JP2005062634A - ペリクルマウンタ及びペリクルのフォトマスクへの装着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ペリクルをマスクに接着する場合にペリクル板とマスクとの間隔及び平行度を高精度に保持できるペリクルマウンタ、及びペリクルのマスクへの装着方法を提供する。
【解決手段】 ペリクル1及びフォトマスク3をそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクル1及びフォトマスク3のうち一方(フォトマスク3)を保持して相手側(ペリクル1)に加圧する圧力伝達部材(マスク支持部材4)ともう一方(ペリクル1)を保持する支持部材4の間にスペーサ5からなる間隔保持手段又はマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる間隔調整手段を取り付けた。
【選択図】 図1
【解決手段】 ペリクル1及びフォトマスク3をそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクル1及びフォトマスク3のうち一方(フォトマスク3)を保持して相手側(ペリクル1)に加圧する圧力伝達部材(マスク支持部材4)ともう一方(ペリクル1)を保持する支持部材4の間にスペーサ5からなる間隔保持手段又はマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる間隔調整手段を取り付けた。
【選択図】 図1
Description
本発明は、LSI、超LSIなどの半導体素子または液晶表示素子などの製造に用いられ、とりわけ波長220nm以下の光、特にF2レーザー光(波長157.6nm)を用いる露光に好適なペリクルに関するものである。特に、上記ペリクルをフォトマスクに装着するために用いるペリクルマウンタ及びペリクルのフォトマスクへの装着方法に関するものである。
半導体素子または液晶表示素子の製造における露光工程では、フォトマスクに異物があると、露光時にパターン欠陥(回路の短絡または断線等)が発生するので、マスクパターン面への異物付着防止のために、フォトマスクの片面または両面にペリクルを装着するのが一般的である。
従来のペリクルは、アルミニウム等からなる矩形フレームとニトロセルロースやフッ素樹脂などの有機樹脂等からなる数nm〜数μmの厚みのペリクル膜とからなり、ペリクル膜は、枠状のフレームの一方の開口面に接着剤等で貼り付けられる(例えば特許文献1参照)。
従来のペリクルは、アルミニウム等からなる矩形フレームとニトロセルロースやフッ素樹脂などの有機樹脂等からなる数nm〜数μmの厚みのペリクル膜とからなり、ペリクル膜は、枠状のフレームの一方の開口面に接着剤等で貼り付けられる(例えば特許文献1参照)。
近年、パターンの微細化、高密度化の要求に応じて波長220nm以下の光を用いる露光が検討されている。しかし、前述の有機樹脂膜等を使用したペリクルは、露光の解像力を向上させるために短波長の露光光を使用すると、有機樹脂膜の有機分が分解されるために耐久性が低い。そこで、露光に使用する波長を十分に透過し、且つ耐性も十分にある合成石英ガラスを薄い板に加工し、有機樹脂膜の代わりに使用することが検討されている。(以降、この板を有機樹脂製のペリクル膜と区別して、ペリクル板と称する。)この合成石英ガラスは、例えば、珪素源と酸素源とを気相で反応させスートと呼ばれる酸化珪素からなる多孔質を成長させ、この多孔質を焼結して得られる実質的に酸化珪素のみからなるガラスである。
合成石英ガラスをペリクル板として使用したペリクルを実際に露光工程で使用すると、合成石英ガラス自体が光エネルギーを吸収し熱を持つことにより、膨張する。また、フレーム自体も熱を帯びる。このとき、ペリクルフレーム材料として従来から用いられている材料、例えばアルミニウムやチタン等は、合成石英ガラスと熱膨張係数が異なるので、ペリクル板に応力を与え複屈折による光路の変動や機械的な撓みによる光路の変動を生じさせるおそれがある。よって、ペリクルフレーム材料としては、ペリクル板と熱膨張係数が等しい合成石英ガラス、もしくは溶融石英ガラス(以降、両者を併せて石英ガラスと称する。)が適している。
ぺリクル板は実用上の強度を確保するために0.05〜2.0mm程度の板厚が必要である。このため、有機樹脂のペリクル膜に比べて厚さが厚くなり、露光光の光路が変わり転写パターンの位置がずれて良好な露光が行えない場合がある。
ひとつは、ペリクル板内に厚みのばらつきがあると屈折光の光路が変わり転写パターンの位置がずれるためである。これ防止するためには、ペリクル板に許容される上下面の平行度は0.1μm/50mm以下が必要といわれる。
また、ペリクルフレーム上に貼り付けられた状態でペリクル板が反っていた場合、即ち、ペリクル板とフォトマスクとの平行度が悪い場合も屈折光の光路が変わり転写パターンの位置がずれる。これを防止するためには、フレーム上に貼り付けられた状態でのペリクル板の反りはペリクル板全面で2μm以下が必要とされる。
また、ペリクル板の平行度や反りが上記の許容範囲内にあるペリクル板を使用した場合であっても、転写パターンの位置ずれが生じる場合がある。即ち、ペリクルフレームの上下面の平行度が悪いとペリクル板とフォトマスクの平行度は所定の精度に収まらない。また、ペリクル板は、ペリクルフレームに接着されるので、接着面の平坦度が悪いと、ペリクルフレームの接着面の形状に矯正されることによってペリクル板が撓んだり、あるいは、撓みに抗する矯正力によってペリクル板内の複屈折を大きくしたりするなど光学上の不具合を発生させるおそれがある。
さらに、ペリクルフレームのフォトマスクに装着される側の面についても平坦度が悪いと、ペリクルフレーム自体に撓みが生じ、この撓みによって、ペリクル板に撓みや複屈折が生じるおそれがある。このため、ペリクルフレームの上下面の平坦度はそれぞれの面全域で1μm以下とされ、同時に上下面の平行度は全域で2μm以下とすることが求められる。
しかし、ペリクルフレームに接着した状態でのペリクル板の反りや、ペリクルフレームの上下面の平坦度、平行度が上記の許容範囲内にあっても、ペリクルがフォトマスク(以下、単にマスクともいう。)に傾いて装着されると、やはり、ペリクル板とマスクとの平行度が確保できない。
従来、ペリクルをマスクに装着する際には、ペリクル枠のマスク側端面に粘着剤を塗布するか、あるいは粘着テープを介して、ペリクルマウンタを用いてペリクル枠全周の側面をマスクに隙間なく密着させて装着し、塵埃等が出入りする隙間が形成されないように密封する。
しかしながら、このようなペリクルマウンタを用いて圧着する場合にマスクとペリクル板との平行が保てない場合があることがわかってきた。マスクとペリクル板の平行が保てないと、マスクを通して半導体ウェハにパターンを転写するときに、露光位置がずれるなどの問題が生じる原因となる。
この点を考慮したペリクルマウンタ及びペリクルのフォトマスクへの装着方法が特許文献2に開示されている。しかしながら、この特許文献2の発明では装置としての汎用性が高いとはいえない。
本発明は、ペリクルをマスクに接着する場合にペリクル板とマスクとの間隔及び平行度を高精度に保持できるペリクルマウンタ、及びペリクルのマスクへの装着方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクル及びフォトマスクのうち一方を保持して相手側に加圧する圧力伝達部材ともう一方を保持する支持部材の間にスペーサーからなる間隔保持手段又はマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる間隔調整手段を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタを提供する。
請求項2に係る発明では、ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクル及びフォトマスクのうち一方を保持して相手側に加圧する圧力伝達部材ともう一方を保持する支持部材の少なくとも一方の部材にマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる平行度調整機構を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタを提供する。
請求項3に係る発明では、ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクルまたはフォトマスクとそれを保持する支持部材の間にマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる平行度調整機構を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタを提供する。
請求項4に係る発明では、ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクルを保持する支持部材に設けた押圧部材でペリクル板面に対して一箇所以上の点または面を加圧する機構を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタを提供する。
請求項5に係る発明では、ペリクルまたはフォトマスのどちらか一方を保持し、他方に対し加圧する圧力伝達部材を上方に設けた支持筐体より吊り下げ、接着すべき前記他方の部材上に降下させる機能を有するシリンダー等からなる昇降機構を備えたペリクルマウンタであって、前記シリンダー等の可動部先端と圧力伝達部材とを連結する部分にユニーバーサルジョイント等からなる自在継手機構を設けたことを特徴とするペリクルマウンタを提供する。
請求項6に係る発明では、ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクルを保持する支持部材に開口部を設け、該開口部を通してペリクル板に対する距離を計測する非接触式の変位センサーあるいは光学的干渉計を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタを提供する。
請求項7に係る発明では、ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ支持部材で保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルのフォトマスクへの装着方法であって、ペリクルの平坦度及び/又はペリクルとフォトマスク間の平行度を、スペーサからなる間隔保持手段又はマイクロメータ、精密ネジ、ピエゾ素子などからなる間隔調整手段あるいは平行度調整機構を用いて一定に保ちながら又は調整しながらペリクルをフォトマスクに接着することを特徴とするペリクルのフォトマスクへの装着方法を提供する。
請求項1に記載の発明によれば、ペリクルまたはフォトマスクを保持・押圧して、両者を接着するペリクルマウンタにおいて、一方を保持・加圧する圧力伝達部材ともう一方を保持する支持部材の間にスペーサー、あるいは、マイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子などを取り付けることにより、両部材の間隔及び平行度を所定の値にすることが可能になり、両部材に保持されたペリクルとフォトマスクの平行度を精度よく接着することができる。
請求項2に記載の発明によれば、ペリクルまたはフォトマスクを保持・押圧して、両者を接着するペリクルマウンタにおいて、一方を保持・加圧する圧力伝達部材ともう一方を保持する支持部材の少なくとも一方の部材の保持に使用しない面にマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等を取り付け、もう一方の部材との平行度を調整する機能を持たせることにより、両部材に保持されたペリクルとフォトマスクの平行度を制御することが可能になる。
請求項3に記載の発明によれば、ペリクルまたはフォトマスクを保持・押圧して、両者を接着するペリクルマウンタにおいて、ペリクルまたはフォトマスクとそれを保持する支持部材の間にマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等を取り付け、もう一方の部材との平行度を調整することによりペリクルとフォトマスクの平行度を制御することが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、ペリクルまたはフォトマスクを保持・押圧して、両者を接着するペリクルマウンタにおいて、ペリクルを保持する支持部材に設けた端子等の押圧部材でペリクル板面、特にはペリクルの有効面に傷をつけないためフレームとの接着面上に対して一箇所以上の点または面で加圧することにより、ペリクルの反りやフォトマスクとの平行度を調整することが可能になる。
請求項5に記載の発明によれば、ペリクルまたはフォトマスのどちらか一方を保持・加圧する圧力伝達部材を、上方に設けた支持筐体より吊り下げ、シリンダー等の昇降機構で接着すべきもう一方の部材上に降下させるペリクルマウンタにおいて、シリンダー等の可動部先端と支持部材とを連結する部分にユニーバーサルジョイント等の自由度を持つ自在継手機構を用いることにより、ペリクルとフォトマスクが密着するときに、支持部材に保持されたペリクルまたはフォトマスクの傾きに下降する側が倣うことで両者の平行度を良好に形成することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ペリクルまたはフォトマスクを保持・押圧して、両者を接着するペリクルマウンタにおいて、ペリクルを保持する支持部材に開口部を設け、該開口部側にペリクル板に対する距離計測用の非接触式の変位センサーあるいは光学的干渉計を取り付け、接着前後のペリクルの反りやフォトマスクとの平行度を装置上で計測することが可能になり、平行度を調整しながら接着することができる。
請求項7に係る発明によれば、ペリクルまたはフォトマスクを保持・押圧して、両者を接着する場合に、一方を保持・加圧する圧力伝達部材ともう一方を保持する支持部材の間にスペーサー、あるいは、マイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子などを取り付けることにより、両部材の間隔及び平行度を所定の値に保ちながらペリクルをフォトマスクに接着するため、両部材に保持されたペリクルとフォトマスクの平行度を精度よく接着することができる。
以上のように、本発明によれば、転写パターンの位置ずれのないペリクル付フォトマスクを作成するためのマウンタを得ることができ、転写パターンの位置ずれの少ない高性能なペリクル付フォトマスクを得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、請求項1に記載されたスペーサを用いたマウンタの主要部の断面模式図を示す。ペリクル1は、ペリクルフレーム1aとこれに接着されたペリクル板1bとからなり、ペリクル支持部材2上に保持されている。ペリクルの開口側(図で上側)のフレーム面には、粘着剤または粘着テープ(不図示)が貼り付けられている。一方、ペリクル1の上方にはマスク支持部材(圧力伝達部材)4に保持されたマスク3があり、これが下降することによりペリクルとマスクを密着させ両者を接着する。このとき、ペリクル1とマスク3の間隔及び平行度を一定に保つために両部材2,4のどちらか一方に間隔保持手段としてスペーサ5を設ける。スペーサ5の高さ(保持すべき一定の間隔)は、接着するペリクル1の高さとマスク3の厚みと粘着剤または粘着テープの厚みから決定される。
図1は、請求項1に記載されたスペーサを用いたマウンタの主要部の断面模式図を示す。ペリクル1は、ペリクルフレーム1aとこれに接着されたペリクル板1bとからなり、ペリクル支持部材2上に保持されている。ペリクルの開口側(図で上側)のフレーム面には、粘着剤または粘着テープ(不図示)が貼り付けられている。一方、ペリクル1の上方にはマスク支持部材(圧力伝達部材)4に保持されたマスク3があり、これが下降することによりペリクルとマスクを密着させ両者を接着する。このとき、ペリクル1とマスク3の間隔及び平行度を一定に保つために両部材2,4のどちらか一方に間隔保持手段としてスペーサ5を設ける。スペーサ5の高さ(保持すべき一定の間隔)は、接着するペリクル1の高さとマスク3の厚みと粘着剤または粘着テープの厚みから決定される。
このとき、両部材の向かい合ったそれぞれの面の平坦度が良好でないと、粘着剤や粘着テープの弾性によりペリクルやフォトマスクが撓んでしまい接着後の平行度が悪化してしまう。このため各々の面の平坦度は2μm以下であることが望ましい。
なお、平坦度とは、面の起伏における最大の高さと最小の高さとの差をいう。また、平行度とは、一定の面積(ここでは、ペリクル板の面積)の範囲で2つの面の間の距離における最大値と最小値との差をいう。
同様にスペーサ5の上下面の平坦度と平行度が良好でなければ、ペリクルとマスクの平行度が悪化してしまう。よって、上下面の平坦度は2μm以下、平行度についても2μm以下が望ましい。
このスペーサ5の形状は、図1ではペリクル1を囲むように設置された枠体としているが、複数個の円柱や角柱でも目的を達することができる。但し、複数個のスペーサを設置した場合には、それぞれの高さのばらつきを2μm以下にする必要がある。
また、スペーサ5の材質は、接着時の温度変化を受けないように熱膨張係数の小さい材料であることが望ましいが、ペリクルやマスクの主要材料が石英ガラスであることを考慮すると、同一の材料であることがより望ましい。
図2は、図1で説明したスペーサに替えて両部材の間に間隔調整手段としてピエゾ素子6を設置した例である。ピエゾ素子を用いることにより、固定された間隔を保つのではなく、ペリクルやマスクの個々の厚みばらつきを吸収しながら間隔を調整できるといった利点がある。間隔調整手段として、このピエゾ素子の替わりにマイクロメータや精密ねじ等を使用した場合でも、同様の効果を得ることができる。
図3は、請求項2に記載された構成を示し、ペリクル支持部材2とマスク支持部材4との間に平行度調整機構を備えた場合を示す断面模式図である。ペリクル支持部2材のペリクル1を保持している領域の下側に複数個の平行度調整用のマイクロメータ7を設けることにより、もう一方のマスク支持部材4との間の平行度を制御することが可能である。
この機構は、二つの部材2,4のどちらか一方に取り付けることで有効に機能するが、より効果的にするために両方の部材に取り付けることもできる。
また、マイクロメータ7に替えて精密ねじやピエゾ素子等を使用することができる。
図4は、請求項3に記載された構成を示し、ペリクルとそれを保持するペリクル支持部材4との間に平行度調整機構を取り付けた断面模式図である。精密ねじ8を取り付けることでワーク(ペリクル)の姿勢を直接制御し、もう一方のワーク(マスク)との間の平行度を調整する。この図で示す精密ねじ8に替わって、マイクロメータやピエゾ素子等を使用することができる。
また、フォトマスク3についても同様にマスク3とマスク支持部材4との間に平行度調整機構を設けることができる。
この図4の平行度調整機構はペリクル側又はマスク側のいずれか一方に設けてもよいし、あるいは両方にも受けてもよい。
この図4の平行度調整機構はペリクル側又はマスク側のいずれか一方に設けてもよいし、あるいは両方にも受けてもよい。
このような平行度調整機構を取り付けた場合には、少なくともこの機構を取り付けた側の部材の平坦度を高精度にする必要がないといった利点がある。
図5は、請求項4に記載された構成であり、ペリクル板面を押圧してペリクルの反りや平行度を制御する機構を示す。ペリクル1を保持するペリクル支持部材2に設けたメカニカルプッシャー9等(端子や突起でもよい)からなる押圧部材でペリクル板面に対して一箇所以上の点または面を加圧することにより、ペリクル1の反りやペリクル板とマスク3との間の平行度を調整しながら接着する機構を搭載したペリクルマウンタである。
図6は、請求項5に記載された構成を示し、マスク支持部材4の吊り下げ機構を示す断面模式図である。マスク支持部材(圧力伝達部材)4を吊り下げるために該支持部材4の上方に吊り下げ用筐体10を設置し、筐体上にエアシリンダ11等の吊り下げ昇降機構を取り付ける。エアシリンダ11のロッド先端とマスク支持部材4は、ユニバーサルジョイント12で結合され、マスク支持部材(圧力伝達部材)4に保持されたマスク2がペリクル1上に降下することで両者を密着させる。自在継手であるユニバーサルジョイント12はジョイント部を中心として自由度を持っているため、下方に置かれたペリクル1が傾いていた場合であっても、傾きに倣ってマスク3を密着させることができるのでペリクル1とマスク3の平行度を良好に保った状態で接着することが可能である。
また、この自在継手機構を使用すれば、均等に接着圧をかけることが可能であるため前述の請求項1〜4までのいずれかの機構と組み合わせることで、より精度の高い接着が可能となる。
上記図1〜6の説明では、基本的にペリクル1を支持部材2に保持し、マスク3を圧力伝達部材4に保持した形態で詳細を記述したが、ペリクル1を上側の圧力伝達部材4にマスク3を下側の支持部材2に置き換えても効果を損なうものではない。
図7は、光学的干渉計を用いた測定機構付のマウンタを示す断面模式図である。ペリクル支持部材2に設けた開口部13を通して光学的干渉計14によりペリクル1の反りや傾きを測定することが可能である。また。光学的なノイズを消すことによって、ペリクル1とマスク3の平行度を測定することが可能である。この、光学的干渉計は、フィゾー干渉計やマイケルソン干渉計等を用いることができる。また、光学的干渉計に替り、レーザー変位計等の非接触式の変位計を用いる事も可能である。
この測定機構と前述の請求項1〜4の何れかの支持部材間の間隔・平行度を調整する機構を組み合わせることで、より精密な調整が可能となる。
次に本発明実施例について図を用いて説明する。図8は、本発明の実施に当たり使用したマウンタの主要部を示す断面模式図である。合成石英製のペリクル板1bと石英ガラス製のフレーム1aからなるぺリクル1(126mm×148mm×4.4t)は、合成石英ガラス製のペリクル支持部材2上に載置される。ペリクル支持部材2は、上下面を両面研磨機により鏡面研磨されており、そのうちのペリクル1を保持する面の平坦度は、152mm×152mmの範囲で1.5μmであった。
ペリクル支持部材2と該支持部材2を固定する支持プレート20には、開口部21があり、装置下部に設けられたフィゾー干渉計14によって接着中のペリクル1の反りやフォトマスク3との間の平行度が計測可能となっている。
ペリクル支持部材2を保持する移動ステージ18ごとレール17上を実線で示すマウンタ中心部より引き出すことにより、ペリクル1をペリクル支持部材2に載置することができる。また、ペリクル支持部材2とマスク支持部材4の平行度は、ペリクル支持部材2下部の4箇所に設けたペリクル支持部材調整ねじ16によって調整することができる。
一方、公知の方法で得られたフォトマスク3(152mm×152mm×6.35mm)は、同じく合成石英ガラス製のマスク支持部材4に吸着孔(不図示)を介して吸着保持されている。マスク支持部材4も両面研磨機により鏡面研磨されており、152mm×152mmの範囲の平坦度は0.5μmであった。この支持部材4は、左端の蝶番19により180度反転が可能となっていると同時にスリットにより上下の移動が可能となっている。これによりマスク3を保持した状態でペリクル1側に反転したとき、マスク3と支持部材4の自重によりペリクルに対し接着圧がかかるようになっている。
図の左の点線は、反転した状態でのマスク3の保持機構部(マスク保持部材4)を示し、この状態でマスク3はマスク支持部材4に保持される。また、必要に応じて、支持部材2,4同士の平行度を調整できるように、該支持部材4の4箇所にマスク支持部材調整ねじ15が設けられている。
実際に貼り合せを行った手順を以下に示す。
最初に、左点線で示す状態でマスク3をマスク支持部材4に保持させた。
最初に、左点線で示す状態でマスク3をマスク支持部材4に保持させた。
次に、右点線で示す状態で移動ステージ18上のペリクル支持部材2に粘着剤付ペリクル1を載置し、ステージ18ごと装置中心部に移動させる。このときのペリクル1の反りは下側に凸形状をしており、4.3μmであった。また、2.0μmの傾きが計測されたので、ペリクル支持部材調整ねじ16によって1.0μmまで傾きを修正した。
続いて、マスク支持部材4を180度反転させ、ペリクル1とマスク3を重ね合わせた。このときのペリクル1の反りを測定したところ、下側に凸形状で4.8μmであり、傾きは接着前と同様に1.0μmであった。
本実施例では、支持部材4や支持プレート20の移動方法として蝶番19を用いた反転方式や、レール17による水平移動方式を用いたが、これらに限定されるものではなく、所定の目的を満たすものであれば方法は問わない。
1:ペリクル、2:ペリクル支持部材、3:フォトマスク、
4:フォトマスク支持部材、5:スペーサ、
6:間隔・平行度調整用ピエゾ素子、
7:間隔・平行度調整用マイクロメータ、8:精密ねじ、
9:メカニカルプッシャー、10:吊り下げ用筐体、
11:エアシリンダ、
12:ユニバーサルジョイント、13:開口部、14:光学的干渉計、
15:フォトマスク支持部材調整ねじ、
16:ペリクル板支持部材調整ねじ、17:レール、
18:移動ステージ、19:蝶番、20:支持プレート、21:開口部。
4:フォトマスク支持部材、5:スペーサ、
6:間隔・平行度調整用ピエゾ素子、
7:間隔・平行度調整用マイクロメータ、8:精密ねじ、
9:メカニカルプッシャー、10:吊り下げ用筐体、
11:エアシリンダ、
12:ユニバーサルジョイント、13:開口部、14:光学的干渉計、
15:フォトマスク支持部材調整ねじ、
16:ペリクル板支持部材調整ねじ、17:レール、
18:移動ステージ、19:蝶番、20:支持プレート、21:開口部。
Claims (7)
- ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクル及びフォトマスクのうち一方を保持して相手側に加圧する圧力伝達部材ともう一方を保持する支持部材の間にスペーサーからなる間隔保持手段又はマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる間隔調整手段を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタ。
- ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクル及びフォトマスクのうち一方を保持して相手側に加圧する圧力伝達部材ともう一方を保持する支持部材の少なくとも一方の部材にマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる平行度調整機構を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタ。
- ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクルまたはフォトマスクとそれを保持する支持部材の間にマイクロメーター、精密ねじ、ピエゾ素子等からなる平行度調整機構を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタ。
- ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクルを保持する支持部材に設けた押圧部材でペリクル板面に対して一箇所以上の点または面を加圧する機構を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタ。
- ペリクルまたはフォトマスのどちらか一方を保持し、他方に対し加圧する圧力伝達部材を上方に設けた支持筐体より吊り下げ、接着すべき前記他方の部材上に降下させる機能を有するシリンダー等からなる昇降機構を備えたペリクルマウンタであって、前記シリンダー等の可動部先端と圧力伝達部材とを連結する部分にユニーバーサルジョイント等からなる自在継手機構を設けたことを特徴とするペリクルマウンタ。
- ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルマウンタであって、ペリクルを保持する支持部材に開口部を設け、該開口部を通してペリクル板に対する距離を計測する非接触式の変位センサーあるいは光学的干渉計を取り付けたことを特徴とするペリクルマウンタ。
- ペリクル及びフォトマスクをそれぞれ支持部材で保持し、両者を相互に押圧して接着するペリクルのフォトマスクへの装着方法であって、ペリクルの平坦度及び/又はペリクルとフォトマスク間の平行度を、スペーサからなる間隔保持手段又はマイクロメータ、精密ネジ、ピエゾ素子などからなる間隔調整手段あるいは平行度調整機構を用いて一定に保ちながら又は調整しながらペリクルをフォトマスクに接着することを特徴とするペリクルのフォトマスクへの装着方法。
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-
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