JP2011075042A - 常時開放型クラッチ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチレバー等のクラッチリリース機構を設けることなく、車両停車時エンジンを切った場合に車両を押し歩きできる常時開放型クラッチ構造を提供する。
【解決手段】エンジンE、該エンジンEにより駆動される駆動輪131、前記エンジンE及び前記駆動輪131間に設けた自動変速機を備える小型車両100に設けられ、アクチュエータ71を含み、該アクチュエータ71により自動変速機に設けたクラッチを断・接するクラッチ作動機構を備えた常時開放型クラッチ構造において、前記クラッチ作動機構は、前記アクチュエータ71が作動する時には、前記クラッチを接続状態に制御すると共に、前記アクチュエータ71が非作動状態の時には、前記クラッチを切断状態に作動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、小型車両に設けた常時開放型クラッチ構造に関する。
従来、油圧発生装置を備え、その油圧発生によりクラッチを自動的に断・接させるクラッチ構造を備えた小型車両が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この種の小型車両では、自動変速機構を備え、クラッチを操作する操作子(例えば、クラッチレバー)等は設けられていない。
特開2003−329064
しかしながら、当該車両では、車両を停止しエンジンを切った場合に、油圧発生装置がクラッチ作動油を供給しないことから、ピストン作動による作動油の供給が行われず、常にクラッチが接続された状態となってしまう。
すなわち従来の自動変速機構では、何らかのクラッチを切断する別個の操作子を設けない限り、クラッチを切ることができず、駆動輪からエンジンに回転が伝達されるため、例えば自動二輪車では押し歩き等が困難となる。
そこで、本発明の目的は、上述した従来技術が有する課題を解消し、クラッチレバー等のクラッチリリース機構を設けることなく、車両停車時エンジンを切った場合に車両を押し歩きできる常時開放型クラッチ構造を提供することにある。
本発明は、エンジン、該エンジンにより駆動される駆動輪、前記エンジン及び前記駆動輪間に設けた自動変速機を備える小型車両に設けられ、アクチュエータを含み、該アクチュエータにより自動変速機に設けたクラッチを断・接するクラッチ作動機構を備えた常時開放型クラッチ構造において、前記クラッチ作動機構は、前記アクチュエータが作動する時には、前記クラッチを接続状態に制御すると共に、前記アクチュエータが非作動状態の時には、前記クラッチを切断状態に作動させることを特徴とする。
本発明では、前記アクチュエータが非作動状態の時には、前記クラッチを切断状態に作動させるため、クラッチリリース機構を設けることなく、車両停止時にクラッチが切断状態になり、駆動輪とエンジン間の回転伝達が遮断されるため、車両の押し歩きが可能となる。
この場合、前記クラッチ作動機構は油圧クラッチ作動機構であり、前記油圧クラッチ作動機構は、前記アクチュエータから作動油が供給される時には、前記油圧クラッチを電気的に接続状態に制御すると共に、前記アクチュエータから作動油が供給されない時には、前記油圧クラッチを機械的に切断状態に作動させてもよい。
この構成では、クラッチリリース機構を設けることなく、車両停止時には作動油が供給されないため、機械的に自動で油圧クラッチが切断状態になり、駆動輪とエンジン間の回転伝達が遮断されるため、車両の押し歩きが可能となる。
前記油圧クラッチ作動機構はライダーの任意操作によらず前記油圧クラッチを断・接するようにしてもよい。
操作レバーなどの別の操作子を設けなくとも、車両停止時に車両の押し歩きが可能となるため、部品点数の削減になりコンパクトな構造で押し歩きが可能となる。
前記油圧クラッチはクラッチスプリングを利用して機械的に切断状態に作動させるようにしてもよい。
既存のクラッチスプリングとは別のスプリングを設けることなく、既存のクラッチスプリングを利用してクラッチを切断できるので、部品点数及びコストが削減できる。
前記クラッチスプリングはプレッシャープレートとクラッチインナ間に配置されるようにしてもよい。
プレッシャープレートとクラッチインナ間の空いたスペースを利用してクラッチスプリングを配置できるので、油圧クラッチ作動機構をコンパクトにできる。
前記クラッチ作動機構は、クラッチアウタ、クラッチインナ及びプレッシャープレートを有した多板クラッチを備え、前記プレッシャープレートの筒部が前記クラッチインナの貫通孔を貫通し、その先端にホルダ及びリフタを連結し、リフタをクラッチリフターロッドの先端に固着し、前記プレッシャープレートと前記クラッチインナ間に前記クラッチスプリングを配置してもよい。
プレッシャープレートの筒部をクラッチインナの貫通孔に貫通させて、プレッシャープレートとクラッチインナ間の空いたスペースを利用してクラッチスプリングを配置できるので、クラッチ作動機構をコンパクトにできる。
前記クラッチスプリングは前記プレッシャープレートの筒部の外周に配置してもよい。
簡易な構造で、クラッチスプリングを配置できる。
前記小型車両はヘッドパイプから分岐するフレームを有し、該フレームに前記アクチュエータが取り付けられると共に、該アクチュエータから延びたホースがエンジンに搭載されたクラッチスレーブシリンダに接続されてもよい。
小型車両に対して、簡易な構造で、クラッチアクチュエータとクラッチスレーブシリンダとを固定できる。
前記小型車両はV型エンジンを有し、前記アクチュエータはシリンダ及びエンジン本体間のスペースに配置されてもよい。
V型エンジンにより形成されたシリンダ及びエンジン本体間のスペースを有効に活用して、アクチュエータを配置できるので、車両前後及び上下方向への突出を抑えながら、効率よくアクチュエータを配置できる。
前記アクチュエータ、前記ホース及び前記クラッチスレーブシリンダは車両左右方向で片側に配置されてもよい。
アクチュエータとクラッチスレーブシリンダを両側に分けて配置するのと比べて、ホースを短くできると共に、片側だけに配置するので、メンテナンス性が向上する。
本発明では、クラッチ作動機構は、アクチュエータが作動する時には、クラッチを接続状態に制御すると共に、アクチュエータが非作動状態の時には、クラッチを切断状態に作動させるため、クラッチリリース機構を設けることなく、車両停止時にクラッチが切断状態になり、駆動輪とエンジン間の回転伝達が遮断されるため、車両の押し歩きが可能となる。
前記クラッチ作動機構は油圧クラッチ作動機構であり、前記油圧クラッチ作動機構は、前記アクチュエータから作動油が供給される時には、前記油圧クラッチを電気的に接続状態に制御すると共に、前記アクチュエータから作動油が供給されない時には、前記油圧クラッチを機械的に切断状態に作動させれば、クラッチリリース機構を設けることなく、車両停止時には作動油が供給されないため、機械的に自動で油圧クラッチが切断状態になり、駆動輪とエンジン間の回転伝達が遮断されるため、車両の押し歩きが可能となる。
また、前記油圧クラッチ作動機構はライダーの任意操作によらず前記油圧クラッチを断・接すれば、操作レバーなどの別の操作子を設けなくとも、車両停止時に車両の押し歩きが可能となるため、部品点数の削減になりコンパクトな構造で押し歩きが可能となる。
前記油圧クラッチはクラッチスプリングを利用して機械的に切断状態に作動させれば、既存のクラッチスプリングとは別のスプリングを設けることなく、既存のクラッチスプリングを利用してクラッチを切断できるので、部品点数及びコストが削減できる。
また、前記クラッチスプリングはプレッシャープレートとクラッチインナ間に配置されれば、プレッシャープレートとクラッチインナ間の空いたスペースを利用してクラッチスプリングを配置できるので、油圧クラッチ作動機構をコンパクトにできる。
前記クラッチ作動機構は、クラッチアウタ、クラッチインナ及びプレッシャープレートを有した多板クラッチを備え、前記プレッシャープレートの筒部が前記クラッチインナの貫通孔を貫通し、その先端にホルダ及びリフタを連結し、リフタをクラッチリフターロッドの先端に固着し、前記プレッシャープレートと前記クラッチインナ間に前記クラッチスプリングを配置すれば、プレッシャープレートの筒部をクラッチインナの貫通孔に貫通させて、プレッシャープレートとクラッチインナ間の空いたスペースを利用してクラッチスプリングを配置できるので、クラッチ作動機構をコンパクトにできる。
前記クラッチスプリングは前記プレッシャープレートの筒部の外周に配置すれば、簡易な構造で、クラッチスプリングを配置できる。
前記小型車両はヘッドパイプから分岐するフレームを有し、該フレームに前記アクチュエータが取り付けられると共に、該アクチュエータから延びたホースがエンジンに搭載されたクラッチスレーブシリンダに接続されれば、小型車両に対して、簡易な構造で、クラッチアクチュエータとクラッチスレーブシリンダとを固定できる。
前記小型車両はV型エンジンを有し、前記アクチュエータはシリンダ及びエンジン本体間のスペースに配置されれば、V型エンジンにより形成されたシリンダ及びエンジン本体間のスペースを有効に活用して、アクチュエータを配置できるので、車両前後及び上下方向への突出を抑えながら、効率よくアクチュエータを配置できる。
また、前記アクチュエータ、前記ホース及び前記クラッチスレーブシリンダは車両左右方向で片側に配置されれば、アクチュエータとクラッチスレーブシリンダを両側に分けて配置するのと比べて、ホースを短くできると共に、片側だけに配置するので、メンテナンス性が向上する。
一実施の形態による自動二輪車の側面図である。 同フレームの平面図である。 同エンジンの断面図である。 多板クラッチの断面図である。 クラッチアクチュエータの系統図である。 図5のVI−VI断面図である。 別実施の形態によるクラッチアクチュエータの系統図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1及び図2において、100は自動二輪車(小型車両)を示す。自動二輪車100の車体フレーム111は、車体前部に位置するヘッドパイプ112と、このヘッドパイプ112から車体中央まで後方に延びる左右一対のメインフレーム114と、メインフレーム114の後端部から下方に延びる左右一対のピボットプレート115と、メインフレーム114の後端部から車両後部まで延びるリヤフレーム(不図示)とを備えている。
ヘッドパイプ112には、フロントフォーク116が回動自在に取り付けられ、このフロントフォーク116の下端に前輪117が回転自在に支持されている。また、ヘッドパイプ112の上部には、操舵用ハンドル118が取り付けられている。
メインフレーム114、及びピボットプレート115には、パワーユニットPが懸架、搭載され、パワーユニットPから出力される回転動力は、車体前後に延びるドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。
パワーユニットPは、前後V型4気筒のエンジンEを備え、該エンジンEは、図2に示すように、平面視で両メインフレーム114内に配置されている。該エンジンEは、クランクシャフト2(図1参照)を左右水平方向に指向し横置き配置であって、OHC型の水冷式で、クランクケース3を備え、該クランクケース3から2気筒ずつ前後に傾いたフロントバンクBfと、リヤバンクBrとがV型に構成され、互いのバンク角が90度よりも小さい狭角V型エンジンである。
フロントバンクBfのシリンダボア3f,3f間の間隔LFは、リヤバンクBrのシリンダボア3f,3f間の間隔LRよりも大きく設定され、クランクシャフトの軸線方向でのリヤバンクBrの幅は、正面視ではフロントバンクBfに隠れるように、フロントバンクBfの幅よりも小さく設定されている。フロントバンクBfの排気口には、図1に示すように、左右一対の排気パイプ119の一端が接続され、排気口から下側に延びた後に、車体後方に向かって引き回され、リヤバンクBrの排気口から延びる左右一対の排気パイプ120に接続されて集合され、一本の排気管(不図示)を介して、エンジンEの後方に設けられたマフラー(不図示)に連結されている。
パワーユニットPの後方には、ピボット軸121が設けられ、このピボット軸121には、リヤフォーク122がピボット軸121を中心に上下方向に揺動自在に取り付けられている。リヤフォーク122の後端部には、後輪131が回転自在に支持されている。後輪131とパワーユニットPとは、上述したように、リヤフォーク122内に設けられたドライブシャフト123によって連結されており、パワーユニットPからの回転動力がドライブシャフト123を介して後輪131へと伝達される。
また、リヤフォーク122と車体フレーム111との間には、リヤフォーク122からの衝撃を吸収するリヤクッション124が掛け渡されている。パワーユニットPの後部には、車体を停めるためのスタンド125が設けられ、パワーユニットPの左側面の下部には、サイドスタンド126が設けられている。
メインフレーム114の上部には、パワーユニットPの上方を覆うようにして燃料タンク141が搭載されている。この燃料タンク141の後方には、乗員のシート142が位置し、該シート142は上記リヤフレームに支持されている。シート142の後方には、テールランプ143が配置されており、テールランプ143の下方には、後輪131の上方を覆うリヤフェンダ144が配置されている。自動二輪車100は、車体を覆う樹脂製の車体カバー150を有し、該車体カバー150は、車体フレーム111の前方からパワーユニットPの前部までを連続的に覆うフロントカバー151と、シート142の下方を覆うリヤカバー152とを備え、フロントカバー151の上部には、左右一対のミラー153が取り付けられている。フロントフォーク116には、前輪117の上方を覆うフロントフェンダ146が取り付けられている。
図3は、前後V型4気筒エンジンEの自動変速機構を示す断面図である。この図3では、フロントバンクBfの断面を示し、リヤバンクBrの内部はフロントバンクBfの内部と同様に構成されているため、リヤバンクBrの説明は省略する。
シリンダヘッド4fの各気筒には、シリンダボア3fの中心軸線であるシリンダ軸線C1上に、プラグ差込孔15が形成されており、このプラグ差込孔15には点火プラグ16(右側の気筒の点火プラグは不図示)がその先端を燃焼室20内に臨ませて配置されている。6はピストン、7fは連接棒である。
クランクシャフト2は、軸方向の両端部及び中間部に設けたメタルベアリング2Aにより、クランクケース3内に回転自在に支持されている。
クランクシャフト2の図中右端側には、クランクシャフト2の回転を出力するカムシャフト駆動スプロケット17が設けられている。エンジンEのカムシャフト駆動スプロケット17側には、各バンクBf,Br内で上下に延在するカムチェーン室35が設けられ、カムシャフト25と一体に回転する従動スプロケット36は、カムシャフト25の一端に固定されてカムチェーン室35内に位置している。従動スプロケット36とカムシャフト駆動スプロケット17には、カムチェーン37が巻き回され、カムシャフト25はカムチェーン37及び従動スプロケット36を介して、クランクシャフト2の回転の半分の回転速度で回転されている。また、クランクシャフト2の図中左端側には、発電機としてのジェネレータ18が設けられている。
つぎに、自動変速機構を説明する。
クランクケース3内には、クランクシャフト2とそれぞれ平行にメイン軸41、カウンタ軸42、及び出力軸43が設けられている。クランクシャフト2を含むこれらの軸41,42,43は、クランクシャフト2の回転をメイン軸41、カウンタ軸42、及び出力軸43の順に伝達する歯車伝達機構を備えている。
クランクシャフト2のカムチェーン室35側の端には、メイン軸41を回転させるクランク側駆動歯車2Bが固定され、クランク側駆動歯車2Bはメイン軸41のメイン軸側被動歯車41Aと噛み合っている。メイン軸41は、両端に設けられた軸受41Cを介して支持されている。メイン軸側被動歯車41Aは、メイン軸41上にメイン軸41と相対回転自在に設けられるとともに、クラッチ機構44に接続されており、このクラッチ機構44の作動によってクランクシャフト2とメイン軸41との間の動力の伝達が断続可能となっている。また、メイン軸側被動歯車41Aには、オイルポンプ(不図示)を駆動するオイルポンプ駆動歯車41Bが設けられている。
メイン軸41とカウンタ軸42との間には、変速歯車群が跨って配置され、これらによって変速装置46が構成されている。カウンタ軸42の両端部は軸受42Cで支持されている。変速装置46を詳述すると、メイン軸41には、6速分の駆動歯車m1〜m6が設けられ、カウンタ軸42には6速分の被動歯車n1〜n6が設けられ、各駆動歯車m1〜m6及び被動歯車n1〜n6は、対応する変速段同士で互いに噛み合い、それぞれ各変速段に対応する変速歯車対(歯車の組み合わせ)を構成する。なお、各変速歯車対は、1速から6速の順に減速比が小さくなる(高速ギヤとなる)。
最も変速比の大きい1速歯車対m1,n1はメイン軸側被動歯車41Aが支持されるメイン軸41の一端側に配置され、2速歯車対m2,n2はメイン軸41の他端側に配置されている。1速歯車対m1,n1と2速歯車対m2,n2との間には、一端側から順に、5速歯車対m5,n5、4速歯車対m4,n4、3速歯車対m3,n3、及び6速歯車対m6,n6が配置されている。
また、カウンタ軸42は、該カウンタ軸42の回転を出力軸43に伝達する中間駆動歯車42Aを有し、該中間駆動歯車42Aには、出力軸43の被動歯車43Aが噛み合っている。該出力軸43は、カウンタ軸42の両端に設けられた軸受43Cによって支持されている。また、出力軸43には、被動歯車43Aに隣接してカム式トルクダンパ51が配置されている。カム式トルクダンパ51は、トルク変動が加わった場合にそれを緩和するものであり、出力軸43に軸方向に移動可能にスプライン結合された円筒部材52を備えている。円筒部材52の被動歯車43A側の端面には、被動歯車43Aに形成された凹カム43Bに噛み合う凸カム52Aが形成されている。
出力軸43の略中央には、ばね受け部材53が固定され、円筒部材52とばね受け部材53との間にコイルばね54が設けられ、円筒部材52が被動歯車43Aに向けて付勢されている。カム式トルクダンパ51は、円筒部材52、ばね受け部材53及びコイルばね54を備えて構成されている。出力軸43の左端部には駆動傘歯車48が一体的に設けられ、この駆動傘歯車48は、車体の前後方向に延びるドライブシャフト49の前端に一体に設けられた被動傘歯車49Aに噛み合う。これによって、出力軸43の回転がドライブシャフト49に伝達される。
メイン軸41上の3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4は、一体となってメイン軸41にスプライン結合されており、シフタとなって軸方向に移動して、隣接する5速駆動歯車m5又は6速駆動歯車m6に選択的に着脱可能に構成されている。カウンタ軸42上の5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6は、それぞれカウンタ軸42にスプライン結合されており、シフタとなって軸方向に移動して、それぞれ隣接する4速被動歯車n4、3速被動歯車n3に着脱可能に構成されている。
シフタとなるメイン軸41上の3速駆動歯車m3及び4速駆動歯車m4と、カウンタ軸42上の5速被動歯車n5及び6速被動歯車n6とは、図3の最下部に示した変速切換機構47によって移動して変速がなされる。
変速切換機構47は、上記軸41〜43に平行なシフトドラム47Aを備える。このシフトドラム47Aの車体前後には、フォーク軸47B,47Cがシフトドラム47Aに平行に配置されている。フォーク軸47Bにはメイン軸41のシフタに係合するシフトフォーク47B1が支持され、フォーク軸47Cにはカウンタ軸42のシフタに係合するシフトフォーク47C1が支持されている。
上述した変速歯車対は、変速切換機構47のシフトフォーク47B1,47C1を移動させることによって変更され、この変更された変速歯車対を介して、メイン軸41の回転動力がカウンタ軸42へと伝達される。
シフトドラム47Aは、シフトドラム47Aの回転量を制御するラチェット機構47Dを介してシフトスピンドル47Eに連結されている。
シフトスピンドル47Eの図中左端には、シフト制御装置61が連結され、シフト制御装置61はシフトモータ62を有し、シフトモータ62にはギヤ列63を介してシフトスピンドル47Eが連結されている。
自動変速時には、変速切換機構47によるシフト動作に先立ち、油圧クラッチ(多板クラッチ80)が切られる。すなわち油圧クラッチを切って、メイン軸41をフリー状態にした後、変速切換機構47でシフト動作を行い、ついで油圧クラッチを接続してクランクシャフト2の回転動力をメイン軸41に伝達する。
クラッチ機構(油圧クラッチ作動機構)44を説明する。
メイン軸41には軸方向に中空部41Dが貫通し、中空部41Dには、クラッチリフターロッド66が配置されている。クラッチリフターロッド66の図中左端には、クラッチピストン67が固着され、ピストン67の背面部には、クラッチスレーブシリンダ68が設けられている。該クラッチスレーブシリンダ68には、油圧ホース74を介して、クラッチスレーブシリンダ68内に作動油を供給するクラッチアクチュエータ(油圧クラッチ作動機構)71が接続されている。クラッチアクチュエータ71は、油圧発生装置72と、油圧制御装置73とを備え、図1及び図2に示すように、メインフレーム114の前端部の車体左側壁面に配置、固定され、油圧ホース74が、メインフレーム114に沿って車体後方に延出し、図3に示すように、メイン軸41の図中左端の上記クラッチスレーブシリンダ68に接続されている。小型車両に対し、簡易な構造で、クラッチアクチュエータ71とクラッチスレーブシリンダ68とを固定できる。
クラッチアクチュエータ71、油圧ホース74、及びクラッチスレーブシリンダ68は、車両左右方向で片側(左側)に配置されている。クラッチアクチュエータ71とクラッチスレーブシリンダ68を両側に分けて配置するのと比べて、油圧ホース74を短くできると共に、片側だけに配置するので、メンテナンス性が向上する。また、クラッチアクチュエータ71は、図1に示すように、車両側面視でクラッチスレーブシリンダ68より上方に配置され、油圧ホース74の一部がメインフレーム114に沿うように取り付けられると共に、油圧ホース74の一部を、図2に示すように、メインフレーム114の途中からメインフレーム114の内側に引き回し、メインフレーム114の内側を配管して、メインフレーム114の中程からクラッチスレーブシリンダ68に向けて鉛直方向下方に垂らすようにして、クラッチスレーブシリンダ68と接続されている。油圧ホース74をメインフレーム114に確実に固定すると共に、メインフレーム114からクラッチスレーブシリンダ68までのホース長を比較的短くできる。
すなわち、アクチュエータ71は車両側面視でクラッチスレーブシリンダ68より上方に配置され、ホース74の一部がフレーム114に沿うように取り付けられると共に、ホース74の一部をフレーム114からクラッチスレーブシリンダ68に向けて鉛直方向下方に垂らすようにして、クラッチスレーブシリンダ68と接続したため、ホース74を車両に確実に固定すると共に、フレーム114からクラッチスレーブシリンダ68までのホース74長を比較的短くできる。
クラッチアクチュエータ71の配置位置は、メインフレーム114の前端部の車体左側壁面に限定されない。前後V型4気筒エンジンEであれば、図1及び図2に示すように、フロントバンクBfとリヤバンクBr間の空いたスペースにクラッチアクチュエータ71−A、油圧ホース74−Aを配置してもよく、例えば、リヤバンクBrの下方位置の空いたスペースにクラッチアクチュエータ71−B、油圧ホース74−Bを配置してもよい。V型エンジンEにより形成されたシリンダ及びエンジン本体間のスペースを有効に活用して、クラッチアクチュエータ71−A、或いは71−Bを配置すれば、車両前後及び上下方向への突出を抑えながら、効率よくクラッチアクチュエータ71を配置できる。クラッチアクチュエータ71の位置がクラッチスレーブシリンダ68に近づくため、油圧ホース74−A,74−Bを短くできる。クラッチスレーブシリンダ68の配置位置は、リヤバンクBr側への配置位置に限定されず、エンジンE近傍のどの位置でもよい。
クラッチリフターロッド66の図中右端は、図4に示すように、メイン軸41の中空部41Dを貫通し、その先端66Aには、多板クラッチ80が連結されている。多板クラッチ80は、主要部品としてクラッチアウタ81とクラッチインナ83とプレッシャープレート85とを備えている。クラッチアウタ81の基部81Aは、メイン軸側被動歯車41Aに固着され、クラッチインナ83のボス部83Aは、スリーブ86の外周に嵌合し、このスリーブ86はメイン軸41の外周に軸方向に移動不能かつメイン軸41と一体回転可能にスプライン結合86Aされている。クラッチアウタ81には、該クラッチアウタ81に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合された複数の駆動摩擦板81Bが設けられ、クラッチインナ83には、該クラッチインナ83に対して相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合された複数の被動摩擦板83Bが設けられ、駆動摩擦板81Bと被動摩擦板83Bとは交互に配置されている。
プレッシャープレート85は、クラッチアウタ81の図中左端の駆動摩擦板81Bに当接し配置される。プレッシャープレート85には筒部85Aが形成され、筒部85Aはクラッチインナ83の貫通孔83Cを貫通し、その先端にはボルト87を介してホルダ88が連結されている。ホルダ88の内周にはベアリング89を介してリフタ91が連結され、リフタ91は、上述したクラッチリフターロッド66の先端66Aに固着されている。また、プレッシャープレート85の筒部85Aの外周には、プレッシャープレート85を、常に、図中左方に押し戻す戻しスプリング(クラッチスプリング)93が配置され、戻しスプリング93の一端93Aはプレッシャープレート85に係合し、戻しスプリング93の他端93Bはクラッチインナ83に係合している。
クラッチ機構44の動作を説明する。
図3において、クラッチアクチュエータ71(油圧発生装置72と油圧制御装置73)が作動すると、クラッチスレーブシリンダ68に一定の油圧力が作用し、クラッチアクチュエータ71が作動しないとき、クラッチスレーブシリンダ68には一定の油圧力が作用しない。クラッチスレーブシリンダ68に一定の油圧力が作用しない状態では、図4に示すように、戻しスプリング93が、プレッシャープレート85を常に左方に押圧し、プレッシャープレート85が、図中左端の駆動摩擦板81Bから離れ、駆動摩擦板81Bと被動摩擦板83Bとが断となる。これによりクラッチアウタ81とクラッチインナ83とが断となり、メイン軸側被動歯車41Aからの回転動力が、クラッチアウタ81に伝達されても、クラッチアウタ81が空回りし、メイン軸側被動歯車41Aからメイン軸41への回転動力の伝達が断たれる。
クラッチアクチュエータ71が作動し、クラッチスレーブシリンダ68に一定の油圧力が作用すると、クラッチリフターロッド66が右方に移動し、リフタ91及びホルダ88を介して、プレッシャープレート85が、戻しスプリング93のばね力に抗して右方に移動する。すると、プレッシャープレート85が、図中左端の駆動摩擦板81Bを右方に押圧し、駆動摩擦板81Bと被動摩擦板83Bとが接となり、かつ戻しスプリング93による摩擦力を介し、プレッシャープレート85とクラッチインナ83とが一体回転可能に連結され、メイン軸側被動歯車41Aからの回転動力は、クラッチアウタ81、各摩擦板81B,83B、プレッシャープレート85、及びクラッチインナ83を介して、メイン軸41へと伝達される。
クラッチアクチュエータ71を説明する。
図5は、クラッチアクチュエータ71を示す系統図、図6は、図5のVI−VI断面図である。図5において、クラッチアクチュエータ71は、クラッチ操作のための油圧を発生する油圧発生装置72と、その油圧を必要により制御するための油圧制御装置73とを備えている。油圧発生装置72は、クラッチ制御モータ101を有し、クラッチ制御モータ101の出力軸102には、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104が連結されている。駆動ギヤ104には、偏心したクランク受け104Aが形成され、クランク受け104Aには、クランク105が嵌合し、クランク105と駆動ギヤ104が一体化されている。クランク105と駆動ギヤ104は、回転軸106から距離L1、偏心した偏心軸107を持ち、偏心軸107の外周には軸受け108が嵌合する。軸受け108の外周にはクランク室109内でピストン110が当接し、ピストン110はシリンダ211内を延出し、ばね212で軸受け108に向けて付勢されている。
クラッチ制御モータ101が作動すると、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104とクランク105が一体になって、回転軸106の回りを回動する。クランク105の回動範囲は、図6に示すように、位置A〜Bであり、正回転時には、位置A〜Bへ反時計方向に回動し、逆回転時には位置B〜Aへ時計方向に回動する。このクランク部には、クランク室109内に突出したストッパ113が設けられる。ストッパ113は、位置AからBへの正回転時に、軸受け108が、ピストン110を最高位に押し退ける位置Cを越えて、距離L2だけ回動した位置Bにおいて、それ以上の反時計方向への軸受け108の回動を停止可能な位置に配置される。位置BからAへの逆回転時には、位置Bから回動を開始し、軸受け108がピストン110を最高位に押し退ける位置Cを越えて、位置Aでストッパ113に当たって停止する。
油圧発生装置72は、給油口214から入口ジョイント215、ピストン110の押し退け室216、及び出口ジョイント217に至る油圧経路218を持ち、この油圧経路を経て、油圧制御装置73の油圧経路219に至る。
そして、油圧発生装置72の油圧経路218から、油圧制御装置73の油圧経路219を経て、油圧ホース74、及び上記クラッチスレーブシリンダ68に至るまでの油圧経路は、閉じた油圧経路となっており、該油圧経路内の一定の油圧は、油圧発生装置72の上記ピストン110の作動によって発生する。
油圧制御装置73の油圧経路219には、入口ジョイント221、油圧センサ222、過剰油吸収ピストン223、及び出口ジョイント224が直列に接続され、過剰油吸収ピストン223、及び出口ジョイント224の間には、クラッチ作動油戻しピストン225が接続され、クラッチ作動油戻しピストン225には、クラッチ作動油弁機構226が組み付けられている。出口ジョイント224には、上述したように、油圧ホース74が接続されており、油圧ホース74は、図1又は図2に示すように、メインフレーム114に沿って車体後方に延出し、図3に示すように、メイン軸41の図中左端のクラッチスレーブシリンダ68に接続される。
過剰油吸収ピストン223は、クラッチトルク容量の上限を規定する。すなわち、油圧発生装置72の軸受け108は、図6を参照し、位置AからBへの正回転時に、ピストン110を最高位にまで押し退ける上死点の位置Cを通過する。従って、上述した油圧経路内には、上死点の位置Cを通過する瞬間に、最高の押し退け量に起因した油圧の上昇が起こり、該油圧により、過剰油吸収ピストン223が押し下げられ、その空間内に過剰油が蓄えられる。これにより、油圧経路内での油圧の上限が規定される。そのため、過剰な油によって圧力が異常に上昇することを抑制できる。
クラッチ作動油戻しピストン225は、例えばクラッチ制御モータ101の不具合発生時など、多板クラッチ80を切断状態にしたい時、上述した油圧経路内のクラッチ接続用油を、戻しピストン225に入り込ませて、油圧経路内の油圧を降下し、クラッチ切断状態とする。クラッチ作動油戻しピストン225には、クラッチ作動油弁機構226が組み付けられ、クラッチ作動油弁機構226は、チェック弁126Aを内蔵している。チェック弁126Aは、ソレノイド126Bへの非通電時に開放され、通電時には閉じられる。従って、不具合発生時には、ソレノイド126Bへの通電をやめ、チェック弁126Aを開放し、クラッチ接続用油圧を降下する。
クラッチアクチュエータ71の動作を説明する。
クラッチアクチュエータ71が機能すると、上記多板クラッチ80(図4)が断・接される。すなわち、多板クラッチ80の接続時には、クラッチ制御モータ101を正回転する。すると、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104とクランク105が一体になって、図6に示すように、位置A〜Bへ反時計方向に回動し、軸受け108がピストン110を押し退けて、該経路内の油圧力を一定の圧力まで上昇する。
これが上昇すると、油圧制御装置73の油圧経路219、油圧ホース74を経て、クラッチスレーブシリンダ68に一定の圧力の作動油が供給され、クラッチリフターロッド66を右方に押動(図4)し、多板クラッチ80が接続される。
油圧力を一定の圧力まで上昇する場合、軸受け108は、位置Aから、上死点の位置Cを越えて、位置Bでストッパ113に当たって停止するため、軸受け108は、クラッチ制御モータ101で逆回転されない限り、位置Bでその位置を保持される。従って、クラッチ制御モータ101の作動電流をゼロにしても、クランクが押し戻されることがなく、軸受け108が逆回転することはない。
多板クラッチ80を断とする場合、クラッチ制御モータ101を逆回転する。すると、減速ギヤ列103を介して、駆動ギヤ104とクランク105が一体になって、図6の位置B〜Aへ時計方向に回動し、該経路内の油圧力が下降する。
これが下降すると、クラッチスレーブシリンダ68内に一定の油圧力が立たなくなり、クラッチリフターロッド66は、図4を参照し、戻しスプリング93のばね力により、プレッシャープレート85、ホルダ88、及びリフタ91を介して、左方に移動する。これにより、プレッシャープレート85が、図中左端の駆動摩擦板81Bから離れ、多板クラッチ80が断とされる。
自動二輪車を停止したとき、図6を参照し、軸受け108は、どの位置にあっても、必ず位置Aに戻され、多板クラッチ80が断とされる。すなわち、図5に示すように、回転軸106の軸端には、駆動ギヤ104とクランク105の現在位置を検出する位置センサ231が設けられ、位置センサ231が、車両のECU(不図示)に接続される。ECUにはエンジン回転数センサ(不図示)が接続され、例えば、エンジン回転数センサで、エンジン回転数が所定の回転数Ne以下になったことを検出し、位置センサ231で、軸受け108が位置A以外の位置にあることを検出したとき、図5を参照し、クラッチ制御モータ101が逆回転されて、軸受け108が、図6の位置B〜Aへ時計方向に回動し、これによって、多板クラッチ80の接続が断とされる。このように、自動二輪車の停止時にECU制御により多板クラッチ80が断とされるため、電源をオフした場合にも、多板クラッチ80の断状態が維持される。
従って、この常時開放型クラッチ構造では、従来のように、クラッチレバー等のクラッチリリース機構などを設けることなく、自動二輪車の停止時に、電源がオフされても、自動二輪車の押し歩きが可能である。なお、本クラッチ構造では、電源がオンの場合でも、自動二輪車の停止時には作動油が供給されないため、機械的に多板クラッチ80が断状態となり、車両の押し歩きが可能である。
図7は、別の実施の形態を示す。なお、図5と同一部分には同一符号を付して示し、その説明を省略する。この実施の形態では、クラッチ制御モータ101の出力軸102に、減速ギヤ列103を介して、ギヤ244が連結され、ギヤ244には、ボールねじ143が固定されている。ボールねじ143には、ねじ軸145が螺合し、ねじ軸145の上端145Aにはピストン110が当接している。この構成では、図6に関する機構が存在しないため、油圧制御装置73の過剰油吸収ピストン223が不要である。
クラッチ制御モータ101が正回転すると、減速ギヤ列103を介して、ギヤ244が正回転し、ボールねじ143に螺合した上記ねじ軸145が上昇し、ピストン110を上方に押し退ける。これにより、油圧系統の圧力が上昇し、上述したように、多板クラッチ80が接とされる。クラッチ制御モータ101が逆回転すると、減速ギヤ列103を介して、ギヤ244が逆回転し、ボールねじ143に螺合した上記ねじ軸145が下降し、ばね212のばね力で、ピストン110が押し下げられる。これにより、油圧系統の圧力が低下し、多板クラッチ80が断とされる。
上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。上記実施の形態で、クラッチアクチュエータ71は、メインフレーム114の前端部の車体左側壁面に配置し、油圧ホース74が、メインフレーム114に沿って車体後方に延出し、クラッチスレーブシリンダ68に接続されたが、この構成に限定されず、クラッチアクチュエータ71の配置はエンジンEや車両のいずれの位置に配置してもよい。
44 クラッチ機構(油圧クラッチ作動機構)
66 クラッチリフターロッド
68 クラッチスレーブシリンダ
71 クラッチアクチュエータ
72 油圧発生装置
73 油圧制御装置
74 油圧ホース
80 多板クラッチ(油圧クラッチ)
81 クラッチアウタ
83 クラッチインナ
85 プレッシャープレート
100 自動二輪車(小型車両)
101 クラッチ制御モータ
111 車体フレーム
113 ストッパ
114 メインフレーム
223 過剰油吸収ピストン
225 クラッチ作動油戻しピストン
226 クラッチ作動油弁機構
P パワーユニット
E エンジン

Claims (10)

  1. エンジン、該エンジンにより駆動される駆動輪、前記エンジン及び前記駆動輪間に設けた自動変速機を備える小型車両に設けられ、アクチュエータを含み、該アクチュエータにより自動変速機に設けたクラッチを断・接するクラッチ作動機構を備えた常時開放型クラッチ構造において、
    前記クラッチ作動機構は、前記アクチュエータが作動する時には、前記クラッチを接続状態に制御すると共に、前記アクチュエータが非作動状態の時には、前記クラッチを切断状態に作動させることを特徴とする常時開放型クラッチ構造。
  2. 前記クラッチ作動機構は油圧クラッチ作動機構であり、前記油圧クラッチ作動機構は、前記アクチュエータから作動油が供給される時には、前記油圧クラッチを電気的に接続状態に制御すると共に、前記アクチュエータから作動油が供給されない時には、前記油圧クラッチを機械的に切断状態に作動させることを特徴とする請求項1に記載の常時開放型クラッチ構造。
  3. 前記クラッチ作動機構はライダーの任意操作によらず前記クラッチを断・接することを特徴とする請求項1又は2に記載の常時開放型クラッチ構造。
  4. 前記クラッチはクラッチスプリングを利用して機械的に切断状態に作動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の常時開放型クラッチ構造。
  5. 前記クラッチスプリングはプレッシャープレートとクラッチインナ間に配置されることを特徴とする請求項4に記載の常時開放型クラッチ構造。
  6. 前記クラッチ作動機構は、クラッチアウタ、クラッチインナ及びプレッシャープレートを有した多板クラッチを備え、前記プレッシャープレートの筒部が前記クラッチインナの貫通孔を貫通し、その先端にホルダ及びリフタを連結し、リフタをクラッチリフターロッドの先端に固着し、前記プレッシャープレートと前記クラッチインナ間に前記クラッチスプリングを配置したことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の常時開放型クラッチ構造。
  7. 前記クラッチスプリングは前記プレッシャープレートの筒部の外周に配置したことを特徴とする請求項6に記載の常時開放型クラッチ構造。
  8. 前記小型車両はヘッドパイプから分岐するフレームを有し、該フレームに前記アクチュエータが取り付けられると共に、該アクチュエータから延びたホースがエンジンに搭載されたクラッチスレーブシリンダに接続されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の常時開放型クラッチ構造。
  9. 前記小型車両はV型エンジンを有し、前記アクチュエータはシリンダ及びエンジン本体間のスペースに配置されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の常時開放型クラッチ構造。
  10. 前記アクチュエータ、前記ホース及び前記クラッチスレーブシリンダは車両左右方向で片側に配置されることを特徴とする請求項8に記載の常時開放型クラッチ構造。
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