JP2011073972A - 混合粉体およびその製造方法、固形製剤 - Google Patents

混合粉体およびその製造方法、固形製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】嵩密度が0.3g/mL以上異なる粉体が高い均一性で混合された混合粉体およびその製造方法、ならびに該混合粉体を用いた固形製剤の提供。
【解決手段】嵩密度が0.25〜0.40g/mLであり、円形度が0.65〜0.85である粒子の割合が70%以上である粉体Aと、嵩密度が前記粉体Aの嵩密度+0.3g/mL以上である粉体Bとを混合した混合粉体。
【選択図】なし

Description

本発明は、嵩密度が異なる2種以上の粉体を混合した混合粉体およびその製造方法、ならびに該混合粉体を用いた固形製剤に関する。
かぜ薬等の内服固形製剤は、一般的に、複数の有効成分を配合した多成分配合製剤であり、その製造に際しては、通常、有効成分のうちの少なくとも1種を配合した粒子からなる粉体を複数混合し、混合粉体とする工程が行われている。該混合粉体はそのまま、または任意の成分を添加して、所望の剤形の固形製剤とされる。
混合粉体を用いて固形製剤を製造する場合、得られる固形製剤中の有効成分含量の均一性を高めるために、混合粉体中の複数の粒子が均一に混合していること(混合均一性)が求められる。
このような要求に対し、種々の方法が提案されている。その一例として、粒径、嵩密度、流動性等、混合性に影響する因子を揃える方法が挙げられ、たとえば特許文献1では、無水カフェイン粉体の粒径を揃えることで、無水カフェイン粉体を、他の2種以上の有効成分粉体に混合する際の混合性を向上させる方法が記載されている。
また、各粉体の投入順序を変更したり、種々の混合機を使用する等の方法も提案されている。たとえば特許文献2では、薬物と添加剤とを混合する前に、薬物と流動改質剤とを混合する方法が記載されている。特許文献3には、互いに配合禁忌である薬物をそれぞれ造粒した後、それらを混合し、その混合物に対し、流動層造粒機中で流動させながら添加剤を被覆させる方法が記載されている。
特開2003−277266号公報 特開2003−081876号公報 特開2005−060276号公報
しかし、従来の方法は、プロセス上の制限や負担が大きいなど、混合性の問題を本質的に解決できるものとはいえない。たとえば特許文献1に記載されるような混合性に影響する因子を揃える方法では、配合する全ての粉体について、混合性に影響する因子(粒径、嵩密度、流動性等)を揃えることは難しく、特に、製剤特性上の工夫を凝らしている粒子(たとえば溶出が速い粒子)を配合する場合は非常に困難である。
さらに、混合する粉体間の嵩密度の差が大きい場合、特に該差が0.3g/mL以上の場合、上述したような従来の方法によっても、得られる混合粉体は、各粒子の混合均一性が悪く、有効成分含量のバラツキが大きい。
これに対し、全成分を造粒し、1顆粒にする方法が考えられる。しかしかかる方法は、製剤の安定性、コスト等の面から必ずしも実用的とは言えない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、嵩密度が0.3g/mL以上異なる粉体が高い均一性で混合された混合粉体およびその製造方法、ならびに該混合粉体を用いた固形製剤を提供することを目的とする。
一般的に、複数の粉体を混合する場合、各粒子の真球度が高いほど(球形に近いほど)混合性がよいとされている。しかし本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、嵩密度が0.3g/mL以上異なる複数の粒子を混合する場合においては、一般的に混合性がよくないとされる円形度の低い粒子(たとえば非球形の粒子や金平糖状の粒子)が、意外にも、嵩密度の大きい粒子との混合性がよい、という知見を得、かかる知見に基づき本発明を完成させた。
上記課題を解決する本発明は以下の態様を有する。
[1]嵩密度が0.25〜0.40g/mLであり、円形度が0.65〜0.85である粒子の割合が70%以上である粉体Aと、嵩密度が前記粉体Aの嵩密度+0.3g/mL以上である粉体Bとを混合した混合粉体。
[2]前記粉体Aが、糖質を含有する[1]に記載の混合粉体。
[3]前記糖質が、乳糖、マンニトールおよび結晶セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である[2]に記載の混合粉体。
[4]前記粉体A中の前記糖質の含有量が50質量%以上である[2]または[3]に記載の混合粉体。
[5]前記粉体Bが、カフェイン類およびアスコルビン酸類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する[1]〜[4]のいずれか一項に記載の混合粉体。
[6]前記粉体Aおよび前記粉体Bの配合比(質量比)が、粉体A:粉体B=100:1〜100:85である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の混合粉体。
[7]嵩密度が0.25〜0.40g/mLであり、円形度が0.65〜0.85である粒子の割合が70%以上である粉体Aと、嵩密度が前記粉体Aの嵩密度+0.3g/mL以上である粉体Bとを乾式混合して混合粉体を得る工程を有する混合粉体の製造方法。
[8][1]〜[6]のいずれか一項に記載の混合粉体を含有する固形製剤。
[9]粒状剤、錠剤又はカプセル剤である[8]に記載の固形製剤。
本発明によれば、嵩密度が0.3g/mL以上異なる粉体が高い均一性で混合された混合粉体およびその製造方法、ならびに該混合粉体を用いた固形製剤を提供できる。
<混合粉体、混合粉体の製造方法>
本発明の混合粉体は、特定の粉体Aと粉体Bとを混合したものである。
また、本発明の混合粉体の製造方法は、特定の粉体Aと粉体Bとを乾式混合して混合粉体を得る工程を有する。
[粉体A]
本発明に使用される粉体Aは、嵩密度が0.25〜0.40g/mLであり、円形度が0.65〜0.85である粒子(以下、低円形度粒子ということがある。)の割合が70%以上である粉体である。
かかる粉体Aは、当該粉体Aと嵩密度が0.3g/mL以上異なる粉体Bとの混合性に優れる。そのため、混合粉体中に含まれる複数の粒子の分布の偏りが少なく、含まれる成分の含量均一性が高い。嵩密度および低円形度粒子の割合の少なくとも一方が上記範囲をはずれると、粉体Bとの混合性が悪くなり、含量均一性が低下する。
粉体Aの嵩密度は0.25〜0.40g/mLであり、0.3〜0.4g/mLが好ましく、0.3〜0.35g/mLがより好ましい。
また、粉体A中、低円形度粒子の割合(粉体Aを構成する粒子の総数に対する、低円形度粒子の数の割合)は、粉体Bとの混合性に優れることから、77%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。上限は特に限定されないが、製造性を考慮すると、85%以下が好ましく、82%以下がより好ましい。
ここで本明細書および特許請求の範囲において、「嵩密度」は、第十五改正日本薬局方通則の一般試験法に記載されている定容量法にて測定される値である。
「円形度」とは、レーザー法により、任意の質量の試料中に含まれる全粒子について、粒子の落下中における水平方向からの光源によって投影された影の面積Aおよび粒子周囲長Pを測定する。該面積Aから下記数式により計算された面積円相当径Sを求める。これらの値から、面積円相当径Sと粒子周囲長Pとの比S/Pとして求められる値が円形度である。粒子が円や球に近いほど、円形度は1に近づく。
このようにして測定した全粒子の数と、それらのうち、低円形度粒子である粒子の数とから、低円形度粒子の割合(%)が求められる。
上記測定は、Sympatec社製 QICPIC(動的画像法 粒度分布・粒子形状評価装置)を用いて実施できる。
Figure 2011073972
粉体Aの嵩密度は、粉体Aを構成する個々の粒子の円形度に影響され、たとえば低円形度粒子の割合が高いほど、嵩密度が低くなる傾向がある。また、低円形度粒子の割合が同じでも、低円形度粒子の円形度が低いほど、嵩密度が低くなる傾向がある。そのため、粉体Aの円形度を調節することで、粉体Aの嵩密度を調節できる。
低円形度粒子の割合や円形度は、粉体Aに配合する成分の種類や配合量、造粒条件等により調節できる。
たとえば糖質の配合量が多いほど、低円形度粒子の割合が高くなり、また、低円形度粒子の円形度が低くなる傾向がある。そのため、粉体Aは、糖質を含有することが好ましい。
糖質としては、たとえば、糖、糖アルコール、セルロース類等が挙げられ、これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
糖としては、乳糖、白糖、果糖、トレハロース等が挙げられる。
糖アルコールとしては、マンニトール、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。
セルロース類としては、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メチルセルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
上記の中でも、低円形度粒子を形成しやすいことから、乳糖、マンニトールおよび結晶セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。特に、これらの内の2種または3種を含むことが好ましく、3種全てを含むことが好ましい。
粉体A中の糖質の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、65質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。該含有量が50質量%以上であると、低円形度粒子の割合を容易に70%以上とすることができる。また、該含有量が多いほど、低円形度粒子の割合が高くなり、個々の粒子の円形度も低くなる。該含有量の上限は特に制限されないが、嵩密度0.25g/mL以上で実際に製造できる範囲や有効成分を配合すること等を考慮すると、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。
粉体Aは、上記嵩密度、円形度等の物性を損なわない範囲で、前記糖質以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、たとえば通常、造粒粒子の製造に用いられている製剤担体、生理活性成分等が挙げられる。
製剤担体として、具体的には、結合剤、賦形剤(ただし糖質を除く。)、崩壊剤、滑沢剤等が挙げられる。これらの成分は、それぞれ、いずれか1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
結合剤としては、たとえばゼラチン、ポリビニルピロリドン、部分α化デンプン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
粉体A中、結合剤の配合量は、造粒粒子(B)の総質量に対し、0.5〜20質量%が好ましく、1〜10質量%がより好ましい。
賦形剤としては、たとえばコーンスターチ、マクロゴール、バレイショデンプン、コムギデンプン、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
造粒粒子(B)中、賦形剤の配合量は、造粒粒子(B)の総質量に対し、1〜80質量%が好ましく、5〜60質量%がより好ましい。
崩壊剤としては、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等が挙げられる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸等が挙げられる。
生理活性成分としては、従来、医薬品組成物の有効成分として提案されている種々のものを配合することが可能である。例えば、クレマスチンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、メキタジン、塩酸ジフェニルピラリン、カルビノキサミンマレイン酸塩、ヨウ化イソプロパミド、ノスカピン、dl−メチルエフェドリン塩酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩、ブロムヘキシン塩酸塩、アンブロキソール塩酸塩、グアイフェネシン、グアヤコールスルホン酸カリウム、カフェイン類(カフェイン水和物、無水カフェイン等)、ビタミンB1、ビタミンB2、アスコルビン酸類(ビタミンCおよびその塩等)、ビタミンP、イブプロフェン、アセトアミノフェン、エテンザミド、イソプロピルアンチピリン、ナプロキセン、アスピリン、ロキソニン、トラネキサム酸等が挙げられる。
粉体Aを構成する粒子は、低円形度の粒子を得やすい等の理由から、造粒物であることが好ましい。特に、上記糖質、または糖質および生理活性成分を、結合剤を含む水性液を添加して造粒した造粒物が好ましい。このとき、糖質に、その他の任意成分、たとえば生理活性成分等を配合していてもよい。
造粒方法は、特に限定されず、公知の造粒方法が利用できる。具体的には、流動層造粒法、攪拌造粒法、押し出し造粒法、転動造粒法、捏和・破砕造粒等が挙げられる。これらの中でも、低円形度粒子を得やすいことから、流動層造粒法が好ましい。
前記造粒は、公知の造粒装置を用いて実施できる。流動層造粒装置として具体的には、マルチプレックス(製品名、株式会社パウレック製)、スパイラーフロー(製品名、フロイント産業株式会社製)等が挙げられる。
造粒を行う際の温度条件は、特に限定されず、使用する装置や配合する成分に応じて適宜設定すればよい。たとえば流動層造粒装置の場合、排気温度が25〜35℃であることが好ましく、30〜35℃であることが好ましい。
上記方法によって造粒された粒子は粒度分布を整えるために整粒することが好ましい。
整粒操作は粉砕工程と篩過工程を組合せて行うことが好ましい。粉砕装置としては分級スクリーンと回転ブレードを持った機種が好ましく、具体的にはフィッツミル(製品名、ホソカワミクロン(株)製)、ニュースピードミル(製品名、岡田精工(株)製)、コミニューター(製品名、不二パウダル(株)製)、フェザーミル(製品名、ホソカワミクロン(株)製)等が挙げられる。篩過装置として具体的にはジャイロシフター(製品名、(株)徳寿工作所製)、ローテックススクリーナー(製品名、(株)セイシン企業製)、ダルトン振動ふるい(製品名、(株)ダルトン製)等が挙げられる。
粉体Aの平均粒径は、100〜500μmが好ましく、150〜300μmがより好ましい。平均粒径が上記範囲内であると、その後の製造工程での混合均一性が向上する。
本明細書における「平均粒径」は、レーザー法により、20gの試料中に含まれる全粒子の平均粒子径を測定し、その測定結果から算出した体積平均粒子径D50(以下、単に平均粒径D50という。)である。
平均粒径の測定は、円形度の測定と同様、Sympatec社製 QICPIC(動的画像法 粒度分布・粒子形状評価装置)を用いて実施できる。
[粉体B]
粉体Bは、嵩密度が前記粉体Aの嵩密度+0.3g/mL以上の粉体である。
従来、嵩密度が0.3g/mL以上異なる粒子同士を均一に混合することは難しかったが、前記粉体Aを用いることで、このように嵩密度の差が大きい粒子同士を均一に混合できる。この効果は、粉体Aとの嵩密度の差が0.3g/mL以上であることにより発揮されるものであり、粉体Aとの嵩密度の差が0.3g/mL未満の場合、粉体Aと粉体Bとの混合性が悪く、混合粉体の含量均一性が悪くなる。該嵩密度の差の上限は、特に限定されない。通常、粉体Bを構成する成分の密度によって異なり、たとえば後述するアスコルビン酸粉末やカフェイン類粉末の場合、アスコルビン酸、カフェインの密度を考慮すると、嵩密度の差は、1.0g/mLが上限となる。
粉体Bの嵩密度は、粉体Aに対して0.3g/mL以上大きいという条件を満たす限りは特に限定されない。たとえば後述するカフェイン類粉末の場合、その嵩密度は、0.55〜0.9g/mLの範囲であることが好ましく、0.6〜0.75g/mLの範囲であることがより好ましい。アスコルビン酸類粉末の嵩密度は、0.6〜0.9g/mLの範囲であることが好ましい。ただし該嵩密度は、粉体Aに対して0.3g/mL以上大きいことが条件である。
粉体Bの嵩密度は、整粒操作を行うことにより調整できる。たとえば粒子径の大きいものを篩過により取り除くと、嵩密度が小さくなる。
粉体Bの嵩密度は、前記粉体Aの嵩密度と同様の方法で測定できる。
粉体Bとしては、生理活性成分を含有する粉体が好ましい。該粉体は、前記生理活性成分の粉末であってもよく、該粉末を他の成分とともに造粒した造粒粒子であってもよいが、生理活性成分の粉末が好ましい。
該生理活性成分としては前記粉体Aで挙げたものと同様のものが挙げられる。粉体Bに含まれる生理活性成分は1種であってもよく、2種以上であってもよい。
粉体Bとしては、特に、粉体Aとの混合性に優れることから、カフェイン類およびアスコルビン酸類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するものが好ましく、カフェイン類粉末(カフェイン類のみからなる粉体)、アスコルビン酸類粉末(アスコルビン酸類のみからなる粉体)が好ましい。
カフェイン類としては、カフェイン水和物、無水カフェイン等が挙げられる。
アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸およびその塩等が挙げられ、該塩としては、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらはいずれか1種を単独で用いてもよく、併用してもよい。
粉体Bの平均粒径は、200〜500μmが好ましく、250〜350μmがより好ましい。平均粒径が上記範囲内であると、その後の製造工程での混合均一性が向上する。
該平均粒径は、前記粉体Aの平均粒径D50と同様の方法で測定できる。
本発明の混合粉体中、粉体Aおよび粉体Bの配合比(質量比)は、粉体Aと粉体Bとの混合性に優れることから、粉体A:粉体B=100:1〜100:85であることが好ましく、100:10〜100:90がより好ましく、100:30〜100:70がさらに好ましい。該配合比が上記範囲内であると、粉体Aと粉体Bとが良好に混合される。
本発明の混合粉体は、上記粉体Aと粉体Bとを乾式混合することにより製造できる。
該混合は、ボーレミキサー、ダブルコーンミキサー、V型ミキサー、コンテナーブレンダー等の公知の混合機を用いて行うことができる。
上記本発明の混合粉体は、そのまま単独で、または必要に応じて成形することにより、固形製剤とすることができる。
本発明の混合粉体においては、粉体Aと粉体Bとが高い均一性で混合されたものである。そのため、該混合粉体を用いて得られる固形製剤は、有効成分等の含量のばらつきの小さいものとなる。
<固形製剤>
本発明の固形製剤は、前記本発明の混合粉体を含有するものである。
本発明の固形製剤は、前記混合粉体を所定の剤型とすることにより製造できる。このとき、必要に応じて、他の添加剤を配合してもよい。
該固形製剤の剤型は特に限定されないが、粒状剤、錠剤又はカプセル剤であることが好ましく、粒状剤又は錠剤であることがより好ましい。
粒状剤としては、顆粒剤、散剤、細粒剤が挙げられ、特に細粒剤が好ましい。
ここで、顆粒剤、散剤及び細粒剤は、それぞれ、第十五改正日本薬局方解説書に定義されたものである。粒度として、顆粒剤は、目開き1700μmの篩を全量通過し、1400μmの篩に残留するものは全量の5質量%以下であり、また目開き355μmの篩を通過するものは全量の15質量%以下である。散剤は、目開き850μmの篩を全量通過し、目開き500μmの篩に残留するものは全量の5質量%以下である。散剤の内、目開き75μmの篩を通過するものが全量の10質量%以下のものが、細粒剤と称することが出来る。
錠剤としては、単一の層からなる単層錠であってもよく、複数の層が積層された多層錠であってもよい。多層錠の場合、少なくとも1層が、本発明の混合粉体を含有していればよく、本発明の混合粉体を含まない層を有していてもよい。
錠剤の寸法は特に限定されず、有効成分の配合量及び用量等を考慮して適宜決定することができるが、錠剤の直径として5〜14mmφが好ましく、7〜12mmφがより好ましい。
製剤化は、本発明の混合粉体を用いる以外は従来公知の方法により実施できる。
たとえば錠剤の場合、該混合粉体を打錠することにより該固形製剤を調製できる。打錠は公知の打錠成型機、例えばLIBRA(製品名、株式会社菊水製作所製)、HP−AP−MS型(製品名、株式会社畑鐵工所製)等のロータリー式の打錠成型機等、を用いて実施できる。
カプセル剤の場合、本発明の混合粉体を、所定のカプセル内に充填することで、カプセル剤とすることができる。カプセルおよび充填方法としてはそれぞれ公知のカプセルおよび充填方法が利用できる。
本発明について、実施例を示してさらに具体的に説明する。ただし本発明はこれらの限定されるものではない。
以下の実施例、比較例において、平均粒径D50、円形度および嵩密度はそれぞれ以下の手順で測定した。
<平均粒径D50>
Sympatec社製QICPICを用いて、試料中の全粒子について、それぞれ、粒径を測定し、それらの平均(平均粒径D50)を求めた。
このときの測定条件は、画像取り込み頻度:25f/s、粒径の測定範囲:4mmで、使用したレンジはM7、分散器にはGRADIS/L(乾式・重力降下式分散ユニット)を用いた。
<円形度>
Sympatec社製QICPICを用いて、20gの試料中の全粒子について、それぞれ、前述した手順で円形度を求めた。
このときの測定条件は、画像取り込み頻度:25f/s、粒径の測定範囲:4mmで、使用したレンジはM7、分散器にはGRADIS/L(乾式・重力降下式分散ユニット)を用いた。
<嵩密度>
嵩密度は、第十五改正日本薬局方通則の一般試験法に記載されている定容量法にて測定した。すなわち、試料を、1000μmの篩に通した後、容量100mLのステンレス製容器にあふれるまで流下させた。その後、該容器の上部に堆積した過剰量の試料を、スライドガラスを用いて注意深くすり落とした。このとき容器内に残った試料の質量から、嵩密度[g/mL]を求めた。
<製造例1〜5:粉体Aの調製>
表1〜5にそれぞれ示す組成の5種の粉体A(A1〜A5)を下記手順で製造した。
表1〜5に示す各成分の粉体を、流動層造粒機MP−01((株)パウレック製)にとり、ヒドロキシプロピルセルロースを6質量%水溶液にして外割で3%噴霧し、定法により造粒し、粉体A1〜A5を得た。
造粒は、給気温度80℃、風量0.8m/分、噴霧液速度17.5mL/分で、造粒時の排気温度30〜34℃に保ちながら行った。
得られた粉体A1〜A5について、それぞれ、平均粒径D50および嵩密度を測定した。その結果を表6に記す。
また、粉体A1〜A5中の全粒子について、それぞれ、円形度を測定し、円形度が0.65〜0.85の粒子の割合(各造粒物中に含まれる粒子の総数に対する、円形度が0.65〜0.85の粒子の数の割合)(%)を求めた。その結果を表6に記す。
また、表6に、各造粒物中の糖質(乳糖、D−マンニトール、結晶セルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースの合計)の割合(質量%)を併記した。
Figure 2011073972
Figure 2011073972
Figure 2011073972
Figure 2011073972
Figure 2011073972
Figure 2011073972
<実施例1〜8、比較例1〜3>
前記粉体A1〜A5と、表7に示す粉体B(予め、所望の嵩密度になるよう篩の径を選定し、その篩を用いて篩っておいたアスコルビン酸カルシウム(以下、アスコルビン酸Caと記載する。)または/および無水カフェインとを、表7に示す配合比(質量比)で、V型混合機(徳寿工作所製)にて30分間混合して混合粉体を得た。その後、このV型混合機内の混合粉体を6箇所よりサンプリング(各々約1000mg)し、これをサンプリング粉体とした。
6点のサンプリング粉体について、それぞれ、アスコルビン酸Caまたは/およびカフェインの含量を、HPLCを用いて測定し、6点の測定値の相対標準偏差(以下、CVと略す、単位:%)にて含量均一性を評価した。一般にCVが3%以下であれば均一といえる。結果を表7に併記した。
表7に示すとおり、実施例1〜8の混合粉体は、いずれも、アスコルビン酸Caまたは/およびカフェインの含量のCVが3%以下であった。一方、比較例1〜3の混合粉体は、いずれも、アスコルビン酸Caまたは/およびカフェインの含量のCVが3%を超えていた。
上記CVの値から、下記評価基準にて混合性を評価した。その結果を表7に併記した。
混合性の評価基準:CVが1.5%未満であれば◎、1.5%以上2.5%未満であれば○、2.5%以上3.0%未満であれば△、3.0%以上であれば×。
Figure 2011073972
<実施例9〜16>
実施例1〜8で得た混合粉体を、それぞれ、ロータリー式打錠機LIBRA((株)菊水製作所社製)を用いて打錠し、錠剤(300〜350mg/錠)を得た。
得られた錠剤について、アスコルビン酸Caおよびカフェインの含量均一性を以下の手順で評価した。
混合粉体を打錠機で連続打錠中、連続サンプリングした錠剤20錠を乳鉢ですりつぶし均一化した後、そこから1錠相当分を精密に量り取り、これをサンプリング粉体とし、実施例1〜8と同様に、アスコルビン酸Caまたは/およびカフェインの含量を、HPLCを用いて測定した。
以上の操作を、連続打錠の経時6点(30分毎)について行い、その測定値の相対標準偏差(CV)を求めた。その結果を表8に示す。
表8に示すとおり、得られた錠剤は、いずれも、アスコルビン酸Caまたは/およびカフェインの含量のCVが3%以下であった。
Figure 2011073972
<実施例17〜18>
表9、10にそれぞれ示す組成の造粒物(A6、A7)を、製造例1〜5と同様の手順で製造し、平均粒径D50、嵩密度、円形度が0.65〜0.85の粒子の割合(%)を求めた。その結果を表9、10に併記する。
得られた粉体A6、A7をそれぞれ用い、実施例1〜8と同様の手順で混合粉体を製造し、混合性の評価をしたところいずれも結果は良好であった。
Figure 2011073972
Figure 2011073972
上記各製造例、実施例および比較例で使用した原料は表11に示すとおりである。
Figure 2011073972

Claims (9)

  1. 嵩密度が0.25〜0.40g/mLであり、円形度が0.65〜0.85である粒子の割合が70%以上である粉体Aと、嵩密度が前記粉体Aの嵩密度+0.3g/mL以上である粉体Bとを混合した混合粉体。
  2. 前記粉体Aが、糖質を含有する請求項1に記載の混合粉体。
  3. 前記糖質が、乳糖、マンニトールおよび結晶セルロースからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2に記載の混合粉体。
  4. 前記粉体A中の前記糖質の含有量が50質量%以上である請求項2または3に記載の混合粉体。
  5. 前記粉体Bが、カフェイン類およびアスコルビン酸類からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合粉体。
  6. 前記粉体Aおよび前記粉体Bの配合比(質量比)が、粉体A:粉体B=100:1〜100:85である請求項1〜5のいずれか一項に記載の混合粉体。
  7. 嵩密度が0.25〜0.40g/mLであり、円形度が0.65〜0.85である粒子の割合が70%以上である粉体Aと、嵩密度が前記粉体Aの嵩密度+0.3g/mL以上である粉体Bとを乾式混合して混合粉体を得る工程を有する混合粉体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合粉体を含有する固形製剤。
  9. 粒状剤、錠剤又はカプセル剤である請求項8に記載の固形製剤。
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