JP2006327906A - 真空バッグ用ゴム引布 - Google Patents
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Abstract
【課題】深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスであっても、ゴム引布がガラスに密着し、不均一な接着やガラスの破損を生ずることがない真空バッグ用ゴム引布を提供する。
【解決手段】合わせガラス製造用の真空バッグ用ゴム引布において、基布がジャージであり、基布の片面にゴム層を有し、10%モジュラスが50N/cm以下であり、切断時伸びが50%以上であることを特徴とする真空バッグ用ゴム引布。
【選択図】図3
【解決手段】合わせガラス製造用の真空バッグ用ゴム引布において、基布がジャージであり、基布の片面にゴム層を有し、10%モジュラスが50N/cm以下であり、切断時伸びが50%以上であることを特徴とする真空バッグ用ゴム引布。
【選択図】図3
Description
本発明は、真空バッグ用ゴム引布に関する。さらに詳しくは、本発明は、深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスであっても、ゴム引布がガラスに密着し、不均一な接着やガラスの破損を生ずることがない真空バッグ用ゴム引布に関する。
合わせガラスは、2枚以上のガラスを軟質プラスチックの中間膜で接着し、万一破損してもガラス片が飛び散ることがなく、ひび割れした状態で原形を保つガラスであり、自動車用窓ガラス、鉄道車両窓ガラス、航空機風防ガラス、舷窓、水槽用ガラス、建築用窓ガラス、防犯ガラスなどとして用いられている。わが国では、1987年から衝突時の安全のために、自動車のフロントガラスに合わせガラスを装着することが義務づけられている。
合わせガラスの製造方式には、少なくとも2枚のガラスの間にポリビニルブチラールなどの中間膜を挟み、ゴム引布製の真空バッグの中に入れて吸引減圧し、ガラスと中間膜を密着させて加熱する真空バッグ方式と、少なくとも2枚のガラスの間に中間膜を挟み、ガラスと中間膜の間に存在する空気を脱気して予備接着し、次いで、オートクレーブ内で加圧加熱して本接着を行うオートクレーブ方式がある。オートクレーブ方式は、オートクレーブの設置のために多額の設備投資を必要とし、オートクレーブ内での本接着はバッチ工程になるために生産性も高くない。真空バッグ方式は、1枚の合わせガラスの製造はバッチ工程であるが、多数の真空バッグを用いて、真空バッグへのガラスと中間膜の積層物の封入、吸引減圧、加熱によるガラスの接着、冷却、合わせガラスの取り出しを工場内で循環して行うことにより、生産性を高めることができる。真空バッグの材料としては、平織りのポリエステル織布の両面にゴム層を有するゴム引布などが用いられる。
図1は、真空バッグ方式の一例を示す平面図及びA−A線断面図である。真空バッグ1の中に、ガラス2、中間膜3及びガラス4の積層物が封入される。真空バッグを吸引脱気すると、真空バッグはガラスに密着し、ガラス、中間膜及びガラスの積層物は、大気圧により圧縮され、この状態で加熱することにより、中間膜が溶融して2枚のガラスが接着される。
近年にいたり、自動車のデザインの多様性の追及、歩行者の安全に対する配慮などから、深曲げ形状に立体構造化したフロントガラスが増えてきた。このような深曲げ形状の合わせガラスを真空バッグ方式で製造すると、ガラスが破損する場合が生じた。図2は、真空バッグ方式の他の例を示す平面図及びB−B線断面図である。真空バッグ1の中に、ガラス2、中間膜3及びガラス4の積層物を封入して吸引脱気すると、真空バッグは内側のガラス4に完全に密着せず、圧着ムラが生じて接着が不均一になり、深曲げ形状のガラスの両端に内側に引っ張る力がはたらいてガラスが破損する場合がある。このために、深曲げ形状に立体構造化したフロントガラス用の合わせガラスを真空バッグ方式で製造することが困難となっていた。
合わせガラスの製造方式には、少なくとも2枚のガラスの間にポリビニルブチラールなどの中間膜を挟み、ゴム引布製の真空バッグの中に入れて吸引減圧し、ガラスと中間膜を密着させて加熱する真空バッグ方式と、少なくとも2枚のガラスの間に中間膜を挟み、ガラスと中間膜の間に存在する空気を脱気して予備接着し、次いで、オートクレーブ内で加圧加熱して本接着を行うオートクレーブ方式がある。オートクレーブ方式は、オートクレーブの設置のために多額の設備投資を必要とし、オートクレーブ内での本接着はバッチ工程になるために生産性も高くない。真空バッグ方式は、1枚の合わせガラスの製造はバッチ工程であるが、多数の真空バッグを用いて、真空バッグへのガラスと中間膜の積層物の封入、吸引減圧、加熱によるガラスの接着、冷却、合わせガラスの取り出しを工場内で循環して行うことにより、生産性を高めることができる。真空バッグの材料としては、平織りのポリエステル織布の両面にゴム層を有するゴム引布などが用いられる。
図1は、真空バッグ方式の一例を示す平面図及びA−A線断面図である。真空バッグ1の中に、ガラス2、中間膜3及びガラス4の積層物が封入される。真空バッグを吸引脱気すると、真空バッグはガラスに密着し、ガラス、中間膜及びガラスの積層物は、大気圧により圧縮され、この状態で加熱することにより、中間膜が溶融して2枚のガラスが接着される。
近年にいたり、自動車のデザインの多様性の追及、歩行者の安全に対する配慮などから、深曲げ形状に立体構造化したフロントガラスが増えてきた。このような深曲げ形状の合わせガラスを真空バッグ方式で製造すると、ガラスが破損する場合が生じた。図2は、真空バッグ方式の他の例を示す平面図及びB−B線断面図である。真空バッグ1の中に、ガラス2、中間膜3及びガラス4の積層物を封入して吸引脱気すると、真空バッグは内側のガラス4に完全に密着せず、圧着ムラが生じて接着が不均一になり、深曲げ形状のガラスの両端に内側に引っ張る力がはたらいてガラスが破損する場合がある。このために、深曲げ形状に立体構造化したフロントガラス用の合わせガラスを真空バッグ方式で製造することが困難となっていた。
本発明は、深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスであっても、ゴム引布がガラスに密着し、不均一な接着やガラスの破損を生ずることがない真空バッグ用ゴム引布を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ゴム引布の基布をジャージとし、基布の片面にゴム層を設けることにより、モジュラスが小さく、切断時伸びが大きいゴム引布が得られ、このようなゴム引布から作製した真空バッグを用いることにより、深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスであっても、ガラスに破損を生ずることがなく、ガラスを均一に接着して、良好な合わせガラスを製造し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)合わせガラス製造用の真空バッグ用ゴム引布において、基布がジャージであり、基布の片面にゴム層を有し、10%モジュラスが50N/cm以下であり、切断時伸びが50%以上であることを特徴とする真空バッグ用ゴム引布、
(2)ジャージが、ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みであり、ポリエステル側にゴム層を有する(1)記載の真空バッグ用ゴム引布、
(3)ジャージが、ポリアミドの編み物である(1)記載の真空バッグ用ゴム引布、及び、
(4)ゴムが、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムである(1)記載の真空バッグ用ゴム引布、
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)合わせガラス製造用の真空バッグ用ゴム引布において、基布がジャージであり、基布の片面にゴム層を有し、10%モジュラスが50N/cm以下であり、切断時伸びが50%以上であることを特徴とする真空バッグ用ゴム引布、
(2)ジャージが、ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みであり、ポリエステル側にゴム層を有する(1)記載の真空バッグ用ゴム引布、
(3)ジャージが、ポリアミドの編み物である(1)記載の真空バッグ用ゴム引布、及び、
(4)ゴムが、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムである(1)記載の真空バッグ用ゴム引布、
を提供するものである。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、モジュラスが小さく、切断時伸度が大きいので、複雑な形状のガラスであっても、吸引減圧により真空バッグがガラス面に密着し、深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスを真空バッグ方式により経済的に製造することができる。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、合わせガラス製造用の真空バッグ用ゴム引布において、基布がジャージであり、基布の片面にゴム層を有し、10%モジュラスが50N/cm以下であり、切断時伸びが50%以上であるゴム引布である。
本発明に用いるジャージの編み方に特に制限はなく、縦編み、丸編み、横編みのいずれをも用いることができる。本発明に用いる繊維素材に特に制限はなく、例えば、綿、亜麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリイミドなどの合成繊維などを挙げることができる。これらの中で、ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編み及びポリアミドの編み物を好適に用いることができる。
本発明に用いるゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどを挙げることができる。これらの中で、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムは、耐熱性と耐老化性が良好なので、特に好適に用いることができる。
本発明に用いるジャージの編み方に特に制限はなく、縦編み、丸編み、横編みのいずれをも用いることができる。本発明に用いる繊維素材に特に制限はなく、例えば、綿、亜麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、アセテートなどの半合成繊維、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリイミドなどの合成繊維などを挙げることができる。これらの中で、ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編み及びポリアミドの編み物を好適に用いることができる。
本発明に用いるゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムなどを挙げることができる。これらの中で、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムは、耐熱性と耐老化性が良好なので、特に好適に用いることができる。
図3は、本発明の真空バッグ用ゴム引布の一態様の模式的断面図である。本態様のゴム引布は、基布がポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みである。ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みは、ポリエステル原糸とポリテトラフルオロエチレン原糸を用い、一方の面には主としてポリエステルが露出し、他方の面には主としてポリテトラフルオロエチレンが露出している編み物である。図3に示す態様では、ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みのポリエステル5がエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム層6と接し、ポリテトラフルオロエチレン7が外方に向いて、真空バッグに加工されたとき、ガラスと接する面となる。重ね編みの中で、ポリエステルはゴム層と、良好な接着状態を形成する。ポリテトラフルオロエチレンは、合わせガラスの製造の際に、中間膜が洩れだして付着しても、簡単に清掃して除去することができる。ゴム層の外側には生地目8が付けられている。ゴム層の外側に生地目を付けることにより、真空バッグに加工する際のゴム層の接着強度を高めることができる。
図3に示すゴム引布を製造するためには、ポリエステルフィルムなどの上にゴム組成物をトッピングする。ジャージとゴム層との接着性を高めるために、ジャージのポリエステル面にイソシアネート系接着剤などの溶液を塗布する。ゴム層とジャージのポリエステル面を接して重ね合わせ、ゴム層をトッピングしたフィルムの外側に生地を重ね、ゴム層を加硫する。加硫する方法としては、熱風加硫、ロート加硫、丸缶加硫などを挙げることができる。これらの中で、加熱した主ロールとベルトの間で加圧加熱して連続プレス加硫するロート加硫を好適に用いることができる。ロート加硫により、ゴム層とポリエステル面は強固に接着し、ゴム層の背面には生地目が形成される。
図3に示すゴム引布を製造するためには、ポリエステルフィルムなどの上にゴム組成物をトッピングする。ジャージとゴム層との接着性を高めるために、ジャージのポリエステル面にイソシアネート系接着剤などの溶液を塗布する。ゴム層とジャージのポリエステル面を接して重ね合わせ、ゴム層をトッピングしたフィルムの外側に生地を重ね、ゴム層を加硫する。加硫する方法としては、熱風加硫、ロート加硫、丸缶加硫などを挙げることができる。これらの中で、加熱した主ロールとベルトの間で加圧加熱して連続プレス加硫するロート加硫を好適に用いることができる。ロート加硫により、ゴム層とポリエステル面は強固に接着し、ゴム層の背面には生地目が形成される。
図4は、本発明の真空バッグ用ゴム引布の他の態様の模式的断面図である。本態様のゴム引布は、基布がポリアミドの編み物である。ポリアミド9がエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム層6と接し、ポリアミドの外面にのり引きゴム層10が設けられ、真空バッグに加工されたとき、ガラスと接する面となる。ポリアミド繊維はモジュラスが小さいので、低モジュラスのゴム引布の基布として好適に用いることができる。ポリアミドの外面にのり引きゴム層を設けることにより、合わせガラスの製造の際に、中間膜が洩れだして付着しても、簡単に清掃して除去することができる。ゴム層の外側には生地目8が付けられている。ゴム層の外側に生地目を付けることにより、真空バッグに加工する際のゴム層の接着強度を高めることができる。
図4に示すゴム引布を製造するためには、ポリエステルフィルムなどの上にゴム組成物をトッピングする。ジャージとゴム層との接着性を高めるために、ジャージにイソシアネート系接着剤などの溶液を塗布する。ゴム層とジャージを重ね合わせ、ジャージにゴム溶液をコーティングし、ゴム層をトッピングしたフィルムの外側に生地を重ね、ゴム層を加硫する。加硫する方法としては、熱風加硫、ロート加硫、丸缶加硫などを挙げることができる。これらの中で、加熱した主ロールとベルトの間で加圧加熱して連続プレス加硫するロート加硫を好適に用いることができる。ロート加硫により、ゴム層とポリエステル面は強固に接着し、ゴム層の背面には生地目が形成される。
図4に示すゴム引布を製造するためには、ポリエステルフィルムなどの上にゴム組成物をトッピングする。ジャージとゴム層との接着性を高めるために、ジャージにイソシアネート系接着剤などの溶液を塗布する。ゴム層とジャージを重ね合わせ、ジャージにゴム溶液をコーティングし、ゴム層をトッピングしたフィルムの外側に生地を重ね、ゴム層を加硫する。加硫する方法としては、熱風加硫、ロート加硫、丸缶加硫などを挙げることができる。これらの中で、加熱した主ロールとベルトの間で加圧加熱して連続プレス加硫するロート加硫を好適に用いることができる。ロート加硫により、ゴム層とポリエステル面は強固に接着し、ゴム層の背面には生地目が形成される。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、10%モジュラスが50N/cm以下であり、より好ましくは25N/cm以下であり、さらに好ましくは10N/cm以下である。ゴム引布の10%モジュラスが50N/cmを超えると、合わせガラスの製造時に、真空バッグが深曲げ形状のガラス面に密着せず、ガラスが内側に引っ張られて破損を生ずるおそれがある。ゴム引布の10%モジュラスは、JIS K 6254に準じて、23±2℃で測定することができる。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、切断時伸びが50%以上であり、より好ましくは100%以上であり、さらに好ましくは130%以上である。ゴム引布の切断時伸びが50%未満であると、合わせガラスの製造時に、真空バッグが深曲げ形状のガラス面に密着せず、破断するおそれがある。ゴム引布の切断時伸びは、JIS K 6404−3 にしたがって23±2℃で測定することができる。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、引張切断荷重が30N/cm以上であることが好ましく、100N/cm以上であることがより好ましく、150N/cm以上であることがさらに好ましい。ゴム引布の引張切断荷重が30N/cm未満であると、合わせガラスの製造時に、真空バッグが破損するおそれがある。ゴム引布の引張切断荷重は、JIS K 6404−3 にしたがって23±2℃で測定することができる。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、切断時伸びが50%以上であり、より好ましくは100%以上であり、さらに好ましくは130%以上である。ゴム引布の切断時伸びが50%未満であると、合わせガラスの製造時に、真空バッグが深曲げ形状のガラス面に密着せず、破断するおそれがある。ゴム引布の切断時伸びは、JIS K 6404−3 にしたがって23±2℃で測定することができる。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、引張切断荷重が30N/cm以上であることが好ましく、100N/cm以上であることがより好ましく、150N/cm以上であることがさらに好ましい。ゴム引布の引張切断荷重が30N/cm未満であると、合わせガラスの製造時に、真空バッグが破損するおそれがある。ゴム引布の引張切断荷重は、JIS K 6404−3 にしたがって23±2℃で測定することができる。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、厚さが0.3〜2.0mmであることが好ましく、0.4〜1.6mmであることがより好ましく、0.5〜1.2mmであることがさらに好ましい。ゴム引布の厚さが0.3mm未満であると、ゴム引布の強度が不足するおそれがある。ゴム引布の厚さが2.0mmを超えると、熱伝導性が不足するおそれがある。
本発明のゴム引布を用いて製造する真空バッグの形状に特に制限はなく、例えば、三方がシールされ一方に開口部を有する平袋として、ガラス、中間膜及びガラスからなる積層物を開口部を閉じることにより封入することができ、連接する二方がシールされ他の二方が開口部である平袋として、二方を閉じることにより積層物を封入することもでき、あるいは、三方が開口部の真空バッグとして、バッグを開いて積層物を載置したのちバッグを折り重ね、三方を閉じることもできる。本発明の真空バッグ用ゴム引布は、良好な柔軟性を有するので、真空バッグの設計の自由度が大きく、三方が開口部の重ねタイプの真空バッグの設計も可能である。
本発明のゴム引布を用いて製造する真空バッグの形状に特に制限はなく、例えば、三方がシールされ一方に開口部を有する平袋として、ガラス、中間膜及びガラスからなる積層物を開口部を閉じることにより封入することができ、連接する二方がシールされ他の二方が開口部である平袋として、二方を閉じることにより積層物を封入することもでき、あるいは、三方が開口部の真空バッグとして、バッグを開いて積層物を載置したのちバッグを折り重ね、三方を閉じることもできる。本発明の真空バッグ用ゴム引布は、良好な柔軟性を有するので、真空バッグの設計の自由度が大きく、三方が開口部の重ねタイプの真空バッグの設計も可能である。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みからなるジャージを基布とし、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを用いて、真空バッグ用ゴム引布を製造した。
ジャージは、167dtexのポリエステル繊維と、440dtexのポリテトラフルオロエチレン繊維[東レ(株)、トヨフロン]の重ね編みであり、目付が800g/m2、引張強度が縦270N/cm、横220N/cm、伸度が縦210%、横160%であった。このジャージのポリエステル面に、イソシアネート系接着剤のトルエン溶液を塗布し、乾燥した。
ポリエステルフィルムの上に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム[住友化学工業(株)、エスプレンEPDM]組成物を厚さ0.7mmにトッピングし、ジャージのポリエステル面をゴム層と接して重ね合わせ、さらに、ポリエステルフィルム面に糸番手20番の綿平織物を重ね合わせて積層物とした。この積層物を連続プレス加硫設備を用いて180℃で加硫し、ゴム引布を得た。
得られたゴム引布は、厚さが0.8mmであり、5%モジュラスが縦13.1N/cm、横7.84N/cm、10%モジュラスが縦27.4N/cm、横14.4N/cm、20%モジュラスが縦41.8N/cm、横25.5N/cmであり、切断時伸びが縦90%、横90%であった。
このゴム引布を用いて真空バッグを作製し、フロントガラス用の合わせガラスを試作した。図5は、フロントガラス用の合わせガラスの寸法説明図である。ガラスの幅wは1,640mm、高さhは550mm、曲げ深さdは270mmであった。1枚のガラスの厚さは2.0mmであり、2枚のガラスの間に厚さ0.76mmのポリビニルブチラールフィルムを挟んだ。ガラス、ポリビニルブチラールフィルム、ガラスの積層物を真空バッグに入れ、吸引減圧し、130℃の加熱炉内に10分間静置したのち、加熱炉から取り出して放冷し、合わせガラスを取り出した。合わせガラス50枚を試作したが、ガラスの破損は1枚も生じなかった。
実施例1
ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みからなるジャージを基布とし、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを用いて、真空バッグ用ゴム引布を製造した。
ジャージは、167dtexのポリエステル繊維と、440dtexのポリテトラフルオロエチレン繊維[東レ(株)、トヨフロン]の重ね編みであり、目付が800g/m2、引張強度が縦270N/cm、横220N/cm、伸度が縦210%、横160%であった。このジャージのポリエステル面に、イソシアネート系接着剤のトルエン溶液を塗布し、乾燥した。
ポリエステルフィルムの上に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム[住友化学工業(株)、エスプレンEPDM]組成物を厚さ0.7mmにトッピングし、ジャージのポリエステル面をゴム層と接して重ね合わせ、さらに、ポリエステルフィルム面に糸番手20番の綿平織物を重ね合わせて積層物とした。この積層物を連続プレス加硫設備を用いて180℃で加硫し、ゴム引布を得た。
得られたゴム引布は、厚さが0.8mmであり、5%モジュラスが縦13.1N/cm、横7.84N/cm、10%モジュラスが縦27.4N/cm、横14.4N/cm、20%モジュラスが縦41.8N/cm、横25.5N/cmであり、切断時伸びが縦90%、横90%であった。
このゴム引布を用いて真空バッグを作製し、フロントガラス用の合わせガラスを試作した。図5は、フロントガラス用の合わせガラスの寸法説明図である。ガラスの幅wは1,640mm、高さhは550mm、曲げ深さdは270mmであった。1枚のガラスの厚さは2.0mmであり、2枚のガラスの間に厚さ0.76mmのポリビニルブチラールフィルムを挟んだ。ガラス、ポリビニルブチラールフィルム、ガラスの積層物を真空バッグに入れ、吸引減圧し、130℃の加熱炉内に10分間静置したのち、加熱炉から取り出して放冷し、合わせガラスを取り出した。合わせガラス50枚を試作したが、ガラスの破損は1枚も生じなかった。
実施例2
ナイロンジャージを基布とし、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを用いて、真空バッグ用ゴム引布を製造した。
ナイロンジャージは、78dtexのナイロン6繊維の編み物[昌広合繊工業(株)、#6300]であり、目付が100g/m2、引張強度が縦14.7N/cm、横11.7N/cm、伸度が縦150%、横250%であった。
ポリエステルフィルムの上に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム[住友化学工業(株)、エスプレンEPDM]組成物を厚さ0.7mmにトッピングし、ナイロンジャージをゴムと接して重ね合わせ、ナイロンジャージにゴム溶液をコーティングし、さらに、ポリエステルフィルム面に糸番手20番の綿平織物を重ね合わせて積層物とした。この積層物を連続プレス加硫設備を用いて180℃で加硫し、ゴム引布を得た。
得られたゴム引布は、厚さが0.8mmであり、5%モジュラスが縦2.0N/cm、横1.3N/cm、10%モジュラスが縦3.7N/cm、横2.6N/cm、20%モジュラスが縦6.6N/cm、横4.0N/cmであり、切断時伸びが縦150%、横300%であった。
このゴム引布を用いて真空バッグを作製し、実施例1と同様にしてフロントガラス用の合わせガラス50枚を試作した。ガラスの破損は、1枚も生じなかった。
ナイロンジャージを基布とし、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを用いて、真空バッグ用ゴム引布を製造した。
ナイロンジャージは、78dtexのナイロン6繊維の編み物[昌広合繊工業(株)、#6300]であり、目付が100g/m2、引張強度が縦14.7N/cm、横11.7N/cm、伸度が縦150%、横250%であった。
ポリエステルフィルムの上に、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム[住友化学工業(株)、エスプレンEPDM]組成物を厚さ0.7mmにトッピングし、ナイロンジャージをゴムと接して重ね合わせ、ナイロンジャージにゴム溶液をコーティングし、さらに、ポリエステルフィルム面に糸番手20番の綿平織物を重ね合わせて積層物とした。この積層物を連続プレス加硫設備を用いて180℃で加硫し、ゴム引布を得た。
得られたゴム引布は、厚さが0.8mmであり、5%モジュラスが縦2.0N/cm、横1.3N/cm、10%モジュラスが縦3.7N/cm、横2.6N/cm、20%モジュラスが縦6.6N/cm、横4.0N/cmであり、切断時伸びが縦150%、横300%であった。
このゴム引布を用いて真空バッグを作製し、実施例1と同様にしてフロントガラス用の合わせガラス50枚を試作した。ガラスの破損は、1枚も生じなかった。
比較例1
従来より用いているポリエステル平織物を基布とし、基布の両面にエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを積層したゴム引布から真空バッグを作製し、合わせガラスを試作した。
ポリエステル平織物は、目付が180g/m2、引張強度が縦520N/cm、横460N/cm、伸度が縦25%、横25%であった。
用いたゴム引布は、厚さが0.8mmであり、5%モジュラスが縦166N/cm、横84N/cm、10%モジュラスが縦250N/cm、横126N/cm、20%モジュラスが横306N/cmであり、切断時伸びが縦18%、横21%であった。
このゴム引布を用いて真空バッグを作製し、実施例1と同様にしてフロントガラス用の合わせガラス50枚を試作した。50枚中3枚に、ガラスの破損が生じた。
実施例1〜2及び比較例1の結果を、第1表に示す。
従来より用いているポリエステル平織物を基布とし、基布の両面にエチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムを積層したゴム引布から真空バッグを作製し、合わせガラスを試作した。
ポリエステル平織物は、目付が180g/m2、引張強度が縦520N/cm、横460N/cm、伸度が縦25%、横25%であった。
用いたゴム引布は、厚さが0.8mmであり、5%モジュラスが縦166N/cm、横84N/cm、10%モジュラスが縦250N/cm、横126N/cm、20%モジュラスが横306N/cmであり、切断時伸びが縦18%、横21%であった。
このゴム引布を用いて真空バッグを作製し、実施例1と同様にしてフロントガラス用の合わせガラス50枚を試作した。50枚中3枚に、ガラスの破損が生じた。
実施例1〜2及び比較例1の結果を、第1表に示す。
第1表に見られるように、基布としてポリエステル−ポリテトラフルオロエチレン重ね編みを用いた実施例1のゴム引布及びナイロンジャージを用いた実施例2のゴム引布は、モジュラスが小さく、切断時伸びが大きく、これらのゴム引布から作製した真空バッグを用いた合わせガラスの試作では、深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスであっても破損を生じていない。これに対して、基布としてポリエステル平織物を用いた比較例1のゴム引布は、モジュラスが大きく、切断時伸びが小さく、このゴム引布から作製した真空バッグを用いた深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスの試作では、破損が生じている。
本発明の真空バッグ用ゴム引布は、モジュラスが小さく、切断時伸度が大きいので、複雑な形状のガラスであっても、吸引減圧により真空バッグがガラス面に密着し、深曲げ形状に立体構造化した合わせガラスを真空バッグ方式により経済的に製造することができる。
1 真空バッグ
2 ガラス
3 中間膜
4 ガラス
5 ポリエステル
6 エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム層
7 ポリテトラフルオロエチレン
8 生地目
9 ポリアミド
10 のり引きゴム層
2 ガラス
3 中間膜
4 ガラス
5 ポリエステル
6 エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム層
7 ポリテトラフルオロエチレン
8 生地目
9 ポリアミド
10 のり引きゴム層
Claims (4)
- 合わせガラス製造用の真空バッグ用ゴム引布において、基布がジャージであり、基布の片面にゴム層を有し、10%モジュラスが50N/cm以下であり、切断時伸びが50%以上であることを特徴とする真空バッグ用ゴム引布。
- ジャージが、ポリエステルとポリテトラフルオロエチレンの重ね編みであり、ポリエステル側にゴム層を有する請求項1記載の真空バッグ用ゴム引布。
- ジャージが、ポリアミドの編み物である請求項1記載の真空バッグ用ゴム引布。
- ゴムが、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴムである請求項1記載の真空バッグ用ゴム引布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005156827A JP2006327906A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | 真空バッグ用ゴム引布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005156827A JP2006327906A (ja) | 2005-05-30 | 2005-05-30 | 真空バッグ用ゴム引布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006327906A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009067653A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-02 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 合わせガラス用の挟持具 |
KR20190089398A (ko) * | 2018-01-22 | 2019-07-31 | 주식회사 엘지화학 | 곡면 접합유리 제조용 진공백 및 이를 이용한 곡면 접합유리의 제조방법 |
-
2005
- 2005-05-30 JP JP2005156827A patent/JP2006327906A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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