JP5512376B2 - 水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物、オフセット印刷方法及び印刷物 - Google Patents

水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物、オフセット印刷方法及び印刷物 Download PDF

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Description

本発明は、水無しオフセット印刷版を使用して印刷される水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物、それを用いたオフセット印刷方法及び印刷物に関する。
オフセット印刷は、通常、親水化処理された版面に、親油性樹脂で被覆した画像部と被覆されていない非画線部とを設け、画像部に油性インキを、非画像部に水を選択的に付着させ、さらに版面の油性インキをブランケット、印刷基材に順次転移させて行われる。そして、この印刷方式は、高品質の印刷物が効率良く得られるという理由でポスター、チラシ、書籍、新聞、紙容器などの多岐にわたる印刷分野で広く行われている。その中でも、印刷用紙に巻き紙を使用して、紙を巻き取りながらインキを印刷するオフセット輪転印刷(以下、単に「オフ輪印刷」ということもある。)方式は、極めて高速に印刷することが可能であり、商業印刷や新聞印刷で広く採用されている。これらオフ輪印刷方式では、多くの場合、印刷されたインキを乾燥するために、ドライヤーと呼ばれる乾燥装置を使用して印刷直後の紙面に熱風を吹き付け、強制的に乾燥させる工程を経る。この工程により、インキ中に含まれている鉱物油等の溶剤が蒸発して瞬時に乾燥が終了する。そして、その後すぐに印刷物の加工工程に入ることができるために、高い生産性が得られるようになる。
ところが、この乾燥方式を利用すると、高い生産性が得られる反面、油性インキの鉱物油成分に由来するVOC(揮発性有機化合物)を大気中に放出するため、環境面では好ましいとはいえないものであった。そこで、インキ中の鉱物油成分を大豆油等の植物油成分に置き換えたVOCフリーインキなど、インキ中からの揮発性成分の発生量を抑えた改良インキの研究がインキメーカー各社によって活発に行われている。
しかしながら、完全に植物油成分に置き換えてしまうことは困難で、置き換えられなかったVOC成分が、やはり大気中に放出されているなど、溶剤蒸発タイプのオフ輪インキではVOCフリーのものが実用化レベルに至っていないのが現状である。また、オフセット印刷では、揮発成分を含んだ湿し水が使用され、さらに印刷機のローラー洗浄には灯油等の揮発性有機溶剤が使用されるため、インキの乾燥のみならず、洗浄時にもまたVOCを大気中に放出していることになる。
そこで、これらVOCを低減する試みとして、特許文献1〜3には、水無しオフセット印刷で使用することが可能な水性オフセット印刷インキ組成物に係る発明が開示されている。ここで、水無しオフセット印刷について説明する。上記のように、通常のオフセット印刷版では、親水性の非画像部を設けて水で覆い、選択的に画像部に油性インキを付着させるのに対して、水無しオフセット印刷で使用する印刷版は、非画像部は撥油性のシリコーンゴムで被覆されている。このような印刷版を使用すると、非画像部ではシリコーンゴム自体の反発性によって油性インキがはじかれて付着しないため、水がなくても印刷できるようになる。これが「水無し印刷」と呼ばれている所以であり、水を使用しないで印刷をすると、インキ中へ水が乳化することがないため、シャープな網点が得られるという利点が有る。
特許文献1〜3に記載の発明は、この水無しオフセット印刷に使用するインキとして水性インキを使用するものである。確かに、インキに使用されている溶剤が水を主体とするものであれば、印刷物を乾燥する際の上記VOCの発生を大幅に低減でき、また、ローラーの洗浄時に有機溶剤でなく水を使用できるので、この点でもVOCの発生を低減することが可能である。そして、水無し印刷で用いられる印刷版のシリコーンゴムは撥油性と撥水性の両方の性能が高く、その被覆面は、親油性から親水性までのインキに対する非画像部として機能できる。
しかしながら、特許文献1〜3に開示された上記水性オフセット印刷インキ組成物を水無しオフセット印刷で使用すると、特に高温条件において、シリコーンゴムと十分な反発性が得られないため、非画像部であるシリコーンゴム面にインキが付着して、印刷物の無地部が汚れてしまい、いわゆる「地汚れ」が発生するという問題点を生じる。
そこで、本研究者らは上記課題を解決する手段として、グリセリンの導入、高酸価で高分子量のスチレンアクリル樹脂の採用、アルカリの選択併用により、塗膜の耐性を向上させることが可能となり、印刷機上での安定的なインキ供給を維持しながら、乾燥性および耐水性のレベルアップを実現した。また、インキとの相溶性を考慮した親水性シリコーンオイルの選択導入により、耐地汚れ性を向上させることが可能となったオフセット印刷用水性インキ組成物を開発した(例えば特許文献4を参照)。
しかしながら、上記インキによる印刷を実施すると、短時間(ショートラン)の印刷においては問題無いが、長時間(ロングラン)の印刷を実施した場合、練りロール間やインキ着けロール等にインキ溜まり(パイリング)が発生する場合があり、最終的に印刷紙面上に汚れを発生させるという新たな問題点が生じることがわかった。これは、ロングラン印刷を行うと、印刷スタート時と比較して版面の温度が上昇することにより、樹脂を溶解または分散させている溶媒の水や塩基性物質の揮発性が高くなることが原因の一つと考えられ、水や塩基性物質が揮発し始めると、溶解または分散している樹脂が析出し、流動性が低下することがパイリングの要因になると推察される。また、地汚れを抑えるため、インキ粘度を高めに設定しており、タックも高く、各ロール等にも付着しやすい。この点についても、次のロールや版面へのインキの転移性に悪影響を及ぼして、パイリングの要因になっていると考えられる。
特開2007−112963号公報 特開2007−112964号公報 特開2007−112965号公報 特開2009−132890号公報
そこで、本発明はロングラン印刷時の地汚れの発生を防止することができる水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物を得ることを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、インキ組成物の材料として、特定の組成のバインダー樹脂を用いることで、パイリングを抑えることができることを見出した。また、疎水性材料である植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルを含有することで、上記バインダー樹脂との複合効果として、非画像部のシリコーンゴム面に対する反発性を高め、地汚れを大幅に減少させることが可能となり、ロングラン印刷等より厳しい作業環境においてもパイリングや地汚れ発生の問題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、(a)顔料、(b)塩基性化合物の存在下で水溶性有機溶剤に溶解性又は分散性を示すバインダー樹脂、(c)水溶性有機溶剤、(d)塩基性化合物、(e)親水性シリコーンオイル、並びに、(f)植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルを含有し、上記(b)のバインダー樹脂は、ロジン変性マレイン酸樹脂、及び、酸基含有単官能性単量体と他の単官能性単量体とからなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られた共重合樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダー樹脂(1)と、
酸基含有単官能性単量体と他の単官能性単量体との合計99.9〜99.5質量%、及び、多官能性単量体0.1〜0.5質量%からなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られたバインダー樹脂(2)とを含有し、
上記バインダー樹脂(2)は、インキ組成物中に1〜6質量%含有され、かつ、上記(f)植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルの含有量が、0.1〜2.5質量%であることを特徴とする水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物に関する。
上記多官能性単量体は、ジビニルベンゼンであることが好ましい。
上記植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルは、アマニ油、桐油、大豆油、ひまし油、菜種油、綿実油、コーン油、パーム油、及び、植物油変性脂肪酸モノエステルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記バインダー樹脂の酸価が、180〜240mgKOH/gであることが好ましい。
上記親水性シリコーンオイルの含有量が、1〜10質量%であることが好ましい。
また、本発明は、上述の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物を使用することを特徴とするオフセット印刷方法に関する。
また、本発明は、上述のオフセット印刷方法によって印刷されたことを特徴とする印刷物に関する。
以下、本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物について更に詳細に説明する。なお、本発明において「水可溶性」とは、湿潤状態で印刷機の練りロールや版面等に付着しているインキ組成物に対して、洗浄のために水を利用したときに印刷機から除去可能な程度に水に可溶であることを言う。
本発明において、成分(a)の顔料としては、オフセット印刷用インキ組成物で一般的に用いられる無色もしくは有色の、無機又は有機顔料が使用でき、具体的には、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、有機ベントナイト、二酸化珪素、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料;アゾ顔料、レーキ顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料等が例示できる。これらの顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物中の上記(a)顔料の含有量は、5〜30質量%が適量である。5質量%未満であると、求める印刷紙面濃度を得るためにインキを多く供給する必要があり、地汚れ発生のおそれがある。30質量%を超えると、インキの流動性が低下し、ローラー間転移などが不十分であるため、パイリング発生のおそれがある。上記顔料の含有量は、10〜20質量%であることがより好ましい。
本発明において、成分(b)の塩基性化合物の存在下で水溶性有機溶剤に溶解性又は分散性を示すバインダー樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、及び、酸基含有単官能性単量体と他の単官能性単量体とからなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られた共重合樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダー樹脂(1)、並びに、酸基含有単官能性単量体、他の単官能性単量体、及び、多官能性単量体からなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られたバインダー樹脂(2)を併用する。
本発明のインキ組成物においては、流動性や粘度安定性に優れた効果を発揮し得る直鎖状のバインダー樹脂(1)と、印刷した際にインキ塗膜に弾性を付与し、耐地汚れ性の向上やパイリング抑制に優れた効果を発揮し得る、側鎖や架橋部を含むバインダー樹脂(2)とを併用することにより、良好な印刷物を得ることができるのである。
上記バインダー樹脂(1)は、塩基性化合物存在下で水溶性有機溶剤に対して良好な溶解性又は分散性を示す樹脂であって、塩基性化合物がインキから除去されることにより析出する種類のものが使用される。即ち、上記バインダー樹脂(1)としては、後述する(c)水溶性有機溶剤、及び、(d)塩基性化合物等を含む本発明のインキ組成物中において、溶解性(流動性や印刷機上安定性等で有利)や分散性(印刷物の乾燥性等で有利)を示し、該インキ組成物から(d)塩基性化合物を取り除くと析出する性質を有するものを使用できる。
このような樹脂をバインダー樹脂として使用したインキ組成物は、印刷前においては、塩基性化合物の存在により安定な溶解又は分散状態を保つことが可能であり、また印刷後においては、塩基性化合物が除去されることによって強固な皮膜を形成することが可能である。これによって、印刷後の文字や図柄に耐水性や耐摩擦性が付与される。
上記バインダー樹脂(1)は、ロジン変性マレイン酸樹脂、及び、酸基含有単官能性単量体と他の単官能性単量体とからなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られた共重合樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である。
上記酸基含有単官能性単量体は、水溶性有機溶剤中に樹脂を溶解又は分散させるために必要なカルボキシル基を共重合体樹脂の分子内に導入する成分であり、例えば、アクリル系単量体、マレイン酸系単量体を挙げることができる。
上記アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸を挙げることができる。
上記マレイン酸系単量体としては、マレイン酸若しくは無水マレイン酸や、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノプロピル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸モノヘキシル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノ2−エチルヘキシル、マレイン酸モノラウリル、マレイン酸モノステアリル等のマレイン酸モノアルキルエステル等を挙げることができる。
上記他の単官能性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート等の芳香族環を含む(メタ)アクリル酸エステル化合物;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル化合物、エチルカルビトールアクリレート、ブチルカルビトールアクリレート等のアクリル系単量体や、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のマレイン酸ジアルキルエステル化合物のマレイン酸系単量体や、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンとそれらの誘導体等のスチレン系単量体を挙げることができる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸又はメタクリル酸」という意味である。
上記酸基含有単官能性単量体と他の単官能性単量体とからなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られた共重合樹脂としては、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂及びスチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂を挙げることができる。
なお、上記アクリル系樹脂とはアクリル系単量体を、上記スチレン−アクリル系樹脂とはスチレン系単量体とアクリル系単量体を、上記スチレン−マレイン酸系樹脂とはスチレン系単量体とマレイン酸系単量体を、そして上記スチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂とはスチレン系単量体、マレイン酸系単量体及びアクリル系単量体を、それぞれ、ラジカル重合性単量体の共重合成分とする共重合体樹脂である。
これらはそれぞれ、上述した酸基含有単官能性単量体及び他の単官能性単量体の、アクリル系単量体、スチレン系単量体、マレイン酸系単量体を適宜組み合わせて、共重合樹脂を得るとよい。
なかでも、上記共重合体樹脂としては、スチレン−アクリル系樹脂であることが好ましい。
なお、これらの共重合体樹脂は、必要に応じて、(メタ)アクリルアミド、クロトン酸とそのエステル化合物、イタコン酸とそのエステル化合物、シトラコン酸とそのエステル化合物、アクリロニトリル、オレフィン化合物等の他の共重合可能な単量体を共重合成分としてもよい。
一方、上記バインダー樹脂(2)は、酸基含有単官能性単量体、他の単官能性単量体及び多官能性単量体からなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られたものである。
すなわち、上記バインダー樹脂(2)として、上記で例示した酸基含有単官能性単量体、他の単官能性単量体に加えて、さらに多官能性単量体を共重合成分として用いたアクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂及びスチレン−アクリル−マレイン酸系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体樹脂が好適に使用できる。
多官能性単量体を共重合成分とすると側鎖の形成や架橋が起こり、弾性に起因する性状が強く発現するようになり、シリコーンゴムへの付着を抑えることが可能になると推察される。
上記バインダー樹脂(2)を得るために利用する、上記多官能性単量体としては、ジビニルベンゼン、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、エチレンジオールジメタクリレート、エチレンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート等の多官能性アクリル酸エステルもしくは多官能性メタクリル酸エステル、又は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、プレーニト酸、ピロメリット酸、メリット酸などのアクリル酸エステル、及び、これらの混合物を含む多官能性化合物等を挙げることができ、その中でもジビニルベンゼンが好ましい。
上記バインダー樹脂(2)において、上記酸基含有単官能性単量体と上記他の単官能性単量体とが合計99.9〜99.5質量%の範囲で使用され、上記多官能性単量体が0.1〜0.5質量%の範囲で使用される。
上記多官能性単量体が0.1質量%未満であると、パイリングや地汚れを充分に防止することができない。0.5質量%を超えると、インキ粘度が過大となり流動性の欠如につながる。
本発明において、上述の特定の組成からなる(b)のバインダー樹脂は、酸価が180〜240mgKOH/gであることが好ましい。また、上記バインダー樹脂(1)及び(2)の酸価が、それぞれ好ましくは180〜240mgKOH/gである。これらのバインダー樹脂の酸価が180mgKOH/gより低くなると、水溶性有機溶剤中での樹脂の溶解性や分散性が低下するおそれがある。一方、酸価が240mgKOH/gより高くなるとインキの耐水性が低下するおそれがある。
なお、本明細書において、酸価とは、固形分1gあたりの酸価を意味し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法(例えば、COMTITE(AUTO TITRATOR COM−900、BURET B−900、TITSTATION K−900)、平沼産業社製)によって測定した値をいう。
本発明において、上記バインダー樹脂(1)及び(2)は、後述する(d)塩基性化合物の存在下、(c)水溶性有機溶剤に溶解又は分散させてバインダー樹脂ワニスとして使用することができる。
上記バインダー樹脂(2)の含有量が多くなると、インキ組成物としての流動性や印刷機上安定性は低下する傾向があるため、種々の性能のバランスを考慮した含有量とすることが好ましい。そこで、上記バインダー樹脂(2)は、樹脂固形分としてインキ組成物中に1〜6質量%の範囲で使用され、好ましくは3〜5質量%の範囲で使用される。
さらに、上記バインダー樹脂(1)とバインダー樹脂(2)との合計含有量は、樹脂固形分として、本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物中に好ましくは7〜40質量%であり、より好ましくは15〜25質量%である。
本発明において、成分(c)として水溶性有機溶剤が使用される。これは本発明のインキ組成物を水可溶性にする他、塩基性化合物と協働してバインダー樹脂を溶解又は分散するとともに、印刷機ローラー上でのインキ皮膜の乾燥を防止して、ローラー間でインキを転移させるために使用される。したがって、このような機能を付与できるものであればいずれの水溶性有機溶剤も本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物において使用可能である。
このような水溶性有機溶剤としては、グリセリン、グリコール、グリコール誘導体等が挙げられ、これらは印刷環境に応じて単独又は複数を併用して使用される。
ここで、上記グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール等のジオール化合物が利用でき、その誘導体としては、上記グリコールのメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル等のアルキルエーテル化合物、酢酸エステル、酪酸エステル等のエステル化合物、及び、エステルエーテル化合物が利用できる。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物が湿潤の状態を示す程度に上記水溶性有機溶剤が残留しているとき、上記インキ組成物を水可溶性とするためには、(c)水溶性有機溶剤として水と自由に混合するものを利用することが最も望ましい。しかし、20℃において水に対する溶解度が、概ね10質量%以上、好ましくは15質量%、より好ましくは20質量%以上の水溶性有機溶剤を利用することにより、本発明の目的とする水可溶性の効果を十分に得ることができるようになる。
なお、安全や衛生の面からはグリセリンは極めて有用であり、プロピレングリコールとその誘導体も好適に利用できる。さらに、環境の面で、VOC(揮発性有機化合物)の低減という観点からは、米国環境保護庁がVOCの測定方法として110℃、1時間の加熱による加熱残分測定を提示していることから、110℃における蒸発の少ない溶剤が好ましい。上記例示した水溶性有機溶剤の中では、やはりグリセリンが110℃においてほとんど蒸発しないので好ましく使用される。上記(c)水溶性有機溶剤の含有量は、全インキ組成物中、通常30〜60質量%であることが好ましい。
本発明において、成分(d)として塩基性化合物が使用される。これはバインダー樹脂に含まれる酸性基を中和し、水溶性有機溶剤及び洗浄のための水にバインダー樹脂を可溶化するために使用される。
本発明で利用可能な塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、アンモニア水等の無機塩基性化合物;トリエチルアミン、モノエタノールアミン、モノメチルモノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等の有機アミン化合物を挙げることができる。
これらの中でも有機アミン化合物は、印刷後の乾燥工程でインキ皮膜から蒸発によって除去されて、又は、中和されてインキ皮膜を中性とすることができ、これによりバインダー樹脂が析出してセットを完了することができるので好ましく使用される。
この場合、低沸点の有機アミンは印刷機ローラー上で蒸発してバインダー樹脂を析出させる傾向がある一方で、高沸点の有機アミンは印刷後の乾燥工程で蒸発されにくいので印刷物中に残留し、セット(インキの乾燥)を遅延させたり印刷物の耐水性を低下させたりする傾向がある。このため、好ましくは沸点が80〜200℃程度の有機アミン化合物が使用され、より好ましくは沸点が100〜150℃の有機アミン化合物が使用される。
このような有機アミン化合物の中で、ジメチルエタノールアミンはバランスの良い蒸発特性を示し、またモルホリンはインキ組成物に良好な粘度を付与する特性がある。したがってその中でも好ましいものとしては、ジメチルエタノールアミンとモルホリンが例示される。
上記(d)塩基性化合物の含有量は、全インキ組成物中、通常2〜10質量%であることが好ましい。下限値の2質量%という数値は、樹脂の良好な溶解性を維持することを考慮して定めた数値であり、上限値の10質量%という数値は、印刷された画像の耐水性を維持することを考慮して定めた数値である。
本発明において、成分(e)として親水性シリコーンオイルが使用される。これにより、親水性である本発明のインキ組成物との相溶性を維持しつつ、厳しい作業環境下でも耐地汚れ性能を高めることができる。
ここでいう親水性シリコーンオイルとは、一般に上市されている各種シリコーンオイルの中で水への溶解性が付与されているものであれば何でもよく、例えば、ポリエーテル変性シリコーンオイルは一般的に親水性を示す。また、アルコール変性シリコーンオイルの中にも親水性を持つ種類のものが存在する。更に親水基が導入された特殊変性シリコーンオイル(例えば、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アミド変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシポリエーテル変性シリコーンオイル等の分子中のメチル基の一部に水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルフォン酸基、アミド基、エチレンオキサイド基等の各種親水基を導入した変性シリコーンオイル類)等も挙げられる。これらはいずれも本発明において好ましく用いることができる。これら親水性シリコーンオイルはそれぞれ単独で用いても、或いは2種以上混合して用いてもよい。
これら親水性シリコーンオイルの中でも、入手の容易性や価格の面から、ポリエーテル変性シリコーンオイルが特に好ましく使用される。上記ポリエーテル変性シリコーンオイルとは、構造中にポリエーテル鎖を持つシリコーンである。例えば、ポリシロキサンの末端及び/又は側鎖にポリエーテル鎖が導入された化合物が挙げられ、ポリエーテル鎖以外のエポキシ基、アミノ基等の有機基が併用して導入された化合物であってもよい。上記ポリエーテル鎖としては、ポリエチレンオキサイド鎖、ポリプロピレンオキサイド鎖等のポリアルキレンオキサイド鎖等が挙げられる。
上記ポリエーテル変性シリコーンオイルとして、具体的には、信越化学社製信越シリコーンKP322、KP341、KF−351、KF−352、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−618、KF−6011、KF−6015、KF−905;共栄社化学社製グラノール100、グラノール400、グラノール440、グラノール450、グラノール482、ポリフローKL−245、ポリフローKL−260、ポリフローKL−270、ポリフローKL−280、フローレンTW−4000;東レ・ダウコーニング社製SH−3746、SH−3749、SH−3771、SH−8400、TH−8700、ペインタッド19、ペインタッド29、ペインタッド32、ペインタッド56、ペインタッド57;東芝シリコーン社製TSF−4440;BYKケミー社製BYK−302、BYK−307、BYK−323、BYK−331、BYK−333、BYK−377等が挙げられる。
上記親水性シリコーンオイルの含有量は、全インキ組成物中、好ましくは1〜10質量%である。下限値の1質量%という数値は、十分な地汚れ防止効果(耐地汚れ性)を得るということを考慮して定めた数値である。また、上限値の10質量%という数値は、親水性シリコーンオイルの分離を抑制し、良好な相溶性を維持することを考慮して定めた数値である。更に、良好なトラッピング性能を得るということを考慮した、より好ましい含有量は1〜5質量%の範囲である。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物は、更に成分(f)として植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルを含有するものである。上記成分(f)を含有することにより、親水性である本発明のインキ組成物との相溶性を維持しつつ、厳しい作業環境下でも地汚れを防止するとともに練りロール等でのパイリングを防止することができる。
本発明で使用できる上記植物油としては、アマニ油、桐油、大豆油、ひまし油、菜種油、綿実油、コーン油、パーム油などが挙げられる。これらは、乾性油、不乾性油を問わず使用することができる。さらにこれらは単独で使用することも可能であるし、複数を組み合わせて使用することもできる。
本発明で使用できる上記植物油由来の脂肪酸エステルとしては、乾性油又は半乾性油の植物油変性脂肪酸モノエステルが挙げられる。すなわち、上記脂肪酸モノエステルを構成する脂肪酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸など炭素数15〜20程度のアルキル主鎖を有する脂肪酸が例示できる。上記脂肪酸モノエステルを構成するアルコール由来アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、2−エチルヘキシルなどの炭素数1〜10程度のアルキル基が例示できる。中でも、大豆油変性脂肪酸モノエステルが好ましい。これら脂肪酸モノエステルは、単独で又は2種以上を併用して使用できる。
上記植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルは、全インキ組成物中に、0.1〜2.5質量%の範囲で含有される。含有量が0.1質量%未満であると、十分な地汚れ、パイリング防止効果は得られない。2.5質量%を超えると、印刷機上での安定性を損なう。上記植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルは、より好ましくは1〜2質量%の範囲で含有される。
本発明のインキ組成物は、更に顔料分散剤、ワックス、消泡剤、転移性向上剤、レベリング剤等の各種添加剤を含有することもできる。
以上の材料を用いて本発明のインキ組成物を製造する方法としては、まず、(a)顔料、(b)バインダー樹脂のワニス、(c)水溶性有機溶剤及び必要に応じて、顔料分散剤、界面活性剤等を撹拌混合した後、各種練肉機、例えば、ビーズミル、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、パールミル等を使用して練肉し、更に、(e)親水性シリコーンオイル、(f)植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステル、及び、残りの材料を添加混合し、適切な粘度に調整する方法、等が採用される。
なお、上記(b)バインダー樹脂のワニスは、(b)バインダー樹脂を、(d)塩基性化合物の存在下で(c)水溶性有機溶剤に溶解又は分散させて得ることができる。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物の粘度としては、E型粘度計(東機産業社製)と呼ばれるコーンプレート型回転粘度計により、25℃、回転数0.5rpmにおいて測定された粘度が100〜600Pa・sであることが望ましい。粘度が100Pa・s未満では凝集力が不足して地汚れが発生しやすくなり、また粘度が600Pa・sを超えると印刷版に供給されるインキが過剰となって地汚れが発生しやすくなる。より好ましい粘度範囲は200〜600Pa・sであり、更に好ましくは300〜500Pa・sである。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物は、従来の水無しオフセット印刷に好適に適用することができる。まず、印刷機としては、通常のオフセット印刷機をそのまま使用することができる。当然のことながら、水無し印刷の場合、湿し水は不要である。そして、印刷に使用する水無しオフセット印刷版としても、通常の水無しオフセット印刷に使用される印刷版であれば特に制限されることはないが、一例として、TAP(東レ社製ポジタイプ水無しオフセット印刷版)を挙げることができる。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物を使用して印刷された印刷物は、汚れの少ない印刷物である。また、印刷の過程でVOCの排出量を大幅に削減できるので、環境負荷の小さい印刷物ということができる。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物は、上述した構成よりなるので、ロングラン印刷等厳しい作業環境下においても優れた耐地汚れ性能を得ることができ、高品質印刷が可能である。更に、印刷の過程でのVOCの排出量を削減できるため、環境負荷の軽減も可能である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味する。
〔実施例及び比較例〕
<バインダー樹脂の調製>
バインダー樹脂製造例
撹拌機、冷却管、窒素ガス導入管を備えた四つ口フラスコに、酢酸エチルを仕込んで75℃に加熱し、窒素ガスを導入しながら、表1記載のモノマー組成に従って各モノマー、開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイドの混合物を1.5時間かけて滴下し、更に同温度に保ちながら2時間共重合させた後、溶剤を減圧下で留去して、バインダー樹脂A、B、C、D、Eを得た。
バインダー樹脂Eは、ジビニルベンゼンの含有量が多く、樹脂間の架橋密度が増大、ゲル化したことにより、分子量測定が不可能であり、使用不可能と判断した。
なお、バインダー樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)により測定して得られた値である。
Figure 0005512376
<バインダー樹脂ワニスの製造>
表2記載の配合処方に従い、塩基性化合物を溶解させた溶媒中にバインダー樹脂を撹拌添加し、80℃に昇温し、2時間撹拌混合してバインダー樹脂ワニスA〜Gを調製した。
Figure 0005512376
<インキ組成物の調製>
表3及び表4記載の配合処方に従い、顔料(リオノールブルーFG−7330、東洋インキ製造社製)と、練肉時に粘度が適度となる量のバインダー樹脂ワニス及び溶媒との混合物をロールミルで練肉した後、更に残りのバインダー樹脂ワニス及び溶媒を添加した後、親水性シリコーンオイルA(BYK−331、ビックケミージャパン社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)又は親水性シリコーンオイルB(グラノール100、共栄社化学社製、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)、分散剤(ニューポールPE−71、三洋化成工業社製)及びワックス(ケミパールW400、三井化学社製)を撹拌混合して、E型粘度計(東機産業社製)と呼ばれるコーンプレート型回転粘度計により測定された回転数0.5rpm、25℃における粘度が400〜600Pa・sとなるように実施例1〜11、比較例1〜6のインキ組成物を調製した。
Figure 0005512376
Figure 0005512376
上記で得られたインキ組成物の性能評価を下記方法にて行い、評価結果を表3及び表4に示す。
<インキ組成物の性能評価>
1.ロングラン印刷時の機上安定性
表3及び表4の各インキ組成物について、室温が25℃に調整された室内で、練りローラーに通じている恒温槽を35℃に設定したインコメーター(東洋精機製)を使用して、回転数1200回転、インキ盛り量0.5ccにて、評価開始15分以内の状態での、着けロール上でのインキ溜まりの発生程度を目視にて評価を行った。
A:インキの溜まり無し。
B:インキの溜まりは確認されるが、着けロール全体の面積に対する溜まりの面積が1割未満(軽度の溜まり)であり、印刷紙面への影響が認められないもの。
C:インキの溜まりが確認され、着けロール全体の面積に対する溜まりの面積が1割以上(重度の溜まり)であり、印刷紙面に汚れが認められるもの。
2.ロングラン印刷時の耐地汚れ性
表3及び表4の各インキ組成物について、室温が25℃に調整された室内で、練りローラーに通じている恒温層の温度を40℃に設定したプリントテスター(SMT Company製)に水無し平版(東レ社製)を取り付けて、特菱アート110K用紙(三菱製紙社製)に展色し、非画像部における地汚れの発生程度を目視にて評価した。
A:地汚れの発生無し。
B:地汚れの発生は認められるが、非画線部全体の面積に対する汚れの面積が1割未満(軽度の地汚れ)であるもの。
C:地汚れの発生が認められ、非画線部全体の面積に対する汚れの面積が1割以上(重度の地汚れ)であるもの。
本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物は、水溶性有機溶剤をベースとするので、鉱物油をベースとした油性インキ組成物に比べてVOC(揮発性有機化合物)を著しく減少することができ、環境保全型製品として有効である。また、本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物は、既存の水無しオフセット印刷版を用いたオフ輪印刷に使用することができるので生産性も維持される。すなわち、本発明の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物を使用することにより、環境保全と生産性の両立が可能である。

Claims (7)

  1. (a)顔料、(b)塩基性化合物の存在下で水溶性有機溶剤に溶解性又は分散性を示すバインダー樹脂、(c)水溶性有機溶剤、(d)塩基性化合物、(e)親水性シリコーンオイル、並びに、(f)植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルを含有し、
    前記(b)のバインダー樹脂は、ロジン変性マレイン酸樹脂、及び、酸基含有単官能性単量体と他の単官能性単量体とからなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られた共重合樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のバインダー樹脂(1)と、
    酸基含有単官能性単量体と他の単官能性単量体との合計99.9〜99.5質量%、及び、多官能性単量体0.1〜0.5質量%からなるラジカル重合性単量体を共重合させて得られたバインダー樹脂(2)とを含有し、
    前記バインダー樹脂(2)は、インキ組成物中に1〜6質量%含有され、
    かつ、
    前記(f)植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルの含有量が、0.1〜2.5質量%である
    ことを特徴とする水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物。
  2. 前記多官能性単量体は、ジビニルベンゼンであることを特徴とする請求項1記載の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物。
  3. 前記植物油及び/又は植物油由来の脂肪酸エステルは、
    アマニ油、桐油、大豆油、ひまし油、菜種油、綿実油、コーン油、パーム油、及び、植物油変性脂肪酸モノエステルからなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物。
  4. 前記バインダー樹脂の酸価が、180〜240mgKOH/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物。
  5. 前記親水性シリコーンオイルの含有量が、1〜10質量%である請求項1〜4のいずれかに記載の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の水可溶性水無しオフセット印刷用インキ組成物を使用することを特徴とするオフセット印刷方法。
  7. 請求項6記載のオフセット印刷方法によって印刷されたことを特徴とする印刷物。

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