JP2011073157A - 板状ゴム製品の加硫成形方法および板状ゴム製品 - Google Patents

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義典 玉田
Shigehiko Amano
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Abstract

【課題】板状の未加硫ゴムの表面に不織布を貼り付けて加硫成形する際の不織布の貼り付け作業性を改善するとともに、加硫成形した後の板状ゴム製品において不織布の剥離を抑えられる板状ゴム製品の加硫成形方法および板状ゴム製品を提供する。
【解決手段】見かけの嵩密度が0.2g/cm〜3.0g/cmの不織布7を上カバーゴム1および下カバーゴム2の表面に貼り付けた未加硫のゴム成形体9を成形し、このゴム成形体9を加硫金型の上型11および下型12によって押圧しつつ加熱することにより、不織布7の繊維の隙間に未加硫ゴムを混入させるとともに未加硫ゴムを加硫し、これにより加硫成形された板状ゴム製品の表面に不織布7を埋設した状態にする。
【選択図】図3

Description

本発明は、板状ゴム製品の加硫成形方法および板状ゴム製品に関し、さらに詳しくは、未加硫の板状ゴムに対する不織布の貼り付け作業性を改善するとともに、加硫成形された板状ゴム製品において不織布の剥離を抑えることができる板状ゴム製品の加硫成形方法および板状ゴム製品に関するものである。
未加硫の板状ゴムを加硫金型を用いて加硫成形する場合、未加硫の板状ゴムの表面と加硫金型との間に残留したエアによって、加硫成形されたゴム製品の表面に局部的なゴムの欠損が生じる等の加硫故障が発生する。このような加硫故障を防止するために、未加硫の板状ゴムの表面に不織布を貼り付けて加硫を行なう方法が提案されている(特許文献1参照)。この提案の方法によれば、未加硫の板状ゴムの表面と加硫金型との間のエアは、不織布を通じて加硫金型の外部に排出されるので、加硫故障の防止には有効である。
また、未加硫の板状ゴムを積層して成形したゴム成形体を加硫成形する場合には、積層した未加硫の板状ゴムの間に滞留したエアによって、加硫成形されたゴム製品にはエア残りや膨れ等の加硫故障が発生する。そこで、積層する未加硫の板状ゴムの間に不織布を挟み、その不織布の端部をゴム成形体の側面に露出させた状態にして加硫成形することより、不織布を通じて未加硫の板状ゴム間のエアを加硫金型の外部に排出させることができる。
上記のように不織布を用いることにより、加硫故障を防止することはできるが、未加硫の板状ゴムのタックが小さい場合には、不織布が貼り付き難くなるので作業性が低下するという問題があった。さらに、加硫成形されたゴム製品においては、互いに別体の加硫ゴムと不織布とが当接面で加硫接着している状態になっているので、不織布の一部が加硫ゴムの表面から剥離すると、剥離した部分に連続して不織布が面状あるいは線状に剥離して広範囲の剥離が発生するという問題があった。
特開2003−48219号公報
本発明の目的は、板状の未加硫ゴムに不織布を貼り付けて加硫成形する際の不織布の貼り付け作業性を改善するとともに、加硫成形した後の板状ゴム製品において不織布の剥離を抑えることができる板状ゴム製品の加硫成形方法および板状ゴム製品を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の板状ゴム製品の加硫成形方法は、見かけの嵩密度が0.2g/cm〜3.0g/cmの不織布を表面に貼り付けた未加硫の板状ゴム成形体を成形し、この不織布を表面に露出させた状態で板状ゴム成形体を加硫金型によって押圧しつつ加熱することにより、不織布の繊維の隙間に未加硫ゴムを混入させるとともに未加硫ゴムを加硫し、これにより加硫成形された板状ゴム製品の表面に不織布を埋設した状態にすることを特徴とするものである。
本発明の別の板状ゴム製品の加硫成形方法は、見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cm、かつ、単位質量が10g/m〜20g/mの不織布を間に挟んだ未加硫の板状ゴム成形体を成形し、この不織布の端部を側面から露出させた状態で板状ゴム成形体を加硫金型によって押圧しつつ加熱することにより、不織布の繊維の隙間に未加硫ゴムを混入させるとともに未加硫ゴムを加硫し、加硫成形された板状ゴム製品の内部に不織布を埋設した状態にすることを特徴とするものである。
本発明の板状ゴム製品は、加硫成形された板状ゴム製品の表面に、不織布が、その繊維の隙間に加硫ゴムが混入した状態で埋設され、この埋設された不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cmあることを特徴とするものである。
本発明の別の板状ゴム製品は、加硫成形された板状ゴム製品の内部に、不織布が、その繊維の隙間に加硫ゴムが混入した状態で埋設されるとともに、その端部が板状ゴム製品の側面に露出し、この埋設された不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cm、かつ、単位質量が10g/m〜20g/mであることを特徴とするものである。
本発明の板状ゴム製品の加硫成形方法によれば、未加硫の板状ゴム成形体の表面に貼り付けて板状ゴム成形体の表面に露出した状態にする、或いは、未加硫の板状ゴム成形体の間に挟んで、板状ゴム成形体の側面からその端部を露出させた状態にする不織布の見かけの嵩密度が0.2g/cm〜3.0g/cmであり、従来使用されている不織布(10g/cm〜40g/cm程度)に比して、見かけの嵩密度が非常に小さいので、未加硫ゴムとの接着性が向上し、貼り付け作業を容易に行なうことができる。加硫金型によって加硫成形する際には、不織布を通じて不要なエアを加硫金型の外部に排出させることができるので、滞留するエアに起因する加硫故障を防止することができる。後者の加硫成形方法のように、不織布の単位質量を10g/m〜20g/mにすることにより、未加硫ゴムの間に挟まれても、エア抜き効果と接着性とを高いレベルで両立させることができる。
また、このように見かけの嵩密度が非常に小さい不織布を、未加硫ゴムに貼り付けて加硫成形すると、不織布の繊維の隙間に多量の未加硫ゴムが混入されつつ加硫されるので、加硫成形された板状ゴム製品においては、不織布は加硫ゴムと渾然一体のような状態で板状ゴム製品に埋設される。そのため、板状ゴム製品においては不織布の剥離が生じ難くなる。
上記の板状ゴム製品の加硫成形方法によれば、加硫成形された板状ゴム製品の表面に、不織布が、その繊維の隙間に加硫ゴムが混入した状態で埋設され、この埋設された不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cmある本発明の板状ゴム製品、或いは、加硫成形された板状ゴム製品の内部に、不織布が、その繊維の隙間に加硫ゴムが混入した状態で埋設されるとともに、その端部が板状ゴム製品の側面に露出し、この埋設された不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cm、かつ、単位質量が10g/m〜20g/mである本発明の板状ゴム製品を得ることができる。したがって、本発明の板状ゴム製品によれば、不織布の剥離が生じ難く、未加硫の板状ゴムに対する不織布の貼り付け作業性も改善される。
本発明のコンベヤベルトの実施形態を例示する断面図である。 図1のコンベヤベルトの表面に埋設された不織布を模式的に示す説明図である。 図1のコンベヤベルトを加硫成形する工程を例示する断面図である。 本発明のコンベヤベルトの別の実施形態を例示する断面図である。 図4のコンベヤベルトを加硫成形する工程を例示する断面図である。
以下、本発明を、板状ゴム製品がコンベヤベルトである場合を例にして、図に示した実施形態に基づいて説明する。尚、同じ構成部材については、加硫成形前と加硫成形後とで同じ符号を用いる。
図1に例示する本発明の板状ゴム製品の実施形態であるコンベヤベルト10は、スチールコードや繊維コード等の心体となるコード6が多数並列されて構成された心体層5を有している。この心体層5は、上下に中間ゴム3を介在させて上カバーゴム1および下カバーゴム2によって挟まれた構造になっている。心体層5の左右両側には耳ゴム4が配置され、これら耳ゴム4も上カバーゴム1および下カバーゴム2によって挟まれている。
上カバーゴム1および下カバーゴム2の表面には、不織布7が露出して埋設されている。図2に例示するように、不織布7の繊維8の隙間には加硫ゴム10aが混入していて、不織布7は加硫ゴム10aと渾然一体のような状態でコンベヤベルト10の表面に埋設されている。この不織布7の見かけの嵩密度は10g/cm〜20g/cmの範囲にある。この不織布7の厚さは、例えば、0.5mm〜6.0mm程度である。
このコンベヤベルト10は、以下の手順で製造される。
まず、未加硫ゴムで被覆された心体層5の上下に中間ゴム3を配置するとともに、左右に耳ゴム4を配置して、これらの上下を上カバーゴム1と下カバーゴム2とで挟んだ未加硫の板状ゴム成形体9を成形する。積層される上カバーゴム1、下カバーゴム2、中間ゴム3、耳ゴム4は未加硫の板状ゴムであり、ある程度のタックを有している。
次いで、上カバーゴム1および下カバーゴム2の表面に、不織布7を貼り付けて、図3に例示する未加硫の板状ゴム成形体9を完成させる。或いは、上カバーゴム1および下カバーゴム2の一方表面に、予め、不織布7を貼り付けておき、上カバーゴム1および下カバーゴム2の他方表面を、それぞれの中間ゴム3に貼り付けて未加硫の板状ゴム成形体9を完成させる。
この不織布7は、見かけの嵩密度が0.2g/cm〜3.0g/cmであり、従来使用されている不織布に比して、見かけの嵩密度が非常に小さいので、未加硫ゴムとの接着性が向上している。そのため、上カバーゴム1および下カバーゴム2のタックが小さい場合であっても、不織布7を強く押し付けることなく、容易かつ迅速に不織布7の貼り付け作業を行なうことができる。
次いで、不織布7を表面に露出させた状態で板状ゴム成形体9を、加硫金型の下型12の内部に設置した後、加硫金型の上型11を下方移動させて加硫金型によって押圧しつつ加熱する。これにより、加硫金型により押圧される不織布7の繊維8の隙間に、未加硫ゴムを混入させるとともに未加硫ゴムを加硫する。加硫成形されたコンベヤベルト10の表面では、図2に例示するように不織布7が埋設された状態になる。押圧されて加硫成形されることにより、コンベヤベルト10においては、不織布7の見かけの嵩密度は、10g/cm〜20g/cmになる。
加硫成形された後の不織布7の見かけの嵩密度は、加硫前の不織布7の単位質量を、加硫後にゴム中に埋設された不織布7の層厚で割った値である。
加硫金型によって板状ゴム成形体9を加硫成形する際には、上カバーゴム1と上型11との間、下カバーゴム2と下型12との間に、抱き込んだエアや発生するエア(ガス)があっても、不織布7を通じて排気孔13を経由して加硫金型の外部に排出される。したがって、上カバーゴム1および下カバーゴム2と、加硫金型との間に滞留する不要なエアに起因する加硫故障を防止することができる。
不織布7の繊維8の隙間に多量の未加硫ゴムが混入されつつ加硫されるので、加硫成形されたコンベヤベルト10においては、図2に例示するように、不織布7は加硫ゴム9aと渾然一体のような状態でコンベヤベルト10の表面に埋設される。これにより、不織布7の剥離が生じ難くなる。
上カバーゴム1および下カバーゴム2に貼り付ける前の不織布7の見かけの嵩密度が0.2g/cm未満であると、加硫成形時のエア抜き効果を得難くなり、3.0g/cm超であると、未加硫ゴムに付着し難くなる。したがって、不織布7の見かけの嵩密度を0.2g/cm以上3.0g/cm以下の範囲にすることによって、加硫成形時のエア抜き効果を確保しつつ、不織布7の貼り付け作業性を改善し、加硫成形した後の不織布7の剥離を防止することができる。
不織布7を構成する繊維8の材質としては、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等を用いることができる。
不織布7のピーク強度は2.0N/5cm以上10.0N/5cm以下であることが好ましい。ピーク強度がこの範囲であると、未加硫ゴムに貼り付ける際の布切れ防止と、加硫成形した後の面状或いは線状での不織布7の剥離を防止するには有効である。
不織布7を引張って未加硫ゴムに貼り付けて板状ゴム成形体を成形する際に、この不織布7を引張った方向の切断伸度は25%〜70%、引張荷重2N/5cm時の伸度は4.5%〜20.0%であることが好ましい。切断伸度および引張荷重2N/5cm時の伸度をこの範囲にすることで、一段と安定して成形することが可能になる。
例えば、コンベヤベルト10を製造する際には、コンベヤベルト10の長手方向に不織布7を引張るようにして未加硫の下カバーゴム2の一方表面、或いは上カバーゴム1の一方表面に貼り付ける。これにより、コンベヤベルト10においては、ベルト使用時に圧縮応力が作用する方向が、貼り付ける際に不織布7を引張った方向になるので、不織布7の耐挫屈性を向上させるにも有利になる。
図4に例示する別の実施形態のコンベヤベルト10は、耳ゴム4の周辺に不織布7が埋設されている。先の実施形態と異なるのは、不織布7が埋設されている位置と、不織布7の単位質量が規定されていることだけであり、その他の仕様は同じである。
不織布7の繊維8の隙間には、図2に例示するように加硫ゴム10aが混入していて、不織布7は加硫ゴム10aと渾然一体のような状態で、コンベヤベルト10の内部に埋設されるとともに、不織布7の端部がコンベヤベルト10の側面に露出している。この不織布7の見かけの嵩密度は10g/cm〜20g/cm、かつ、単位質量は10g/m〜20g/mの範囲にある。この不織布7の厚さは、例えば、0.5mm〜6.0mm程度である。
このコンベヤベルト10は、以下の手順で製造される。
まず、未加硫ゴムで被覆された心体層5の上下に中間ゴム3を配置するとともに、左右に耳ゴム4を配置して、これらの上下を上カバーゴム1と下カバーゴム2とで挟んだ未加硫の板状ゴム成形体9を成形する。この際に、見かけの嵩密度が0.2g/cm〜3.0g/cm、かつ、単位質量が10g/m〜20g/mの不織布7を、耳ゴム4の四面のうち三面を被覆するように貼り付けておく。このようにして、積層する未加硫ゴムの間に不織布7を挟んで、不織布7の端部を側面から露出させた状態にした板状ゴム成形体9を完成させる。
この不織布7は、見かけの嵩密度が非常に小さいので、未加硫ゴムとの接着性が向上している。そのため、不織布7と当接する耳ゴム4、上カバーゴム1、下カバーゴム2、中間ゴム3のタックが小さい場合であっても、不織布7を強く押し付けることなく、容易かつ迅速に不織布7の貼り付け作業を行なうことができる。
次いで、不織布7の端部を側面から露出させた状態で板状ゴム成形体9を、加硫金型の下型12の内部に設置した後、加硫金型の上型11を下方移動させて加硫金型によって押圧しつつ加熱する。これにより、加硫金型により上カバーゴム1および下カバーゴム2を介して押圧される不織布7の繊維8の隙間に、未加硫ゴムを混入させるとともに未加硫ゴムを加硫する。加硫成形されたコンベヤベルト10の内部では、図2に例示するように不織布7が埋設された状態になる。押圧されて加硫成形されることにより、コンベヤベルト10においては、不織布7の見かけの嵩密度は、10g/cm〜20g/cmになる。
加硫金型によって板状ゴム成形体9を加硫成形する際には、積層した上カバーゴム1、中間ゴム3、心体層5、中間ゴム3、下カバーゴム2のそれぞれの未加硫ゴムの層間に、抱き込んだエアや発生するエア(ガス)があっても、不織布7を通じて板状ゴム成形体9の外部に排出され、この排出されたエアは上型11と下型12との合わせ面等を経由して加硫金型の外部に排出される。したがって、積層する未加硫ゴムの層間に滞留する不要なエアに起因する加硫故障が生じ難くなる。
不織布7の繊維8の隙間に多量の未加硫ゴムが混入されつつ加硫されるので、加硫成形されたコンベヤベルト10においては、図2に例示するように、不織布7は加硫ゴム9aと渾然一体のような状態でコンベヤベルト10の内部に埋設される。これにより、不織布7の剥離が生じ難くなり、いわゆる層間剥離が抑制される。
また、この実施形態では、耳ゴム4に貼り付ける前の不織布7の単位質量を10g/m〜20g/mにすることにより、未加硫ゴムの間に挟まれても、エア抜き効果と接着性とを高いレベルで両立させることができる。
尚、この実施形態においても、上カバーゴム1および下カバーゴム2の表面に不織布7を貼り付けて未加硫のゴム成型体9を成形し、先の実施形態のようにコンベヤベルト10の表面に不織布7を埋設した状態にすることもできる。
図1と同じ構造のコンベヤベルト10の試験サンプルを、表1に示すように不織布仕様のみを変えて6種類(実施例1〜4、比較例1、2)作製した。それぞれの不織布の繊維の材質はポリエステルにして共通にした。これら6種類の試験サンプルについて、未加硫ゴムに対する貼り付け性、加硫故障の発生割合、摩耗試験後の表面状態、表面の黒色度を評価した。その結果を表1に示す。
[未加硫ゴムに対する貼り付け性]
それぞれの試験サンプルのゴム成形体を成形する際に、未加硫ゴムに対する不織布の貼り付け作業性を評価した。貼り付け作業が容易に行なえた場合を○で示し、不織布が貼り付け難かった場合を×で示した。
[加硫故障の発生割合]
それぞれの試験サンプルの不織布が埋設された表面について、残留エアに起因する局部的なゴムの欠損が、表面10mあたり何箇所発生したかを評価した。
[摩耗試験後の表面状態]
それぞれの試験サンプルに対して、ISO6945による摩耗試験を行ない、試験後の表面の状態を目視評価した。表面に埋設されている不織布が加硫ゴムとともに一体的に摩耗、欠損した場合を不織布の耐剥離性が良好であるとして○で示し、不織布が面状あるいは線状に剥離した場合を不織布の耐剥離性が劣るとして×で示した。
[表面の黒色度]
不織布が埋設された試験サンプルの表面を評価者が目視して、不織布が埋設されていない通常のコンベヤベルトの表面の黒色と比較評価した。その結果、通常のコンベヤベルトの表面の黒色と同等である場合を○で示し、違和感のある色になっている場合を×で示した。
表1の結果から、加硫成形前の不織布の見かけの嵩密度を0.2g/cm〜3.0g/cmにした実施例1〜4では、加硫成形後の不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cmの範囲になっている。この実施例1〜4では、未加硫ゴムとの貼り付け性に優れるとともに、加硫ゴム表面での加硫故障が防止される。また、加硫成形後の不織布と加硫ゴムとの接着性が良好であり、不織布の剥離が発生し難いことが分かる。尚、実施例1〜4の不織布の繊維の材質をナイロンやポリエステルに替えても、未加硫ゴムとの優れた貼り付け性が得られて加硫ゴム表面での加硫故障が防止でき、また、加硫後の不織布と加硫ゴムとの良好な接着が確保できる。
また、図4と同じ構造のコンベヤベルト10の試験サンプルを、表2に示すように布仕様のみを変えて7種類(実施例5〜7、比較例3〜6)作製した。それぞれの試験サンプルの繊維の材質はポリエステルにして共通にした。比較例3のみが編物であり、その他の試験サンプルは不織布である。これら7種類の試験サンプルについて、上記した未加硫ゴムに対する貼り付け性、加硫ゴムの層間での空隙発生割合および加硫ゴムの層間での接着状態を評価した。その結果を表2に示す。
[加硫ゴムの層間での空隙発生割合]
それぞれの試験サンプルを分解して、内部に埋設されている不織布を介して加硫接着している加硫ゴムどうしの層間について、残留エアに起因する空隙が、層間の表面積10mあたり何箇所発生したかを評価した。
[加硫ゴムの層間での接着状態]
それぞれの試験サンプルを分解して、内部に埋設されている不織布と加硫ゴムとの接着状態を評価した。不織布と加硫ゴムとが強固に接着して接着状態が良好な場合を○で示し、不織布と加硫ゴムとの間の接着力が弱い場合を×で示した。
表2の結果から、加硫成形前の不織布の見かけの嵩密度を0.2g/cm〜3.0g/cm、単位質量を10g/m〜20g/mにした実施例4〜7では、加硫成形後の不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cmの範囲になっている。この実施例4〜7では、不織布の未加硫ゴムに対する貼り付け性作業性に優れるとともに、加硫ゴムの層間での加硫故障が防止される。また、加硫成形後の不織布と加硫ゴムとの接着性が良好であり層間剥離が発生し難いことが分かる。尚、実施例5〜7の不織布の繊維の材質をナイロンやポリエステルに替えても、未加硫ゴムとの優れた貼り付け性が得られて加硫ゴム表面での加硫故障が防止でき、また、加硫後の不織布と加硫ゴムとの良好な接着が確保できる。
1 上カバーゴム
2 下カバーゴム
3 中間ゴム
4 耳ゴム
5 心体層
6 コード
7 不織布
8 繊維
9 ゴム成形体
10 コンベヤベルト(板状ゴム製品)
10a 加硫ゴム
11 上型(加硫金型)
12 下型(加硫金型)
13 排気孔

Claims (8)

  1. 見かけの嵩密度が0.2g/cm〜3.0g/cmの不織布を表面に貼り付けた未加硫の板状ゴム成形体を成形し、この不織布を表面に露出させた状態で板状ゴム成形体を加硫金型によって押圧しつつ加熱することにより、不織布の繊維の隙間に未加硫ゴムを混入させるとともに未加硫ゴムを加硫し、これにより加硫成形された板状ゴム製品の表面に不織布を埋設した状態にする板状ゴム製品の加硫成形方法。
  2. 見かけの嵩密度が0.2g/cm〜3.0g/cm、かつ、単位質量が10g/m〜20g/mの不織布を間に挟んだ未加硫の板状ゴム成形体を成形し、この不織布の端部を側面から露出させた状態で板状ゴム成形体を加硫金型によって押圧しつつ加熱することにより、不織布の繊維の隙間に未加硫ゴムを混入させるとともに未加硫ゴムを加硫し、加硫成形された板状ゴム製品の内部に不織布を埋設した状態にする板状ゴム製品の加硫成形方法。
  3. 前記不織布のピーク強度が2.0N/5cm〜10.0N/5cmである請求項1または2に記載の板状ゴム製品の加硫成形方法。
  4. 前記不織布を引張って未加硫ゴムに貼り付けて板状ゴム成形体を成形する際に、この不織布を引張った方向の切断伸度が25%〜70%、引張荷重2N/5cm時の伸度が4.5%〜20.0%である請求項1〜3のいずれかに記載の板状ゴム製品の加硫成形方法。
  5. 前記板状ゴム製品がコンベヤベルトである請求項1〜4のいずれかに記載の板状ゴム製品の加硫成形方法。
  6. 加硫成形された板状ゴム製品の表面に、不織布が、その繊維の隙間に加硫ゴムが混入した状態で埋設され、この埋設された不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cmある板状ゴム製品。
  7. 加硫成形された板状ゴム製品の内部に、不織布が、その繊維の隙間に加硫ゴムが混入した状態で埋設されるとともに、その端部が板状ゴム製品の側面に露出し、この埋設された不織布の見かけの嵩密度が10g/cm〜20g/cm、かつ、単位質量が10g/m〜20g/mである板状ゴム製品。
  8. 前記板状ゴム製品がコンベヤベルトである請求項6または7に記載の板状ゴム製品。
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