JP2011074165A - 型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、二次発泡粒子の潰れを防止しながら、二次発泡粒子に内圧を付与して型内発泡成形性に優れた型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を製造することができる型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法は、ポリ乳酸系樹脂を押出発泡させて得られた一次発泡粒子を二次発泡させて二次発泡粒子とし、この二次発泡粒子に不活性ガスを温度0〜25℃、昇圧速度0.01〜0.1MPa/分の条件下にてゲージ圧力0.1〜1.6MPaとなるまで加圧供給して上記二次発泡粒子に上記不活性ガスを含浸させることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、二次発泡粒子の潰れを防止して型内発泡成形性に優れた型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子(以下「ポリ乳酸系樹脂発泡粒子」と略することがある)を製造することができる型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。
ポリ乳酸系樹脂は、天然に存在する乳酸を重合されて得られた樹脂であり、自然界に存在する微生物によって分解可能な生分解性樹脂であると共に、常温での機械的特性についても優れており、更に、近年の環境意識の高まりと原油高騰などから石油を原料とする合成樹脂に代わる合成樹脂として注目を集めている。
ポリ乳酸系樹脂は、一般に、D−乳酸及び/又はL−乳酸を重合させるか、或いは、L−ラクチド、D−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群から選ばれた一又は二以上のラクチドを開環重合させることによって製造されている。
又、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を発泡させてポリ乳酸系樹脂発泡成形体を製造する方法としては、型内発泡成形が提案されている。上記型内発泡成形とは、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を金型内に充填し、熱水や水蒸気などの熱媒体によってポリ乳酸系樹脂発泡粒子を加熱して発泡させ、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の発泡圧によって発泡粒子同士を融着一体化させて所望形状を有するポリ乳酸系樹脂発泡成形体を製造する方法である。
そして、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を発泡させて得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体の発泡倍率の向上及び成形性の改善について種々の技術が開示されている。例えば、特許文献1には、ポリ乳酸系発泡成形体の製造において、ポリ乳酸系樹脂粒子に炭素数3−6の炭化水素系発泡剤を含浸させてポリ乳酸系発泡性粒子を得、該ポリ乳酸系発泡性粒子を発泡させてポリ乳酸系発泡粒子とした後に、二酸化炭素を該ポリ乳酸系発泡粒子に付与した二酸化炭素含有ポリ乳酸系発泡粒子を型内成形することを特徴とするポリ乳酸系発泡成形体製造時の成形性を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、ポリ乳酸系粒子に二酸化炭素を含浸させるにあたって、密閉容器内にその容器内圧力が0.1MPa以上で且つ2.0MPa未満となるように二酸化炭素を瞬時に供給しており、密閉容器内の二酸化炭素による昇圧速度が極めて高くなっている。
従って、ポリ乳酸系粒子が二酸化炭素による急激な圧力上昇によって潰れてしまう虞れがあり、特に、ポリ乳酸系粒子が高発泡倍率である場合にはその現象が顕著であり、その結果、二酸化炭素含有ポリ乳酸系発泡粒子の型内発泡成形時における発泡性が低下し、得られる発泡成形体の外観が低下するという問題点を有している。
又、特許文献2には、生分解性ポリエステルを主成分とする予備発泡ビーズを、(1)45℃〜90℃の温度で処理した後、(2)0.105MPa〜1.0MPaの圧力下に保持する生分解性発泡ビーズの製造方法が開示されている。
そして、段落番号〔0043〕には、工程(2)の加圧方法として瞬時又は時間をかけての何れでもよいことが記載されているものの、実施例をみると、オートクレーブ内に一気(瞬時)に所定圧力まで加圧している。又、段落番号〔0045〕には、工程(2)の加圧条件として処理温度を30〜50℃に維持することが好ましいことが記載されている。
しかしながら、オートクレーブ内に空気を瞬時に所定圧力まで加圧していることから、上述と同様に、オートクレーブ内の昇圧速度が極めて高くなっており、予備発泡ビーズが急激な圧力上昇によって潰れてしまう虞れがある。
更に、工程(2)の加圧時に処理温度を30〜50℃に維持すると、ポリ乳酸系樹脂の結晶化の進行と共に予備発泡ビーズの収縮が発生し、得られる生分解性発泡ビーズの型内発泡成形性が低下し、得られる発泡成形体の外観が低下するという問題を有している。
特開2008−214423号公報 特開2004−217923号公報
本発明は、二次発泡粒子の潰れを防止しながら、二次発泡粒子に内圧を付与して型内発泡成形性に優れた型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を製造することができる型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法を提供する。
本発明の型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法は、ポリ乳酸系樹脂を押出発泡させて得られた一次発泡粒子を二次発泡させて二次発泡粒子とし、この二次発泡粒子に不活性ガスを温度0〜25℃、昇圧速度0.01〜0.1MPa/分の条件下にてゲージ圧力0.1〜1.6MPaとなるまで加圧供給して上記二次発泡粒子に上記不活性ガスを含浸させることを特徴とする。
先ず、本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂について説明する。本発明で用いられるポリ乳酸系樹脂は、一般に市販されているポリ乳酸系樹脂を用いることができ、具体的には、D−乳酸及びL−乳酸をモノマーとして共重合させるか、D−乳酸又はL−乳酸の何れか一方をモノマーとして重合させるか、或いは、D−ラクチド、L−ラクチド及びDL−ラクチドからなる群より選ばれた一又は二以上のラクチドを開環重合させることによって得ることができ、何れのポリ乳酸系樹脂であってもよい。
そして、ポリ乳酸系樹脂を製造するに際して、モノマーとしてD体とL体とを併用した場合においてD体若しくはL体のうちの少ない方の光学異性体の割合が5モル%未満である場合、又は、モノマーとしてD体若しくはL体のうちの何れか一方の光学異性体のみを用いた場合、即ち、上記ポリ乳酸系樹脂が、その構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満であるか、或いは、構成モノマー成分としてD体又はL体のうちの何れか一方の光学異性体のみを含有している場合は、得られるポリ乳酸系樹脂は、その結晶性が高くなり融点が高くなる一方、モノマーとしてD体とL体とを併用した場合においてD体又はL体のうちの少ない方の割合が5モル%以上である時は、少ない方の光学異性体が増加するにしたがって、得られるポリ乳酸系樹脂は、その結晶性が低くなり、やがて非結晶となる。
従って、本発明では、構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満であるポリ乳酸系樹脂か、或いは、構成モノマー成分としてD体又はL体のうちの何れか一方の光学異性体のみを含有しているポリ乳酸系樹脂を用いることが好ましい。このようなポリ乳酸系樹脂を用いることによって、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子の耐熱性を高いものとすることができる。
更に、D体とL体をモノマーとして併用して重合させて得られたポリ乳酸系樹脂としては、D体又はL体のうちの何れか少ない方の光学異性体の割合が4モル%未満であるモノマーを重合させて得られたポリ乳酸系樹脂が好ましく、D体又はL体のうちの何れか少ない方の光学異性体の割合が3モル%未満であるモノマーを重合させて得られたポリ乳酸系樹脂がより好ましく、D体又はL体のうちの何れか少ない方の光学異性体の割合が2モル%未満であるモノマーを重合させて得られたポリ乳酸系樹脂が特に好ましい。
即ち、構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が4モル%未満であるポリ乳酸系樹脂が好ましく、構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が3モル%未満であるポリ乳酸系樹脂がより好ましく、構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が2モル%未満であるポリ乳酸系樹脂が更に好ましい。
そして、構成モノマー成分としてD体及びL体を含有するポリ乳酸系樹脂は、D体又はL体のうちの何れか少ない方の光学異性体の割合が少なくなればなる程、ポリ乳酸系樹脂は、その結晶性のみならず融点も上昇する。よって、発泡粒子を金型内に充填して発泡させて得られる発泡成形体の耐熱性も向上し、発泡成形体は高い温度であってもその形態を維持することができる。従って、発泡成形体を金型から高い温度のまま取り出すことが可能となって発泡成形体の金型内における冷却時間が短縮され、発泡成形体の生産効率を向上させることもできる。
ここで、ポリ乳酸系樹脂中におけるD体又はL体の含有量は以下の方法によって測定することができる。ポリ乳酸系樹脂を凍結粉砕し、ポリ乳酸系樹脂の粉末200mgを三角フラスコ内に供給した後、三角フラスコ内に1Nの水酸化ナトリウム水溶液30ミリリットルを加える。そして、三角フラスコを振りながら65℃に加熱してポリ乳酸系樹脂を完全に溶解させる。しかる後、1N塩酸を三角フラスコ内に供給して中和し、pHが4〜7の分解溶液を作製し、メスフラスコを用いて所定の体積とする。
次に、分解溶液を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した後、液体クロマトグラフを用いて分析し、得られたチャートに基づいてD体及びL体由来のピーク面積から面積比を存在比としてD体量及びL体量を算出する。そして、上述と同様の要領を5回繰り返して行い、得られたD体量及びL体量をそれぞれ相加平均して、ポリ乳酸系樹脂のD体量及びL体量とした。
HPLC装置(液体クロマトグラフ):日本分光社製 商品名「PU-2085 Plus型システ
ム」
カラム:住友分析センター社製 商品名「SUMICHIRAL OA5000」(4.6mmφ×250mm)
カラム温度:25℃
移動相:2mMCuSO4水溶液と2−プロパノールとの混合液
(CuSO4水溶液:2-プロパノール(体積比)=95:5)
移動相流量:1.0ミリリットル/分
検出器:UV 254nm
注入量:20マイクロリットル
そして、ポリ乳酸系樹脂を押出発泡させて一次発泡粒子を製造する方法としては、汎用の方法を用いることができ、例えば、ポリ乳酸系樹脂及び発泡剤を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けたノズル金型から押出発泡させ、ノズル金型から押出された直後の押出発泡体を連続的に回転刃によって切断した後に直ちに冷却するポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法が挙げられる。
発泡剤としては、従来から汎用されているものが用いられ、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどの化学発泡剤;プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などの物理発泡剤などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。なお、発泡剤は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
そして、押出機に供給される発泡剤量としては、少ないと、一次発泡粒子を所望発泡倍率まで発泡させることができないことがある一方、多いと、発泡剤が可塑剤として作用することから溶融状態のポリ乳酸系樹脂の粘弾性が低下し過ぎて発泡性が低下し良好な一次発泡粒子を得ることができず或いは一次発泡粒子の発泡倍率が高過ぎて結晶化度を制御できなくなる場合があるので、ポリ乳酸系樹脂100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜4重量部がより好ましく、0.3〜3重量部が特に好ましい。
次に、得られた一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させた上で二次発泡させて二次発泡粒子とする。このように、一次発泡粒子を二次発泡させて二次発泡粒子とすることによって高発泡倍率のポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得ることができる。なお、上記不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられ、二酸化炭素が好ましい。
一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する不活性ガス雰囲気下に一次発泡粒子を置くことによって一次発泡粒子中に不活性ガスを含浸させる方法が挙げられる。例えば、オートクレーブや耐圧タンクなどの開閉自在に密閉可能な密閉容器内に一次発泡粒子を供給し、密閉容器内を常圧以上の圧力を有する不活性ガス雰囲気下とする方法や、密閉容器内を不活性ガス雰囲気とした上で、密閉容器内に一次発泡粒子を供給し、密閉容器内に不活性ガスを加圧状態で供給して密閉容器内を常圧以上の圧力を有する不活性ガス雰囲気とする方法などが挙げられる。
そして、一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる時の不活性ガスの温度は−40〜25℃が好ましく、−10〜20℃がより好ましい。これは、不活性ガスの温度が低いと、不活性ガスの温度を下げるための設備を必要とし、生産コストが高くなることがあるからである。一方、不活性ガスの温度が高いと、一次発泡粒子への不活性ガスの含浸量が低くなり、一次発泡粒子に充分な発泡性を付与することができないことがあると共に、一次発泡粒子の結晶化が促進され、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子の型内発泡成形性が低下することがあるからである。
又、一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる時の密閉容器のゲージ圧力は0.2〜1.6MPaが好ましく、0.28〜1.2MPaがより好ましい。不活性ガスが二酸化炭素である場合には、一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる時の密閉容器のゲージ圧力は0.2〜1.5MPaが好ましく、0.25〜1.2MPaがより好ましい。これは、圧力が低いと、一次発泡粒子への不活性ガスの含浸量が低くなり、一次発泡粒子に充分な発泡性を付与することができず、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子の型内発泡成形性が低下することがあるからである。
一方、圧力が高いと、得られる二次発泡粒子の結晶化度が上昇し、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子の熱融着性が低下し、得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体の機械的強度が低下することがあるからである。
更に、一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる時間は、20分〜24時間が好ましく、1〜18時間がより好ましく、3〜8時間が特に好ましい。不活性ガスが二酸化炭素である場合には、一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる時間は20分〜24時間が好ましい。これは、含浸時間が短いと、一次発泡粒子に不活性ガスを充分に含浸させることができないからである。一方、含浸時間が長いと、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造効率が低下するからである。
このように、一次発泡粒子に不活性ガスを−40〜25℃で且つ密閉容器内のゲージ圧力0.2〜1.6MPaの圧力下にて含浸させることによって、一次発泡粒子の結晶化度の上昇を抑えつつ、発泡性を向上させることができる。
上述のようにして一次発泡粒子に不活性ガスを含浸させた上で二次発泡させて高発泡倍率の二次発泡粒子とする。なお、一次発泡粒子を加熱する加熱媒体としては、特に限定されないが、乾燥した空気が好ましい。
一次発泡粒子を発泡させて二次発泡粒子とする際の加熱温度としては、高いと、得られる二次発泡粒子の結晶化度が上昇して、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子同士の熱融着性が低下し、得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体の機械的強度及び外観性が低下するので、70℃未満が好ましい。
次に、二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させて型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を製造する。なお、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられ、二酸化炭素が好ましい。一次発泡粒子に含浸させた不活性ガスと、二次発泡粒子に含浸させる不活性ガスとは同一であっても相違していてもよいが、同一であることが好ましい。
二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる方法を説明する。先ず、オートクレーブや耐圧タンクなどの開閉自在に密閉可能な密閉容器内に二次発泡粒子を供給し、密閉容器内に不活性ガスを常圧にて供給して、二次発泡粒子を常圧の不活性ガス雰囲気下に置く。なお、密閉容器内に予め不活性ガスを供給して密閉容器内を常圧の不活性ガス雰囲気とした上で、密閉容器内に二次発泡粒子を供給して、二次発泡粒子を常圧の不活性ガス雰囲気下に置いてもよい。
しかる後、密閉容器内に不活性ガスを加圧状態にて供給し、密閉容器内の二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させる。密閉容器内に不活性ガスを供給する際、密閉容器内の圧力の昇圧速度が0.01〜0.1MPa/分となるように、好ましくは、昇圧速度が0.01〜0.095MPa/分となるように、より好ましくは、昇圧速度が0.01〜0.09MPa/分となるように、密閉容器内に不活性ガスを供給する。なお、密閉容器内の昇圧速度は、0.01〜0.1MPa/分となるように調整されておれば、一定であっても変化してもよい。
密閉容器内の圧力の昇圧速度が小さいと、二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させるのに要する時間が長くなり過ぎてポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造効率が低下するからである。
一方、密閉容器内の圧力の昇圧速度が大きいと、二次発泡粒子は二回の発泡によって比較的高発泡倍率となっていることから、密閉容器内の急激に大きくなる圧力に二次発泡粒子が耐えきれなくなり、その結果、二次発泡粒子が潰れてしまい、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子の型内発泡成形性が低下し、得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体の機械的強度及び外観性が低下するからである。
即ち、密閉容器内の圧力の昇圧速度を0.01〜0.1MPa/分となるように調整することにより、密閉容器内の二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させて二次発泡粒子の内圧を増加させながら、密閉容器内の圧力を徐々に増加させており、よって、二次発泡粒子が不活性ガスによる圧力によって押し潰れることはなく、二次発泡粒子に不活性ガスが安定的に且つ確実に含浸される。
そして、密閉容器内に不活性ガスを加圧状態にて供給する際の不活性ガスの温度は、低いと、二次発泡粒子に不活性ガスを充分に含浸させることができず、高いと、二次発泡粒子を構成しているポリ乳酸系樹脂の結晶化が進行し、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子の熱融着性が低下して、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を用いて得られたポリ乳酸系樹脂発泡成形体の機械的強度や外観が低下するので、0〜25℃に限定され、5〜20℃が好ましい。
又、密閉容器内への不活性ガスの加圧供給は、密閉容器内のゲージ圧力が0.1〜1.6MPaとなるまで行われる。密閉容器内への不活性ガスの加圧供給が密閉容器内のゲージ圧力が0.1MPa未満にて終了すると、二次発泡粒子に不活性ガスを充分に含浸させることができない。一方、密閉容器内への不活性ガスの加圧供給が密閉容器内のゲージ圧力が1.6MPaを越えて行われると、二次発泡粒子が不活性ガスの圧力によって押し潰されてしまう虞れがある。
上述の条件で二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させることによって、二次発泡粒子が不活性ガスの圧力によって押し潰されることなく、二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させることができ、得られる型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子は優れた発泡性を有し、型内発泡成形時にポリ乳酸系樹脂発泡粒子同士の融着性が向上し、得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体は優れた機械的強度及び外観を有する。
得られたポリ乳酸系樹脂発泡粒子の三次発泡性は、低いと、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を用いて型内発泡成形を行った場合にポリ乳酸系樹脂発泡粒子同士の熱融着が不充分となり、得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体の機械的強度及び外観が低下することがあるので、2.5以上が好ましく、2.6〜3.5がより好ましい。
なお、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の三次発泡性は下記の要領で測定された値をいう。先ず、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の嵩密度D1を後述の要領で測定する。次に、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を90℃の水に5秒間に亘って浸漬してポリ乳酸系樹脂発泡粒子を発泡させた後に40℃にて5時間に亘って乾燥させて三次発泡粒子を得る。この三次発泡粒子の嵩密度D2を後述の要領で測定し、下記式に基づいて算出することができる。
三次発泡性=D1/D2
次に、上述のようにして得られた型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を用いて型内発泡成形によってポリ乳酸系樹脂発泡成形体を製造することができる。具体的には、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を金型のキャビティ内に充填して加熱し、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を発泡させることによって、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を発泡させて得られる発泡粒子同士をそれらの発泡圧によって互いに融着一体化させると共にポリ乳酸系樹脂の結晶化度を上昇させて、融着性及び耐熱性に優れた所望形状を有するポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得ることができる。
なお、金型内に充填したポリ乳酸系樹脂発泡粒子の加熱媒体としては、特に限定されず、水蒸気の他に、熱風、温水などが挙げられるが、60〜100℃の水を用いることが好ましい。これは、水は、液体状であって比熱が大きいことから、温度が低くても金型内のポリ乳酸系樹脂発泡粒子に発泡に必要な高い熱量を充分に付与することができるからである。
加熱媒体として用いる水の温度は、低いと、金型内に充填したポリ乳酸系樹脂発泡粒子の発泡が不充分となりポリ乳酸系樹脂発泡粒子同士の熱融着性が低下して得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体の機械的強度や外観性が低下することがある一方、高いと、水を高圧状態としなければならず、ボイラーなどの大掛かりな設備を要するので、60〜100℃が好ましく、70〜99℃がより好ましく、80〜98℃が特に好ましい。
金型内に充填したポリ乳酸系樹脂発泡粒子に60〜100℃の水を供給してポリ乳酸系樹脂発泡粒子を加熱する方法としては、特に限定されず、例えば、(1)従来から用いられている型内発泡成形機において水蒸気の代わりに60〜100℃の水を金型内に供給する方法、(2)ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を充填した金型を、60〜100℃の水中に浸漬してポリ乳酸系樹脂発泡粒子に水を供給する方法などが挙げられ、複雑な形状の金型であっても金型全体、即ち、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を全体的に均一に加熱、発泡させることができることから、上記(2)の方法が好ましい。
そして、60〜100℃の水でポリ乳酸系樹脂発泡粒子を加熱して型内発泡成形を行った後、金型内に形成されたポリ乳酸系樹脂発泡成形体を冷却した上で金型を開放して所望形状を有するポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得ることができる。
本発明の型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法は、上述の如く、二次発泡粒子に所定条件にて不活性ガスを含浸させているので、二次発泡粒子が不活性ガスの圧力によって押し潰されることなく二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させることができ、よって、得られる型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子は優れた発泡性を有しており、この型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を用いて得られたポリ乳酸系樹脂発泡成形体は優れた機械的強度及び外観を有している。
又、上記型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法において、ポリ乳酸系樹脂として、構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満であるポリ乳酸系樹脂か、或いは、構成モノマー成分としてD体又はL体のうちの何れか一方の光学異性体のみを含有しているポリ乳酸系樹脂を用いて場合には、得られるポリ乳酸系樹脂発泡粒子は、その結晶性が高くて耐熱性に優れている。
従って、得られる型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子は、型内発泡成形において、優れた発泡性及び熱融着性を発揮し、得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体は、外観性、耐熱性及び機械的強度に優れている。
本発明において、発泡粒子の嵩密度、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の収縮率及び結晶化度、並びに、ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の外観は下記の要領によって測定されたものをいう。
(発泡粒子の嵩密度)
発泡粒子の嵩密度は、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定されたものをいう。即ち、JIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて発泡粒子の嵩密度を測定した。
発泡粒子の嵩密度(g/cm3
=〔試料を入れたメスシリンダーの質量(g)−メスシリンダーの質量(g)〕
/〔メスシリンダーの容量(cm3)〕
(ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の収縮率)
二次発泡粒子の嵩密度D3を上述の要領で測定した。次に、二次発泡粒子に不活性ガスを含浸させて得られたポリ乳酸系樹脂発泡粒子を1時間に亘って放置した後、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の嵩密度D4を上述の要領で測定し、下記式に基づいて収縮率を算出した。
収縮率(%)=100×(D4−D3)/D3
(ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の連続気泡率)
ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の連続気泡率は下記の要領で測定される。先ず、体積測定空気比較式比重計の試料カップを用意し、この試料カップの80%程度を満たす量のポリ乳酸系樹脂発泡粒子の全重量A(g)を測定する。次に、上記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体の体積B(cm3)を比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定する。なお、体積測定空気比較式比重計は、例えば、東京サイエンス社から商品名「1000型」にて市販されている。
続いて、金網製の容器を用意し、この金網製の容器を水中に浸漬し、この水中に浸漬した状態における金網製の容器の重量C(g)を測定する。次に、この金網製の容器内に上記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を全量入れた上で、この金網製の容器を水中に浸漬し、水中に浸漬した状態における金網製の容器とこの金網製容器に入れたポリ乳酸系樹脂発泡粒子の全量とを併せた重量D(g)を測定する。
そして、下記式に基づいてポリ乳酸系樹脂発泡粒子の見掛け体積E(cm3)を算出し、この見掛け体積Eと上記ポリ乳酸系樹脂発泡粒子全体の体積B(cm3)に基づいて下記式によりポリ乳酸系樹脂発泡粒子の連続気泡率を算出することができる。なお、水1gの体積を1cm3 とした。
E=A+(C−D)
連続気泡率(%)=100×(E−B)/E
(ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の結晶化度)
ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の結晶化度は、示差走査熱量計(DSC)を用いてJIS K7121に記載の測定方法に準拠して10℃/分の昇温速度にて昇温しながら測定された1mg当たりの冷結晶化熱量及び1mg当たりの融解熱量に基づいて下記式により算出することができる。
Figure 2011074165
(ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の外観)
ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の外観を目視観察して下記基準に基づいて判断した。
○:ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の伸びが良く、ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の発泡粒子間に
凹凸が見られない。
×:ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の伸びが悪く、ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の発泡粒子間に
凹凸が見られる。
(実施例1)
結晶性のポリ乳酸系樹脂(ユニチカ社製 商品名「TERRAMAC HV−6250H」、融点(mp):169.1℃、D体比率:1.2モル%、L体比率:98.8モル%)100重量部及び気泡調整剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末(旭硝子社製 商品名「フルオンL169J」)0.1重量部を口径が65mmの単軸押出機に供給して溶融混練した。なお、単軸押出機内において、ポリ乳酸系樹脂を始めは190℃にて溶融混練した後に220℃まで昇温させながら溶融混練した。
次に、単軸押出機の途中から、イソブタン35重量%及びノルマルブタン65重量%からなるブタンをポリ乳酸系樹脂100重量部に対して1.0重量部となるように溶融状態のポリ乳酸系樹脂に圧入してポリ乳酸系樹脂中に均一に分散させた。
しかる後、溶融状態のポリ乳酸系樹脂を冷却した後、単軸押出機の前端に取り付けた出口部の直径が1.0mmのノズルを20個有しているマルチノズル金型の各ノズルから剪断速度7639sec-1でポリ乳酸系樹脂を押出発泡させ、押出発泡された直後のポリ乳酸系樹脂押出発泡体を所定長さ毎にカッターを用いて切断した後に冷却して一次発泡粒子を得た。得られた一次発泡粒子の粒子径は2.0〜3.0mmであった。
そして、得られた一次発泡粒子を10リットルの開閉自在な密閉容器内に供給して常圧下にて密閉容器内の空気を二酸化炭素と完全に置換した上で密閉し、この密閉容器内の二酸化炭素を20℃に維持した上で、密閉容器内に20℃の二酸化炭素を密閉容器内のゲージ圧力1.0MPaにて圧入し、一次発泡粒子に二酸化炭素を5時間に亘って含浸した。
一次発泡粒子を密閉容器から取り出して、一次発泡粒子を直ちに撹拌機付きの熱風乾燥機に供給し、一次発泡粒子を撹拌しながら65℃の乾燥した熱風で3分間に亘って加熱して発泡させ、粒径が3.5〜5.0mm、嵩密度が0.049g/cm3、結晶化度が23.2%の二次発泡粒子を得た。
次に、開閉自在な密閉容器を別に用意し、この密閉容器内に二次発泡粒子を供給した後、密閉容器内の空気を常圧にて二酸化炭素に完全に置換した。しかる後、密閉容器を密閉し、この密閉容器内の二酸化炭素を18℃に維持した上で、密閉容器内に18℃の二酸化炭素を密閉容器内の圧力の昇圧速度が0.01MPa/分となるように加圧状態で供給し、密閉容器内のゲージ圧力が0.6MPaとなった時点で密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止した。そして、密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止してから3時間に亘って放置して二次発泡粒子に二酸化炭素を含浸させて型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得た。
得られたポリ乳酸系樹脂発泡粒子を金型の縦30mm×横300mm×高さ300mmの直方体形状のキャビティ内に充填した。そして、加熱水槽内に85℃に維持された水を溜め、この加熱水槽内の水中にポリ乳酸系樹脂発泡粒子を充填した金型を完全に1分間に亘って浸漬して、金型の供給口を通じて、金型のキャビティ内に充填したポリ乳酸系樹脂発泡粒子に水を供給し、ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を加熱、発泡させてポリ乳酸系樹脂発泡粒子同士を熱融着一体化させた。
次に、加熱水槽内から金型を取り出した。そして、別の冷却水槽に20℃に維持された水を溜め、この冷却水槽内に金型を完全に5分間に亘って浸漬して、金型内のポリ乳酸系樹脂発泡成形体を冷却した。金型を冷却水槽から取り出して金型を開放して直方体形状のポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得た。得られたポリ乳酸系樹脂発泡成形体は、非常に優れた外観を有していた。
(実施例2)
密閉容器内に二次発泡粒子を供給した後、密閉容器内の空気を常圧にて二酸化炭素に完全に置換した。しかる後、密閉容器を密閉し、この密閉容器内の二酸化炭素を18℃に維持した上で、密閉容器内に18℃の二酸化炭素を密閉容器内の圧力の昇圧速度が0.01MPa/分となるように加圧状態で供給し、密閉容器内のゲージ圧力が1.5MPaとなった時点で密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止した。そして、密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止してから3時間に亘って放置して二次発泡粒子に二酸化炭素を含浸させて型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得たこと以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得た。得られたポリ乳酸系樹脂発泡成形体は、非常に優れた外観を有していた。
(実施例3)
密閉容器内に二次発泡粒子を供給した後、密閉容器内の空気を常圧にて二酸化炭素に完全に置換した。しかる後、密閉容器を密閉し、この密閉容器内の二酸化炭素を20℃に維持した上で、密閉容器内に20℃の二酸化炭素を密閉容器内の圧力の昇圧速度が0.09MPa/分となるように加圧状態で供給し、密閉容器内のゲージ圧力が0.6MPaとなった時点で密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止した。そして、密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止してから3時間に亘って放置して二次発泡粒子に二酸化炭素を含浸させて型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得たこと以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得た。得られたポリ乳酸系樹脂発泡成形体は、非常に優れた外観を有していた。
(実施例4)
密閉容器内に二次発泡粒子を供給した後、密閉容器内の空気を常圧にて二酸化炭素に完全に置換した。しかる後、密閉容器を密閉し、この密閉容器内の二酸化炭素を5℃に維持した上で、密閉容器内に5℃の二酸化炭素を密閉容器内の圧力の昇圧速度が0.09MPa/分となるように加圧状態で供給し、密閉容器内のゲージ圧力が0.6MPaとなった時点で密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止した。そして、密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止してから3時間に亘って放置して二次発泡粒子に二酸化炭素を含浸させて型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得たこと以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得た。得られたポリ乳酸系樹脂発泡成形体は、非常に優れた外観を有していた。
(比較例1)
密閉容器内に二次発泡粒子を供給した後、密閉容器内の空気を常圧にて二酸化炭素に完全に置換した。しかる後、密閉容器を密閉し、この密閉容器内の二酸化炭素を20℃に維持した上で、密閉容器内に20℃の二酸化炭素を密閉容器内の圧力の昇圧速度が0.3MPa/分となるように加圧状態で供給し、密閉容器内のゲージ圧力が1.0MPaとなった時点で密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止した。そして、密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止してから3時間に亘って放置して二次発泡粒子に二酸化炭素を含浸させて型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得たこと以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得た。得られたポリ乳酸系樹脂発泡粒子は収縮が大きく、更に、得られたポリ乳酸系樹脂発泡成形体は、収縮を生じてしまい外観が悪かった。
(比較例2)
密閉容器内に二次発泡粒子を供給した後、密閉容器内の空気を常圧にて二酸化炭素に完全に置換した。しかる後、密閉容器を密閉し、この密閉容器内の二酸化炭素を35℃に維持した上で、密閉容器内に35℃の二酸化炭素を密閉容器内の圧力の昇圧速度が0.06MPa/分となるように加圧状態で供給し、密閉容器内のゲージ圧力が0.6MPaとなった時点で密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止した。そして、密閉容器内への二酸化炭素の供給を停止してから3時間に亘って放置して二次発泡粒子に二酸化炭素を含浸させて型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子を得たこと以外は実施例1と同様にしてポリ乳酸系樹脂発泡成形体を製造しようとしたが、密閉容器内に二酸化炭素を供給中に二次発泡粒子に潰れが発生すると共に、二次発泡粒子を構成しているポリ乳酸系樹脂の結晶化が進行してしまい、ポリ乳酸系樹脂発泡成形体を得ることができなかった。
得られた型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の収縮率、連続気泡率、結晶化度及び三次発泡性、並びに、ポリ乳酸系樹脂発泡成形体の外観を上述の要領で測定し、その結果を表1に示した。
Figure 2011074165

Claims (3)

  1. ポリ乳酸系樹脂を押出発泡させて得られた一次発泡粒子を二次発泡させて二次発泡粒子とし、この二次発泡粒子に不活性ガスを温度0〜25℃、昇圧速度0.01〜0.1MPa/分の条件下にてゲージ圧力0.1〜1.6MPaとなるまで加圧供給して上記二次発泡粒子に上記不活性ガスを含浸させることを特徴とする型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。
  2. ポリ乳酸系樹脂は、構成モノマー成分としてD体及びL体の双方の光学異性体を含有し且つD体又はL体のうちの少ない方の光学異性体の含有量が5モル%未満であるか、或いは、構成モノマー成分としてD体又はL体のうちの何れか一方の光学異性体のみを含有している結晶性ポリ乳酸系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. 型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の三次発泡性が2.5以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の型内発泡成形用ポリ乳酸系樹脂発泡粒子の製造方法。
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