JP2011075753A - ペリクル貼付用器具、フォトマスク用支持器具、ペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法、フォトマスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フォトマスク用支持器具4は、枠状のペリクルフレーム3bの開口部に貼り渡されたペリクル膜3aを備えるペリクル3を、そのペリクルフレーム3bをマスク2に押し当てて取着する際にマスク2を支持するものである。フォトマスク用支持器具4は、フォトマスク2を支持する支持面4aを有している。フォトマスク用支持器具4は、マスク2と接する面が3次元的に歪んだ形状を有している。すなわち、支持面4aに、ペリクルフレーム3bからの押し付け力が不均一となるように(ペリクルフレーム3bからの押し付け力が局所的に作用するように)凹部4bが設けられている。
【選択図】図2
Description
この工程ではステッパーと呼ばれる縮小投影露光装置を用いて、水平に設置されたマスクを介して光をウェハに照射し、ウェハ上の感光性樹脂層(フォトレジスト)に所定のパターンを露光転写する。
ここで、「ペリクル」とは、露光光を透過する高分子薄膜からなる透明なペリクル膜と、金属製または金属化合物製のペリクルフレーム(枠)とから構成されてなるものを指し、前記ペリクルフレームは上面および下面を開口部とした箱状の枠であり、前記ペリクル膜はペリクルフレーム上面の開口部に貼り渡すように接着されている。
近年、この作業は通称「ペリクルマウンタ」と呼ばれるペリクル貼付装置を用いて行われる。
まず、予めフォトマスクをマウンタのステージ上に載置し、ペリクル貼付部で位置決めする。
その後マスクをステージ上で固定し、ペリクルフレーム下面に接着層を形成してあるペリクルをマスク上の回路パターンを覆うように配置する。
そしてペリクルに所定の押圧力を加えてマスクに圧着させ、所定時間その押圧力を維持して貼り付けることにより、ペリクルがマスクに強固に固定して装着される。
もちろん充分に大きい異物であれば転写されうるが、そのような大きい異物が露光工程でマスクに付着することは、少なくともマスク製造工場内および半導体製造工場の通常のクリーンルーム内の作業環境であれば、殆ど問題にならない程度の発生率である。
もし均等な圧力になっていない場合は、ペリクルもしくはマスク自体の平坦性に歪みが生じる可能性がある。
また、ペリクルフレーム自体に歪みがある場合、圧着後、マスクがペリクルフレームの歪みの影響を受けてしまい、平坦度が悪化することがありうる。
この平坦度を測定するために、ペリクルの貼られたマスクを平坦度測定機にかけて測定を行う。平坦度測定は、マスクの自重によるたわみを最小限にするために、通常はマスクを垂直に立てた状態で測定される。
ペリクルは、フォトマスクに貼付けた後にペリクルが外れたりずれたりしないよう強固に固着されるため、ペリクルによる歪み応力がマスクに直接伝わるので、マスクの平坦度の歪みの要因となりうる。
これは、石英ガラスは非常に硬く強固な固体材料であるため、ペリクルを貼り付けた程度の歪み応力では、要求されるマスク平坦度に影響するほどではないとされていたこと、およびマスクの自重によるたわみは無視されてきたことによる。
しかし、この方法では圧力を除いたときに、基板の歪みが戻ることが予想される。また、基板の平坦度を改善することが目的であり、転写時に自重により基板がたわみ平坦度が変化することは考慮されていない。また、このような機構のペリクルマウンタを作製する必要があり、容易に実現することは困難である。
すなわちこの場合には、マスクの平坦度がゼロであるよりも、露光時に自重たわみを相殺するような状態であった方が好ましいと考えられる。しかし、そのようにするためには、マスクの平坦度を任意の状態に制御することが必要になる。
実際には、平面に近い面でのごくわずかな曲面的歪みを測定することになるが、測定範囲内の測定位置をXY軸座標で表し、測定した凹凸の値をZ軸座標で表せば、測定値はXY平面での2次元分布として表される。
マスクの平坦度の制御、もしくは自重たわみを相殺する方法としては、ペリクルに局所的に圧着応力を加えることが可能なペリクルマウンタでペリクルを貼りこむ方法が考えられる。
しかしこのような方法を実施するには新たに、ペリクルマウンタを設計から見直す必要がある。しかし、今回の発明では新たに作成するのは任意の形状に歪んだマスク保持器具及び任意の形状に歪んだペリクルの保持器具のみであり、従来のペリクルマウンタに備え付けるだけでよいので新たな装置を開発する必要がない。
また、所望する歪応力に応じた、所定の形状に歪んだ前記ペリクル保持器具、もしくはマスク保持器具を予め複数用意しておき使い分けることにより、どのようなマスクにおいても平坦度を制御し、また、露光装置にセットしたマスクの自重たわみを相殺することが可能となり、効率的かつ高精度にペリクル付マスクの製造ができる。
また、本発明のペリクル貼付方法を用いて製造されたマスクを使用して半導体を製造することで、高い寸法精度、位置精度の半導体製造が可能になる。
図1および図2は、本発明のペリクル貼付装置の第一の実施態様の主要な構成を示す図であり、図1はマスク基板保持部1にマスク2(フォトマスク)が載置され保持されている状態を示している。
詳細には、マスク基板保持部1は、基台1aと、基台1aに支持されたフォトマスク用支持器具4とを備えている。
フォトマスク用支持器具4は、図2に示すように、枠状のペリクルフレーム3bの開口部に貼り渡されたペリクル膜3aを備えるペリクル3を、そのペリクルフレーム3bをマスク2に押し当てて取着する際にマスク2を支持するものである。
フォトマスク用支持器具4は、フォトマスク2を支持する支持面4aを有している。
ここで、図1に示すように、フォトマスク用支持器具4の支持面4aはマスク2の四辺の端部に沿うようにしてマスク2と接している。
すなわち、支持面4aに、ペリクルフレーム3bからの押し付け力が不均一となるように(ペリクルフレーム3bからの押し付け力が局所的に作用するように)凹部4bが設けられている。
しかしながら、前述のようにマスク2を露光に用いる際には、例えばマスク2の自重たわみのような問題がある。このような問題に対しては、自重たわみを相殺するような方向にマスク2が歪むようにペリクルが貼られることが望ましい。
これは、貼り後に圧力を除いた後に歪みが変化するなど、マスク2の平坦度に関わる要因が多岐にわたり、かつ複雑な関係であるためである。
ペリクル保持部6は、押圧機構6aと、押圧機構6aによってフォトマスク用支持器具4に接離する方向に移動可能に構成されたペリクル押し当てプレート7とを有している。
ペリクル押し当てプレート7は、ペリクル3を、そのペリクルフレーム3bをフォトマスク2に押し当てて取着するものである。
なお、この場合、ペリクル押し当てプレート7に加わる力はペリクル押し当てプレート7の全体にわたって均一に作用し、また、基台1aでフォトマスク用支持器具4を支持する力はフォトマスク用支持器具4の全体にわたって均一に作用する。
ただし、ペリクルフレーム3bはその内側が開いている枠構造であるため、ペリクル3を押し当てる際には、ペリクル押し当てプレート7はペリクルフレーム3bのみを押すようになっている。
本実施態様において、前記フォトマスク用支持器具4の支持面4aは3次元的に歪んだ形状を有している。その役割および機能は、ペリクル3が貼り付けられる際に、フォトマスク用支持器具4の支持面4aの形状に添ってマスク2が歪み、任意の形状にゆがんだ状態でマスク2とペリクル3が貼り付けられる。
その結果、マスク2の歪みにより、例えばマスク2の自重たわみを相殺し、マスク平坦度をゼロに制御することが可能となる。
図3および図4は本発明のペリクル貼付装置の第二の実施態様の主要な構成を示す図であり、図3はペリクル保持部6’にペリクル3が載置された状態を示している。なお、以下の実施態様において第一の実施態様と同様の部分、部材には同一の符号を付してその説明を省略する。
ペリクル保持部6’は、押圧機構6aと、押圧機構6aによってフォトマスク用支持器具4に接離する方向に移動可能に構成されたペリクル押し当てプレート7’と、ペリクル押し当てプレート7’に取着されたペリクル貼付用器具5を含んでいる。
ここで、前記ペリクル貼付用器具5は前記押し当てプレート7’に接して、図3(B)の平面図に示したように、ペリクルフレーム3bの四辺に沿うような形で3次元的に歪んだ形状を有する。
言い換えると、ペリクル貼付用器具5のペリクルフレーム3bへの押し当て面5aに、ペリクルフレーム3bがマスク2に押し当てられる際の押し付け力が不均一となるように(押し付け力が局所的に作用するように)凹部5bが設けられている。
前記マスク基板保持部1’は、第一の実施態様と異なり、フォトマスク用支持器具4のペリクルフレーム3bへの押し当て面5aに、凹部5bが設けられていない。
なお、この場合、押圧機構6aからの単一の力が押し当てプレート7’を介してペリクル貼付用器具5に加わり、ペリクル貼付用器具5の全体にわたって均一に作用し、また、基台1aでフォトマスク用支持器具4を支持する力はフォトマスク用支持器具4の全体にわたって均一に作用する。
その結果、ペリクル3の歪みにより、例えばマスク2の自重たわみを相殺し、マスク平坦度をゼロに制御することが可能となる。
前記第一の実施態様および第二の実施態様は、それぞれマスク側のみあるいはペリクル側のみに3次元的に歪んだ形状を有する保持器具を具備してマスク、もしくはペリクルが任意の形状に歪んだ状態でマスクとペリクルが圧着される機構を備えていた。
しかしながらこれらの場合、保持器具を有する側は任意の形状に歪ませることが可能であるが、対向する側はフラットな圧力のかけ方になってしまうため、例えば圧着前の状態でマスクの歪みとペリクルの歪みが両方ある場合などには、充分に意図したような平坦度を得られない場合もありうる。
図5は本発明の第三の実施態様の主要な構成を示す図であり、マスク基板保持部1’にマスク2を載置し、さらに貼り付けようとするペリクル3を前記ペリクル保持部6’に装着した状態を示している。
本実施態様の構成は、前記の第一の実施態様におけるマスク基板保持部1と、前記第二の実施態様におけるペリクル保持部6’とを併せ持っている。
また、ペリクル保持部6’は押し当てプレート7’とペリクル貼付用器具5を少なくとも備え、ペリクル貼付用器具5はマスク2によって最適なものが設置されている。
また、ペリクルフレーム3bは厚さ数mm程度の金属枠であるため、マスク2よりも歪みやすい。これらのことを考慮して、本発明のペリクル貼付装置は、前記フォトマスク用支持器具4やペリクル貼付用器具5から受ける圧着応力によってマスク2あるいはペリクル3が局所的に歪みを生じることを利用する。
これは、このようなペリクル3であれば、本発明のペリクル貼付装置が備える、フォトマスク用支持器具やペリクル貼付用器具によって任意の形状にペリクル3を歪ませることが可能という機能を充分に活かせることによる。
Claims (5)
- 枠状のペリクルフレームの開口部に貼り渡されたペリクル膜を備えるペリクルを、そのペリクルフレームをフォトマスクに押し当てて取着する際に前記フォトマスクを支持するフォトマスク用支持器具であって、
前記フォトマスク用支持器具が前記フォトマスクを支持する支持面に、前記ペリクルフレームからの押し付け力が不均一となるように凹部が設けられている、
ことを特徴とするフォトマスク用支持器具。 - 枠状のペリクルフレームの開口部に貼り渡されたペリクル膜を備えるペリクルを、そのペリクルフレームをフォトマスクに押し当てて取着するペリクル貼付用器具であって、
前記ペリクル貼付用器具の前記ペリクルフレームへの押し当て面に、前記ペリクルフレームが前記フォトマスクに押し当てられる際の押し付け力が不均一となるように凹部が設けられている、
ことを特徴とするペリクル貼付用器具。 - 枠状を呈するペリクルフレームと、前記ペリクルフレームの開口部に貼り渡されたペリクル膜とを備えるペリクルを、そのペリクルフレームをフォトマスクに押し当てて取着するペリクル貼付装置であって、
前記ペリクル貼付装置は、前記ペリクルフレームを保持するペリクル貼付用器具と、前記フォトマスクを支持するフォトマスク用支持器具とを備え、
前記ペリクル貼付用器具の前記ペリクルフレームへの押し当て面あるいは前記フォトマスク用支持器具が前記フォトマスクを支持する支持面の少なくとも一方に、前記ペリクルフレームが前記フォトマスクに押し付けられる際の押し付け力が不均一となるように凹部が設けられている、
ことを特徴とするペリクル貼付装置。 - 枠状のペリクルフレームの開口部に貼り渡されたペリクル膜を備えるペリクルを、前記ペリクルフレームを保持するペリクル貼付用器具と、前記フォトマスクを支持するフォトマスク用支持器具とを用いて前記ペリクルフレームを接着層を介してフォトマスクに押し当てて取着するペリクルのフォトマスクへの貼付方法であって、
前記ペリクル貼付用器具の前記ペリクルフレームへの押し当て面あるいは前記フォトマスク用支持器具が前記フォトマスクを支持する支持面の少なくとも一方に、前記ペリクルフレームが前記フォトマスクに押し付けられる際の押し付け力が不均一となるように凹部を設け、
前記取着する際の前記ペリクルフレームの前記フォトマスクへの押し付け力を前記凹部により不均一とする、
ことを特徴とするペリクルのフォトマスクへの貼付方法。 - 請求項4記載の貼付方法によりペリクルが取着されたフォトマスク。
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