JP2011077313A - 荷電粒子ビーム描画装置およびその描画データ作成方法 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画装置およびその描画データ作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】解像パターンの形状と描画データに含まれている図形の形状とをほぼ合致させつつ、描画所要時間を短くする。
【解決手段】第1成形アパーチャ10a1lおよび第2成形アパーチャ10a1mを透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bを、レジストが上面に塗布された試料Mに照射することにより、描画データに含まれる図形に対応するパターンを試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置10において、荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致しない形状を有する図形が描画データに含まれる場合に、分割後の図形の形状が荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致するように描画データに含まれる図形を近似的に分割し、描画およびレジストプロセスの実行後にレジストに形成される解像パターンの形状を予測し、採用される図形の近似的な分割手法を決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置およびその描画データ作成方法に関する。
従来から、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された例えばマスクなどのような試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置が知られている。この種の荷電粒子ビーム描画装置の例としては、例えば特許文献1(特開2008−288360号公報)の図1、段落〔0019〕などに記載されたものがある。
特許文献1に記載された荷電粒子ビーム描画装置では、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する任意角図形(特許文献1の図2、段落〔0021〕など参照)が描画データに含まれている場合に、分割後の図形(非任意角図形)の形状が、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、描画データに含まれている任意角図形が近似的に分割されて、複数の非任意角図形が作成される(特許文献1の図2、図3、段落〔0021〕、段落〔0022〕など参照)。
特開2008−288360号公報
ところで、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する図形(任意角図形)を近似的に分割して、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致する形状を有する複数の図形(非任意角図形)を作成する場合には、特許文献1の図2、図3、図10、図11などに記載されているように、多数通りの分割手法が存在する。特許文献1に記載された荷電粒子ビーム描画装置では、多数通りの分割手法のうち、図2および図3に記載された2つの分割手法が採用され、多重描画が行われているが、特許文献1には、何に基づいて図2および図3に記載された2つの分割手法を採用したかが記載されていない。
仮に、分割後の図形(非任意角図形)の数が多くなるように、描画データに含まれている図形(任意角図形)が分割される場合には、荷電粒子ビームを照射することによって分割後の多数の図形(非任意角図形)に対応するパターンを試料のレジストに描画すると共に、レジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行した後にレジストに形成される解像パターンの形状を、描画データに含まれている図形(任意角図形)の形状にほぼ合致させることができるものの、描画所要時間が長くなってしまい、スループットが低下してしまう。
一方、仮に、分割後の図形(非任意角図形)の数が少なくなるように、描画データに含まれている図形(任意角図形)が分割される場合には、描画所要時間を短くし、スループットを向上させることができるものの、解像パターンの形状が、描画データに含まれている図形(任意角図形)の形状と異なってしまうおそれがある。
上述した問題点に鑑み、本発明は、解像パターンの形状と描画データに含まれている図形(任意角図形)の形状とをほぼ合致させつつ、描画所要時間を短くし、スループットを向上させることができる荷電粒子ビーム描画装置およびその描画データ作成方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを試料のレジストに描画する描画部と、
第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する図形が描画データに含まれている場合に、分割後の図形の形状が、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、描画データに含まれている図形を近似的に分割する近似分割部と、
荷電粒子ビームを照射することによって分割後の図形に対応するパターンを試料のレジストに描画すると共に、レジストプロセスを実行した後にレジストに形成される解像パターンの形状を予測する解像パターン予測部と、
分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差に基づいて、採用される近似分割部による図形の近似的な分割手法を決定する近似分割手法決定部とを具備することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置が提供される。
本発明の別の一態様によれば、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置の描画データ作成方法において、
第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する図形が描画データに含まれている場合に、分割後の図形の形状が、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、描画データに含まれている図形を近似的に分割する工程と、
荷電粒子ビームを照射することによって分割後の図形に対応するパターンを試料のレジストに描画すると共に、レジストプロセスを実行した後にレジストに形成される解像パターンの形状を予測する工程と、
分割前の図形の形状と、予測された解像パターンの形状との誤差に基づいて、採用される図形の近似的な分割手法を決定する工程とを含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の描画データ作成方法が提供される。
好ましくは、分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が上限閾値より大きい場合に、分割後の図形の数が増加するように図形の近似的な分割が再試行され、分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が下限閾値より小さい場合に、分割後の図形の数が減少するように図形の近似的な分割が再試行され、分割前の図形の形状と、予測された解像パターンの形状との誤差が下限閾値以上、上限閾値以下になる図形の近似的な分割手法が採用される。
更に好ましくは、描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料のレジストに描画するのに要する描画所要時間が見積もられ、分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が下限閾値以上、上限閾値以下になる図形の近似的な分割手法のうち、描画所要時間が最も短い分割手法が採用される。
また、好ましくは、描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料のレジストに描画するのに要する描画所要時間が見積もられ、見積もられた描画所要時間が上限閾値より大きい場合に、分割後の図形の数が減少するように図形の近似的な分割が再試行され、見積もられた描画所要時間が下限閾値より小さい場合に、分割後の図形の数が増加するように図形の近似的な分割が再試行され、見積もられた描画所要時間が下限閾値以上、上限閾値以下になる図形の近似的な分割手法のうち、分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が最も小さい分割手法が採用される。
本発明によれば、解像パターンの形状と描画データに含まれている図形の形状とをほぼ合致させつつ、描画所要時間を短くし、スループットを向上させることができる。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の概略的な構成図である。 図1に示す制御部10bの制御計算機10b1の詳細図である。 第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10において荷電粒子ビーム10a1bの1回のショットで試料Mのレジストに描画することができるパターンPの一例を説明するための図である。 図1および図2に示す描画データDの一例を概略的に示した図である。 描画データDに含まれる図形FG1,FG2,…に対応するパターンが荷電粒子ビーム10a1bによって描画される描画順序を説明するための図である。 描画データDに含まれる図形FG1に対応するパターンP1が荷電粒子ビーム10a1bによって描画される描画順序の一例を示した図である。 第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致しない形状を有する図形FGAの一例を示した図である。 描画データ作成部10b1aによって実行される処理を示したフローチャートである。 描画データ作成部10b1aによって実行される処理の一例を示した図である。 描画データ作成部10b1aによって実行される処理の一例を示した図である。 描画データ作成部10b1aによって実行される処理の一例を示した図である。 図9〜図11に示す例の分割パラメータ(分割誤差a,b,c)と、分割前の図形FGAの形状と解像パターンの形状との誤差(設計パターンからの差)δoutMAX,δinMAXと、描画所要時間Ta,Tb,Tcとの関係を示したグラフである。 第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の制御部10bの制御計算機10b1の詳細図である。 図11(A)に示す例と同様に分割誤差の値がcであり、かつ、分割手法が図11(A)に示す分割手法と異なる例を示した図である。 第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ作成部10b1aによって実行される処理を示したフローチャートである。 図11および図14に示す例の分割パラメータ(分割誤差c)と、分割前の図形FGAの形状と解像パターンの形状との誤差(設計パターンからの差)δoutMAX,δinMAXと、描画所要時間Tc,Tdとの関係を示したグラフである。 第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ作成部10b1aによって実行される処理を示したフローチャートである。
以下、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の概略的な構成図である。図2は図1に示す制御部10bの制御計算機10b1の詳細図である。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1に示すように、例えば、レジストが上面に塗布された例えばマスク、ウエハなどのような試料Mに荷電粒子ビーム10a1bを照射することによって試料Mのレジストに目的のパターンを描画する描画部10aが設けられている。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、荷電粒子ビーム10a1bとして例えば電子ビームが用いられるが、第2の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、代わりに、荷電粒子ビーム10a1bとして例えばイオンビーム等の電子ビーム以外の荷電粒子ビームを用いることも可能である。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1に示すように、例えば、荷電粒子銃10a1aと、荷電粒子銃10a1aから照射された荷電粒子ビーム10a1bを偏向する偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fと、偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bによる描画が行われる試料Mを載置する可動ステージ10a2aとが、描画部10aに設けられている。
詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1に示すように、例えば、描画部10aの一部を構成する描画室10a2に、試料Mが載置された可動ステージ10a2aが配置されている。この可動ステージ10a2aは、例えば、X方向(図1の左右方向)およびY方向(図1の手前側−奥側方向)に移動可能に構成されている。更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1に示すように、例えば、描画部10aの一部を構成する光学鏡筒10a1に、荷電粒子銃10a1aと、偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fと、レンズ10a1g,10a1h,10a1i,10a1j,10a1kと、第1成形アパーチャ10a1lと、第2成形アパーチャ10a1mとが配置されている。
具体的には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図2に示すように、例えば、描画データ作成部10b1a、ショットデータ生成部10b1g、偏向制御部10b1hおよびステージ制御部10b1iが制御計算機10b1に設けられている。また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図2に示すように、描画データDが制御計算機10b1に入力されると、描画データ作成部10b1aにおいて、後で詳細に説明する描画データ作成処理が必要に応じて行われる。次いで、例えば、制御計算機10b1に入力された描画データDに基づいて、あるいは、描画データ作成部10b1aによって作成された描画データに基づいて、ショットデータ生成部10b1gにより、試料Mのレジストにパターンを描画する荷電粒子ビーム10a1bを照射するためのショットデータが生成される。次いで、例えば、ショットデータ生成部10b1gによって生成されたショットデータが、偏向制御部10b1hに送られる。次いで、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータに基づいて偏向制御部10b1hによって偏向器10a1c,10a1d,10a1e,10a1fが制御され、その結果、荷電粒子銃10a1aからの荷電粒子ビーム10a1bが試料Mのレジストの所望の位置に照射される。
詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b2を介してブランキング偏向器10a1cを制御することにより、荷電粒子銃10a1aから照射された荷電粒子ビーム10a1bが、例えば第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられて試料Mに照射されるか、あるいは、例えば第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’以外の部分によって遮られて試料Mに照射されないかが、切り換えられる。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、ブランキング偏向器10a1cを制御することにより、例えば、荷電粒子ビーム10a1bの照射時間を制御することができる。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b3を介してビーム寸法可変偏向器10a1dを制御することにより、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって偏向される。次いで、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bの一部が、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられる。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、ビーム寸法可変偏向器10a1dによって荷電粒子ビーム10a1bが偏向される量、向きなどを調整することにより、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状、大きさなどを調整することができる。
図3は第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10において荷電粒子ビーム10a1bの1回のショットで試料Mのレジストに描画することができるパターンPの一例を説明するための図である。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図3(A)に示すように、例えば、荷電粒子ビーム10a1bによって試料MのレジストにパターンP(図3(A)参照)が描画される時に、荷電粒子銃10a1a(図1参照)から照射された荷電粒子ビーム10a1bの一部が、第1成形アパーチャ10a1lの例えば正方形の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられる。その結果、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状が、例えば概略正方形になる。次いで、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの一部が、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられる。
また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図3(A)に示すように、例えば、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bを偏向器10a1d(図1参照)によって偏向することにより、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられる荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状を、例えば矩形(正方形または長方形)にしたり、例えば三角形にしたりすることができる。更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図3(A)に示すように、例えば、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bを、試料Mのレジストの所定の位置に所定の照射時間だけ照射し続けることにより、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と概略同一形状のパターンP(図3(A)参照)を試料Mのレジストに描画することができる。
つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図3(A)に示すように、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが偏向器10a1d(図1参照)によって偏向される量および向きを偏向制御部10b1h(図2参照)によって制御することにより、例えば、図3(B)、図3(C)、図3(D)および図3(E)に示すようなX軸(図5参照)に平行な1組の辺およびY軸(図5参照)に平行な1組の辺を有する概略矩形(正方形または長方形)のパターンP、図3(F)、図3(G)、図3(H)および図3(I)に示すようなX軸(図5参照)に平行な辺とY軸(図5参照)に平行な辺とX軸(図5参照)に対して45°の角度をなす斜辺とを有する概略三角形のパターンPなどを、荷電粒子ビーム10a1bの1回のショットで試料Mのレジストに描画することができる。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b4を介して主偏向器10a1eを制御することにより、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bが、主偏向器10a1eによって偏向される。また、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、偏向制御部10b1hによって偏向制御回路10b5を介して副偏向器10a1fを制御することにより、主偏向器10a1eによって偏向された荷電粒子ビーム10a1bが、副偏向器10a1fによって更に偏向される。つまり、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、主偏向器10a1eおよび副偏向器10a1fによって荷電粒子ビーム10a1bが偏向される量、向きなどを調整することにより、試料Mのレジストに照射される荷電粒子ビーム10a1bの照射位置を調整することができる。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図1および図2に示すように、例えば、ショットデータ生成部10b1gにより生成されたショットデータに基づき、ステージ制御部10b1iによってステージ制御回路10b6を介して可動ステージ10a2aの移動が制御される。
図1および図2に示す例では、例えば、半導体集積回路の設計者などによって作成されたレイアウトデータ(CADデータ、設計データ)を荷電粒子ビーム描画装置10用のフォーマットに変換することにより得られた描画データDが、荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1に入力される。一般的に、レイアウトデータ(CADデータ、設計データ)には、多数の微小なパターンが含まれており、レイアウトデータ(CADデータ、設計データ)のデータ量はかなりの大容量になっている。更に、一般的に、レイアウトデータ(CADデータ、設計データ)等を他のフォーマットに変換しようとすると、変換後のデータのデータ量は更に増大してしまう。この点に鑑み、レイアウトデータ(CADデータ、設計データ)および描画データDでは、データの階層化が採用され、データ量の圧縮化が図られている。
図4は図1および図2に示す描画データDの一例を概略的に示した図である。図4に示す例では、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10に適用される描画データD(図1および図2参照)が、例えば、チップ階層CP、チップ階層CPよりも下位のフレーム階層FR、フレーム階層FRよりも下位のブロック階層BL、ブロック階層BLよりも下位のセル階層CL、および、セル階層CLよりも下位の図形階層FGに階層化されている。詳細には、図4に示す例では、例えば、チップ階層CPの要素の一部であるチップCP1が、フレーム階層FRの要素の一部である3個のフレームFR1,FR2,FR3に対応している。また、例えば、フレーム階層FRの要素の一部であるフレームFR2が、ブロック階層BLの要素の一部である18個のブロックBL00,…,BL52に対応している。更に、例えば、ブロック階層BLの要素の一部であるブロックBL21が、セル階層CLの要素の一部である複数のセルCLA,CLB,CLC,CLD,…に対応している。また、例えば、セル階層CLの要素の一部であるセルCLAが、図形階層FGの要素の一部である多数の図形FG1,FG2,…に対応している。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、描画データD(図1および図2参照)に含まれる多数の図形FG1,FG2,…(図4参照)に対応する多数のパターンが、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって試料M(図1参照)のレジストに描画される。
図5は描画データDに含まれる図形FG1,FG2,…に対応するパターンが荷電粒子ビーム10a1bによって描画される描画順序を説明するための図である。図5に示す例では、試料Mの描画領域DAが例えば6個の短冊状のストライプ枠STR1,STR2,STR3,STR4,STR5,STR6に仮想分割されている。図5に示す例では、例えば、荷電粒子ビーム10a1bが、ストライプ枠STR1内を図5の右側から図5の左側に向かって走査され、描画データD(図1および図2参照)に含まれる多数の図形(図示せず)に対応するパターンが荷電粒子ビーム10a1bによってストライプ枠STR1内に描画される。次いで、例えば、荷電粒子ビーム10a1bが、ストライプ枠STR2内を図5の左側から図5の右側に向かって走査され、描画データD(図1および図2参照)に含まれる多数の図形(図示せず)に対応するパターンが荷電粒子ビーム10a1bによってストライプ枠STR2内に描画される。次いで、同様に、描画データD(図1および図2参照)に含まれる多数の図形FG1,FG2,…(図4参照)に対応するパターンが荷電粒子ビーム10a1bによってストライプ枠STR3,STR4,STR5,STR6内に描画される。
詳細には、図5に示す例では、例えば、ストライプ枠STR1内にパターンが描画される時、可動ステージ10a2a(図1参照)が図5の左側から図5の右側)に移動するように、ステージ制御部10b1i(図2参照)によってステージ制御回路10b6(図1参照)を介して可動ステージ10a2aが制御される。次いで、例えば、ストライプ枠STR2内にパターンが描画される前に、可動ステージ10a2aが図5の上側から図5の下側に移動するように、ステージ制御部10b1iによってステージ制御回路10b6を介して可動ステージ10a2aが制御される。次いで、例えば、ストライプ枠STR2内にパターンが描画される時、可動ステージ10a2aが図5の右側から図5の左側に移動するように、ステージ制御部10b1iによってステージ制御回路10b6を介して可動ステージ10a2aが制御される。つまり、図5に示す例では、可動ステージ10a2aの移動方式が「FWD/BWD」に設定されている。詳細には、ストライプ枠STR1,STR3,STR5内にパターンが描画される時の可動ステージ10a2aの移動方式が「BWD」に相当し、ストライプ枠STR2,STR4,STR6内にパターンが描画される時の可動ステージ10a2aの移動方式が「FWD」に相当している。
図6は描画データDに含まれる図形FG1に対応するパターンP1が荷電粒子ビーム10a1bによって描画される描画順序の一例を示した図である。詳細には、図6は第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10において描画データD(図1および図2参照)に含まれる図形FG1(図4参照)に対応するパターンP1(図6参照)を荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって試料M(図1参照)のレジストに描画するために必要な荷電粒子ビーム10a1bのショット数の一例を説明するための図である。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば描画データDに含まれる図形FG1に対応するパターンP1が、最大サイズのパターンP(図3(B)参照)よりも大きい場合などに、図6(A)〜図6(I)に示すように、複数回の荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)のショットが行われる。換言すれば、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば描画データDに含まれる図形FG1に対応するパターンP1が、最大サイズのパターンPよりも大きい場合などに、描画データDに含まれる図形FG1が、パターンP1a,P1b,P1c,P1d,P1e,P1f,P1g,P1h,P1i(図6参照)に対応する複数の小さい図形(図示せず)に描画データD上で分割処理(ショット分割処理)される。更に、そのショット分割処理結果に基づいて、ショットデータ生成部10b1g(図2参照)によってショットデータが生成される。
詳細には、図6に示す例では、例えば、まず最初に、図6(A)に示すように、1回目の荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)のショットにより、最大サイズのパターンP(図3(B)参照)と同一形状のパターンP1aが試料Mのレジストに描画される。次いで、図6に示す例では、例えば、2回目の荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)のショットによってパターンP1b(図6(B)参照)が描画され、3回目の荷電粒子ビーム10a1bのショットによってパターンP1c(図6(C)参照)が描画され、4回目の荷電粒子ビーム10a1bのショットによってパターンP1d(図6(D)参照)が描画され、5回目の荷電粒子ビーム10a1bのショットによってパターンP1e(図6(E)参照)が描画され、6回目の荷電粒子ビーム10a1bのショットによってパターンP1f(図6(F)参照)が描画され、7回目の荷電粒子ビーム10a1bのショットによってパターンP1g(図6(G)参照)が描画され、8回目の荷電粒子ビーム10a1bのショットによってパターンP1h(図6(H)参照)が描画され、9回目の荷電粒子ビーム10a1bのショットによってパターンP1i(図6(I)参照)が描画される。その結果、図6に示す例では、描画データD(図1および図2参照)に含まれる図形FG1(図4参照)に対応するパターンP1(図6(I)参照)が試料M(図6参照)のレジストに描画される。
図6に示す例では、最大サイズのパターンP(図3(B)参照)と同一形状のパターンP1a,P1b,P1d,P1eを描画する荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)のショットを4回行っても試料MのレジストにパターンP1を描画することができず、試料MのレジストにパターンP1を描画するためには9回の荷電粒子ビーム10a1bのショットが必要であることをわかりやすく説明するために、最大サイズのパターンP(図3(B)参照)と同一形状のパターンP1a,P1b,P1d,P1eを描画する荷電粒子ビーム10a1bの4回のショットと、最大サイズのパターンP(図3(B)参照)より小さいパターンP1c,P1f,P1g,P1h,P1iを描画する荷電粒子ビーム10a1bの5回のショットとにショット分割処理されている。実際の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えばパターンP1i(図6(I)参照)のような微小パターンの描画を回避するように、ショット分割処理が実行される。つまり、例えば、荷電粒子ビーム10a1bの9回のショットによってパターンP1(図6(I)参照)を描画する場合には、パターンP1を図6の左右方向3列×図6の上下方向3列に9等分したパターンが、荷電粒子ビーム10a1bの1回のショットによって描画される。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状と合致する形状を有する図形のみが描画データD(図1および図2参照)に含まれている場合に、描画データ作成部10b1a(図2参照)による処理が実行されることなく、偏向制御部10b1h(図2参照)およびステージ制御部10b1i(図2参照)によって図3、図5および図6に示すような処理が実行され、その結果、描画データDに含まれているすべての図形に対応するパターンが、荷電粒子ビーム10a1bによって試料M(図1および図5参照)のレジストに描画される。
更に、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状と合致しない形状を有する図形が描画データD(図1および図2参照)に含まれている場合にも、後述する処理を実行することにより、描画データDに含まれているすべての図形に対応するパターンを、荷電粒子ビーム10a1bによって試料M(図1および図5参照)のレジストに描画することができる。
図7は第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状と合致しない形状を有する図形FGAの一例を示した図である。図7に示す例では、図形FGAの形状が、Y軸に平行な1組の辺AB,DCと、X軸に対して例えば20°の角度θをなす1組の辺AD,BCによって構成される四角形になっている。つまり、図7に示す例では、図形FGAの4辺AB,BC,DC,ADのうち、辺AB,DCが、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(例えば図3(B)〜図3(E)参照)と合致している。一方、辺AD,BCが、第1成形アパーチャ10a1lの開口10a1l’を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1mの開口10a1m’を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1bの水平断面形状(例えば図3(B)〜図3(I)参照)と合致していない。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、図7に示す図形FGAを含む描画データD(図1および図2参照)が制御計算機10b1(図1および図2参照)に入力された場合に、描画データ作成部10b1a(図2参照)によって図8に示す処理が実行される。
図8は描画データ作成部10b1aによって実行される処理を示したフローチャートである。図9〜図11は描画データ作成部10b1aによって実行される処理の一例を示した図である。詳細には、図9(A)、図10(A)および図11(A)は図7に示す図形FGAの辺AD,BCなどを拡大して示した図である。図9(B)、図10(B)および図11(B)は荷電粒子ビーム10b1a(図1参照)を照射することによって図7に示す図形FGAに対応するパターン(詳細には、図形FGAを近似的に分割して作成した複数の図形に対応するパターン)を試料M(図1参照)のレジストに描画すると共に、レジストプロセスを実行した後にレジストに形成される解像パターンの一部を拡大して示した図である。図9(C)、図10(C)および図11(C)は図9(B)、図10(B)および図11(B)に示す解像パターンの一部を更に拡大して示した図である。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、図7に示す図形FGAを含む描画データD(図1および図2参照)が制御計算機10b1(図1および図2参照)に入力されると、図8に示すように、まず最初に、ステップS01において、例えば、コントローラ10b1a5(図2参照)により、図形FGA(図7参照)の辺AD(図9(A)参照)に対する分割後の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)の分割誤差δADout,δADinが値aになると共に、図形FGA(図7参照)の辺BC(図9(A)参照)に対する分割後の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)の分割誤差δBCout,δBCinが値aになるように、分割誤差が設定される。
次いで、図8に示すように、ステップS02において、例えば、分割後の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)の形状が、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(図3(B)〜図3(I)参照)と合致するように、つまり、分割後の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)がX軸(図7参照)に平行な辺、Y軸(図7参照)に平行な辺またはX軸に対して45°の角度をなす辺のみによって構成されるように、分割パターン発生器10b1a1(図2参照)によって、図形FGA(図7参照)が近似的に分割されて、複数の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)が作成される。
次いで、図8に示すように、ステップS03において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)を照射することによって図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)に対応するパターンを試料M(図1参照)のレジストに描画すると、レジストに蓄積される荷電粒子ビーム10a1bのエネルギー分布がどのようになるかが、エネルギー分布シミュレータ10b1a2(図2参照)により、荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱、後方散乱などを考慮してシミュレーションされる。
次いで、図8に示すように、ステップS04において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)に対応するパターンが描画された試料M(図1参照)のレジストに対してレジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行すると、レジストに形成される解像パターン(図9(B)参照)の形状がどのようになるかが、解像パターンシミュレータ10b1a3(図2参照)によってシミュレーションされる。
次いで、図8に示すように、ステップS05において、例えば、誤差判定器10b1a4(図2参照)によって誤差判定が実行される。図9(B)および図9(C)に示す例では、分割前の図形FGA(図7参照)の辺AD,BCに対する解像パターンの誤差δoutMAX,δinMAXが上限閾値δ許out,δ許in以下であるか否かが判定される。図9(B)および図9(C)に示す例では、「NO(=NG)」と判定され、つまり、解像パターンの誤差δoutMAX,δinMAXが大きすぎるため、解像パターンの形状が図形FGA(図7参照)の形状と異なってしまうおそれがあると判定され、ステップS06に進む。
次いで、ステップS06において、例えば、コントローラ10b1a5(図2参照)により、図形FGA(図7参照)の辺AD(図10(A)参照)に対する分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)の分割誤差δADout,δADinが値b(<a(図9(A)参照))になると共に、図形FGA(図7参照)の辺BC(図10(A)参照)に対する分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)の分割誤差δBCout,δBCinが値b(<a(図9(A)参照))になるように、分割誤差が小さくされる。
次いで、図8に示すように、ステップS02において、例えば、分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)の形状が、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(図3(B)〜図3(I)参照)と合致するように、つまり、分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)がX軸(図7参照)に平行な辺、Y軸(図7参照)に平行な辺またはX軸に対して45°の角度をなす辺のみによって構成されるように、分割パターン発生器10b1a1(図2参照)によって、図形FGA(図7参照)が近似的に分割されて、複数の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)が作成される。つまり、分割パターン発生器10b1a1(図2参照)によって、分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)の数が増加するように、分割が再試行される。
次いで、図8に示すように、ステップS03において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)を照射することによって図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)に対応するパターンを試料M(図1参照)のレジストに描画すると、レジストに蓄積される荷電粒子ビーム10a1bのエネルギー分布がどのようになるかが、エネルギー分布シミュレータ10b1a2(図2参照)により、荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱、後方散乱などを考慮してシミュレーションされる。
次いで、図8に示すように、ステップS04において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)に対応するパターンが描画された試料M(図1参照)のレジストに対してレジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行すると、レジストに形成される解像パターン(図10(B)参照)の形状がどのようになるかが、解像パターンシミュレータ10b1a3(図2参照)によってシミュレーションされる。
次いで、図8に示すように、ステップS05において、例えば、誤差判定器10b1a4(図2参照)によって誤差判定が実行される。図10(B)および図10(C)に示す例では、分割前の図形FGA(図7参照)の辺AD,BCに対する解像パターンの誤差δoutMAX,δinMAXが上限閾値δ許out,δ許in以下であるか否かが判定される。図10(B)および図10(C)に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、ステップS07に進む。
次いで、図8に示すように、ステップS07において、例えば、誤差判定器10b1a4(図2参照)によって誤差判定が実行される。図10(B)および図10(C)に示す例では、分割前の図形FGA(図7参照)の辺AD,BCに対する解像パターンの誤差δoutMAX,δinMAXが下限閾値「δ許out−δOK」,「δ許in−δOK」以上であるか否かが判定される。図10(B)および図10(C)に示す例では、「NO(=NG)」と判定され、つまり、解像パターンの誤差δoutMAX,δinMAXが必要以上に小さすぎるため、分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)の数が多すぎ、その結果、描画所要時間が長くなってしまうおそれがあると判定され、ステップS08に進む。
次いで、ステップS08において、例えば、コントローラ10b1a5(図2参照)により、図形FGA(図7参照)の辺AD(図11(A)参照)に対する分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)の分割誤差δADout,δADinが値c(>b(図10(A)参照))になると共に、図形FGA(図7参照)の辺BC(図11(A)参照)に対する分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)の分割誤差δBCout,δBCinが値c(>b(図10(A)参照))になるように、分割誤差が大きくされる。
次いで、図8に示すように、ステップS02において、例えば、分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)の形状が、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(図3(B)〜図3(I)参照)と合致するように、つまり、分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)がX軸(図7参照)に平行な辺、Y軸(図7参照)に平行な辺またはX軸に対して45°の角度をなす辺のみによって構成されるように、分割パターン発生器10b1a1(図2参照)によって、図形FGA(図7参照)が近似的に分割されて、複数の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)が作成される。つまり、分割パターン発生器10b1a1(図2参照)によって、分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)の数が減少するように、分割が再試行される。
次いで、図8に示すように、ステップS03において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)を照射することによって図形…,FGAcn,FGAbc+1,…(図11(A)参照)に対応するパターンを試料M(図1参照)のレジストに描画すると、レジストに蓄積される荷電粒子ビーム10a1bのエネルギー分布がどのようになるかが、エネルギー分布シミュレータ10b1a2(図2参照)により、荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱、後方散乱などを考慮してシミュレーションされる。
次いで、図8に示すように、ステップS04において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)に対応するパターンが描画された試料M(図1参照)のレジストに対してレジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行すると、レジストに形成される解像パターン(図11(B)参照)の形状がどのようになるかが、解像パターンシミュレータ10b1a3(図2参照)によってシミュレーションされる。
次いで、図8に示すように、ステップS05において、例えば、誤差判定器10b1a4(図2参照)によって誤差判定が実行される。図11(B)および図11(C)に示す例では、分割前の図形FGA(図7参照)の辺AD,BCに対する解像パターンの誤差δoutMAX,δinMAXが上限閾値δ許out,δ許in以下であるか否かが判定される。図11(B)および図11(C)に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、ステップS07に進む。
次いで、図8に示すように、ステップS07において、例えば、誤差判定器10b1a4(図2参照)によって誤差判定が実行される。図11(B)および図11(C)に示す例では、分割前の図形FGA(図7参照)の辺AD,BCに対する解像パターンの誤差δoutMAX,δinMAXが下限閾値「δ許out−δOK」,「δ許in−δOK」以上であるか否かが判定される。図11(B)および図11(C)に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、その判定結果に基づき、コントローラ10b1a5(図2参照)によって、図11(A)に示す分割手法が採用され、図8に示す処理が終了する。
換言すれば、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、分割前の図形FGA(図7参照)の形状と、シミュレーションされた解像パターン(図9(B)、図10(B)および図11(B)参照)の形状に基づき、誤差判定器10b1a4(図2参照)およびコントローラ10b1a5(図2参照)によって、採用される図形の分割手法(図9(A)、図10(A)および図11(A)参照)が決定される。
詳細には、第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、分割前の図形FGA(図7参照)の形状と、シミュレーションされた解像パターン(図9(B)、図10(B)および図11(B)参照)の形状との誤差δoutMAX,δinMAXが、下限閾値「δ許out−δOK」,「δ許in−δOK」以上、上限閾値δ許out,δ許in以下になる図形の分割手法(図11(A)参照)が採用される。
図12は図9〜図11に示す例の分割パラメータ(分割誤差a,b,c)と、分割前の図形FGAの形状と解像パターンの形状との誤差(設計パターンからの差)δoutMAX,δinMAXと、描画所要時間Ta,Tb,Tcとの関係を示したグラフである。詳細には、図12中の曲線L1が分割パラメータ(分割誤差a,b,c)と、分割前の図形FGAの形状と解像パターンの形状との誤差(設計パターンからの差)δoutMAX,δinMAXとの関係を示している。図12中の曲線L2が分割パラメータ(分割誤差a,b,c)と、描画所要時間Ta,Tb,Tcとの関係を示している。図9〜図11に示す例では、図11(A)に示す分割手法(分割誤差の値c)が採用されるため、描画所要時間がTc(図12参照)になる。図9(A)に示す例のように分割後の図形…,FGAan,FGAan+1,…の数が少ないほど、荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)のショット数が少なくなるため、描画所要時間Taが短くなる傾向があり、図10(A)に示す例のように分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…の数が多いほど、荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)のショット数が多くなるため、描画所要時間Tbが長くなる傾向がある。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、図11(A)に示す図形の分割手法が採用されると、次いで、描画データD(図1および図2)に含まれている図形FGA(図7参照)が図11(A)に示すように近似的に分割され、分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)を含む描画データが作成される。次いで、分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)を含む描画データがショットデータ生成部10b1g(図2参照)に送られ、図3、図5および図6に示すような処理が実行され、描画データに含まれているすべての図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)に対応するパターンが、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって試料M(図1参照)のレジストに描画される。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、解像パターン(図11(B)参照)の形状と描画データD(図1および図2参照)に含まれている図形FGA(図7参照)の形状とをほぼ合致させつつ、描画所要時間Tc(図12参照)を短くし、スループットを向上させることができる。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図8に示す処理が荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1(図1および図2参照)に含まれている描画データ作成部10b1a(図2参照)によって実行されるが、他の例では、代わりに、レイアウトデータ(CADデータ、設計データ)を荷電粒子ビーム描画装置10用のフォーマットに変換して描画データD(図1および図2参照)を作成する描画データ作成装置(図示せず)によって、図8に示す処理を実行することも可能である。
以下、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10は、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10とほぼ同様に構成されている。従って、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10とほぼ同様の効果を奏することができる。
図13は第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の制御部10bの制御計算機10b1の詳細図である。第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図2に示すように、描画データ作成部10b1aに描画所要時間シミュレータ10b1a6が設けられていないが、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図13に示すように、描画データ作成部10b1aに描画所要時間シミュレータ10b1a6が設けられている。
第1の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、上述したように、例えば、分割誤差が値aの図9(A)に示す分割手法、分割誤差が値bの図10(A)に示す分割手法および分割誤差が値cの図11(A)に示す分割手法の中から、分割誤差が値cの図11(A)に示す分割手法が採用される。ところで、分割誤差の値がcであっても、分割手法が図11(A)に示す分割手法と異なる場合には、描画所要時間が異なる場合がある。
図14は図11(A)に示す例と同様に分割誤差の値がcであり、かつ、分割手法が図11(A)に示す分割手法と異なる例を示した図である。図11(A)に示す例では、X方向寸法(図11(A)の左右方向寸法)がY方向寸法(図11(A)の上下方向寸法)よりも小さい複数の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…によって図形FGA(図7参照)が近似的に分割されている。一方、図14に示す例では、X方向寸法(図14の左右方向寸法)がY方向寸法(図14の上下方向寸法)よりも大きい複数の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…によって図形FGA(図7参照)が近似的に分割されている。図14に示す例の方が、図11(A)に示す例よりも、分割後の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…の数が多くなるため、図14に示す例の方が、図11(A)に示す例よりも、描画所要時間が長くなる。
図15は第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ作成部10b1aによって実行される処理を示したフローチャートである。第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、図7に示す図形FGAを含む描画データD(図1および図13参照)が制御計算機10b1(図1および図13参照)に入力されると、図15に示すように、例えば、設定されたパラメータの数だけステップS11からステップS14までのループが繰り返される。具体例として、例えば、分割誤差の値がa(図9(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、Y方向寸法が大きい複数の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)に近似的に分割される第1ケース、分割誤差の値がb(図10(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、Y方向寸法が大きい複数の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)に近似的に分割される第2ケース、分割誤差の値がc(図11(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、Y方向寸法が大きい複数の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)に近似的に分割される第3ケース、分割誤差の値がa(図9(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、図14に示すようにX方向寸法が大きい複数の図形に近似的に分割される第4ケース、分割誤差の値がb(図10(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、図14に示すようにX方向寸法が大きい複数の図形に近似的に分割される第5ケース、および、分割誤差の値がc(図14参照)であって、図形FGA(図7参照)が、X方向寸法が大きい複数の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)に近似的に分割される第6ケースが設定された例について説明する。
まず最初に、ステップS12において、図8に示すフローチャートが実行される。具体的には、上述した第1ケースについて図8のフローチャートが実行されると、図8のステップS05において「NO(=NG)」と判定され、ステップS06において分割誤差が小さくされ、上述した第2ケースについて図8のフローチャートが実行される。次いで、図8のステップS05において「YES(=OK)」と判定され、次いで、ステップS07において「NO(=NG)」と判定され、ステップS08において分割誤差が大きくされ、上述した第3ケースについて図8のフローチャートが実行される。次いで、図8のステップS05において「YES(=OK)」と判定され、次いで、ステップS07において「YES(=OK)」と判定され、図15のステップS13に進む。ステップS13では、描画所要時間シミュレータ10b1a6(図13参照)によって第3ケース(分割誤差の値がc(図11(A)参照)であって図11(A)に示す分割手法)の描画所要時間Tc(図12および図16参照)が見積もられる。次いで、ステップS14に進み、ステップS11にループする。
次いで、ステップS12において、図8に示すフローチャートが実行される。具体的には、上述した第4ケースについて図8のフローチャートが実行されると、図8のステップS05において「NO(=NG)」と判定され、ステップS06において分割誤差の値がa(図9(A)参照)からb(図10(A)参照)に小さくされ、上述した第5ケースについて図8のフローチャートが実行される。次いで、図8のステップS05において「YES(=OK)」と判定され、次いで、ステップS07において「NO(=NG)」と判定され、ステップS08において分割誤差の値がb(図10(A)参照)からc(図14参照)に大きくされ、上述した第6ケースについて図8のフローチャートが実行される。次いで、図8のステップS05において「YES(=OK)」と判定され、次いで、ステップS07において「YES(=OK)」と判定され、図15のステップS13に進む。ステップS13では、描画所要時間シミュレータ10b1a6(図13参照)によって第6ケース(分割誤差の値がc(図14参照)であって図14に示す分割手法)の描画所要時間Td(図16参照)が見積もられる。次いで、ステップS14に進み、ステップS15に進む。
ステップS15では、描画所要時間Tc(図16参照)の第3ケースおよび描画所要時間Td(図16参照)の第6ケースのうちから、コントローラ10b1a5(図6参照)によって、描画所要時間が最も短い第3ケースが採用され、図15に示す処理が終了する。
図16は図11および図14に示す例の分割パラメータ(分割誤差c)と、分割前の図形FGAの形状と解像パターンの形状との誤差(設計パターンからの差)δoutMAX,δinMAXと、描画所要時間Tc,Tdとの関係を示したグラフである。詳細には、図16中の曲線L1が分割パラメータ(分割誤差c)と、分割前の図形FGAの形状と解像パターンの形状との誤差(設計パターンからの差)δoutMAX,δinMAXとの関係を示している。図16中の曲線L2は図11(A)に示す分割手法によって図形FGAが近似的に分割される場合における分割パラメータ(分割誤差)と描画所要時間との関係を示している。図16中の曲線L3は図14に示す分割手法によって図形FGAが近似的に分割される場合における分割パラメータ(分割誤差)と描画所要時間との関係を示している。図14に示す分割手法(曲線L3)の方が、図11(A)に示す分割手法(曲線L2)よりも、分割後の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)の数が多くなるため、図14に示す分割手法の方が、図11(A)に示す分割手法よりも、描画所要時間が長くなる。
換言すれば、第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、分割前の図形FGA(図7参照)の形状と、シミュレーションされた解像パターン(図11(B)参照)の形状との誤差δoutMAX,δinMAXが、下限閾値「δ許out−δOK」,「δ許in−δOK」以上、上限閾値δ許out,δ許in以下になる図形の分割手法(図11(A)および図14参照)のうち、描画所要時間Tc(図16参照)が最も短い分割手法(図11(A)参照)が採用される。
上述した図15のフローチャートに関する例では、分割誤差および分割手法がパラメータとして設定されているが、他の例では、それらのパラメータの他に、例えば「FWD/BWD」、「FWD/FWD」などの可動ステージ10a2a(図1参照)の移動方式(図5参照)、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によるパターンの描画順序(図6参照)などを描画所要時間見積もりパラメータとして設定することも可能である。例えば、可動ステージ10a2a(図1参照)の移動方式が描画所要時間見積もりパラメータとして設定される場合には、「FWD/BWD」移動方式および「FWD/FWD」移動方式のうち、描画所要時間が短い移動方式が採用される。
第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図15に示す処理が荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1(図1および図13参照)に含まれている描画データ作成部10b1a(図13参照)によって実行されるが、他の例では、代わりに、レイアウトデータ(CADデータ、設計データ)を荷電粒子ビーム描画装置10用のフォーマットに変換して描画データD(図1および図13参照)を作成する描画データ作成装置(図示せず)によって、図15に示す処理を実行することも可能である。
以下、本発明の荷電粒子ビーム描画装置の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の制御部10bの制御計算機10b1は、図13に示す第3の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の制御部10bの制御計算機10b1とほぼ同様に構成されている。
図17は第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10の描画データ作成部10b1aによって実行される処理を示したフローチャートである。第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、例えば、図7に示す図形FGAを含む描画データD(図1および図13参照)が制御計算機10b1(図1および図13参照)に入力されると、図17に示すように、例えば、設定されたパラメータの数だけステップS21からステップS27までのループが繰り返される。具体例として、例えば、分割誤差の値がa(図9(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、Y方向寸法が大きい複数の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)に近似的に分割されるケースC1、分割誤差の値がc(図14参照)であって、図形FGA(図7参照)が、X方向寸法が大きい複数の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)に近似的に分割されるケースC2、分割誤差の値がc(図11(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、Y方向寸法が大きい複数の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)に近似的に分割されるケースC3、および、分割誤差の値がb(図10(A)参照)であって、図形FGA(図7参照)が、Y方向寸法が大きい複数の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)に近似的に分割されるケースC4が設定された例について説明する。
まず最初に、ステップS22において、上述したケースC1のパラメータ(分割誤差a、図9(A)に示す分割手法)が設定される。
次いで、図17に示すように、ステップS02において、例えば、分割後の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)の形状が、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(図3(B)〜図3(I)参照)と合致するように、つまり、分割後の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)がX軸(図7参照)に平行な辺、Y軸(図7参照)に平行な辺またはX軸に対して45°の角度をなす辺のみによって構成されるように、分割パターン発生器10b1a1(図13参照)によって、図形FGA(図7参照)が近似的に分割されて、複数の図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)が作成される。
次いで、図17に示すように、ステップS03において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)を照射することによって図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)に対応するパターンを試料M(図1参照)のレジストに描画すると、レジストに蓄積される荷電粒子ビーム10a1bのエネルギー分布がどのようになるかが、エネルギー分布シミュレータ10b1a2(図13参照)により、荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱、後方散乱などを考慮してシミュレーションされる。
次いで、図17に示すように、ステップS04において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって図形…,FGAan,FGAan+1,…(図9(A)参照)に対応するパターンが描画された試料M(図1参照)のレジストに対してレジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行すると、レジストに形成される解像パターン(図9(B)参照)の形状がどのようになるかが、解像パターンシミュレータ10b1a3(図13参照)によってシミュレーションされる。
ステップS13では、描画所要時間シミュレータ10b1a6(図13参照)によってケースC1(分割誤差の値がa(図9(A)参照)であって図9(A)に示す分割手法)の描画所要時間Ta(図12参照)が見積もられる。
次いで、図17に示すように、ステップS23において、例えば、誤差判定器10b1a4(図13参照)によって、描画所要時間Ta(図12参照)が下限閾値TMIN以上であるか否かが判定される。図17に示す例では、「NO(=NG)」と判定され、つまり、描画所要時間Ta(図12参照)が短すぎるため、解像パターン(図9(B)参照)の形状と図形FGA(図7参照)の形状との誤差(分割誤差a(図9(A)参照))が大きすぎるおそれがあると判定され、ステップS24に進む。
次いで、ステップS24において、例えば、コントローラ10b1a5(図13参照)により、分割後の図形の数が増加し、描画所要時間が長くなるように、上述したケースC2(分割誤差c、図14に示す分割手法)のパラメータに変更される。
次いで、図17に示すように、ステップS02において、例えば、分割後の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)の形状が、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(図3(B)〜図3(I)参照)と合致するように、つまり、分割後の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)がX軸(図7参照)に平行な辺、Y軸(図7参照)に平行な辺またはX軸に対して45°の角度をなす辺のみによって構成されるように、分割パターン発生器10b1a1(図13参照)によって、図形FGA(図7参照)が近似的に分割されて、複数の図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)が作成される。
次いで、図17に示すように、ステップS03において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)を照射することによって図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)に対応するパターンを試料M(図1参照)のレジストに描画すると、レジストに蓄積される荷電粒子ビーム10a1bのエネルギー分布がどのようになるかが、エネルギー分布シミュレータ10b1a2(図13参照)により、荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱、後方散乱などを考慮してシミュレーションされる。
次いで、図17に示すように、ステップS04において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって図形…,FGAdn−1,FGAdn,FGAdn+1,FGAdn+2,FGAdn+3,FGAdn+4,…(図14参照)に対応するパターンが描画された試料M(図1参照)のレジストに対してレジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行すると、レジストに形成される解像パターン(図11(B)参照)の形状がどのようになるかが、解像パターンシミュレータ10b1a3(図13参照)によってシミュレーションされる。
ステップS13では、描画所要時間シミュレータ10b1a6(図13参照)によってケースC2(分割誤差の値がc(図14参照)であって図14に示す分割手法)の描画所要時間Td(図16参照)が見積もられる。
次いで、図17に示すように、ステップS23において、例えば、誤差判定器10b1a4(図13参照)によって、描画所要時間Td(図16参照)が下限閾値TMIN以上であるか否かが判定される。図17に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、ステップS25に進む。
次いで、図17に示すように、ステップS25において、例えば、誤差判定器10b1a4(図13参照)によって描画所要時間Td(図16参照)が上限閾値TMAX以下であるか否かが判定される。図17に示す例では、「NO(=NG)」と判定され、つまり、描画所要時間Td(図16参照)が長すぎると判定され、ステップS26に進む。
次いで、ステップS26において、例えば、コントローラ10b1a5(図13参照)により、分割後の図形の数が減少し、描画所要時間が短くなるように、上述したケースC3(分割誤差c、図11(A)に示す分割手法)のパラメータに変更される。
次いで、図17に示すように、ステップS02において、例えば、分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)の形状が、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(図3(B)〜図3(I)参照)と合致するように、つまり、分割後の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)がX軸(図7参照)に平行な辺、Y軸(図7参照)に平行な辺またはX軸に対して45°の角度をなす辺のみによって構成されるように、分割パターン発生器10b1a1(図13参照)によって、図形FGA(図7参照)が近似的に分割されて、複数の図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)が作成される。
次いで、図17に示すように、ステップS03において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)を照射することによって図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)に対応するパターンを試料M(図1参照)のレジストに描画すると、レジストに蓄積される荷電粒子ビーム10a1bのエネルギー分布がどのようになるかが、エネルギー分布シミュレータ10b1a2(図13参照)により、荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱、後方散乱などを考慮してシミュレーションされる。
次いで、図17に示すように、ステップS04において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって図形…,FGAcn,FGAcn+1,…(図11(A)参照)に対応するパターンが描画された試料M(図1参照)のレジストに対してレジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行すると、レジストに形成される解像パターン(図11(B)参照)の形状がどのようになるかが、解像パターンシミュレータ10b1a3(図13参照)によってシミュレーションされる。
ステップS13では、描画所要時間シミュレータ10b1a6(図13参照)によってケースC3(分割誤差の値がc(図11(A)参照)であって図11(A)に示す分割手法)の描画所要時間Tc(図12および図16参照)が見積もられる。
次いで、図17に示すように、ステップS23において、例えば、誤差判定器10b1a4(図13参照)によって、描画所要時間Tc(図12および図16参照)が下限閾値TMIN以上であるか否かが判定される。図17に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、ステップS25に進む。
次いで、図17に示すように、ステップS25において、例えば、誤差判定器10b1a4(図13参照)によって描画所要時間Tc(図16参照)が上限閾値TMAX以下であるか否かが判定される。図17に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、ステップS27に進み、ステップS21にループする。
次いで、ステップS22において、上述したケースC4のパラメータ(分割誤差b、図10(A)に示す分割手法)が設定される。
次いで、図17に示すように、ステップS02において、例えば、分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)の形状が、第1成形アパーチャ10a1l(図3(A)参照)の開口10a1l’(図3(A)参照)を透過せしめられ、次いで、第2成形アパーチャ10a1m(図3(A)参照)の開口10a1m’(図3(A)参照)を透過せしめられた荷電粒子ビーム10a1b(図3(A)参照)の水平断面形状(図3(B)〜図3(I)参照)と合致するように、つまり、分割後の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)がX軸(図7参照)に平行な辺、Y軸(図7参照)に平行な辺またはX軸に対して45°の角度をなす辺のみによって構成されるように、分割パターン発生器10b1a1(図13参照)によって、図形FGA(図7参照)が近似的に分割されて、複数の図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)が作成される。
次いで、図17に示すように、ステップS03において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)を照射することによって図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)に対応するパターンを試料M(図1参照)のレジストに描画すると、レジストに蓄積される荷電粒子ビーム10a1bのエネルギー分布がどのようになるかが、エネルギー分布シミュレータ10b1a2(図13参照)により、荷電粒子ビーム10a1bの前方散乱、後方散乱などを考慮してシミュレーションされる。
次いで、図17に示すように、ステップS04において、例えば、荷電粒子ビーム10a1b(図1参照)によって図形…,FGAbn−1,FGAbn,FGAbn+1,FGAbn+2,…(図10(A)参照)に対応するパターンが描画された試料M(図1参照)のレジストに対してレジストプロセス(詳細には、例えばレジストのプリベーク、現像、ポストベークなど)を実行すると、レジストに形成される解像パターン(図10(B)参照)の形状がどのようになるかが、解像パターンシミュレータ10b1a3(図13参照)によってシミュレーションされる。
ステップS13では、描画所要時間シミュレータ10b1a6(図13参照)によってケースC4(分割誤差の値がb(図10(A)参照)であって図10(A)に示す分割手法)の描画所要時間Tb(図12参照)が見積もられる。
次いで、図17に示すように、ステップS23において、例えば、誤差判定器10b1a4(図13参照)によって、描画所要時間Tb(図12参照)が下限閾値TMIN以上であるか否かが判定される。図17に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、ステップS25に進む。
次いで、図17に示すように、ステップS25において、例えば、誤差判定器10b1a4(図13参照)によって描画所要時間Tb(図12参照)が上限閾値TMAX以下であるか否かが判定される。図17に示す例では、「YES(=OK)」と判定され、ステップS27に進み、ステップS28に進む。
ステップS28では、描画所要時間Tc(図12参照)のケースC3(分割誤差c、図11(A)に示す分割手法)および描画所要時間Tb(図12参照)のケースC4(分割誤差b、図10(A)に示す分割手法)のうちから、コントローラ10b1a5(図6参照)によって、分割前の図形FGA(図7参照)の形状と、シミュレーションされた解像パターン(図10(B)および図11(B)参照)の形状との誤差δoutMAX,δinMAXが最も小さいケースC4(分割誤差b、図10(A)に示す分割手法)が採用される。
第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10によれば、設定した描画所要時間の範囲内(TMINからTMAXの間)に描画所要時間を収めつつ、その中で解像パターン(例えば図10(B)参照)の形状と描画データD(図1および図13参照)に含まれている図形FGA(図7参照)の形状との誤差を最も小さくした描画を行うことができる。
第4の実施形態の荷電粒子ビーム描画装置10では、図17に示す処理が荷電粒子ビーム描画装置10の制御計算機10b1(図1および図13参照)に含まれている描画データ作成部10b1a(図13参照)によって実行されるが、他の例では、代わりに、レイアウトデータ(CADデータ、設計データ)を荷電粒子ビーム描画装置10用のフォーマットに変換して描画データD(図1および図13参照)を作成する描画データ作成装置(図示せず)によって、図17に示す処理を実行することも可能である。
第5の実施形態では、上述した第1から第4の実施形態ならびに各例を適宜組み合わせることも可能である。
10 荷電粒子ビーム描画装置
10a 描画部
10a1b 荷電粒子ビーム
10a1l 第1成形アパーチャ
10a1m 第2成形アパーチャ
10b1a 描画データ作成部
10b1a1 分割パターン発生器
10b1a2 エネルギー分布シミュレータ
10b1a3 解像パターンシミュレータ
10b1a4 誤差判定器
10b1a5 コントローラ
10b1a6 描画所要時間シミュレータ
M 試料

Claims (5)

  1. 第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを試料のレジストに描画する描画部と、
    第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する図形が描画データに含まれている場合に、分割後の図形の形状が、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、描画データに含まれている図形を近似的に分割する近似分割部と、
    荷電粒子ビームを照射することによって分割後の図形に対応するパターンを試料のレジストに描画すると共に、レジストプロセスを実行した後にレジストに形成される解像パターンの形状を予測する解像パターン予測部と、
    分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差に基づいて、採用される近似分割部による図形の近似的な分割手法を決定する近似分割手法決定部とを具備することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
  2. 分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が上限閾値より大きい場合に、近似分割部が、分割後の図形の数が増加するように図形の近似的な分割を再試行し、
    分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が下限閾値より小さい場合に、近似分割部が、分割後の図形の数が減少するように図形の近似的な分割を再試行し、
    近似分割手法決定部が、分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が下限閾値以上、上限閾値以下になる近似分割部による図形の近似的な分割手法を採用することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  3. 描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料のレジストに描画するのに要する描画所要時間を見積もる描画時間見積もり部を具備し、
    近似分割手法決定部が、分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が下限閾値以上、上限閾値以下になる近似分割部による図形の近似的な分割手法のうち、描画所要時間が最も短い分割手法を採用することを特徴とする請求項2に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  4. 描画データに含まれている複数の図形に対応する複数のパターンを試料のレジストに描画するのに要する描画所要時間を見積もる描画時間見積もり部を具備し、
    見積もられた描画所要時間が上限閾値より大きい場合に、近似分割部が、分割後の図形の数が減少するように図形の近似的な分割を再試行し、
    見積もられた描画所要時間が下限閾値より小さい場合に、近似分割部が、分割後の図形の数が増加するように図形の近似的な分割を再試行し、
    近似分割手法決定部が、見積もられた描画所要時間が下限閾値以上、上限閾値以下になる近似分割部による図形の近似的な分割手法のうち、分割前の図形の形状と、解像パターン予測部によって予測された解像パターンの形状との誤差が最も小さい分割手法を採用することを特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム描画装置。
  5. 第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられた荷電粒子ビームを、レジストが上面に塗布された試料に照射することにより、描画データに含まれている図形に対応するパターンを試料のレジストに描画する荷電粒子ビーム描画装置の描画データ作成方法において、
    第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致しない形状を有する図形が描画データに含まれている場合に、分割後の図形の形状が、第1成形アパーチャおよび第2成形アパーチャを透過せしめられる荷電粒子ビームの水平断面形状と合致するように、描画データに含まれている図形を近似的に分割する工程と、
    荷電粒子ビームを照射することによって分割後の図形に対応するパターンを試料のレジストに描画すると共に、レジストプロセスを実行した後にレジストに形成される解像パターンの形状を予測する工程と、
    分割前の図形の形状と、予測された解像パターンの形状との誤差に基づいて、採用される図形の近似的な分割手法を決定する工程とを含むことを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置の描画データ作成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012129479A (ja) * 2010-12-17 2012-07-05 Nuflare Technology Inc 荷電粒子ビーム描画装置および描画データ生成方法
JP2012241779A (ja) * 2011-05-18 2012-12-10 Nuflare Technology Inc 真空接続装置、荷電粒子ビーム描画装置および排気装置の荷電粒子ビーム描画装置への取付方法
KR101781078B1 (ko) 2015-03-26 2017-09-22 가부시키가이샤 뉴플레어 테크놀로지 멀티 하전 입자빔 묘화 장치 및 멀티 하전 입자빔 묘화 방법

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