ところで、上述した特許文献1の除塵手段では、塵埃の掻き取り時に、例えば粉塵系の小さい埃がエアフィルタの下流側(裏側)へ抜けて室内へ吹き出されるという問題があった。つまり、上述した回転ブラシによる掻き取り動作が行われると、エアフィルタの表面に付着している比較的大きい埃は回転ブラシに掻き取られるが、小さい埃は回転ブラシに掻き取られずにエアフィルタの裏側へ押し出されてしまう。その結果、エアフィルタの裏側へ押し出された小さい埃が室内ファンによって室内へ流出する虞があるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エアフィルタの表面に接触して塵埃を掻き取るためのブラシを備えた空気調和装置の室内ユニットにおいて、ブラシによる掻き取り動作時に塵埃がエアフィルタの裏側へ抜けて室内へ吹き出されるのを防止することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、エアフィルタ(30)の表面をブラシで掻き取る際に、塵埃がエアフィルタ(30)の裏面に抜け出るのを防止するまたは抜け出た塵埃を捕捉するための裏当て部材(100,105,110,115,120,125)をエアフィルタ(30)の裏面に設けるようにしたものである。
具体的に、第1の発明は、ケーシング(10)内に、室内ファン(21)と、該室内ファン(21)の吸い込み側に設けられるエアフィルタ(30)とを備えた空気調和装置の室内ユニットを前提としている。そして、本発明は、上記エアフィルタ(30)の上流側に配置され且つ該エアフィルタ(30)の上流面に接触して該エアフィルタ(30)の塵埃を掻き取るためのパイル織物からなる表側ブラシ(53)と、上記エアフィルタ(30)の下流側に配置され且つ上記エアフィルタ(30)の上記表側ブラシ(53)に対応する下流面に接触する裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)と、上記エアフィルタ(30)を上記表側ブラシ(53)および裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)に接触した状態で上記両ブラシ(53,102,107,112,117,122,127)との間で相対的に移動させて上記表側ブラシ(53)で塵埃を掻き取る移動手段(40)とを備えているものである。
上記第1の発明では、室内ファン(21)によってケーシング(10)内に吸い込まれた空気がエアフィルタ(30)を通過する際に、その空気に含まれる塵埃がエアフィルタ(30)に捕捉される。つまり、塵埃がエアフィルタ(30)の上流面(表面)に付着する。そして、エアフィルタ(30)が表側ブラシ(53)および裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)に対して移動する、または表側ブラシ(53)および裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)がエアフィルタ(30)に対して移動する。これによって、エアフィルタ(30)の上流面に付着している塵埃が表側ブラシ(53)によって掻き取られる。
ここで、表側ブラシ(53)は、パイル織物で構成されており、微小な埃(例えば、粉塵系の埃)よりも比較的大きな埃(例えば、繊維系の埃)を掻き取るのに好適である。そのため、エアフィルタ(30)の上流面(表面)に付着している微小な埃は、表側ブラシ(53)には掻き取られずに、エアフィルタ(30)の網目から下流側へ押し出される(抜け出る)虞がある。ところが、本発明では、表側ブラシ(53)に対応するエアフィルタ(30)の下流面に裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)が接触しているので、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)によってエアフィルタ(30)の網目が塞がれる。これにより、微小な埃がエアフィルタ(30)の網目を通して押し出され難くなる。また、微小な埃がエアフィルタ(30)の網目から押し出された(抜け出た)としても、押し出された埃は裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)によって捕捉される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の毛足が上記表側ブラシ(53)の毛足よりも長いものである。
上記第2の発明では、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の毛足が比較的長い。そのため、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の毛腰が比較的柔らかい。したがって、表側ブラシ(53)による掻き取り時に、エアフィルタ(30)は表側ブラシ(53)に過剰な力で押し付けられることなく弾力性をもって適切な力で押し付けられる。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記移動手段(40)による相対的な移動方向における上記裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の幅L2が、上記移動手段(40)による相対的な移動方向における上記表側ブラシ(53)と上記エアフィルタ(30)との接触幅L1よりも長いものである。
上記第3の発明では、例えば図11に示すように、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の相対的移動方向における幅が表側ブラシ(53)とエアフィルタ(30)との接触幅よりも長い。そのため、エアフィルタ(30)において埃の押し出される領域(網目)が確実に裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)によって塞がれる。または、エアフィルタ(30)において押し出された埃が確実に裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)によって捕捉される。
第4の発明は、上記第1乃至第3の何れか1の発明において、上記裏側ブラシ(102)が、上記エアフィルタ(30)の上記表側ブラシ(53)に対応する下流面に垂直に延びて接触しているものである。
上記第4の発明では、例えば図11に示すように、裏側ブラシ(102)がエアフィルタ(30)の下流面に対して垂直に延びているので、確実にエアフィルタ(30)の網目が裏側ブラシ(102)によって塞がれる。
第5の発明は、上記第1乃至第4の何れか1の発明において、上記裏側ブラシ(107)が植毛されるベース板(106)を備えている。そして、上記裏側ブラシは、上記ベース板(106)において上記移動手段(40)による相対的な移動方向に互いに所定間隔を置いて植毛され且つ上記エアフィルタ(30)の上記表側ブラシ(53)に対応する下流面に向かって延びて接触する複数の植毛群(107,107)からなっているものである。
上記第5の発明では、例えば図14に示すように、ベース板(106)において相対的移動方向の前後に複数(2つ)の植毛群(107,107)が所定間隔を置いて配置されている。つまり、エアフィルタ(30)の下流面においてベース板(106)と2つの植毛群(107,107)とで囲まれた空間(捕集空間(108))が形成される。本発明では、複数の植毛群(107,107)によってエアフィルタ(30)の網目が塞がれる。さらに、本発明では、エアフィルタ(30)の網目から押し出された埃が植毛群(107,107)に捕捉されると共に上記捕集空間(108)に捕集される(保持される)。また、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の前後において複数の植毛群(107,107)が接触するため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分において相対的移動方向に一定の張力が作用する。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧が適切に確保され、その結果、表側ブラシ(53)による掻き取り力が増大する。
第6の発明は、上記第1乃至第4の何れか1の発明において、上記裏側ブラシ(112)は、上記エアフィルタ(30)の上記表側ブラシ(53)に対応する下流面に向かって延びると共に、上記エアフィルタ(30)の相対的な移動方向における断面視において上記エアフィルタ(30)に接触する先端が上記エアフィルタ(30)の相対的な移動方向の後方側にのみテーパ面が形成される先細形状となっているものである。
上記第6の発明では、例えば図15に示すように、裏側ブラシ(112)の先端は、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の後方側(図15における左側)、即ち表側ブラシ(53)および裏側ブラシ(112)の相対的移動方向の前方側に、テーパ面が形成される先細形状となっている。つまり、裏側ブラシ(112)の先端部とエアフィルタ(30)の下流面との間に空間(捕集空間(113))が形成される。本発明では、裏側ブラシ(112)の先端がエアフィルタ(30)に接触している箇所は網目が塞がれる。また、エアフィルタ(30)から押し出された埃は、裏側ブラシ(112)に捕捉されると共に上記捕集空間(113)に捕集される(保持される)。
第7の発明は、上記第1乃至第4の何れか1の発明において、上記裏側ブラシ(117)が植毛されるベース板(116)を備えている。上記裏側ブラシ(117)は、上記ベース板(116)において上記エアフィルタ(30)の相対的な移動方向の後方側から順に植毛され且つ各々が上記エアフィルタ(30)の上記表側ブラシ(53)に対応する下流面に向かって延びる第1植毛群(117a)、第2植毛群(117b)および第3植毛群(117c)からなっているものである。そして、上記第1植毛群(117a)は、先端が上記エアフィルタ(30)に接触している。上記第2植毛群(117b)は、先端が上記エアフィルタ(30)と所定距離だけ離隔すると共に、植毛の密度が上記第1植毛群(117a)の植毛の密度よりも高い。上記第3植毛群(117c)は、先端が上記エアフィルタ(30)に接触すると共に、植毛の密度が上記第1植毛群(117a)の植毛の密度よりも高く且つ植毛の毛腰が上記第1植毛群(117a)の植毛の毛腰よりも硬い。
上記第7の発明では、例えば図16に示すように、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の後方側(図16における左側)から順に、即ち表側ブラシ(53)および裏側ブラシ(117)の相対的移動方向の前方側から順に、第1植毛群(117a)、第2植毛群(117b)、第3植毛群(117c)が配置されている。そして、エアフィルタ(30)の下流面において上記3つの植毛群(117a,117b,117c)によって囲まれた空間(捕集空間(118))が形成される。本発明では、第1植毛群(117a)と第3植毛群(117c)によってエアフィルタ(30)の網目が塞がれる。さらに、本発明では、エアフィルタ(30)の網目から押し出された埃が上記3つの植毛群(117a,117b,117c)に捕捉されると共に上記捕集空間(118)に捕集される(保持される)。ここで、第1植毛群(117a)は植毛密度が比較的低く且つ毛腰が比較的柔らかいため、第1植毛群(117a)が接触するエアフィルタ(30)の部分では表側ブラシ(53)との接触圧が比較的低い。そのため、表側ブラシ(53)に対してエアフィルタ(30)の塵埃が容易に取り込まれる。第2植毛群(117b)は、植毛密度が比較的高く且つ毛腰が比較的柔らかいため、捕集空間(118)の埃も含めて微小な埃が保持されやすい。第3植毛群(117c)は、植毛密度が比較的高く且つ毛腰が比較的硬いため、第3植毛群(117c)が接触するエアフィルタ(30)の部分では表側ブラシ(53)との接触圧が比較的高い。そのため、捕集空間(118)の微小な埃がエアフィルタ(30)の相対的移動方向に抜け出るのを防止できる。
また、本発明において、上記第5の発明と同様、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の前後において裏側ブラシ(117)が接触することとなるため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分において相対的移動方向に一定の張力が作用する。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧が適切に確保され、表側ブラシ(53)による掻き取り力が増大する。
第8の発明は、上記第1乃至第4の何れか1の発明において、上記エアフィルタ(30)の相対的な移動方向と直交する方向に延びる横断面視円形のシャフト(52)を有し、該シャフト(52)の外周面に上記表側ブラシ(53)が植毛されるブラシ部材(51)を備えている。一方、上記裏側ブラシ(122,127)は、上記エアフィルタ(30)の相対的な移動方向における断面視において上記エアフィルタ(30)に接触する先端側の中央部に、上記表側ブラシ(53)の外周の一部が入り込んで上記エアフィルタ(30)を介して接触する窪みが形成されているものである。
上記第8の発明では、裏側ブラシ(122,127)の先端の中央部に表側ブラシ(53)の外周の一部が入り込む窪みが形成されている。窪みに入り込んだ表側ブラシ(53)は、外周の一部がエアフィルタ(30)を介して該窪みの内面に接触する。そのため、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が裏側ブラシ(122,127)の窪みの内面に接触する。つまり、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が確実に裏側ブラシ(122,127)に接触する。これにより、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目が確実に裏側ブラシ(122,127)によって塞がれ、またはエアフィルタ(30)から押し出された埃が確実に裏側ブラシ(122,127)に捕捉される。また、上記第5の発明と同様、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の前後において裏側ブラシ(122,127)が接触することとなるため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分において相対的移動方向に一定の張力が作用する。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧が適切に確保され、表側ブラシ(53)による掻き取り力が増大する。
第9の発明は、上記第8の発明において、上記裏側ブラシ(122)の窪みは、上記エアフィルタ(30)の相対的な移動方向における断面視において上記表側ブラシ(53)に対応する円弧状に形成されているものである。
上記第9の発明では、例えば図17に示すように、裏側ブラシ(122)の先端の中央部が表側ブラシ(53)の円弧形状に対応する円弧状に形成されている。そのため、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が裏側ブラシ(122)の先端の円弧面に接触する。つまり、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が確実に裏側ブラシ(122)に接触する。これにより、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目が確実に裏側ブラシ(122)によって塞がれ、またはエアフィルタ(30)から押し出された埃が確実に裏側ブラシ(122)に捕捉される。また、上記第5の発明と同様、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の前後において裏側ブラシ(122)が接触することとなるため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分において相対的移動方向に一定の張力が作用する。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧が適切に確保され、表側ブラシ(53)による掻き取り力が増大する。
第10の発明は、上記第8の発明において、上記裏側ブラシ(127)の窪みは、上記エアフィルタ(30)の相対的な移動方向における断面視において山型に形成されているものである。
上記第10の発明では、例えば図18に示すように、裏側ブラシ(127)の先端の中央部が先端側へ向かって開く山型に形成されている。そのため、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が裏側ブラシ(127)の山型の切除面に線接触する。これにより、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目が確実に裏側ブラシ(127)によって塞がれ、またはエアフィルタ(30)から押し出された埃が確実に裏側ブラシ(127)に捕捉される。また、上記第5の発明と同様、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の前後において裏側ブラシ(127)が接触することとなるため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分において相対的移動方向に一定の張力が作用する。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧が適切に確保され、表側ブラシ(53)による掻き取り力が増大する。
第11の発明は、上記第1乃至第10の何れか1の発明において、上記裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)がナイロン製の植毛からなっているものである。
上記第11の発明では、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の植毛が表側ブラシ(53)の植毛とは異なりナイロン製である。
以上のように、本発明によれば、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)によってエアフィルタ(30)の網目を塞ぐことができる。また、エアフィルタ(30)の網目を通して下流側へ押し出された(抜け出た)微小な埃を裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)によって捕捉することができる。これにより、エアフィルタ(30)の上流面に付着している塵埃が下流面に抜け出て室内へ吹き出されるのを防止することができる。その結果、フィルタ清掃機能を備えた室内ユニットの信頼性を向上させることが可能となる。
さらに、本発明によれば、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)に対応する下流面に裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)を接触させるため、エアフィルタ(30)を表側ブラシ(53)に押し付けることができる。そのため、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧を適切に確保することができる。これにより、表側ブラシ(53)による塵埃の掻き取り力を増大させることができる。
第2の発明によれば、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の毛足を長くして毛腰を柔らかくしているため、エアフィルタ(30)が表側ブラシ(53)に過剰に押し付けられるのを防止することができる。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧が適切なものとなるので、移動手段(40)によるエアフィルタ(30)または表側ブラシ(53)を移動させる力を軽減することができる。また、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の毛腰が柔らかいため、微小な埃を捕捉しやい(保持しやすい)。
第3の発明によれば、裏側ブラシ(102,107,112,117,122,127)の相対的移動方向における幅を表側ブラシ(53)とエアフィルタ(30)との接触幅よりも長くしている。そのため、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目を確実に塞ぐことができ、または押し出された埃を確実に捕捉することができる。
第4の発明によれば、裏側ブラシ(102)がエアフィルタ(30)の下流面に対して垂直に延びているため、確実にエアフィルタ(30)の網目を裏側ブラシ(102)によって塞ぐことができる。
第5、第6および第7の発明によれば、エアフィルタ(30)の下流側においてエアフィルタ(30)から押し出された埃を捕集するための捕集空間(108,113,118)を形成したため、裏側ブラシ(107,112,117)による埃の捕捉量(捕集量)を増大させることができる。その結果、裏側ブラシ(107,112,117)の塵埃の捕捉機能を長期間維持することができる。
また、第7の発明によれば、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の後方側から順に配置した3つの植毛群(117a,117b,117c)の各々の植毛密度および毛腰の度合いを工夫するようにした。これにより、先ず、表側ブラシ(53)に対してエアフィルタ(30)の塵埃を容易に取り込むことができる。そのため、エアフィルタ(30)に付着している塵埃を表側ブラシ(53)によって確実に掻き取ることができる。また、第2植毛群(117b)および捕集空間(118)において微小な埃を確実に保持することができる。そして、捕集空間(118)に捕集されている微小な埃がエアフィルタ(30)の相対的移動方向に抜け出るのを防止することができる。以上により、フィルタ清掃機能を備えた室内ユニットの信頼性をより向上させることができる。
第8、第9および第10の発明によれば、裏側ブラシ(122)の先端の中央部に表側ブラシ(53)の外周の一部が入り込む窪みを形成するようにした。そのため、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面を確実に裏側ブラシ(122)に接触させることができる。これにより、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目を確実に塞ぐことができ、またはエアフィルタ(30)から押し出された埃を確実に捕捉することができる。
また、第5、第7、第8、第9および第10の発明によれば、エアフィルタ(30)の相対的移動方向の前後に間隔を置いて裏側ブラシ(107,117,122,127)を接触させているため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分において相対的移動方向に一定の張力を作用させることができる。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧を適切に確保することができる。その結果、表側ブラシ(53)による掻き取り力を増大させることが可能となり、フィルタ清掃機能の信頼性を一層向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《実施形態1》
本発明の実施形態1について説明する。本実施形態の室内ユニット(1)は、空気調和装置の一部を構成し、室内空間の天井に設置される。空気調和装置は、室外ユニットに設けられる圧縮機、室外熱交換器および膨張弁と、上記室内ユニット(1)に設けられる室内熱交換器(22)とが配管接続されて成る冷媒回路を備えている。冷媒回路は、冷媒が可逆に循環して、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。空気調和装置では、冷媒回路において室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する冷房運転と、冷媒回路において室内熱交換器(22)が凝縮器として機能する暖房運転とが行われる。
〈室内ユニットの構成〉
図1および図2に示すように、上記室内ユニット(1)は、ケーシング(10)と化粧パネル(11)とを備えている。ケーシング(10)内には、室内熱交換器(22)、ドレンパン(23)、室内ファン(21)、エアフィルタ(30)、フィルタ駆動手段(40)、塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)、塵埃搬送手段(80)および塵埃捕集箱(90)が設けられている。
上記ケーシング(10)は、下側が開放された略直方体の箱状に形成されている。ケーシング(10)の内面には、断熱材(17)が積層されている。ケーシング(10)は、下部が天井板の開口に挿通する状態で設置される。
上記化粧パネル(11)は、矩形の板状に形成されている。化粧パネル(11)の平面視形状は、ケーシング(10)の平面視形状よりも一回り大きくなっている。化粧パネル(11)は、シール部材(16)を間に挟んだ状態でケーシング(10)の下側を覆うように取り付けられる。化粧パネル(11)がケーシング(10)に取り付けられた状態では、化粧パネル(11)が室内に露出する。
上記化粧パネル(11)には、1つの吸込口(13)と4つの吹出口(14)とが形成されている。吸込口(13)は、矩形状に形成され、化粧パネル(11)の中央部に形成されている。吸込口(13)には、スリット状に形成された吸込グリル(12)が嵌め込まれている。各吹出口(14)は、細長い矩形状に形成されている。各吹出口(14)は、化粧パネル(11)の各辺に沿うように形成されている。そして、各吹出口(14)には、風向調整板(15)が設けられている。この風向調整板(15)は、回動して風向(吹出方向)を調整するものである。
上記室内ファン(21)は、いわゆるターボファンである。室内ファン(21)は、ケーシング(10)の中央付近に配置され、吸込口(13)の上側に位置している。室内ファン(21)は、ファンモータ(21a)と羽根車(21b)とを備えている。ファンモータ(21a)は、ケーシング(10)の天板に固定されている。羽根車(21b)は、ファンモータ(21a)の回転軸に連結されている。室内ファン(21)の下側には、吸込口(13)に連通するベルマウス(24)が設けられている。このベルマウス(24)は、ケーシング(10)内において、室内熱交換器(22)の上流側の空間を室内ファン(21)側と吸込グリル(12)側とに区画している。室内ファン(21)は、ベルマウス(24)を介して下側から吸い込んだ空気を周方向へ吹き出すように構成されている。
上記室内熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成されている。室内熱交換器(22)は、平面視でロ字状に形成され、室内ファン(21)の周囲を囲むように配置されている。室内熱交換器(22)では、冷媒と室内ファン(21)によって送られる室内空気(吹出空気)との間で熱交換が行われる。
上記ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)の下側に設けられている。ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。ドレンパン(23)には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。ドレンパン(23)は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がつけられている。
上記ベルマウス(24)の下方には、仕切板(25)が設けられている。この仕切板(25)は、ベルマウス(24)と吸込グリル(12)との間の空間を上下に仕切っている。つまり、仕切板(25)は、室内熱交換器(22)の上流側空間をベルマウス(24)を含む室内熱交換器(22)側と吸込グリル(12)側とに区画している。
上記仕切板(25)の中央には、吸込口(13)から吸い込まれた空気がベルマウス(24)へ流入するための通気孔(26)が形成されている。図3に示すように、この通気孔(26)は、円形孔がその径方向に延びる4つの径方向部材(27)によって扇形に仕切られている。各径方向部材(27)は、互いに円中心で繋がっており、その部分に円筒状のフィルタ回転軸(28)が下方に突出している。フィルタ回転軸(28)は、上記エアフィルタ(30)が回転するための回転軸である。また、1つの径方向部材(27)には、フィルタ押さえ(29)が2つ設けられている。
図3に示すように、上記エアフィルタ(30)は、仕切板(25)の下方に配置され、ベルマウス(24)の入口を覆う大きさの円板状に形成されている。具体的に、エアフィルタ(30)は、環状のフィルタ本体(31)とメッシュ部材(37)とを備えている。フィルタ本体(31)の外周面には、ギア部(32)が設けられている。フィルタ本体(31)の環状中心部には、6つの径方向リブ(34)によって支持される円筒状の軸挿通部(33)が設けられている。つまり、各径方向リブ(34)は、軸挿通部(33)から放射状に延びている。また、フィルタ本体(31)の内円部には、該フィルタ本体(31)と同心の環状に形成された内側周方向リブ(35)および外側周方向リブ(36)が設けられている。外側周方向リブ(36)は、内側周方向リブ(35)よりも大径に形成されている。メッシュ部材(37)は、フィルタ本体(31)の内円部全体に張られている。吸込口(13)から吸い込まれた空気は、エアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)を通過してベルマウス(24)へ流入する。その際、空気中の塵埃がメッシュ部材(37)に捕捉される。
また、上記エアフィルタ(30)は、上述したフィルタ押さえ(29)が各周方向リブ(35,36)に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ(30)が後述する塵埃除去手段(50)の回転ブラシ(51)に押さえ付けられる。したがって、塵埃除去手段(50)による除去効率が向上する。
図4にも示すように、上記エアフィルタ(30)は、軸挿通部(33)が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に嵌め込まれて取り付けられる。エアフィルタ(30)は、フィルタ回転軸(28)を中心として回転自在になっている。エアフィルタ(30)の下方には、上記塵埃貯留容器(60)が配置されている。そして、エアフィルタ(30)が軸挿通部(33)に嵌め込まれた状態で、上記塵埃貯留容器(60)のフィルタ取付部(68)が仕切板(25)の軸挿通部(33)に止めネジ(28a)によって固定される。これにより、仕切板(25)と塵埃貯留容器(60)との間にエアフィルタ(30)が保持される。
上記エアフィルタ(30)の近傍には、該エアフィルタ(30)を後述する回転ブラシ(51)に接触した状態で回転駆動するためのフィルタ駆動手段(40)が設けられている(図2も参照)。つまり、このフィルタ駆動手段(40)は、回転ブラシ(51)に対してエアフィルタ(30)を移動させる移動手段を構成している。
具体的に、上記フィルタ駆動手段(40)は、図5に示すように、フィルタ駆動モータ(41)とリミットスイッチ(44)を備えている。フィルタ駆動モータ(41)の駆動軸には、駆動ギア(42)が設けられ、該駆動ギア(42)がフィルタ本体(31)のギア部(32)と噛み合っている。駆動ギア(42)の一端面には、突片であるスイッチ作動部(43)が設けられている。このスイッチ作動部(43)は、駆動ギア(42)の回転によりリミットスイッチ(44)のレバー(44a)に作用するようになっている。スイッチ作動部(43)がレバー(44a)に作用すると、リミットスイッチ(44)が検知する。つまり、スイッチ作動部(43)およびリミットスイッチ(44)は、駆動ギア(42)の回転位置を検出するためのものである。
そして、上記フィルタ駆動手段(40)は、エアフィルタ(30)を回転ブラシ(51)に接触した状態で所定角度ずつ間欠的に回転させて該回転ブラシ(51)で塵埃を掻き取る(除去する)動作を行う。この動作の詳細については、後述する。
次に、上記塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)および塵埃搬送手段(80)について、図6〜図11を参照しながら説明する。これら塵埃除去手段(50)等は、仕切板(25)やエアフィルタ(30)の下方(上流側)に配置されている(図1や図2を参照)。
上記塵埃除去手段(50)は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するためのものである。塵埃除去手段(50)は、回転ブラシ(51)と、清掃用ブラシ(55)と、ブラシ駆動手段(59)と、裏当て部材(100)を備えている。回転ブラシ(51)は上述したようにエアフィルタ(30)の塵埃を掻き取るものであり、清掃用ブラシ(55)は回転ブラシ(51)から塵埃を除去するものである。なお、回転ブラシ(51)は本発明に係るブラシ部材を構成している。この塵埃除去手段(50)の詳細については後述する。
図6〜図8に示すように、上記塵埃貯留容器(60)は、清掃用ブラシ(55)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が貯留されるもの、即ち塵埃除去手段(50)によってエアフィルタ(30)から除去された塵埃を貯留するものである。塵埃貯留容器(60)は、側面視形状(図6において右側から視た形状)がやや逆くの字に屈曲している柱状の容器である。塵埃貯留容器(60)は、上側部分がエアフィルタ(30)の塵埃が除去される除去部(61)であり、下側部分がエアフィルタ(30)から除去された塵埃が貯留される貯留部(62)となっている。
上記除去部(61)の上板には、その長手方向に延びるブラシ用開口(63)が形成され、そのブラシ用開口(63)に回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(55)が設けられている。なお、除去部(61)の一側面に上述したフィルタ取付部(68)が設けられている。また、ブラシ用開口(63)の後方側(即ち、清掃用ブラシ(55)側と反対側)の縁部(61a)は、回転ブラシ(51)に向かって漸次細くなる先細形状であり、端面が回転ブラシ(51)のブラシ(53)に沿うように円弧状に形成されている。これにより、縁部(61a)と回転ブラシ(51)との隙間が限りなく小さくなる。したがって、万一回転ブラシ(51)によって除去されずに該回転ブラシ(51)を通過してしまったエアフィルタ(30)の塵埃は、直ぐ縁部(61a)に沿ってエアフィルタ(30)の移動方向へガイドされる。つまり、回転ブラシ(51)を通過した塵埃は、除去部(61)の上板に遮られることなくエアフィルタ(30)に付着した状態でスムーズに移動する。このように縁部(61a)を工夫することにより、回転ブラシ(51)と除去部(61)の上板との隙間において塵埃が停滞するのを防止することができる。停滞するとその塵埃が次第に成長して大きな固まりとなり、最終的にその隙間から弾き出されて室内等へ落下してしまうが、本実施形態ではそれが防止される。さらに、縁部(61a)と回転ブラシ(51)との隙間が小さくなるため、塵埃貯留容器(60)の密閉性(シール性)が高くなる。
上記貯留部(62)は、下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その貯留部(62)の円弧部には、清掃用ブラシ(55)によって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が落下して貯留される。貯留部(62)は、長手方向における両端部(66,67)が開口している。その貯留部(62)の第1端部(66)には、後述する塵埃搬送手段(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、後述する塵埃搬送手段(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。
また、図8に示すように、上記塵埃貯留容器(60)には貯留部(62)の塵埃量(塵埃貯留量)を検出するための貯留量検出手段(70)が設けられている。
上記貯留量検出手段(70)は、センサボックス(71)を備えている。このセンサボックス(71)は、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)の第2端部(67)寄りに設けられている(図6や図7を参照)。センサボックス(71)は、貯留部(62)の横断方向に延びてその底部を覆うように形成されている。センサボックス(71)内には、発光LED(72)とフォトトランジスタ(73)が収納されている。発光LED(72)とフォトトランジスタ(73)とは、貯留部(62)をその横断方向に挟んで対峙するように配置されている。一方、貯留部(62)の壁面において、発光LED(72)とフォトトランジスタ(73)に対応する部分には第1透明窓(64)および第2透明窓(65)が設けられている。
上記貯留量検出手段(70)では、発光LED(72)から第1透明窓(64)および第2透明窓(65)を順に透過した光の光度がフォトトランジスタ(73)によって検出される。そして、検出された光度に応じて貯留部(62)における塵埃の貯留量(即ち、充填度)が検出される。つまり、塵埃の貯留量が少ないと、貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率(透過量)が高くなり、検出される光度が高くなる。逆に、塵埃の貯留量が多いと、貯留部(62)において第1透明窓(64)から第2透明窓(65)への光の透過率(透過量)が低くなり、検出される光度が低くなる。したがって、この貯留量検出手段(70)によれば、例えば、光度が所定値以下になると、貯留部(62)の貯留量が満杯になったと判断することができる。即ち、本実施形態の貯留量検出手段(70)は、貯留部(62)における光の透過量に基づいて塵埃貯留容器(60)の塵埃貯留量を検出するように構成されている。
上記塵埃搬送手段(80)は、図2、図6および図7に示すように、上述したダンパボックス(81)および搬送用ダクト(88)と、導入用ダクト(86)と、吸引用ダクト(87)とを備えている。
上記ダンパボックス(81)は、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)の長手方向に沿って延びる直方体状に形成されている。ダンパボックス(81)の長手方向における一端には、貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。図9および図10に示すように、ダンパボックス(81)内には、通路開閉手段であるダンパ(82)が1つ設けられている。このダンパ(82)が閉まると、ダンパボックス(81)の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス(81)の内部空間が第1室(81a)と第2室(81b)とに仕切られる。第2室(81b)には、上述したように貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。
図7や図10に示すように、上記塵埃搬送手段(80)は、ダンパ(82)を開閉駆動するためのダンパ駆動モータ(83)と駆動ギア(84)と従動ギア(85)とを備えている。駆動ギア(84)はダンパ駆動モータ(83)の駆動軸に設けられ、従動ギア(85)はダンパ(82)の回動軸に設けられている。駆動ギア(84)および従動ギア(85)は、互いに噛み合っている。この構成では、ダンパ駆動モータ(83)の回転が各ギア(84,85)を介してダンパ(82)の回動軸に伝達される。これにより、ダンパ(82)が回動軸を中心に回動し、開閉動作が行われる。
上記導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)の上面に接続されて第1室(81a)に連通している。図9に示すように、導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)から鉛直上方に延びており、仕切板(25)を貫通している。導入用ダクト(86)は、横断面が円形の上流側ダクト(86a)および下流側ダクト(86b)を備え、その2つの部材が止めネジ(28a)によって上下方向に連結されている。上流側ダクト(86a)の横断面積(流路面積)は、下流側ダクト(86b)の横断面積(流路面積)よりも大きい。下流側ダクト(86b)の下端(図9における下側)は、ダンパボックス(81)に接続されている。上流側ダクト(86a)の上端(図9における上側)は、ベルマウス(24)の水平に延びる部材にシール部材(86e)を介して当接している。このベルマウス(24)の水平部材には、貫通孔である導入口(86d)が形成されている。そして、この導入口(86d)を通じて、上流側ダクト(86a)が室内ファン(21)側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト(86)は、室内ファン(21)の吹出空気をダンパボックス(81)内へ導入するためのものである。
また、上記導入用ダクト(86)は、上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)の貫通部に位置している。具体的に、上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むように、両ダクト(86a,86b)が連結されている。そして、この連結部分およびシール部材(86e)の部分は、導入用ダクト(86)とダンパボックス(81)と塵埃貯留容器(60)とが一体で導入用ダクト(86)の軸心を中心にして回動するように構成されている。
上記吸引用ダクト(87)は、流入側である一端がダンパボックス(81)の下面に接続されて第2室(81b)に連通している。吸引用ダクト(87)の流出側である他端は、化粧パネル(11)に形成された掃除機挿入口(図示せず)に接続されている。この掃除機挿入口は、掃除機のホース等が挿入されて吸引するための開口である。なお、吸引用ダクト(87)はフレキシブルチューブで構成されている。
上記搬送用ダクト(88)は、図1や図2に示すように、一端が塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)の第2端部(67)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱(90)に接続されている。この搬送用ダクト(88)はフレキシブルチューブで構成されている。
上記塵埃搬送手段(80)では、冷暖房を行う通常運転の場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図10(A)参照)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気はダンパボックス(81)へ導入されない。また、塵埃搬送手段(80)では、塵埃貯留容器(60)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送する場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開く(図10(B)参照)。これにより、室内ファン(21)の吹出空気が導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入される。その結果、塵埃貯留容器(60)内の塵埃は、空気と共に搬送用ダクト(88)を通じて塵埃捕集箱(90)へ搬送される。つまり、塵埃貯留容器(60)の塵埃が排出される。
さらに、上記塵埃搬送手段(80)では、塵埃捕集箱(90)の塵埃をケーシング(10)外へ排出する場合も、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図10(C)参照)。この場合、掃除機によって掃除機吸引口から吸引することで、塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、ダンパボックス(81)および吸引用ダクト(87)を通じて掃除機に吸引される。つまり、この塵埃搬送手段(80)は、室内ファン(21)の吹出空気を利用して塵埃貯留容器(60)の塵埃を所定位置まで搬送するように構成されている。
上記塵埃捕集箱(90)は、図1および図2に示すように、上述したように塵埃貯留容器(60)内の塵埃が搬送されて貯留されるものである。塵埃捕集箱(90)は、やや細長い略直方体状に形成され、塵埃貯留容器(60)と同様に仕切板(25)の下方に配置されている。そして、塵埃捕集箱(90)は、平面的にエアフィルタ(30)に被らないように、仕切板(25)の一端辺に沿って配置されている。これにより、吸込グリル(12)から吸入された空気の塵埃捕集箱(90)は、搬送用ダクト(88)が接続される側と反対側の端部が排気口(91)となっている。この排気口(91)の部分は、ケーシング(10)を貫通して室内に連通している。なお、この排気口(91)の貫通部分にはシール部材(93)が設けられている。
上記塵埃捕集箱(90)は、平面視的に、排気口(91)の部分が他の部分よりも面積が小さくなっている。また、塵埃捕集箱(90)のエアフィルタ(30)側の側板は、エアフィルタ(30)の外周に対応して円弧状に形成されている。さらに、塵埃捕集箱(90)内には、排気口(91)寄りにフィルタ(92)が設けられている。そして、塵埃捕集箱(90)では、塵埃貯留容器(60)から塵埃が搬送される場合、内部の空気が排気口(91)から排出される。その際、フィルタ(92)が設けられているので、搬送された塵埃が排気口(91)から流出することはない。また、掃除機による吸引によって塵埃捕集箱(90)から塵埃が排出される場合、室内空気が排気口(91)を通じて塵埃捕集箱(90)内に流入する。その際、流入した空気中の塵埃がフィルタ(92)によって捕捉される。このように、排気口(91)による給排気によって塵埃捕集箱(90)内の圧力バランスが適切になるので、塵埃捕集箱(90)に対する塵埃の搬送動作および排出動作が適切に行われる。
次に、図8および図11を参照しながら、塵埃除去手段(50)の詳細について説明する。上述したように、塵埃除去手段(50)は、回転ブラシ(51)と、清掃用ブラシ(55)と、ブラシ駆動手段(59)と、裏当て部材(100)を備えている。回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(55)は、上述したように塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口(63)に設けられている。
上記回転ブラシ(51)は、細長い円柱状のシャフト(52)と、該シャフト(52)の外周面に設けられたブラシ(53)とを備えている。この表側ブラシ(53)は、多数の植毛で構成されており、本発明に係るものである。そして、表側ブラシ(53)は、シャフト(52)の周方向における一部分に設けられると共に、シャフト(52)の長さ方向に亘って設けられている。回転ブラシ(51)は、回転するエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)の上流面(表面)に表側ブラシ(53)が接触することでメッシュ部材(37)から塵埃を掻き取る(除去する)ように構成されている。
上記清掃用ブラシ(55)は、回転ブラシ(51)の後方側(エアフィルタ(30)の移動方向の後方側)に配置されている。清掃用ブラシ(55)は、本体部(55a)と、ブラシ(55b)と、バネ部(55c)とを備えている。本体部(55a)は、板状部材であり、回転ブラシ(51)のシャフト(52)と同じ長さに形成されている。本体部(55a)は、その板面が回転ブラシ(51)の外周面に対面して設けられている。また、本体部(55a)の上部は、回転ブラシ(51)のシャフト(52)の外周面に対応する円弧部となっている。この本体部(55a)の円弧部には、本体部(55a)の長さ方向に亘ってブラシ(55b)が設けられている。バネ部(55c)は、本体部(55a)の下端に設けられて、塵埃貯留容器(60)の内壁に取り付けられている。つまり、本体部(55a)は、バネ部(55c)によって支持されている。
上記回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(55)は、エアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さに形成されている。また、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(55)は、エアフィルタ(30)の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。
また、上記回転ブラシ(51)は、上記ブラシ駆動手段(59)によって可逆に回転駆動される。図6および図7に示すように、ブラシ駆動手段(59)は、ブラシ駆動モータ(59a)と、互いに噛み合う駆動ギア(59b)および従動ギア(59c)とを備えている。駆動ギア(59b)はブラシ駆動モータ(59a)の駆動軸に設けられ、従動ギア(59c)は回転ブラシ(51)のシャフト(52)の端部に設けられている。この構成により、回転ブラシ(51)がそのシャフト(52)の軸心回りに回転駆動される。
上記清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)は、回転ブラシ(51)がブラシ駆動手段(59)によって回転すると、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)と接触するように構成されている。その接触により、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)から塵埃が除去される。つまり、清掃用ブラシ(55)は、回転ブラシ(51)から塵埃を除去して該回転ブラシ(51)を清掃するものである。これら回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(55)の塵埃除去作用については、後で詳述する。
また、上記回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)および清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)は、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であり、毛足が比較的短い。また、パイル織物は、微小な埃(例えば、粉塵系の埃)よりも比較的大きな埃(例えば、繊維系の埃)を掻き取るのに好適である。そして、このパイル織物は毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
具体的に、上記回転ブラシ(51)における表側ブラシ(53)の毛並みは、図8においてシャフト(52)から左側に向かって傾斜している。つまり、この表側ブラシ(53)の毛並みは、エアフィルタ(30)の回転方向(移動方向)に対して対向するように傾斜している。このように、エアフィルタ(30)が表側ブラシ(53)の毛並みに対して対向するように回転すると、メッシュ部材(37)の塵埃が効率よく掻き出される。
上記清掃用ブラシ(55)におけるブラシ(55b)の毛並みは、図8において本体部(55a)から下側に向かって傾斜している。つまり、このブラシ(55b)の毛並みは、回転ブラシ(51)が図8において時計回りに回転する際に、その回転方向に対して対向するように傾斜している。
そして、上記裏当て部材(100)は、図8に示すように、エアフィルタ(30)の下流側(裏側、即ち図8における上側)に配置されている。具体的に、裏当て部材(100)は、仕切板(25)の1つの径方向部材(27)の下面に取り付けられている(図1や図3を参照)。裏当て部材(100)は、回転ブラシ(51)に対応するように、エアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さに形成され、且つ、エアフィルタ(30)の円中心から径方向外方へ延びるように配置されている。
図11に示すように、上記裏当て部材(100)は、ベース板(101)と、ブラシ(102)(以下、裏側ブラシ(102)という。)を備えている。裏当て部材(100)は、ベース板(101)が仕切板(25)の径方向部材(27)に固定されることで取り付けられている。裏側ブラシ(102)は、多数のナイロン製の植毛からなっており、ベース板(101)の全体に亘って植毛されている。そして、裏側ブラシ(102)は、ベース板(101)からエアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)に対応する下流面(裏面)に対して垂直に延びて接触している。この構成により、エアフィルタ(30)の網目が裏側ブラシ(102)によって塞がれる。そのため、回転ブラシ(51)による塵埃の掻き取り時に、エアフィルタ(30)の上流面(表面)に付着している粉塵系などの微小な埃がエアフィルタ(30)の網目を通して押し出され難くなる。また、微小な埃がエアフィルタ(30)の網目から押し出された(抜け出た)としても、押し出された埃は裏側ブラシ(102)によって捕捉される。
また、上記裏側ブラシ(102)の毛足は、表側ブラシ(53)の毛足よりも非常に長い
。そのため、裏側ブラシ(102)の毛腰が柔らかい。したがって、回転ブラシ(51)による掻き取り時に、エアフィルタ(30)は表側ブラシ(53)に過剰な力で押し付けられることなく弾力性をもって適切な力で押し付けられる。
また、上記エアフィルタ(30)の移動方向(図11に矢印で示す方向)における裏側ブラシ(102)の幅L2は、エアフィルタ(30)の移動方向における表側ブラシ(53)とエアフィルタ(30)との接触幅L1よりも長い。そのため、エアフィルタ(30)において埃の押し出される領域(網目)が確実に裏側ブラシ(102)によって塞がれる。または、エアフィルタ(30)において押し出された埃が確実に裏側ブラシ(102)によって捕捉される。
−運転動作−
次に、上記室内ユニット(1)における運転動作について図12および図13を参照しながら説明する。室内ユニット(1)は、冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ(30)の清掃を行うフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
〈通常運転〉
通常運転では、図12(A)に示すように、エアフィルタ(30)が回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)に接触した状態で停止される。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる(図10(A)の状態)。
この状態において、室内ファン(21)が駆動される。そうすると、室内ユニット(1)では、吸込口(13)から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ(30)を通過してベルマウス(24)へ流入する。空気がエアフィルタ(30)を通過する際、空気中の塵埃がエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)に捕捉される。ベルマウス(24)に流入した空気は室内ファン(21)から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器(22)の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口(14)から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。
このように、通常運転では、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられているため、室内ファン(21)の吹出空気がダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入されることはない。つまり、塵埃貯留容器(60)への空気の導入が禁止される。
〈フィルタ清掃運転〉
フィルタ清掃運転では、冷媒回路において圧縮機が停止されて冷媒が循環しない状態となる。このフィルタ清掃運転では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」と「塵埃搬送動作」と「塵埃排出動作」とが切換可能に構成されている。
「塵埃除去動作」は、エアフィルタ(30)の塵埃を回転ブラシ(51)で除去する動作である。「ブラシ清掃動作」は、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃を清掃用ブラシ(55)で除去する動作である。「塵埃搬送動作」は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する動作である。「塵埃排出動作」は、塵埃捕集箱(90)からケーシング(10)外へ塵埃を排出する動作である。
本実施形態では、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に行われる。先ず「塵埃除去動作」では、室内ファン(21)が停止状態となる。そして、図12(B)に示すように、フィルタ駆動手段(40)によって、エアフィルタ(30)が回転ブラシ(51)に接触した状態で反時計回りに回転する。なお、このとき回転ブラシ(51)は停止させたままである。
そうすると、図13(A)に示すように、エアフィルタ(30)の塵埃が回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)に捕捉されていく。その際、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)の毛並みがエアフィルタ(30)の回転方向(移動方向)に対向して傾斜しているため、エアフィルタ(30)に付着している塵埃が容易に掻き取られる。よって、回転ブラシ(51)による塵埃の除去効率が向上する。ここで、比較的大きな繊維系の埃は表側ブラシ(53)に掻き取られて捕捉されるが、微小な粉塵系の埃はエアフィルタ(30)の網目を通して下流側(裏側)へ押し出される(抜け出る)虞がある。ところが、本実施形態では、裏側ブラシ(102)がエアフィルタ(30)の下流面に接触して該エアフィルタ(30)の網目を塞いでいるため、微小な埃はエアフィルタ(30)の網目から押し出されにくい。また、微小な埃がエアフィルタ(30)の網目を通して抜け出たとしても、その微小な埃は裏側ブラシ(102)によって捕捉される。したがって、エアフィルタ(30)に付着している塵埃が該エアフィルタ(30)から下流側へ抜け出て室内へ吹き出されるのを確実にできる。
そして、フィルタ駆動手段(40)のリミットスイッチ(44)のレバー(44a)が作動すると、フィルタ駆動モータ(41)が停止されてエアフィルタ(30)が停止する。つまり、エアフィルタ(30)は所定角度だけ回転して停止する。これにより、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)を通過した領域の塵埃が除去される。エアフィルタ(30)が停止すると、「塵埃除去動作」から「ブラシ清掃動作」へ切り換えられる。
「ブラシ清掃動作」では、室内ファン(21)およびエアフィルタ(30)が停止した状態で、回転ブラシ(51)が図13において左回り(反時計回り)に回転する。その際、回転ブラシ(51)は、表側ブラシ(53)に塵埃を捕捉したまま回転する。また、回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(55)のブラシ(53,55b)同士が接触しながら、回転ブラシ(51)が回転する(図13(B)を参照)。そして、回転ブラシ(51)は所定の回転角度だけ回転すると停止する。
続いて、回転ブラシ(51)は、上記とは逆回り(即ち、図13において右回り(時計回り))に回転する。そうすると、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)に付着していた塵埃が清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)に捕捉される(図13(C)を参照)。これは、清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)の毛並みが下向き、即ち毛並みが回転ブラシ(51)の回転方向に対向する向きに傾斜しているため、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)から塵埃が容易に掻き取られる。
また、双方のブラシ(53,55b)同士が接触することによって清掃用ブラシ(55)の本体部(55a)が後方へ押されるが、バネ部(55c)によって本体部(55a)が回転ブラシ(51)側へ付勢される。これにより、ブラシ(53,55b)同士が離隔することはなく、清掃用ブラシ(55)が適切に回転ブラシ(51)に押し付けられる。したがって、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)から塵埃がより確実に除去される。以上により、清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)に塵埃が捕捉される。回転ブラシ(51)は、元の状態(図13(A)の状態)まで回転して停止する。
続いて、回転ブラシ(51)は、図13(D)に示すように、再び左回り(反時計回り)に所定の回転角度(即ち、図13(B)の動作時と同じ回転角度)だけ回転する。そうすると、清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)に捕捉されていた塵埃が回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)によって掻き取られ、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に落下する。これは、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)の毛並みが回転方向に向かって傾斜しているため、清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)から塵埃が確実に掻き取られる。その際も、上記と同様に、バネ部(55c)によって清掃用ブラシ(55)が回転ブラシ(51)に適切に押し付けられるため、清掃用ブラシ(55)から塵埃がより確実に除去される。以上により、回転ブラシ(51)に捕捉された塵埃が除去され、塵埃貯留容器(60)の貯留部(62)に貯留される。その後、回転ブラシ(51)は再び右回り(時計回り)に回転して元の状態(図13(A)の状態)に戻り、「ブラシ清掃動作」が一旦終了する。
「ブラシ清掃動作」が終了すると、再び上述した「塵埃除去動作」が行われる。つまり、再びエアフィルタ(30)が回転され、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が再び作動するとエアフィルタ(30)が停止する。これにより、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)を通過した領域の塵埃が回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)に捕捉される(図13(A)の状態)。このように、「塵埃除去動作」と「ブラシ清掃動作」とが交互に繰り返される。その結果、エアフィルタ(30)において所定の領域毎に塵埃が除去されていく。そして、エアフィルタ(30)の全領域において塵埃が除去されると、「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」が完全に終了する。例えば、リミットスイッチ(44)のレバー(44a)が所定回数作動すると、エアフィルタ(30)が1回転したと判断して上記動作が終了する。
ここで、上述した「塵埃除去動作」および「ブラシ清掃動作」時には、貯留量検出手段(70)によって塵埃貯留容器(60)における塵埃貯留量が検出される。つまり、発光LED(72)による光が貯留部(62)の透明窓(64,65)およびその内部の塵埃を透過する。透過した光の光度がフォトトランジスタ(73)によって検出される。そして、フォトトランジスタ(73)の検出光度が設定値(下限値)以下になると、塵埃貯留容器(60)において塵埃が所定量まで貯留されたと判断して、「塵埃搬送動作」に切り換えられる。
「塵埃搬送動作」では、回転ブラシ(51)およびエアフィルタ(30)が停止状態となる。なお、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)はエアフィルタ(30)に接触した状態である。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開状態(図10(B)の状態)となる。この状態において、室内ファン(21)が駆動される。室内ファン(21)の吹出空気は、導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を順に介して塵埃貯留容器(60)へ導入される。これにより、塵埃貯留容器(60)の塵埃が空気と共に搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)へ搬送される。そうすると、塵埃貯留容器(60)において塵埃の貯留量が減少し、それに伴いフォトトランジスタ(73)の検出光度が高くなる。そして、その検出光度が設定値(上限値)以上になると、塵埃貯留容器(60)において塵埃が殆ど搬送(排出)されたと判断して、「塵埃搬送動作」が終了する。その後、「塵埃除去動作」または「ブラシ清掃動作」が再開される。
また、上述した「塵埃搬送動作」中において、フォトトランジスタ(73)の検出光度がなかなか上昇しない場合(例えば、検出光度が一定時間変化しない場合)、導入用ダクト(86)や搬送用ダクト(88)において空気が適切に流れていないと判断される。例えば、導入用ダクト(86)等で詰まりが生じたか、ダンパ(72)が故障して開いていない等の原因により、空気の流れが阻害される。その場合は、室内ファン(21)を停止させて「塵埃搬送動作」を一旦停止する。そして、点検等によって上記の不具合が解消された後、「塵埃搬送動作」が再開される。
また、本実施形態のフィルタ清掃運転では、所定条件によって「塵埃排出動作」が行われる。例えば、「塵埃搬送動作」が所定回数(所定時間)行われると、「塵埃排出動作」が行われる。または、ユーザーによるリモコン操作によって行うようにしてもよい。「塵埃排出動作」では、上述した「塵埃搬送動作」と同様に、回転ブラシ(51)およびエアフィルタ(30)が停止状態となる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉状態(図10(C)の状態)となる。この状態において、ユーザーが掃除機のホースを化粧パネル(11)の掃除機挿入口に挿入する。この吸引動作により、塵埃捕集箱(90)の塵埃が搬送用ダクト(88)、塵埃貯留容器(60)および吸引用ダクト(87)を順に介して掃除機へ吸い込まれる。その際、塵埃貯留容器(60)内の塵埃も吸引用ダクト(87)を介して掃除機へ吸い込まれる。その結果、塵埃捕集箱(90)および塵埃貯留容器(60)の塵埃がケーシング(10)外へ排出されることとなる。
−実施形態の効果−
本実施形態では、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)に対応する下流面に接触させる裏側ブラシ(102)を設けるようにしたので、エアフィルタ(30)の網目をその下流面から塞ぐことができる。特に、裏側ブラシ(102)がエアフィルタ(30)の下流面に対して垂直に延びているため、確実にエアフィルタ(30)の網目を裏側ブラシ(102)で塞ぐことができる。これにより、エアフィルタ(30)の上流面に付着している微小な埃が網目から下流側へ押し出されにくくなる。また、微小な埃がエアフィルタ(30)の網目から下流側へ押し出された(抜け出た)場合、その微小な埃を裏側ブラシ(102)によって捕捉することができる。以上により、エアフィルタ(30)の上流面に付着している塵埃が下流面に抜け出て室内へ吹き出されるのを防止することができる。その結果、フィルタ清掃機能を備えた室内ユニットの信頼性を向上させることが可能となる。
さらに、エアフィルタ(30)の下流面に裏側ブラシ(102)を接触させるため、エアフィルタ(30)を表側ブラシ(53)に押し付けることができる。そのため、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧を適切に確保することができる。これにより、表側ブラシ(53)による塵埃の掻き取り力を増大させる(掻き取り機能を向上させる)ことができる。ここで、本実施形態では、裏側ブラシ(102)の毛足を長くして毛腰を柔らかくしているため、エアフィルタ(30)が表側ブラシ(53)に過剰に押し付けられるのを防止することができる。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧がより適切なものとなるので、フィルタ駆動手段(40)によるエアフィルタ(30)の回転力(移動力)を軽減することができる。また、裏側ブラシ(102)の毛腰が柔らかいため、微小な埃を捕捉しやい(保持しやすい)。
さらに、本実施形態では、裏側ブラシ(102)のエアフィルタ(30)の移動方向における幅L2を表側ブラシ(53)とエアフィルタ(30)との接触幅L1よりも長くしている。そのため、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目を確実に塞ぐことができ、または押し出された埃を確実に捕捉することができる。
また、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)をパイル織物で構成しているため、特に繊維系の大きな埃を確実に掻き取ることが可能である。そして、パイル織物は毛足が比較的短いため、表側ブラシ(53)の設置スペースを削減することができる。
また、本実施形態の回転ブラシ(51)では、シャフト(52)の周方向の一部分に表側ブラシ(53)を設けるようにしたので、表側ブラシ(53)の設置スペースを削減しながらも、広範な種類の塵埃を効果的に掻き取ることができる。
また、本実施形態では、円板状に形成したエアフィルタ(30)を回転させることで、エアフィルタ(30)と回転ブラシ(51)とを相対的に移動させるようにした。したがって、例えばエアフィルタ(30)を矩形状に形成しスライド移動させる場合に比べて、エアフィルタ(30)が移動するためのスペースを省略することができる。これにより、室内ユニット(1)のコンパクト化を図ることができる。
さらに、回転ブラシ(51)の表側ブラシ(53)について、毛並みがエアフィルタ(30)の移動方向(回転方向)に対向する傾斜パイルを用いているため、エアフィルタ(30)の塵埃を容易に且つ確実に掻き取ることができる。また、清掃用ブラシ(55)のブラシ(55b)についても傾斜パイルを用いているため、回転ブラシ(51)の低密度植毛群(第1植毛群(53a))の塵埃を容易に且つ確実に掻き取ることができる。
また、本実施形態では、室内ファン(21)の吹出空気を塵埃貯留容器(60)に導入して塵埃を搬送するようにした。したがって、吸引ファン等の搬送手段を別途設けることなく、塵埃貯留容器(60)の塵埃を廃棄しやすい所定の場所まで簡易に移動させることができる。これにより、ユニットの大型化およびコスト高を招くことなく、塵埃の処理効率を向上させることができる。
《実施形態2》
本発明の実施形態2について説明する。本実施形態は、上記実施形態1における裏当て部材(100)の構成を変更したものである。なお、後述する実施形態3〜6も、同様に、裏当て部材の構成を変更したものである。
図14に示すように、本実施形態の裏当て部材(105)は、ベース板(106)と、該ベース板(106)に植毛される裏側ブラシ(107)とを備えている。本実施形態の裏側ブラシ(107)は、ベース板(106)においてエアフィルタ(30)の移動方向(図14に矢印で示す方向)に互いに所定間隔を置いて植毛される複数(本実施形態では、2つ)の植毛群(107,107)からなっている。つまり、2つの植毛群(107,107)が互いに所定間隔を置いてエアフィルタ(30)の移動方向の前後に配置されている。この2つの植毛群(107,107)は、エアフィルタ(30)の下流面に対して垂直に延びて接触している。本実施形態の裏当て部材(105)では、エアフィルタ(30)の下流面においてベース板(106)と2つの植毛群(107,107)とで囲まれた捕集空間(108)が形成されている。
この実施形態では、2つの植毛群(107,107)によってエアフィルタ(30)の網目が塞がれる。そのため、エアフィルタ(30)の上流面に付着している微小な埃が網目から下流側へ押し出されにくくなる。さらに、エアフィルタ(30)の網目から押し出された埃は、植毛群(107,107)に捕捉されると共に、捕集空間(108)に捕集される(保持される)。特に、本実施形態では、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)とが接触する部分の中央、即ちエアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)とが最も接触する部分に捕集空間(108)が形成されるように2つの植毛群(107,107)を配置しているので、エアフィルタ(30)の網目から押し出された埃を確実に捕集することができる。つまり、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)とが最も接触する部分では表側ブラシ(53)によって微小な埃がエアフィルタ(30)の網目から押し出されやすいため、その接触部分の裏側に捕集空間(108)を形成することにより、押し出された埃が確実に捕集空間(108)に捕集される。
このように、裏側ブラシ(107)で捕捉することに加え、捕集空間(108)を設けて捕集するようにしたので、裏当て部材(105)による埃の捕捉量(捕集量)を増大させることができる。その結果、裏当て部材(105)の塵埃の捕捉機能を長期間維持することができる。
また、この実施形態では、エアフィルタ(30)の移動方向の前後に間隔を置いて2つの植毛群(107,107)が接触するため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分においてエアフィルタ(30)の移動方向に一定の張力が作用する。これにより、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧をが適切に確保することができる。その結果、表側ブラシ(53)による掻き取り力を増大させる(掻き取り機能を向上させる)ことができる。以上により、フィルタ清掃機能の信頼性を一層向上させることができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
なお、本実施形態においては、上記植毛群(107,107)を3つ以上設けるようにしてもよい。つまり、エアフィルタ(30)の移動方向に互いに所定間隔を置いて3つ以上の植毛群を配置するようにしてもよい。この場合、各植毛群と植毛群の間に捕集空間が形成される。
《実施形態3》
本発明の実施形態3について説明する。図15に示すように、本実施形態の裏当て部材(110)は、ベース板(111)と、該ベース板(111)に植毛される裏側ブラシ(112)とを備えている。裏側ブラシ(112)はベース板(111)の全体に亘って植毛されている。
本実施形態の裏側ブラシ(112)は、エアフィルタ(30)の下流面に対して垂直に延びて接触している。そして、裏側ブラシ(112)は、エアフィルタ(30)の移動方向(図15に矢印で示す方向)における断面視においてエアフィルタ(30)に接触する先端が先細形状となっている。この裏側ブラシ(112)の先細形状は、先端部分のうちエアフィルタ(30)の移動方向の後方側(図15における左側)が切除されてなるものである。つまり、裏側ブラシ(112)の先端部は、表側ブラシ(53)および裏側ブラシ(112)の相対的移動方向の前方側(図15における左側)にのみテーパ面が形成される先細形状となっている。これにより、裏側ブラシ(112)の先端部とエアフィルタ(30)の下流面との間に捕集空間(113)が形成される。
この実施形態では、裏側ブラシ(112)の先端がエアフィルタ(30)に接触している部分では網目が塞がれる。そのため、エアフィルタ(30)の上流面に付着している微小な埃が網目を通して下流側へ押し出されにくくなる。また、エアフィルタ(30)から押し出された(抜け出た)埃は、裏側ブラシ(112)に捕捉されると共に上記捕集空間(113)に捕集される(保持される)。このように、本実施形態においても、裏側ブラシ(112)で捕捉することに加え、捕集空間(113)を設けて捕集するようにしたので、裏当て部材(110)による埃の捕捉量(捕集量)を増大させることができる。その結果、裏当て部材(110)の塵埃の捕捉機能を長期間維持することができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
《実施形態4》
本発明の実施形態4について説明する。図16に示すように、本実施形態の裏当て部材(115)は、ベース板(116)と、該ベース板(111)に植毛される裏側ブラシ(117)とを備えている。裏側ブラシ(117)はベース板(116)の全体に亘って植毛されている。
本実施形態の裏側ブラシ(117)は、ベース板(116)においてエアフィルタ(30)の移動方向の後方側(図16における左側)から順に植毛される3つの植毛群(117a,117b,117c)からなっている。即ち、表側ブラシ(53)および裏側ブラシ(117)の相対的移動方向の前方側から順に、第1植毛群(117a)、第2植毛群(117b)、第3植毛群(117c)が配置されている。これら3つの植毛群(117a,117b,117c)は、エアフィルタ(30)の下流面に対して垂直に延びている。第1植毛群(117a)は、先端がエアフィルタ(30)に接触している。第2植毛群(117b)は、先端がエアフィルタ(30)と所定距離だけ離隔すると共に、植毛の密度が第1植毛群(117a)の植毛の密度よりも高い。第3植毛群(117c)は、先端がエアフィルタ(30)に接触すると共に、植毛の密度が第1植毛群(117a)の植毛の密度よりも高く且つ植毛の毛腰が第1植毛群(117a)の植毛の毛腰よりも硬い。そして、エアフィルタ(30)の下流面において上記3つの植毛群(117a,117b,117c)によって囲まれた捕集空間(118)が形成されている。
この実施形態では、第1植毛群(117a)と第3植毛群(117c)によってエアフィルタ(30)の網目が塞がれる。そのため、エアフィルタ(30)の上流面に付着している微小な埃が網目を通して下流側へ押し出されにくくなる。また、エアフィルタ(30)の網目から押し出された埃は、3つの植毛群(117a,117b,117c)に捕捉されると共に、捕集空間(118)に捕集される(保持される)。このように、本実施形態においても、裏側ブラシ(112)で捕捉することに加え、捕集空間(113)を設けて捕集するようにしたので、裏当て部材(110)による埃の捕捉量(捕集量)を増大させることができる。
また、第1植毛群(117a)は植毛密度が比較的低く且つ毛腰が比較的柔らかいため、第1植毛群(117a)が接触するエアフィルタ(30)の部分では表側ブラシ(53)との接触圧が比較的低くなる。そのため、回転するエアフィルタ(30)の塵埃が表側ブラシ(53)に容易に取り込まれる。したがって、エアフィルタ(30)に付着している塵埃を表側ブラシ(53)によって確実に掻き取ることができる。第2植毛群(117b)は、植毛密度が比較的高く且つ毛腰が比較的柔らかいため、捕集空間(118)の埃も含めて微小な埃が保持されやすい。第3植毛群(117c)は、植毛密度が比較的高く且つ毛腰が比較的硬いため、第3植毛群(117c)が接触するエアフィルタ(30)の部分では表側ブラシ(53)との接触圧が比較的高くなる。そのため、捕集空間(118)の微小な埃がエアフィルタ(30)の相対的移動方向に抜け出るのを防止することができる。以上により、フィルタ清掃機能の信頼性をより向上させることができる。
また、この実施形態では、エアフィルタ(30)の移動方向の前後において第1植毛群(117a)および第3植毛群(117c)が接触することとなるため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分においてエアフィルタ(30)の移動方向に一定の張力が作用する。したがって、上記実施形態2と同様、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧をが適切に確保することができる。その結果、表側ブラシ(53)による掻き取り力を増大させる(掻き取り機能を向上させる)ことができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
《実施形態5》
本発明の実施形態5について説明する。図17に示すように、本実施形態の裏当て部材(120)は、ベース板(121)と、該ベース板(121)に植毛される裏側ブラシ(122)とを備えている。
本実施形態のベース板(121)は、エアフィルタ(30)側の一面が円弧状に形成されている。裏側ブラシ(122)は、ベース板(121)の上記円弧状の一面に亘って植毛され、概ね円弧中心に向かって延びている。そして、裏側ブラシ(122)は、エアフィルタ(30)の移動方向(図17に矢印で示す方向)における断面視においてエアフィルタ(30)に接触する先端側の中央部に窪みが形成されている。その窪みは、表側ブラシ(53)に対応する円弧状に形成されている。つまり、裏側ブラシ(122)の先端の中央部が表側ブラシ(53)の円弧形状に対応する円弧状に形成されている。なお、裏側ブラシ(122)の先端は、切除された中央部以外の部分はエアフィルタ(30)の下流面に接触している。
この実施形態では、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が裏側ブラシ(122)の先端中央の円弧面に接触する。つまり、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が確実に裏側ブラシ(122)に接触する。これにより、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目を確実に裏側ブラシ(122)で塞ぐことができる。また、エアフィルタ(30)から押し出された埃を確実に裏側ブラシ(122)で捕捉することができる。
また、本実施形態においても、エアフィルタ(30)の移動方向の前後において裏側ブラシ(122)が接触することとなるため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分においてエアフィルタ(30)の移動方向に一定の張力が作用する。したがって、上記実施形態2と同様、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧を適切に確保することができ、表側ブラシ(53)による掻き取り力を増大させる(掻き取り機能を向上させる)ことができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
なお、本実施形態においては、裏側ブラシ(122)がベース板(121)からエアフィルタ(30)の下流面に垂直に延びて接触するようにして、その先端の中央部を円弧状に形成してもよい。
《実施形態6》
本発明の実施形態6について説明する。図18に示すように、本実施形態の裏当て部材(125)は、ベース板(126)と、該ベース板(126)に植毛される裏側ブラシ(127)とを備えている。裏側ブラシ(127)はベース板(126)の全体に亘って植毛されている。
本実施形態の裏側ブラシ(127)は、エアフィルタ(30)の下流面に対して垂直に延びて接触している。そして、裏側ブラシ(127)は、エアフィルタ(30)の移動方向(図18に矢印示す方向)における断面視においてエアフィルタ(30)に接触する先端側の中央部に窪みが形成されている。その窪みは山型に形成されている。つまり、裏側ブラシ(127)の先端の中央部が先端側へ向かって開く山型に形成されている。
この実施形態では、エアフィルタ(30)における表側ブラシ(53)が接触する部分の下流面が裏側ブラシ(127)の山型の切除面に線接触する。これにより、埃が押し出されるエアフィルタ(30)の網目を確実に裏側ブラシ(127)で塞ぐことができ、また、エアフィルタ(30)から押し出された埃を確実に裏側ブラシ(127)で捕捉することができる。さらに、本実施形態においても、エアフィルタ(30)の移動方向の前後において裏側ブラシ(127)が接触することとなるため、エアフィルタ(30)の表側ブラシ(53)との接触部分においてエアフィルタ(30)の移動方向に一定の張力が作用する。したがって、上記実施形態2と同様、エアフィルタ(30)と表側ブラシ(53)との接触圧を適切に確保することができ、表側ブラシ(53)による掻き取り力を増大させる(掻き取り機能を向上させる)ことができる。その他の構成、作用および効果は上記実施形態1と同様である。
なお、上記裏側ブラシ(122,127)の窪みの形状は、上記実施形態5および6で言及した形状以外であってもよいことは勿論である。
《その他の実施形態》
上記各実施形態は、以下のように構成してもよい。
例えば、上記各実施形態では、フィルタ清掃運転の塵埃除去動作時およびブラシ清掃動作時に、エアフィルタ(30)を回転させるようにしたが、エアフィルタ(30)に対して塵埃貯留容器(60)(回転ブラシ(51)および清掃用ブラシ(55)を含む)を移動させるようにしてもよい。即ち、表側ブラシ(53)をエアフィルタ(30)に対して移動させるようにしてもよい。この場合、塵埃貯留容器(60)がエアフィルタ(30)の軸挿通部(33)を中心にして公転する。つまり、本発明は、エアフィルタ(30)と回転ブラシ(51)とが相対的に移動するように構成されていればよい。
また、上記各実施形態では、エアフィルタ(30)が円形に形成されているものとしたが、これに限らず、エアフィルタ(30)が矩形状に形成されているものであってもよい。この場合、例えば、エアフィルタ(30)は回転ブラシ(51)に対して直線移動する。
また、上記各実施形態では、エアフィルタ(30)を間欠的に回転させ、その間欠的な停止毎にブラシ清掃動作を行うようにしたが、本発明は、エアフィルタ(30)を連続して1回転または数回転させた後にブラシ清掃動作を行うようにしてもよいことは勿論である。
また、上記各実施形態では、室内天井に設置される室内ユニット(1)について説明したが、本発明はこれに限らず、室内の壁に設置されるいわゆる壁掛け式の室内ユニットであっても適用することができる。