JP2011078244A - モータ - Google Patents

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健彦 赤羽
Yasuyuki Tsukioka
靖幸 月岡
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Abstract

【課題】ステータで発生した熱を効率よく放熱することのできるモータを提供すること。
【解決手段】ステッピングモータ100において、カバー9は、ステータ2の外周形状に対応する形状に曲がった内周面93を備えた金属製の第1カバー部材91および第2カバー部材92を備え、かかる第1カバー部材91および第2カバー部材92の内周面93は、ステータ2の外周部200に直接、接している。しかも、第1カバー部材91および第2カバー部材92は、内周面93よりも面積が広い外周面94を備えている。従って、ステータ2で発生した熱を第1カバー部材91および第2カバー部材92を介して効率よく放熱することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、モータの放熱技術に関するものである。
モータは、回転軸にロータマグネットが保持されたロータと、ロータマグネットに対向する筒状のステータとを有しており、ステータコイルに給電することにより、ロータを回転させる。また、ステッピングモータに関しては、2相のステータ組をモータ軸線方向に2組配置したステータを用い、これら2組のステータ組において極歯のピッチをずらすことにより、高速かつ微小な送りを可能とした構成が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−28359号公報
しかしながら、ステータコイルに給電すると、ステータが発熱するため、放熱性が低いとステータコイルが焼損するなどといった不具合が発生するという問題点がある。特に、特許文献1に記載のステッピングモータのように、2相のステータをモータ軸線方向に2組配置すると、その分、ステータでの発熱が大きいため、ステータコイルの焼損などといった不具合が発生しやすいという問題点がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、ステータ等で発生した熱を効率よく放熱することのできるモータを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明では、回転軸にロータマグネットが保持されたロータと、前記ロータマグネットに対向する筒状のステータと、を有するモータにおいて、前記ステータの外周形状に対応する形状に曲がった内周面を備えた放熱部材を有し、当該放熱部材の内周面は、前記ステータの外周部に直接あるいは放熱シートを介して接していることを特徴とする。
本発明に係るモータは、ステータの外周形状に対応する形状に曲がった内周面を備えた放熱部材を有し、かかる放熱部材の内周面は、ステータの外周部に直接あるいは放熱シートを介して接しているため、ステータの外周部と放熱部材との接触面積が広い。従って、ステータ等で発生した熱を効率よく放熱することができる。
本発明は、前記ステータが、1本の前記回転軸に対して当該回転軸の軸線方向に沿って複数配列された単相あるいは複相のステータ組を備えている場合に適用すると効果的である。かかる構成のモータでは、ステータ組の数が多い分、ステータが発熱しやすいが、本発明によれば、ステータで発生した熱を効率よく放熱することができるので、ステータの温度上昇を低く抑えることができる。この場合、前記放熱部材を複数備え、当該複数の放熱部材は、複数の前記ステータ組を間に挟んで連結されていることが好ましい。このように構成すると、ステータは、複数のステータ組からなるが、複数の放熱部材で補強された状態となる。従って、ステータ組同士の連結部が外れることがない。
本発明において、前記放熱部材は、前記内周面よりも面積が広い外周面を備えていることが好ましい。このように構成すると、放熱部材の放熱性能を向上することができるので、ステータで発生した熱を効率よく放熱することができ、ステータの温度上昇を低く抑えることができる。
本発明において、前記ステータは円筒状であり、前記放熱部材は、前記内周面が円弧状凹湾曲面であって、前記外周面が角形形状であることが好ましい。このように構成すると、放熱部材は、内周面より外周面の方が面積が広い構成となるので、放熱部材の放熱性能を向上することができる。また、ステータが円筒状であっても、放熱部材の外周面が角形形状であれば、放熱部材の角形形状の外周面を利用してモータをモータ機器に取り付けることができるので、モータ機器へのモータの取り付けが容易であるなどの利点がある。
本発明において、前記ステータの外周を覆うカバーを備え、前記放熱部材は、前記カバーを構成するカバー部材として用いられていることが好ましい。このように構成すると、カバー専用の部品を用いなくても、ステータの外周をカバーで覆った構造を実現することができる。
本発明において、前記ステータの外周面には、該ステータに給電を行うための基板が設けられ、前記基板は、前記放熱部材から露出した状態にあることが好ましい。このように構成すると、基板上の配線や端子が放熱部材によって短絡することを防止することができる。
本発明において、前記放熱部材は、アルミニウム製であることが好ましい。アルミニウム製の放熱部材であれば、熱伝導率が高いので放熱効果が高く、かつ、安価である。
本発明において、前記ロータおよび前記ステータは、ステッピングモータ用である。すなわち、本発明を適用したモータは、例えば、ステッピングモータとして構成される。ステッピングモータであれば、開ループ制御が可能であるとともに、エンコーダを設ければ、かかるエンコーダでの検出結果をフィードバックする制御方式も可能である。
本発明に係るモータは、ステータの外周形状に対応する形状に曲がった内周面を備えた放熱部材を有し、かかる放熱部材の内周面は、ステータの外周部に直接あるいは放熱シートを介して接している。従って、ステータ等で発生した熱を効率よく放熱することができるので、ステータの温度上昇を低く抑えることができ、ステータコイルの焼損などといった不具合の発生を防止することができる。
本発明を適用したステッピングモータの外観図である。 図1に示すステッピングモータに用いたステータなどの説明図である。 図1に示すステッピングモータを斜め上方からみた分解斜視図である。 図1に示すステッピングモータを斜め下方からみた分解斜視図である。 図3に示すステータに用いたステータ組の説明図である。 図1に示すステッピングモータに用いたロータの説明図である。 図1に示すステッピングモータに構成したエンコーダの説明図である。 図1に示すステッピングモータのエンコーダに用いたエンコーダケースおよびセンサ基板の説明図である。 (a)、(b)は、図1に示すステッピングモータでの各部分の温度変化を示すグラフ、および参考例に係るステッピングモータでの各部分の温度変化を示すグラフである。 本発明を適用したステッピングモータに用いた放熱部材の改良例を示す説明図である。 本発明を適用したステッピングモータに用いた別の放熱部材を示す説明図である。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
(ステッピングモータの全体構成)
図1は、本発明を適用したステッピングモータの外観図であり、図1(a)、(b)は、ステッピングモータにおいてコネクタが配置された上側部分の斜視図、および下側部分の斜視図である。図2は、図1に示すステッピングモータに用いたステータなどの説明図であり、図2(a)、(b)は、図1に示すステッピングモータの縦断面図、およびステータの一部を拡大して示す断面図である。図3および図4は、図1に示すステッピングモータを斜め上方からみた分解斜視図、および斜め下方からみた分解斜視図である。
図1および図2に示すように、本形態のステッピングモータ100では、モータ軸線L方向に長手方向を向ける第1カバー部材91と第2カバー部材92とによってカバー9が構成されている。カバー9において、出力側L1の端部にはフランジ50が固着され、かかるフランジ50からはロータ3の回転軸31が突出している。回転軸31の先端部にはピニオン39が固着されている。
カバー9において、反出力側L2の端面からは基板7の端部が突出し、かかる基板7の端部に対してさらに反出力側L2で隣接する位置にコネクタ77が設けられている。
図2、図3および図4に示すように、ステッピングモータ100は、カバー9の内側に、外周面においてN極とS極が周方向に交互に形成されたロータマグネット32、および回転軸31を備えたロータ3と、ロータマグネット32の外周面に対向する筒状のステータ2とを有している。
回転軸31は、出力側L1の端部と反出力側L2の端部が軸受で回転可能に支持されている。本形態では、回転軸31のいずれの端部もボールベアリングからなる軸受57、59によって支持されており、回転軸31において、出力側L1の端部には軸受57の内輪が固着され、軸受57の外輪は、軸受ホルダ56を介してフランジ50に固定されている。また、回転軸31において、反出力側L2の端部には軸受59の内輪が固着され、軸受59の外輪は、軸受ホルダ58を介して固定されている。
(ステータ2の構成)
図5は、図3および図4に示すステータに用いたステータ組の説明図であり、図5(a)、(b)は、ステータ組1つ分の斜視図、および分解斜視図である。
本形態のステッピングモータ100において、ステータ2は、1本の回転軸31に対して、図5に示すステータ組20が複数、モータ軸線L方向に配列されてなる。
図5に示すように、ステータ組20は、A相の外ステータコア21、コイルボビン23に巻回されたA相のコイル24、A相の内ステータコア22、B相の内ステータコア27、コイルボビン28に巻回されたB相のコイル29、B相の外ステータコア26をモータ軸線L方向で重ねた2相構造になっている。
A相の外ステータコア21は、底板部211の外周縁から反出力側L2に向けて円筒部212が延びた有底筒形形状を備えており、底板部211の中心穴の縁では、反出力側L2に向けて複数の極歯215が起立している。A相の内ステータコア22は、円環状のフランジ部221を備えており、このフランジ部221の中心穴の縁では、出力側L1に向けて複数の極歯225が起立している。従って、A相のコイル24が巻回されたコイルボビン23をモータ軸線L方向の両側から挟むように、A相の外ステータコア21、コイルボビン23、およびA相の内ステータコア22を重ねると、コイルボビン23の内周面では、A相の外ステータコア21に形成された極歯215と、A相の内ステータコア22に形成された極歯225とが交互に環状に並び、かかる極歯215、225の外周側でA相のコイル24が周回する構造となる。
B相の外ステータコア26は、円環状のフランジ部261を備えており、このフランジ部261の中心穴の縁では、出力側L1に向けて複数の極歯265が起立している。B相の内ステータコア27は、円環状のフランジ部271を備えており、このフランジ部271の中心穴の縁では、反出力側L2に向けて複数の極歯275が起立している。従って、B相のコイル29が巻回されたコイルボビン28をモータ軸線L方向の両側から挟むように、B相の外ステータコア26、コイルボビン28、およびB相の内ステータコア27を重ねると、コイルボビン28の内周面では、B相の外ステータコア26に形成された極歯265と、B相の内ステータコア27に形成された極歯275とが交互に環状に並び、かかる極歯265、275の外周側でB相のコイル29が周回する構造となる。
ここで、A相の外ステータコア21、コイルボビン23に巻回されたA相のコイル24、A相の内ステータコア22、B相の内ステータコア27、コイルボビン28に巻回されたB相のコイル29、B相の外ステータコア26をモータ軸線L方向で重ねた際、A相の外ステータコア21の円筒部212は、A相のコイル24、A相の内ステータコア22、B相の内ステータコア27、B相のコイル29を外周側で覆った状態となり、かかる円筒部212の先端部に対して、B相の外ステータコア26のフランジ部261が嵌った状態となる。
この状態で、ステータ組20では、モータ軸線L方向の反出力側L2の端部の外周縁は、A相の外ステータコア21の円筒部212の先端部であり、直角形状(直角部分)あるいは略直角形状(略直角部分)になっている。これに対して、ステータ組20では、モータ軸線L方向の出力側L1の端部の外周縁は、A相の外ステータコア21において、底板部211から円筒部212が起立した部分であり、R形状(R部分)になっている。そこで、本形態では、隣接するステータ組20を連結するにあたって、詳しくは後述するように、外周縁がR形状になっているA相の外ステータコア21の底板部211に対して、磁性板からなるスペーサ5がスポット溶接されている。また、A相の外ステータコア21の円筒部212の先端部に対しては、隣接するステータ組20のA相の外ステータコア21にスポット溶接されたスペーサ5がレーザ溶接されている。
このように構成したステータ組20において、A相のコイル24が巻回されたボビン23の周方向の1箇所には端子台231が形成されており、かかる端子台231には2本の端子246が固着されている。また、2本の端子246にはA相のコイル24の端部が各々絡げられ、端子246とコイル24の端部とはハンダにより電気的に接続されている。また、B相のコイル29が巻回されたボビン28においても、周方向の1箇所に端子台281が形成され、かかる端子台281には2本の端子296が固着されている。また、2本の端子296にはB相のコイル29の端部が各々絡げられ、端子296とコイル29の端部とはハンダにより電気的に接続されている。
ここで、A相に対応する2本の端子246は、モータ軸線L方向に直交する方向で並び、B相に対応する2本の端子296も、モータ軸線L方向に直交する方向で並んでいる。しかも、A相に対応する2本の端子246と、B相に対応する2本の端子296とは、モータ軸線L周りの角度位置が同一に設定されているため、A相に対応する2本の端子246と、B相に対応する2本の端子296は、各々がモータ軸線L方向で重なっている。
かかる端子246、296および端子台231、281は、A相の外ステータコア21の切り欠き218から半径方向外側に突出している。端子台231、281の内面は、円筒部212の外周面に当接している。また、端子台231、281において周方向の両端部は、切り欠き218において周方向の両側で対向する内縁に当接し、周方向の位置が規定されている。従って、A相の外ステータコア21の切り欠き218を基準に端子台231、281の角度位置が規定される結果、端子246、296の角度位置も規定される。また、A相の内ステータコア22の外周縁に形成された小突起228、B相の外ステータコア26の外周縁に形成された小突起268、およびB相の内ステータコア27の外周縁に形成された小突起278は、切り欠き218において周方向の両側で対向する内縁に当接し、周方向の位置が規定されている。このため、切り欠き218を基準に、A相の内ステータコア22、B相の外ステータコア26、およびB相の内ステータコア27の角度位置が規定されている。
このように構成したステータ組20を用いてステータ2を構成するにあたって、本形態では、同一構成の複数のステータ組20がモータ軸線L方向に同軸状に配列されている。すなわち、いずれのステータ組20でも、A相の外ステータコア21同士、コイルボビン23に巻回されたA相のコイル24同士、A相の内ステータコア22同士、B相の内ステータコア27同士、コイルボビン28に巻回されたB相のコイル29同士、およびB相の外ステータコア26同士は、同一の構成を有している。本形態では、5つのステータ組20がモータ軸線L方向に同軸状に配列されている。
また、いずれのステータ組20においても、極歯の角度位置が同一である。すなわち、図2(b)に示すように、いずれのステータ組20においても、周方向の所定の箇所を基準にした際、A相の外ステータコア21に形成された極歯215同士は同一の角度位置にあり、A相の内ステータコア22に形成された極歯225同士は同一の角度位置にあり、B相の外ステータコア26に形成された極歯265同士は同一の角度位置にあり、B相の内ステータコア27に形成された極歯275同士は同一の角度位置にある。このため、各ステータ組20とロータ3との間に発生するピークトルク位置が一致するため、大きなトルクを得ることができる。特に、本形態では、各ステータ組20の間での極歯の角度位置のずれを防止してあるため、大きなトルクを確実に得ることができる。
本形態においては、いずれのステータ組20においても、端子台231、281および端子246、296の角度位置が同一である。このため、5つのステータ組20を配列したステータ2には計20本の端子があるが、これらの端子は10本ずつ、モータ軸線Lに平行に2列に直線的に並んでいる。
そこで、本形態では、計20個の端子穴が10個ずつ、2列に直線的に並んだ基板7を用い、これらの端子穴に端子246、296を貫通させてハンダ付けしてある。ここで、基板7は、PCB基板やガラス−エポキシ基板などといった剛性基板である。かかる基板7を用いてコイル24同士およびコイル29同士は直列に電気的接続されている。
(ロータの構成)
図6は、図1に示すステッピングモータ100に用いたロータ3の説明図である。図2(a)および図6に示すように、本形態のステッピングモータ100において、ロータ3では、回転軸31の周りに円筒状の永久磁石からなるロータマグネット32が固着され、かかるロータマグネット32の外周面には、N極とS極が周方向に交互に形成されている、また、ロータマグネット32では、同一の磁極がモータ軸線L方向の全体にわたって連続して形成されている。このため、ロータ3では、モータ軸線L方向においてステータ2が位置する全範囲にロータマグネット32が位置する。
かかるロータマグネット32を構成するにあたって、本形態では、回転軸31の周りに複数の円筒状のマグネット片320をモータ軸線L方向に配列されており、本形態では、複数のマグネット片320は、隣接するマグネット片320同士が当接するように配置されている。
ここで、複数のマグネット片320には、モータ軸線L方向における長さ寸法が相違するマグネット片320が含まれている。また、本形態では、ステータ組20は5組であるが、マグネット片320は7つであり、マグネット片320の数と、ステータ組20の組数とが相違している。
このように、本形態では、ステータ2の長さ寸法に一致するような長いロータマグネット32を用いるのではなく、長さ寸法が異なる円筒状の磁石材料を準備しておき、ステータ2の長さが定まった時点で、所定数の磁石材料を配置し、着磁を行なう。その際、同一寸法の磁石材料を配列しただけでは、ステータ2の長さ寸法にあったロータマグネット32を構成できない場合、一部の磁石材料を長さの異なるものに交換して、ロータマグネット32の長さ寸法を合わせる。従って、長さ寸法が同一のマグネット片320によってロータマグネット32が構成される場合もあるが、本形態のように、長さ寸法が異なるマグネット片320によってロータマグネット32が構成される場合もある。また、ステータ組20と同数のマグネット片320によってロータマグネット32が構成される場合もあるが、本形態のように、ステータ組20と異なる数のマグネット片320によってロータマグネット32が構成される場合もある。
このように構成すると、準備しておくロータマグネット32用の部品の種類を減らすことができるので、ステッピングモータ100のコストを低減することができる。また、極端に長いロータマグネット32を用いた場合、成形の際、内径に通す金型が細く長くなるため、成形が難しく、長さ方向において内径寸法がバラツキやすいが、本形態のように、複数のマグネット片320によってロータマグネット32を構成すれば、長さ方向の全体にわたって内径寸法が安定する。それ故、ステータ2とロータマグネット32との隙間寸法を狭くすることができるので、大きなトルクを得るのに有利である。
(カバー9の構成/放熱部材の構成)
本形態のステッピングモータ100において、図1、図3および図4に示す第1カバー部材91および第2カバー部材92はいずれも、熱伝導率が高い金属、例えば、アルミニウムからなる。なお、アルミニウムに限定されるものではなく、銅等であってもよいし、金属に限定されるものではない。また、第1カバー部材91および第2カバー部材92は、以下に説明する構造を有しており、ステータ2で発生した熱をモータ外部に放熱する放熱部材として構成されている。なお、第1カバー部材91および第2カバー部材92は左右対称であり、基本的な構造は同一である。従って、第1カバー部材91の構成を中心に説明する。
本形態のステッピングモータ100において、ステータ2は円筒形状であり、かかるステータ2の外周形状に対応して、第1カバー部材91の板状本体部96においてステータ2の側に面する内周面93は、ステータ2の外周部200の曲率と略同一の曲率を有する円弧状凹湾曲面になっている。第1カバー部材91の軸線方向における寸法はステータ2の軸線方向における寸法と略等しく、第1カバー部材91の内周面93は、ステータ2の軸線方向の全体にわたってステータ2の外周部200に直接、接している。
第1カバー部材91において、板状本体部96の下端部では、外側端部から下方に放熱板部95が突出しており、第1カバー部材91の外周面94は、角形形状になっている。また、第1カバー部材91の外周面94は、板状本体部96の外面941、板状本体部96の上端面942、放熱板部95の下端面943、放熱板部95の内面944、および板状本体部96の下面945からなり、外周面94の面積は、内周面93の面積より広くなっている。なお、第1カバー部材91の放熱板部95には、軸線方向で離間する2箇所にネジ99を止める穴97が形成されている。なお、第2カバー部材92は、第1カバー部材91と同様な構造を有している。
かかる第1カバー部材91と第2カバー部材92とによってカバー9を形成するにあたっては、ステータ2を間に挟むようにステータ2の両側に第1カバー部材91と第2カバー部材92とを重ね、しかる後に、穴97にネジやボルトなどからなる締結部材99を止める。この状態で、第1カバー部材91と第2カバー部材92とは、下端部同士が近接する一方、上端部同士も接近する。その結果、第1カバー部材91および第2カバー部材92の内周面93は、ステータ2の外周部200に直接、接することになる。また、ステータ2は、複数のステータ組20からなるが、第1カバー部材91と第2カバー部材92は、複数のステータ組20を間に挟んで連結された状態にある。このため、ステータ2は、第1カバー部材91と第2カバー部材92とによって補強された状態にある。
このようにしてカバー9を形成した状態で、第1カバー部材91と第2カバー部材92とは、下端部同士が近接する一方、上端部は基板7の近傍に到達している。このため、基板7は、第1カバー部材91と第2カバー部材92の上端部の間でカバー9から露出した状態にある。それ故、基板7上の配線や端子が第1カバー部材91および第2カバー部材92によって短絡することはない。
(エンコーダ8の構成)
図7は、図1に示すステッピングモータ100に構成したエンコーダの説明図であり、図7(a)、(b)、(c)は、ステッピングモータ100の反出力側の端部に設けたエンコーダケースを反出力側からみた斜視図、エンコーダケースからセンサ基板を取り出した様子を示す分解斜視図、およびセンサ基板の出力側の基板面を示す説明図である。図8は、図1に示すステッピングモータ100のエンコーダに用いたエンコーダケースおよびセンサ基板の説明図であり、図8(a)、(b)は、エンコーダケースを反出力側からみた説明図、およびセンサ基板を反出力側からみた説明図である。
図2(a)に示すように、本形態のステッピングモータ100において、回転軸31の反出力側L2の端部に対してはエンコーダ8が構成されている。本形態において、エンコーダ8は、回転軸31の反出力側L2の端部に取り付けられた円筒状のエンコーダ用マグネット81と、エンコーダ用マグネット81に対向するMRセンサ82(磁気センサ/磁気抵抗効果センサ)とを備えた磁気式のエンコーダである。
かかるエンコーダ8を構成するにあたって、エンコーダ用マグネット81は、回転軸31においてステータ2の反出力側L2の端部から軸線方向で突出した部分であってロータマグネット32の反出力側L2の端部に軸線方向で離間する部分に保持されている。従って、エンコーダ用マグネット81は、回転軸31において軸受59や軸受ホルダ58よりもさらに反出力側L2の軸端側に保持されている。かかるエンコーダ用マグネット81は、図6に示すように、ロータマグネット32を構成するマグネット片320と同一の外径寸法および内径寸法を有する円筒状のマグネットであり、外周面にはマグネット片320と同一の位相でS極とN極が交互に形成されている。従って、エンコーダ用マグネット81については、ロータマグネット32のマグネット片320として使用されるものをそのまま用いてもよい。
図2(a)および図7(a)、(b)、(c)に示すように、MRセンサ82は、ステータ2から軸線方向で離間した位置でエンコーダ用マグネット81に対向している。より具体的には、MRセンサ82は、回転軸31の反出力側L2の端部に対向するように配置された円板状のセンサ基板85の出力側L1の面85aに実装されている。このため、MRセンサ82は、エンコーダ用マグネット81に対して回転軸31の軸線方向においてステータ2が位置する側とは反対側(反出力側L2)でエンコーダ用マグネット81に対向している。なお、センサ基板85において、反出力側L2の面85bには駆動用IC79や他の電子部品78が実装されており、駆動用IC79は、エンコーダ8による検出結果に基づいて、コイル24、29への通電をフィードバック制御する。センサ基板85は、PCB基板やガラス−エポキシ基板などといった剛性基板である。
カバー9の反出力側L2の端部には、MRセンサ82やセンサ基板85を外周側で囲む筒部801をもった金属製のエンコーダケース80が取り付けられており、かかる筒部801の内周面802にセンサ基板85の外周端部851が保持されている。エンコーダケース80の内周面802には円環状の段部806が形成されており、かかる段部806にセンサ基板85の外周端部851が当接してセンサ基板85が位置決めされている。なお、エンコーダケース80には、軸受ホルダ58の固定やグランドとの導通線の固定に用いるネジ89を止める穴808が形成されている。
この状態で、エンコーダケース80の筒部801においてセンサ基板85により封鎖されている空間内にはMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が位置する。但し、エンコーダケース80の筒部801には、MRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間を外部と連通させる貫通穴801aが形成されている。かかる貫通穴801aは、エンコーダケース80の内部においてMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間と外部との間で空気を流出入させる。
また、センサ基板85において、MRセンサ82、駆動用IC79、電子部品78が実装されている領域や配線が形成されている領域を避けた位置には、カバー9の内側においてMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間を外部と連通させる貫通穴85eが形成されている。かかる貫通穴85eは、エンコーダケース80の内部においてMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間と外部との間で空気を流出入させる。
さらに、センサ基板85の外周端部851には、図8(a)、(b)に示すように、周方向で離間する複数個所には径方向外側に突出した突起852が形成されている。このため、センサ基板85の外周端部851には、突起852で挟まれた部分が小径部853になっている。従って、センサ基板85をエンコーダケース80の筒部801の内側に収容した状態で、センサ基板85の外周端部851は、筒部801の内周面802に対して周方向で離間する突起852のみが当接し、小径部853と筒部801の内周面802との間には隙間Gaが形成されることになる。かかる隙間Gaは、エンコーダケース80の内部においてMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間と外部との間で空気を流出入させる。また、センサ基板85と筒部801の内周面802との隙間Gaは、エンコーダケース80とセンサ基板85との接触面積を狭めることによって、エンコーダケース80からセンサ基板85への熱伝達を抑える機能も担っている。
(ステッピングモータ100製造方法)
本形態のステッピングモータ100を製造するにあたって、ロータ形成工程では、まず、ステータ2の長さに合わせて、予め準備しておいたマグネット片320から所定寸法のマグネット片320を必要な数だけ、回転軸31の周りに固定し、着磁してロータマグネット32を形成する。あるいは、冶具の周りで複数のマグネット片320を接着剤で連結した後、着磁してロータマグネット32を形成し、かかるロータマグネット32を回転軸31の周りに固定する。
一方、ステータ形成工程では、A相の外ステータコア21、コイルボビン23に巻回されたA相のコイル24、A相の内ステータコア22、B相の内ステータコア27、コイルボビン28に巻回されたB相のコイル29、B相の外ステータコア26をモータ軸線L方向で重ねてステータ組20を形成する。かかる工程を行なう前に、A相の外ステータコア21の底板部211に対してスペーサ5をスポット溶接しておく。スポット溶接は、A相の外ステータコア21の内側にコイル24、29などを配置した後は行なうことができないが、R形状になっているA相の外ステータコア21の底板部であってもスペーサ5を溶接することができる。
次に、丸棒状の冶具を貫通するように、複数のステータ組20を通し、複数のステータ組20を同軸状に配列する。その際、別の冶具を端子246、296あるいは端子台231、281に当接させて、複数のステータ組20の角度調整を行なう。
次に、端子246、296を基板7の端子穴70に嵌めた後、端子246、296と基板7のランドとのハンダ付けを行なう。かかるハンダ付けの前、あるいは後に、A相の外ステータコア21の円筒部212の先端部と、隣接するステータ組20のA相の外ステータコア21に固定したスペーサ5とをレーザ溶接により固定する。レーザ溶接は、R部分には行なうことができないが、本形態では、A相の外ステータコア21の円筒部212において直角あるいは略直角になっている先端部とスペーサ5とを溶接するので、レーザ溶接を採用することができる。かかるレーザ溶接は、スポット溶接と違って、A相の外ステータコア21とB相の外ステータコア26とによって囲まれた空間内にコイル24、29などを配置した後に行なっても、コイル24、29が損傷しないなどの利点がある。
また、本形態では、A相の外ステータコア21の円筒部212の先端部にはB相の外ステータコア26のフランジ部261が嵌っており、円筒部211の先端部は、分厚くなっているのと同様な状態にある。このため、A相の外ステータコア21の円筒部212の先端部とスペーサ5とをレーザ溶接した際、A相の外ステータコア21の円筒部212に穴があいてコイル29が損傷あるいは断線するなどの不具合が発生しない。また、A相の外ステータコア21の円筒部212とレーザ溶接されるのは、隣接するステータ組20のA相の外ステータコア21にスポット溶接されているスペーサ5であるため、レーザ溶接の際、隣接するステータ組20のA相の外ステータコア21に穴があいてコイル24が損傷あるいは断線するなどの不具合も発生しない。それ故、ステータ組20同士の固定強度を向上することができるとともに、ステッピングモータ100の歩留まりを向上することができる。
このようにしてステータ2を組み立てた後、ステータ2を挟むように第1カバー部材91と第2カバー部材92とを配置し、締結部材99によって第1カバー部材91と第2カバー部材92とを連結し、カバー9を構成する。次に、カバー9にフランジ50を固定する。
次に、軸受57、59や軸受ホルダ56、58などを介してロータ3をステータ2内に回転可能に配置する。その際、回転軸31の反出力側L2の端部にエンコーダ8を構成するためのエンコーダ用マグネット81を取り付けておく。その後に、カバー9にエンコーダケース80を取り付ける。その際、MRセンサ82、駆動用IC79、電子部品78およびコネクタ77が実装されたセンサ基板85をエンコーダケース80の内側に装着しておく。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のステッピングモータ100では、ステータ組20を複数、モータ軸線L方向に配列し、複数のステータ組20の間において極歯215、225、265、275の角度位置を同一にしてあるため、ステッピングモータ100の特長である高い送り精度を確保したまま、大きなトルクを得ることができる。また、複数のステータ組20をモータ軸線L方向に配列した構成であるため、ステッピングモータ100の外径寸法は小さいままである。
また、本形態では、ステータ組20は、ステータコアおよびコイルとして、A相のステータコア(外ステータコア21および内ステータコア22)およびコイル24と、B相のステータコア(外ステータコア26および内ステータコア27)およびコイル29を備え、複数のステータ組20の間においてA相の極歯215、225同士の角度位置が同一で、B相の極歯265、275同士の角度位置が同一である。かかる2相構造を採用すれば、単相構造と違って、送り動作の際の振動などを低く抑えることができる。
また、複数のステータ組20の間において、ステータコア(外ステータコア21、26および内ステータコア22、27)およびコイル24、29は同一構成である。従って、部品の共通化を図ることができるので、ステッピングモータ100の低コスト化を図ることができる。
また、本形態では、カバー9は、ステータ2の外周形状に対応する形状に曲がった内周面93を備えた金属製の第1カバー部材91および第2カバー部材92(放熱部材)を備え、かかる第1カバー部材91および第2カバー部材92の内周面93は、ステータ2の外周部200に広い接触面積をもって直接、接している。しかも、第1カバー部材91および第2カバー部材92は、内周面93よりも面積が広い外周面94を備えている。このため、第1カバー部材91および第2カバー部材92は、優れた放熱性を有している。従って、ステータ2で発生した熱を第1カバー部材91および第2カバー部材92を介して効率よく放熱することができる。それ故、ステータ2の温度上昇を低く抑えることができ、コイル24、29(ステータコイル)の焼損などといった不具合の発生を防止することができる。
特に、本形態のステッピングモータ100では、ステータ組20が複数、設けられているため、ステータ2での発熱が大きいが、ステータ2で発生した熱を第1カバー部材91および第2カバー部材92を介して効率よく放熱することができる。また、ステータ2は、複数のステータ組20からなるが、第1カバー部材91と第2カバー部材92は、複数のステータ組20を間に挟んで連結された状態にある。このため、ステータ2は、第1カバー部材91と第2カバー部材92とによって補強された状態にあるので、ステータ組20同士の連結部が外れることがない。
また、本形態では、ステータ2は円筒状であるため、第1カバー部材91および第2カバー部材92の内周面93は円弧状凹湾曲面であるが、外周面94は角形形状である。このため、第1カバー部材91および第2カバー部材92では、内周面93より外周面94の方が面積が広い構成となるので、放熱性能を向上することができる。また、ステータ2が円筒状であっても、第1カバー部材91および第2カバー部材92の外周面94が角形形状である。このため、第1カバー部材91および第2カバー部材92の外周面94を利用してステッピングモータ100をモータ機器に取り付けることができるので、モータ機器へのモータの取り付けが容易であるなどの利点がある。
また、第1カバー部材91および第2カバー部材92はアルミニウム製である。かかるアルミニウム製の第1カバー部材91および第2カバー部材92であれば、熱伝導率が高いので放熱効果が高く、かつ、安価である。
さらに、本形態のステッピングモータ100では、回転軸31に対してエンコーダ8が構成されているため、回転軸31の角度位置をエンコーダ8で検出し、その結果をフィードバックすることができる。従って、ステッピングモータ100での脱調の発生を防止することができる。
また、エンコーダ8を構成するにあたって、回転軸31においてステータ2の端部から軸線方向で突出した部分であってロータマグネット32の端部に軸線方向で離間する部分にエンコーダ用マグネット81を配置し、かかるエンコーダ用マグネット81に対してはステータ2から離間した位置にMRセンサ82を設けてある。しかも、エンコーダ用マグネット81は、回転軸31において軸受59や軸受ホルダ58よりもさらに反出力側の軸端側に保持され、MRセンサ82は、エンコーダ用マグネット81に対して回転軸31の軸線方向においてステータ2が位置する側とは反対側でエンコーダ用マグネット81に対向している。このため、MRセンサ82をステータ2から十分離間させることができるので、ステータ2に給電した際にステータ2が発熱しても、かかる熱はMRセンサ82に伝わりにくい。特に、本形態のステッピングモータ100では、ステータ組20が複数、設けられているため、ステータ2での発熱が大きいが、ステータ2が発熱しても、かかる熱はMRセンサ82に伝わりにくい。それ故、MRセンサ82が高温になることを抑制することができるので、MRセンサ82の温度に起因する誤検出を防止することができるとともに、MRセンサ82の長寿命化を図ることができる。
また、エンコーダケース80の筒部801には、エンコーダケース80の内部においてMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間と外部との間で空気を流出入させる貫通穴801aが形成されている。また、センサ基板85には、エンコーダケース80の内部においてMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間と外部との間で空気を流出入させる貫通穴85eが形成されている。さらに、センサ基板85の外周端部851とエンコーダケース80の筒部801の内周面802との間には小径部853よって隙間Gaが形成されており、かかる隙間Gaは、エンコーダケース80の内部においてMRセンサ82およびエンコーダ用マグネット81が収容されている空間と外部との間で空気を流出入させる。従って、エンコーダケース80の内側にMRセンサ82を設けた場合でもMRセンサ82からの放熱を行なうことができるため、MRセンサ82の温度上昇を抑えることができる。それ故、MRセンサ82が高温になることを抑制することができるので、MRセンサ82の温度に起因する誤検出を防止することができるとともに、MRセンサ82の長寿命化を図ることができる。
また、センサ基板85と筒部801の内周面802との隙間Gaは、エンコーダケース80からセンサ基板85への熱伝達を抑える。このため、ステータ2の熱がエンコーダケース80およびセンサ基板85を介してMRセンサ82に伝わるのを抑制する。それ故、MRセンサ82が高温になることを抑制することができるので、MRセンサ82の温度に起因する誤検出を防止することができるとともに、MRセンサ82の長寿命化を図ることができる。
さらに、複数のステータ組20を用いた場合、コイル24同士およびコイル29同士を並列に接続すると、コイル24、29に流れる電流にアンバランスが発生するおそれがあるが、本形態では、コイル24同士およびコイル29同士を直列に接続しているため、各ステータ組20においてコイル24、29に流れる電流を同等とすることができる。また、本形態では、複数のステータ組20の間において、端子246、296の位置が同一の角度位置にあるため、端子246、296への電気的な接続が容易である。また、ステータ組20を同一の角度位置に配置する際、端子246、296あるいは端子台231、281を基準にステータ組20の角度位置を合わせることができる。しかも、端子246、296の位置が同一の角度位置にあるため、全ての端子246、296を共通の基板7に接続することができるので、端子246、296への電気的な接続が容易である。また、基板7として剛性基板を用いたため、フレキシブル基板を用いた場合と違って、端子246、296と基板7との固定により、ステータ組20の位置ずれを防止することができるという利点がある。
本形態において、ロータマグネット32では、同一の磁極がモータ軸線L方向の全体にわたって連続して形成されているため、ロータマグネット32においてステータ2と対向する領域全体が着磁されていることになる。このため、磁気効率が高いので、大きなトルクを得るのに有利である。
また、ロータマグネット32はモータ軸線L方向に配列された複数のマグネット片320からなるため、マグネット片320の数などを変更するだけでロータマグネット32の全長を調整することができる。従って、準備しておくロータマグネット32用の部品の種類を減らすことができるので、ステッピングモータ100のコストを低減することができる。しかも、複数のマグネット片320は、隣接するマグネット片320同士が当接するように配置されているため、ステータ2と対向する部分の全てが着磁されている構成を容易に実現することができる。
さらに、ステータ2の外周側はカバー9により覆われ、カバー9とステータ2との間には樹脂6が充填され、かかる樹脂6はコイル24、29まで届いている。このため、コイル24、29で発生した熱を、樹脂6を介してカバー9に伝達することができるので、放熱性が高い。従って、複数のステータ組20を用いた場合でも、ステッピングモータ100の温度上昇を低く抑えることができるので、ステッピングモータ100の信頼性を向上することができる。
(放熱部材の効果の確認結果)
図9(a)、(b)は、図1に示すステッピングモータでの各部分の温度変化を示すグラフ、および参考例に係るステッピングモータでの各部分の温度変化を示すグラフである。図9(b)に温度変化を示す参考例とは、図1、図3および図4を参照して説明した第1カバー部材91および第2カバー部材92に代えて、断面コの字形状の板状カバー部材を用い、板状カバー部材の内周面が、円筒状のステータ2の外周形状と全く相違する構成としたステッピングモータである。参考例に係るステッピングモータの他の構成は、図1〜図8を参照して説明した構成と同一にしてある。
また、図9(a)、(b)に示す評価結果は、ステータ2に通電を開始した以降の各位置の温度変化を示すものであり、グラフの各線は、以下の位置
図9(a)
実線L10:評価中の室温
実線L11:コイル24、29の表面温度
一点鎖線L12:カバー9の表面温度
実線L13:エンコーダ8の温度
一点鎖線L14:出力側の軸受96の温度
点線L15:反出力側の軸受57の温度
図9(b)
実線L20:評価中の室温
実線L21:コイルの表面温度
一点鎖線L22:モータの表面温度
実線L23:エンコーダ8の温度
一点鎖線L24:出力側の軸受96の温度
点線L25:反出力側の軸受57の温度
の温度変化を示している。
図9(a)と図9(b)を比較すると分るように、本発明を適用しステッピングモータ100では、コイル24、29の表面温度、カバー9の表面温度、エンコーダ8の温度、出力側の軸受96の温度、反出力側の軸受57の温度のいずれにおいても、参考例に比して約10℃低いという結果が得られている。
(放熱部材の改良例)
図10は、本発明を適用したステッピングモータに用いた放熱部材の改良例を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図10に示すように、本形態のステッピングモータ100に用いた放熱部材(第1カバー部材91および第2カバー部材92)には、放熱板部95に複数の切り欠き95aが形成されている。このため、切り欠き95aで挟まれた部分に放熱フィン95bが形成されている。このように構成すると、第1カバー部材91および第2カバー部材92の放熱性をより向上することができるという利点がある。
(別の放熱部材)
図11は、本発明を適用したステッピングモータに用いた別の放熱部材を示す説明図である。なお、本形態の基本的な構成は、上記実施の形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、それらの説明を省略する。
図11に示すように、本形態で用いた放熱部材98は、アルミニウムなどの金属製の板状部材であり、放熱部材98の下端側は、ステータ2の外周形状に対応して円弧状に曲がっている。このため、放熱部材98の内周面98aは、ステータ2の外周部200の曲率と略同一の曲率で曲がった円弧状凹湾曲面になっている。また、放熱部材98の上端部は、外面側に張り出した肉厚の放熱板部98cになっており、放熱部材98の外周面98bは、内周面98aより面積が広い。
かかる放熱部材98は、円弧状に湾曲する内周面98aがステータ2の外周部200に直接、接するように用いられる。このため、ステータ2と放熱部材98との接触面積が広いので、ステータ2で発生した熱を放熱部材98を介して効率よく放熱することができる。それ故、ステータ2の温度上昇を低く抑えることができ、コイル24、29(ステータコイル)の焼損などといった不具合の発生を防止することができる。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、ステータ組20が5個であったが、ステータ組20の数については、2〜4個、あるいは6個以上であってもよい。また、ステータ組20が1個のステッピングモータ100や、ステッピングモータ以外のモータに本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、放熱部材(第1カバー部材91および第2カバー部材92)の内周面93、および放熱部材98の内周面98aがステータ2の外周部200に直接、接している構成を採用したが、放熱部材(第1カバー部材91および第2カバー部材92)の内周面93、および放熱部材98の内周面98aと、ステータ2の外周部200との間に金属製の放熱シートや、金属やカーボンの粉を樹脂中に分散してなる放熱シートが介在している構成を採用してもよい。かかる構成の場合、放熱部材(第1カバー部材91および第2カバー部材92)の内周面93、および放熱部材98の内周面98aが放熱シートを介してステータ2の外周部200に接することになるが、放熱部材とステータ2の外周部200との間に介在するのは放熱シートであるため、ステータ2で発生した熱を放熱部材98を介して効率よく放熱することができる。
2 ステータ
3 ロータ
5 スペーサ
6 樹脂
7 基板
8 エンコーダ
9 カバー
20 ステータ組
21 A相の外ステータコア
22 A相の内ステータコア
24 A相のコイル
26 B相の外ステータコア
27 B相の内ステータコア
29 B相のコイル
31 回転軸
32 ロータマグネット
80 エンコーダケース
81 エンコーダ用マグネット
82 MRセンサ(磁気センサ)
85 センサ基板
85e センサ基板の貫通穴
91 第1カバー部材(放熱部材)
92 第2カバー部材(放熱部材)
93、98a 放熱部材の内周面
98 放熱部材
100 ステッピングモータ
200 ステータの外周部
215、225 A相の極歯
265、275 B相の極歯
320 マグネット片
L モータ軸線

Claims (9)

  1. 回転軸にロータマグネットが保持されたロータと、前記ロータマグネットに対向する筒状のステータと、を有するモータにおいて、
    前記ステータの外周形状に対応する形状に曲がった内周面を備えた放熱部材を有し、
    当該放熱部材の内周面は、前記ステータの外周部に直接あるいは放熱シートを介して接していることを特徴とするモータ。
  2. 前記ステータは、1本の前記回転軸に対して当該回転軸の軸線方向に沿って複数配列された単相あるいは複相のステータ組を備えていることを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 前記放熱部材を複数、備え、
    当該複数の放熱部材は、複数の前記ステータ組を間に挟んで連結されていることを特徴とする請求項2に記載のモータ。
  4. 前記放熱部材は、前記内周面よりも面積が広い外周面を備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のモータ。
  5. 前記ステータは円筒状であり、
    前記放熱部材は、前記内周面が円弧状凹湾曲面であって、前記外周面が角形形状であることを特徴とする請求項4に記載のモータ。
  6. 前記ステータの外周を覆うカバーを備え、
    前記放熱部材は、前記カバーを構成するカバー部材として用いられていることを特徴とする請求項4または5に記載のモータ。
  7. 前記ステータの外周面には、該ステータに給電を行うための基板が設けられ、
    前記基板は、前記放熱部材から露出した状態にあることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のモータ。
  8. 前記放熱部材は、アルミニウム製であることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のモータ。
  9. 前記ロータおよび前記ステータは、ステッピングモータ用であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のモータ。
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