JP2011017833A - ペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法、ペリクル付マスク - Google Patents

ペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法、ペリクル付マスク Download PDF

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Abstract

【課題】マスクにペリクルを貼り付ける際に、マスクの平坦度を任意に制御することができるペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法を提供することを目的とする。
【解決手段】マスクにペリクルを圧着して貼り付けるペリクル貼付装置であって、前記ペリクルを所定の圧力で制御しながら前記マスクに押し当てるペリクル押圧制御部と、ペリクル圧着時において前記マスクに接して局所的に圧着応力を加えるマスク基板保持器具を複数個具備するマスク基板保持部と、前記ペリクルを貼り付けた状態で前記マスクの平坦度測定を行う平坦度測定部とを少なくとも備え、前記マスク基板保持器具は前記マスクに対して垂直方向に伸張する先端部を有し、その伸張量はそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体デバイスなどの製造に用いられる露光用マスクの製造において、特にペリクルをマスクに装着するためのペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法に関する。
従来、半導体集積回路の製造におけるリソグラフィー工程、特に投影露光工程では、石英ガラスの透明基板上に遮光性膜や半透過性膜などの薄膜からなるパターンを形成したフォトマスク(以下、単にマスクともいう)をウェハへのパターン転写用原版として用いている。この工程ではステッパーと呼ばれる縮小投影露光装置を用いて、水平に設置されたマスクを介して光をウェハに照射し、ウェハ上の感光性樹脂層(フォトレジスト)に所定のパターンを露光転写する。
近年のリソグラフィ工程においては、マスクのパターン上に異物が付着するのを防ぐため、一般にペリクルと称する保護膜付き部材をマスク上に貼り付け、マスクパターンを異物付着から保護することが行われる。ここで、「ペリクル」とは、露光光を透過する高分子薄膜からなる透明なペリクル膜と、金属製または金属化合物製のペリクルフレーム(枠)とから構成されてなるものを指し、前記ペリクルフレームは上面および下面を開口部とした箱状の枠であり、前記ペリクル膜はペリクルフレーム上面の開口部に張り渡すように接着されている。
ペリクルをマスクに装着する作業の一例を説明する。近年、この作業は通称「ペリクルマウンタ」と呼ばれるペリクル貼付装置を用いて行われる。まず、予めフォトマスクをマウンタのステージ上に載置し、ペリクル貼付部で位置決めする。その後マスクをステージ上で固定し、ペリクルフレーム下面に接着層を形成してあるペリクルをマスク上の回路パターンを覆うように配置する。そしてペリクルに所定の押圧力を加えてマスクに圧着させ、所定時間その押圧力を維持して貼り付けることにより、ペリクルがマスクに強固に固定して装着される。
前記のペリクル付きマスクを用いて得られる具体的な効果としては、例えば半導体用ウェハへの投影露光を行う際にペリクル膜上に異物が付着したとしても、ペリクルフレームの高さは通常3.5〜9mm程度あり、マスク表面とペリクル膜表面とはこの高さ分の距離があるため、投影光学系の焦点はマスク表面のマスクパターンに合わせてあるので、ペリクル膜上の異物はウェハの被露光面に焦点が合わず、光学像としていわゆる「ぼけ」を生じる。
そのため、前記ペリクル膜上に付着した異物がある程度小さければ、ウェハ上で欠陥パターンとしては転写形成されない。もちろん充分に大きい異物であれば転写されうるが、そのような大きい異物が露光工程でマスクに付着することは、少なくともマスク製造工場内および半導体製造工場の通常のクリーンルーム内の作業環境であれば、殆ど問題にならない程度の発生率である。
従って、このようなペリクル付きマスクを用いることによって微小な異物による欠陥パターンの転写形成を防止することができ、これにより露光工程における製品の欠陥発生率は大きく低下し、歩留まりが向上する。
また、ペリクルを貼り付けるためにマスクに圧力を加える際、圧力はマスクに均等にかけることが基本である。もし均等な圧力になっていない場合は、ペリクルもしくはマスク
自体の平坦性に歪みが生じる可能性がある。また、ペリクルフレーム自体に歪みがある場合、圧着後、マスクがペリクルフレームの歪みの影響を受けてしまい、平坦度が悪化することがありうる。
そのため、近年はペリクル貼付後のマスクの平坦度を測定することの必要性が議論されている。この平坦度を測定するために、ペリクルの貼られたマスクを平坦度測定機にかけて測定を行う。平坦度測定は、マスクの自重による歪みを最小限にするために、通常はマスクを垂直に立てた状態で測定される。
従来、マスクの平坦度は石英ガラス基板の製造時において測定された平坦度が基準とされており、マスク製造工程においてマスクパターンが形成されて最終的にペリクルをマスクに接着した状態での平坦度は、通常製品では測定されていない。
しかしながら、前述のように、マスクにペリクルを貼り付けるため圧着を行う際にマスクとペリクルフレームの間の圧着強度が均一でなかった場合や、もともとペリクルが歪みを持っていた場合は、ペリクルの歪み応力によってマスクの歪みが生じる可能性がある。ペリクルは、フォトマスクに貼付けた後にペリクルが外れたりずれたりしないよう強固に固着されるため、ペリクルによる歪み応力がマスクに直接伝わるので、マスクの平坦度の歪みの要因となりうる。
したがって、マスクは理想的には露光転写時において完全に平坦であることが好ましいが、これまでマスクの平坦度は、基板材料である石英ガラスの平坦度を測定しており、マスク作製後のペリクルを貼った後の平坦度は、厳密な意味では保証されていなかった。
これは、石英ガラスは非常に硬く強固な固体材料であるため、ペリクルを貼り付けた程度の歪み応力では、要求されるマスク平坦度に影響するほどではないとされていたこと、およびマスクの自重によるたわみは無視されてきたことによる。
しかしながら、最近の研究では従来要求されたマスクの平坦度では問題が生じるおそれが出てきた。その問題とは、マスクが歪んでいた場合、ウェハ製造工程の投影露光においてそのようなマスクを用いた際に、マスク歪み量に応じてマスクパターン面の焦点ずれを生じるため、ウェハ上の転写パターン特性において焦点深度特性が劣化したり、転写パターンの位置ずれや寸法ずれ、形状不良が生じるなどの不具合が起きるという問題である。
特に近年は半導体回路の微細化が顕著に進展しており、ウェハパターンの欠陥やパターン寸法値の要求特性は非常に厳しくなっているので、マスクに対する要求特性も厳しく、防塵のためのペリクル装着は必須であると同時に、前記のようなペリクルの歪みによるマスク平坦度への影響が無視できなくなってきている。
具体的には、石英ガラス基板の平坦度は、例えば基板の外形寸法が152mm角で板厚が6.4mmの場合、通常は平坦度の規格が、0.5マイクロメートル(μm)以下の基板を用いている。前述のように近年は更に高い平坦度が要求されており、マスクとして、平坦度が0.3マイクロメートル以下であることが必要となってきている。
また、近年、マスク使用状態における、自重たわみによる平坦度の変化も問題視されている。そのため、仮にペリクル貼付後のマスクの平坦度がゼロすなわちフラットであっても、露光装置にマスクが載置されて露光する際には、実際にはマスクの自重たわみにより平坦度が悪化していることが考えられる。
すなわちこの場合には、マスクの平坦度がゼロであるよりも、露光時に自重たわみを相殺するような状態であった方が好ましいと考えられる。しかし、そのようにするためには、マスクの平坦度を任意の状態に制御することが必要になる。
なお、前記のマスク平坦度とは、マスク基板の外周領域(一般的には基板の四辺の端部から内側に5mmまでの枠状の領域)を除いた内側の領域を測定範囲として、ペリクルエリア内の最小二乗平面からのずれの最大値と最小値の差(TIR:Total In Range)の値を表す。実際には、平面に近い面でのごくわずかな曲面的歪みを測定することになるが、測定範囲内の測定位置をXY軸座標で表し、測定した凹凸の値をZ軸座標で表せば、測定値はXY平面での2次元分布として表される。
特開平04−70657号公報 特許第3242693号公報
本発明は、以上の問題に鑑み、マスクにペリクルを貼り付ける際に、マスクの平坦度を任意に制御することができるペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法を提供することを目的とする。
本発明において、上記の課題を解決するために、
請求項1に記載のペリクル貼付装置は、
前記ペリクルを所定の圧力で制御しながら前記マスクに押し当てるペリクル押圧制御部と、ペリクル圧着時において前記マスクに接して局所的に圧着応力を加えるマスク基板保持器具を複数個具備するマスク基板保持部と、前記ペリクルを貼り付けた状態で前記マスクの平坦度測定を行う平坦度測定部とを少なくとも備え、
前記マスク基板保持器具は前記マスクに対して垂直方向に伸張する先端部を有し、その伸張量はそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
請求項2に記載のペリクル貼付装置は、
ペリクル圧着時において前記ペリクルに接して局所的に圧着応力を加えるペリクル保持器具を複数個具備して前記ペリクルを前記マスクに押し当てるペリクル押圧制御部と、
前記マスクを保持するマスク基板保持部と、前記ペリクルを貼り付けた状態で前記マスクの平坦度測定を行う平坦度測定部とを少なくとも備え、
前記ペリクル保持器具は前記ペリクルに対して垂直方向に伸張する先端部を有し、その伸張量はそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
請求項3に記載のペリクル貼付装置は、
ペリクル圧着時において前記ペリクルに接して局所的に圧着応力を加えるペリクル保持器具を複数個具備して前記ペリクルを前記マスクに押し当てるペリクル押圧制御部と、
ペリクル圧着時において前記マスクに接して局所的に圧着応力を加えるマスク基板保持器具を複数個具備するマスク基板保持部と、前記ペリクルを貼り付けた状態で前記マスクの平坦度測定を行う平坦度測定部とを少なくとも備え、
前記マスク基板保持器具は前記マスクに対して垂直方向に伸張する先端部を有し、その伸張量はそれぞれ独立して制御し、さらに前記ペリクル保持器具は前記ペリクルに対して垂直方向に伸張する先端部を有し、その伸張量はそれぞれ独立して制御することを特徴とする。
請求項4に記載のペリクル貼付装置は、
前記マスク基板保持器具および/または前記ペリクル保持器具が、ピエゾアクチュエータを用いたことを特徴とする。
請求項5に記載のペリクル貼付装置は、
前記平坦度測定部が、前記ペリクル押圧制御部を挟んで前記マスク基板保持部と反対側に設置され、かつレーザー射出器およびレーザー検出器を少なくとも含むことを特徴とする。
請求項6に記載のペリクル貼付方法は、
前記請求項1ないし5に記載のペリクル貼付装置を用いて、前記ペリクルと前記マスクとを貼り合わせてマスクの平坦度を測定する第1の平坦度測定工程と、前記第1の平坦度測定の結果に基づいて前記平坦度が予め設定された任意の値に近づくように前記マスク基板保持器具および/または前記ペリクル保持器具の先端部の伸張量を調整する第1の伸張量調整工程と、前記マスクに前記ペリクルを圧着する第1の圧着工程とを含むことを特徴とする。
請求項7に記載のペリクル貼付方法は、
前記請求項1ないし5に記載のペリクル貼付装置を用いて、前記ペリクルと前記マスクとを圧着させる力を所定の圧力に応じて段階的に変化させる第2の圧着工程と、
前記マスクの平坦度を測定する第2の平坦度測定工程と、前記第2の平坦度測定の結果に基づいて前記平坦度が予め設定された任意の値に近づくように前記マスク基板保持器具および/または前記ペリクル保持器具の伸張量を制御および調整する第2の保持器具伸張量調整工程とを含み、前記第2の圧着工程、第2の平坦度測定工程および第2の保持器具伸張量調整工程を前記マスクの平坦度が所定の規格値以内に達するまで繰り返すことを特徴とする。
請求項8に記載のペリクル付マスクは、
前記請求項6または7に記載のペリクル貼付方法を用いてペリクルが貼り付けられてなることを特徴とする。
本発明のペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法によれば、実際にペリクルを貼り付ける際のマスクの歪みを、ペリクルの圧着中にリアルタイムで測定することができる。
そして測定されたマスクの平坦度の歪みをフィードバックして、マスク基板保持器具あるいはペリクル保持器具の伸張量をそれぞれ独立に制御・調整してマスクやペリクルの歪み具合に対する適切な応力を与えることにより、ペリクル貼付後のマスクの平坦度を任意に制御することが可能になる。また、ペリクルを貼り付ける作業を行いながら並行して平坦度を測定するので、効率的かつ高精度なペリクル付マスクの製造ができる。
また、本発明のペリクル貼付方法を用いて製造されたマスクを使用して半導体を製造することで、高い寸法精度、位置精度の半導体製造が可能になる。
本発明の第一の実施態様におけるペリクル貼付装置の構成を示す図である。 本発明の第一の実施態様におけるペリクル貼付装置の構成を示す図である。 本発明の第二の実施態様におけるペリクル貼付装置の構成を示す図である。 本発明の第二の実施態様におけるペリクル貼付装置の構成を示す図である。 本発明の第三の実施態様におけるペリクル貼付装置の構成を示す図である。 本発明の実施態様における保持器具の先端部を示す図である。 本発明の実施態様における平坦度測定部を示す図である。 本発明の実施態様における第一のペリクル貼付方法の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施態様における第二のペリクル貼付方法の手順を示すフローチャートである。
以下、本発明のペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法の実施形態を添付の図面を参照して詳細説明する。
本発明のペリクル貼付装置は、基本構成としてマスク基板制御部、ペリクル押圧制御部、および平坦度測定部を含んでいる。これらの構成を図1〜図6に示す。
なお、前記ペリクル貼付装置の他の構成部分として、前記各部とはインターフェースを介して接続されてその制御指示および/またはデータ解析を行うコンピュータシステム、およびその操作端末、表示装置、プリンタ、データサーバ等があり、これらの構成部は適宜必要に合わせて備えられるが、特に図示しない。
(第一の実施態様)
図1および図2は、本発明のペリクル貼付装置の第一の実施態様の主要な構成を示す図であり、図1はマスク基板制御部1にマスク2が載置され保持されている状態を示している。マスク基板制御部1は、マスク基板保持器具4とXY駆動制御ステージ5とを少なくとも備えており、その役割は、マスク2をマスク基板保持器具4によって保持し、さらにXY駆動制御ステージ5を稼動させてマスク2の位置を制御・調整して、前記ペリクル3がマスク2のマスクパターン面2a上の適正な位置に貼付けられるようにすることにある。
前記マスク2は、マスクパターン面2aの反対側の面(ガラス面)が前記マスク基板保持器具4と接触するようにして保持されている。ここで、図1に示すように、マスク基板保持器具4は前記XY駆動制御ステージ5に接して固定されており、マスクの四辺の端部に沿うようにして複数個が配置されている。
前記マスク基板保持器具4は、圧電素子(ピエゾ素子)を用いた駆動装置であって、ピエゾアクチュエータと呼ばれ、本発明のペリクル貼付装置においては構成部品の一つとして扱われる。
マスク基板保持器具4の先端部6は前記ピエゾアクチュエータの一部分であり、印加電圧に従って伸張するようになっている。この先端部6の伸張機能は、本実施態様では前記ピエゾアクチュエータの持つ機能を利用しており、前記先端部6は前記インターフェースを介して接続されたコンピュータシステムから出力される制御信号に従って印加電圧が与えられ、駆動する。
前記マスク基板保持器具4は、その先端部6を伸張させることによって任意の長さに制御・調整することができ、図1のようにマスク2と接して局所的にこれを保持する。また、各マスク基板保持器具4は、それぞれが独立に制御でき、後述するマスク平坦度の測定値データに基づいて算出された制御指示データに基づいて、それぞれに決められた伸張量だけ前記先端部6を伸張させるようになっている。
マスク平坦度をゼロに制御するためには、基本的には前記のようなマスク基板保持器具4の先端部6の高さが、フラットな状態で揃っていればよい。
しかしながら、前述のようにマスクを露光に用いる際には、例えばマスクの自重たわみのような問題がある。このような問題に対しては、自重たわみを相殺するように前記先端部6の伸張量をそれぞれ調整することによって、圧力のかかり方を調整することが望ましい。
ただし、実際に先端部6の伸張量調整を行うにあたっては、事前にマスク基板を用いて
実験を行い、適正な位置を求めておくことが望ましい。
これは、マスクの平坦度に関わる要因がマスク基板の反り変形やパターン膜の応力歪み、あるいは前述のペリクル貼付による応力など多岐にわたり、かつ複雑な関係であるため、マスクの平坦度と圧力のかけ方は特定の関係式により一律に計算できるものではないことが考えられるためである。
なお、前記マスク基板保持器具4はマスク2を保持できるように配置すればよく、図1の構成に限るものではない。例えば、マスクのメインパターン領域2bも含めたマスク全面に前記マスク基板保持器具4を均等に配列してもよい。
ただし、マスク2と前記先端部6とが接触することによりマスクに傷や異物がついてしまう可能性があるので、図1のようにマスクのメインパターン領域2b(ウェハへの露光転写用のマスクパターン領域)が存在するマスク内周部分には、このような接触する状態は好ましくない。そのため、メインパターンの範囲外であるマスク外周領域2cに沿って配置することが望ましい。
なお、前記マスク基板保持器具4を配置する個数および配置位置は特に限定しないが、マスクの一辺において等間隔かつ各辺で同個数になるように配置し、配置の重心が偏りのないようにすることが好ましい。
マスク2を、そのマスクパターン面2aの反対側の全面で保持する場合には、マスク基板保器具4とマスク2のガラス面とが、点接触や線接触のようなできるだけ接触面積を小さくする工夫を施して傷や異物付着を避けることが好ましい。
本発明の実施態様の場合、図1のようにマスク基板保器具4は四辺に沿って配列されている。そのため、圧力が一点に集中してかからないように、各先端部6は図8に示すような山型、あるいはカマボコ型などの形状にすることにより、マスクに対して線接触する形にすること、すなわちなるべく接触面積が小さくかつ一点への集中加重が避けられるようにすることが望ましい。あるいは、先端部6にゴム状物や合成樹脂を被覆して、加傷を避けるようにしてもよい。
図2は、前記マスク基板制御部1にマスク2を載置し、さらに貼り付けようとするペリクル3をペリクル押圧制御部10に装着した状態を示している。
ペリクル押圧制御部10は、押し当てプレート11の前記マスク基板制御部1に向いた面にペリクル3が載置され、前記押し当てプレート11の他方の面には、トルクメータ13を介してモーター12が取り付けられている。
押し当てプレート11は、ペリクル3をマスク2に押し当てて圧着を行う部位であり、モーター12による駆動力がトルクメータ13を介して押し当てプレート11へ伝わり、ペリクル3をマスク2に圧着する圧力が加えられる。
ペリクル圧着時の押し当てプレート11の圧力は、このトルクメータ13によりリアルタイムに測定でき、かつ所定の圧力に制御できるようになっている。そしてペリクル3は、ペリクル押し当てプレート11を介して所定の圧力でマスク2に押し当てられ、所定時間の圧着によってペリクル3がマスク2に強固に接着される。
また、ペリクル押圧制御部10は、押し当てプレート11の位置を前後左右上下に移動制御する機構を備えており、マスク2にペリクル3を貼り付ける際に、貼り付け位置を微調整することができるようになっている。
実際のペリクル貼付工程においては、マスクパターンに設けられたペリクル用位置合わ
せマークを用いて精密に重ね合わせる。
ペリクル3は、一方のペリクル膜を張り渡した面が前記押し当てプレート側に向いており、他方の面には所定の接着剤による接着層が設けてある。ただし、ペリクルフレームはその内側が開いている枠構造であるため、ペリクル3を押し当てる際には、前記押し当てプレート10はペリクルフレームのみを押すようになっている。
(第二の実施態様)
図3および図4は本発明のペリクル貼付装置の第二の実施態様の主要な構成を示す図であり、図3はペリクル押圧制御部10’にペリクル3が載置された状態を示している。ペリクル押圧制御部10’は、押し当てプレート11’とペリクル保持器具20を含んでいる。
前記ペリクル押圧制御部10’は、ペリクル3をペリクル保持器具20によって保持し、さらに押し当てプレート11’を動かしてペリクル3の位置を制御・調整して、このペリクル3をマスクの適正な位置に貼り付けるための部位である。
前記ペリクル3は、ペリクル膜を貼り渡した面が前記押し当てプレート11’およびペリクル保持器具20の側を向き、他方の面は接着剤による接着層を設けてある。
ここで、前記ペリクル保持器具20は前記押し当てプレート11’に接して、図3の平面図に示したように、ペリクル3のフレームの四辺に沿うような位置に複数個が配置されている。
本実施態様において、前記ペリクル保持器具20はピエゾアクチュエータを用いている。その役割および機能は前述の第一の実施態様におけるピエゾアクチュエータと同様であり、その先端部を伸張させることで任意の長さに制御・調整して、ペリクル3を保持する。ペリクルに圧着力が加えられた場合には、各ペリクル保持器具20の先端部21がそれぞれペリクルに局所的な圧着応力を与える。
また、各ペリクル保持器具20の先端部21は、その伸張量がそれぞれ独立に制御できることも第一の実施態様の場合と同様である。
本実施態様の場合、図3の平面図に示したように、ペリクル保持器具20および先端部21はペリクルの四辺に沿って配列されている。そのため、圧力が一点に集中してかからないように、各先端部21は前記第一の実施態様の場合と同様に、図8に示すような山型、あるいはカマボコ型などの形状にすることにより、マスクに対して線接触の形にすること、すなわちなるべく接触面積が小さくかつ一点への集中加重が避けられるようにすることが望ましい。あるいは、先端部21にゴム状物や合成樹脂を被覆することで加傷を避けるようにしてもよい。
また、配置するペリクル保持器具20の個数および配置位置は特に限定しないが、ペリクルの一辺において等間隔かつ各辺で同個数になるように配置し、配置の重心が偏りのないようにすることが好ましい。
図4は、マスク基板制御部1’にマスク2を載置し、さらに貼り付けようとするペリクル3を前記ペリクル押圧制御部10’に装着した状態を示している。
前記マスク基板制御部1’は、第一の実施態様と異なり、マスク基板保持器具は設けておらず、XY駆動制御ステージ5’にマスク2が載置され保持されている。
また、前記ペリクル押圧制御部10’は、図3に示した構成と同様であり、ペリクル3は、前記ペリクル保持器具20によって保持された状態で、押し当てプレート11’からの押し当て圧力によってマスク2に圧着される。そしてペリクルをマスクに圧着する機構
については、前記第一の態様の場合と同様な機構を有する。
(第三の実施態様)
前記第一の実施態様および第二の実施態様は、それぞれマスク側のみあるいはペリクル側のみに保持器具を具備して、局所的な圧着応力のかけ方を任意に制御できる機構を備えていた。
しかしながらこれらの場合、保持器具を有する側は局所的な圧着応力を与えられるが、対向する側はフラットな圧力のかけ方になってしまうため、例えば圧着前の状態でマスクの歪みとペリクルの歪みが両方ある場合などには、充分に意図したような平坦度を得られない場合もありうる。
そこで、このような場合にも任意の平坦度を得るために、下記に第三の実施態様を示す。図5は本発明の第三の実施態様の主要な構成を示す図であり、マスク基板制御部1’にマスク2を載置し、さらに貼り付けようとするペリクル3を前記ペリクル押圧制御部10’に装着した状態を示している。
本実施態様の構成は、前記の第一の実施態様におけるマスク基板制御部1と、前記第二の実施態様におけるペリクル押圧制御部10’とを併せ持っている。
マスク基板制御部1’はマスク基板保持器具4とXY駆動制御ステージ5とを少なくとも備え、前記マスク基板保持器具4は複数個が配置され、それぞれピエゾアクチュエータを用いている。
また、ペリクル押圧制御部10’は押し当てプレート11’とペリクル保持器具20を少なくとも備え、前記ペリクル保持器具20は複数個配置され、それぞれピエゾアクチュエータを用いている。
これらのピエゾアクチュエータの役割および機能は前記の実施態様の場合と同様であり、その先端部を伸張させることで任意の長さに制御・調整して、マスクやペリクルを保持する。
このような構成により、ペリクル貼付の際に、マスク側からの圧力とペリクル側からの圧力とが、それぞれ任意に制御できる。そのため、マスクの歪みおよびペリクルの歪みに対して、それぞれ直接的に圧力を加えて平坦度を制御することができる。
なお、本発明のペリクル貼付装置においては、マスクおよびペリクルがいずれも完全な剛体ではなく、ある程度の力を加えることにより歪み・変形が生じることを前提としている。
実際に、マスクは合成石英ガラスを基板材料としているが、そのヤング率(弾性係数)は一般に7×10の10乗(N/m)程度であって、前述のようにペリクル貼付時においてもマスクはわずかに歪みを生じ、マスク平坦度に影響を与える。
また、ペリクルフレームは厚さ数mm程度の金属枠であるため、マスクよりも歪みやすい。これらのことを考慮して、本発明のペリクル貼付装置は、前記マスク基板保持器具4やペリクル保持器具20から受ける圧着応力によってマスクあるいはペリクルが局所的に歪みを生じることを利用する。
なお、以上説明した本発明の実施態様では、いずれもピエゾアクチュエータを用いているが、マスク基板保持器具およびペリクル保持器具の構成部品としてはこれに限るものではなく、同様な機能を有する基板/ペリクル保持調節機構であれば他の器具を用いてもよく、例えば精密ねじ等を用いることができる。
(平坦度測定方法)
次に、ペリクルをマスクに圧着している際に行うマスクの平面度測定について説明する。図6は、本発明のペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法において、平坦度測定部および測定方法を示す図である。
なお、図6では図示しないが、測定するマスク3と平坦度測定部30の間にはペリクル3と押し当てプレート11が挟まれており、平坦度測定部30は、レーザー光がペリクル3および押し当てプレート11の開口部を通過して、マスクパターン面2aの平坦度を測定するようになっている。
図6で、マスク2の平坦度の測定は次のような方法にて行う。
まず、マスクパターン面2aの測定領域に、斜め方向からレーザー射出器31を用いてレーザー光33を照射し、マスクパターン面2aから反射されたレーザー光33をレーザー検出器32にて集光して、光の干渉効果による光強度分布(干渉縞)を検出する。
ここで平坦度の測定領域は、通常の場合、マスク四辺の各端部から5mm前後内側の領域になる。
このときマスク2の任意の場所の平坦度が連続して測定できるように、マスク2と押し当てプレート11はそれぞれ任意に位置を移動し調整して位置合わせをする。
これにより、マスクの所定位置のレーザー光による計測が終了した後、計測されたレーザー光の情報は平坦度測定器30に接続されたコンピュータシステム(図示せず)の平坦度解析プログラムによって解析され、マスクの平坦度が算出される。
なお、レーザー光を用いたこのような測定方法は、一般的に斜入射位相干渉法と呼ばれる手法を採用したものである。ただし、本発明の実施態様における平坦度測定方法においては、この方法に限るものではなく、マスクの平坦度を測定する手法であれば、適宜他の手法も適用してよい。
図には示さないが、平坦度測定器30およびマスク基板保持器具4、およびペリクル保持器具20は、コンピュータシステムとインターフェースを介して接続されている。前記の平坦度の結果はこのコンピュータシステムにフィードバックされ、この結果に応じたマスク基板保持器具4あるいはペリクル保持器具20の各先端部の伸張量調整量が自動的に算出され、この伸張量調整が実行される。
(第一のペリクル貼付方法)
本発明のペリクル貼付方法の実施例として、以下の手順を説明する。
図8は第一のペリクル貼付方法の主要手順を示すフローチャートである。なお、この例ではペリクル貼付装置として、図1および図2で示した構成を用いる。
(手順A1:マスクとペリクルの貼り合わせ)
まず、マスク2をマスク基板制御部1に載置し、ペリクル3をペリクル押圧制御部10に取り付ける。マスク2はマスク基板保持器具4によって保持されている。
そして押し当てプレート11を動かし、マスクパターン2aに設けられたペリクル用位置合わせマーク(図示せず)を参照しながら、ペリクル3をマスク2の所定の位置に軽く接着させる。
このときのペリクル押圧力は、ペリクルフレームの下面に設けられた接着剤がマスクに被着し、隙間ができない程度の軽い圧力でよい。ペリクル3からの押圧力はマスク2にはわずかしか伝わらないため、マスク2の圧着応力は小さく、マスク平坦度は殆ど変化しない状態である。
さらにマスク基板保持器具4の先端部6は、マスク平坦度の規格値に合わせてあらかじ
め設定された伸張量にそれぞれが調整されている。
(手順A2:平坦度測定)(第1の平坦度測定工程)
平坦度測定部20を用いて、マスク2の平坦度を測定する。この測定は、前記の平坦度測定方法に説明した方法による。
ここで測定された平坦度の測定値があらかじめ設定された平坦度の規格値以内であった場合には、ペリクル貼付作業は終了となる。一方、平坦度の測定値が規格値を超過していた場合には、規格値以内とするために次の手順A3に移る。
(手順A3:マスク基板保持器具の伸張量調整)(第1の伸張量調整工程)
手順A3での平坦度測定結果にしたがって、複数配置されている各マスク基板保持器具4の先端部6の伸張量を調整する。
先端部6の各伸張量を具体的にどの程度に設定するかは、前記測定値を元にコンピュータプログラムにより算術的に求めることができる。しかし、これは近似的な求め方であるため、圧着後の平坦度の結果に対して誤差を見積もる必要がある。計算通りの結果とならない場合、前記の平坦度測定と伸張量調整とを繰り返し行うことによって、漸近的にマスクの歪みを減少させていくことができる。
ただし、前記マスク基板保持器具の伸張量とマスクへの押圧力との間に一定の直線的な比例関係があるとは限らないので、事前にある程度の実験を行って、前記の関係データを求めておくことが好ましい。
(手順A4:ペリクル圧着)(第1の圧着工程)
押し当てプレートに所定の圧力を加え、ペリクル3をマスク2に圧着する。
このときマスク2にはマスク表面側(マスクパターン側)からのペリクル3による圧着圧力と、マスク裏面側からのマスク基板保持器具4の先端部6による圧着応力とが働いており、これらの力によってマスクの平坦度に変化が生じる。
(手順A5:平坦度測定)
手順A5は、図8のフローチャートにおいて手順A2に戻ることに相当する。
ただし、前記手順A4によってすでにマスクの平坦度の歪みが減少するように調整されているので、平坦度は規格値以下の値となっていることが期待される。
ここで平坦度の測定値が期待通り規格値以内に入っていた場合は、ペリクル貼付作業は終了となる。しかし規格値を超えていた場合は、再び前記手順A3を行う。
そして規格値以内に入るまで、手順A3、手順A4、手順A5を繰り返し行う。
実際には、ペリクルフレームの弾性やフレーム底面に設けられた接着剤の厚さ・弾性なども歪みの要因として加わることがありうるため、複雑な要因が作用して事前の実験データ通りの結果が再現されない場合もありうる。その場合には、所望の結果が得られるまで、ある程度本方法を繰り返し実施することが望ましい。
以上の手順により、ペリクルを貼り付けた状態でのマスク平坦度を任意に制御することが可能であり、これによって任意のマスク平坦度を持つペリクル付きマスクが得られる。
(第二のペリクル貼付方法)
次に、本発明の第二のペリクル貼付方法の実施例として、以下の手順を説明する。
図9は第二のペリクル貼付方法の手順を示すフローチャートである。
また、ペリクル貼付装置は図1および図2に示した構成を用いて説明する。
(手順B1:マスクとペリクルの貼り合わせ)
まず、マスク2をマスク基板制御部1に載置し、ペリクル3をペリクル押圧制御部10に取り付ける。マスク2はマスク基板保持器具4によって保持されている。
そして押し当てプレート11を操作して、マスクパターン2aに設けられたペリクル用位置合わせマークを参照して、ペリクル3をマスク2の所定の位置に軽く接着させる。
このときのペリクル押圧力は、ペリクルフレームの下面に設けられた接着剤がマスクに被着し、隙間ができない程度の小さな圧力でよい。この際、ペリクル3からの押圧力はマスク2にはわずかしか伝わらず、そのためマスク2の圧着応力は小さく、この状態ではマスク平坦度は殆ど変化しない。
また、マスク基板保持器具4の先端部6は、マスク平坦度の規格値に合わせてあらかじめ設定された伸張量にそれぞれが調整されている。
(手順B2:ペリクル押圧力の設定・変更)
ここでは、ペリクル3を押し当てプレート11によってマスク2に押し当てるときの押圧力を所定の値に設定して、ペリクルの圧着を行う。
押圧力の設定は、後述する手順を含めて手順B2〜B6を繰り返し行うときの前回の押圧力の値を基準として決められる。
ここで、まず初期押圧力と最大押圧力および最終押圧力をあらかじめ設定しておく。
さらに、段階的増加圧力量と段階的減少圧力量も決めておく。
そしてここで実施する押圧力を求めるが、最初の押圧力は前記手順B1で説明した通り微弱な値からスタートさせ、この手順を繰り返す都度、徐々に押圧力を増加させていく。そしてあらかじめ設定した最大圧力に達した後は、今度は逆に、徐々に力を減少させていくことになる。
例えば、最大押圧力をP、前回のペリクル押圧力をpとし、さらに段階的増加圧力をcとすると、次回の圧力qは、Pを超えないときはq=p+cとする。またPを超えてしまうときはPとして設定し、次からは段階的に圧力を減少させる方に転じて、q=p−cとする。すなわち、前回圧力からcずつ増加させ、Pに達したらその次からcずつ減少させていく。前記P、p、cの値はそれぞれ適宜設定される。
実際の圧力としては、例えば、最大圧力を30kg重(=294N)、段階的増加圧力を5kg重(=49N)、段階的減少圧力を5kg重として設定することができる。
なお、ここでの圧力とは、ペリクル押圧制御部がペリクル圧着時に与える荷重の大きさを表す。
以上の押圧力設定方法は一例であり、本発明のペリクル貼付方法においては、マスクやペリクルの平坦度に関わる要因を考慮して、その都度、設定基準を適宜決定することができる。またもちろん、事前に実験を行って、その結果を元に基準を変更することもできる。
(手順B3:ペリクル圧着)(第2の圧着工程)
押し当てプレート11に前記手順B2で設定した所定の圧力を加え、ペリクル3をマスク2に圧着する。
このとき、マスク2にはマスク表面側(マスクパターン側)からのペリクル3による圧着圧力と、マスク裏面側からのマスク基板保持器具4の先端部6による圧着応力とが働いており、これらの力によってマスクの平坦度に変化が生じる。
(手順B4:平坦度測定)(第2の平坦度測定工程)
平坦度測定部20を用いて、マスク2の平坦度を測定する。この測定は、前記の平坦度
測定方法に説明した方法による。
ここで測定された平坦度の測定値があらかじめ設定された平坦度の規格値以内であった場合には、図9のフローチャートに示すように、ペリクル貼付作業は手順B6の圧力値の判定に移る。
一方、平坦度の測定値が規格値を超過していた場合には、規格値以内とするために次の手順B5に移る。
(手順B5)マスク基板保持器具の伸張量調整(第2の伸張量調整工程)
前記手順B4でのマスクの平坦度測定結果を元にして、以下の調整作業を行う。
まず、複数配置されている各マスク基板保持器具4の先端部6の伸張量を調整する。
ただし先端部6の各伸張量の調整については、前記第一のペリクル貼付方法における、手順A3で説明した方法と同様にする。
この伸張量調整が終了したら、次に手順B4に戻り、再びマスク2の平坦度測定を行う。このとき、平坦度の測定結果が規格値以内であれば手順B6に移り、規格値を超過している場合は、また手順B5を行う。
この手順は、平坦度の測定結果が規格値以内となるまで繰り返し行う。
ここで、マスク基板保持器具の伸張量とマスクへの押圧力との間に一定の直線的な比例関係があるとは限らないので、事前にある程度の実験を行って、前記の関係データを求めておくことが好ましい。
ただしここでも、実際にはペリクルフレームの弾性やフレーム下面に備えられた接着剤の厚さ・弾性なども要因として加わると考えられるため、複雑な要因が作用して実験データ通りの結果が再現されない場合もありうる。そのため、ある程度、前記の調整作業によって所望の結果が得られるまで、本手順を繰り返し試行することが必要になる。
(手順B6:圧力値判定)
前記手順B2〜B5の一連の手順は、手順B2において設定されたペリクル押圧力でペリクル3をマスク2に圧着した状態で行われている。
ペリクル押圧力の設定は前記手順B2で行われているが、この押圧力があらかじめ設定された最終の圧力になっていた場合は、ペリクル貼付作業が終了となる。一方、押圧力が最終の圧力になっていない場合は、手順B2に戻って、再びペリクル圧着と平坦度測定および伸張量調整の作業を繰り返す。
なお、前記設定した最大圧力とは、マスクにペリクルを圧着して、所定の接着強度が得られる圧力である。
以上の手順により、ペリクルを貼り付けた状態でのマスク平坦度を任意に制御することが可能であり、これによって任意のマスク平坦度を持つペリクル付きマスクが得られる。
以上のペリクル貼付方法においては前記第一の実施態様のペリクル貼付装置を用いて説明したが、もちろん第二の実施態様および第三の実施態様のペリクル貼付装置を用いることもできる。
本発明のペリクル貼付方法においては、前記のような手順や設定圧力に限定されるものでなく、対象とするマスクおよびペリクルの内容に応じて、その手順や設定圧力について適宜変更することができる。
また、本発明のペリクル貼付方法において用いるペリクルとしては、フレームが非可逆性で高い剛性を持ち、圧着によるフレームの変形を維持でき、接着層も弾性の小さいもの
が好ましい。これは、このようなペリクルであれば、本発明のペリクル貼付装置が備える、マスク基板保持器具やペリクル保持器具によって局所的な圧力を任意に制御できるという機能を充分に活かせることによる。
以上の本発明の実施態様においては、異物や塵埃等がマスク上に付着して異物混入となるような不具合を防ぐ目的、あるいはマスクの自重による歪みを防ぐ目的を考慮して、図示したようなマスクの保持方向が垂直となる装置構成が望ましいが、本発明においてはこれに限定するものではなく、例えばマスクおよびペリクルが水平の状態でペリクル貼付を行う構成でもよい。
本発明のペリクル貼付装置およびペリクル貼付方法を用いることにより、マスク基板の平坦度に依存せず、ユーザー要求に沿った任意の平坦度をもつマスクを得ることができる。また、本発明のペリクル貼付方法を用いて製造されたマスクを使用して半導体を製造することで、高い寸法精度、位置精度の半導体製造が可能になる。
1、1’・・・マスク基板制御部
2 ・・・マスク
2a ・・・マスクパターン面
2b ・・・メインパターン領域
2c ・・・外周領域
3 ・・・ペリクル(ペリクルフレーム含む)
4 ・・・マスク基板保持器具
5 ・・・XY駆動制御ステージ
6 ・・・先端部(ピエゾアクチュエータ)
10、10’・・・ペリクル押圧制御部
11、11’・・・押し当てプレート
12 ・・・モーター
13 ・・・トルクメータ
20 ・・・ペリクル保持器具
21 ・・・先端部(ピエゾアクチュエータ)
30 ・・・平坦度測定部
31 ・・・レーザー射出器
32 ・・・レーザー検出器
33 ・・・レーザー光

Claims (8)

  1. マスクにペリクルを圧着して貼り付けるペリクル貼付装置であって、
    前記ペリクルを所定の圧力で制御しながら前記マスクに押し当てるペリクル押圧制御部と、
    ペリクル圧着時において前記マスクに接して局所的に圧着応力を加えるマスク基板保持器具を複数個具備するマスク基板保持部と、
    前記ペリクルを貼り付けた状態で前記マスクの平坦度測定を行う平坦度測定部とを少なくとも備え、
    前記マスク基板保持器具は前記マスクに対して垂直方向に伸張する先端部を有し、
    前記先端部の伸張量はそれぞれ独立して制御することを特徴とするペリクル貼付装置。
  2. マスクにペリクルを圧着して貼り付けるペリクル貼付装置であって、
    ペリクル圧着時において前記ペリクルに接して局所的に圧着応力を加えるペリクル保持器具を複数個具備して前記ペリクルを前記マスクに押し当てるペリクル押圧制御部と、
    前記マスクを保持するマスク基板保持部と、
    前記ペリクルを貼り付けた状態で前記マスクの平坦度測定を行う平坦度測定部とを少なくとも備え、
    前記ペリクル保持器具は前記ペリクルに対して垂直方向に伸張する先端部を有し、
    前記先端部の伸張量はそれぞれ独立して制御することを特徴とするペリクル貼付装置。
  3. マスクにペリクルを圧着して貼り付けるペリクル貼付装置であって、
    ペリクル圧着時において前記ペリクルに接して局所的に圧着応力を加えるペリクル保持器具を複数個具備して前記ペリクルを前記マスクに押し当てるペリクル押圧制御部と、
    ペリクル圧着時において前記マスクに接して局所的に圧着応力を加えるマスク基板保持器具を複数個具備するマスク基板保持部と、
    前記ペリクルを貼り付けた状態で前記マスクの平坦度測定を行う平坦度測定部とを少なくとも備え、
    前記マスク基板保持器具は前記マスクに対して垂直方向に伸張する先端部を有してその伸張量はそれぞれ独立して制御し、
    さらに前記ペリクル保持器具は前記ペリクルに対して垂直方向に伸張する先端部を有してその伸張量はそれぞれ独立して制御することを特徴とするペリクル貼付装置。
  4. 前記マスク基板保持器具および/または前記ペリクル保持器具が、ピエゾアクチュエータを用いたことを特徴とする、前記請求項1ないし3のいずれかに記載のペリクル貼付装置。
  5. 前記平坦度測定部が、前記ペリクル押圧制御部を挟んで前記マスク基板保持部と反対側に設置され、かつレーザー射出器およびレーザー検出器を少なくとも含むことを特徴とする、前記請求項1ないし4のいずれかに記載のペリクル貼付装置。
  6. 前記請求項1ないし5に記載のペリクル貼付装置を用いて、
    前記ペリクルと前記マスクとを貼り合わせてマスクの平坦度を測定する第1の平坦度測定工程と、
    前記第1の平坦度測定の結果に基づいて前記平坦度が予め設定された任意の値に近づくように前記マスク基板保持器具および/または前記ペリクル保持器具の先端部の伸張量を調整する第1の伸張量調整工程と、
    前記マスクに前記ペリクルを圧着する第1の圧着工程とを含む
    ことを特徴とするペリクル貼付方法。
  7. 前記請求項1ないし5に記載のペリクル貼付装置を用いて前記ペリクルと前記マスクとを圧着させる力を所定の圧力に応じて段階的に変化させる第2の圧着工程と、
    前記マスクの平坦度を測定する第2の平坦度測定工程と、
    前記第2の平坦度測定の結果に基づいて前記平坦度が予め設定された任意の値に近づくように前記マスク基板保持器具および/または前記ペリクル保持器具の伸張量を制御および調整する第2の保持器具伸張量調整工程とを含み、
    前記第2の圧着工程、第2の平坦度測定工程および第2の保持器具伸張量調整工程を前記マスクの平坦度が所定の規格値以内に達するまで繰り返すことを特徴とするペリクル貼付方法。
  8. 前記請求項6または7に記載のペリクル貼付方法を用いてペリクルが貼り付けられていることを特徴とするペリクル付マスク。
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