JP2011075433A - 検知器および調整治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出面に対して位置調整する作業を容易に行うことが可能な検知器および調整治具を提供する。
【解決手段】ターゲット板6は、油膜検知器Eから照射されるレーザ光が通るフード23の下端面23aに取り付けられる。ターゲット板6は、中央部に穿設されている開口部61と、外周面6dの近傍に位置する2つの固定ボス部62および1つの可動ボス部64と、ターゲット板6をフード23に取り付ける際に用いられる作業用穴と、を備えている。固定ボス部62および可動ボス部64の各々は、周面にOリング63を有する。可動ボス部64は、作業用穴から指を入れて移動させることができる。ターゲット板6は、2つの固定ボス部62および1つの可動ボス部64によりフード23の内周面23bと当接して取り付けられる。
【選択図】図7

Description

本発明は、検知面の被検知物を検知する検知器および検知器に取り付けられる調整治具に関するものである。
浄水場や河川、湖沼等に異物例えば油膜が存在している場合には、取水中止等の措置を行う必要があることから、常時の油膜検知が必要である。そのような要求に対応すべく、種々の油膜検出装置が提案されている。さらに説明すると、水面に光を照射してその反射光の強度を測定することで反射率を求め、これによって水面での油膜の有無を検出するという油膜検出方法を用いた油膜検出装置が知られている。このような検出装置によれば、水面の状態(水位の変動や波立ち、浮遊物の有無等)に影響されることなく、広範囲にわたって面積の小さな油膜であっても検出できる。
このような非接触の油膜検出装置については、従来から種々の構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、検出光を2次元的に走査し、検出対象面における検出光の照射範囲として所望の平面を形成する2次元走査部を備えた油膜検出装置が開示されている。
国際公開第2009/022649号
ここで、検知面の被検知物を検知する検知器では、検知場所に設置する際や設置後の定期的な点検の際に検知器を検知面に対して位置調整を行う必要がある。このような位置調整は、常に行うものではないものの、検出精度を確保するためには必要な作業であることから、作業性向上の要望がある。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、検出面に対して位置調整する作業を容易に行うことが可能な検知器および調整治具を提供することにある。
かかる目的のもと、本発明が適用される検出器は、所定の照射範囲を有する平行光が検知面に向かうと共に当該検知面で反射した反射光が受光部に向かうように構成される光学系と、前記光学系を前記検知面に対して位置調整する位置調整手段と、前記光学系の前記反射光を基に前記検知面の状態を検知する検知手段と、前記光学系の前記平行光および前記反射光が通る通路を形成する筒状部材と、前記筒状部材により形成される前記通路を遮るように着脱可能に取り付けられる調整治具と、を備え、前記調整治具は、前記光学系の少なくとも前記平行光が通る開口部を有する板状の治具本体と、前記治具本体に配設され、当該治具本体に対して相対的に移動できる状態と当該治具本体に固定されている状態とを選択可能に構成され、前記筒状部材と接触する第1のボス部と、前記治具本体に固定されている状態で当該治具本体に設けられる第2のボス部と、を有することを特徴とするものである。
ここで、前記調整治具は、前記第1のボス部および前記第2のボス部の外面に取り付けられ、当該ボス部よりも摩擦係数が高い弾性部材をさらに有することを特徴とすることができる。また、前記調整治具は、前記第1のボス部の近傍の前記治具本体に形成され、当該第1のボス部を前記筒状部材の方向に押す作業の際に用いられる作業用穴をさらに有することを特徴とすることができる。さらに、前記治具本体および前記第2のボス部は、合成樹脂で一体に形成されていることを特徴とすることができる。
本発明が適用される調整治具は、所定の照射範囲を有する平行光が検知面に向かうと共に当該検知面で反射した反射光が受光部に向かうように構成される光学系と、当該光学系を当該検知面に対して位置調整する位置調整手段と、当該光学系の当該反射光を基に当該検知面の状態を検知する検知手段と、当該光学系の当該平行光および当該反射光が通る通路を形成する筒状部材と、を備える検知器に、当該筒状部材により形成される当該通路を遮るように着脱自在に取り付けられる調整治具であって、前記光学系の少なくとも前記平行光が通る開口部を有する板状の治具本体と、前記治具本体に配設され、当該治具本体に対して相対的に移動できる状態と当該治具本体に固定されている状態とを選択可能に構成され、前記筒状部材と接触する第1のボス部と、前記治具本体に固定されている状態で当該治具本体に設けられる複数の第2のボス部と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、検出面に対して位置調整する作業を容易に行うことが可能になる。
本実施の形態に係る油膜検知器の構成例を示すブロック図である。 本実施の形態に係る油膜検知器の別の構成例を示すブロック図である。 本実施の形態に係る油膜検知器の別の構成例を示すブロック図である。 油膜検知器を検知場所に設置する場合の設置例を示す概略図である。 油膜検知器を護岸に設置する際の手順を説明するための図である。 油膜検知器を護岸に設置する際の手順を説明するための図である。 光軸調整時にフードに取り付けられるターゲット板を説明する図である。 フードの下方から油膜検知器の本体部を見た状態の斜視図である。 図6−1の(a)に示す矢印から見た底面図である。 フードへのターゲット板の取り付けを説明する断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1−1は、本実施の形態に係る油膜検知器Eの構成例を示すブロック図である。
同図に示す油膜検知器E1は、液面に油膜が存在するときの光の反射率と存在しないときの光の反射率とが違うという性質を利用して、検知面(同図の水面W)に被検知物である油膜があるか否かを検知するための装置である。この水面Wとしては、例えば浄水場や河川、湖沼等の水面を指すものであり、水面Wの位置が高くなったり低くなったり、また、水面Wが波立ったりするものである。
この油膜検知器E1は、レーザ光L1を発光するレーザ光源100と、レーザ光源100により発光されたレーザ光L1が所定の範囲を照射するように作用する照射部200と、を備えている。更に説明すると、照射部200は、レーザ光L1を走査することにより所定の範囲を照射するレーザ光L2を出力する。レーザ光L2は、レーザ光L2の光路上流側の横断面積と光路下流側の横断面積との大きさの差が無い乃至ほとんど無いいわゆる平行光である。
なお、本明細書で平行光というときには、1本のレーザ光を走査することによりビーム群に構成された光の横断面積が光路上の位置によって実質的に変わりがないレーザ光をいうものとする。
また、油膜検知器E1は、水面Wに照射するレーザ光L3の光軸と水面Wで反射したレーザ光L4の光軸とが同軸となるようにレーザ光L3,L4を導く同軸落射部300と、同軸落射部300からのレーザ光L5を受光する受光部400と、を備えている。この同軸落射部300は、入射した光の一部を反射して残りを透過させるハーフミラー310を有する。このハーフミラー310は、反射光と透過光の強さがほぼ等しくなるように形成されている板状部材である。なお、照射部200、同軸落射部300およびハーフミラー310は、光学系の一例であり、受光部400、演算部500および判断部600は、検知手段の一例であり、レーザ光L3は、平行光の一例であり、レーザ光L4は、反射光の一例である。
更に説明すると、同軸落射部300は、照射部200からのレーザ光L2をハーフミラー310に反射させ、その反射光であるレーザ光L3を水面Wに全反射するように導き、かつ、水面Wで全反射したレーザ光L4をハーフミラー310に透過させ、その透過光であるレーザ光L5を受光部400に受光されるように導く。レーザ光L4は、レーザ光L3の入射角に等しい角度で水面Wから反射していく。すなわち、レーザ光L3の入射角とレーザ光L4の反射角とは互いに等しい。
このように、照射部200は、水面Wの油膜検知に用いる検出光を、所定の範囲を照射する平行光として出力するように構成されている。そして、同軸落射部300は、検出光をハーフミラー310を介して水面Wに全反射させ、その全反射した検出光をハーフミラー310を介して受光部400に向かわせるように構成されている。
このため、検出光を広い範囲に照射することが可能であり、水面Wの高さが変動して油膜検知器E1に対する距離が変わっても、受光部400による油膜検出に必要な検出光の受光に影響を受けず、また、水面Wが波立ったりしても、同様に、油膜検出に必要な検出光の受光に影響を受けない。
また、油膜検知器E1は、受光部400が受光したレーザ光L5を所定の信号に変換することでレーザ光L5の強度情報を得て水面Wの反射率を演算する演算部500と、演算部500による演算結果を基に、水面Wに油膜が存在するか否かを判断する判断部600と、判断部600により水面Wに油膜が存在するとの判断がされるとユーザに通知する通知部700と、を備えている。
ここで、レーザ光源100としては、図示しないレーザダイオードと、レーザダイオードに所定の電圧が印加されるように制御する図示しない駆動回路と、で構成する例が考えられる。
また、同軸落射部300の構成については上述したとおりである。
また、受光部400としては、レーザ光L5を集光するための図示しない集光レンズと、集光した光の強度に応じた電気信号に変換する図示しないフォトダイオードと、で構成する例が考えられる。
また、演算部500及び判断部600としては、予め定められた動作制御プログラム(ファームウェア)に従ってデジタル演算処理を実行する図示しないCPU(Central Processing Unit)と、CPUの作業用メモリ等として用いられる図示しないRAM(Random Access Memory)と、CPUにより実行される処理プログラムや処理プログラムにて用いられる各種のデータが格納される図示しないROM(Read Only Memory)と、で構成する例が考えられる。
また、通知部700としては、ユーザに対して視覚的に通知する図示しない表示画面で構成する例が考えられ、また、汎用の通信手段にて遠隔のユーザに通知するための通信インターフェースで構成する例が考えられる。
図1−2は、本実施の形態に係る油膜検知器E2の別の構成例を示すブロック図である。なお、油膜検知器E2の基本的な構成は、上述した油膜検知器E1(図1−1参照)と共通するため、同じ構成には同じ符号を用い、また、その説明を省略することがある。
同図に示す油膜検知器E2は、レーザ光源(図示省略)、照射部200、集光部800、受光部400、演算部(図示省略)、判断部(図示省略)及び通知部(図示省略)を備えている。集光部800は、放物面または楕円曲面の反射面を有する放物面鏡または凹面鏡により構成されている。
油膜検知器E2が備える集光部800には、照射部200から出力されたレーザ光が貫通する窓孔810が形成されていると共に、その下面には、水面Wからの反射光を反射させる放物面または楕円曲面からなる反射面820が形成されている。
すなわち、油膜検知器E2は、照射部200からのレーザ光を、集光部800の窓孔810を貫通させて水面Wに向かわせ、水面Wからの反射光を集光部800の反射面820で反射させ、受光部400に導くように構成されている。
図1−3は、本実施の形態に係る油膜検知器E3の別の構成例を示すブロック図である。なお、油膜検知器E3の基本的な構成は、上述した油膜検知器E1,E2(図1−1または図1−2参照)と共通するため、同じ構成には同じ符号を用い、また、その説明を省略することがある。
ここで、油膜検知器E3が油膜検知器E2と相違する構成について具体的に説明する。油膜検知器E3は、照射部200が集光部800の干渉を受けない位置に配置され、集光部800には窓孔810(図1−2参照)が形成されていない点で異なる。すなわち、油膜検知器E3の照射部200は、集光部800に遮られることなく、レーザ光を、水面Wに向かわせ、水面Wからの反射光を集光部800の反射面820で反射させ、受光部400に導くように構成されている。
次に、油膜検知器Eの検知場所への設置について説明する。なお、説明の便宜上、油膜検知器E1,E2,E3を油膜検知器Eということがある。
図2は、油膜検知器Eを検知場所に設置する場合の設置例を示す概略図である。
図2に示すように、油膜検知器Eは、護岸に立設した状態で据え付けられている支柱11と、支柱11の上部から側方に延びる取り付けアーム12と、支柱11の上端に取り付けられ、油膜検知についての操作および制御を行うための操作・制御部13と、を備えている。付言すると、取り付けアーム12は、油膜検知器Eの設置作業性を向上させるために、支柱11の長手方向(図2の上下方向)に延びる軸周りに関して位置変更可能な構造を有している(図2および図3参照)。すなわち、油膜検知器Eの設置時には、取り付けアーム12は、支柱11よりも水面W側に位置させたり(図2参照)、支柱11よりも護岸側に位置させたり(図3参照)することが可能である。
支柱11および取り付けアーム12は、水面Wの油膜検知を行うために護岸に固定された構造部材であり、本実施の形態では、いずれも管状部材で構成されている。また、取り付けアーム12の上部には、丸穴が形成された板状の突出片12aが起立して設けられている。この取り付けアーム12の突出片12aには、風等による本体部22の揺れ防止のためのワイヤ31が取り付けられている。なお、ワイヤ31の一端部は、突出片12aの丸穴に固定され、図示しない他端部は、より強固な構造物に固定されている。
操作・制御部13は、ユーザの操作を受け付けるための各種の操作部13aと、操作部13aの操作に基づいて各種の制御を行う図示しない制御部と、検知結果をユーザに表示する表示部13bと、図示しない通信インターフェースと、を有するように構成されている。
また、油膜検知器Eは、取り付けアーム12と係合可能な取り付けプレート21と、取り付けプレート21がボルトで締結され、取り付けプレート21を介して取り付けアーム12の先端に取り付けられている本体部22と、を備えている。
本体部22は、例えばダイキャスト等により製造されたカバーに覆われている重量物である。本体部22の上部には、アイボルト22aが設けられ、また、本体部22の下部には、油膜検知を行う際に外光の影響を軽減するための筒状部材の一例としてのフード23が設けられている。付言すると、レーザ光L3は、フード23を通って油膜検知器Eから水面Wに向けて照射され、また、レーザ光L4は、フード23を通って油膜検知器Eの受光部400(図1−1〜図1−3参照)に受光される。
本体部22は、図示しないケーブルにて電気的に操作・制御部13と接続されている。本体部22は、操作・制御部13の制御によってレーザ光L3を水面Wに向けて照射し、水面Wで反射したレーザ光L4を受光すると操作・制御部13に信号として出力する。
なお、取り付けアーム12および取り付けプレート21は、位置調整手段の一例である。
ここで、図2に示す本体部22は、図1−1、図1−2および図1−3に示すレーザ光源100、照射部200、同軸落射部300(または集光部800)及び受光部400を備え、また、同図に示す操作・制御部13は、演算部500、判断部600及び通知部700を備えている。
なお、支柱11および取り付けアーム12は構造部材の一例であり、また、取り付けプレート21は、取り付け部材の一例である。
図3および図4は、油膜検知器Eを護岸に設置する際の手順を説明するための図である。図3は、油膜検知器Eの設置途中の状態を示す概略図であり、図4は、油膜検知器Eの設置完了の状態を示す斜視図である。なお、図4は、図3に示すアイボルト22aの図示を省略している。
図3に示すように、作業者は、支柱11を護岸に固定した後に、その支柱11に取り付けアーム12および操作・制御部13を不図示のボルトにより取り付ける。なお、同図では、取り付けアーム12が支柱11よりも護岸側に位置している。
ここで、取り付けアーム12は、管形状のアーム本体部41と、アーム本体部41の先端部に形成されたフランジ部42と、フランジ部42に隣接し、フランジ部42よりも縮径して形成された環状部43と、フランジ部42と環状部43との間に位置し、環状部43よりも縮径して形成された凹部44と、を備えている。
また、作業者は、本体部22に取り付けプレート21をボルト34により取り付ける。これにより、取り付けプレート21と本体部22とが互いに固定されて一体になる。
ここで、取り付けプレート21は、板状のプレート本体部51と、プレート本体部51から一方向(同図の右方向)に突出する一対の取り付け片52と、プレート本体部51から他方向(同図の左方向)に突出する折曲げ部53と、プレート本体部51を逆U字状に切り欠いて形成され、取り付けアーム12の凹部44に入り込む形状の切り欠き部54と、を備えている。なお、取り付けプレート21は、図4に示すように、プレート本体部51に形成されるねじ穴(不図示)に螺合するボルト33を備えている。ボルト33のねじ部先端は、取り付けプレート21にボルト34を介して取り付けられている本体部22と接している。ボルト33を図示しないドライバーにより回転させると、送りねじ作用によって、取り付けプレート21のプレート本体部51と本体部22との間の離間距離を変更することが可能になる。
そして、同図に示すように、作業者は、取り付けアーム12の突出片12aと本体部22のアイボルト22aとをワイヤ31で互いにつないだ後に、本体部22を手に持って取り付けプレート21を取り付けアーム12と係合させる。なお、ワイヤ31を用いるのは、作業中の本体部22の落下による破損等を防止するためである。
ここで、取り付けプレート21のプレート本体部51を取り付けアーム12の凹部44に係合させると、本体部22は、固定されていないものの、取り付けプレート21を介して取り付けアーム12および支柱11に保持される。このため、作業者は本体部22から手を離すことができる。そして、作業者は、取り付けアーム12が支柱11よりも水面W側に位置するように(図2参照)取り付けアーム12を支柱11に対して回転させる。その後に、ボルトを締め増しして取り付けアーム12および操作・制御部13を支柱11に固定する。
この状態は、本体部22は、取り付けプレート21を介して取り付けアーム12に係合しているだけであり、本体部22は、取り付けアーム12に固定されていない。したがって、本体部22は、取り付けアーム12に対する相対的な位置を変更することが可能である。より具体的に説明すると、取り付けプレート21および本体部22は、取り付けアーム12の軸周りに回転させることが可能である。
なお、取り付けアーム12は、図4に示すように、フランジ部42に形成されるねじ穴(不図示)にねじ込まれたストッパ45を備えている。このストッパ45は、光軸調整を行う際に取り付けプレート21および本体部22が取り付けアーム12に対して相対的に回転する範囲を制限するためのものである。また、光軸調整の微調整の際には、取り付けプレート21に設けられている調整穴55,56,57と取り付けアーム12に設けられている不図示の溝部とを利用して行われる。
また、取り付けプレート21と本体部22との間の調整について説明すると、ボルト34をきつく締め付けるまでは、本体部22を取り付けプレート21に対して回転させることが可能である。したがって、ボルト34を緩めておくことで、取り付けプレート21に対する本体部22の姿勢を変更することが可能である。
作業者は、かかる作用を利用して、本体部22を回転させて水面Wに対する位置調整を行う。すなわち、油膜検知器Eの受光部400(図1−1〜図1−3参照)の受信レベルを表示部13b(図2参照)に表示させた状態で、本体部22を取り付けアーム12または取り付けプレート21に対して回転移動させて光軸調整する。
図4に示すように、光軸調整した後には、取り付けプレート21を本体部22にボルト34により固定し、また、取り付けアーム12に4本のボルト32により固定する。これにより、油膜検知器Eは、各構成部材が一体として組み立てられる。また、油膜検知器Eは、水面Wの油膜検知が可能になる。このようにして油膜検知器Eは検知場所に設置される。
次に、油膜検知器Eから水面Wに照射するレーザ光L3の光軸調整について説明する。
図5は、光軸調整時にフード23に取り付けられるターゲット板6を説明する図である。同図の(a)は平面図であり、(b)は線A−Aによる断面図である。
図5の(a)および(b)に示すように、ターゲット板6は、板状部材であり、円形状に形成されている。ターゲット板6は、不透明な部材を用いて形成される。また、ターゲット板6は、比較的軽量な合成樹脂製であり、例えばポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)を用いて形成することが考えられる。付言すると、油膜検知器Eのフード23は、金属製、より具体的にはアルミニウム製である。ターゲット板6は、調整治具の一例であり、治具本体の一例である。
ターゲット板6は、中央部に穿設されている開口部61を備えている。この開口部61は、レーザ光L3が通過するための穴である。本実施の形態では、開口部61を円形状に形成しているが、他の形状とすることも考えられる。
また、図5の(b)に示すように、ターゲット板6の面6bには、複数の溝部6cが形成されている。この溝部6cは、光軸調整の際に用いられる目印である。水面Wの油膜を確実に検知するためには、反射光L4が受光部400に確実に向かうようにされていなければならない。そのためには、反射光L4がハーフミラー310または集光部800に入射されるように光軸が調整されている必要がある。そのため、ターゲット板6の溝部6cは、反射光L4がハーフミラー310または集光部800から外れないようにするための目印になるように形成されている。本実施の形態では、溝部6cを円形状に形成しているが、例えば十字形状などの他の形状を形成することが考えられる。なお、溝部6cをターゲット板6の面6bのみならず、面6aにも形成することも考えられる。
図5の(a)に示すように、ターゲット板6は、外周面6dの近傍に、2つの固定ボス部62と1つの可動ボス部64を備えている。2つの固定ボス部62と1つの可動ボス部64は、略等角度(約120度)で配置されている。固定ボス部62および可動ボス部64は、面6aに位置している。
本実施の形態では、固定ボス部62を2つ備える構成を採用するが、2つ以外の数とすることも考えられる。また、本実施の形態では、固定ボス部62と可動ボス部64をターゲット板6の片面である面6aに配置しているが、フード23の形状によっては、いずれかを面6aに配置し、残りを面6bに配置する構成も考えられる。
なお、可動ボス部64は、第1のボス部の一例であり、固定ボス部62は、第2のボス部の一例である。
図5の(b)に示すように、固定ボス部62の各々は、ターゲット板6の本体に一体形成されており、ターゲット板6の本体に対する相対的な移動ができない。固定ボス部62の先端側の周面(外面)には、凹形状部62aが形成されている。
この固定ボス部62の凹形状部62aには、Oリング63が取り付けられている。このOリング63は、外力が作用すると弾性変形するクッション性を有するゴム製であり、弾性部材の一例である。
図5の(b)に示すように、可動ボス部64は、ターゲット板6の本体に対して矢印Bの方向に移動可能である。すなわち、可動ボス部64は、ターゲット板6に形成されている取り付け穴6eを利用して雄ねじ65で取り付けられている。さらに説明すると、雄ねじ65を緩めると、可動ボス部64はターゲット板6の本体に対して移動でき、また、雄ねじ65を締めると、可動ボス部64はターゲット板6の本体に対して移動できない。このため、作業者は、雄ねじ65によって、可動ボス部64を任意の位置に固定させることができる。
可動ボス部64の先端側の周面には、凹形状部64aが形成されている。そして、可動ボス部64の凹形状部64aにOリング63が取り付けられている。
図5の(a)に示すように、ターゲット板6は、可動ボス部64の近傍に、作業用穴66を備えている。この作業用穴66は、ターゲット板6をフード23に取り付ける際に用いられるものである。すなわち、作業用穴66は、ターゲット板6の面6bから作業用穴66を通じて面6a側に作業者の指を進入させるための穴である。作業者の指によって、可動ボス部64をターゲット板6の外周面6dの方向に押した状態で雄ねじ65が締め付けられる。
図6−1は、フード23の下方から油膜検知器Eの本体部22を見た状態の斜視図であり、(a)は、フード23にターゲット板6が取り付けられていない状態を示し、(b)は、フード23にターゲット板6が取り付けられている状態を示している。また、図6−2は、図6−1の(a)に示す矢印Cから見た底面図である。
図6−1の(a)に示すように、油膜検知器Eのフード23の下方は開放し、レーザ光L3が照射される空間が形成されている。そして、図6−1の(b)に示すように、レーザ光L3の光軸調整を行う時には、まずフード23の下端面23a(図6−1の(a)参照)にターゲット板6が取り付けられる。
ターゲット板6をフード23に取り付けた状態でレーザ光L3を走査すると、ターゲット板6の開口部61からレーザ光L3が下方に照射される。これにより、図6−1の(b)に示すように、レーザ光L3の反射光であるレーザ光L4は、ターゲット板6の面6bに所定の走査軌跡71を映し出す。
そして、作業者は、図6−2に示すように、走査軌跡71と開口部61との位置を確認しながら、油膜検知器Eの本体部22を取り付けアーム12または取り付けプレート21(図2または図4参照)に対して調整する。すなわち、作業者は、走査軌跡71が開口部61の中心部に位置するように調整を行う(図6−2の破線で示す走査軌跡71を参照)。その際には、複数の溝部6cの位置を目安にすることができる。
付言すると、走査軌跡71が開口部61の中心部に位置すると、図6−2に示すように、開口部61では、レーザ光L4が通過していくので、走査軌跡71が映し出されないものの、開口部61の周りに走査軌跡71の一部が映し出されるので、調整作業を容易に行うことができる。なお、本実施の形態では、走査軌跡71として、十字形状を一例として示しているが、花びら形状や丸形状等の他の形状となる場合がある。
このようにして、レーザ光L3を走査した状態で反射光L4を受光部400に向かわせるための光軸調整を容易に行うことができる。
図7は、フード23へのターゲット板6の取り付けを説明する断面図である。なお、同図は、図5の(b)と同じく、図5の(a)の線A−Aによる断面図である。
図7に示すように、作業者は、ターゲット板6をフード23の下方から装着する。すなわち、まず、フード23の下端面23aにターゲット板6の面6aの周縁部が当接するようにする。その際に、予め、可動ボス部64をターゲット板6の本体に対して移動可能にしておく。
そして、作業者は指を作業用穴66に挿入して可動ボス部64をフード23の内周面23bに押し付ける(矢印D参照)。すると、ターゲット板6は、2つの固定ボス部62および1つの可動ボス部64の各々は、フード23の内周面23bに押し付けられ、それぞれのOリング63は、つぶれて変形する。
その後、雄ねじ65を締め付けて可動ボス部64をターゲット板6の本体に対して固定することにより、ターゲット板6が3個所でフード23の内周面23bと当接する状態が維持される。なお、ターゲット板6の取り外しは、取り付けの手順の逆の手順により行うことができる。このように、ターゲット板6はフード23に着脱可能に取り付けられる。
なお、本実施の形態では、ターゲット板6の2つの固定ボス部62および1つの可動ボス部64をフード23の内周面23bに当接させる構成を採用するが、フード23の外周面に当接させる構成も考えられる。
ここで、レーザ光L3の光軸調整は、例えば、護岸への油膜検知器Eの設置の際または定期点検の際に行われる。すなわち、油膜検知器Eの作動時に常に行われるのではなく、その頻度は低い。そのために、ターゲット板6を取り付ける取り付け構造をフード23ではなく、ターゲット板6側に設けるのが好ましい。また、その取り付け構造は、簡易なものであるのが望ましい。
さらに説明すると、フード23の内周面23bの直径は、高い精度で製造されているわけではなく、油膜検知器Eごとに異なる。したがって、取り付け構造は、フード23の寸法にばらつきがあっても対応することが可能なものである必要がある。
このような種々の観点から、本実施の形態では、ターゲット板6に取り付け構造を設けている。そして、その取り付け構造は、入手が容易なゴム製のOリング63とフード23の内周面23bとの摩擦によってターゲット板6を取り付けているので、簡素な構造であり、可動ボス部64によってフード23の寸法にばらつきがあっても、フード23に不要な負荷をかけることなく、対応可能である。ターゲット板6の脱着を容易に行うことができ、光軸調整の作業性を損なうことがない。
また、ターゲット板6を軽い合成樹脂製の板部材とすることで、ターゲット板6の持ち運びや管理が容易であり、かつ、取り付け構造を簡素なものにすることに寄与している。
12…取り付けアーム、21…取り付けプレート、22…本体部、23…フード、23a…下端面、23b…内周面、6…ターゲット板、6a,6b…面、6c…溝部、6d…内周面、6e…取り付け穴、61…開口部、62…固定ボス部、62a,64a…凹形状部、63…Oリング、64…可動ボス部、65…雄ねじ、66…作業用穴、71…走査軌跡、E1,E2,E3…油膜検知器

Claims (5)

  1. 所定の照射範囲を有する平行光が検知面に向かうと共に当該検知面で反射した反射光が受光部に向かうように構成される光学系と、
    前記光学系を前記検知面に対して位置調整する位置調整手段と、
    前記光学系の前記反射光を基に前記検知面の状態を検知する検知手段と、
    前記光学系の前記平行光および前記反射光が通る通路を形成する筒状部材と、
    前記筒状部材により形成される前記通路を遮るように着脱可能に取り付けられる調整治具と、
    を備え、
    前記調整治具は、
    前記光学系の少なくとも前記平行光が通る開口部を有する板状の治具本体と、
    前記治具本体に配設され、当該治具本体に対して相対的に移動できる状態と当該治具本体に固定されている状態とを選択可能に構成され、前記筒状部材と接触する第1のボス部と、
    前記治具本体に固定されている状態で当該治具本体に設けられる第2のボス部と、
    を有することを特徴とする検知器。
  2. 前記調整治具は、
    前記第1のボス部および前記第2のボス部の外面に取り付けられ、当該ボス部よりも摩擦係数が高い弾性部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の検知器。
  3. 前記調整治具は、
    前記第1のボス部の近傍の前記治具本体に形成され、当該第1のボス部を前記筒状部材の方向に押す作業の際に用いられる作業用穴をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の検知器。
  4. 前記治具本体および前記第2のボス部は、合成樹脂で一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の検知器。
  5. 所定の照射範囲を有する平行光が検知面に向かうと共に当該検知面で反射した反射光が受光部に向かうように構成される光学系と、当該光学系を当該検知面に対して位置調整する位置調整手段と、当該光学系の当該反射光を基に当該検知面の状態を検知する検知手段と、当該光学系の当該平行光および当該反射光が通る通路を形成する筒状部材と、を備える検知器に、当該筒状部材により形成される当該通路を遮るように着脱自在に取り付けられる調整治具であって、
    前記光学系の少なくとも前記平行光が通る開口部を有する板状の治具本体と、
    前記治具本体に配設され、当該治具本体に対して相対的に移動できる状態と当該治具本体に固定されている状態とを選択可能に構成され、前記筒状部材と接触する第1のボス部と、
    前記治具本体に固定されている状態で当該治具本体に設けられる複数の第2のボス部と、
    を有することを特徴とする調整治具。
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