JP2011074171A - 水性平版印刷インキならびに印刷物 - Google Patents

水性平版印刷インキならびに印刷物 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷後は水で洗浄が可能であり、地球環境、作業環境の改善を図ることができ、さらには高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性に優れた水性平版印刷インキを提供する。
【解決手段】顔料、水溶性樹脂または水分散性樹脂、水溶性溶剤、植物油または植物油由来脂肪酸エステルを含有し、水溶性樹脂または水分散性樹脂と水溶性溶剤との比率が1.0/1.2〜1.0/2.2の範囲にあり、また、植物油または植物油由来脂肪酸エステルがインキ中1〜25重量%であること特徴とする水性平版印刷インキ。
【選択図】なし

Description

本発明は新規にして有用なる水性平版印刷インキならびに印刷物に関する。さらに詳しくは、水無し平版印刷に好適に用いられる印刷インキならびに印刷物に関する。
平版印刷は、高速、大量、安価に印刷物を供給するシステムとして広範に用いられている。平版印刷は非画線部に湿し水を供給し、湿し水とインキ反発性を利用し画像部と非画像部を形成してなるシステムである。
近年、湿し水に関わる作業、環境上の問題を解決する方法として、水なし平版印刷法が提案され、特に湿し水に代わってインキ反発性を示すことを目的として非画線部にシリコーンゴムを設けて印刷する水無し印刷方法が実用化されている。
一般に平版インキは、顔料、インキ用樹脂、石油系溶剤および植物油を主成分として形成されている。石油系溶剤においても地球環境保全、労働環境保全の観点から、脱芳香族化が行われている。さらに昨今では、より一層環境保全を配慮した、揮発性の石油系溶剤を一切含有しないVOCフリータイプのインキへのニーズが高まっている。VOCとは、常温で揮発する化合物のことである。米国環境保護庁はVOC測定方法として、110℃1時間の加熱による加熱残分測定を提示しており(method24)、実使用に即した測定方法として用いられている。
上記VOCフリータイプのインキとしては、金属ドライヤーを添加して酸化重合することにより印刷皮膜を形成する枚葉印刷インキではすでに実用化されているが、熱風乾燥機中で溶剤を蒸発することにより印刷皮膜を形成するオフ輪印刷インキでは、まだ実用化されていない。
さらに、印刷後の平版インキの洗浄剤としては揮発性溶剤を含む洗浄剤を使用することが一般的である。洗浄剤においても環境的な観点から揮発性有機成分を含まないことが望ましい。特許文献1〜4には、水を媒体とし、水洗浄可能な水性印刷インキを使用した水性平版印刷について開示されており、水性印刷インキとして使用されているのはフレキソインキもしくはそれに類似した構成、物性のインキである。しかしながら、フレキソインキの物性では、高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性において不十分なものがあった。
また、特許文献5には、一般的なフレキソインキよりも粘度が高く、汚れ耐性に優れた水性平版印刷インキについて開示されているが、インキ中に水を含有しているため、雰囲気温度、湿度への依存性が高く、また着肉性において不十分なものであった。
特開平7−232485号公報 特開平8−310101号公報 特開平8−169188号公報 特開2001−117218号公報 特開2007−177191号公報
本発明は、上記問題を解決し、高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性に優れ、印刷後に水洗浄可能な、水性平版印刷インキならびに印刷物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性に優れ、さらに水洗浄可能な水性平版印刷インキを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(a)顔料、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂、(c)水溶性溶剤、および(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルを含有する水性平版印刷インキにおいて、
(b)/(c)の重量比率が、1.0/1.2〜1.0/2.2の範囲にあり、
さらに、
(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルが、インキ全体に対して1〜25重量%
であることを特徴とする水性平版印刷インキである。
また、本発明は、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂が、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする上記の水性平版印刷インキである。
さらに、本発明は、(c)水溶性溶剤が、沸点140〜400℃の水溶性溶剤であることを特徴とする上記の水性平版印刷インキである。
また本発明は、110℃1時間での加熱有機化合物揮発分が1重量%以下である上記の水性平版印刷インキである。
さらに本発明は、基材上に上記の水性平版印刷インキを印刷してなる印刷物である。
本発明に係わる水性平版印刷インキは、印刷インキとして優れた印刷適性を提供することができるものである。印刷後は水で洗浄が可能であり、地球環境、作業環境の改善が図られるものである。
以下、本発明について具体的に説明する。本発明で用いられる(a)顔料としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉等が、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系、ピラゾロン系等の溶性アゾ顔料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アリリド系、アセト酢酸アリリド系モノアゾ、アセト酢酸アリリド系ジスアゾ、ピラゾロン系等の不溶性アゾ顔料、銅フタロシアニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、キナクリドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノン系、ペリレン系等)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系等の多環式顔料および複素環式顔料等の公知公用の各種顔料が使用可能である。
(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂としては、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ、水溶性または水分散性の樹脂であれば特に限定されるものではない。市販の樹脂も好適に使用することができる。顔料分散性、インキ保存安定性の点からアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂が望ましい。
アクリル樹脂とは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルから選ばれる1種以上の単量体を付加重合して得られる樹脂である。水酸基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を分子中に含有する共単量体を用いることもできる。さらに酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル単量体を一部共重合することも可能である。水溶性または水分散性の樹脂を得るためには、アクリル酸、メタクリル酸等の酸基含有単量体を共重合した後に、塩基性化合物で中和することが必要である。酸価は30〜350がインキ保存安定性の点で好ましい。また、分子内にポリエチレンオキサイド基を含有する単量体の共重合により水溶化または水分散化することも可能である。重量平均分子量は3000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
スチレンアクリル樹脂とは、上記アクリル樹脂においてスチレンを単量体成分として含有する樹脂である。アクリル樹脂と同様に、水酸基、エポキシ基、アミノ基等の官能基を分子中に含有する共単量体を用いることもできる。さらに酢酸ビニル、塩化ビニル等のビニル単量体を一部共重合することも可能である。水溶性または水分散性の樹脂を得るためには、アクリル酸、メタクリル酸等の酸基含有単量体を共重合した後に、塩基性化合物で酸の一部または全部を中和すことが必要である。酸価は30〜350がインキ保存安定性の点で好ましい。また、分子内にポリエチレンオキサイド基を含有する単量体の共重合により水溶化または水分散化することも可能である。重量平均分子量は3000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
スチレンマレイン酸樹脂とは、スチレンと無水マレイン酸を共重合して得られる樹脂である。他の単量体を一部共重合することもできる。さらに、水酸基含有化合物やアミノ基含有化合物で一部変性しても構わない。酸無水物基または変性後の酸基の一部または全部を塩基性化合物で中和することにより水溶性または水分散性樹脂を得ることができる。酸価は30〜450がインキ保存安定性の点で好ましい。重量分子量は3000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
α−オレフィンマレイン酸樹脂とは、α−オレフィンと無水マレイン酸を共重合して得られる樹脂である。他の単量体を一部共重合することもできる。さらに、水酸基含有化合物やアミノ基含有化合物で一部変性しても構わない。酸無水物基または変性後の酸基の一部または全部を塩基性化合物で中和することにより水溶性または水分散性樹脂を得ることができる。酸価は30〜450がインキ保存安定性の点で好ましい。重量平均分子量は3000〜100000が好ましい。この範囲外では、良好なインキ保存安定性、高速印刷適性が得られ難く好ましくない。
さらに、上記アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、α−オレフィンマレイン酸樹脂は界面活性剤の存在下、乳化重合で得ることもできる。
(c)水溶性溶剤としては、水に溶解するものであれば特に限定されるものではないが、印刷機上での安定性を維持するために、沸点は140〜400℃であることが必要である。好ましくは180〜400が好適である。また、良好な樹脂溶解性を有するために、2価以上のポリオール化合物が好適に使用される。沸点140〜400℃で、2価以上のポリオール化合物の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジグリセリン、アセチレンジオール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600等が挙げられる。
(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率は1.0/1.2〜1.0/2.2の範囲にあることが必要である。これ未満の比率では、高粘度、高タックになりすぎて、着肉不良、紙剥け等のトラブルを引き起こし易く、これより大きいと、低粘度になりすぎて、地汚れ耐性に劣る。
(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルのうち、植物油としては、大豆油、綿実油、アマニ油、サフラワー油、桐油、トール油、脱水ヒマシ油、カノーラ油等が例示できる。また、植物油由来脂肪酸エステルとして、上記植物油由来の脂肪酸、すなわち、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸等炭素数15〜20程度のアルキル主鎖を有する脂肪酸の、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシル等の炭素数1〜10程度のアルキルエステルが例示できる。
これら(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルは(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂との相溶性が良くないため、版面との接触によりインキ中から拡散するものと考えられる。すなわちWFBLモデルにより、地汚れ耐性が格段に向上するものと考える。また、植物油または植物油由来脂肪酸エステルはインキ中1〜25重量%含有される。この範囲未満ではその効果が認められにくく、これより大きいと、印刷機上での安定性を得られ難い。
さらに、使用する(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルはヨウ素価が130〜230の乾性油に分類されるものが望ましい。乾性油はその不飽和脂肪酸基の酸化重合による、硬化皮膜形成速度が速く、その皮膜強度も高い。そのため、インキ皮膜の耐水性、耐摩擦性を向上させることができる。ヨウ素価130以上の植物油としてはアマニ油、サフラワー油、桐油、脱水ヒマシ油等が例示でき、植物油由来脂肪酸エステルとしては、これら植物油由来のアルキルエステルが例示できる。
次に、本発明における印刷インキとしての使用形態について説明する。本発明における印刷インキは、通常平版印刷インキ、例えば枚葉インキ、ヒートセット輪転インキ、コールドセット輪転インキ等の形態において使用される。一般的には、
(a)顔料 5〜30重量%
(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂 10〜40重量%
(c)水溶性溶剤 12〜80重量%
(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステル 1〜25重量%
その他添加剤 0〜20重量%
からなる組成にて使用される。
(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率は1.0/1.2〜1.0/2.2の範囲となる必要がある。
VOC(揮発性有機化合物)フリータイプのインキとして使用する際には、上記組成において、VOC成分を0重量%とすればよい。VOCとは、常温で揮発する有機化合物のことである。米国環境保護庁はVOC測定方法として、110℃1時間の加熱による加熱残分測定を提示しており、実使用に即した測定方法として広く用いられている。オフ輪印刷機乾燥機中での紙面温度にも適応しており、合理的な判定方法と考えられる。
樹脂は、必要に応じて塩基性化合物を添加して水溶性溶剤に溶解または分散させた樹脂ワニスの形態で使用するのが取り扱い上簡便であって好ましい。
本発明の印刷インキは、5℃から100℃の間で、顔料、樹脂またはワニス等の印刷インキ成分を、ニーダー、三本ロール、アトライター、サンドミル、ゲートミキサー、ペイントシェーカー等の練肉、混合、調整機を用いて製造される。
印刷インキの25℃での表面張力は40dyncm−1以上であることが好ましい。粘度は、コーンプレート型回転式粘度計により測定された25℃、ずり速度120s−1の粘度が10Pa・s以上であることが好ましい。上記範囲以外では高速印刷適性、着肉性、地汚れ耐性の面で不十分になり易く好ましくない。
また、本発明の水性平版印刷インキには、植物油または植物油由来脂肪酸エステルの酸化重合反応の触媒として、金属ドライヤーを添加することが可能である。金属ドライヤーとしては、鉛、コバルト、マンガン、鉄、銅、亜鉛、ジルコニウムなどの遷移金属、カルシウムのようなアルカリ土類金属、またはセリウムなどの金属のナフテン酸塩あるいは脂肪酸塩等が使用可能である。
さらに、本発明の水性平版印刷インキには、必要に応じてその他の添加剤を使用することが可能である。例えば、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、スベリ剤、スリキズ防止剤としては、カルナバワックス、木ロウ、ラノリン、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の天然ワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロエチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物等の合成ワックスを例示することができる。
本発明で使用する基材とは、雑誌、ポスター、パンフレット等を印刷するために使用する印刷用紙のことを指し、アート紙、コート紙、マットコート紙、上質紙、コートボール紙等の印刷用紙を上げることができる。
次に具体例をもって、本発明を詳細に説明する。尚、本発明中において、「部」とは重量部を示し、「%」は特に断らない限り「重量%」を示す。インキの粘度はハーケ(HAAKE)社製コーンプレート回転型粘度計ロトビスコ1(RotoVisco1)にて25℃、ずり速度120s−1での値を測定した。
(樹脂ワニス製造例1)
JONCRYL JDX−C3000 (BASFJAPAN(株)製アクリル樹脂 酸価74)350部、ジエチレングリコール350部を、攪拌機、還流冷却管、温度計付きフラスコに仕込み、窒素ガスを吹き込みながら150℃に昇温加熱し、樹脂溶解後、1時間攪拌した。その後、N−モノエタノールアミン28部、ジエチレングリコール49部を添加し、90℃1時間保持させた。その後、樹脂分が45%になるようにジエチレングリコールで調整し、水溶性樹脂ワニス(A1)を得た。
(樹脂ワニス製造例2)
JONCRYL690(BASFJAPAN(株)製スチレンアクリル樹脂 酸価240)300部、ポリエチレングリコール400 300部を樹脂製造例1と同様の装置に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら150℃に昇温加熱し、樹脂溶解後、1時間攪拌した。その後、トリエタノールアミン172部、ポリエチレングリコール400 80部を添加し、90℃1時間保持させた。その後、樹脂分が35%になるようにポリエチレングリコール400で調整し、水溶性樹脂ワニス(A2)を得た。
(樹脂ワニス製造例3)
アラスター700(荒川化学工業(株)製スチレンマレイン酸樹脂 酸価180)300部、プロピレングリコール300部を樹脂製造例1と同様の装置に仕込み、窒素ガスを吹き込みながら150℃に昇温加熱し、樹脂溶解後、1時間攪拌した。その後、N−モノエタノールアミン55部、プロピレングリコール90部を添加し、90℃1時間保持させた。その後、樹脂分が40%になるようにプロピレングリコールで調整し、水溶性樹脂ワニス(A3)を得た。
(樹脂ワニス製造例4)
樹脂製造例1と同様の装置に、ダイアレン168(三菱化学(株)製α−オレフィン)211部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら150℃に昇温加熱し、無水マレイン酸89部、パーブチルD(日本油脂(株)製過酸化物、ジt−ブチルパーオキサイド)6部を3時間かけて添加した。添加終了後、180℃に昇温し、2時間反応させ、パーブチルD 3部を添加し、さらに180℃2時間反応させた。さらにジエチレングリコールモノエチル72部を添加し、180℃6時間反応させた。反応終了後、N−モノエタノールアミン78部、エチレングリコール629部を添加し、樹脂分35%の水溶性樹脂ワニス(A4)を得た。
[実施例1]
リオノールブルーFG7330(東洋インキ製造(株)製)20部、樹脂製造例1で得られた水溶性樹脂(A1)53部、ジエチレングリコール16.9部、大豆油10部、およびシリコーン消泡剤0.1部の混合物をレッドデビル型ペイントコンディショナーで30分間混練し、粘度30Pa・sの印刷インキを作成した。
[実施例2〜5、比較例1〜4]
表1に示した配合比率にて、実施例1と同様に印刷インキを作成した。実施例2および比較例1のインキはVOC成分を0重量%とした。VOC成分は、米国環境保護庁のVOC測定方法、method24に準拠し、希釈溶剤に水を使用して測定した。
Figure 2011074171
(枚葉印刷試験評価)
実施例1〜5および比較例1〜4のインキを、三菱ダイヤI−4枚葉印刷機(三菱重工(株)製)にて6,000枚/時で用紙をSKコート 4/6 90kg(日本製紙(株)製)、版面温度27〜30℃、印刷版HG−2(東レ(株)製)として各インキ5千枚の印刷試験を行い、印刷物のベタ着肉状態、地汚れの状態を比較した。結果を表2に示した。
Figure 2011074171
実施例5は(c)水溶性溶剤の沸点が、135℃であり、印刷機上での安定性におとるため、やや着肉性に劣る。比較例1はインキ中に水を含有しているため、印刷機上での安定性に大きく劣るため、ベタ着肉性に劣る。比較例2は、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率が1.0/1.2以下であるため、高粘度、高タックインキであり、着肉性に劣る。比較例3は(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率が1.0/2.2以上であり、かつ(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルを含有しないために、地汚れ耐性に劣る。比較例4は、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率が、 1.0/1.2〜1.0/2.2の範囲にあるが、(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルを含有しないために地汚れ耐性に劣る。
(オフ輪印刷試験評価)
実施例1〜5および比較例1〜4のインキを、三菱BT2−800NEOオフ輪印刷機(三菱重工(株)製)にて350rpmで用紙をNPIコート紙66.5kg(日本製紙(株)製)、印刷版TAP(東レ(株)製)として各インキ1万枚の印刷試験を行い、印刷物のベタ着肉状態、地汚れの状態を比較した。結果を表3に示した。
Figure 2011074171
実施例5は(c)水溶性溶剤の沸点が、135℃であり、印刷機上での安定性におとるため、やや着肉性に劣る。比較例1はインキ中に水を含有しているため、印刷機上での安定性に大きく劣るため、ベタ着肉性に劣る。比較例2は、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率が1.0/1.2以下であるため、高粘度、高タックインキであり、着肉性に劣る。比較例3は(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率が1.0/2.2以上であり、かつ(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルを含有しないために、地汚れ耐性に劣る。比較例4は、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂/(c)水溶性溶剤の重量比率が、 1.0/1.2〜1.0/2.2の範囲にあるが、(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルを含有しないために地汚れ耐性に劣る。
本発明の水性平版印刷インキは、優れた高速印刷適性、着肉性、汚れ耐性を有し、さらには、印刷後に、水で印刷機および版の洗浄が可能で、地球環境、作業環境の改善が図られるものであり、その工業的価値は、極めて高い。

Claims (5)

  1. (a)顔料、(b)水溶性樹脂または水分散性樹脂、(c)水溶性溶剤、および(d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルを含有する水性平版印刷インキにおいて、
    (b)/(c)の重量比率が、1.0/1.2〜1.0/2.2の範囲にあり、
    さらに、
    (d)植物油または植物油由来脂肪酸エステルが、インキ全体に対して1〜25重量%であることを特徴とする水性平版印刷インキ。
  2. (b)水溶性樹脂または水分散性樹脂が、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、スチレンマレイン酸樹脂およびα−オレフィンマレイン酸樹脂から選ばれる1種以上の樹脂であることを特徴とする請求項1記載の水性平版印刷インキ。
  3. (c)水溶性溶剤が、沸点140〜400℃の水溶性溶剤であることを特徴とする請求項1または2記載の水性平版印刷インキ。
  4. 水性平版印刷インキが、110℃1時間での加熱による有機化合物揮発分が1重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の水性平版印刷インキ。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の水性平版印刷インキを基材に印刷してなることを特徴とする印刷物。
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