JP2011077368A - 表面実装型固体電解コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

表面実装型固体電解コンデンサ及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面実装型固体電解コンデンサに関し、その低背化を図ることにある。
【解決手段】配線部材(プリント回路基板64)に表面実装される表面実装型固体電解コンデンサ(電解コンデンサ2、2A〜2H)であって、コンデンサ素子(4)が収納された外装ケース(8)と、前記コンデンサ素子の端子リード(12、14)を貫通させて引き出す端子貫通孔(20、22)とともに樹脂注入孔(25)を備え、前記外装ケースの開口部を閉じる絶縁板(6)と、前記樹脂注入孔から注入されて、前記外装ケースと前記絶縁板とを封止する樹脂(10)とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント基板等の配線板に表面実装される表面実装型固体電解コンデンサに関し、例えば、金属製外装ケースを封止する絶縁板に表面実装用リード部を配した表面実装型固体電解コンデンサ及びその製造方法に関する。
近年の各種電子部品の表面実装化は、電子機器の小型化やプリント基板に対する実装効率等の要請によるものである。斯かる要請は、電解コンデンサに対しても例外ではなく、電解コンデンサにあっては、背丈を低くする低背化が強く求められている。また、高速化や多機能化等の電子機器の多様化は、電解コンデンサに求められる特性にも影響を与えている。
表面実装が可能な電解コンデンサには縦置き型電解コンデンサが知られている。縦置き型では、封口部材に弾性ゴムを使用して外装ケースを封口するとともに絶縁板が備えられている。この絶縁板には封口部材から引き出された複数のリード線が挿通され、各リード線を折曲して絶縁板側にある収納溝に収納し、これらを接続電極とするものが知られている(例えば、特許文献1)。縦置き型と称される所以は、外装ケースに絶縁板を配することによって縦方向に自立可能であり、以て表面実装が可能であることにある。
ところで、固体電解質を用いた電解コンデンサでは、固体電解質に二酸化マンガン等の金属酸化物半導体が用いられてきたが、これ以外に有機導電性化合物として、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の有機半導体、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はこれらの誘導体等の導電性高分子が実用化されている。有機導電性化合物は、二酸化マンガン等の金属酸化物半導体に比較して電導度が高く、電解コンデンサのESR(Equivalent Series Resistance: 等価直列抵抗)特性の低減をもたらす。更に、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はこれらの誘導体等も、電解質がポリマー化しているので、耐熱性に優れており、表面実装型の電解コンデンサに適している。
また、液体電解質を用いた電解コンデンサでは、外装ケースの封口に封口ゴムが使用されてきた。コンデンサ素子に含浸した電解液の蒸散阻止には、外装ケースを封口ゴムで封止することが最適であるとされてきたが、固体電解コンデンサでは、電解液の蒸散阻止は不要である。
外装封止に封口ゴムを用いない電解コンデンサとして、アルミケースにアルミ蓋を溶接するもの(例えば、特許文献2、3)、モールドして封止するもの(例えば、特許文献4)、樹脂ケースを用いるもの(例えば、特許文献5)等が知られている。
特開昭59−211214号公報 特開平09−289138号公報 特開平11−145000号公報 特開2003−272962号公報 特開2009−135249号公報
ところで、外装ケースから封口ゴムを除くことは部品点数の削減や低背化に寄与するが、アルミケースにアルミ蓋を溶接すること(特許文献2、3)はその処理工程が複雑化し、外装ケースに代えてモールド処理するものでは(特許文献4)、外装樹脂の成形型やその処理が不可欠であって、設備の大型化やその設置費用が膨大化するという課題がある。また、樹脂ケースを用いるもの(特許文献5)では金属ケースに比べ肉厚となるため、電解コンデンサの小型化を妨げるという課題がある。また、従前の構造では低背化を図ることが困難であった。
そこで、本発明の表面実装型固体電解コンデンサ又はその製造方法の目的は、表面実装型固体電解コンデンサに関し、その低背化を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の側面は、配線部材に表面実装される表面実装型固体電解コンデンサであって、外装ケースと、絶縁板と、樹脂とを備える。前記外装ケースはコンデンサ素子を収納する。前記絶縁板は、前記コンデンサ素子の端子リードを貫通させて引き出す端子貫通孔とともに樹脂注入孔を備え、前記外装ケースの開口部を閉じる。前記樹脂は、前記樹脂注入孔から注入されて、前記外装ケースと前記絶縁板とを封止する。
上記課題を解決するため、本発明の第2の側面は、配線基板に表面実装される表面実装型固体電解コンデンサの製造方法であって、コンデンサ素子の収納工程と、絶縁板による外装ケースの閉止工程と、封止工程とを含む。前記収納工程では、外装ケースにコンデンサ素子を収納する。前記閉止工程では、前記コンデンサ素子の端子リードを貫通させて引き出す端子貫通孔とともに樹脂注入孔を備える絶縁板で前記外装ケースの開口部を閉じる。前記封止工程では、前記樹脂注入孔から液状樹脂を注入し、前記外装ケースと前記絶縁板とを封止する。
本発明の表面実装型固体電解コンデンサ又はその製造方法によれば、次のような効果が得られる。
(1) コンデンサ素子を封入する外装ケースの封口構造を簡略化でき、表面実装型固体電解コンデンサの低背化を図ることができる。
(2) 外装ケースと該外装ケースを封口する絶縁板とを封止樹脂モールドの型として利用するので、外装ケース及び絶縁板の封止を容易化でき、表面実装型固体電解コンデンサの製造を容易化できる。
(3) 外装ケースに金属ケースを用いることができ、樹脂ケースに比較してケース厚を薄くでき、表面実装型固体電解コンデンサの小型化を図ることができる。
そして、本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付図面及び各実施の形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
第1の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサを示す断面図である。 表面実装型固体電解コンデンサを示す分解斜視図である。 実装面側から見た表面実装型固体電解コンデンサを示す図である。 図3に示す表面実装型固体電解コンデンサのIV−IV線断面図である。 表面実装型固体電解コンデンサの製造工程の一例を示す図である。 第2の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサを示す断面図である。 実装面側から見た表面実装型固体電解コンデンサを示す図である。 図7に示す表面実装型固体電解コンデンサのVIII−VIII線断面図である。 第3の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサを示す断面図である。 第3の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサの変形例を示す断面図である。 第4の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサの一部を示す断面図である。 第4の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサの変形例を示す断面図である。 第4の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサの他の変形例を示す断面図である。 第5の実施の形態に係る表面実装型固体電解コンデンサを示す断面図である。 外装ケース及び絶縁板を示す斜視図である。 第6の実施の形態に係る電子機器を示す図である。 樹脂注入孔の他の実施の形態を示す図である。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態は、コンデンサ素子が収納された外装ケースに金属製ケースを使用し、その開口部に絶縁板を設置し、該絶縁板にある樹脂注入孔から注入した封止樹脂を外装ケースに充填し、外装ケース及び絶縁板を封止樹脂で封止した表面実装型固体電解コンデンサ(以下単に「電解コンデンサ」と称する。)及びその製造方法である。
この第1の実施の形態について、図1、図2、図3及び図4を参照する。図1は、第1の実施の形態に係る電解コンデンサの一例を示す断面図、図2は、電解コンデンサの分解斜視図、図3は、実装面側から見た電解コンデンサを示す図、図4は、図3のIV−IV線断面図である。
この電解コンデンサ2Aは、本発明の表面実装型固体電解コンデンサの一例であって、図1に示すように、コンデンサ素子4と、絶縁板6と、外装ケース8と、封止樹脂10と、端子リード12、14とを備えている。
コンデンサ素子4は例えば、帯状の陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介挿して円筒形に巻回した巻回素子であって、その内部には固体電解質が含浸された固体電解コンデンサ素子である。このコンデンサ素子4の陽極箔には陽極側リード部16、陰極箔には陰極側リード部18が接続されている。
絶縁板6は、外装ケース8を封口する封口手段の一例であって、この絶縁板6には陽極側リード部16及び陰極側リード部18を貫通させる貫通孔20、22と、外装ケース8の開口縁部が挿入される溝部24と、外装ケース8内に封止樹脂10を注入するための樹脂注入孔25と、空気排出孔26(図2)とを備えている。貫通孔20、22は端子リード12、14の形状に対応する形状の内形状を備え、陽極側リード部16及び陰極側リード部18に対応する径大部分と、表面実装用端子部28、30に対応する径小部分とを備えている。これら貫通孔20、22には端子リード12、14を貫通させ、コンデンサ素子4が取り付けられている。
外装ケース8は、アルミニウム等の金属で形成された金属ケースであって、絶縁板6との対向面側を天井面又は底面として閉じられた有底筒状のケースである。この外装ケース8にはコンデンサ素子4が入れられ、外装ケース8の開口縁部が絶縁板6の溝部24に挿入されている。
封止樹脂10は、外装ケース8の充填前には液状であるが、外装ケース8に充填後、固化する樹脂であって、外装ケース8と絶縁板6とを密着させるとともに、外装ケース8及び絶縁板6を封止する手段である。外装ケース8内には封止樹脂10が隙間なく充填され、絶縁板6の樹脂注入孔25も封止樹脂10で満たされている。
端子リード12は陽極側端子であって、陽極側リード部16と表面実装用端子部28とを備え、これらを溶接等により接続されて一体化したものである。陽極側リード部16は、コンデンサ素子4の陽極箔から引き出され、例えば、円柱状である。表面実装用端子部28は、実装面側を平坦化し、断面を矩形形状にしたものである。
また、端子リード14は陰極側端子であって、陰極側リード部18と表面実装用端子部30とを備え、端子リード12と同様に、これらを溶接等により接続されて一体化したものである。陰極側リード部18は、コンデンサ素子4の陰極箔から引き出され、例えば、円柱状である。表面実装用端子部30は、実装面側を平坦化し、断面を矩形形状にしたものである。
そして、各表面実装用端子部28、30は、絶縁板6に形成されたガイド溝32、34に沿って相反方向に折り曲げられて絶縁板6のガイド溝32、34に配置されている。
次に、絶縁板6の樹脂注入孔25及び空気排出孔26について、図3を参照する。この絶縁板6において、貫通孔20、22及び中心Oを結ぶ中心線L1を想定する。この中心線L1に直交する中心線L2上に樹脂注入孔25と、空気排出孔26とが形成され、これら樹脂注入孔25及び空気排出孔26は同一の貫通孔である。このため、何れが樹脂注入、何れが空気排出に用いられてもよい。これら樹脂注入孔25及び空気排出孔26は、中心線L2上の中心Oから等距離に形成されている。従って、貫通孔20、22と樹脂注入孔25及び空気排出孔26とは互いに直交する位置に形成され、しかも、中心Oから離間しているので、絶縁板6の強度を低下させることはない。
封止樹脂10が樹脂注入孔25から注入されると、外装ケース8内の空気が空気排出孔26から排出される。そこで、封止樹脂10は図1及び図4に示すように、外装ケース8とコンデンサ素子4との間にある空間部、コンデンサ素子4と絶縁板6との間にある空間部、樹脂注入孔25及び空気排出孔26に隙間なく充填されている。
この第1の実施の形態について、特徴事項、利点又は変形例等を以下に列挙する。
(1) 既述の電解コンデンサ2Aでは、電子機器の小型化、プリント基板への表面実装の効率化等の要請に対応できる。即ち、電解コンデンサの表面実装の容易化とともに低背化を図ることができる。
(2) 既述の電解コンデンサ2Aでは、絶縁板6、外装ケース8及び封止樹脂10を用いて封止構造を実現でき、自立化とともに、低背化及び小型化を実現できる。封口部材に封口ゴムと絶縁板とを併用した従来の電解コンデンサに比較し、封口ゴムの削減等、部品点数の削減できる。
(3) コンデンサ素子4は固体電解コンデンサ素子で構成され、その固体電解質に、二酸化マンガン等の金属酸化物半導体の他、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)等の有機半導体、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はそれらの誘導体等の導電性高分子を利用でき、更には、有機導電性化合物を使用するので、ESR特性が改善された電解コンデンサ2Aを実現できる。さらに、固体電解質にポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン又はそれらの誘導体等を用いれば、これらはポリマー化しているので、耐熱性に優れ、表面実装化の最適化を図ることができる。
(4) このような固体電解質を用いれば、電解液を用いた電解コンデンサでは電解液の蒸散防止のために不可欠であった封口ゴムが不要であり、電解コンデンサ2Aでは、封止構造が簡略化されている。
(5) 電解コンデンサの低背化とともに、外装ケース8に金属ケースを用いれば、従来の樹脂ケースよりもケース厚を薄くでき、軽量、小型化を図ることができる。
(6) 絶縁板6及び外装ケース8で閉じ込められた空間が封止樹脂モールドの型として利用でき、電解コンデンサの構造の簡略化とともに、製造の容易化が図られる。
次に、この電解コンデンサの製造について、図5を参照する。図5は電解コンデンサの製造工程を示す図である。
この製造工程は、本発明の固体電解コンデンサの製造方法の一例であって、この製造工程には、絶縁板6へのコンデンサ素子4の取付工程(ステップS1)、外装ケース8の取付工程(ステップS2)、封止樹脂10の注入工程(ステップS3)、端子リード12、14の成形工程(ステップS4)が含まれる。
この製造工程には、図示しないが、コンデンサ素子4の形成工程や絶縁板6の成形工程が含まれる。コンデンサ素子4の形成工程では、陽極箔と陰極箔との間にセパレータを介在させて巻回してコンデンサ素子4が形成される。また、この形成工程には、コンデンサ素子4の陽極箔に端子リード12、陰極箔に端子リード14を接続する接続工程が含まれる。外装ケース8は例えば、アルミニウムの成形によって形成され、絶縁板6は絶縁性合成樹脂の成形によって既述の形状に形成される。
そこで、絶縁板6へのコンデンサ素子4の取付工程(ステップS1)では、図5の(A)に示すように、絶縁板6の貫通孔20、22にコンデンサ素子4の端子リード12、14を貫通し、陽極側リード部16、陰極側リード部18を固定する。これにより、コンデンサ素子4に絶縁板6を固定し、両者を合体させる。
外装ケース8の取付工程(ステップS2)では、図5の(B)に示すように、コンデンサ素子4を合体させた絶縁板6の溝部24に外装ケース8の開口縁部を挿入し、コンデンサ素子4に外装ケース8を被せる。即ち、絶縁板6と外装ケース8とを結合させる。
封止樹脂10の注入工程(ステップS3)では、図5の(C)に示すように、絶縁板6と外装ケース8とからなる空間部をモールド型に準え、樹脂注入ノズル36から供給される液状の封止樹脂10を絶縁板6の樹脂注入孔25から外装ケース8に注入する。この樹脂注入により、外装ケース8内の空気は注入された封止樹脂10に応じて空気排出孔26から外気に放出される。この空気排出により、封止樹脂10が外装ケース8の内部に充填されるとともに、樹脂注入孔25及び空気排出孔26にも充填される。
端子リード12、14の成形工程(ステップS4)では、図5の(D)に示すように、封止樹脂10の硬化の後、端子リード12、14の表面実装用端子部28、30がガイド溝32、34に沿って折り曲げられ、ガイド溝32、34に配置される。
このような製造方法によれば、外装ケース8及び絶縁板6で閉塞された空間部がモールド型として機能する。液状の封止樹脂10が外装ケース8の内部、樹脂注入孔25及び空気排出孔26に注入されて硬化すると、外装ケース8の内面、絶縁板6のケース内面側、樹脂注入孔25及び空気排出孔26に固着する。この結果、封止樹脂10は、コンデンサ素子4をモールドするとともに、外装ケース8と絶縁板6とを固定し、樹脂注入孔25及び空気排出孔26を閉塞し、外装ケース8及び絶縁板6が封止樹脂10で封止される。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、外装ケースに充填された封止樹脂と絶縁板との固定強度を高めた表面実装型固体電解コンデンサ及びその製造方法である。
この第2の実施の形態について、図6、図7及び図8を参照する。図6は、第2の実施の形態に係る電解コンデンサを示す断面図、図7は、実装側から見た電解コンデンサを示す図、図8は図7のVIII−VIII線断面図である。
この電解コンデンサ2Bでは、絶縁板6の樹脂注入孔25及び空気排出孔26が外面側を拡開した同一のテーパ孔で形成されている。即ち、何れを樹脂注入孔25、空気排出孔26に用いてもよい。
このようなテーパ孔からなる樹脂注入孔25及び空気排出孔26を用いれば、外装ケース8内に注入された封止樹脂10が固化すると、絶縁板6と一体化されるとともに、外側に拡開する樹脂注入孔25、空気排出孔26内で硬化した封止樹脂10により、アンカー効果が得られる。このアンカー効果は、封止樹脂10が硬化すると、絶縁板6からの抜け止めとして機能し、絶縁板6と外装ケース8との固定強度を高める機能が得られることである。
このような封止構造を用いれば、電解コンデンサ2Bの封止強度を高め、電気的特性の劣化の抑制により、信頼性の高い電解コンデンサを実現することができる。
このような効果に加え、この電解コンデンサ2Bによれば、第1の実施の形態と同様の効果や利点がある。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、外装ケースに充填された封止樹脂と外装ケース及び絶縁板との固定強度を高めた表面実装型固体電解コンデンサ及びその製造方法である。
この第3の実施の形態について、図9及び図10を参照する。図9は、第3の実施の形態に係る電解コンデンサを示す断面図、図10は、その変形例を示す図である。
この電解コンデンサ2Cでは、既述の電解コンデンサ2B(図8)と同様の絶縁板6を用いるとともに、外装ケース8の内壁部(側面部)に加締め処理によって周回状の突部38が形成され、部分的に径小化されている。このような外装ケース8によれば、注入した封止樹脂10に突部38が食い込み、封止樹脂10と突部38との密着強度が高められるとともに、封止樹脂10の抜止め、即ち、既述のアンカー効果が得られる。
また、この実施の形態では、既述の電解コンデンサ2B(図8)と同様に、樹脂注入孔25や空気排出孔26がテーパ孔であることから、封止樹脂10に対するアンカー効果が得られる。この結果、この電解コンデンサ2Cでは、絶縁板6及び外装ケース8の双方による封止樹脂10に対するアンカー効果により、封止樹脂10と絶縁板及び外装ケース8との固定強度が高められる。
このような封止構造を用いれば、電解コンデンサ2Cの封止強度を高め、電気的特性の劣化の抑制により、信頼性の高い電解コンデンサを実現することができる。
斯かる効果に加え、この電解コンデンサ2Cによれば、第1の実施の形態と同様の効果や利点がある。
また、図9に示す実施の形態では、突部38を周回状に形成したが、全周的に形成する必要はない。電解コンデンサ2Dでは、図10に示すように、外装ケース8の内壁部(側面部)に単一又は複数の突部41、42、43を形成してもよく、斯かる構成とすれば、外装ケース8と封止樹脂10との固定強度を高め、既述の通りのアンカー効果が得られる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、外装ケースに充填された封止樹脂と端子との固定強度を高めた表面実装型固体電解コンデンサ及びその製造方法である。
この第4の実施の形態について、図11、図12及び図13を参照する。図11は、第4の実施の形態に係る電解コンデンサを示す断面図、図12及び図13は、その変形例を示す図である。
この電解コンデンサ2Eでは、図11に示すように、貫通孔22の内壁部に貫通する端子リード14に向かって突出する周回状の突部50を形成し、この突部50を陰極側リード部18の外面部に密着させるようにしたものである。このような突部50を貫通孔22に形成すれば、封止樹脂10が貫通孔22側に回り込んでも、突部50が樹脂止めとして機能するので、積極的に貫通孔22内に封止樹脂10を注入させることができる。斯かる構成とすれば、貫通孔22の内壁部と端子リード14の陰極側リード部18との固定強度を高めることができるとともに、注入した封止樹脂10が表面実装用端子部30側に這い上がる即ち、滲み出すのを防止できる。
図11では、貫通孔22及び端子リード14側について説明したが、貫通孔20及び端子リード12側についても、同様に構成することができる。
また、電解コンデンサ2Fでは、既述の貫通孔22の内壁に形成した突部50に代え、図12に示すように、貫通させる端子リード14の陰極側リード部18の周面に周回状の突部52を形成し、この突部52を貫通孔22の内壁部に密着させるようにしたものである。このように構成すれば、封止樹脂10が貫通孔22側に回り込んでも、突部52が樹脂止めとして機能するので、積極的に貫通孔22内に封止樹脂10を注入させることができる。斯かる構成としても、同様の効果が得られる。
図12では、貫通孔22及び端子リード14側について説明したが、貫通孔20及び端子リード12側についても、同様に構成することができる。
また、図13に示すように、電解コンデンサ2Gでは、既述の突部50(図11)に代え、端子リード14の突部52に対応する傾斜段部を備える突部54を形成し、貫通孔22を径小化してもよい。このような構成とすれば、封止樹脂10が貫通孔22側に回り込んでも、端子リード14側の突部52及び貫通孔22側の突部54が樹脂止めとして機能するので、積極的に貫通孔22内に封止樹脂10を注入させることができる。斯かる構成としても、同様の効果が得られる。また、端子リード14の抜止め効果を向上させることができる。
図13では、貫通孔22及び端子リード14側について説明したが、貫通孔20及び端子リード12側についても、同様に構成することができる。
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態は、コンデンサ素子が収納された外装ケースに絶縁板を挿入して封止樹脂を外装ケースに充填した電解コンデンサ及びその製造方法である。
この第5の実施の形態について、図14及び図15を参照する。図14は、第5の実施の形態に係る電解コンデンサを示す断面図、図15は、外装ケース及び絶縁板を示す斜視図である。
この電解コンデンサ2Hでは、絶縁板6の溝部24に外装ケース8の開口縁部を挿入する既述の実施の形態(図1〜図13)に代え、図14に示すように、外装ケース8の開口部に絶縁板60の挿入部56を挿入し、フランジ部58を外装ケース8の開口縁部に当接させた構成である。
この場合、図15に示すように、絶縁板60の中央部に外装ケース8の開口部に挿入可能な円柱状の挿入部56が形成され、この挿入部56の周囲部にフランジ部58が形成されている。挿入部56には、既述の貫通孔20、22、樹脂注入孔25及び空気排出孔26が形成され、これらの機能は既述の実施の形態と同様である。
このような絶縁板60を使用した電解コンデンサ2Hでは、絶縁板60の挿入部56が外装ケース8に挿入され、注入された封止樹脂10と一体化して絶縁板60が固定されるので、既述の実施の形態と同様の効果が得られる。
〔第6の実施の形態〕
第6の実施の形態は既述の表面実装型固体電解コンデンサを用いた電子機器である。
この第6の実施の形態について、図16を参照する。図16は、第6の実施の形態に係る電子機器を示す図である。
この電子機器62は、既述の電解コンデンサ2(2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G又は2H)を用いる機能回路を備える。この電子機器62では、図16に示すように、配線部材としてプリント回路基板64が用いられ、このプリント回路基板64には回路導体66やスルーホール68が形成され、回路導体66には電解コンデンサ2とともに、機能素子70が半田72によって接続されている。
このように既述の電解コンデンサ2は電子機器62等の各種の電子機器に利用でき、その低背化によって電子機器の小型化や軽量化に寄与することができる。
〔他の実施の形態〕
(1) 樹脂注入孔25について、図17の(A)に示すように、樹脂注入孔25の中途部分に内壁面から樹脂注入孔25の中心軸と交差方向に突出する突部74を形成し、この突部74内に封止樹脂10を侵入させ、樹脂注入孔25内の封止樹脂10と一体に硬化させてもよい。斯かる構成とすれば、樹脂注入孔25が円筒孔であっても、硬化した封止樹脂10による絶縁板6と外装ケース8とのアンカー効果が高められる。
(2) 樹脂注入孔25について、図17の(B)に示すように、絶縁板6の外面部に外面方向を径大に内面方向を径小にしたテーパ部25Aと、絶縁板6の内面部に内面方向を径大に外面方向を径小にしたテーパ部25Bと、これらテーパ部25A、25Bとの間の中途部分を同径の径小部25Cとを備え、樹脂注入孔25の中心軸と交差方向に樹脂注入孔25内に向かって絶縁板6から突出する突部76を形成してもよい。斯かる構成とすれば、樹脂注入孔25内で硬化した封止樹脂10は、径小部25Cを境にしてテーパ部25Aとテーパ部25Bに跨がって絶縁板6と一体化するので、硬化した封止樹脂10による絶縁板6と外装ケース8とのアンカー効果が高められる。
(3) 上記実施の形態では、絶縁板6に絶縁性合成樹脂で形成された樹脂板を用いているが、金属板を合成樹脂で覆った形態の絶縁板や、金属板をインサート成形した樹脂板を用いてもよい。
(4) 上記実施の形態では、端子リード12、14に極側リード部と表面実装用端子部とを連結して形成したものを例示したが、極側リード部のみで端子リードを構成してもよい。
(5) 上記実施の形態では、巻回型のコンデンサ素子4を例示したが、電極箔を巻回しない固体コンデンサ素子を用いてもよい。
(6) 上記実施の形態では、外装ケース8に金属ケースを用いることを例示したが、金属ケース以外の樹脂ケースを用いてもよい。
上記実施の形態から抽出される特徴事項を列挙すれば、次の通りである。これら特徴事項に本発明が限定されるものではない。
a)表面実装型固体電解コンデンサにおいて、前記絶縁板は、前記外装ケースの開口縁部が挿入される溝部を備え、該溝部に前記外装ケースの開口縁部を挿入させて保持している。
b) 表面実装型固体電解コンデンサにおいて、前記絶縁板は、前記外装ケースの開口部に挿入される挿入部を備え、該挿入部を前記外装ケースに挿入して保持させる。
c)表面実装型固体電解コンデンサにおいて、前記外装ケースは、前記コンデンサ素子側に突出する単一又は複数の突部を備える。
d) 表面実装型固体電解コンデンサにおいて、前記端子貫通孔の中途部分に突起が備えられ、該突起を前記端子リードに密着させている。
e) 表面実装型固体電解コンデンサにおいて、前記端子リードは、前記端子貫通孔の貫通部分に突起を備え、該突起が前記端子貫通孔の内壁に密着している。
f) 表面実装型固体電解コンデンサの製造方法において、前記絶縁板に前記に樹脂注入孔と別個に空気排出孔を備え、前記液状樹脂の注入の際、該空気排出孔から前記外装ケース内の空気を排出させる。
以上説明したように、表面実装型固体電解コンデンサ、その製造方法又は電子機器の実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
本発明の表面実装型固体電解コンデンサ、その製造方法又は電子機器は、絶縁板及び外装ケースをモールド型に用いて封止樹脂を注入し、この封止樹脂によって外装ケース及び絶縁板を封止したので、電解コンデンサの低背化、小型化、軽量化等を図ることができ、電気的特性の劣化防止等に寄与し、広く電子機器に利用でき、有用である。
2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H 電解コンデンサ
4 コンデンサ素子
6、60 絶縁板
8 外装ケース
10 封止樹脂
12、14 端子リード
24 溝部
56 挿入部
38、41、42、43 突部
50、52、54 突部

Claims (7)

  1. 配線部材に表面実装される表面実装型固体電解コンデンサであって、
    コンデンサ素子が収納された外装ケースと、
    前記コンデンサ素子の端子リードを貫通させて引き出す端子貫通孔とともに樹脂注入孔を備え、前記外装ケースの開口部を閉じる絶縁板と、
    前記樹脂注入孔から注入されて、前記外装ケースと前記絶縁板とを封止する樹脂と、
    を備えることを特徴とする、表面実装型固体電解コンデンサ。
  2. 前記樹脂は、前記樹脂注入孔に充填されていることを特徴とする、請求項1記載の表面実装型固体電解コンデンサ。
  3. 前記樹脂注入孔は、前記絶縁板の内面側の少なくとも一部を径小部、その外面側の少なくとも一部を径大部とし、前記樹脂が前記径小部よりも外面側まで充填されていることを特徴とする、請求項1記載の表面実装型固体電解コンデンサ。
  4. 前記外装ケースは、前記コンデンサ素子側に突出する単一又は複数の突部を備えることを特徴とする、請求項1記載の表面実装型固体電解コンデンサ。
  5. 前記端子貫通孔の中途部分に突起が備えられ、該突起を前記端子リードに密着させたことを特徴とする、請求項1記載の表面実装型固体電解コンデンサ。
  6. 配線基板に表面実装される表面実装型固体電解コンデンサの製造方法であって、
    外装ケースにコンデンサ素子を収納する工程と、
    前記コンデンサ素子の端子リードを貫通させて引き出す端子貫通孔とともに樹脂注入孔を備える絶縁板で前記外装ケースの開口部を閉じる工程と、
    前記樹脂注入孔から液状樹脂を注入し、前記外装ケースと前記絶縁板とを封止する工程と、
    を含むことを特徴とする、表面実装型固体電解コンデンサの製造方法。
  7. 前記絶縁板に前記に樹脂注入孔と別個に空気排出孔を備え、前記液状樹脂の注入の際、該空気排出孔から前記外装ケース内の空気を排出させることを特徴とする、請求項6記載の表面実装型固体電解コンデンサの製造方法。
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