JP2011071452A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い発光効率と低い駆動電圧を有し、かつ耐久性に優れた有機EL素子を提供する。
【解決手段】一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を挟持し、該発光層が下記一般式(1)で表される化合物を含有する有機電界発光素子。
一般式(C−1)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表す。

【選択図】なし

Description

本発明はフルカラ−ディスプレイ、バックライト、照明光源等の面光源やプリンタ−等の光源アレイ等に有効に利用できる有機電界発光素子(以下、有機EL素子と呼ぶ場合がある。)に関する。
有機EL素子は、発光層もしくは発光層を含む複数の有機化合物層と、有機化合物層を挟んだ対向電極とから構成されている。有機EL素子は、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔とが有機化合物層において再結合し、生成した励起子からの発光、及び前記励起子からエネルギー移動して生成した他の分子の励起子からの発光の少なくとも一方を利用した発光を得るための素子である。
これまで有機EL素子は、機能を分離した積層構造を用いることにより、輝度及び素子効率が大きく改善され発展してきた。例えば、正孔輸送層と発光兼電子輸送層を積層した二層積層型素子や正孔輸送層、発光層および電子輸送層とを積層した三層積層型素子や、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層および電子輸送層とを積層した四層積層型素子がよく用いられる。
しかしながら、有機EL素子の実用化には、発光効率を高めることおよび駆動耐久性を高めることなど未だ多くの課題が残されている。特に発光効率を高めることは、電力消費が低減でき、さらに駆動耐久性の点でも有利となるので、これまで多くの改良手段が開示されている。しかしながら、一般に発光効率の高い発光材料は駆動中に輝度劣化を起こす欠点を有し、また、駆動耐久性に優れた材料は輝度が低い欠点を有し、発光効率を高めることと駆動耐久性を高めることを両立させることは容易ではなく、さらに改良が探索されている。
本発明の目的は、高い発光効率と低い駆動電圧を有し、かつ耐久性に優れた有機EL素子を提供することにある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、下記の手段により達成されるものである。
<1> 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を挟持し、該発光層が下記一般式(C−1)で表される化合物を含有する有機電界発光素子。
一般式(C−1)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表す。
<2> 前記一般式(C−1)で表される化合物が、下記一般式(C−2)で表される化合物である<1>に記載の有機電界発光素子。
一般式(C−2)中、L21は単結合または二価の連結基を表す。A21およびA22はそれぞれ独立にCまたはNを表す。Z21およびZ22はそれぞれ独立に窒素原子と共に含窒素芳香族ヘテロ環を形成する。Z23およびZ24はそれぞれ独立にA21およびA22と共にベンゼン環または芳香族ヘテロ環を形成する。
<3> 前記一般式(C−2)で表される化合物が、下記一般式(C−3)で表される化合物である<2>に記載の有機電界発光素子。
一般式(C−3)中、A301〜A313は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L31は単結合または二価の連結基を表す。
<4> 前記一般式(C−2)で表される化合物が、下記一般式(C−4A)で表される化合物である<2>に記載の有機電界発光素子。
一般式(C−4A)中、A401〜A414はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L41は単結合または二価の連結基を表す。
<5> 前記一般式(C−4A)で表される化合物が、下記一般式(C−4B)で表される化合物である<4>に記載の有機電界発光素子。
一般式(C−4B)中、A408、A412はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。RC1〜RC16は水素原子または置換基を表す。
<6> 前記一般式(C−2)で表される化合物が、下記一般式(C−5)で表される化合物である<2>に記載の有機電界発光素子。
一般式(C−5)中、A501〜A512は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L51は単結合または二価の連結基を表す。
<7> 前記有機化合物層が、下記一般式(I)で示されるアミン化合物を含む<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
一般式(I)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。R11およびR12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換あるいは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換あるいは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換あるいは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換あるいは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換あるいは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基,総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n1は1〜3の整数を示す。
<8> 前記有機化合物層が、下記一般式(II)で示されるアミン化合物を含む<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
一般式(II)中、Arは、複数存在するときは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の単環式または縮合環式の芳香族炭化水素基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。複数存在するR13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数20以下の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基,総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n2は、1または2を示す。
<9> 前記有機化合物層が、下記一般式(IV)で示されるアミン化合物を含む<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
一般式(IV)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、炭素数6〜30の置換あるいは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のチエニル基を示す。Ar〜Arのうち、少なくとも一つは置換もしくは無置換のチエニル基を示す。R15〜R20はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基を示す。R19とR20とは環状構造を形成してもよい。
<10> 前記有機化合物層が、下記一般式(VI)で示されるアミン化合物を含む<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
一般式(VI)中、Ar10〜Ar15は、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。R21〜R26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n3は1、2または3を示す。
<11> 前記有機化合物層が、下記一般式(VII)で示されるアミン化合物を含む<1>〜<6>のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。
一般式(VII)中、R31〜R40は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のヘテロシクロアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアラルキル基、または炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。YおよびYは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、Ar16およびAr17は、それぞれ独立して、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、または炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。
本発明によれば、高い発光効率と低い駆動電圧を有し、かつ耐久性に優れた有機EL素子が提供される。
以下、本発明の有機電界発光素子について詳細に説明する。
本発明の有機電界発光素子は、一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を挟持し、該発光層が下記一般式(C−1)で表される化合物を含有することを特徴とする。
一般式(C−1)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表す。
本発明において発光層は、一般式(C−1)で表される化合物を1種以上を含めばよく、2種以上を含んでもよい。
発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明または半透明であることが好ましい。
本発明における有機化合物層は、単層または積層のいずれであってもよい。積層の場合の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
1.一般式(C−1)で表される化合物の説明
次に本発明の有機電界発光素子に用いる一般式(C−1)で表される化合物について、詳細に説明する。
本発明において発光材料として用いられる化合物は、下記一般式(C−1)で表される化合物である。
一般式(C−1)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表す。
一般式(C−1)について説明する。
、Q、QおよびQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。この時、Q、Q、QおよびQとPtの結合は、共有結合、イオン結合、配位結合などいずれであっても良い。Q、Q、QおよびQ中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子が好ましく、Q、Q、QおよびQ中のPtに結合する原子の内、少なくとも一つが炭素原子であることが好ましく、二つが炭素原子であることがより好ましく、二つが炭素原子で、二つが窒素原子であることが特に好ましい。
炭素原子でPtに結合するQ、Q、QおよびQとしては、アニオン性の配位子でも中性の配位子でもよく、アニオン性の配位子としてはビニル配位子、芳香族炭化水素環配位子(例えばベンゼン配位子、ナフタレン配位子、アントラセン配位子、フェナントレン配位子など)、ヘテロ環配位子(例えばフラン配位子、チオフェン配位子、ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、チアゾール配位子、オキサゾール配位子、ピロール配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子および、それらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。中性の配位子としてはカルベン配位子が挙げられる。
窒素原子でPtに結合するQ、Q、QおよびQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としては含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピリジン配位子、ピラジン配位子、ピリミジン配位子、ピリダジン配位子、トリアジン配位子、イミダゾール配位子、ピラゾール配位子、トリアゾール配位子、オキサゾール配位子、チアゾール配位子およびそれらを含む縮環体(例えばキノリン配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))、アミン配位子、ニトリル配位子、イミン配位子が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アミノ配位子、イミノ配位子、含窒素芳香族ヘテロ環配位子(ピロール配位子、イミダゾール配位子、トリアゾール配位子およびそれらを含む縮環体(例えはインドール配位子、ベンゾイミダゾール配位子など))が挙げられる。
酸素原子でPtに結合するQ、Q、QおよびQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはエーテル配位子、ケトン配位子、エステル配位子、アミド配位子、含酸素ヘテロ環配位子(フラン配位子、オキサゾール配位子およびそれらを含む縮環体(ベンゾオキサゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子などが挙げられる。
硫黄原子でPtに結合するQ、Q、QおよびQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはチオエーテル配位子、チオケトン配位子、チオエステル配位子、チオアミド配位子、含硫黄ヘテロ環配位子(チオフェン配位子、チアゾール配位子およびそれらを含む縮環体(ベンゾチアゾール配位子など))が挙げられる。アニオン性の配位子としては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子などが挙げられる。
リン原子でPtに結合するQ、Q、QおよびQとしては、中性の配位子でもアニオン性の配位子でもよく、中性の配位子としてはホスフィン配位子、リン酸エステル配位子、亜リン酸エステル配位子、含リンヘテロ環配位子(ホスフィニン配位子など)が挙げられ、アニオン性の配位子としては、ホスフィノ配位子、ホスフィニル配位子、ホスホリル配位子などが挙げられる。
、Q、QおよびQで表される基は、置換基を有していてもよく、置換基としては後述する置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していてもよい(QとQが連結した場合、環状四座配位子のPt錯体になる)。
、Q、QおよびQで表される基として好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、より好ましくは、炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子、アリールオキシ配位子であり、さらに好ましくは炭素原子でPtに結合する芳香族炭化水素環配位子、炭素原子でPtに結合する芳香族ヘテロ環配位子、窒素原子でPtに結合する含窒素芳香族ヘテロ環配位子、アシルオキシ配位子である。
、LおよびLは、単結合または二価の連結基を表す。L、LおよびLで表される二価の連結基としては、アルキレン基(メチレン、エチレン、プロピレンなど)、アリーレン基(フェニレン、ナフタレンジイル)、ヘテロアリーレン基(ピリジンジイル、チオフェンジイルなど)、イミノ基(−NR−)(フェニルイミノ基など)、オキシ基(−O−)、チオ基(−S−)、ホスフィニデン基(−PR−)(フェニルホスフィニデン基など)、シリレン基(−SiRR’−)(ジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基など)、またはこれらを組み合わせたものが挙げられる。これらの連結基は、さらに置換基を有していてもよい。
錯体の安定性および発光量子収率の観点から、L、LおよびLとして好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、イミノ基、オキシ基、チオ基、シリレン基であり、より好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、イミノ基であり、さらに好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基であり、さらに好ましくは、単結合、メチレン基、フェニレン基であり、さらに好ましくは単結合、ジ置換のメチレン基であり、さらに好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジエチルメチレン基、ジイソブチルメチレン基、ジベンジルメチレン基、エチルメチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、イソブチルメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、メチルフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基、シクロペンタンジイル基、フルオレンジイル基、フルオロメチルメチレン基であり、特に好ましくは単結合、ジメチルメチレン基、ジフェニルメチレン基、シクロヘキサンジイル基である。
一般式(C−1)で表される白金錯体のなかでも、下記一般式(C−2)で表される白金錯体が好ましい態様である。
一般式(C−2)中、L21は単結合または二価の連結基を表す。A21およびA22はそれぞれ独立にCまたはNを表す。Z21およびZ22はそれぞれ独立に窒素原子と共に含窒素芳香族ヘテロ環を形成する。Z23およびZ24はそれぞれ独立にA21およびA22と共にベンゼン環または芳香族ヘテロ環を形成する。
一般式(C−2)について説明する。L21は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(C−2)におけるA21、およびA22はそれぞれ独立に炭素原子または窒素原子を表す。A21、およびA22の内、少なくとも一方は炭素原子であることが好ましく、A21、A22が共に炭素原子であることが、錯体の安定性の観点および錯体の発光量子収率の観点から好ましい。
一般式(C−2)におけるZ21、およびZ22は、それぞれ独立に含窒素芳香族ヘテロ環を表す。Z21、およびZ22で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御および発光量子収率の観点から、Z21、およびZ22で表される環として好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、より好ましくはピリジン環、イミダゾール環、ピラゾール環であり、さらに好ましくはピリジン環、ピラゾール環であり、特に好ましくはピリジン環である。
一般式(C−2)におけるZ21、およびZ22で表される含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては後述する置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては後述する置換基群Bが適用できる。炭素原子上の置換基として好ましくはアルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、短波長化させる場合には電子供与性基、フッ素原子、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、フッ素原子、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また長波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばシアノ基、ポリフルオロアルキル基などが選択される。N上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
一般式(C−2)におけるZ23、およびZ24は、それぞれ独立にベンゼン環または芳香族ヘテロ環を表す。Z23、およびZ24で表される含窒素芳香族ヘテロ環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。錯体の安定性、発光波長制御および発光量子収率の観点からZ23、およびZ24で表される環として好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チオフェン環であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピラゾール環であり、さらに好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。
一般式(C−2)におけるZ23、およびZ24で表されるベンゼン環、含窒素芳香族ヘテロ環は置換基を有していてもよく、炭素原子上の置換基としては後述する置換基群Aが、窒素原子上の置換基としては後述する置換基群Bが適用できる。炭素上の置換基として好ましくはアルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子である。置換基は発光波長や電位の制御のために適宜選択されるが、長波長化させる場合には電子供与性基、芳香環基が好ましく、例えばアルキル基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基、アリール基、芳香族ヘテロ環基などが選択される。また短波長化させる場合には電子求引性基が好ましく、例えばフッ素基、シアノ基、ポリフルオロアルキル基などが選択される。N上の置換基として好ましくは、アルキル基、アリール基、芳香族ヘテロ環基であり、錯体の安定性の観点からアルキル基、アリール基が好ましい。前記置換基同士は連結して縮合環を形成していてもよく、形成される環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、チオフェン環、フラン環などが挙げられる。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、本発明の好ましい態様の一つは下記一般式(C−3)で表される白金錯体である。
一般式(C−3)中、A301〜A313は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L31は単結合または二価の連結基を表す。
一般式(C−3)について説明する。L31は一般式(C−2)におけるL21と同義であり、また好ましい範囲も同様である。A301〜A306は、それぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、後述する置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
301〜A306として好ましくはC−Rであり、R同士が互いに連結して環を形成していても良い。A301〜A306がC−Rである場合に、A302、およびA305のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、またはシアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはフッ素基であり、特に好ましくは水素原子、フッ素基である。A301、A303、A304、およびA306のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、またはシアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、またはフッ素基であり、特に好ましく水素原子である。A307、A308、A309およびA310は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、後述の置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
307、A308、A309およびA310がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、またはハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、またはフッ素原子、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、トリフルオロメチル基、またはフッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して縮環構造を形成してもよい。発光波長を短波長側にシフトさせる場合、A308がN原子であることが好ましい。
上記の如くA307〜A310を選択した場合、2つの炭素原子とA307、A308、A309およびA310から形成される6員環としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環が挙げられ、より好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環であり、特に好ましくはベンゼン環、ピリジン環である。前記6員環が、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環(特に好ましくはピリジン環)であることにより、ベンゼン環と比較して、金属−炭素結合を形成する位置に存在する水素原子の酸性度が向上する為、より金属錯体を形成しやすくなる点有利である。
311、A312およびA313は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rで表される置換基としては、後述の置換基群Aとして挙げたものが適用できる。A311、A312およびA313がC−Rである場合に、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、芳香族へテロ環基、ジアルキルアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルオキシ基、シアノ基、またはハロゲン原子であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、ジアルキルアミノ基、シアノ基、フッ素原子、更に好ましくは、水素原子、アルキル基、トリフルオロメチル基、フッ素原子である。また可能な場合は置換基同士が連結して、縮環構造を形成してもよい。A311、A312およびA313のうち少なくとも一つはNであることが好ましく、特にA311がNであることが好ましい。
置換基群Aを説明する。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレニエニル、テルリエニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。
置換基群Bを説明する。
(置換基群B)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、シアノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレニエニル、テルリエニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)
本発明において、上記アルキル基等の置換基の「炭素数」とは、アルキル基等の置換基が他の置換基によって置換されてもよい場合も含み、当該他の置換基の炭素数も包含する意味で用いる。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−4A)で表される白金錯体である。
一般式(C−4A)中、A401〜A414はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L41は単結合または二価の連結基を表す。
一般式(C−4A)について説明する。
401〜A414はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。A401〜A406およびL41は、前記一般式(C−3)におけるA301〜A306およびL31と同義であり、好ましい範囲も同様である。
407〜A414としては、A407〜A410とA411〜A414のそれぞれにおいて、N(窒素原子)の数は、0〜2が好ましく、0〜1がより好ましい。発光波長を短波長側にシフトさせる場合、A408、A412がN原子であることが好ましく、A408とA412が共にN原子であることがさらに好ましい。
407〜A414がC−Rを表す場合に、A408、A412のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、アルキル基、アリール基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましくは、水素原子、フェニル基、ポリフルオロアルキル基、シアノ基である。A407、A409、A411、A413のRとして好ましくは水素原子、アルキル基、ポリフルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、ポリフルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フェニル基、フッ素基である。A410、A414のRとして好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。A407〜A409、A411〜A413のいずれかがC−Rを表す場合に、R同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
一般式(C−4A)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−4B)で表される白金錯体である。
一般式(C−4B)中、A408、およびA412はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。RC1〜RC16は水素原子または置換基を表す。
一般式(C−4B)において、A408、およびA412は一般式(C−4A)におけるA408、およびA412とそれぞれ同義である。
一般式(C−4B)において、RC1〜RC16は水素原子または置換基を表す。RC1〜RC6として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基であり、特に好ましく水素原子である。RC7、RC9、RC11、RC13として好ましくは水素原子、アルキル基、フルオロアルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、フッ素基、シアノ基であり、より好ましくは水素原子、フルオロアルキル基、フッ素基、シアノ基であり、特に好ましく水素原子、フッ素基である。RC10、RC14として好ましくは水素原子、フッ素基であり、より好ましくは水素原子である。RC15、RC16として好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フルオロメチル基、フッ素基、イソブチル基、ベンジル基、フェニル基、RC15とRC16が連結してシクロヘキサン環を形成する基、RC15とRC16が連結してシクロペンタン環を形成する基、RC15とRC16が連結してフルオレン環を形成する基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基、ベンジル基、フェニル基、RC15とRC16が連結してシクロヘキサン環を形成する基、RC15とRC16が連結してシクロペンタン環を形成する基、RC15とRC16が連結してフルオレン環を形成する基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、RC15とRC16が連結してシクロヘキサン環を形成する基であり、特に好ましくはメチル基、フェニル基である。
一般式(C−2)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−5)で表される白金錯体である。
一般式(C−5)中、A501〜A512は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L51は単結合または二価の連結基を表す。
一般式(C−5)について説明する。A501〜A506およびL51は、前記一般式(C−3)におけるA301〜A306およびL31とそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同様である。
507、A508およびA509とA510、A511およびA512は、それぞれ独立に、一般式(C−3)におけるA311、A312およびA313と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(C−1)で表される白金錯体のうち、より好ましい別の態様は下記一般式(C−6)で表される化合物である。
一般式(C−6)中、L61は単結合または二価の連結基を表す。A61はそれぞれ独立にCまたはNを表す。Z61、Z62はそれぞれ独立に窒素原子とともに含窒素芳香族ヘテロ環を形成する。Z63はA61と共にベンゼン環または芳香族ヘテロ環を形成する。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。
一般式(C−6)について説明する。L61は、前記一般式(C−1)中のLと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
61はCまたはNを表す。錯体の安定性の観点および錯体の発光量子収率の観点からA61はCであることが好ましい。
61、Z62は、それぞれ前記一般式(C−2)におけるZ21、Z22と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Z63は、前記一般式(C−2)におけるZ23と同義であり、また好ましい範囲も同様である。
YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。非環状配位子とはPtに結合する原子が配位子の状態で環を形成していないものである。Y中のPtに結合する原子としては、炭素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、窒素原子、酸素原子がより好ましく、酸素原子が最も好ましい。
炭素原子でPtに結合するYとしてはビニル配位子が挙げられる。窒素原子でPtに結合するYとしてはアミノ配位子、イミノ配位子が挙げられる。酸素原子でPtに結合するYとしては、アルコキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、アシルオキシ配位子、シリルオキシ配位子、カルボキシル配位子、リン酸配位子、スルホン酸配位子などが挙げられる。硫黄原子でPtに結合するYとしては、アルキルメルカプト配位子、アリールメルカプト配位子、ヘテロアリールメルカプト配位子、チオカルボン酸配位子などが挙げられる。
Yで表される配位子は、置換基を有していてもよく、置換基としては前記置換基群Aとして挙げたものが適宜適用できる。また置換基同士が連結していても良い。
Yで表される配位子として好ましくは酸素原子でPtに結合する配位子であり、より好ましくはアシルオキシ配位子、アルキルオキシ配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ配位子、シリルオキシ配位子であり、さらに好ましくはアシルオキシ配位子である。
一般式(C−6)で表される白金錯体のうち、より好ましい態様の一つは下記一般式(C−7)で表される白金錯体である。
一般式(C−7)中、A701〜A710は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L71は単結合または二価の連結基を表す。YはPtに結合するアニオン性の非環状配位子である。
一般式(C−7)について説明する。L71は、前記一般式(C−6)中のL61と同義であり、また好ましい範囲も同様である。A701〜A710は一般式(C−3)におけるA301〜A310と同義であり、また好ましい範囲も同様である。Yは一般式(C−6)におけるそれと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式(C−1)で表される白金錯体として具体的には、特開2005−310733号公報の〔0143〕〜〔0152〕、〔0157〕〜〔0158〕、〔0162〕〜〔0168〕に記載の化合物、特開2006−256999号公報の〔0065〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006-93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−73891号公報の〔0063〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2007−324309号公報の〔0079〕〜〔0083〕に記載の化合物、特開2006−93542号公報の〔0065〕〜〔0090〕に記載の化合物、特開2007−96255号公報の〔0055〕〜〔0071〕に記載の化合物、特開2006−313796号公報の〔0043〕〜〔0046〕が挙げられ、その他以下に例示する白金錯体が挙げられる。
以下に、一般式(C−4A)および一般式(C−4B)に含まれる例示化合物を示す。
以上、一般式(C−4A)の例示化合物を示した。以下に一般式(C−3)の例示化合物を示す。
一般式(C−1)で表される白金錯体化合物は、例えば、Journal of Organic Chemistry 53,786,(1988)、G.R.Newkome et al.)の789頁、左段53行〜右段7行に記載の方法、790頁、左段18行〜38行に記載の方法、790頁、右段19行〜30行に記載の方法およびその組み合わせ、Chemische Berichte 113,2749(1980)、H.Lexy ほか)の、2752頁、26行〜35行に記載の方法等、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、またはその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、もしくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキシド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、もしくは、塩基非存在下、室温以下、もしくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。
発光層における一般式(C−1)で表される化合物の含有量は発光層の全構成成分に対して、1〜30質量%であることが好ましく、3〜25質量%であることがより好ましく、5〜20質量%であることがさらに好ましい。
2.発光層
発光層は、電界印加時に、陽極、正孔注入層、又は正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、電子注入層、又は電子輸送層から電子を受け取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明に於ける発光層は、前記一般式(C−1)で表される化合物を発光材料として用いる。また発光材料として他の燐光発光材料、蛍光発光材料を添加して用いることができる。本発明に於ける発光層は、さらにホスト材料を含有するのが好ましい。ホスト材料としては正孔輸送性ホスト材料、及び電子輸送性ホスト材料のいずれも用いることができる。
本発明に於ける発光層の厚みは、特に限定されるものではないが、通常、1nm〜500nmであり、好ましくは2nm〜200nm、より好ましくは3nm〜100nmである。
2−1.発光材料
発光材料としては、一般式(C−1)で表される化合物が用いられるが、他の蛍光発光材料及び燐光発光材料を併用してもよい。また、ホスト材料からのエネルギー移動を促進する目的で特開2007−290748号公報や特開2008−089843号公報に開示されている方法を用いることもできる。
(a)燐光発光材料
燐光発光材料としては、一般に、遷移金属原子又はランタノイド原子を含む金属錯体を挙げることができる。
遷移金属原子としては、好ましくは、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、及び白金が挙げられ、より好ましくは、レニウム、イリジウム、及び白金であり、更に好ましくはイリジウム、白金である。
ランタノイド原子としては、例えばランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、およびルテシウムが挙げられる。これらのランタノイド原子の中でも、ネオジム、ユーロピウム、及びガドリニウムが好ましい。
錯体の配位子としては、例えば、G.Wilkinson等著,Comprehensive Coordination Chemistry,Pergamon Press社1987年発行、H.Yersin著,「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社1987年発行、山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社1982年発行等に記載の配位子などが挙げられる。
具体的な配位子としては、好ましくは、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、芳香族炭素環配位子(例えば、シクロペンタジエニルアニオン、ベンゼンアニオン、またはナフチルアニオンなど)、含窒素ヘテロ環配位子(例えば、フェニルピリジン、ベンゾキノリン、キノリノール、ビピリジル、またはフェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)、カルボン酸配位子(例えば、酢酸配位子など)、アルコラト配位子(例えば、フェノラト配位子など)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、シアノ配位子であり、より好ましくは、含窒素ヘテロ環配位子である。
上記金属錯体は、化合物中に遷移金属原子を一つ有してもよいし、また、2つ以上有するいわゆる複核錯体であってもよい。異種の金属原子を同時に含有していてもよい。
これらの中でも、発光材料の具体例としては、例えば、US6303238B1号公報、US6097147号公報、WO00/57676号公報、WO00/70655号公報、WO01/08230号公報、WO01/39234A2号公報、WO01/41512A1号公報、WO02/02714A2号公報、WO02/15645A1号公報、WO02/44189A1号公報、特開2001−247859号公報、特開2002−302671号公報、特開2002−117978号公報、特開2002−225352号公報、特開2002−235076号公報、特開2003−133074号公報、特開2002−170684号公報、EP1211257号公報、特開2002−226495号公報、特開2002−234894号公報、特開2001−247859号公報、特開2001−298470号公報、特開2002−173674号公報、特開2002−203678号公報、特開2002−203679号公報、特開2004−357791号公報、特開2006−256999号公報等に記載の燐光発光化合物などが挙げられる。
〔一般式(PQ−1)で表される化合物〕
また、燐光発光材料としては、以下に示す一般式(PQ−1)で表わされる化合物を発光層に含むことも好ましい態様である。
また、発光層が複数存在する場合には、一般式(PQ−1)で表わされる化合物は、前記一般式(C−1)で表される化合物を含む発光層とは異なる発光層に含んでもよい。
発光層が複数存在するとは、複数の発光層が積層される場合、あるいは隣接して異なる発光層ユニットが存在する場合など多種の態様がある。
一般式(PQ−1)で表される化合物について説明する。
一般式PQ−1中、R〜R10は水素原子または置換基を表す。置換基同士は可能であれば互いに結合して環を形成しても良い。X−Yは二座のモノアニオン性配位子を表す。nは1〜3の整数を表す。
一般式PQ−1におけるR〜R10で表される置換基としては下記に示す置換基群Cを挙げることができる。
(置換基群C)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、
スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、
リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(芳香族ヘテロ環基も包含し、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子であり、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、キノリル、フリル、チエニル、セレニエニル、テルリエニル、ピペリジル、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、ピロリジノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基、シロリル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、ホスホリル基(例えばジフェニルホスホリル基、ジメチルホスホリル基などが挙げられる。)が挙げられる。
一般式PQ−1におけるR〜R10として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、シアノ基、ヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基、フルオロ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、シアノ基、シリル基、フルオロ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、ネオペンチル基、イソブチル基、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、トリル基であり、さらに好ましくは水素原子、メチル基、フェニル基である。置換基同士は可能であれば互いに結合して環を形成しても良い。
一般式PQ−1におけるnは2〜3であることが好ましく、2であることがより好ましい。
一般式PQ−1における(X−Y)は、二座のモノアニオン性配位子を示す。これらの配位子は、発光特性に直接寄与するのではなく、分子の発光特性を制御することができると考えられている。nは0、1または2でありうる。発光材料において使用される二座のモノアニオン性配位子を、当業界で公知であるものから選択することができる。二座のモノアニオン性配位子は、例えばLamanskyらのPCT出願WO02/15645号パンフレットの89〜90頁に記載されている配位子が挙げられるが、本発明はこれに限定されない。好ましい二座のモノアニオン性配位子には、アセチルアセトネート(acac)およびピコリネート(pic)、およびこれらの誘導体が含まれる。本発明においては錯体の安定性、高い発光量子収率の観点から二座のモノアニオン性配位子はアセチルアセトネートであることが好ましい。
前記一般式PQ−1で表される化合物は、下記一般式PQ−2で表される化合物であることが好ましい。
一般式PQ−2中、R〜R10は水素原子または置換基を表す。置換基同士は可能であれば互いに結合して環を形成しても良い。X−Yは二座のモノアニオン性配位子を表す。
一般式PQ−2におけるR〜R10及びX−Yは、一般式PQ−1におけるR〜R10及びX−Yと同義であり、また好ましい範囲も同様である。
一般式PQ−1で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、以下に限定されるものではない。
上記一般式PQ−1で表される化合物として例示した化合物は、例えば特許第3929632号公報に記載の方法などの種々の方法で合成できる。例えば、FR−2は、2-フェニルキノリンを出発原料として、特許第3929632号公報の18頁、2〜13行に記載の方法で合成することができる。また、FR−3は、2−(2−ナフチル)キノリンを出発原料として、特許第3929632号公報の18頁、14行〜19頁、8行に記載の方法で合成することができる。
発光層に、一般式(C−1)で表される化合物と共に、一般式PQ−1で表される化合物を使用する場合、一般式PQ−1で表される化合物の一般式(C−1)で表される化合物に対する比率は、質量換算で0.01%〜10%が好ましく、0.05%〜1%がより好ましい。
一般式PQ−1で表される化合物の発光層における含有量は発光層中0.1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることがさらに好ましい。
(b)蛍光発光材料
蛍光性の発光性ドーパントとしては、一般には、ベンゾオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、スチリルベンゼン、ポリフェニル、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタルイミド、クマリン、ピラン、ペリノン、オキサジアゾール、アルダジン、ピラリジン、シクロペンタジエン、ビススチリルアントラセン、キナクリドン、ピロロピリジン、チアジアゾロピリジン、シクロペンタジエン、スチリルアミン、芳香族ジメチリディン化合物、縮合多環芳香族化合物(アントラセン、フェナントロリン、ピレン、ペリレン、ルブレン、又はペンタセンなど)、8−キノリノールの金属錯体、ピロメテン錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン、およびこれらの誘導体などを挙げることができる。
2−2、電子輸送性ホスト材料
本発明に用いられる電子輸送性ホスト材料としては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが2.5eV以上3.5eV以下であることが好ましく、2.6eV以上3.4eV以下であることがより好ましく、2.8eV以上3.3eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.7eV以上7.5eV以下であることが好ましく、5.8eV以上7.0eV以下であることがより好ましく、5.9eV以上6.5eV以下であることが更に好ましい。
好ましい最低三重項励起準位(以下T1とする)は好ましくは2.2eV以上3.7eV以下であり、更に好ましくは2.4eV以上3.7eV以下であり、最も好ましくは2.4eV以上3.4eV以下である。
このような電子輸送性ホストとしては、具体的には、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、およびそれらの誘導体(他の環と縮合環を形成してもよい)、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体等を挙げることができる。
電子輸送性ホストとして好ましくは、金属錯体、アゾール誘導体(ベンズイミダゾール誘導体、イミダゾピリジン誘導体等)、アジン誘導体(ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体等)であり、中でも、本発明においては耐久性の点から金属錯体化合物が好ましい。金属錯体化合物は金属に配位する少なくとも1つの窒素原子または酸素原子または硫黄原子を有する配位子をもつ金属錯体がより好ましい。
金属錯体中の金属イオンは特に限定されないが、好ましくはベリリウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、インジウムイオン、錫イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンであり、より好ましくはベリリウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、亜鉛イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンであり、更に好ましくはアルミニウムイオン、亜鉛イオン、白金イオン、またはパラジウムイオンである。
前記金属錯体中に含まれる配位子としては種々の公知の配位子が有るが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」、Springer−Verlag社、H.Yersin著、1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」、裳華房社、山本明夫著、1982年発行等に記載の配位子が挙げられる。
前記配位子として、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数3〜15であり、単座配位子であっても2座以上の配位子であっても良い。好ましくは2座以上6座以下の配位子である。また、2座以上6座以下の配位子と単座の混合配位子も好ましい。
配位子としては、例えばアジン配位子(例えば、ピリジン配位子、ビピリジル配位子、ターピリジン配位子などが挙げられる。)、ヒドロキシフェニルアゾール配位子(例えば、ヒドロキシフェニルベンズイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルベンズオキサゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾール配位子、ヒドロキシフェニルイミダゾピリジン配位子などが挙げられる。)、アルコキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、2,4,6−トリメチルフェニルオキシ、4−ビフェニルオキシなどが挙げられる。)、
ヘテロアリールオキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、およびキノリルオキシなどが挙げられる。)、アルキルチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、および2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、シロキシ配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数3〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えば、トリフェニルシロキシ基、トリエトキシシロキシ基、およびトリイソプロピルシロキシ基などが挙げられる。)、芳香族炭化水素アニオン配位子(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜25、特に好ましくは炭素数6〜20であり、例えばフェニルアニオン、ナフチルアニオン、およびアントラニルアニオンなどが挙げられる。)、芳香族ヘテロ環アニオン配位子(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数2〜25、特に好ましくは炭素数2〜20であり、例えばピロールアニオン、ピラゾールアニオン、ピラゾールアニオン、トリアゾールアニオン、オキサゾールアニオン、ベンゾオキサゾールアニオン、チアゾールアニオン、ベンゾチアゾールアニオン、チオフェンアニオン、およびベンゾチオフェンアニオンなどが挙げられる。)、インドレニンアニオン配位子などが挙げられ、好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、ヘテロアリールオキシ基、またはシロキシ配位子であり、更に好ましくは含窒素ヘテロ環配位子、アリールオキシ配位子、シロキシ配位子、芳香族炭化水素アニオン配位子、または芳香族ヘテロ環アニオン配位子である。
金属錯体電子輸送性ホスト材料の例としては、例えば特開2002−235076号公報、特開2004−214179号公報、特開2004−221062号公報、特開2004−221065号公報、特開2004−221068号公報、特開2004−327313号公報等に記載の化合物が挙げられる。
このような電子輸送性ホスト材料としては、具体的には、例えば、以下の材料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
2−3、正孔輸送性ホスト材料
本発明の発光層に用いられる正孔輸送性ホスト材料としては、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、イオン化ポテンシャルIpが5.1eV以上6.4eV以下であることが好ましく、5.4eV以上6.2eV以下であることがより好ましく、5.6eV以上6.0eV以下であることが更に好ましい。また、耐久性向上、駆動電圧低下の観点から、電子親和力Eaが1.2eV以上3.1eV以下であることが好ましく、1.4eV以上3.0eV以下であることがより好ましく、1.8eV以上2.8eV以下であることが更に好ましい。
好ましい最低三重項励起準位(以下T1とする)は好ましくは2.2eV以上3.7eV以下であり、更に好ましくは2.4eV以上3.7eV以下であり、最も好ましくは2.4eV以上3.4eV以下である。
このような正孔輸送性ホスト材料としては、具体的には、例えば、以下の材料を挙げることができる。
ピロール、インドール、カルバゾール、アザインドール、アザカルバゾール、ピラゾール、イミダゾール、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等が挙げられる。
中でも、インドール誘導体、カルバゾール誘導体、アザインドール誘導体、アザカルバゾール誘導体、芳香族第三級アミン化合物、チオフェン誘導体が好ましく、特に分子内にインドール骨格、カルバゾール骨格、アザインドール骨格、アザカルバゾール骨格、又は芳香族第三級アミン骨格を複数個有するものが好ましい。
また本発明においてはホスト材料の水素を一部またはすべて重水素に置換したホスト材料を用いることができる(例えば、特願2008−126130出願明細書、特表2004−515506号公報参照)。
本発明における発光層には、一般式(C−1)で表される化合物を必須成分とし、ホスト材料を含むことが好ましい。ホスト材料としては、正孔輸送性ホスト材料であっても、電子輸送性ホスト材料であってもよいが、正孔輸送性ホスト材料を用いることができる。
本発明においては、ホスト材料として、下記一般式(4−1)または(4−2)で表される化合物の少なくとも1つ以上を含むことが好ましい。
一般式(4−1)または(4−2)で表される化合物は発光層中に30〜100質量%含まれることが好ましく、40〜100質量%含まれることが好ましく、50〜100質量%含まれることが特に好ましい。また、一般式(4−1)または(4−2)で表される化合物を、複数の有機化合物層に用いる場合はそれぞれの層において、上記の範囲で含有することが好ましい。
一般式(4−1)または(4−2)で表される化合物は、いずれかの有機化合物層に、一種類のみを含有していてもよく、複数の一般式(4−1)または(4−2)で表される化合物を任意の割合で組み合わせて含有していてもよい。
(一般式(4−1)及び(4−2)中、d、eは0〜3の整数を表し、少なくとも一方は1以上である。fは1〜4の整数を表す。Rは置換基を表し、d、e、fが2以上である時Rは互いに異なっていても同じでも良い。また、Rの少なくとも1つは下記一般式(5)で表されるカルバゾール基を表す。)
一般式(5)中、Rはそれぞれ独立に置換基を表す。gは0〜8の整数を表す。
一般式(5)におけるRはそれぞれ独立に置換基を表し、具体的にはハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、または一般式(5)で表される置換基である。Rが一般式(5)を表さない場合、好ましくは炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下の置換または無置換のアリール基であり、さらに好ましくは炭素数6以下のアルキル基である。
一般式(5)におけるRはそれぞれ独立に置換基を表し、具体的にはハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基であり、好ましくは炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下の置換または無置換のアリール基であり、さらに好ましくは炭素数6以下のアルキル基である。
一般式(5)におけるgは0〜8の整数を表し、電荷輸送を担うカルバゾール骨格を遮蔽しすぎない観点から0〜4が好ましい。また、合成容易さの観点から、カルバゾールが置換基を有する場合、窒素原子に対し、対称になるように置換基を持つものが好ましい。
一般式(4−1)において、電荷輸送能を保持する観点で、dとeの和は2以上である事が好ましい。また、他方のベンゼン環に対しRがメタで置換することが好ましい。その理由として、オルト置換では隣り合う置換基の立体障害が大きいため結合が開裂しやすく、耐久性が低くなる。また、パラ置換では分子形状が剛直な棒状へと近づき、結晶化しやすくなるため高温条件での素子劣化が起こりやすくなる。具体的には以下の構造で表される化合物であることが好ましい。ここでR、およびgは、一般式(5)におけるR、gと同義である。
一般式(4−2)において、電荷輸送能を保持する観点で、fは2以上であることが好ましい。fが2または3の場合、同様の観点からRが互いにメタで置換することが好ましい。具体的には以下の構造で表される化合物であることが好ましい。ここでR、gは、一般式(5)におけるR、gとそれぞれ同義である。
一般式(4−1)及び(4−2)が水素原子を有する場合、水素の同位体(重水素原子等)も含む。この場合化合物中の全ての水素原子が水素同位体に置き換わっていてもよく、また一部が水素同位体を含む化合物である混合物でもよい。好ましくは一般式(5)におけるRが重水素によって置換されたものであり、特に好ましくは以下の構造が挙げられる。
更に置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
一般式(4−1)及び(4−2)で表される化合物は、種々の公知の合成法を組み合わせて合成することが可能である。 最も一般的には、カルバゾール化合物に関してはアリールヒドラジンとシクロヘキサン誘導体との縮合体のアザーコープ転位反応の後、脱水素芳香族化による合成(L.F.Tieze,Th.Eicher著、高野、小笠原訳、精密有機合成、339頁(南江堂刊))が挙げられる。また、得られたカルバゾール化合物とハロゲン化アリール化合物のパラジウム触媒を用いるカップリング反応に関してはテトラヘドロン・レターズ39巻617頁(1998年)、同39巻2367頁(1998年)及び同40巻6393頁(1999年)等に記載の方法が挙げられる。反応温度、反応時間については特に限定されることはなく、前記文献に記載の条件が適用できる。また、mCPなどのいくつかの化合物は市販されているものを好適に用いる事ができる。
本発明の一般式(4−1)及び(4−2)で表される化合物は、真空蒸着プロセスで薄層を形成することが好ましいが、溶液塗布などのウェットプロセスも好適に用いることが出来る。化合物の分子量は、蒸着適性や溶解性の観点から2000以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、800以下であることが特に好ましい。また蒸着適性の観点では、分子量が小さすぎると蒸気圧が小さくなり、気相から固相への変化がおきず、有機化合物層を形成することが困難となるので、250以上が好ましく、300以上が特に好ましい。
一般式(4−1)及び(4−2)は、以下に示す構造もしくはその水素原子が1つ以上重水素原子で置換された化合物であることが好ましい。ここでRは、一般式(5)におけるRと同義である。
以下に、本発明における一般式(4−1)及び(4−2)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また本発明の発光層において、発光材料とホスト材料の比率は質量比で50:50〜0.1:99.9であるが、好ましくは40:60〜1:99、更に好ましくは30:70〜3:97である。また本発明の発光層においては発光効率の向上、耐久性向上の目的で特願2007−196525号出願明細書、特願2007−196527号出願明細書、特願2007−196674号出願明細書、特願2007−196675号出願明細書、特願2007−196676号出願明細書に開示されている方法で、発光材料の濃度は順次もしくは段階的に変化させることができる。
本発明においては、より発光効率の向上、耐久性の向上の目的で、特開2005−233037号公報、特開2006−165526号公報、特願2007−32587号出願明細書、特開2008−198801号公報に開示されている方法で2種類上の以上のホール輸送性ホストや電子輸送性ホストを混合しても良い。また、本発明において、より発光効率の向上、耐久性の向上の目的で特開2005−294250号公報に開示されている方法でアダマンタン化合物等の炭化水素化合物を有効に添加することができる。
上記のアダマンタン化合物としては、下記一般式(a)で表される化合物を有機化合物層に使用してもよく、発光層に含むことが好ましい。
一般的に、積層型有機電子デバイスの有機薄膜界面での電荷(電子/正孔)注入において
は、隣接しているふたつの材料のイオン化ポテンシャル(Ip)同士や電子親和力(Ea)同士の差が小さい方が、電荷の注入障壁が小さくなり、有機電界発光素子の駆動電圧を低減できることが知られているが、材料のIpやEa以外にも、材料の分子間の相互作用等に由来するエネルギー準位が重要な役割を果たす。また、有機化合物層内の電荷の移動に関しても、材料分子間の相互作用を適切に制御することにより、電荷移動度を大きくし、素子の駆動電圧を下げることができる。一般式(a)で表される化合物を発光材料とともに適切に用いることにより、材料分子間の相互作用を制御できる可能性があり、結果的に、駆動電圧を低下させることが可能となる。
また、素子駆動時における材料分子間の相互作用状態(例えば、会合状態)の変化は、素子特性の変化を引き起こし、結果的に素子の輝度(すなわち、素子寿命)の低下の一因となりうるが、一般式(a)で表される化合物を用いることにより、予め、安定な相互作用状態を形成し、この問題を回避できる。本発明の有機電界発光素子において用いられる、一般式(a)で表される化合物は、化学的な安定性に優れ、素子駆動中における材料の分解等の変質が少なく、当該材料の分解物による、有機電界発光素子の効率低下や素子寿命の低下を防ぐことが出来る。
次に有機電界発光素子に用いる一般式(a)で表される化合物について、詳細に説明する。
一般式(a)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン基、パーフルオロアルキル基、シリル基を表し、該R1〜R4の少なくとも1つは、二重結合、あるいは三重結合を有する基である。X1〜X12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、
アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、エステル基、アミド基、ハロゲン基、パーフルオロアルキル基、シリル基を表す。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル(すなわち、2−ブチル)、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル(すなわち、1−(2−プロペニル))、1−(1−プロペニル)、2−プロペニル、1−(1−ブテニル)、1−(2−ブテニル)、1−(3−ブテニル)、1−(1,3−ブタジエニル)、2−(2−ブテニル)、1−(1−ペンテニル)、5−(シクロペンタジエニル)、1−(1−シクロヘキセニル)などが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアルキニル基としては、例えば、エチニル、プロパルギル(すなわち、1−(2−プロピニル))、1−(1−プロピニル)、1−ブタジイニル、1−(1,3−ペンタジイニル)などが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアリール基としては、例えば、フェニル、o−トリル(すなわち、1−(2−メチルフェニル))、m−トリル、p−トリル、1−(2,3−ジメチルフェニル)、1−(3,4−ジメチルフェニル)、2−(1,3−ジメチルフェニル)、1−(3,5−ジメチルフェニル)、1−(2,5−ジメチルフェニル)、p−クメニル、メシチル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラニル、2−アントラニル、9−アントラニル、および、4−ビフェニリル(すなわち、1−(4−フェニル)フェニル)、3−ビフェニリル、2−ビフェニリルなどのビフェニリル類、4−p−テルフェニリル(すなわち、1−4−(4−ビフェニリル)フェニル)、4−m−テルフェニリル(すなわち、1−4−(3−ビフェニリル)フェニル)などのテルフェニリル類などが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるヘテロアリール基としては、含まれるヘテロ原子としては、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などが挙げられ、具体的には、例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、トリアジニル、キノリル、イソキノリニル、ピロリル、インドリル、フリル、チエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニルなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、シクロプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、シクロヘキシロキシ、フェノキシなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアシル基としては、例えば、アセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアシロキシ基としては、例えば、アセトキシ
、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアミノ基としては、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ピロリジノ、ピペリジノ、モルフォリノなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるエステル基としては、例えば、メチルエステル(すなわち、メトキシカルボニル)、エチルエステル、イソプロピルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステルなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアミド基としては、例えば、アミドの炭素原子で連結した、N,N−ジメチルアミド(すなわち、ジメチルアミノカルボニル)、N−フェニルアミド、N,N−ジフェニルアミドや、アミドの窒素原子で連結した、N−メチルアセトアミド(すなわち、アセチルメチルアミノ)、N−フェニルアセトアミド、N−フェニルベンズアミドなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるハロゲンとしては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるパーフルオロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1−パーフルオロプロピル、2−パーフルオロプロピル、パーフルオロペンチルなどが挙げられる。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるシリル基としては、例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、トリフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリルなどが挙げられる。
上記の一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12は、更に他の置換基で置換されていてもよい。例えば、アルキル基にアリール基が置換したものとしては、ベンジル、9−フルオレニル、1−(2−フェニルエチル)、1−(4−フェニル)シクロヘキシルなどが挙げられ、アリール基にヘテロアリール基が置換されたものとしては、1−(4−Nーカルバゾリル)フェニル、1−(3,5−ジ(Nーカルバゾリル))フェニル、1−(4−(2−ピリジル)フェニル)などが挙げられる。
上記のR1〜R4として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アミノ基、エステル基、シリル基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アミノ基、シリル基であり、特に好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基である。
上記の一般式(a)におけるX1〜X12として好ましくは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アミノ基、エステル基、シリル基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基であり、特に好ましくは、水素原子である。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアルキル基としては好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシルであり、より好ましくは、メチル、エチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシルであり、特に好ましくは、メチル、エチルである。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表されるアリール基として好ましくは、フェニル、o−トリル、1−(3,4−ジメチルフェニル)、1−(3,5−ジメチルフェニル)、1−ナフチル、2−ナフチル、9−アントラニル、および、ビフェニルリル類、テルフェニリル類であり、より好ましくは、フェニル、ビフェニルリル類、テルフェニリル類であり、より好ましくは、フェニルである。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12で表される水素原子は、重水素原子であってもよく、重水素原子である方が好ましい。
一般式(a)で表される化合物に含まれる水素原子は、その一部、もしくは、すべてが重水素原子で置換されていても良い。
一般式(a)におけるR1〜R4の少なくとも1つは、二重結合、あるいは三重結合を有する基であるが、二重結合としては、例えば、C=C、C=O、C=S,C=N、N=N、S=O、P=Oなどが挙げられ、好ましくはC=C、C=O、C=N、S=O、P=Oであり、より好ましくはC=C、C=O、C=Nであり、特に好ましくはC=Cである。三重結合としては、C≡C、C≡Nが挙げられ、好ましくはC≡Cである。
一般式(a)におけるR1〜R4の二重結合あるいは三重結合を有する基としては、アリール基が好ましく、なかでも、下記で表されるフェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
一般式(a)におけるR1〜R4の少なくとも1つは、二重結合、あるいは三重結合を有する基であるが、R1〜R4で二重結合、あるいは三重結合を有するものの数は2−4が好ましく、3−4がより好ましく、4が特に好ましい。
一般式(a)におけるR1〜R4で二重結合、あるいは三重結合を有するものの数が1−3の場合、残りの単結合のみからなるR1〜R4は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シリル基が好ましく、水素原子、アルキル基、シリル基が好ましく、水素原子、アルキル基が特に好ましい。
一般式(a)におけるR1〜R4、および、X1〜X12は互いに連結して環構造を形成していても良い。たとえば、下記のように、X2、X3、X9が互いに連結して、ジアマンタン構造を形成していてもよく、さらに、X4、X5、X12が互いに連結して、トリアマンタン構造を形成していてもよい。これらのジアマンタン構造、トリアマンタン構造は、更に置換基で置換されていてもよい。
本発明に於いては、一般式(a)で表される化合物は、好ましくは複数混合して含有される。好ましくは、二重結合を有する基が互いに異なる化合物、もしくはその置換数が互いに異なる化合物を混合して用いることができる。例えば、二重結合を有する基として上記のフェニル基、ビフェニリル基、テルフェニリル基が挙げられ、それらの置換数が1〜4の化合物が挙げられる。例えば、これらの二重結合を有する基の置換数が1のモノ置換体と置換数が4のテトラ置換体を混合して用いることができる。
以下に本発明に用いられる一般式(a)で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明の化合物がこれらに限定されるものではない。
一般式(a)で表される化合物は、アダマンタン、もしくは、ハロゲン化アダマンタンと、ハロゲン化アルキルもしくは、アルキルマグネシウムハライド(グリニヤー試薬)を適当に組み合わせることによって合成できる。例えば、インジウムを用いて、ハロゲン化アダマンタンと、ハロゲン化アルキルをカップリングすることができる(Tetrahedron Lett.39,1998,9557-9558を参照)。また、ハロゲン化アルキルをアルキル銅試薬に変換し、芳香族化合物のグリニヤー試薬とカップリングすることもできる(Tetrahedron Lett.39,1998,2095-2096を参照)。また、ハロゲン化アルキルを、適当なアリールホウ酸とパラジウム触媒を用いてカップリングすることもできる(J.Am.Chem.Soc.124,2002,13662-13663を参照)。
アリール基を有するアダマンタン骨格は、アダマンタン、もしくは、ハロゲン化アダマンタンと、対応するアレーンやアリールハライドを適当に組み合わせることにより合成できる。
なお、上記に示した製造方法において、定義された置換基が、ある合成方法の条件下で変化するか、または該方法を実施するのに不適切な場合、官能基の保護、脱保護(例えば、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、グリーン(T.W.Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1981年)等)等の手段により容易に製造が可能である。また、必要に応じて適宜置換基導入等の反応工程の順序を変化させることも可能である。
一般式(a)で表される化合物の分子量は、有機電界発光素子を真空蒸着プロセスや溶液塗布プロセスを用いて作成するので、蒸着適性や溶解性の観点から、2000以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、1000以下であることが特に好ましい。また、蒸着適性の観点では、分子量が小さすぎると蒸気圧が小さくなり、気相から固相への変化がおきず、有機化合物層を形成することが困難となるので、250以上が好ましく、350以上がより好ましく、400以上が特に好ましい。
本発明において一般式(a)で表される化合物は、その用途が限定されることはなく、有機化合物層内のいずれの層に含有されてもよい。一般式(a)で表される化合物の導入層としては、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、励起子ブロック層、電荷ブロック層のいずれか、もしくは複数に含有されるのが好ましく、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層のいずれか、もしくは複数に含有されるのがより好ましく、発光層、正孔注入層、正孔輸送層のいずれか、もしくは複数に含有されるのが特に好ましく、発光層に用いることが最も好ましい。
一般式(a)で表される化合物の発光層における含有量は、電荷輸送性材料の電荷輸送性を抑制しない程度の量に制限して用いる必要があり、一般式(a)で表される化合物は0.1〜70質量%含まれることが好ましく、0.1〜30質量%含まれることがより好ましく、0.1〜25質量%含まれることが特に好ましい。
また、一般式(a)で表される化合物を、複数の有機化合物層に用いる場合はそれぞれの層において、上記の範囲で含有することが好ましい。
アミン化合物としては、どのような構造のアミン化合物でも使用可能であるが、好ましくは下記一般式(I)、一般式(II)、一般式(IV)、一般式(VI)、および一般式(VII)のいずれかで表されるアミン化合物である。
以下、順次一般式(I)、一般式(II)、一般式(IV)、一般式(VI)、および一般式(VII)で表されるアミン化合物を説明する。
<一般式(I)で表されるアミン化合物>
一般式(I)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。またR11およびR12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n1は1、2または3を示す。
この一般式(I)で示されるアミン化合物は、有機電界発光素子の有機化合物層に好適に用いられるアミン化合物であり、単独の又は連鎖するチオフェンに対して炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基の芳香族を有するアミノ基が結合されている。
そして、一般式(I)におけるAr〜Arは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示し、これらはさらに他の基で置換されていても良く、無置換であっても良い。
上記Ar〜Arを構成する炭素環式芳香族基は、炭素数20以下から構成されるものが好ましく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フルオレニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−クリセニル基,6−クリセニル基,2−フルオランテニル基,3−フルオランテニル基,2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基等が挙げられる。このうちとくに、置換もしく無置換のフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル(アンスリル)、ビフェニルイル(ビフェニル)およびピレニルから選ばれることが好ましい。
また上記Ar〜Arを構成する複素環式芳香族基は、炭素数20以下から構成されるものが好ましく、例えば、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、などが挙げられる。
また、Ar〜Arは、一般式(I)のアミン化合物を合成する場合の簡便さを考慮した場合、ArとArとが同一であり、ArとArとが同一であることが好ましい。
また、一般式(I)におけるR11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、または複素環基を示す。このうち、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、およびアルコキシル基は、炭素数20以下であって、さらに他の基で置換されていても良く、無置換であっても良い。また、アリール基、および複素環基は、炭素数20以下であって、さらに他の基に置換されていても良く、無置換であっても良い。
尚、上記のカルボニル基は、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を含む。また、上記のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基を含む。
そして、上述したAr〜Ar、R11、およびR12として示された基のうち、さらに置換基を有してもよい基に対する置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基を挙げることができる。
また、前記一般式(I)におけるR11およびR12が水素原子であり、Ar〜Arがフェニル基、ナフチル基およびビフェニル基から選ばれるものであることがとくに好ましい。
以下に、上記一般式(I)の例示構造(構造式(1)〜(39))を示すが、本発明で用いるアミン化合物は、上述した範囲に含まれれば、ここに例示した構造に限定されるものではない。
一般式(I)で表されるアミン化合物は、種々の方法によって合成が可能であり、例えば、特開2009−27091号公報に記載の方法によっても合成できる。
<一般式(II)で表されるアミン化合物>
一般式(II)中、Arは、複数存在するときは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の単環式または縮合環式の芳香族炭化水素基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。また複数存在するR13はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基,総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。また、n2は1または2を示す。
一般式(II)で表されるアミン化合物の中でも、下記一般式(III)で表されるアミン化合物が好ましい。
一般式(III)中、R13、およびn2は、一般式(II)におけるR13、およびn2と同義である。
一般式(II)におけるArは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の単環式または縮合環式の芳香族炭化水素基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示し、これらはさらに他の基で置換されていても良く、無置換であっても良い。
また、一般式(II)、および一般式(III)におけるR13は、複数存在する場合は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、または複素環基を示す。このうち、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、およびアルコキシル基は、炭素数20以下であって、さらに他の基で置換されていても良く、無置換であっても良い。また、アリール基、および複素環基は、炭素数20以下であって、さらに他の基に置換されていても良く、無置換であっても良い。
尚、上記のカルボニル基は、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を含む。また、上記のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基を含む。
一般式(II)におけるArを構成する単環式または縮合環式の芳香族炭化水素基は、炭素数20以下から構成されるものが好ましく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フルオレニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−クリセニル基、6−クリセニル基、2−フルオランテニル基、3−フルオランテニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基等が挙げられる。
また、一般式(II)におけるArを構成する複素環式芳香族基は、炭素数20以下から構成されるものが好ましく、例えば、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、などが挙げられる。
一般式(II)、および一般式(III)におけるAr、およびR13として示された基のうち、さらに置換基を有してもよい基に対する置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基を挙げることができる。
以下に、上記一般式(II)および(III)で表されるアミン化合物の例示構造を示すが、上述した範囲に含まれれば、ここに例示した構造に限定されるものではない。ここで、構造式1−(1)〜1−(27)は上記一般式(II)に含まれるもの、構造式2−(1)〜2−(12)は上記一般式(III)に含まれるものである。
一般式(II)で表されるアミン化合物は、種々の方法によって合成が可能であり、例えば、特開2009−27092号公報に記載の方法によっても合成できる。
<一般式(IV)で表されるアミン化合物>
一般式(IV)において、Ar〜Arは、それぞれ独立に、炭素数6〜30の置換あるいは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のチエニル基を示す。また、Ar〜Arのうち、少なくとも一つは置換もしくは無置換のチエニル基を示す。またR15〜R20はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜20の置換あるいは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基を示し、R19とR20とは環状構造を形成してもよい。
一般式(IV)で表されるアミン化合物としては、前記一般式(IV)におけるR19、およびR20が水素原子、またはR19とR20とが環状構造を形成したものであり、R15〜R18がいずれも水素原子であり、Ar〜Arがいずれもフェニル基またはチエニル基であることが好ましい。
また、前記一般式(IV)におけるAr〜Arがいずれもチエニル基で構成されるものであるとよい。
前記一般式(IV)で表されるアミン化合物のさらに具体的な例を説明する。
一般式(IV)において、Ar〜Arは、それぞれ独立に、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のチエニル基を示す。また、Ar〜Arのうち、少なくとも一つは置換もしくは無置換のチエニル基を示す。またR14〜R18はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基を示し、R19とR20とは環状構造を形成してもよい。
一般式(IV)で表されるアミン化合物は、有機電界発光素子の有機化合物層に好適に用いられるアミン化合物であり、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(m−トリル)ベンジジン(TPD)の骨格に対して、少なくとも一つ以上のチオフェンユニットを有する骨格である。
一般式(IV)におけるAr〜Arは、それぞれ独立に、炭素数6〜30のアリール基またはチエニル基を示し、これらはさらに他の基で置換されていてもよく、無置換であってもよい。
一般式(IV)におけるAr〜Arを構成するアリール基は、炭素数30以下から構成されるものが好ましく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フルオレニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−クリセニル基,6−クリセニル基,2−フルオランテニル基,3−フルオランテニル基,2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基等が挙げられる。
また、Ar〜Arを構成する置換のチエニル基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜20の置換あるいは無置換のアルキル基等が挙げられる。
また、Ar〜Arは、一般式(IV)のアミン化合物を合成する場合の簡便さを考慮した場合、ArとArとが同一であり、ArとArとが同一であることが好ましい。
また、一般式(IV)におけるR15〜R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、または複素環基を示す。このうち、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、およびアルコキシル基は、炭素数20以下であって、さらに他の基で置換されていても良く、無置換であっても良い。また、アリール基、および複素環基は、炭素数20以下であって、さらに他の基に置換されていても良く、無置換であっても良い。
尚、上記のカルボニル基は、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を含む。また、上記のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基を含む。
一般式(IV)におけるAr〜Ar、およびR15〜R20として示された基のうち、さらに置換基を有してもよい基に対する置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基を挙げることができる。
また、一般式(IV)におけるR19およびR20が水素原子、または19およびR20とが環状構造を形成したものであり、R15〜R18がいずれも水素原子であり、Ar〜Arがいずれもフェニル基またはチエニル基であることが好ましく、さらにはAr〜Arがいずれもチエニル基で構成されるものであるとよい。さらに、前記アミン化合物が、下記一般式(V)で表されるものであることが好適である。
以下に、一般式(IV)で表される例示構造(構造式(1)〜(27))を示すが、上述した範囲に含まれれば、ここに例示した構造に限定されるものではない。
一般式(IV)で表されるアミン化合物は、種々の方法によって合成が可能であり、例えば、特開2009−27093号公報に記載の方法によっても合成できる。
<一般式(VI)で表されるアミン化合物>
一般式(VI)中、Ar10〜Ar15は、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。またR21〜R26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n3は1、2または3を示す。
一般式(VI)で表されるアミン化合物は、有機電界発光素子の有機化合物層に好適に用いられるアミン化合物であり、単独の又は連鎖するチオフェンに対して炭素環式芳香族基または複素環式芳香族基の芳香族を有するアミノ基が結合されている。
一般式(VI)におけるAr10〜Ar15は、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示し、これらはさらに他の基で置換されていても良く、無置換であっても良い。
一般式(VI)におけるAr10〜Ar15を構成する炭素環式芳香族基は、炭素数20以下から構成されるものが好ましく、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フルオレニル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、1−クリセニル基,6−クリセニル基,2−フルオランテニル基,3−フルオランテニル基,2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基等が挙げられる。このうちとくに、置換もしく無置換のフェニル、ナフチル、フルオレニル、アントリル(アンスリル)、ビフェニルイル(ビフェニル)およびピレニルから選ばれることが好ましい。
一般式(VI)におけるAr10〜Ar15を構成する複素環式芳香族基は、炭素数20以下から構成されるものが好ましく、例えば、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナンスリジニル基、2−フェナンスリジニル基、3−フェナンスリジニル基、4−フェナンスリジニル基、6−フェナンスリジニル基、7−フェナンスリジニル基、8−フェナンスリジニル基、9−フェナンスリジニル基、10−フェナンスリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、などが挙げられる。
また、一般式(VI)におけるAr10〜Ar15は、一般式(VI)のアミン化合物を合成する場合の簡便さを考慮した場合、Ar10とAr11とが同一であり、Ar12とAr13とが同一であり、Ar14とAr15とが同一であることが好ましい。
また、一般式(VI)におけるR21〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、アルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、アリール基、または複素環基を示す。このうち、カルボニル基、カルボニルエステル基、アルキル基、アルケニル基、およびアルコキシル基は、炭素数20以下であって、さらに他の基で置換されていても良く、無置換であってもよい。また、アリール基、および複素環基は、炭素数20以下であって、さらに他の基に置換されていてもよく、無置換であってもよい。
尚、上記のカルボニル基は、アルデヒド基、ケトン基およびカルボキシル基を含む。また、上記のアルキル基は、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基を含む。
一般式(VI)におけるAr10〜Ar15、およびR21〜R26として示された基のうち、さらに置換基を有してもよい基に対する置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボニルエステル基、環状アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリール基、複素環基、シアノ基、ニトロ基、またはシリル基を挙げることができる。
また、一般式(VI)におけるR21〜R26が水素原子であり、Ar10〜Ar15がフェニル基またはナフチル基であり、Nに結合している二個のベンゼン環が、それぞれNに対してパラ位で相互に結合していることがとくに好ましい。
以下に、一般式(VI)で表されるアミン化合物の例示構造(構造式(1)〜(36))を示すが、上述した範囲に含まれれば、ここに例示した構造に限定されるものではない。
一般式(VI)で表されるアミン化合物は、種々の方法によって合成が可能であり、例えば、特開2009−27094号公報に記載の方法によっても合成できる。
<一般式(VII)で表されるアミン化合物>
一般式(VII)中、R31〜R40は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のヘテロシクロアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアラルキル基、または炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。YおよびYは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、Ar16およびAr17は、それぞれ独立して、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、または炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。
前記一般式(VII)中のR31〜R40におけるハロゲン原子の具体的な例としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子などが挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40におけるアルキル基は、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状または分岐状のアルキル基である。より具体的な例としては、例えば、メチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−アミル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、3−メチルペンタン−2−イル基、3−メチルペンタン−3−イル基、4−メチルペンチル基、4−メチルペンタン−2−イル基、1,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブタン−2−イル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、1−(n−プロピル)ブチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,4−ジメチルペンチル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,3,3−トリメチルブチル基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキサン−2−イル基、2,4−ジメチルペンタン−3−イル基、1,1−ジメチルペンタン−1−イル基、2,2−ジメチルヘキサン−3−イル基、2,3−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−2−イル基、2,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,4−ジメチルヘキサン−3−イル基、3,5−ジメチルヘキサン−3−イル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、2−メチルヘプタン−2−イル基、3−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−3−イル基、4−メチルヘプタン−4−イル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−プロピルペンチル基、2−プロピルペンチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチル−1−メチルペンチル基、1−エチル−4−メチルペンチル基、1,1,4−トリメチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基、n−ノニル基、1−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、1−エチルヘプチル基、1−(n−ブチル)ペンチル基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチル基、1,5,5−トリメチルヘキシル基、1,1,5−トリメチルヘキシル基、2−メチルオクタン−3−イル基、n−デシル基、1−メチルノニル基、1−エチルオクチル基、1−(n−ブチル)ヘキシル基、1,1−ジメチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、1−エチルノニル基、n−ドデシル基、1−メチルウンデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、1−メチルトリデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、またはn−エイコシル基などが挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40におけるシクロアルキル基は、脂肪族環を有する炭素数3〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキル基である。より具体的な例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロノナデシル基、またはシクロエイコシル基が挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40におけるヘテロシクロアルキル基は、前記シクロアルキル基中の少なくとも1つの炭素が窒素原子、酸素原子、硫黄原子、およびリン原子からなる群より選択される少なくとも1種に置換された基である。より具体的な例としては、例えば、オキシラニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、オキサゾリジニル基、イソオキサゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、チオモルホニリル基、テトラヒドロピラニル基、またはテトラヒドロフラニル基などが挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40におけるアルコキシ基は、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状または分岐状のアルコキシ基である。より具体的な例としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、1,2−ジメチル−プロポキシ基、n−へキシルオキシ基、3−メチルペンタン−2−イルオキシ基、3−メチルペンタン−3−イルオキシ基、4−メチルペンチルオキシ基、4−メチルペンタン−2−イルオキシ基、1,3−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、3,3−ジメチルブタン−2−イルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、3−メチルヘキシルオキシ基、4−メチルヘキシルオキシ基、5−メチルヘキシルオキシ基、1−エチルペンチルオキシ基、1−(n−プロピル)ブチルオキシ基、1,1−ジメチルペンチルオキシ基、1,4−ジメチルペンチルオキシ基、1,1−ジエチルプロピルオキシ基、1,3,3−トリメチルブチルオキシ基、1−エチル−2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−メチルヘキサン−2−イルオキシ基、2,4−ジメチルペンタン−3−イルオキシ基、1,1−ジメチルペンタン−1−イルオキシ基、2,2−ジメチルヘキサン−3−イルオキシ基、2,3−ジメチルヘキサン−2−イルオキシ基、2,5−ジメチルヘキサン−2−イルオキシオキシ基、2,5−ジメチルヘキサン−3−イルオキシ基、3,4−ジメチルヘキサン−3−イルオキシ基、3,5−ジメチルヘキサン−3−イルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2−メチルヘプチルオキシ基、5−メチルヘプチルオキシ基、2−メチルヘプタン−2−イルオキシ基、3−メチルヘプタン−3−イルオキシ基、4−メチルヘプタン−3−イルオキシ基、4−メチルヘプタン−4−イルオキシ基、1−エチルヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、1−プロピルペンチルオキシ基、2−プロピルペンチルオキシ基、1,1−ジメチルヘキシルオキシ基、1,4−ジメチルヘキシルオキシ基、1,5−ジメチルヘキシルオキシ基、1−エチル−1−メチルペンチルオキシ基、1−エチル−4−メチルペンチルオキシ基、1,1,4−トリメチルペンチルオキシ基、2,4,4−トリメチルペンチルオキシ基、1−イソプロピル−1,2−ジメチルプロピルオキシ基、1,1,3,3−テトラメチルブチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、1−メチルオクチルオキシ基、6−メチルオクチルオキシ基、1−エチルヘプチルオキシ基、1−(n−ブチル)ペンチルオキシ基、4−メチル−1−(n−プロピル)ペンチルオキシ基、1,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、1,1,5−トリメチルヘキシルオキシ基、2−メチルオクタン−3−イルオキシ基、n−デシルオキシ基、1−メチルノニルオキシ基、1−エチルオクチルオキシ基、1−(n−ブチル)ヘキシルオキシ基、1,1−ジメチルオクチルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、1−メチルデシルオキシ基、1−エチルノニルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、1−メチルウンデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、1−メチルトリデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、またはn−エイコシルオキシ基などが挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40ならびにAr16およびAr17におけるアリール基は、芳香族環を有する炭素数6〜30の1価の基であって、2つ以上の芳香族環を含んでもよい。2つ以上の芳香族環を含む場合、前記芳香族環は互いに結合または縮合された形態で存在しうる。より具体的な例としては、例えば、フェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、テトラヒドロナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、オクタレニル基、as−インダセニル基、s−インダセニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナレニル基、アントラセニル基、メチルアントラセニル基、9,10−[1,2]ベンゼノアントラセニル基、フェナントリル基、1H−トリンデニル基、フルオランテニル基、ピレニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、テトラフェニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサヘリセニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、またはピラントレニル基などが好ましく挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40ならびにAr16およびAr17におけるヘテロアリール基は、前記アリール基の1つ以上の炭素が、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子からなる群より選択される少なくとも1種で置換された、炭素数2〜30の1価の基である。より具体的な例としては、例えば、ピロリル基、イミダゾリル基、イミダゾリジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、フラザニル基、ピリジニル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基、ベンゾチオフェニル基、チオピラニル基、イソチオクロメニル基、チオクロメニル基、チオキサントレニル基、チアントレニル基、フェノキサチイニル基、ピロリジニル基、1H−1−ピリンジニル基、インドニジニル基、イソインドリル基、インドリル基、インダゾリル基、プリニル基、キノリジニル基、イソキノリニル基、キノリニル基、ナフチリジニル基、フタラジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、アンチジニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾフラニル基、イソクロメニル基、クロメニル基、キサンテニル基、パラチアジニル基、トリアゾリル基、またはテトラゾリル基などが挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40におけるアラルキル基は、アルキル基の少なくとも1つの水素原子がアリール基で置換された、炭素数7〜30の1価の基である。より具体的な例としては、例えば、ベンジル基またはフェニルエチル基などが挙げられる。
前記一般式(VII)中のR31〜R40におけるアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基が置換される場合の置換基の例としては、例えば、次のような置換基が挙げられる。フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基;およびフッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換もしくは無置換の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換もしくは無置換の炭素数2〜30であるヘテロアリール基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換もしくは無置換の炭素数5〜20のシクロアルキル基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、シアノ基、ニトロ基、もしくはヒドロキシ基で置換もしくは無置換の炭素数5〜30のヘテロシクロアルキル基;−NR4243で表される基である。R42およびR43は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキル基、または炭素数1〜10のアルキル基で置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリール基である。
前記一般式(VII)で表される化合物は、下記に示す構造式(1)〜(12)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。しかし、これらに限定されるものではない。
前記一般式(VII)で表されるフェニルフェノキサジン系化合物またはフェニルフェノチアジン系化合物は、非局在化した電子分布を有しており、正孔輸送能に優れている。加えて、本発明の化合物は、フェニルベンジジンの窒素原子にフェニルフェノキサジン基またはフェニルフェノチアジン基を結合させることによって、ガラス転移温度が高くなり、熱安定性に優れている。
前記一般式(VII)で表される化合物は、特開2009−29807号公報に開示された合成方法などで得ることができる。
尚、上記一般式(I)、(II)、(IV)、(VI)、および(VII)で表されるアミン化合物は、有機電界発光素子の有機化合物層を構成する材料として用いられるものであり、有機EL素子の製造プロセスに供する前に純度を高めておくことが好ましく、該純度が95%以上、より好ましくは99%以上とするのがよい。かかる高純度のアミン化合物を得る方法としてはアミン化合物の合成後の精製である再結晶法、再沈殿法、もしくはシリカやアルミナを用いたカラム精製のほかに、昇華精製やゾーンメルト法による公知の高純度化方法を用いることができる。
また、これらの精製方法を繰り返し行うことや異なる精製法を組み合わせて行うことで、アミン化合物の未反応物、反応副生成物、触媒残渣、もしくは残存溶媒などの混合物を低減させ、よりデバイス特性の優れた有機電界発光素子を得ることが可能となる。
これにより、一般式(I)、(II)、(IV)、(VI)、および(VII)で表されるアミン化合物を正孔輸送材料として用いた下記に説明する有機EL素子において、低電圧駆動となり発光寿命を確保できる。しかも、分子量としても耐熱性を十分に保持できる量が確保されるため、熱的な物性が良好であり、外部からの力や熱的な耐久性に優れており、電圧による変動力にも安定性を有している。
また、これらのアミン化合物は、陽極と直に接続する正孔注入層の構成材料としても用いることができる。
さらに、一般式(I)、(II)、(IV)、(VI)、および(VII)で表されるアミン化合物は、置換基の選択によって電子輸送性能も併せもつことができ、また良好な発色団ともなる。このため、有機電界発光素子の有機化合物層のうち、電子輸送層を兼ねた発光層としても、或いは正孔輸送層と兼ねた発光層としても用いることが可能である。また、これらのアミン化合物を発光層として、電子輸送層と正孔輸送層とで挟み込んだ構成とすることも可能である。
また本発明においては、発光層は2層以上であっても良く、そのうちの一層に一般式(C−1)で示される化合物が含まれても良く、複数の層またはすべての層に一般式(C−1)で示される化合物が含まれていても良い。複数の発光層の場合には、ホスト材料は特開2001−319779号公報に開示されている方法で電子輸送性ホスト材料、ホール輸送性ホスト材料いずれも用いることができる。
3.有機EL素子の構成
次に、本発明の有機EL素子の構成について、詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は基板上に陰極と陽極を有し、両電極の間に発光層を含む複数の有機化合物層を有し、更に発光層の両側には有機化合物層が隣接して構成される。発光層に隣接している有機化合物層と電極の間には、更に有機化合物層を有していてもよい。発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明もしくは半透明であることが好ましい。
本発明における有機化合物層の積層の態様としては、陽極側から、正孔輸送層、発光層、電子輸送層の順に積層されている態様が好ましい。更に、正孔輸送層と発光層との間、又は、発光層と電子輸送層との間には、電荷ブロック層等を有していてもよい。
本発明の有機電界発光素子における有機化合物層の好適な態様は、陽極側から順に、少なくとも、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層、を有する態様である。
尚、発光層と電子輸送層との間に正孔ブロック層を有した場合には、発光層と隣接する有機化合物層は、陽極側が正孔輸送層になり、陰極側が正孔ブロック層となる。また、陽極と正孔輸送層との間に、正孔注入層を有してもよく、陰極と電子輸送層との間には、電子注入層を有してもよい。尚、各層は複数の二次層に分かれていてもよい。
本発明においては、特開2006−279014号公報、特開2006−351680号公報に開示されている方法で、段階的にイオン化ポテンシャルまたは電子親和力を有する正孔輸送層または電子輸送層を複数層(第一正孔輸送層、第二正孔輸送層、または第一電子輸送層、第二電子輸送層等)設けて、電荷をより効果的に発光層に注入することができる。また上記複数の電荷輸送層を特開2006−351715号公報に開示されている方法で薄膜化し、一層効果的に電荷注入させることができる。
また、陰極から電子輸送層により効果的に電子を注入し電圧を下げる目的で特開2007−227888号公報に開示されている方法で、陰極と電子輸送層の間に薄膜有機化合物層を設けることができる。
また、本発明ではより発光効率を改良する目的で、特開2003−272860号公報、特開平11−329748号公報等に開示されている方法で電荷発生層を設けてマルチフォトン型素子にすることもできる。
また、本発明では、より発光効率の向上、耐久性の向上、色度の向上の目的で、反射板(もしくは反射電極)と半透明電極の間に発光層を含む有機化合物層を設け、特開平8−213174号公報、特許2830474号公報、特開平11−126691号公報、特開2002−367770号公報、特開2004−127795号公報等に開示されてる方法で共振器構造をとることができる。
また、本発明における好ましい態様として、複数の発光層が積層した形態をとることもできる。この場合赤色発光層、青色発光層、および緑色発光層の形成順序はいずれでもよい。また、これらの発光層は燐光発光層でも蛍光発光層でもよく、各発光層間に別の機能層を設けてもよい。
例えば、赤色燐光発光層上に青色蛍光発光層を形成し、さらにその上に緑色燐光発光層を形成した構造なども好ましい態様である。この場合には、青色蛍光発光層のホストの三重項エネルギーが、赤色、および緑色燐光発光層のドーパントの三重項エネルギーより高いことが好ましい。
<基板>
本発明で使用する基板としては、発光層から発せられる光を取り出す側の基板は散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。その具体例としては、ジルコニア安定化イットリウム(YSZ)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、およびポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の有機材料が挙げられる。
例えば、基板としてガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合には、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
基板の形状、構造、大きさ等については、特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応じて適宜選択することができる。一般的には、基板の形状としては、板状であることが好ましい。基板の構造としては、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよく、また、単一部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよい。
基板には、その表面又は裏面に透湿防止層(ガスバリア層)を設けることができる。
透湿防止層(ガスバリア層)の材料としては、窒化珪素、酸化珪素などの無機物が好適に用いられる。透湿防止層(ガスバリア層)は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。
熱可塑性基板を用いる場合には、更に必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
基板は、電極作製前後、または有機化合物層を製膜前に洗浄および/または前処理をおこなってもよい。洗浄は水、純水、イオン交換水、酸、アルカリ水、有機溶剤いずれでも洗浄することができ、浸せきし超音波洗浄しても良い。また、有機物を分解除去する目的や接着性を良くする目的、電極から有機化合物層への電荷注入を促進する目的で前処理することもできる。前処理法はUV−オゾン処理、酸素プラズマ処理等が好ましく用いられるが特に限定されるものではない。
<陽極>
陽極は、通常、有機化合物層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、光を取り出す側の場合は透明陽極として設けられ、光を取り出す側と反対側の場合には透明であっても無くても良い。
陽極の材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、導電性化合物、又はこれらの混合物が好適に挙げられる。陽極材料の具体例としては、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられる。この中で好ましいのは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からはITOが好ましいが、他の材料と積層してもよく、また補助電極等を設けても良い
陽極は、例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、陽極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って、前記基板上に形成することができる。例えば、陽極の材料として、ITOを選択する場合には、陽極の形成は、直流又は高周波スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等に従って行うことができる。
陽極の仕事関数は陽極に隣接した正孔注入層や正孔輸送層に正孔が注入できる仕事関数であれば限定されることはなく、4.0eV以上6.0eV以下が好ましく、4.5eV以上5.8eV以下が更に好ましい。
また陽極の仕事関数は、UVオゾン処理や酸素プラズマ処理により任意の値に調整することができる。
本発明の有機電界発光素子において、陽極の形成位置としては特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基板上に形成されるのが好ましい。この場合、陽極は、基板における一方の表面の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
なお、陽極を形成する際のパターニングとしては、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、また、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
陽極の厚みとしては、陽極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常、10nm〜50μm程度であり、50nm〜20μmが好ましい。
陽極の抵抗値としては、10Ω/□以下が好ましく、10Ω/□以下がより好ましい。陽極が透明である場合は、無色透明であっても、有色透明であってもよい。透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過率としては、60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
なお、透明陽極については、沢田豊監修「透明電極膜の新展開」シーエムシー刊(1999)に詳述があり、ここに記載される事項を本発明に適用することができる。耐熱性の低いプラスティック基材を用いる場合は、ITO又はIZOを使用し、150℃以下の低温で成膜した透明陽極が好ましい。
<陰極>
陰極は、通常、有機化合物層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。また陰極側が光を取り出す側の場合には透明または半透明であることが好ましい。
陰極を構成する材料としては、例えば、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物などが挙げられる。具体例としてはアルカリ金属(たとえば、LI、Na、K、Cs等)、アルカリ土類金属(たとえばMg、Ca等)、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合金、インジウム、およびイッテルビウム等の希土類金属などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいが、安定性と電子注入性とを両立させる観点からは、2種以上を共蒸着または積層して好適に併用することができる。
陰極の仕事関数は隣接する有機化合物層に電子を注入できる仕事関数で有れば特に限定されることはなく、2.5eV以上4.5eVが好ましく、更に好ましくは2.5eV以上4.3eV以下である。
これらの中でも、陰極を構成する材料としては、電子注入性の点で、アルカリ金属やアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる点で、アルミニウムを主体とする材料が好ましいがITO等の導電性金属酸化物と積層構造をとってもよい。
アルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単独、アルミニウムと0.01質量%〜10質量%のアルカリ金属又はアルカリ土類金属との合金若しくはこれらの混合物(例えば、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金など)をいう。
なお、陰極の材料については、特開平2−15595号公報、特開平5−121172号公報に詳述されており、これらの公報に記載の材料は、本発明においても適用することができる。
陰極の形成方法については、特に制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。例えば、印刷方式、コーティング方式等の湿式方式、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理的方式、CVD、プラズマCVD法等の化学的方式などの中から、前記した陰極を構成する材料との適性を考慮して適宜選択した方法に従って形成することができる。例えば、陰極の材料として、金属等を選択する場合には、その1種又は2種以上を同時又は順次にスパッタ法等に従って行うことができる。
陰極を形成するに際してのパターニングは、フォトリソグラフィーなどによる化学的エッチングによって行ってもよいし、レーザーなどによる物理的エッチングによって行ってもよく、マスクを重ねて真空蒸着やスパッタ等をして行ってもよいし、リフトオフ法や印刷法によって行ってもよい。
本発明において、陰極形成位置は特に制限はなく、有機化合物層上の全部に形成されていてもよく、その一部に形成されていてもよい。
また、陰極と前記有機化合物層との間に、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のフッ化物、酸化物等による誘電体層を0.1nm〜5nmの厚みで挿入してもよい。この誘電体層は、一種の電子注入層と見ることもできる。誘電体層は、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等により形成することができる。
陰極の厚みは、陰極を構成する材料により適宜選択することができ、一概に規定することはできないが、通常5nm〜5μm程度であり、10nm〜1μmが好ましい。
また、陰極は、透明であってもよいし、不透明であってもよい。なお、透明な陰極は、陰極の材料を1nm〜10nmの厚さに薄く成膜し、更にITOやIZO等の透明な導電性材料を積層することにより形成することができる。
本発明においては、陽極側を不透明(反射電極)にし、陰極側を透明もしくは半透明にしてトップエミッション型素子にすることもできる。また陽極側を透明にし、陰極側を不透明(反射電極)にしてボトムエミッション型素子にすることもできる。また陽極、陰極いずれも透明にして両側発光型にすることもできる。
<有機化合物層>
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機EL素子は、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を有しており、発光層以外の他の有機化合物層としては、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
−有機化合物層の形成−
本発明の有機電界発光素子において、有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、湿式塗布方式、転写法、印刷法、インクジェット方式等いずれによっても好適に形成することができる。
乾式製膜法は主に蒸着法が用いられる。有機化合物層の蒸着による製膜速度は0.1オングストローム/秒〜100オングストローム/秒が好ましく、さらに好ましくは0.1オングストローム/秒〜50オングストローム/秒である。また加熱温度は材料が分解しない温度範囲であれば制限されることはない。
また蒸着製膜時の真空度は10−2Pa〜10−9Paであることが好ましく、さらに好ましくは10−3Pa〜10−8Paである。
また蒸着製膜時の真空雰囲気は空気真空雰囲気、窒素やアルゴン等の不活性ガス真空雰囲気どちらでもよい。
また蒸着製膜前もしくは蒸着製膜時にベーク処理を行ったり、ゲッター剤等を加熱したりして蒸着槽内の水分や酸素を除去することができる。
また蒸着製膜時もしくは蒸着製膜中に基板を冷却もしくは加熱することにより基板付着水分を除去し、有機膜の膜質を制御することもできる。
また、発光層を蒸着成膜する場合にはホスト材料と発光材料を別々の蒸着源に入れて共蒸着することもできるし、一つの蒸着源に混合して蒸着成膜することもできる。
また、蒸着源の加熱を均一にする目的で蒸着源にサーモボール等を設けることもできる。
また、製膜後熱処理することもできる。熱処理する温度は特に限定されることはなく、構成する材料のガラス転移点以上であっても、以下であっても任意に設定することができる。
また、さらに製膜、封止後、熱処理することもできる。熱処理する温度は特に限定されることはなく、構成する材料のガラス転移点以上であっても、以下であっても任意に設定することができる。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。本発明の正孔注入層、正孔輸送層に使用できる材料としては、特に限定はなく、低分子化合物であっても高分子化合物であっても無機材料であってもよい。
具体的には、ピロール誘導体、カルバゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、フタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、チオフェン誘導体、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾール、フェニルアジンを配位子に有する金属錯体、等を含有する層であることが好ましい。
無機材料としては、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウム、酸化ケイ化ゲルマニウム、5酸化バナジウム、3酸化モリブデン、酸化アルミニウム、二酸化鉄、3酸化鉄等をあげることができる。
正孔注入層、および正孔輸送層に使用できる材料として、カルバゾール誘導体が好ましく、特に、下記一般式(6)で表されるカルバゾール化合物であることが好ましい。
これらのカルバゾール化合物は、正孔注入層、正孔輸送層だけでなく、発光層、電子輸送層、ブロック層、などの全ての有機化合物層に使用することができる。
一般式(6)中、R23は該骨格の水素原子に置換し得る置換基を表し、R23は複数存在する場合はそれぞれ同じでも異なってもよい。n4は0〜8の整数を表す。
一般式(6)で表される化合物を、電荷輸送層中で用いる場合は、一般式(6)で表される化合物は50〜100質量%含まれることが好ましく、80〜100質量%含まれることが好ましく、95〜100質量%含まれることが特に好ましい。
また、一般式(6)で表される化合物を、複数の有機化合物層に用いる場合はそれぞれの層において、上記の範囲で含有することが好ましい。
一般式(6)で表される化合物は、いずれかの有機化合物層に、一種類のみを含有していてもよく、複数の一般式(6)で表される化合物を任意の割合で組み合わせて含有していてもよい。
一般式(6)で表される化合物を含む電荷輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、該電荷輸送層は発光層に接して設けられている事が好ましい。
該電荷輸送層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
一般式(6)におけるR23が表す置換基としては具体的にはハロゲン原子、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、アリール基、芳香族複素環基が挙げられ、炭素数10以下のアルキル基、炭素数10以下の置換又は無置換のアリール基が好ましく、炭素数6以下のアルキル基である事がより好ましい。n4は0〜8の整数を表し、0〜4が好ましく、0〜2がより好ましい。
一般式(6)を構成する水素原子は、水素の同位体(重水素原子等)も含む。この場合化合物中の全ての水素原子が水素同位体に置き換わっていてもよく、また一部が水素同位体を含む化合物である混合物でもよい。
一般式(6)で表される化合物は、種々の公知の合成法を組み合わせて合成することが可能である。最も一般的には、カルバゾール化合物に関してはアリールヒドラジンとシクロヘキサン誘導体との縮合体のアザーコープ転位反応の後、脱水素芳香族化による合成(L.F.Tieze,Th.Eicher著、高野、小笠原訳、精密有機合成、339頁(南江堂刊))が挙げられる。また、得られたカルバゾール化合物とハロゲン化アリール化合物のパラジウム触媒を用いるカップリング反応に関してはテトラヘドロン・レターズ39巻617頁(1998年)、同39巻2367頁(1998年)及び同40巻6393頁(1999年)等に記載の方法が挙げられる。反応温度、反応時間については特に限定されることはなく、前記文献に記載の条件が適用できる。
本発明において、一般式(6)で表される化合物は、真空蒸着プロセスで薄層を形成することが好ましいが、溶液塗布などのウェットプロセスも好適に用いることが出来る。化合物の分子量は、蒸着適性や溶解性の観点から2000以下であることが好ましく、1200以下であることがより好ましく、800以下であることが特に好ましい。また蒸着適性の観点では、分子量が小さすぎると蒸気圧が小さくなり、気相から固相への変化がおきず、有機化合物層を形成することが困難となるので、250以上が好ましく、300以上が特に好ましい。
以下に、本発明における一般式(6)で表される化合物の具体例を例示するが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
本発明の有機EL素子の正孔注入層あるいは正孔輸送層には、電子受容性ドーパントを含有させることができる。正孔注入層、あるいは正孔輸送層に導入する電子受容性ドーパントとしては、電子受容性で有機化合物を酸化する性質を有すれば、無機化合物でも有機化合物でも使用できる。
具体的には、無機化合物は塩化第二鉄や塩化アルミニウム、塩化ガリウム、塩化インジウム、五塩化アンチモンなどのハロゲン化金属、五酸化バナジウム、および三酸化モリブデンなどの金属酸化物などが挙げられる。
また更には、Mo、Li、Na,K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca,Sr、Ba及びBからなる群から選択された元素、及びO、F、S、Cl、Se、Br及びIからなる群から選択された元素からなる化合物(以下、適宜「第1の化合物」と称する。)も好ましい態様である。この場合には、正孔注入層は、有機化合物である正孔注入物質を含むことが好ましい。
正孔注入物質としては、銅フタロシアニン、1,3,5−トリカルバゾリルベンゼン、4,4’−ビスカルバゾリルビフェニル、ポリビニルカルバゾール、m−ビスカルバゾリルフェニル、4,4’−ビスカルバゾリル−2,2’−ジメチルビフェニル、4,4’,4’’−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(TCTA)、4,4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、1,3,5−トリ(2−カルバゾリルフェニル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−カルバゾリル−5−メトキシフェニル)ベンゼン、ビス(4−カルバゾリルフェニル)シラン、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(1−ナフチル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPB)、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−N−(4−ブチルフェニル)ジフェニルアミン)(TFB)またはポリ(9,9−ジオクチルフルオレン−co−ビス−N,N−フェニル−1,4−フェニレンジアミン(PFB)からなる群から選択された少なくとも一つであることが好ましい。
正孔輸送層に導入する電子受容性ドーパントとしての有機化合物は、置換基としてニトロ基、ハロゲン、シアノ基、トリフルオロメチル基などを有する化合物、キノン系化合物、酸無水物系化合物、フラーレンなどを好適に用いることができる。
この他にも、特開平6−212153号公報、特開平11−111463号公報、特開平11−251067号公報、特開2000−196140号公報、特開2000−286054号公報、特開2000−315580号公報、特開2001−102175号公報、特開2001−160493号公報、特開2002−252085号公報、特開2002−56985号公報、特開2003−157981号公報、特開2003−217862号公報、特開2003−229278号公報、特開2004−342614号公報、特開2005−72012号公報、特開2005−166637号公報、特開2005−209643号公報等に記載の化合物を好適に用いることが出来る。
これらの電子受容性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子受容性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、正孔輸送層材料に対して0.01質量%〜50質量%であることが好ましく、0.05質量%〜20質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
正孔輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜300nmであるのがより好ましく、10nm〜200nmであるのが更に好ましい。また、正孔注入層の厚さとしては、0.1nm〜500nmであるのが好ましく、0.5nm〜300nmであるのがより好ましく、1nm〜200nmであるのが更に好ましい。
正孔注入層、正孔輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
また本発明では発光効率向上の目的で特開2005−294249号公報等に開示されている方法で正孔輸送層に電気的に不活性なアダマンタン化合物等の炭化水素化合物を添加することができる。
正孔注入層、正孔輸送層のT1は特に限定されることはないが、励起子拡散抑制の目的で発光層に隣接する正孔輸送層のT1と発光層のT1の差は1eV以内であることが好ましい。
−発光層−
発光層に関しては、前記したとおりである。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。本発明の電子注入層、電子輸送層に使用できる材料として特に限定は無く、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。
具体的には、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、フタラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、トリアジン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、シロールに代表される有機シラン誘導体、等を含有する層であることが好ましい。
本発明の有機EL素子の電子注入層あるいは電子輸送層には、電子供与性ドーパントを含有させることができる。電子注入層、あるいは電子輸送層に導入される電子供与性ドーパントとしては、電子供与性で有機化合物を還元する性質を有していればよく、Liなどのアルカリ金属、Mgなどのアルカリ土類金属、希土類金属を含む遷移金属や還元性有機化合物などが好適に用いられる。金属としては、特に仕事関数が4.2eV以下の金属が好適に使用でき、具体的には、Li、Na、K、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Cs、La、Sm、Gd、およびYbなどが挙げられる。また、還元性有機化合物としては、例えば、含窒素化合物、含硫黄化合物、含リン化合物などが挙げられる。
この他にも、特開平6−212153号公報、特開2000−196140号公報、特開2003−68468号公報、特開2003−229278号公報、特開2004−342614号公報等に記載の材料を用いることが出来る。
また、電子輸送層には、電子輸送物質とともに下記式(B)で表わされる金属化合物(以下、適宜「第2の化合物」と称する。)を含むことも好ましい態様である。
(X)a(Y)b (式B)
式Bにおいて、Xは、アルカリ金属、アルカリ土類金属または遷移金属であり、Yは、7族元素または炭素数が1〜20の有機基であり、aは1〜3の整数、bは1〜3の整数を示す。
前記式(B)で、Xは、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、ナトリウム(Na)、バリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)が好ましく、Yは、フッ素原子、キノレート、アセトアセテート、塩素原子、臭素原子が好ましい。
前記式(B)で表わされる金属化合物である第2の化合物の例としては、フッ化リチウムのようにハロゲン元素を含んでいるメタルハライド、リチウムキノレート、リチウムアセトアセテート、酸化物のようなメタル錯体を挙げることができ、それらを混合して使用してもよい。好ましくは、リチウムキノレート、ナトリウムキノレート、リチウムアセトアセテート、マグネシウムアセトアセテート、フッ化リチウム、フッ化セシウム、フッ化ナトリウム、酸化リチウムからなる群から選択された少なくとも一つであることがより好ましい。
また、この場合電子輸送物質としては、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム(Bebq2)、Alq3、Znq2などが好適である。
前記式(B)で表わされる金属化合物である第2の化合物の含有量は、前記電子輸送物質100質量部を基準として、30ないし50質量部であることが好ましい。
これらの電子供与性ドーパントは、単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。電子供与性ドーパントの使用量は、材料の種類によって異なるが、電子輸送層材料に対して0.1質量%〜30質量%であることが好ましく、0.1質量%〜20質量%であることが更に好ましく、0.1質量%〜10質量%であることが特に好ましい。
電子注入層、電子輸送層の厚さは、駆動電圧を下げるという観点から、各々500nm以下であることが好ましい。
電子輸送層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。また、電子注入層の厚さとしては、0.1nm〜200nmであるのが好ましく、0.2nm〜100nmであるのがより好ましく、0.5nm〜50nmであるのが更に好ましい。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層のT1は特に限定されることはないが、励起子拡散抑制の目的で発光層に隣接する正孔輸送層のT1と発光層のT1の差は1eV以内であることが好ましい。
−ホールブロック層−
ホールブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機化合物層として、ホールブロック層を設けることができる。
ホールブロック機能はホールブロック層のイオン化ポテンシャルが、発光層のイオン化ポテンシャルよりも大きいか、ホールブロック層のホール移動度が発光層のホール移動度よりも小さい場合に発揮できる。
ホールブロック層を構成する化合物の例としては、BAlq等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、BCP等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
ホールブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
ホールブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
また本発明においては、より発光効率を向上させる目的で特開2005−294248号公報に開示されている方法でホールブロック層にアダマンタン化合物等の電気的に不活性な炭化水素化合物を添加することができる。
また、本発明では、電子輸送層と発光層の間に励起子拡散ブロック層を設けることもできる。励起子拡散ブロック層は発光層から隣接層へ励起子が拡散し発光効率が低下することを抑制する目的で設置することができる。励起子ブロック層のT1は発光層のT1よりも大きなものを使用することにより機能を発揮できる。
−電子ブロック層−
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機化合物層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック機能は電子ブロック層の電子親和力が、発光層の電子親和力よりも小さいか、電子ブロック層の電子移動度が発光層の電子移動度よりも小さい場合に発揮できる。
電子ブロック層を構成する化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
ホールブロック層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
また、本発明では、正孔輸送層と発光層の間に励起子拡散ブロック層を設けることもできる。励起子拡散ブロック層は発光層から隣接層へ励起子が拡散し発光効率が低下することを抑制する目的で設置することができる。励起子ブロック層のT1は発光層のT1よりも大きなものを使用することにより機能を発揮できる。
<保護層>
本発明において、有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO、Al、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe、Y、TiO等の金属酸化物、SiN、SiN等の金属窒化物、MgF、LiF、AlF、CaF等の金属フッ化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法については、特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
<封止>
さらに、本発明の有機電界発光素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
SiNやSiON等の無機膜により封止することもできる。また、更には特開2003−203762号公報等に開示されている方法で固体封止封止することもできる。
また、封止容器と発光素子の間の空間に水分吸収剤又は不活性液体を封入してもよい。水分吸収剤としては、特に限定されることはないが、例えば、酸化バリウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セシウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、および酸化マグネシウム等を挙げることができる。不活性液体としては、特に限定されることはないが、例えば、パラフィン類、流動パラフィン類、パーフルオロアルカンやパーフルオロアミン、パーフルオロエーテル等のフッ素系溶剤、塩素系溶剤、およびシリコーンオイル類が挙げられる。
<駆動>
本発明の有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
本発明の有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号公報、同6−301355号公報、同5−29080号公報、同7−134558号公報、同8−234685号公報、同8−241047号公報、特許第2784615号公報、米国特許5828429号公報、同6023308号公報等に記載の駆動方法を適用することができる。
また本発明の素子は素子作製後より安定に駆動させる目的で特願2008−48630号出願明細書等に開示されている方法で熱処理することができる。また特開平8−185979号公報等に開示されている方法で電流処理することもできる。
TFTによりアクティブ駆動させる場合、TFTはアモルファスシリコン、低温ポリシリコン、酸化物半導体いずれももちいることができる。
本発明の発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機化合物層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機化合物層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
またカラーフィルターの設置や色変換材料を用いることによりより一層色度を向上させることができる。
また本発明の素子に他の色発光の発光材を添加して、白色をはじめとする他の色を再現することもできる。
この場合、単層発光層であっても複数の発光層であっても良く、またマルチフォトン型素子としても良い。
また本発明の素子はパネルにおいて他の画素と組み合わして多くの色再現をすることができる。その場合、赤、緑、青の三色の副画素を組み合わせてもよく、どの色と組み合わせるかは目的に応じて決める事ができる。
パネルの駆動方法はアクティブ駆動、パッシブ駆動いずれもとることができる。また電流駆動、電圧駆動いずれもとることができる。
(本発明の用途)
本発明の有機電界発光素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等に好適に利用できる。
本発明について実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上に酸化インジウム錫(以後、ITOと略記)を100nmの厚さで蒸着し製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板をエッチング、洗浄した。
この上に正孔注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で160nm設けた。正孔注入層は4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATAと略記する)および2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQと略記する)を2−TNATAに対してF4−TCNQが1.0質量%となるように共蒸着した。
その上に第一正孔輸送層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で10nm設けた。正孔輸送材料はN,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記する、イオン化ポテンシャル:5.4eV)とした。
この上に第二正孔輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で3nm設けた。第二正孔輸送層の材料は下記化合物(a)(イオン化ポテンシャル:5.8eV)で表される材料とした。
この上に発光層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で30nm設けた。
発光層に用いたホスト材料として、前記した例示化合物(H−4)、発光材料としては前記した一般式(C−3)の例示化合物の項の(2)の化合物とした。ホスト材料と発光材料の質量比は85/15とし共蒸着した。
続いて、発光層の上に、電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で29nm設けた。電子輸送材料はAluminum(III)bis(2−methyl−8−quinolato)−4−phenylphenolate(BAlqと略記する)とした。
電子輸送層の上に薄膜有機電子注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で1nm設けた。薄膜電子注入材料はバソクプロイン(BCPと略記する)とした。
さらに、LiFを厚み1nmに蒸着後、シャドウマスクによりパターニングして陰極として厚み100nmのAl真空蒸着法で設けた。
作製した積層体を、窒素ガスで置換したグロ−ブボックス内に入れ、ガラス製の封止缶および紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ製)を用いて封止した。
<有機EL素子の性能評価>
1)外部量子効率
東陽テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させた。その輝度をトプコン社製輝度計BM−8を用いて測定した。発光スペクトルと発光波長は、浜松ホトニクス(株)製スペクトルアナライザーPMA−11を用いて測定した。これらの数値をもとに、輝度が360cd/mにおける外部量子効率を輝度換算法により算出した。
2)駆動電圧
東陽テクニカ(株)製ソースメジャーユニット2400を用いて、直流電圧を各素子に印加し、発光させた。素子に流す電流値が10mA/cmとなったときの電圧を駆動電圧として測定した。
3)駆動耐久性:輝度半減時間
各素子を輝度360cd/mになるように直流電圧を印加し、連続駆動して輝度が180cd/mになるまでの時間を測定した。この輝度半減時間をもってして駆動耐久性の指標とした。
得られた結果を下記の表1にまとめた。また実施例1〜18及び比較例1で用いた材料のイオン化ポテンシャル(Ip)、電子親和力(Ea)、最低三重項励起準位(T1)の値を表2に示した
〔実施例2〜16〕
実施例1において、発光層のホスト材料及び発光材料を下記表1に示した材料で置き換える以外は実施例1と同じ方法で有機EL素子を作製し、実施例1と同じ方法で評価した。評価した結果を表1に示した。
なお、表1および表2における発光材料の番号は、前記した一般式(C−3)の例示化合物の項で示した番号である。
〔実施例17〕
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上に酸化インジウム錫(以後、ITOと略記)を100nmの厚さで蒸着し製膜したもの(東京三容真空(株)製)を透明支持基板とした。この透明支持基板をエッチング、洗浄した。
この上に正孔注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で160nm設けた。正孔注入層は化合物H−28及びF4−TCNQを化合物H−28に対してF4−TCNQが1.0質量%となるように共蒸着した。
その上に第一正孔輸送層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で10nm設けた。正孔輸送材料はα−NPDとした。
この上に第二正孔輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で3nm設けた。第二正孔輸送層の材料は前記化合物aで表される材料とした。
この上に発光層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で30nm設けた。
発光層に用いたホスト材料として、前記(H−27)、発光材料としては前記(5)とした。ホスト材料と発光材料の質量比は85/15とし共蒸着した。
発光層の上に第一電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で10nm設けた。第一電子輸送材としてはBAlqとした。
この上に第二電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で30nm設けた。第二電子輸送層はBCPのLiを1%ドープしたものとした。
さらにこの上に実施例1と同じ方法でLiF、陰極Alを蒸着成膜し、実施例と同じ方法で封止、評価した。その結果を表1に示した。表1および表2における発光材料の番号は、前記した一般式(C−3)の例示化合物の項に例示した化合物に付与した番号である。
〔実施例18〕
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上に銀を25nmの厚さで蒸着製膜し、半反射半透明陽極とした。
この上に第一正孔注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で20nm設けた。第一正孔注入層として、2−TNATAにMoOを質量比で30%ドープしたものとした。
この上に第二正孔注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で230nm設けた。正孔注入層は前記化合物(H−28)およびF4−TCNQを前記化合物(H−28)に対してF4−TCNQが1.0質量%となるように共蒸着した。
その上に正孔輸送層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で10nm設けた。正孔輸送材料はα−NPDとした。
この上に第二正孔輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で3nm設けた。第二正孔輸送層の材料は前記化合物(a)で表される材料とした。
この上に発光層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で30nm設けた。
発光層に用いたホスト材料として前記(H−27)、発光材料としては前記(5)とした。ホスト材料と発光材料の質量比は85/15とし共蒸着した。
発光層の上に第一電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で10nm設けた。第一電子輸送材としてはBAlqとした。
この上に第二電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で20nm設けた。第二電子輸送層はBCPのLiを1%ドープしたものとした。
さらに、LiFを厚み1nmに蒸着後、シャドウマスクによりパターニングして陰極として厚み100nmのAl真空蒸着法で設けた。
以上のようにして共振器型有機EL素子を作製した。本素子を実施例と同じ方法で封止、評価した。その結果を表1に示した。
〔比較例1〕
実施例2において発光材料を(2)のかわりにfac−トリス[2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナンスリジン]イリジウム(III)(「比較のIr錯体A」と略記する)を用いる以外は実施例2と同じ方法で素子を作製し、実施例2と同じ方法で評価した。
上記の結果から、本発明の有機電界発光素子は、比較例に比べて、外部量子効率、電圧、耐久性いずれの点でも優れていることがわかる。
実施例1〜16の中では、実施例6に示したホスト材料(H−27)と、発光材料として一般式(C−3)の例示化合物の項に例示した化合物(5)の組み合わせが耐久性の点で最も優れていた。
また、実施例17で示したように、実施例2と比較して電子輸送層BCPにLiドープした電子輸送層を用いることにより、駆動電圧を低下させ、さらに耐久性が向上することがわかる。
また、さらに実施例18に示したように共振器構造をとることにより、外部量子効率を大幅に向上することができる。
〔実施例19〕
実施例1において発光材料である一般式(C−3)の例示化合物の項に例示した化合物(2)の化合物を、一般式(C−4B)の例示化合物の項に例示した化合物(24)に変えた以外は実施例1と同じ方法で有機EL素子を作製し、実施例1と同じ方法で評価した。評価した結果を表3に示した。
〔実施例20〜28〕
実施例1において、ホスト材料または発光材料を下記表3に示した材料で置き換える以外は実施例1と同じ方法で有機EL素子を作製し、実施例1と同じ方法で評価した。評価した結果を表3に示した。なお、表3における発光材料の番号は、前記した一般式(C−4A)の例示化合物の項に例示した化合物に付与した番号である。
〔実施例29〕
実施例20において、発光層までは実施例と同じ方法で作製した。
発光層の上に第一電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で10nm設けた。第一電子輸送材としてはBAlqとした。
この上に第二電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で30nm設けた。第二電子輸送層はBCPのLiを1%ドープしたものとした。
さらにこの上に実施例1と同じ方法でLiF、陰極Alを蒸着成膜し、実施例1と同じ方法で封止、評価した。その結果を表3に示した。
〔実施例30〕
25mm×25mm×0.7mmのガラス基板上に銀を25nmの厚さで蒸着製膜し、半透明陽極とした。
この上に第一正孔注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で20nm設けた。第一正孔注入層として、2−TNATAにMoOを質量比で30%ドープしたものとした。
この上に第二正孔注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で230nm設けた。正孔注入層は4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATAと略記する)および2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQと略記する)を2−TNATAに対してF4−TCNQが1.0質量%となるように共蒸着した。
その上に第一正孔輸送層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で10nm設けた。正孔輸送材料はα−NPDを用いた。
この上に第二正孔輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で3nm設けた。階段層の材料は前記化合物aで表される材料を用いた。
この上に発光層を真空蒸着法で製膜速度1オングスローム/秒の速度で30nm設けた。
発光層に用いたホスト材料として、実施例20で用いたホスト材料、発光材料としては前記した一般式(C−4A)の例示化合物の項に例示した化合物(24)とした。ホスト材料と発光材料の質量比は85/15とし共蒸着した。
続いて、発光層の上に、電子輸送層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で39nm設けた。電子輸送材料はBAlqを用いた。
電子輸送層の上に薄膜有機電子注入層を真空蒸着法により、製膜速度1オングスローム/秒の速度で1nm設けた。薄膜電子注入材料はBCPを用いた。
さらに、LiFを厚み1nmに蒸着後、シャドウマスクによりパターニングして陰極として厚み100nmのAl真空蒸着法で設けた。
以上のようにして共振器型有機EL素子を作製した。本素子を実施例と同じ方法で封止、評価した。その結果を表3に示した。
なお、実施例19〜30で用いた材料のイオン化ポテンシャル(Ip)、電子親和力(Ea)、最低三重項励起準位(T1)の値を表4に示した。表3および表4の発光材料の番号は、前記した一般式(C−4A)の例示化合物の項に例示した化合物の番号を示す。
表3に示された結果から、本発明の有機電界発光素子は外部量子効率、電圧、耐久性いずれの点でも優れていることがわかる。
なかでも実施例22に示したホスト材料H−27と発光材料である一般式(C−4A)の例示化合物の項に例示した化合物24との組み合わせが耐久性の点で最も優れている。
また、実施例29で示したように、実施例20と比較して電子輸送層BCPにLiドープした電子輸送層を用いることにより、駆動電圧を低下させ、さらに耐久性が向上することがわかる。
また、さらに実施例30に示したように共振器構造をとることにより、外部量子効率を大幅に向上することができる。
〔実施例31〕
実施例2において、第二正孔輸送層の材料を下記化合物Aに置き換える以外は、実施例2と同じ方法で有機EL発光素子を作製し、実施例1と同じ方法で評価した。
〔実施例32〕
実施例13において、第一正孔輸送層の材料を下記化合物bに置き換える以外は、実施例13と同じ方法で有機EL発光素子を作製し、実施例1と同じ方法で評価した。
〔実施例33〜36〕
実施例14において、第一正孔輸送層の材料および発光材料を下記表に示した材料に置き換える以外は実施例14と同じ方法で有機EL発光素子を作製し、実施例1と同じ方法で評価した。
〔実施例37〜38〕
実施例14において、第一正孔輸送層の材料および発光材料を下記表に示した材料に置き換え、かつ、ホスト材料と発光材料の質量比を90/10とする以外は実施例14と同じ方法で有機EL発光素子を作製し、実施例1と同じ方法で評価した。
実施例31〜38で用いた化合物を下記に示す。また、得られた評価結果をまとめて表5に示す。
表5から、実施例32、34、36、および38は、第一正孔輸送層がα-NPDである実施例31、33、35、および38にそれぞれ比べて、駆動電圧が低電圧化し、且つ耐久性が向上したことがわかる。
〔実施例39〕
実施例1で用いた透明支持基板をエッチング、洗浄し、この上に第1正孔注入層として、前記一般式(VII)で表される化合物である構造式(3)の化合物を、製膜速度1オングスローム/秒の速度で40nm設けた。第2正孔注入層として、前記α−NPDを5nm、次いで化合物Aを3nm、発光層として化合物Cを15質量%含む化合物Bを用いて30nmの厚みで設けた。
この上にBAlqを55nm設け、さらにBCPを厚み1nm、次いで、LiFを厚み5nmで蒸着後、シャドウマスクによりパターニングして陰極として厚み70nmのAl真空蒸着法で設けた。
作製した積層体を、窒素ガスで置換したグロ−ブボックス内に入れ、ガラス製の封止缶および紫外線硬化型の接着剤(XNR5516HV、長瀬チバ製)を用いて封止した。
〔実施例40〕
各層の材料を表6のように変更し、実施例39と同様にして、有機EL素子を作製した。
〔実施例41〕
実施例39において実施例39の発光層を設けた基板上に、さらに発光層として化合物Hを2質量%含む化合物Gを用いて30nmの厚みで赤色の発光層を設け、その上に実施例39と同様にして電子輸送層、電子注入層を設けた。
得られた実施例39および40の有機EL素子を用いて、実施例1と同様の評価を行い、結果を表7にまとめた。ただし、量子効率は、輝度が10mA/cmにおける外部量子効率を算出した。
なお、実施例39〜41において用いた材料は前記した化合物であるが、新たに用いた材料を下記に示す。表6で各層の( )内は厚み(単位:nm)である。
表7から、一般式(VII)の化合物を正孔注入層に用いると、量子効率が向上すると共に、駆動耐久性が向上し、好ましい態様であることがわかる。
〔実施例42〜実施例51、比較例2〜比較例3〕
有機EL素子の構成を表8のように変え、その有機EL素子の構成において、さらに発光材料を表9のように変更し、他は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子の評価は、実施例1と同様に行った。結果を表9に示す。
また、表8に示した白金錯体を使用した青色発光材料、および緑色発光材料で形成した発光層と共に、Ir錯体を含む赤色発光材料、およびホスト材料を用いて有機EL素子を作製した。
なお、表8および表9に用いた材料は前記した化合物であるが、新たに用いた材料を下記に示す。また、表8における発光材料は、表9に示した各発光材料を示し、表8のホスト材料は、表9に示す各ホスト材料を示す。表8で各層の( )内は厚み(単位:nm)である。
NPB:N,N'-ジフェニル-N,N'-ビス(1-ナフチル)-(1,1'-ビフェニル)-4,4'-ジアミン
TCTA:4,4',4''-トリ(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン
Bebq2:ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム
Liq:リチウムキノレート
表9から、第1の化合物であるTSTAを正孔注入層に用い、電子移動層、および電子注入層に第2の化合物であるBebq2を用いて、本発明の一般式(C−1)に相当する化合物を発光材料として用いた実施例は、いずれも量子効率が向上すると共に、駆動耐久性が向上し、好ましい態様であることがわかる。
〔実施例52〜63、比較例4、5〕
有機EL素子の構成を、実施例1と類似の方法で、表10のような構成にして、緑色発光層、青色発光層、および赤色発光層などを逐次積層して有機EL素子を作製した。
表10で赤色層の燐光材料はIr(piq)2(acac)、青色層の燐光材料は化合物D、青色層の蛍光材料はBPTA、緑色層の燐光材料は、Ir(ppy)3、緑色層の蛍光材料はC545Tをそれぞれ用いた。
また、青色層のホスト欄で2種を記載したものは、質量比で77/23のものを用いたことを示す。
なお、表10に用いた材料は前記した化合物であるが、新たに用いた材料を下記に示す。
Ir(piq)2(acac):bis (1-(phenyl)isoquinoline) iridium (III) acetylanetonate
Ir(ppy)3:tris (2-phenylpyridine) iridium
BPTA:l,10-bis(2-pyrazinylcarbonyl)-l,4,7,10-tetraazadecane
C545T:10-(2-Benzothiazolyl)-2, 3, 6, 7-tetrahydro-1,1,7,7-tetramethyl-1H,5H,11H-(1)-benzopyropyrano(6,7-8-I,j)quinolizin-11-one
m−MTDATA:4,4',4''-Tris(N-3-methylphenyl-N-phenylamino)triphenylamine
このようにして得られた有機EL素子を用いて、外部量子効率は実施例1と同様の方法で4000nitにおける値を測定し、また、下記に示す方法によって、色度、電流効率、および電力効率を評価し、結果は合わせて表12に記載した。
−色度の測定方法−
ケースレー社製ソースメーター2400を用いて素子を駆動させながら、株式会社トプコン製SR−3を用いて測定角度0.2°で素子正面の放射スペクトルを測定し、SR−3付属ソフトであるCS−900で色度計算を行った。
−電流効率の測定方法−
ケースレー社製ソースメーター2400を用いて素子を駆動させながら、株式会社トプコン製SR−3を用いて駆動電流に対する輝度を測定した。
−電力効率の測定方法−
同様に駆動電流、電圧に対する光束を測定した。
表12から本発明の一般式(C−1)に相当する化合物を発光材料として用いた実施例は、いずれも電流効率が良好で、外部量子効率に優れ、電力効率も高いことがわかる。

Claims (11)

  1. 一対の電極間に、発光層を含む少なくとも一層の有機化合物層を挟持し、該発光層が下記一般式(C−1)で表される化合物を含有する有機電界発光素子。

    一般式(C−1)中、Q、Q、QおよびQはそれぞれ独立にPtに配位する配位子を表す。L、LおよびLはそれぞれ独立に単結合または二価の連結基を表す。
  2. 前記一般式(C−1)で表される化合物が、下記一般式(C−2)で表される化合物である請求項1に記載の有機電界発光素子。

    一般式(C−2)中、L21は単結合または二価の連結基を表す。A21およびA22はそれぞれ独立にCまたはNを表す。Z21およびZ22はそれぞれ独立に窒素原子と共に含窒素芳香族ヘテロ環を形成する。Z23およびZ24はそれぞれ独立にA21およびA22と共にベンゼン環または芳香族ヘテロ環を形成する。
  3. 前記一般式(C−2)で表される化合物が、下記一般式(C−3)で表される化合物である請求項2に記載の有機電界発光素子。

    一般式(C−3)中、A301〜A313は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L31は単結合または二価の連結基を表す。
  4. 前記一般式(C−2)で表される化合物が、下記一般式(C−4A)で表される化合物である請求項2に記載の有機電界発光素子。

    一般式(C−4A)中、A401〜A414はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L41は単結合または二価の連結基を表す。
  5. 前記一般式(C−4A)で表される化合物が、下記一般式(C−4B)で表される化合物である請求項4に記載の有機電界発光素子。

    一般式(C−4B)中、A408、A412はそれぞれ独立にC−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。RC1〜RC16は水素原子または置換基を表す。
  6. 前記一般式(C−2)で表される化合物が、下記一般式(C−5)で表される化合物である請求項2に記載の有機電界発光素子。

    一般式(C−5)中、A501〜A512は、それぞれ独立に、C−RまたはNを表す。Rは水素原子または置換基を表す。L51は単結合または二価の連結基を表す。
  7. 前記有機化合物層が、下記一般式(I)で示されるアミン化合物を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。

    一般式(I)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。R11およびR12はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換あるいは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基,総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n1は1〜3の整数を示す。
  8. 前記有機化合物層が、下記一般式(II)で示されるアミン化合物を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。

    一般式(II)中、Arは、複数存在するときは、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の単環式または縮合環式の芳香族炭化水素基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。複数存在するR13は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数20以下の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基,総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n2は、1または2を示す。
  9. 前記有機化合物層が、下記一般式(IV)で示されるアミン化合物を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。

    一般式(IV)中、Ar〜Arは、それぞれ独立に、炭素数6〜30の置換あるいは無置換のアリール基、または置換もしくは無置換のチエニル基を示す。Ar〜Arのうち、少なくとも一つは置換もしくは無置換のチエニル基を示す。R15〜R20はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基を示す。R19とR20とは環状構造を形成してもよい。
  10. 前記有機化合物層が、下記一般式(VI)で示されるアミン化合物を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。

    一般式(VI)中、Ar10〜Ar15は、それぞれ独立に、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。R21〜R26はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のカルボニルエステル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルキル基、炭素数2〜20の置換もしくは無置換のアルケニル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換のアルコキシル基、シアノ基、ニトロ基、総炭素数6〜20の炭素環式芳香族基、または総炭素数3〜20の複素環式芳香族基を示す。n3は1、2または3を示す。
  11. 前記有機化合物層が、下記一般式(VII)で示されるアミン化合物を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の有機電界発光素子。

    一般式(VII)中、R31〜R40は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数3〜20の置換もしくは無置換のシクロアルキル基、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のヘテロシクロアルキル基、炭素数1〜20の置換もしくは無置換の直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアラルキル基、または炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。YおよびYは、それぞれ独立に酸素原子または硫黄原子を表し、Ar16およびAr17は、それぞれ独立して、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、または炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロアリール基を表す。
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