JP2011079233A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出タイミングの自由度が高くかつ短時間でノズルの噴射特性を検出可能とする。
【解決手段】ノズルから噴射される流体を受ける位置と退避位置とに相対移動可能とされた線状部材12と、流体を受けた線状部材12の物理的変化からノズルの噴射特性を検出する噴射特性検出手段11とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、流体噴射装置に関するものである。
従来から、インク滴を記録紙(媒体)に対して噴射させる流体噴射装置として、インクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)が広く知られている。このようなプリンタにおいては、記録ヘッドのノズルからインクが蒸発することによるインクの増粘や固化、塵埃の付着、さらには気泡の混入などによりノズルに目詰まりを生じ、印刷不良を引き起こすという問題があった。
ノズルの目詰まりは、ノズル内のインクを強制的に排出させるフラッシング動作や吸引動作によって解消させる。ただし、これらのフラッシング動作や吸引動作は、インクを強制的に排出するため、印刷以外にインクを使用することとなり、インクの消費速度が速くなる。
このため、フラッシング動作や吸引動作の前に、ノズルの噴射特性を検出し、噴射特性が不良なノズルのみ対してフラッシング動作を行ったり、噴射特性が不良なノズルが検出された場合のみ吸引動作を行うことによって、インクの消費量を低減する対応がなされる場合がある。
例えば、特許文献1には、印刷エリアの外部に設けられた平面状のセンサに対してインクを噴射することによって、ノズルの噴射特性を事前に検出するプリンタが開示されている。
特開平2−239943号公報 特開2005−238487号公報
しかしながら、印刷エリアの外部にセンサが設けられている場合には、当然ながら、当該センサまで記録ヘッドを移動させる必要がある。このため、ノズルの噴射特性を検出するための時間を長く確保する必要が生じる。例えば、フラッシング動作は、印刷中に行われるため、特許文献1に示す構成では、長い間印刷を中断する必要があり現実的ではない。
特に近年は、有効印字幅一杯の長さを有するラインヘッドを記録ヘッドとして用いて、記録ヘッドを移動させることなく印刷を行うプリンタが多く提案されている。このようなラインヘッドを備えるプリンタでは、印刷中に記録ヘッドを移動させる必要がないことから、記録ヘッドを素早く移動させる機構を備えておらず、ノズルの噴射特性を検出するためだけに記録ヘッドを移動させた場合には、非常に長い期間印刷を中断する必要が生じてしまう。
一方、特許文献2には、記録紙の搬送領域の下方に平面状のセンサを配置してノズルの噴射特性を検出するプリンタが提案されている。
しかしながら、特許文献2の構成では、センサが記録紙の搬送領域の下方に配置されているため、記録紙が途切れている間のみでしかノズルの噴射特性を検出することができず、検出タイミングが限られてしまう。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、流体噴射装置において、検出タイミングの自由度が高くかつ短時間でノズルの噴射特性を検出可能とすることを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、ノズルから流体を噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、上記ノズルから噴射される上記流体を受ける位置と退避位置とに相対移動可能とされた線状部材と、上記流体を受けた上記線状部材の物理的変化から上記ノズルの噴射特性を検出する噴射特性検出手段とを備えるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明によれば、線状部材によってノズルから噴射される流体を受け、この際の線状部材の物理的変化を検出し、この検出結果に基づいてノズルの噴射特性を検出する。
そして、本発明によれば、ノズルから噴射される流体を受けるのが線状部材である。線状部材は、僅かに移動させるだけでノズルの直下から移動させて、印刷の障害となる位置から退避させることができる。また、線状部材は、平面状のセンサと比較して必要とされる設置スペースが遥かに小さく、退避する場合であっても、スペースの限られた流体噴射ヘッドと媒体の搬送領域との間に配置しておくことが可能である。
このため、本発明によれば、スペースの限られた流体噴射ヘッドと媒体の搬送領域との間に配置しておくことで媒体の途切れるタイミングを待つことなくノズルの噴射特性を検出することができ、また僅かな移動で線状部材をノズル噴射特性を検出する検出位置と退避位置とに移動させることができる。
したがって、本発明によれば、検出タイミングの自由度が高くかつ短時間でノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記噴射特性検出手段が、上記ノズルの噴射特性に応じた上記線状部材の物理的変化を示す基準データを予め記憶する記憶部と、上記線状部材の物理的変化を検出する検出器と、該検出器の検出結果と上記基準データとを比較して上記ノズルの噴射特性を判定する判定部とを備えるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明によれば、予め基準データを取得しておけば、線状部材の物理的変化を検出して比較するのみで簡易にノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記検出器が、上記線状部材の振動を上記物理的変化として検出するという構成を採用する。
ノズルから噴射された流体が線状部材に触れた場合には、線状部材は必ず振動する。このため、物理的変化として線状部材の振動を検出することによって、確実に線状部材の物理的変化を検出することが可能となり、さらには確実のノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
第4の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記検出器が、光学式センサであるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明によれば、光学式センサを用いて線状部材の物理的変化を検出するため、線状部材に対して非接触で線状部材の物理的変化を検出することができ、線状部材や検出器の寿命を長く確保することができる。
第5の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記検出器が、歪みゲージであるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明によれば、歪みゲージを用いて線状部材の物理的変化を検出するため、直接線状部材の物理的変化を検出することができ、より正確に線状部材の物理的変化を検出することができる。
第6の発明は、上記第1〜第3いずれかの発明において、上記検出器が、マイクロフォンであるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明によれば、マイクロフォンを用いて線状部材の物理的変化を検出するため、線状部材に対して非接触で線状部材の物理的変化を検出することができ、線状部材や検出器の寿命を長く確保することができる。
第7の発明は、上記第1〜第6いずれかの発明において、上記線状部材が、上記流体を吸収可能であるという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明によれば、ノズルから噴射されて線状部材に触れた流体が線状部材に吸収されるため、当該流体によって線状部材の周囲が汚れることを抑制することが可能となる。
第8の発明は、上記第1〜第7いずれかの発明において、複数の上記ノズルが直線状に配列され、上記線状部材が上記ノズルの配列方向に沿って延在しているという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明によれば、線状部材が相対移動することなく、複数のノズルから流体を受けることができる。このため、短時間で複数のノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
本発明の第1実施形態のプリンタの概略構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態のプリンタが備えるヘッドユニットの下面側を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態のプリンタが備えるヘッドユニット及び検出ユニットを下方から見上げた斜視図である。 本発明の第1実施形態のプリンタが備えるヘッドユニットと検出ユニットとを記録紙の搬送方向から見た模式図である。 本発明の第1実施形態のプリンタが備える吸収部材の一例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態のプリンタにおける検出位置と退避位置とを説明するための説明図である。 吸収部材の振動状態を視覚化した模式図である。 本発明の第1実施形態のプリンタにおけるフラッシング動作に関連する動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態のプリンタが備えるヘッドユニットと検出ユニットとを下方から見上げた斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る流体噴射装置の一実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。また、以下の説明においては、本発明の流体噴射装置の一例であるインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタと称す)について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。この図に示すように、本実施形態のプリンタ1は、ヘッドユニット2と、記録紙(媒体)を搬送する搬送装置3と、記録紙を供給する給紙ユニット4と、ヘッドユニット2によって印字された記録紙を排出する排紙ユニット5と、ヘッドユニット2に対してメンテナンス処理を行うメンテナンス装置10とを備えている。
搬送装置3は、ヘッドユニット2を構成する記録ヘッド21のノズル面23(図2参照)との間に所定の間隔をあけた状態で記録紙を保持するようになっている。搬送装置3は、駆動ローラー部31と、従動ローラー部32と、これらローラー部31,32との間に架け回された複数のベルトから構成された搬送ベルト部33と、を備えている。また、搬送装置3の記録紙の搬送方向下流側(排紙ユニット5側)であって、排紙ユニット5との間に、記録紙を保持する保持部材34が設けられている。
駆動ローラー部31は、回転軸方向の一端側が不図示の駆動モータに接続されており、駆動モータにより回転駆動されるようになっている。駆動ローラー部31の回転動力が搬送ベルト部33に伝達され、搬送ベルト部33が回転駆動される。駆動ローラー部31と駆動モータとの間には必要に応じて伝達ギアが設置される。従動ローラー部32は、いわゆるフリーローラーであり、搬送ベルト部33を支持するとともに搬送ベルト部33(駆動ローラー部31)の回転駆動に従動して回転される。
排紙ユニット5は、排紙用ローラー51と、排紙用ローラー51により搬送された記録紙を保持する排紙トレー52とを備えている。
図2は、ヘッドユニット2の下面側を示す斜視図である。この図に示すように、ヘッドユニット2は、ライン状の記録ヘッド21(流体噴射ヘッド)と、この記録ヘッド21を支持する取付板22とを有している。
記録ヘッド21は、ヘッドユニット2の有効印字幅に亘って形成されており、インクを吐出する複数のノズル24を備えている。ノズル24が、記録ヘッド21の延在方向に配列され、1つのノズル列Lを構成している。つまり、本実施形態のプリンタ1は、インクを噴射する複数のノズル24からなるノズル列Lを有する記録ヘッド21を備えている。
より詳細には、ノズル24は、記録紙の搬送方向と交差する水平方向に配列され、より好適には記録紙の搬送方向と直交する水平方向に配列されている。
図2に示すように、ヘッドユニット2は、取付板22に形成された開口部25内に記録ヘッド21が配置されている。具体的には、記録ヘッド21が取付板22の裏面22b側に螺子止めされることで、ノズル面23が上記開口部25を介して取付板22の表面22a側から突出した状態に配置されている。また、ヘッドユニット2は、上記取付板22が不図示のキャリッジに固定され、これによって後述するメンテナンス位置まで移動可能に構成されている。
本実施形態におけるヘッドユニット2は、上記不図示のキャリッジによって記録位置とメンテナンス位置との間で移動可能とされている。ここで、記録位置とは、搬送装置3に対向し且つ記録紙に対して記録を行う位置である。一方、メンテナンス位置とは、搬送装置3上から退避した位置であってメンテナンス装置10が備えるキャップユニット6(図1参照)と対向する位置である。このメンテナンス位置においてヘッドユニット2に対するメンテナンス処理(吸引処理、ワイピング処理)が実施される。
図1に戻り、メンテナンス装置10は、ヘッドユニット2に対して吸引処理を行うキャップユニット6と、ノズル24の噴射特性の検出動作時に吐出されたインク滴を受ける吸収部材12(線状部材)と、ヘッドユニット2に対してノズルの噴射特性を検出する検出ユニット11(噴射特性検出手段)とを有して構成されている。
キャップユニット6は、上記ヘッドユニット2に対するキャッピングや吸引動作等のメンテナンス処理を行うもので、記録ヘッド21に対応するキャップ部61を有している。このキャップユニット6は、ヘッドユニット2の記録エリアから外れた場所に配置されている。
キャップ部61は、記録ヘッド21のノズル面23に当接可能に構成されている。このキャップ部61が、記録ヘッド21のノズル面23に対してそれぞれ密着することにより、良好にキャッピングが可能になると共に、吸引動作においてノズル面23からインクを排出させる吸引動作を良好に行うことができるようになる。
また、図1に示すように、キャップユニット6は、記録ヘッド21のノズル面23を払拭するワイピング処理時に用いられるワイプ部材63を有している。
図3は、ヘッドユニット2と検出ユニット11とを下から見上げた斜視図である。また、図4は、ヘッドユニット2と検出ユニット11とを記録紙の搬送方向から見た模式図である。
これらの図に示すように、検出ユニット11は、吸収部材12を支持する支持機構9と、吸収部材12の振動(物理的変化)を検出する光学式センサ30と、ノズル24の噴射特性に応じた吸収部材12の振動を示す基準データを記憶する記憶部40と、光学式センサ30の検出結果と基準データとを比較してノズル24の噴射特性を判定する判定部50とを備えている。
吸収部材12は、ノズル24から噴射されたインクを受けることによって振動する線状部材であり、ノズル24が配列されて構成されるノズル列Lに沿って延在し、ノズル面23と記録紙の搬送領域との間に位置している。
また、吸収部材12は、各ノズル24から吐出されたインクを吸収可能に構成されている。このように、吸収部材12がノズル24から噴射されたインクを吸収可能に構成されることによって、吸収部材12をフラッシング動作におけるインクを受ける吸収材として用いることができる。
ここで、本実施形態のプリンタ1において、好適に用いることが可能な吸収部材12の具体的な構成について説明する。
吸収部材12は、例えば、SUS304、ナイロン、親水性コートを施したナイロン、アラミド、絹、綿、ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、ポリアリレート、ザイロン(商品名)等の繊維、あるいはこれらの複数を含む複合繊維から形成することができる。
より詳細には、上記繊維あるいは複合繊維から形成される繊維束が、複数本、撚り合わされるあるいは束ねられることによって吸収部材12が形成可能である。
図5は、吸収部材12の一例を示す模式図であり、(a)が断面図、(b)が平面図である。この図に示すように、吸収部材12は、例えば、繊維から形成される繊維束12aが2本(複数)撚り合わされることによって形成される。図5に示すように、複数の繊維束12aを撚り合わすことによって吸収部材12が形成される場合には、繊維束12aの間に形成される谷部12bにおいてもインクを保持することが可能となり、吸収部材12のインク吸収量を増加させることができる。
また、一例としては、SUS304からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、親水性コートが施されたナイロンからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、アラミドからなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、絹からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、綿からなる繊維束が複数本撚り合わされた線状部材、ベリーマ(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ソアリオン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロン03T(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ダイニーマハミロンDB−8(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ベクトランハミロンVB−30からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−5コアケブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンS−212コアカブラースリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンSZ−10コアザイロンスリーブポリエステル(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材、ハミロンVB−3ベクトラン(商品名)からなる繊維束が束ねられた線状部材を吸収部材12として好適に用いることができる。
ナイロンの繊維を用いた吸収部材12は、汎用水糸として広く用いられるナイロンによって形成されているため、安価なものとなる。
SUS材の金属繊維を用いた吸収部材12は、耐腐食性に優れるため多様なインクを吸収可能となると共に、樹脂と比較して磨耗性が高いため繰り返しの使用が可能となる。
超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度及び耐薬品性が高く、有機溶剤や酸、アルカリに強いものとなる。このように、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12は、切断強度が高いため、強いテンションで引っ張ることが可能となり、撓みを抑止することができる。このため、例えば、吸収部材12の径を太くして吸収容量を増加させたり、また吸収部材12の径を太くしない場合には記録ヘッド21から記録紙の搬送領域までの距離を狭くし印刷精度を向上させることができる。また、ザイロンやアラミドの繊維を用いた吸収部材12も、超高分子ポリエチレンの繊維を用いた吸収部材12と同様の効果を期待できる。
綿の繊維を用いた吸収部材12は、インク吸収性に優れたものとなる。
このような吸収部材12では、滴下されたインクは、表面張力によって繊維間及び繊維束12a間に形成される谷部12b(図5参照)に保持されることによって吸収された状態となる。
また、吸収部材12の表面に滴下したインクは、一部が直接吸収部材12の内部に浸透し、残りが繊維束12a間に形成される谷部12bを伝う。そして、吸収部材12の内部に浸透したインクは、吸収部材12の内部において一部が徐々に吸収部材12の延在方向に移動し吸収部材12の延在方向に分散して保持される。吸収部材12の谷部12bを伝うインクは、谷部12bを伝いながら、徐々にその一部が吸収部材12の内部に浸透し、残りが谷部12bに残存し、これによって吸収部材12の延在方向に分散して保持される。つまり、吸収部材12の表面に滴下したインクは、全てが滴下された箇所に留まるわけではなく、滴下された箇所の周囲に分散して吸収される。
なお、実際にプリンタ1に設置する吸収部材12の形成材料は、吸インク性、保持インク性、引張強度、耐インク性、成形性(けばやほつれの発生量)、ねじれ性、コスト等を考慮して選ぶこととなる。
また、吸収部材12のインク吸収量は、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量と谷部12bに保持できるインク量の合計である。このため、このインク吸収量が、吸収部材12の交換頻度等を考慮して、フラッシングによって吐出されるインク量よりも十分に大きくなるように吸収部材12の形成材料を選ぶこととなる。
なお、吸収部材12の繊維間に保持できるインク量及び谷部12bに保持できるインク量は、インクと繊維との接触角、インクの表面張力に依存する繊維隙間における毛細管力によって規定することができる。つまり、細い繊維によって形成することで、繊維間の隙間を多くし全体として繊維の表面積を増加することによって、吸収部材12の断面積が同一であっても、吸収部材12は、より多量のインクを吸収可能となる。したがって、より繊維間の隙間を多く得るために、繊維束12aを形成する繊維として、マイクロファイバー(極細繊維)を用いるようにしても良い。
ただし、吸収部材12のインク保持力は、繊維間の隙間が大きくなって毛細管力が低下することによって低減する。このため、繊維間の隙間は、吸収部材12におけるインク保持力が吸収部材12の移動によってインクが垂れない程度に設定する必要がある。
また、吸収部材12の太さは、上述のインク吸収量を満足するように設定される。具体的には、例えば、吸収部材12の太さは、0.3〜1.0mmに設定され、より好適には0.5mm程度に設定する。
ただし、吸収部材12の太さは、記録ヘッド21及び記録紙への接触を防止すべく、その断面最大寸法が、記録ヘッド21から記録紙の搬送領域までの離間距離から吸収部材12の撓みに起因する変位量を除いた寸法以下となるように設定される。
また、この吸収部材12は、ノズル径に対して5〜50倍程度の幅を有している。本実施形態では、記録ヘッド21におけるノズル面23と記録紙との間のギャップが2mm程度、ノズル径が約0.02mmとなっていることから、吸収部材12は、直径が1mm以下であれば、ノズル面と記録紙との間に配置することができ、かつ部品の誤差を考慮しても吐出されたインク滴を吸収部材で捕捉することができる。
また、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅に対して十分な長さを有していることが好ましい。後に詳説するが、本実施形態のプリンタ1においては、吸収部材12の使用済み(インク吸収済み)の領域が順次巻き取られ、吸収部材12の全領域においてインクが吸収された場合に吸収部材12そのものを取り替える構成を採用している。このため、吸収部材12の取替え期間を実用に耐えうる時間とすべく、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅の数百倍程度であることが好ましい。ただし、プリンタ1内において洗浄等を行うことにより吸収部材12の再生を行う場合には、吸収部材12の長さは、ヘッドユニット2の有効印字幅の2倍よりも若干程度長ければ良い。
そして、吸収部材12は、支持機構9によって支持されている。
図3及び図4に示すように、支持機構9は、移動機構13及び移動機構14を備えている。
移動機構14は、吸収部材12をノズル列の延在方向と交差(本実施形態においては直交)する方向に移動させることにより、吸収部材12をノズル24に対向する検出位置と対向しない退避位置との間で移動させる。また、移動機構13は、吸収部材12を流しながらノズル列の延在方向に沿って移動させる。
移動機構13は、図3及び図4に示すように、ノズル配列方向におけるヘッドユニット2の両側であって、取付板22の裏面22b側(記録ヘッド21のノズル面23と反対側)に各々の回転軸を記録紙の搬送方向に平行とされた回転部15,16を有している。回転部15,16は、ボビン形状を呈してなる巻取機構であり、吸収部材12を巻回することが可能なものである。
そして、回転部15,16は、プリンタ1の筐体に固定される支持板17上に設置されている。
回転部15,16は、不図示の駆動モータに接続され、それぞれの回転によって上記した吸収部材12の巻き出し及び巻き取りを行うようになっている。本実施形態においては、一方の回転部15を巻出し用、他方の回転部16を巻取り用として用いている。
移動機構14は、軸部14aに凸条部14bが螺旋状に巻回されてなる一対の移動部材14A,14Bを有するものであって、軸部14aと凸条部14bとによって形成される案内溝に吸収部材12が保持されるようになっている。そして、移動部材14A,14Bは、図3及び図4に示すように、軸支部18を介して支持板17に設置されている。移動部材14A,14Bはノズル配列方向におけるヘッドユニット2の両側であって、取付板22の表面22a(記録ヘッド21のノズル面23)側に配置されている。そして、移動機構13の回転部15と回転部16とに巻架されている吸収部材12を、移動部材14A、14Bに架け渡している。さらに、ノズル面23と垂直方向において案内溝の端部は、ノズル面23に対してノズル面23より離れる方向にある。そのため、移動部材14A、14Bに架け渡された吸収部材12は、記録ヘッド21のノズル面23に接触させることなく保持できるようになっている。
そして、支持機構9は、不図示の制御装置において回転部15,16の回転速度をそれぞれ制御することによって、移動機構13および移動機構14に支持された吸収部材12を撓ませることなく適度にテンションを与えた状態で保持する。これにより、吸収部材12が撓んで、ノズル面23や記録紙に接触することを防止する。
このような支持機構9においては、吸収部材12を、支持板17上に配置された回転部15,16と、取付板22の表面22a側に配置された移動部材14A,14Bとにより支持することで、回転部15から巻き出された吸収部材12が記録ヘッド21のノズル面23上を経由して回転部16において巻き取られるようになっている。このため吸収部材12は、回転部15,16の回転に伴い、ヘッドユニット2の各ノズル列Lの延在方向、すなわち記録紙の搬送方向に交差する方向へ移動されることになる。
また、移動部材14A,14Bが、不図示の駆動モータにより回転させられると、軸部14aと凸条部14bとによって形成される複数の案内溝が軸方向に沿って見かけ上移動することになる。これにより、ヘッドユニット2(ノズル列L)に対する吸収部材12の位置を変化させることが可能である。具体的には、吸収部材12をヘッドユニット2の各ノズル列Lの延在方向に交差する方向、すなわち記録紙の搬送方向に沿って移動させることができる。本実施形態においては、吸収部材12を検出位置と退避(記録)位置との間で移動させる。ここで、吸収部材12の直径を1mmとすると、部品寸法誤差や配置誤差を含めても1mm移動させればよい。凸条部14bの間隔を1mmとすれば、移動部材を1回転させれば吸収部材は1mm移動するので、吸収部材12を容易に精度よく移動することが可能となるし、1mm移動するだけなので移動にかかる時間も少なくて済む。なお、記録ヘッド21と記録紙の距離は2mmあるので、その間に吸収部材12にテンションを与えた状態で配置しているので、移動の際に記録ヘッド21も記録紙も動かす必要はない。
ここで、検出位置とは、図6(b)に示すように、吸収部材12が対応する複数のノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)の直下に配置された状態であって、検出動作時に各ノズル列Lから吐出されたインクを吸収部材12によって受けることができる位置(インクの飛行経路上の位置)である。一方、吸収部材12における退避位置とは、図6(a)に示すように、ノズル列L(ノズル列Lを構成する複数のノズル24)とは対向しない状態であって、記録動作時に各ノズル24から吐出されたインクが吸収部材12に当たらない位置である。
図6(a)、(b)に示すように、移動部材14A、14Bが駆動されることで、吸収部材12が移動する。そして、本実施形態のプリンタ1において吸収部材12は、検出位置はもちろん、退避位置においても、記録紙の搬送方向において記録ヘッド21のノズル面と記録紙との間に配置されている。
図3及び図4に戻り、光学式センサ30は、上述のように吸収部材12の振動を検出するものであり、吸収部材12に向けて支持板17に固定されている。この光学式センサ30は、例えば反射式のレーザセンサであり、吸収部材12までの距離を検出することで、吸収部材12の振動を検出するものである。
記憶部40は、上述のように、ノズル24の噴射特性に応じた吸収部材12の振動を示す基準データを予め記憶する。なお、ノズル24の噴射特性が、良好な状態から、飛行曲がりが生じる状態や、吐出量の減少が生じる状態に変化すると、ノズル24から吐出されるインクの飛行経路が変化したり、インクの吐出重量が減少するため、これを受けた際の吸収部材12の振動状態が変化する。このため、このような振動状態の変化をノズル24ごとに予め実験で求め、ノズル24ごとの基準データを記憶部40に記憶する。
図7は、ある特定のノズル24に対して、予め定められた回数のインクの吐出を連続的に行った場合における吸収部材12の振動状態を視覚化した模式図である。
この図に示すように、インクの吐出が良好な状態(a)と、飛行曲がりが生じている状態(b)と、吐出量が減少している状態(c)とで、吸収部材12の振動状態が変化していることが分かる。
判定部50は、上述のように、光学式センサ30の検出結果と、記憶部40に記憶された基準データとを比較することによって、ノズルの噴射特性を判定するものである。
この判定部50は、不図示の制御装置に接続されており、当該制御装置に判定結果(すなわち検出結果)を入力する。
次に、上述の検出動作に関連する本実施形態のプリンタ1の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。なお、本実施形態のプリンタ1の動作は、不図示の制御装置によって統括されている。
プリンタ1は、所定の指令に基づいて印刷動作(ステップS1)を行っており、制御装置によって検出動作が開始されるまでの間(ステップS2)は、印刷動作を継続する。
一方、制御装置は、検出動作を開始(ステップS2)すると、移動機構14によって吸収部材12を検出位置に移動する(ステップS3)。つまり、制御装置は、吸収部材12をノズル24から噴射されるインクを受ける位置に移動させる。
次に、制御装置は、1番目のノズル24を選択し(ステップS4)、選択したノズル24からインクを吐出する(ステップS5)。
そして、制御装置は、ステップS5でインクを吐出したノズル24の噴射特性を判断する(ステップS6)。
ここで、ノズル24から吐出されたインクが吸収部材12に着弾し、この結果吸収部材12が振動する。この吸収部材12の振動が光学式センサ30によって検出され、この検出結果が判定部50に入力される。そして、判定部50は、入力された検出結果と記憶部40に記憶された基準データとを比較し、検出結果と合致する基準データが示す噴射特性をノズル24の噴射特性として制御装置に入力する。制御装置においては、ステップS5においてインクを吐出したノズル24の噴射特性が入力され、この情報を蓄積することによって、制御装置においてノズル24の噴射特性が判断されたこととなる。
次に、制御装置は、全てのノズル24の噴射特性を検出したかを判定(ステップS7)し、検出していない場合には、次のノズル24を選択(ステップS8)してステップS5に戻る。
一方、制御装置は、全てのノズル24の噴射特性を検出している場合には、移動機構14によって、吸収部材12を退避位置に移動する(ステップS9)。
次に、制御装置は、ステップS6において噴射特性が異常(例えば、飛行曲がりが生じている状態、吐出量が減少している状態、吐出されていない状態)とされたノズル24が存在するかを判定(ステップS10)し、異常とされたノズル24が存在する場合にはステップS1に戻って印刷動作を再開する。
一方、ステップS10で、異常とされたノズル24が存在する場合には、制御装置は、吸引動作やフラッシング動作等のノズル24のメンテナンス処理(ステップS11)を行い、その後ステップS1に戻って印刷動作を再開する。
なお、本実施形態のプリンタ1においては、吸収部材12がインクを吸収可能に構成され、フラッシング動作の際のインクの吸収材として用いることが可能とされている。
このため、制御装置は、フラッシング動作を行う際には、移動機構14を駆動して、支持している吸収部材12を検出位置へ移動させる。このようにして、吸収部材12をノズル24のインク吐出方向(飛行経路)上に出現させる。
次に、制御装置は、ヘッドユニット2に対するフラッシング動作を実行し、記録ヘッド21のノズル列L(ノズル24)から、対向する吸収部材12に対してインクを噴射させる(例えば10滴程度)。ノズル列Lから吐出されたインクは吸収部材12に吸収される。
制御装置は、ヘッドユニット2のフラッシング動作を実行している間、移動機構13を駆動して、吸収部材12を移動させることにより、吸収部材12におけるインクを吸収した部分の巻き取り動作を行う。これにより、ノズル列Lから吐出されたインクは、吸収部材12のインクを含まない新しい部分に常に吐出されることになるので吸収部材12内にすばやく吸収される。
なお、ノズル径に対して吸収部材12の断面最大寸法を100倍くらい確保できる場合には、吸収部材12のインク吸収量が極めて大きくなる。このため、フラッシング動作を行いながら吸収部材12の巻取り動作を行わなくても良い。例えば、吸収部材12の同一箇所に100滴くらいのインクを吐出してもインクが垂れない場合には、フラッシング動作を10回行ってから吸収部材12を巻き取るようにしても良い。
本実施形態では、移動機構13における吸収部材12の巻取り速度をインクの吐出量に応じて調整し、吐出量が多いときには吸収部材12が飽和しないように巻取り速度を高めて、インクの吸収漏れが生じないように高速で巻き取るようにする。
フラッシング動作が終了すると、制御装置は移動機構14を駆動して吸収部材12を退避位置へと移動させる。なお、退避後に上述の巻取り動作を行っても良い。
なお、フラッシング動作を行わない場合であっても、移動機構13を駆動して吸収部材12の巻取り動作を行っても良い。
これによって、次回のノズル24の噴射特性の検出動作時に、吸収部材12のインクを含まない領域でインクを受けることができ、先のノズル24の噴射特性の検出時と同様の条件で検出動作を行うことが可能となる。
以上のような本実施形態のプリンタ1によれば、線状部材である吸収部材12によってノズル24から噴射されるインクを受け、この際の吸収部材12の振動を検出し、この検出結果に基づいてノズル24の噴射特性を検出する。
そして、本実施形態のプリンタ1によれば、ノズル24から噴射されるインクを受けるのが線状部材である。線状部材は、僅かに移動させるだけでノズルの直下から移動させて、印刷の障害となる位置から退避させることができる。また、線状部材は、平面状のセンサと比較して必要とされる設置スペースが遥かに小さく、退避する場合であっても、スペースの限られた流体噴射ヘッドと媒体の搬送領域との間に配置しておくことが可能である。
このため、本実施形態のプリンタ1によれば、スペースの限られた記録ヘッド21と記録紙8の搬送領域との間に配置しておくことでき、記録紙8の途切れるタイミングを待つことなくノズル24の噴射特性を検出することができ、また僅かな移動で吸収部材12を検出位置と退避位置とに移動させることができる。
したがって、本実施形態のプリンタ1によれば、検出タイミングの自由度が高くかつ短時間でノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
また、本実施形態のプリンタ1においては、検出ユニット11が、ノズル24の噴射特性に応じた吸収部材12の振動を示す基準データを予め記憶する記憶部40と、吸収部材12の振動を検出する光学式センサ30と、この光学式センサ30の検出結果と基準データとを比較してノズル24の噴射特性を判定する判定部50とを備えるという構成を採用する。
このように、予め基準データを取得しておけば、吸収部材12の振動を検出して比較するのみで簡易にノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
また、本実施形態のプリンタ1においては、光学式センサ30が、吸収部材12の振動を検出するという構成を採用する。
ノズル24から噴射されたインクが吸収部材12に触れた場合には、吸収部材12は必ず振動する。このため、物理的変化として吸収部材12の振動を検出することによって、確実に吸収部材12の物理的変化を検出することが可能となり、さらには確実のノズル24の噴射特性を検出することが可能となる。
また、本実施形態のプリンタ1においては、光学式センサ30を用いている。
このため、吸収部材12に対して非接触で吸収部材の振動を検出することができ、吸収部材12や光学式センサ30の寿命を長く確保することができる。
また、非接触で吸収部材の振動を検出することによって吸収部材12を巻き取ることが可能となっている。
なお、本実施形態のプリンタ1においては、光学式センサ30に換えてマイクロフォンを用いることも可能である。
吸収部材12の振動状態が変化すると、吸収部材12の振動によって発せられる音が変化する。この音の変化をマイクロフォンで検出することによって、光学式センサ30の場合と同様に、ノズル24の噴射特性を検出することができる。
また、本実施形態のプリンタ1においては、線状部材としてインクが吸収可能な吸収部材を用いる構成を採用する。
このため、ノズル24から噴射されて吸収部材12に触れたインクが線状部材に吸収され、インクによって吸収部材12の周囲が汚れることを抑制することが可能となる。
また、本実施形態のプリンタ1においては、複数のノズル24が直線状に配列され、吸収部材12がノズル24の配列方向に沿って延在しているという構成を採用する。
このため、検出動作時に吸収部材12が相対移動することなく、複数のノズル24からインクを受けることができる。このため、短時間で複数のノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、本実施形態において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
図9は、本実施形態のプリンタが備える記録ヘッド21と検出ユニット11とを下から見上げた斜視図である。
この図に示すように、本実施形態のプリンタ1は、移動機構13を備えておらず、吸収部材12が移動子14Cを介して移動部材14A,14Bに接続された構成を有している。
本実施形態の吸収部材12は、フラッシング動作の際のインクを受ける吸収材として用いることは想定しておらず、検出動作の際のみに用いられる。
このような構成を有する本実施形態のプリンタにおいても、上記第1実施形態のプリンタ1と同様に、検出タイミングの自由度が高くかつ短時間でノズルの噴射特性を検出することが可能となる。
なお、本実施形態においては、吸収部材12が延在方向に移動しないため、例えば、非接触式の光学式センサ30に換えて、接触式の歪みゲージを用いることも可能である。
吸収部材12の振動状態が変化すると、吸収部材12の歪み分布が変化する。この歪みの変化を歪みゲージで検出することによって、光学式センサ30の場合と同様に、ノズル24の噴射特性を検出することができる。
また、歪みゲージを用いて吸収部材12の物理的変化を検出するため、直接吸収部材12の物理的変化を検出することができ、より正確に吸収部材12の物理的変化を検出することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもなく、上記各実施形態を組み合わせても良い。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態においては、インクを受けた際の吸収部材12の物理的変化として、振動に関連する値を検出する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、吸収部材12の物理的変化として、重量変化を検出するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、ノズル1つ1つに対して、ノズル噴射特性を検出する構成について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のノズルを1グループとし、当該グループの全てのノズルから同時に吸収部材12にインクを吐出し、ノズル噴射特性をグループごとに検出するようにしても良い。
また、上記実施形態においては、単一のラインヘッドを記録ヘッド21として備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のヘッドを有効印字幅に亘って配列しても良い。この際、複数のヘッドは、一直線に配列する必要はなく、全体として千鳥配置となるように配列しても良い。
また、上記実施形態のプリンタに吸収部材12の洗浄を行うクリーニング機構を設けてもよい。この場合、吸収部材12の移動方向下流側(移動部材14Bよりも下流側)に配置することにより、インクを吸収した吸収部材12を洗浄するなどクリーニング処理を実施できる。
また、上記実施形態においては、吸収部材12がノズル列に平行に沿う構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしも吸収部材12の延在方向とノズル列の延在方向とが完全に平行となるようにする必要はない。つまり、本発明において、ノズル列に沿って延在するとは、ノズル列と完全に平行となる状態のみに限定されるものではなく、ノズル列の延在方向に延長した延長線と吸収部材の延在方向に延長した延長線とが先の領域において交差する場合も含む意味である。
また、上記実施形態においては、本発明をラインヘッド方式のプリンタに適用した構成について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、シリアル方式のプリンタに適用することもできる。
また、上記実施形態においては、吸収部材12が常に記録ヘッド21の直下を移動する構成について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、吸収部材12を退避させる際に、記録ヘッド21の直下から外れた領域(例えば、記録ヘッド21の側方)に移動させる構成を採用することもできる。
また、上記実施形態においては、吸収部材12を移動することによって、吸収部材12と記録ヘッド21の位置関係を変化する構成を採用した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、記録ヘッド21を移動することによって、吸収部材12と記録ヘッド21の位置関係を変化する構成を採用しても良い。
また、上記実施形態においては、メンテナンス処理の際に、吸収部材12が記録ヘッド21と記録紙の搬送領域との間に位置する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、メンテナンス処理の際に吸収部材12を記録紙の搬送領域の下方に位置する構成を採用しても良い。
上記実施形態では、インクジェット式のプリンタが採用されているが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置と、その流体を収容した流体容器を採用しても良い。微小量の液滴を吐出させる流体噴射ヘッド等を備える各種の流体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記流体噴射装置から吐出される流体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう流体とは、流体噴射装置が噴射させることができるような材料であれ良い。
例えば、物質が液相であるときの状態のものであれば良く、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての流体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、流体の代表的な例としては上記実施例の形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種流体組成物を包含するものとする。
流体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む流体を噴射する流体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する流体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる流体を噴射する流体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。
さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する流体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する流体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する流体噴射装置を採用しても良い。そして、これらのうちいずれか一種の噴射装置および流体容器に本発明を適用することができる。
1 プリンタ、2 ヘッドユニット、3 搬送装置、4 ユニット、5 ユニット、6 キャップユニット、8 記録紙、9 支持機構、L ノズル列、10 メンテナンス装置、11 検出ユニット(噴射特性検出手段)、12 吸収部材(線状部材)、12a 繊維束、12b 谷部、13 移動機構、14 移動機構、14A 移動部材、14B 移動部材、14C 移動子、14a 軸部、14b 凸条部、15 回転部、16 回転部、17 支持板、18 軸支部、21 記録ヘッド(流体噴射ヘッド)、22 取付板、22a 表面、22b 裏面、23 ノズル面、24 ノズル、25 開口部、30 光学式センサ(検出器)、31 駆動ローラー部、32 従動ローラー部、33 搬送ベルト部、34 保持部材、40 記憶部、50 判定部、51 排紙用ローラー、52 排紙トレー、61 キャップ部、63 ワイプ部材

Claims (8)

  1. ノズルから流体を噴射する流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置であって、
    前記ノズルから噴射される前記流体を受ける位置と退避位置とに相対移動可能とされた線状部材と、
    前記流体を受けた前記線状部材の物理的変化から前記ノズルの噴射特性を検出する噴射特性検出手段と
    を備えることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記噴射特性検出手段は、
    前記ノズルの噴射特性に応じた前記線状部材の物理的変化を示す基準データを予め記憶する記憶部と、
    前記線状部材の物理的変化を検出する検出器と、
    該検出器の検出結果と前記基準データとを比較して前記ノズルの噴射特性を判定する判定部と
    を備えることを特徴とする請求項1記載の流体噴射装置。
  3. 前記検出器は、前記線状部材の振動を前記物理的変化として検出することを特徴とする請求項1または2記載の流体噴射装置。
  4. 前記検出器は、光学式センサであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の流体噴射装置。
  5. 前記検出器は、歪みゲージであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の流体噴射装置。
  6. 前記検出器は、マイクロフォンであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の流体噴射装置。
  7. 前記線状部材は、前記流体を吸収可能であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の流体噴射装置。
  8. 複数の前記ノズルが直線状に配列され、前記線状部材が前記ノズルの配列方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1〜7いずれかに記載の流体噴射装置。
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