へ搬送される。加熱手段4に搬送された水は、加熱手段4により加熱され、湯となる。湯は、加熱手段4から出湯配管5を通って貯湯タンク1内へ搬送され、貯留される。貯湯タンク1内に貯留された湯は、給湯配管6を通って、お風呂の浴槽、シャワー、台所や洗面所の蛇口などの給湯端末へ供給される。
貯湯タンク1は、雰囲気への放熱を防ぐために、所定形状に成形された成形断熱材7で覆われている。なお、図1においては、成形断熱材7の断面が示されているが、ハッチングを省略している。
成形断熱材7は、例えば発泡ポリスチレンや、それ以上の断熱性能を有する材料で構成されていることが好ましい。図1の構成では、成形断熱材7は、貯湯タンク1の全体を密着して覆う形状に成形されている。ただし、本発明では、成形断熱材7は貯湯タンク1の少なくとも上面を覆うものであればよく、貯湯タンク1の上面以外の部分は他の断熱材で覆ってもよい。例えば、貯湯タンク1の上面を成形断熱材7で覆い、貯湯タンク1の側面を真空断熱材で覆うような構成であってもよい。
貯湯タンク1は、複数本のタンク脚8で支えられている。タンク脚8は、ボルトなどの締結部品によって貯湯タンク1の下部に固定されている。タンク脚8の下端は、金属製の底板9上に、ボルトなどの締結部品によって固定されている。
成形断熱材7で覆われた貯湯タンク1は、金属製の外郭ケースに収容されている。本実施形態の外郭ケースは、全体形状として箱状(直方体状)をなしている。この外郭ケースは、成形断熱材7で覆われた貯湯タンク1の側面を四方から包囲する外郭ケース側板10と、成形断熱材7で覆われた貯湯タンク1の上面を覆う外郭ケース天板11とを有している。外郭ケース側板10と外郭ケース天板11とは、ネジなどの締結部品により締結されている。そして、外郭ケース側板10の下部は、底板9に対し、ネジなどの締結部品により締結されている。
底板9の下方には、複数本のタンクユニット脚12が設置されており、これらのタンクユニット脚12が貯湯タンクユニット全体を支えている。
成形断熱材7は、貯湯タンク1からの放熱量を極力抑えるために、貯湯タンク1に密着するように設置されている。また、成形断熱材7と外郭ケース側板10との間、および、成形断熱材7と外郭ケース天板11との間には、空間(隙間)が設けられ、両者が接触しないようにされている。これにより、貯湯タンク1から外郭ケースへの熱伝導を抑制することができ、保温性能を高めることができる。
成形断熱材7と外郭ケース天板11との間の空間には、支持部材13が設置されている。支持部材13の一端(下端)は、成形断熱材7の上面に当接しており、支持部材13の他端(上端)は外郭ケース天板11の下面(裏面)に当接している。これにより、支持部材13は、成形断熱材7と外郭ケース天板11との間隔を保持する機能を発揮する。この支持部材13は、平面視で貯湯タンク1と同心的に環状をなす一つの部材であってもよいし、複数個の部材が周方向に沿って間隔を空けて配置された構成となっていてもよい。
上述した貯湯タンクユニットにおいて、外郭ケース側板10および外郭ケース天板11と、貯湯タンク1とは、底板9を介して連結されているのみである。すなわち、外郭ケース側板10や外郭ケース天板11は、貯湯タンク1に対し、直接には連結(固定)されていない。そして、前述したように外郭ケース側板10と外郭ケース天板11と底板9とは貯湯タンク1を覆うような形で箱状に形成されており、また、貯湯タンク1は複数本のタンク脚8を介して底板9に固定されている構成であることから、それぞれが別々の筐体となっている。
このような貯湯タンクユニットにおいて、支持部材13が無かったと仮定すると、貯湯タンクユニットを運搬時に万が一落下させてしまった場合に、次のような問題が生ずる。貯湯タンクユニットが落下してタンクユニット脚12が地面または床に着地した瞬間に、貯湯タンク1の下降は急停止するが、外郭ケース側板10および外郭ケース天板11は、慣性のために止まりきれずに、成形断熱材7と外郭ケース天板11との間の空間の分だけ、更に下方に下がり続けようとする。その結果、外郭ケース側板10に歪が生じ、最悪の場合には、その荷重に外郭ケース側板10が耐えきれなくなり、変形(塑性変形)に至ってしまう。
これに対し、本実施形態によれば、落下した貯湯タンクユニットのタンクユニット脚12が地面または床に着地して貯湯タンク1の下降が急停止した瞬間に、支持部材13によって外郭ケース天板11を支えることができる。すなわち、外郭ケース側板10および外郭ケース天板11が更に下方に下ろうとするのを、支持部材13によって受け止めて、下降を停止させることができる。よって、外郭ケース側板10にかかる応力を緩和することができるので、外郭ケース側板10の変形を確実に防止することができる。
支持部材13は、成形断熱材7よりも硬度(弾性率)の高い材料で構成されていることが望ましい。成形断熱材7よりも硬度の高い材料で支持部材13を構成することにより、貯湯タンクユニット落下時に支持部材13が外郭ケース側板10および外郭ケース天板11を受け止めた際の支持部材13の変形を抑えることができる。このため、貯湯タンク1に対する外郭ケース側板10および外郭ケース天板11の下降量が更に小さくなるので、外郭ケース側板10の変形をより確実に防止することができる。
前述したように、貯湯タンク1内の上部には常に湯があり、高温になっているので、貯湯タンク1の特に上面からの放熱ロスをできるだけ抑制することが重要である。この観点から、支持部材13は、成形断熱材7よりも熱伝導率の低い材料で構成されていることが望ましい。成形断熱材7よりも熱伝導率の低い材料で支持部材13を構成することにより、貯湯タンク1から外郭ケース天板11への熱伝導による放熱ロスをより確実に抑制することができるので、湯の保温性能を向上することができる。
上述したように、支持部材13を成形断熱材7とは別の部材として設けたことにより、落下時に外郭ケース側板10および外郭ケース天板11を支える機能の面と、放熱ロスを抑制する面との両方を考慮して、最適な材料で支持部材13を構成することができる。このため、落下時の外郭ケース側板10の変形を確実に防止しつつ、優れた保温性能を実現することができる。なお、支持部材13の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタンなどを用いることができる。
本実施形態における支持部材13は、図1に示すように、外郭ケース側板10と外郭ケース天板11との接合部寄りの位置で外郭ケース天板11を支えるように設置されている。すなわち、支持部材13は、外郭ケース天板11の中央よりも、外郭ケース側板10との接合部に近い位置で、外郭ケース天板11に当接している。このため、貯湯タンクユニット落下時に、支持部材13は、上記接合部に近い位置で外郭ケース天板11を支えることができる。その結果、外郭ケース側板10が下方に下がろうとすることをより確実に抑制することができるので、外郭ケース側板10の変形をより確実に防止することができる。
また、本実施形態における支持部材13の断面形状は、図1に示すように、上底が下底より短い台形状をなしている。このため、成形断熱材7に対する支持部材13の接触面積は、外郭ケース天板11に対する支持部材13の接触面積より小さい。これにより、支持部材13と外郭ケース天板11との接触面積を十分に小さくすることができるので、外郭ケース天板11への熱伝導を更に抑制することができる。このため、湯の保温性能を更に向上することができる。
また、本実施形態では、成形断熱材7の上面に凹部7aが形成されており、この凹部7aに支持部材13の下端部が嵌め込まれている。この凹部7aは、支持部材13を保持する保持部として機能する。すなわち、凹部7aを設けたことにより、輸送時の振動などによって支持部材13の位置がずれることをより確実に防止することができ、支持部材13を適正な位置に確実に保持することができる。このため、上述したような支持部材13の本来の効果が確実に発揮されることを保証することができる。
1 貯湯タンク
2 給水配管
3 入水配管
4 加熱手段
5 出湯配管
6 給湯配管
7 成形断熱材
7a 凹部
8 タンク脚
9 底板
10 外郭ケース側板
11 外郭ケース天板
12 タンクユニット脚
13 支持部材

Claims (6)

  1. 加熱手段で加熱された湯を貯留する貯湯タンクと、
    前記貯湯タンクの少なくとも上面を覆う成形断熱材と、
    前記成形断熱材の上面を空間を介して覆う天板を有し、前記貯湯タンクおよび前記成形断熱材を覆う外郭ケースと、
    前記天板と前記成形断熱材との間に配置され、一端が前記天板に当接し、他端が前記成形断熱材に当接する支持部材と、
    を備えることを特徴とする給湯機の貯湯タンクユニット。
  2. 前記支持部材は、前記成形断熱材よりも硬度が高い材料で構成されていることを特徴とする請求項1記載の給湯機の貯湯タンクユニット。
  3. 前記支持部材は、前記成形断熱材よりも熱伝導率が低い材料で構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の給湯機の貯湯タンクユニット。
  4. 前記支持部材と前記天板との接触面積が、前記支持部材と前記成形断熱材との接触面積よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の給湯機の貯湯タンクユニット。
  5. 前記外郭ケースは、前記成形断熱材で覆われた前記貯湯タンクの側面を覆い、前記天板と接合された側板を有し、
    前記支持部材は、前記天板と前記側板との接合部寄りの位置で前記天板を支えるように設置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の給湯機の貯湯タンクユニット。
  6. 前記成形断熱材は、前記支持部材を保持する保持部を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の給湯機の貯湯タンクユニット。
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