JP5481857B2 - 検知器 - Google Patents
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Description
図1は、本実施の形態に係る油膜検知器Eの構成例を示すブロック図である。
同図に示す油膜検知器Eは、液面に油膜が存在するときの光の反射率と存在しないときの光の反射率とが違うという性質を利用して、検出対象面(同図の水面W)に油膜があるか否かを検知するための装置である。この水面Wとしては、例えば浄水場や河川、湖沼等の水面を指すものであり、水面Wの位置が高くなったり低くなったり、また、水面Wが波立ったりするものである。
なお、本明細書で平行光というときには、1本のレーザ光を走査することによりビーム群に構成された光の横断面積が光路上の位置によって実質的に変わりがないレーザ光をいうものとする。
更に説明すると、同軸落射部300は、照射部200からのレーザ光L2をハーフミラー310に反射させ、その反射光であるレーザ光L3を水面Wに全反射するように導き、かつ、水面Wで全反射したレーザ光L4をハーフミラー310に透過させ、その透過光であるレーザ光L5を受光部400に受光されるように導く。レーザ光L4は、レーザ光L3の入射角に等しい角度で水面Wから反射していく。すなわち、レーザ光L3の入射角とレーザ光L4の反射角とは互いに等しい。
このため、検出光を広い範囲に照射することが可能であり、水面Wの高さが変動して油膜検知器Eに対する距離が変わっても、受光部400による油膜検出に必要な検出光の受光に影響を受けず、また、水面Wが波立ったりしても、同様に、油膜検出に必要な検出光の受光に影響を受けない。
また、受光部400としては、レーザ光L5を集光するための図示しない集光レンズと、集光した光の強度に応じた電気信号に変換する図示しないフォトダイオードと、で構成する例が考えられる。
また、通知部700としては、ユーザに対して視覚的に通知する図示しない表示画面で構成する例が考えられ、また、汎用の通信手段にて遠隔のユーザに通知するための通信インターフェースで構成する例が考えられる。
同図に示すように、油膜検知器Eは、護岸に立設した状態で据え付けられている支柱11と、支柱11の上部から側方に延びる取り付けアーム12と、支柱11の上端に取り付けられ、油膜検知についての操作および制御を行うための操作・制御部13と、を備えている。付言すると、取り付けアーム12は、油膜検知器Eの設置作業性を向上させるために、支柱11の長手方向(図2の上下方向)に延びる軸周りに関して位置変更可能な構造を有している(図2および図3参照)。すなわち、油膜検知器Eの設置時には、取り付けアーム12は、支柱11よりも水面W側に位置させたり(図2参照)、支柱11よりも護岸側に位置させたり(図3参照)することが可能である。
操作・制御部13は、ユーザの操作を受け付けるための各種の操作部13aと、操作部13aの操作に基づいて各種の制御を行う図示しない制御部と、検知結果をユーザに表示する表示部13bと、図示しない通信インターフェースと、を有するように構成されている。
本体部22は、例えばダイキャスト等により製造されたカバーに覆われている重量物である。本体部22の上部には、アイボルト22aが設けられ、また、本体部22の下部には、油膜検知を行う際に外光の影響を軽減するためのフード22bが設けられている。
本体部22は、図示しないケーブルにて電気的に操作・制御部13と接続されている。本体部22は、操作・制御部13の制御によってレーザ光L3を水面Wに向けて照射し、水面Wで反射したレーザ光L4を受光すると操作・制御部13に信号として出力する。
なお、支柱11および取り付けアーム12は構造部材の一例であり、また、取り付けプレート21は、取り付け部材の一例である。
図3に示すように、作業者は、支柱11を護岸に固定した後に、その支柱11に取り付けアーム12および操作・制御部13をボルトにより取り付ける。なお、取り付けアーム12は、支柱11よりも護岸側に位置している。
また、同図に示すように、作業者は、本体部22に取り付けプレート21をボルトにより取り付ける。これにより、取り付けプレート21と本体部22とが互いに固定されて一体になる。
ここで、取り付けプレート21を取り付けアーム12に係合させると、本体部22は、固定されていないものの、取り付けプレート21を介して取り付けアーム12および支柱11に保持される。このため、作業者は本体部22から手を離すことができる。そして、作業者は、取り付けアーム12が支柱11よりも水面W側に位置するように(図2参照)取り付けアーム12を支柱11に対して回転させる。その後に、ボルトを締め増しして取り付けアーム12および操作・制御部13を支柱11に固定する。
作業者は、かかる作用を利用して、本体部22を回転させて水面Wに対する位置調整を行う。すなわち、油膜検知器Eの受光部400(図1参照)の受信レベルを表示部13bに表示させた状態で、本体部22を取り付けアーム12に対して回転移動させて光軸調整する。光軸調整を行うための具体的な構造については後述する。
光軸調整した後には、図4に示すように、取り付けプレート21を取り付けアーム12に4本のボルト32により固定する。これにより、油膜検知器Eは、各構成部材が一体として組み立てられる。また、油膜検知器Eは、水面Wの油膜検知が可能になる。このようにして油膜検知器Eは検知場所に設置される。
図5は、取り付けアーム12の要部を説明する概略図である。同図の(a)は取り付けアーム12の正面図であり、同図の(b)は取り付けアーム12の右側面図である。なお、同図の(a)は、図2の概略図に対応する投影図である。
同図の(a)に示すように、取り付けアーム12は、管形状のアーム本体部41と、アーム本体部41の先端部に形成されたフランジ部42と、フランジ部42に隣接し、フランジ部42よりも縮径して形成された環状部43と、フランジ部42と環状部43との間に位置し、環状部43よりも縮径して形成された凹部44と、を備えている。
ねじ穴45は、アーム本体部41よりも下側の端面に位置し、フランジ部42の厚さ方向に穿設された穴である。本実施の形態では、ねじ穴45の個数は1つである。このねじ穴45には、ストッパ23(図4参照)がねじ込まれる。
取り付け穴48は、フランジ部42の中心点(図示せず)からの距離をほぼ同じくする位置に形成され、フランジ部42の厚さ方向に螺設された穴である。本実施の形態では、取り付け穴48の個数は4つである。これら4つの取り付け穴48のうち2つは、溝部46を間に挟むように位置し、残りの2つは溝部47を間に挟むように位置している。
同図の(a)に示すように、取り付けプレート21は、板状のプレート本体部51と、プレート本体部51から一方向(同図の(a)の左方向)に突出する一対の取り付け片52と、プレート本体部51から他方向(同図の(a)の右方向)に突出する折曲げ部53と、を備えている。
一対の取り付け片52の各々は、本体部22(図2または図3参照)を取り付けるための取り付け穴52aを有する。すなわち、本体部22は、取り付けプレート21にボルト34(図4参照)を用いて取り付けられる。付言すると、ボルト34をきつく締め付けるまでは、本体部22を取り付けプレート21に対して回転させることが可能であり、したがって、取り付けプレート21に対する本体部22の姿勢を変更することが可能である。
折曲げ部53は、プレート本体部51の上端に位置し、プレート本体部51の剛性を高める補強部として機能する部分である。
切り欠き部54は、一対の取り付け片52の間の略中央部に位置している。切り欠き部54は、下端に開口部を有し、下端から上方に延びるように形成されている。切り欠き部54は、折曲げ部53までは達しないように形成されている。
さらに説明すると、取り付けプレート21の切り欠き部54は、取り付けアーム12の凹部44(図5参照)に入り込み、かつ環状部43(図5参照)から脱落しないような寸法形状に形成されている。
さらに説明すると、取り付けプレート21の調整穴55,56,57は、取り付けアーム12の溝部46,47(図5参照)と共に、本体部22を取り付けアーム12の軸周りに調整する際に利用されるものである。すなわち、調整穴55は、溝部46と共に調整に用いられ、また、調整穴56,57は、溝部47と共に調整に用いられるものである。なお、調整穴55,56,57の長さは、取り付けアーム12の溝部46,47(図5参照)の長さに対応している。
取り付け長穴58は、同一円周上に位置するように形成されている。本実施の形態では、取り付け長穴58の個数は4つである。
さらに説明すると、取り付けプレート21の取り付け長穴58は、取り付けアーム12の取り付け穴48(図5参照)の各々に対応して位置する。
さらに説明すると、ねじ穴59には、ボルト33(図4参照)が螺合する。ボルト33のねじ部先端は、取り付けプレート21にボルト34を介して取り付けられている本体部22と接している。ボルト33を図示しないドライバーにより回転させると、送りねじ作用によって、取り付けプレート21のプレート本体部51と本体部22との間の離間距離を変更することが可能になる。
また、取り付けアーム12の溝部46,47および取り付けプレート21の調整穴55,56,57は、調整手段の一例である。また、溝部46は第1の溝部の一例であり、溝部47は第2の溝部の一例であり、調整穴55は第1の穴部の一例であり、調整穴56,57は第2の穴部の一例である。
また、ねじ穴59およびボルト33は角度調整手段の一例である。
同図に示すストッパ23は、フランジ部42の端面42bからその一部が突出するようにねじ穴45にねじ込まれる。
ここで、上述したように、本体部22が取り付けられた取り付けプレート21の切り欠き部54を取り付けアーム12の凹部44に係合させると、取り付けプレート21および本体部22は、取り付けアーム12の凹部44の軸周りに、矢印Aの方向に回転させることが可能に構成されている。
さらに説明すると、本実施の形態では、同図に示すように、取り付けプレート21および本体部22を大きな角度で回転させると、取り付けプレート21がストッパ23に当接し、それ以上の回転が行われないように構成されている。すなわち、取り付けプレート21および本体部22の回転の範囲は、ストッパ23により制限されている。
取り付けプレート21の切欠部54は開口部を有することから、取り付けプレート21を大きな角度で回転させてしまうと、取り付けプレート21が落下するおそれがある。本実施の形態では、取り付けアーム12が、取り付けプレート21の回り止めとして機能するストッパ23を備えている。そのため、取り付けプレート21を取り付けアーム12に係合させた後に作業者が誤って取り付けプレート21を大きく回転させてしまった場合等に、本体部22の落下を防止することができる。
同図の(a)に示すように、棒状部材61を取り付けプレート21の調整穴55を介して取り付けアーム12の溝部46に差し込むと、梃子の原理を利用して、取り付けプレート21を取り付けアーム12に対してわずかに回転させることが可能である。
すなわち、上述したように、本体部22を取り付けアーム12に対して回転させることで、本体部22の光軸調整を行うことができる。その場合には、本体部22の角度を微調整して光軸調整することが必要になる。しかしながら、本体部22は重量物であることから、作業者が直接本体部22を手で持って角度調整して光軸の微調整を行うことは困難である。本実施の形態では、取り付けアーム12の溝部46と取り付けプレート21の調整穴55との協働作用によって、本体部22の角度の微調整を容易に行うことが可能になる。
さらに説明すると、取り付けプレート21および本体部22を取り付けアーム12に対して大きく傾かせた場合にも、溝部46と調整穴55との協働作用、溝部47と調整穴56との協働作用または溝部47と調整穴57との協働作用のいずれかを利用して本体部22の角度の微調整を容易に行うことが可能になる。なお、このような角度の微調整を行っったとしても、取り付け長穴58を用いていることからねじ締結が可能である。
同図に示すように、取り付けプレート21のねじ穴59にボルト33をねじ込むことで、ボルト34の軸を中心として、本体部22を取り付けプレート21に対して角度調整することが可能になる。そのため、ボルト34の軸を中心とした本体部22の光軸調整を行うことが可能になる。
付言すると、取り付けプレート21には、ねじ穴59が2つ形成されていることから、調整作業を容易に行うことが可能になる。
なお、本実施の形態は、検知面である水面Wの上方から水面Wに光を照射して水面Wの反射光を受光する本体部22を備える油膜検知器Eを例に説明したが、本発明は、これに限定されず、本体部22を、例えば、検知面である水面Wの上方から水面Wに光を照射して水面Wを撮影して映像信号として処理するように構成することも考えられる。さらには、本体部22を、光を照射することなく自然光を用いて水面Wの反射光を受光するように構成したり、光を照射することなく自然光を用いて水面Wを撮影して映像信号として処理するように構成したりすることも考えられる。
Claims (5)
- 検知面の上方から当該検知面の状態を検知する本体部を備える検知器であって、
前記本体部に取り付けられ、逆U字状に形成された切り欠き部を有する取り付け部材と、
フランジ部および環状部よりも縮径して当該フランジ部と当該環状部との間に位置する凹部を持つ前記取り付け部材と係合可能な係合部を有し、当該係合部と係合する当該取り付け部材を固定するのに用いられる固定部を有し、当該取り付け部材の前記切り欠き部が当該係合部の当該凹部と係合することにより、当該取り付け部材に取り付けられる前記本体部を前記検知面の上方に保持するための構造部材と、
を備え、
前記取り付け部材は、前記構造部材の前記係合部との係合がなされた後当該構造部材の前記固定部により固定される前に、当該構造部材の前記凹部の軸周りに対する回転が可能であり、
前記構造部材は、前記回転が可能な状態において当該回転により前記本体部が係合外れで落下しないように前記取り付け部材の前記回転を制限する制限部を有することを特徴とする検知器。 - 前記固定部による固定前に前記構造部材の前記係合部と係合する前記取り付け部材の当該構造部材に対する位置調整を行うための調整手段をさらに備え、
前記調整手段は、前記取り付け部材に形成され、当該取り付け部材を貫通する調整穴と、前記構造部材に形成され、棒状部材が当該調整穴から差し込まれると当該調整穴との協働により前記本体部の当該構造部材に対する位置調整に用いられる溝部と、を含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の検知器。 - 前記調整手段の前記構造部材に形成された前記溝部として、第1の溝部および第2の溝部を含み、
前記調整手段の前記取り付け部材に形成された前記調整穴として、前記第1の溝部に対応して当該取り付け部材に形成された第1の調整穴と前記第2の溝部に対応して当該第1の調整穴の数とは異なる数の第2の調整穴を含むことを特徴とする請求項2に記載の検知器。 - 前記本体部の前記取り付け部材に対する角度調整を行うための角度調整手段をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の検知器。
- 前記角度調整手段を複数備えることを特徴とする請求項4に記載の検知器。
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