JP2011071427A - 接着剤層付き半導体チップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、ウエハ上のバンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、前記バンプの表面と前記接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記接着剤層を表面平坦化する工程と、表面平坦化された前記接着剤層を有する前記ウエハをダイシングする工程とを有し、前記表面平坦化する工程を、該表面平坦化する工程における加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの前記接着剤層の弾性率が5MPa以上となる条件下で行い、前記ダイシングする工程を、該ダイシングする工程における加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの前記接着剤層の弾性率が300MPa以下となる条件下で行う接着剤層付き半導体チップの製造方法。
【選択図】なし
Description
フリップチップ実装に用いるための半導体チップの製造方法においては、複数のバンプを有するウエハが用いられ、例えば、ウエハ上のバンプが埋もれるように予め接着剤層を形成し、バンプ及び接着剤層の表面を平坦化した後、ウエハを接着剤層ごとダイシングして個々の接着剤層付き半導体チップに分割する工程が行われる。ダイシングにより個別化された接着剤層付き半導体チップは、基板又は他の半導体チップにボンディングされるとともにバンプを介して電気的に接続される。
特許文献1には、同文献に記載の方法は、バンプの表面を安価に高速で平坦化し、バンプ同士の接続を、ディッシング等の不都合を発生させることなく容易かつ確実に行うことを可能とすることが記載されている。
以下、本発明を詳述する。
上記バンプは特に限定されないが、特に、金、銅、銀−錫ハンダ等からなるバンプが好ましい。
上記熱硬化性化合物は特に限定されないが、エポキシ樹脂を含有することが好ましい。上記エポキシ樹脂は特に限定されないが、得られる熱硬化性接着剤組成物の製膜性、及び、得られる接着剤層のせん断弾性率調整のために、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、固形ビスフェノール型エポキシ樹脂等の固形エポキシ樹脂、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の液状エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、結晶性ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂等の結晶性エポキシ樹脂が好ましい。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマーは特に限定されず、例えば、アミノ基、ウレタン基、イミド基、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基等を有する樹脂が挙げられる。なかでも、エポキシ基を有する高分子ポリマーが好ましい。上記熱硬化性化合物が上記エポキシ基を有する高分子ポリマーを含有することで、得られる接着剤層の硬化物は、該エポキシ基を有する高分子ポリマーと上記エポキシ樹脂とが硬化時に架橋することにより、優れた耐熱性を有することができる。
上記酸無水物系硬化剤を用いることで、得られる接着剤層の硬化物の酸性度を中和することができ、電極の信頼性を高めることができる。また、上記酸無水物系硬化剤は熱硬化速度が速いため、得られる接着剤層の硬化物におけるボイドの発生を効果的に低減することができ、高い接着信頼性を実現することができる。
また、触媒として機能する熱硬化剤を用いる場合には、上記熱硬化剤の配合量は、上記熱硬化性化合物100重量部に対する好ましい下限が1重量部、好ましい上限が20重量部である。上記熱硬化剤の配合量が1重量部未満であると、得られる接着剤層は、充分に硬化しないことがある。上記熱硬化剤の配合量が20重量部を超えても特に接着剤層の硬化性に寄与しない。
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、3級アミン系硬化促進剤等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、硬化速度や硬化物の物性等の調整をするための反応系の制御をしやすいことから、イミダゾール系硬化促進剤が好ましい。
上記250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化される光重合開始剤として、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、本明細書中、表面平坦化する工程における加工環境温度とは、表面平坦化する工程における加工ステージ、切削水等の温度を意味する。上記表面平坦化する工程においては、加工熱が生じることによって上記接着剤層の温度は加工環境温度よりも25℃程度高くなっていることから、バイトの磨耗を抑制するためには、加工環境温度ではなく、加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの上記接着剤層の弾性率を調整する必要がある。
この際、上記表面平坦化する工程における加工環境温度として−20〜60℃の範囲内で温度条件を設定することが好ましい。加工環境温度が−20℃未満であると、凍結防止剤を含有する切削水を用いても凍結することがある。加工環境温度が60℃を超えると、ステージの平坦度が安定して得られないことがある。
上記接着剤層の弾性率が、上記表面平坦化する工程を行う際に既に上述した範囲内に入っている場合には、必ずしも、改めて上記接着剤層の弾性率を再調整する必要はない。
上記切削加工する方法は特に限定されず、例えば、サーフェースプレーナー DFS8910(DISCO社製)等のバンプの表面平坦化に通常用いられる切削加工装置を用いる方法等が挙げられる。
なお、上記表面平坦化を行う前は、上記バンプは上記接着剤層に埋もれているが、上記表面平坦化を行うことで、上記接着剤層が切削されるとともに上記バンプも切削され、上記バンプの表面と上記接着剤層の表面とが連続して平坦となる。本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては、上記表面平坦化する工程を上記接着剤層の弾性率が5MPa以上となる条件下で行うことで、バイトの磨耗を抑制しながら上記バンプ及び上記接着剤層を一括して良好に切削加工し、表面平坦化することができる。更に、上記表面平坦化する工程を上記接着剤層の弾性率が1000MPa以下となる条件下で行うことで、上記接着剤層が硬すぎることによるバイトの磨耗及び欠けを抑制することができる。
また、本明細書中、ダイシングする工程における加工環境温度とは、ダイシングする工程における加工ステージ、切削水等の温度を意味する。上記ダイシングする工程においては、加工熱が生じることによって上記接着剤層の温度は加工環境温度よりも25℃程度高くなっていることから、半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き及び欠けを抑制するためには、加工環境温度ではなく、加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの上記接着剤層の弾性率を調整する必要がある。
この際、上記ダイシングする工程における加工環境温度として−20〜60℃の範囲内で温度条件を設定することが好ましい。加工環境温度が−20℃未満であると、凍結防止剤を含有する切削水を用いても凍結することがある。加工環境温度が60℃を超えると、ステージの平坦度が安定して得られないことがある。
上記接着剤層の弾性率が、上記ダイシングする工程を行う際に既に上述した範囲内に入っている場合には、必ずしも、改めて上記接着剤層の弾性率を再調整する必要はない。
また、表面平坦化された上記接着剤層を有する上記ウエハをダイシングする際には、ダイシングテープを用いることが好ましい。上記ダイシングテープは、上記ウエハを固定又は保護することを目的として、上記ウエハの裏面側に貼付されて用いられる。
本発明の接着剤層付き半導体チップの製造方法においては、上記ダイシングする工程を上記接着剤層の弾性率が300MPa以下となる条件下で行うことで、ダイシング時に半導体チップの端部で生じる接着剤層の浮き、欠け等が抑制される。そのため、得られる半導体装置において接着剤未充填部分が生じることがなく、半導体装置の高信頼性を実現することができる。
(1)接着剤層の形成
下記の材料を用いて、表1に示す熱硬化性接着剤組成物を調製した。
BPA(ビスフェノールA)型エポキシ(1004AF、ジャパンエポキシレジン社製)
ビフェニル型エポキシ(YX−4000H、ジャパンエポキシレジン社製)
(エポキシ樹脂と反応する官能基を有する固形ポリマー(固形ポリマー))
MMA(メチルメタクリレート)、GMA(グリシジルメタクリレート)の共重合体(分子量20万)(G−2050M、日油社製)
(熱硬化剤)
3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(YH−306、ジャパンエポキシレジン社製)
(硬化促進剤)
2,4−ジアミノ−6−[2’メチルイミダゾリン−(1’)]−エチルs−トリアジンイソシアヌル酸付加物(2MAOK、四国化成工業社製)
(その他)
シランカップリング材(KBM−573、信越化学工業社製)
溶剤(PEGMEA、和光純薬工業社製)
切削加工装置(DFS8910、DISCO社製)を用いて、表1に示す加工環境温度にて、切削深さ5μmで100枚のシリコンウエハのバンプ及び接着剤層を連続して表面平坦化した。
なお、表面平坦化する工程における加工環境温度、及び、該加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの接着剤層の弾性率は、表1に示すとおりであった。
表面平坦化された接着剤層を有するバンプが形成されているシリコンウエハの裏面をダイシングテープで補強した後、ダイシング装置(DFD6362、DISCO社製)に取りつけ、表1に示す加工環境温度にて、ステップカット(ファーストカット深さ=シリコンウエハ表面から80μm、セカンドカット深さ=ウエハフルカット)にて、シリコンウエハを半導体チップの大きさに切削した。
なお、ダイシングする工程における加工環境温度、及び、該加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの接着剤層の弾性率は、表1に示すとおりであった。
実施例、比較例で得られた接着剤層付き半導体チップについて、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
表面平坦化する工程を行った後、レーザー顕微鏡を用いて切削加工装置(DFS8910、DISCO社製)のダイヤモンドバイトの加工部を観察し、チッピングの有無、及び、磨耗の有無を評価した。
ダイシングする工程を行った後、光学顕微鏡を用いて接着剤層を観察し、シリコンウエハからの接着剤層の浮き、欠けを評価した。
得られた接着剤層付き半導体チップと、基板(表面に上記接着剤層付き半導体チップに形成されたバンプと同配列のハンダプリコートが施されてあり、基板内部及び上記接着剤層付き半導体チップ内部の配線によりデイジーチェインを形成する基板)とを用いてフリップチップ実装(250℃、10秒、5N)を行った。190℃30分にて完全硬化を行った後、60℃、60%RHで40時間吸湿させ、ピーク温度260℃のリフローオーブンに3回通し、半導体チップ−接着剤層−基板の剥がれの評価及び導通試験を行った。なお、8つのサンプルについて上記剥がれ評価及び導通試験を行い、剥がれ及び導通不良が見られた積層体の個数を評価した。上記導通試験については、導通抵抗値が10%以上変化したものを不良とした。
Claims (1)
- フリップチップ実装に用いるための接着剤層付き半導体チップの製造方法であって、
ウエハ上のバンプが埋もれるように接着剤層を形成する工程と、
前記バンプの表面と前記接着剤層の表面とが連続して平坦となるように、バイトを用いた切削加工により前記バンプ及び前記接着剤層を表面平坦化する工程と、
表面平坦化された前記接着剤層を有する前記ウエハをダイシングする工程とを有し、
前記表面平坦化する工程を、該表面平坦化する工程における加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの前記接着剤層の弾性率が5MPa以上となる条件下で行い、
前記ダイシングする工程を、該ダイシングする工程における加工環境温度よりも25℃高い温度に置いたときの前記接着剤層の弾性率が300MPa以下となる条件下で行う
ことを特徴とする接着剤層付き半導体チップの製造方法。
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