JP2011069661A - 半導体薄膜の結晶性評価方法及び結晶性評価装置 - Google Patents

半導体薄膜の結晶性評価方法及び結晶性評価装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体薄膜の膜厚の変動に関わらず、精度良く半導体薄膜の結晶性を評価することができる結晶性評価方法及び結晶性評価装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、半導体薄膜12にキャリアを励起させるための励起光を照射すると共にこの励起光が照射された範囲を含む半導体薄膜12の範囲にマイクロ波を照射して半導体薄膜12からのマイクロ波の反射波の強度を測定し、データ収集用半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用半導体薄膜に前記マイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係を収集し、この収集した膜厚と反射波の強度の値との関係と、半導体薄膜12から得られた励起光及びマイクロ波が照射された範囲の膜厚の値R3aとに基づいて前記得られた測定値R2を補正し、この補正された測定値R2aに基づいて半導体薄膜12の結晶性を評価することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体薄膜の結晶性を評価するための方法及び装置に関する。
近年、液晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下TFTと称す)としては、アモルファスシリコン(a−Si)薄膜を用いた従来のアモルファスシリコン半導体トランジスタ(a−Si TFT)に代わり、多結晶シリコン(p−Si)薄膜を用いた多結晶シリコン半導体薄膜トランジスタ(p−Si TFT)が用いられている。p−Si TFTは、電子移動度の高いシリコン半導体薄膜であり、液晶表示装置の表示の高精細化、高画質化及び応答速度の高速化が実現できる。
p−Si TFTに用いられるp−Si薄膜は、液晶表示装置に用いられるガラス基材等の表面に形成される。基材表面にp−Si薄膜を形成する方法としては、予め基材表面に形成したa−Si薄膜を溶融結晶化してp−Si薄膜に変化させる方法が用いられる。a−Si薄膜を溶融結晶化してp−Si薄膜に変化させる方法としては、a−Si薄膜にエキシマレーザを照射してアニールし、結晶化させるエキシマレーザアニール法(excimer laser anneal法:以下ELA法と称す)が多用されている。しかしながら、ELA法により得られるp−Si薄膜の結晶粒子径や結晶方位等の結晶構造は、予め形成されたa−Si薄膜の膜厚のバラつきや照射するエキシマレーザのパルス変動等の製造条件により変動する。したがって、p−Si薄膜の製造において、安定した品質の製品を高い歩留まりで得るためには、得られたp−Si薄膜の結晶性を製造ラインにおいてオンライン上で短時間で評価し、その結果をp−Si薄膜の製造条件に迅速にフィードバックすることが求められていた。
p−Si薄膜の結晶性を評価する方法として、従来から、X線回折法、ラザフォード後方散乱法、又は透過電子回折法等を用いた方法が知られているが、これらの方法は、何れも測定に比較的長い時間を要したり、測定対象を破壊して測定資料を調製することを要する破壊試験であるために、製造ラインにおいてオンライン上で短時間で評価することが困難であり、その結果、評価結果を迅速に製造条件にフィードバックすることが困難であった。
また、特許文献1のように、ラマン分光法を用いたシリコン半導体薄膜の結晶性の評価方法が知られている。
ラマン分光法を用いたシリコン半導体薄膜の結晶性の評価方法は、測定対象を破壊することを要しない点では優れている。しかしながら、ラマン分光法を用いた結晶性の評価方法で検出するラマン散乱光の強度は、非常に微弱である。したがって、正確な評価結果を得るためには、複数回の測定により測定結果を積算する必要があり、迅速に正確な評価結果を得るという観点からは不充分な測定方法であった。特に、製造ラインにおいて、形成された薄膜をオンライン上で評価し、迅速にその評価結果を製造条件にフィードバックするために採用する方法としては不向きなものであった。
上記各問題点を解決するための方法としては、マイクロ波光伝導減衰法(以下、μ―PCD法と称す)が知られている。μ―PCD法は、半導体薄膜にパルス状の励起光を照射することによって半導体内に光励起キャリアを生成させ、その後に光励起キャリアが再結合することにより減少する際の減少速度をもって半導体薄膜の評価を行うものである。この光励起キャリアの減少速度は、励起光を照射した範囲を含む半導体薄膜の範囲にマイクロ波を照射し、その反射光強度を測定することにより得られる。このようなμ―PCD法を採用することにより、p−Si薄膜を破壊することなく迅速に結晶性の評価が可能となる。
特開2004−226260号公報
しかし、前記のμ―PCD法では、半導体薄膜の厚さが変動すると測定値(即ち、マイクロ波の反射光強度)が変動するため、評価対象箇所における半導体薄膜の厚さが異なると、半導体薄膜が同程度の結晶性を有している場合でも測定値が変動するという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、半導体薄膜の膜厚の変動に関わらず、精度良く半導体薄膜の結晶性を評価することができる結晶性評価方法及び結晶性評価装置を提供することを課題とする。
そこで、上記課題を解消すべく、本発明基材上に成膜された半導体薄膜の結晶性を評価する方法であって、前記半導体薄膜にキャリアを励起させるための励起光を照射すると共に、この励起光が照射された範囲を含む前記半導体薄膜の範囲にマイクロ波を照射する第1の照射工程と、前記半導体薄膜からの前記マイクロ波の反射波の強度を測定する第1の測定工程と、データ収集用半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用半導体薄膜に前記マイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係を収集するデータ収集工程と、前記第1の照射工程で励起光及びマイクロ波が照射される前記半導体薄膜の範囲に、少なくとも前記励起光が照射されていないときに測定光を照射する第2の照射工程と、前記第2の照射工程で照射された測定光の前記半導体薄膜からの反射光を測定する第2の測定工程と、前記第2の測定工程で測定された反射光の強度の測定値に基づいて前記励起光及び前記マイクロ波が照射される範囲の半導体薄膜の膜厚を導出する導出工程と、前記データ収集工程で収集された膜厚と反射波の強度との関係と、前記導出工程で導出された膜厚の値とに基づいて前記第1の測定工程で得られた測定値を補正する補正工程と、この補正工程で補正された測定値に基づいて前記半導体薄膜の結晶性を評価する評価工程とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、データ収集用半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用半導体薄膜にマイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係を収集し、この膜厚と反射波の強度の値との関係を利用して第1の測定工程で測定されたマイクロ波の反射波の強度の測定値を補正することにより、半導体薄膜の膜厚の変動に関わらず、精度良く結晶性の評価を行うことが可能となる。
具体的に、補正工程において、前記反射波の測定値が得られた半導体薄膜の部位の膜厚を所定の膜厚とした場合に、この膜厚の違いに起因する反射波の強度の測定値の変動値をデータ収集工程で求めた前記膜厚と反射波の強度の値との関係と、励起光及びマイクロ波が照射された範囲の半導体薄膜の膜厚の値とから求め、この変動値を用いて第1の測定工程で得られた測定値を補正することにより、前記反射波の測定値から半導体薄膜の膜厚変動に起因して変動する前記反射波の強度変化の影響が取り除かれる。その結果、前記補正後の測定値に基づいて結晶性を評価することにより、半導体薄膜の膜厚の変動に関わらず、精度良く結晶性の評価を行うことができる。
また、第2の照射工程において、前記第1の照射工程で励起光及びマイクロ波が照射される前記半導体薄膜の範囲に、少なくとも励起光が照射されていないときに測定光を照射し、その反射光を第2の測定工程で測定することによって半導体薄膜の膜厚を非破壊且つ非接触で測定することができ、これにより基材上に成膜された半導体薄膜の状態を変化させることなく膜厚測定を行うことができる。
尚、前記の半導体薄膜の結晶性評価方法を行う場合、前記データ収集工程が前記第1の照射工程及び前記第2の照射工程よりも前に行われるのが好ましい。このように各膜厚のデータ収集用半導体薄膜での反射波の強度の値を予め求めておくことで、より迅速に半導体薄膜の結晶性評価を行うことが可能となる。また、互いに異なる複数のデータ収集用半導体薄膜を準備しておく必要もなくなる。
また、前記第1の照射工程では、前記励起光の照射範囲と前記励起光の照射範囲外とにそれぞれ前記マイクロ波を照射し、前記第1の測定工程は、前記照射範囲からの反射波から前記照射範囲外からの反射波を差し引いた差動信号を導出する差動信号導出工程と、この差動信号導出工程で導出された差動信号の強度を測定する差動信号測定工程とを有するのが好ましい。
かかる構成によれば、励起光の照射範囲を含む半導体の範囲だけにマイクロ波を照射してその反射波を測定する場合に比べ、より精度よく結晶性を評価することができる。即ち、半導体薄膜上において、励起光の照射によりキャリアが生成されマイクロ波の反射率が増加した部位での反射波と、励起光が照射されず前記反射率が変化していない部位での反射波との両反射波から導出した差動信号の強度を測定することにより、半導体薄膜からの微弱な反射波の強度の変動を高感度に測定することが可能となる。
また、上記課題を解消すべく、本発明は、基材上に成膜された半導体薄膜の結晶性を評価するための装置であって、前記半導体薄膜にキャリアを励起させるための励起光を照射する励起光照射手段と、前記励起光が照射された範囲を含む前記半導体薄膜の範囲にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、前記半導体薄膜からの前記マイクロ波の反射波の強度を測定するマイクロ波測定手段と、前記励起光及び前記マイクロ波が照射される前記半導体薄膜の範囲に少なくとも前記励起光が照射されていないときに測定光を照射する測定光照射手段と、前記半導体薄膜からの前記測定光の反射光を測定する測定光測定手段と、この測定光測定手段で測定された測定値に基づいて前記測定光が照射された範囲の前記半導体薄膜の膜厚を導出する膜厚導出手段と、予め収集されたデータ収集用半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用半導体薄膜に前記マイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係を格納しておく第1の記憶手段と、この第1の記憶手段に格納されている膜厚と反射波の強度の値との関係と、前記膜厚導出手段で導出された膜厚の値とに基づいて、前記マイクロ波測定手段で測定された測定値を補正する補正手段と、前記補正手段で補正された測定値に基づいて前記半導体薄膜の結晶性を評価する評価手段と、前記評価手段で評価された前記半導体薄膜の結晶性の評価を出力する出力手段とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、第1の記憶手段に格納された予め収集されたデータ収集用半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用半導体薄膜に前記マイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係を利用して補正手段によって補正することにより、マイクロ波測定手段で測定されたマイクロ波の反射波の強度の測定値から半導体薄膜の膜厚変動に起因する前記反射波の強度変動の影響が取り除かれ、これにより半導体薄膜の膜厚の変動に関わらず迅速に精度良く結晶性の評価を行うことが可能となる。
しかも、測定光照射手段によって測定光を照射し、その反射光の強度を測定光測定手段で測定することによって非破壊且つ非接触で半導体薄膜の膜厚を測定することができるため、当該半導体薄膜の状態を変化させることなく膜厚測定を精度よく行うことができる。
さらに、出力手段によって半導体薄膜の評価の結果が出力されることで、半導体薄膜の製造ラインにおいて前記評価結果を迅速に製造条件にフィードバックすることが可能となる。
本発明に係る半導体薄膜の結晶性評価装置においては、前記測定光照射手段は、単一波長の測定光を照射可能に構成され、前記測定光測定手段は、前記半導体薄膜で反射するときに多重干渉した前記測定光の反射光の強度を測定するように構成されるのが好ましい。
このように単一波長の測定光を照射して半導体薄膜で多重干渉させることにより形成される定常波を前記反射波としてその強度を測定し、その測定値から膜厚を導出することにより、多波長の測定光を照射してその反射光から膜厚を導出する場合に比べ、膜厚導出手段の構成を簡素化できると共に膜厚の導出を短時間で行うことが可能となる。そのため、半導体薄膜の製造ラインにおいてオンライン上で短時間で半導体薄膜の膜厚を導出することが可能となり、これによりオンライン上で結晶性評価を短時間で行うことが可能となる。その結果、結晶性の評価結果をより迅速に製造条件にフィードバックすることが可能となる。
また、前記励起光照射手段は、前記励起光を放射する励起光放射部と、この励起光放射部から放射される励起光を所定の周期で強度変調する変調部とを有し、前記マイクロ波測定手段は、前記半導体薄膜からの前記マイクロ波の反射波から前記変調部での励起光の強度変調に同期した周期成分を抽出する第1の抽出部と、この第1の抽出部で抽出された周期信号の強度を測定する周期信号測定部とを有するのが好ましい。
かかる構成によれば、励起光を所定の周期で強度変調し、反射波から前記強度変調に同期した周期成分を抽出してこれを測定することによって、感度よく信号強度を測定することが可能となり、励起光放射部の小型化を図ることが可能となる。即ち、反射波から前記強度変調に同期した周期成分を抽出してその強度を測定することによって、半導体薄膜からの微弱な反射波の強度の変動を感度よく測定することが可能となるため、励起光を強度変調せずに照射する構成と比べ、出力の小さな小型の励起光放射部を用いても同程度の精度で結晶性を評価することができる。一方、前記強度変調しない構成に比べて同程度の出力の励起光放射部を用いる場合には、より精度よく結晶性の評価をすることができる。
また、前記マイクロ波照射手段は、前記半導体薄膜のうち、前記励起光の照射範囲と前記励起光の照射範囲外とにそれぞれ前記マイクロ波を照射するように構成され、前記マイクロ波測定手段は、前記照射範囲からのマイクロ波の反射波から前記照射範囲外からのマイクロ波の反射波を差し引いた差動信号を導出する差動信号導出部と、この差動信号導出部で導出された差動信号の強度を測定する差動信号測定部とを有するのが好ましい。
かかる構成によれば、半導体薄膜上において、励起光の照射によりキャリアが生成されマイクロ波の反射率が増加した部位での反射波と、励起光の照射されていない前記反射率が変化していない部位での反射波との両反射波から導出した差動信号の強度を測定することにより、半導体薄膜からの微弱な反射波の強度の変動を高感度に測定することが可能となり、その結果より精度よく結晶性を評価することができる。
尚、マイクロ波を励起光の照射範囲と照射範囲外とに照射する構成の場合も、励起光を所定の周期で強度変調し、反射波から前記強度変調に同期した周期成分を抽出してこれを測定するのがより好ましい。具体的に、前記励起光照射手段は、前記励起光を放射する励起光放射部と、この励起光放射部から放射される励起光を所定の周期で強度変調する変調部とを有し、前記マイクロ波測定手段は、前記差動信号導出部で導出された差動信号から前記変調部での励起光の強度変調に同期した周期成分を抽出する第2の抽出部をさらに有し、前記差動信号測定部は、前記第2の抽出部で前記差動信号から抽出された周期信号の強度を測定するのが好ましい。
このように励起光を所定の周期で強度変調し、反射波から前記強度変調に同期した周期成分を抽出してこれを測定することによって感度よく信号強度を測定することが可能となるため、前記強度変調しない構成に比べ、出力の小さな小型の励起光放射部を用いても同程度の精度で結晶性を評価することができ、これにより励起光放射部の小型化を図ることが可能となる。一方、前記強度変調しない構成に比べ、同程度の出力の励起光放射部を用いる場合には、より精度よく結晶性の評価をすることができる。
また、前記半導体薄膜が成膜された基材が配置されるステージと、前記励起光と前記マイクロ波とで前記半導体薄膜を走査可能に前記励起光照射手段及び前記マイクロ波照射手段と前記ステージとを相対移動させる第1の駆動手段と、前記測定光で前記半導体薄膜を走査可能に前記測定光照射手段と前記ステージとを相対移動させる第2の駆動手段と、前記半導体薄膜の各位置における前記マイクロ波測定手段で測定された測定値とこの測定値を導出するために前記励起光及び前記マイクロ波が照射された前記半導体薄膜上の位置情報とを関連付けてそれぞれ格納する第2の記憶手段と、前記半導体薄膜の各位置における前記膜厚導出手段で導出された膜厚の値とこの膜厚を導出するために前記測定光が照射された前記半導体薄膜上の位置情報とを関連付けてそれぞれ格納する第3の記憶手段とを備え、前記補正手段は、前記第2の記憶手段に格納された前記半導体薄膜の各位置での前記マイクロ波測定手段での測定値を、前記第3の記憶手段に格納された前記マイクロ波測定手段での測定値が測定された位置の膜厚の値と、前記第1の記憶手段に格納されている前記膜厚と反射波の強度の値との関係とに基づいてそれぞれ補正するように構成されるのが好ましい。
かかる構成によれば、半導体薄膜上の各位置におけるマイクロ波の反射波の測定と膜厚の測定とが可能となり、これにより当該半導体薄膜上の各位置における結晶性の評価を行うことが可能となる。また、第2及び第3の記憶手段が設けられることで、励起光照射手段及びマイクロ波照射手段と測定光照射手段とが別々に半導体薄膜上を走査しても各位置での結晶性評価を行うことができる。そのため、共通の半導体薄膜上において、励起光照射手段及びマイクロ波照射手段による走査と、測定光照射手段とによる走査とが異なる位置で同時に行うことが可能となり、励起光照射手段及びマイクロ波照射手段による走査と測定光照射手段とによる走査とにおいて一方の走査が終了した後、他方の走査が行われる場合に比べ、半導体薄膜上の各位置の結晶性評価を短時間で行うことが可能となる。
即ち、第2及び第3の記憶手段が設けられることにより、これら記憶手段に半導体薄膜の各位置におけるマイクロ波の反射波の強度の測定値と膜厚の値とが位置情報と共に出し入れ自由に格納されるため、半導体薄膜上の異なる位置において前記マイクロ波の反射波の強度の測定と前記膜厚の測定とをそれぞれ同時に行っても、後から同一位置における前記反射波の測定により得られた測定値と前記膜厚の測定により得られた膜厚の値とを補正手段が各記憶手段から引き出して利用することができる。
以上より、本発明によれば、半導体薄膜の膜厚の変動に関わらず、精度良く半導体薄膜の結晶性を評価することができる結晶性評価方法及び結晶性評価装置を提供することができる。
第1実施形態に係る半導体薄膜の結晶性評価装置の全体構成を示す概略図である。 前記結晶性評価装置の第1記憶部に格納されている膜厚と反射光の強度との関係を示す図である。 第2実施形態に係る半導体薄膜の結晶性評価装置の全体構成を示す概略図である。 第3実施形態に係る半導体薄膜の結晶性評価装置の全体構成を示す概略図である。
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る半導体薄膜の結晶性評価装置(以下、単に「評価装置」とも称する。)10は、多結晶シリコン半導体薄膜(以下、「p−Si半導体薄膜」と称する。)12の製造ラインに用いられるものであり、図1に示されるような、ガラス基板11とこのガラス基板11上に成膜されたp−Si半導体薄膜12とを有する試料13の前記p−Si半導体薄膜12の結晶性を評価するためのものである。本実施形態に係るガラス基板11としては、縦が730mm、横が920mm、厚さが0.5mmのものが使用される。また、ガラス基板11上に成膜されるp−Si半導体薄膜12は、厚さが50nm程度、屈折率が5.4、消衰係数が2.99(波長350nm)である。
本実施形態に係る評価装置10は、試料13を載置するためのステージ14と、ステージ14上に配置された試料13に励起光を照射するための励起光照射手段15と、試料13にマイクロ波を照射するためのマイクロ波照射手段20と、試料13からの前記マイクロ波の反射波の強度を測定するマイクロ波測定手段30と、試料13に測定光を照射する測定光照射手段40と、試料13からの前記測定光の反射光の強度を測定する測定光測定手段45と、マイクロ波測定手段30及び測定光測定手段45に接続されるコンピュータ50と、このコンピュータから評価結果を外部に出力する出力手段60とを備える。
ステージ14は、試料13のp−Si半導体薄膜12の表面を上に向けた状態で試料13を載置することが可能に構成された金属製の板である。本実施形態では、ステージ14は、アルミニウム製の板で構成されている。このステージ14は、p−Si半導体薄膜12の表面に沿った、x軸方向(図1において紙面の手前から奥に向う方向)とこのx軸に直交するy軸方向(図1において右側に向う方向)とに沿って移動可能に構成され、コンピュータ50によって制御されるステージコントローラ16からの指令信号に基づき駆動手段(図示省略)によって各軸方向に駆動される。
尚、本実施形態において、駆動手段は、ステージ14のみを駆動するがこれに限定されない。即ち、駆動手段は、励起光とマイクロ波とでp−Si半導体薄膜12の表面を全域に亘って走査できるように励起光照射手段15及びマイクロ波照射手段20とステージ14とを相対移動させると共に、測定光でp−Si半導体薄膜12の表面を全域に亘って走査できるように測定光照射手段40とステージ14とを相対移動させるように構成されていればよい。例えば、駆動手段は、本実施形態のように励起光照射手段15、マイクロ波照射手段20及び測定光照射手段40の位置を固定してステージ14のみを駆動してもよく、また、ステージ14を固定して、励起光照射手段15、マイクロ波照射手段20及び測定光照射手段40を駆動してもよく、また、ステージ14、励起光照射手段15、マイクロ波照射手段20、測定光照射手段40の全てを駆動してもよい。各照射手段15、20、40が駆動される場合には、共通の駆動手段によってそれぞれが駆動されてもよく、個別の駆動手段によってそれぞれが駆動されてもよい。
励起光照射手段15は、p−Si半導体薄膜12にキャリアを励起させるためにその表面に励起光を照射するものである。本実施形態の励起光照射手段15は、励起光源15aと、この励起光源15aから出射した励起光を試料13側へ反射するミラー15bとを備える。励起光源15aは、紫外光を放射するものである。この紫外光は、YLFレーザの第三高調波として得られた紫外光を利用したものである。具体的に、励起光源15aは、発振波長が349nm、パルス幅が10ns、パルスエネルギーが10uJ/pulseの紫外パルス励起光を放射する。この励起光源15aからの出射光は、φ1.5mmのスポット径でp−Si半導体薄膜12に照射される。この励起光の波長(349nm)においては、p−Si半導体薄膜12に対する励起光の浸透長は、約10nmであり、p−Si半導体薄膜12の膜厚50nmと比較して十分に小さいため、効率よくキャリアの生成が行われる。
マイクロ波照射手段20は、マイクロ波発振器21と、このマイクロ波発振器21の発振周波数を制御するマイクロ波発振周波数制御部22と、マイクロ波発振器21からのマイクロ波をマイクロ波O1とO2とに2分割するための方向性結合器23と、マイクロ波O1を2分割するためのマジックT24と、このマジックT24とステージ14との間に設けられた第1導波管25及び第2導波管26とを備える。
マイクロ波発振器21は、電磁波であるマイクロ波を出力するものである。本実施形態では、マイクロ波発振器21としてガンダイオード等が用いられる。このガンダイオードは、マイクロ波発振周波数制御部22によって発振周波数を制御され、周波数が26GHzのマイクロ波を出力する。
方向性結合器23は、マイクロ波の進路を調整するためのものである。本実施形態の方向性結合器23は、マイクロ波発振器21からのマイクロ波を2分岐するように構成される。この方向性結合器23として、本実施形態では、10dBカプラ等が用いられる。
マジックT24は、方向性結合器23からのマイクロ波O1をマイクロ波O3とO4とに2分岐すると共に、これらマイクロ波O3、O4の試料13からの反射波の差動信号R1を出力するものである。
第1導波管25は、マイクロ波を案内する部材である。具体的に、第1導波管25は、マジックT24からのマイクロ波O3をp−Si半導体薄膜12の表面のうちの励起光の照射範囲に導くと共に、この照射範囲からのマイクロ波O3の反射波をマジックT24に導くように構成される。即ち、第1導波管25は、マイクロ波O3を放射するアンテナ(導波管アンテナ)としての機能に加え、励起光の照射範囲からのマイクロ波O3の反射波をその先端開口部で捕捉し、マジックT24まで導く機能を有する。
第2導波管26は、マイクロ波を案内する部材である。具体的に、第2導波管26は、マジックT24からのマイクロ波O4をp−Si半導体薄膜12の表面のうちの励起光が照射されていない範囲(照射範囲の近傍)に導くと共に、この範囲からのマイクロ波O4の反射波をマジックT24に導くように構成される。即ち、第2導波管26は、マイクロ波O4を放射するアンテナ(導波管アンテナ)としての機能に加え、p−Si半導体薄膜12の反射波をその先端開口部で捕捉し、マジックT24まで導く機能を有する。この第2導波管26は、マイクロ波を導く経路長が第1導波管25と互いに等しくなるように構成される。
尚、前記のように、第1導波管25と第2導波管26とがマイクロ波O3、O4の反射波をその先端開口部で捕捉してマジックT24まで導く機能を有し、マジックT24がこれら反射波の差動信号R1を出力する機能を有することから、第1導波管25、第2導波管26及びマジックT24は、マイクロ波測定手段30の一部も構成している。
マイクロ波測定手段30は、前記の第1導波管25及び第2導波管26と、差動信号導出部31と、この差動信号導出部31が接続される信号処理部(差動信号測定部)32を備える。差動信号導出部31は、前記の差動信号R1を出力するマジックT24とマイクロ波O2が導かれるミキサ33とを有する。
ミキサ33は、マイクロ波O3、O4の反射波の差動信号R1をマジックT24から受信し、この差動信号R1とマイクロ波発振器21からのマイクロ波O2とを混合することによって検波信号S1を出力する。この検波信号S1は、差動信号R1の強度を表す信号であり、信号処理部32に入力される。このようにミキサ33は、差動信号R1の強度を検出するためのものであるため、このミキサ33に代えて、差動信号R1を入力してその強度に応じた電気信号を出力するマイクロ波検出器(検波器)を設けてもよい。
信号処理部32は、ミキサ33から入力された検波信号S1に基づき差動信号R1の強度を測定する部位である。この信号処理部32での測定結果は、測定値信号R2としてコンピュータ50(詳細には、第2記憶部53b)に出力される。
測定光照射手段40は、p−Si半導体薄膜12の膜厚を測定するためにその表面に測定光を照射するためのものである。本実施形態では、測定光照射手段40として、単一波長(405nm)のレーザ光を放射可能な青色半導体レーザが用いられる。この測定光照射手段40は、励起光及びマイクロ波が照射されるp−Si半導体薄膜12の範囲にこれら励起光及びマイクロ波が照射されていないときに測定光を照射可能に構成される。本実施形態では、測定光照射手段40は、p−Si半導体薄膜12の表面において、励起光及びマイクロ波が照射される位置と異なる位置に測定光を照射するように配置されているが、ステージ14が駆動されることで励起光及びマイクロ波と測定光とでp−Si半導体薄膜12を全域に亘ってそれぞれ走査することで、励起光及びマイクロ波が照射されるp−Si半導体薄膜12の範囲にこれら励起光及びマイクロ波が照射されていないときに測定光を照射することが可能となっている。
測定光測定手段45は、測定光照射手段40が照射した測定光を透過させると共にp−Si半導体薄膜12からの反射光を光検出器47側へ反射させるハーフミラー46と、このハーフミラー46からの反射光の強度を測定する光検出器47とを備える。この光検出器47は、p−Si半導体薄膜12で測定光が反射するときに多重干渉することにより形成される定常波(反射波)の強度を測定し、その結果を検出光強度信号R3としてコンピュータ50に出力する。
コンピュータ50は、光検出器47からの検出光強度信号R3が入力される膜厚導出部(膜厚導出手段)51と、信号処理部32からの測定値信号R2を補正する補正部(補正手段)52と、各種情報を出し入れ自在に格納する記憶部53と、補正部52で補正された測定値信号R2aが入力される評価部(評価手段)54とを備える。尚、本実施形態の記憶部53では、情報が格納される領域が3つの領域に分割されており、各領域が第1記憶部(第1の記憶手段)53a、第2記憶部(第2の記憶手段)53b、第3記憶部(第3の記憶手段)53cを構成する。これら各記憶部は、それぞれ独立した記憶手段(例えば、ハードディスク等)によって構成されてもよい。
膜厚導出部51は、光検出器47からの検出光強度信号R3に基づき測定光が照射された範囲のp−Si半導体薄膜12の膜厚を導出する部位である。具体的に、測定光(波長405nmの単一波長)をp−Si半導体薄膜(屈折率:5.4、消衰係数:0.329)12に反射させたときに当該p−Si半導体薄膜12内で多重干渉して形成される定常波(反射波)では、膜厚の値が大きくなるに従って反射光の強度の値(反射率)が大きくなっている(図2参照)。そのため、この反射光の強度から膜厚を一意に決定することができる。従って、膜厚導出部51では、光検出器47で測定された反射光の強度に基づき測定光が照射された範囲のp−Si半導体薄膜12の膜厚を導出することができる。このように導出された膜厚の値は、第3記憶部53cに膜厚信号R3aとして出力される。
尚、本実施形態では、製造ラインにおけるp−Si半導体薄膜12の成膜の目標膜厚である50nmの前後(±5nm)では、膜厚の値が大きくなるに従って反射光の強度の値が大きくなっているが、反射光の強度の値は膜厚の変動に伴って周期的に変動するため、必ずしも単調に大きくなるとは限らない。そのため、結晶性評価の対象となるp−Si半導体薄膜12の成膜の目標膜厚が50nmでない場合には、測定光の波長を変更して目標膜厚の前後で膜厚の値が大きくなるに従って反射光強度の値が単調に増加する、又は単調に減少するように調整する必要がある。即ち、注目する膜厚領域において、反射光強度から膜厚が一意に定まるように測定光の波長が調整される。
記憶部53は、補正部52が接続された第1記憶部53aと、信号処理部32及びステージコントローラ16が接続された第2記憶部53bと、膜厚導出部51及びステージコントローラ16が接続された第3記憶部53cとを含む。
第1記憶部53aは、補正部52が測定値信号R2を補正するときに用いられる情報を格納する。この情報は、p−Si半導体薄膜12の複数点での膜厚と反射光の強度とから導出した校正データに基づいて、データ収集用p−Si半導体薄膜(データ収集用半導体薄膜:図示省略)の膜厚と、このデータ収集用p−Si半導体薄膜に結晶性評価の際に用いられるのと同じマイクロ波を照射したときの反射波の強度(反射率)の値との関係をテーブルにしたものである。尚、前記テーブルは、実際に測定することなくシミュレーションによって求められたデータ収集用p−Si半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用p−Si半導体薄膜に前記マイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係から作成されてもよい。
このような情報(前記テーブル)に基づいて補正部52が測定値信号R2を補正することにより、製造ライン上での評価対象の各p−Si半導体薄膜12の膜厚の違いに起因して変動する反射波の強度変化の影響が測定値信号R2から取り除かれる。即ち、当該評価装置10では、p−Si半導体薄膜12の膜厚の変動に関わらず迅速に精度良く結晶性の評価を行うことが可能となる。
この第1記憶部53aに格納された各膜厚での反射波の強度の値は、補正部52が測定値信号R2の補正を行うときに反射波強度値信号(反射波の強度の値)R4として引き出される。
第2記憶部53bは、信号処理部32からのp−Si半導体薄膜12の各位置で取得された測定値信号R2とこの測定値信号R2を導出するために励起光及びマイクロ波が照射されたp−Si半導体薄膜12上の位置情報T1とを関連付けて格納する部位である。前記p−Si半導体薄膜12上の位置情報T1は、ステージコントローラ16から取得される。この第2記憶部53bに格納された測定値信号R2及びこの測定値信号R2が取得されたp−Si半導体薄膜12上の位置情報T1は、補正部52が測定値信号R2の補正を行うときに引き出される。
第3記憶部53cは、膜厚導出部51で導出されたp−Si半導体薄膜12の各位置における膜厚信号(膜厚の値)R3aとこの膜厚信号R3aを導出するために測定光が照射されたp−Si半導体薄膜12上の位置情報T2とを関連付けてそれぞれ格納する部位である。前記p−Si半導体薄膜12上の位置情報は、ステージコントローラ16から取得される。この第3記憶部53cに格納された膜厚信号R3a及びこの膜厚信号R3aが得られたp−Si半導体薄膜12上の位置情報T2は、補正部52が測定値信号R2の補正を行うときに引き出される。
補正部52は、第1記憶部53aから引き出した各膜厚での反射波強度値信号R4と膜厚導出部51が出力した膜厚信号R3aとに基づいて、信号処理部32から入力された測定値信号R2を補正する部位である。詳細には、補正部52では、励起光及びマイクロ波でp−Si半導体薄膜12の全域に亘って走査した2次元情報と、測定光でp−Si半導体薄膜12の全域に亘って走査した2次元情報とを別々に取得し、これら2つの2次元情報からp−Si半導体薄膜12の各位置から取得された測定値信号R2の補正を行う。具体的に、補正部52は、第2記憶部53bに格納されたp−Si半導体薄膜12の各位置での測定値信号R2+T1を、第3記憶部53cに格納された前記測定値信号R2+Tが測定された位置の膜厚信号R3a+Tと、第1記憶部53aに格納されている各膜厚での反射波強度値信号(反射波の強度の値)R4とに基づいてそれぞれ補正する。
評価部54は、補正部52で補正された測定値信号R2aに基づいて各位置でのp−Si半導体薄膜12の結晶性を評価する部位である。この評価部54で評価された結果は、評価信号として出力手段60へ出力される。
出力手段60は、評価部54で評価されたp−Si半導体薄膜12の各部位の結晶性の評価を出力するものである。本実施形態の出力手段60は、評価結果を画面上に表示すると共に、前記評価結果を製造条件にフィードバックするために製造ラインへ出力する。
以上のように構成される評価装置10を用いてp−Si半導体薄膜12の結晶性を評価するための方法について説明する。
まず、ガラス基板11上にp−Si半導体薄膜12を成膜することにより形成された試料13がステージ14上に載置される。
次に、励起光照射手段15からp−Si半導体薄膜12の表面の特定の位置に励起光が照射されると共に、p−Si半導体薄膜12の表面のうち、励起光の照射された範囲に第1導波管25を介してマイクロ波が照射される一方、前記励起光の照射されていない範囲に第2導波管26を介してマイクロ波が照射される。
そして、各導波管25、26を通った反射波O3、O4の差動信号R1がマジックT24からミキサ33に出力されると共に、この差動信号R1とマイクロ波O2とに基づいて検波信号S1がミキサ33から信号処理部32に出力される。この信号処理部32に入力された検波信号S1に基づき当該信号処理部32においてその強度が測定され、測定値信号R2が第2記憶部53bに格納される。このときステージ14が駆動手段によって駆動され、p−Si半導体薄膜12がxyの各軸方向に移動することにより、励起光及びマイクロ波によってp−Si半導体薄膜12の全域が走査(スキャニング)される。このようにして得られたp−Si半導体薄膜12の各位置での測定値信号R2とこの測定値信号R2が取得されたp−Si半導体薄膜12の位置情報T1とが関連付けられ、第2記憶部53bに格納される。
一方、測定光照射手段40からp−Si半導体薄膜12の表面の第2の特定位置に測定光が照射される。そして、反射光が入射した光検出器47から検出光強度信号R3が膜厚導出部51に出力され、膜厚導出部51においてp−Si半導体薄膜12の膜厚が導出される。この膜厚は膜厚信号R3aとして第3記憶部53cに格納される。このときステージ14が駆動手段によって駆動され、p−Si半導体薄膜12がxyの各軸方向に移動することにより、測定光によってp−Si半導体薄膜12の全域が走査される。このようにして得られたp−Si半導体薄膜12の各位置での膜厚信号R3aとこの膜厚信号R3aが取得されたp−Si半導体薄膜12の位置情報T2とが関連付けられ、第3記憶部53cに格納される。
本実施形態では、これらp−Si半導体薄膜12の全域における励起光及びマイクロ波による走査と、測定光による走査とが同時に行われている。具体的に、共通のp−Si半導体薄膜12上における第1の領域に測定光が照射されるのと同時に、前記第1の領域と異なる第2の領域に励起光及びマイクロ波が照射された状態で、測定光が照射されている領域に励起光及びマイクロ波が同時に照射されないようにして全領域がそれぞれ走査される。
尚、前記2つの走査では、一方の走査が終了した後、他方の走査が行われてもよい。また、測定光が照射されている領域には、少なくとも同時に励起光が照射されていなければよい。即ち、測定光の照射領域に励起光が同時に照射されるとp−Si半導体薄膜12を構成する原子等が励起するため精度よく膜厚の測定が行えないが、測定光とマイクロ波とが共通の領域に照射されても前記原子等の励起に起因する測定誤差が生じない。
そして、補正部52が第1〜第3記憶部53a、53b、53cに格納された各情報に基づいてp−Si半導体薄膜12の各位置での測定値信号R2を補正したのち、評価部54がこの補正後の測定値信号R2aに基づきp−Si半導体薄膜12の各位置での結晶性の評価を行う。具体的には、補正された測定値信号R2aに基づき、p−Si半導体薄膜12への励起光の照射により励起されたキャリアが再結合するまでの時間(ライフタイム)を導出することにより結晶性の評価がなされる。その結果が出力手段60により評価対象のp−Si半導体薄膜12の製造ラインでの製造条件にフィードバックされると共に、画面上に表示される。
以上説明したように、第1記憶部53aに予め格納された前記情報(テーブル)を利用してマイクロ波測定手段30で測定されたマイクロ波の反射波の強度の測定値(測定値信号)R2を補正することにより、p−Si半導体薄膜12の膜厚の変動に関わらず、精度良く結晶性の評価を行うことが可能となる。具体的に、補正部52において、前記反射波の測定値信号R2が得られたp−Si半導体薄膜12の部位の膜厚を所定の膜厚とした場合に、この膜厚の違いに起因する反射波の強度の測定値信号R2の変動値を第1記憶部53aに格納されている各膜厚のデータ収集用p−Si半導体薄膜での反射波の強度の値(反射波強度信号)R4と励起光及びマイクロ波が照射された範囲のp−Si半導体薄膜12の膜厚の値(膜厚信号)R3aとから求め、この変動値を用いてマイクロ波測定手段30で得られた測定値信号R2を補正することにより、前記反射波の測定値信号R2からp−Si半導体薄膜12の膜厚変動に起因して変動する前記反射波の強度変化の影響が取り除かれる。
例えば、実際に結晶性が評価された範囲のp−Si半導体薄膜12の膜厚が45nmであった場合には、測定によって得られた測定値信号R2を、膜厚を製造ラインの目標膜厚である50nmにしたときの値に補正する。詳細には、第1記憶部53aに格納されている膜厚50nmの反射波強度の値と前記テーブルから膜厚45nmの反射波強度の値とを引き出し、これら反射強度の値の差異値をもとめ、この差異値を実際に測定して得られた測定値信号R2に加える。このようにして、評価対象の各p−Si半導体薄膜12で取得された測定値信号R2、若しくはp−Si半導体薄膜12の各位置で取得された測定値信号R2を補正することにより、補正後の測定値信号R2aからは、膜厚変動に起因する反射波の強度変動の影響が取り除かれた状態となる。
その結果、補正後の測定値信号R2aに基づいて結晶性を評価することにより、p−Si半導体薄膜12の膜厚の変動に関わらず、精度良く結晶性の評価を行うことができる。
しかも、測定光照射手段40によって測定光を照射し、その反射光の強度を測定光測定手段45(光検出器47)で測定することによって非破壊且つ非接触でp−Si半導体薄膜12の膜厚を測定することができるため、当該p−Si半導体薄膜12の状態を変化させることなく膜厚測定を精度よく行うことができる。
さらに、出力手段60によってp−Si半導体薄膜12の評価の結果が出力されることで、p−Si半導体薄膜12の製造ラインにおいて前記評価結果を迅速に製造条件にフィードバックすることが可能となる。
また、前記実施形態では、p−Si半導体薄膜12上において、励起光の照射によりキャリアが生成されマイクロ波の反射率が増加した部位での反射波と、励起光の照射されていない前記反射率が変化していない部位での反射波との両反射波から導出した検波信号S1(差動信号R1の強度)を測定することにより、p−Si半導体薄膜12からの微弱な反射波の強度の変動を高感度に測定することが可能となり、その結果より精度よく結晶性を評価することができる。
また、前記実施形態では、ステージ14が移動可能に構成され、第2及び第3記憶部53b、53cが設けられることで、p−Si半導体薄膜12上の各位置におけるマイクロ波の反射波の測定と膜厚の測定とが可能となり、これにより当該p−Si半導体薄膜12上の各位置における結晶性の評価を行うことが可能となる。また、第2及び第3記憶部53b、53cが設けられることで、励起光照射手段15及びマイクロ波照射手段20と測定光照射手段40とが別々にp−Si半導体薄膜12上を走査しても各位置での結晶性評価を行うことができる。即ち、第2及び第3記憶部53b、53cが設けられることにより、これら記憶部53b、53cにp−Si半導体薄膜12の各位置におけるマイクロ波の反射波の強度の測定値信号R2と膜厚の膜厚信号R3aとが位置情報T1、T2と共に出し入れ自由に格納されるため、p−Si半導体薄膜12上の同一位置における前記反射波の測定により得られた測定値信号R2と前記膜厚の測定により得られた膜厚の値(膜厚信号R3a)とを補正部52が各記憶部53b、53cからいつでも引き出して利用することが可能となるため、p−Si半導体薄膜12上の同一位置における前記マイクロ波の反射波の強度の測定と前記膜厚の測定とを同時に行わなくてもよい。また、p−Si半導体薄膜12の全域において、同一位置を同時に走査しないように測定光による走査と励起光及びマイクロ波による走査とが同時に行われることで、短時間でp−Si半導体薄膜12上の各位置での結晶性評価を行うことが可能となる。
また、各膜厚での反射波の強度の値を予め求めて第1記憶部53aに格納しておくことで、より迅速にp−Si半導体薄膜12の結晶性評価を行うことが可能となると共に、前記各膜厚のp−Si半導体薄膜12を別途準備する必要がなくなる。
次に、本発明の第2実施形態について図3を参照しつつ説明する。上記第1実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に詳細な説明を省略し、異なる構成についてのみ詳細に説明する。
本実施形態に係る評価装置110は、ステージ14と、励起光照射手段150と、マイクロ波照射手段20と、マイクロ波測定手段130と、測定光照射手段40と、測定光測定手段45と、コンピュータ50と、出力手段60とを備える。
励起光照射手段150は、励起光源(励起光放射部)151と、この励起光源151から放射される励起光を所定の周期で強度変調する変調部152とを有する。本実施形態の励起光源151には、半導体レーザが用いられる。この半導体レーザは、波長が405nm、最大出力が600mW、ヘッドの冷却モジュールを含む大きさが30×30×30程度のものである。即ち、この半導体レーザは、通常、冷却モジュールを含む大きさがW100mm×L200mm×H100mm程度のYLFのパルスレーザに比べて小さい。変調部152は、励起光源151を制御するための励起光源駆動回路153と、励起光の波形が矩形波となるように励起光源駆動回路153に波形を供給する波形生成器154とからなる。この変調部152によって励起光の波形が矩形波となるように強度変調が行われる。
マイクロ波測定手段130は、第1導波管25及び第2導波管26と、差動信号導出部31と、この差動信号導出部31からの検波信号から変調部152での励起光の強度変調に同期した周期成分を抽出し、周期信号S2として出力するロックインアンプ(抽出部)131と、このロックインアンプ131からの周期信号S2の強度を測定する差動信号測定部132とを備える。本実施形態の差動信号測定部132は、コンピュータ50の内部に配置されている。
コンピュータ50は、光検出器47からの検出光強度信号R3が入力される膜厚導出部(膜厚導出手段)51と、信号処理部32からの測定値信号R2を補正する補正部(補正手段)52と、各種情報を出し入れ自在に格納する記憶部53と、補正部52で補正された測定値信号R2aが入力される評価部(評価手段)54とを備える。
以上のように構成される評価装置110では、p−Si半導体薄膜12の結晶性を評価するときに、マジックT24からの差動信号R1とマイクロ波O2とに基づいてミキサ33から検波信号S1がロックインアンプ131に出力される。ロックインアンプ131では、検波信号S1から変調部152での励起光の強度変調に同期した周期成分が抽出され、この周期成分が周期信号S2として差動信号測定部132に出力される。そして、差動信号測定部132に入力された周期信号S2の強度が測定され、測定値信号R2として第2記憶部53bに出力される。
このように励起光が所定の周期で強度変調される構成の評価装置110であっても、第1記憶部53aに予め格納された前記情報(テーブル)を利用してマイクロ波測定手段30で測定されたマイクロ波の反射波の強度の測定値(測定値信号)R2を補正することにより、p−Si半導体薄膜12の膜厚の変動に関わらず、精度良く結晶性の評価を行うことが可能となる。即ち、補正部52において、前記反射波の測定値信号R2が得られたp−Si半導体薄膜12の部位の膜厚を所定の膜厚とした場合に、この膜厚の違いに起因する反射波の強度の測定値信号R2の変動値を第1記憶部53aに格納されている各膜厚のデータ収集用p−Si半導体薄膜での反射波の強度の値(反射波強度信号)R4と励起光及びマイクロ波が照射された範囲のp−Si半導体薄膜12の膜厚の値(膜厚信号)R3aとから求め、この変動値を用いてマイクロ波測定手段30で得られた測定値信号R2を補正することにより、前記反射波の測定値信号R2からp−Si半導体薄膜12の膜厚変動に起因して変動する前記反射波の強度変化の影響が取り除かれる。
さらに、当該評価装置110では、励起光を変調部152で所定の周期で強度変調し、反射波からロックインアンプ131によって前記強度変調に同期した周期成分を抽出してこれを差動信号測定部132で測定することによって、感度よく信号強度を測定することが可能となり、励起光照射手段150の小型化を図ることが可能となる。即ち、反射波から前記強度変調に同期した周期成分を抽出してその強度を測定することによって、p−Si半導体薄膜12からの微弱な反射波の強度の変動を感度よく測定することが可能となるため、励起光を強度変調せずに照射する構成と比べ、出力の小さな小型の励起光源151を用いても同程度の精度で結晶性を評価することができる。このように励起光源151の小型化を図ることができることにより、製造ライン上での当該評価装置110の設置の自由度が向上する。また、励起光照射手段150やマイクロ波照射手段20、測定光照射手段40が搭載されたセンサヘッドの小型化を図ることが可能となり、大型のp−Si半導体薄膜12の結晶性の評価を行うことが可能となる。詳細には、本実施形態では、ステージ14を駆動することによりp−Si半導体薄膜12の全域を走査しているが、p−Si半導体薄膜12が大型化するとステージ14も大きくなるため、これを製造ライン上で駆動することが困難となる。そこで、励起光照射手段150を小型化することにより前記センサヘッドの小型化を図り、このセンサヘッドを駆動して大型のp−Si半導体薄膜12の全域を走査するように構成することで、より大きなp−Si半導体薄膜12の結晶性の評価を行うことが可能となる。
一方、前記強度変調しない構成に比べて同程度の出力の励起光源151を用いる場合には、より精度よく結晶性の評価をすることができる。
次に、本発明の第3実施形態について図4を参照しつつ説明するが、上記第1及び第2実施形態と同様の構成には同一符号を用いると共に詳細な説明を省略し、異なる構成ついてのみ詳細に説明する。
本実施形態に係る評価装置210は、ステージ14と、励起光照射手段15と、マイクロ波照射手段120と、マイクロ波測定手段230と、測定光照射手段40と、測定光測定手段45と、コンピュータ50と、出力手段60とを備える。
マイクロ波照射手段120は、マイクロ波発振器21と、マイクロ波の進路を調整するための方向性結合器23と、マイクロ波発振器21と方向性結合器23との間に設けられた第3導波管125と、方向性結合器23とステージ14との間に設けられた第4導波管126とを備える。マイクロ波発振器21から放射されたマイクロ波は、第3導波管125を通って方向性結合器23に到達し、この方向性結合器23により第4導波管126に導かれる。このマイクロ波は、この第4導波管126を通ってステージ14上の試料13のp−Si半導体薄膜12の表面に導かれる。詳細には、マイクロ波は、p−Si半導体薄膜12の表面のうち励起光が照射された範囲に導かれる。そして、試料13で反射されたマイクロ波は、第4導波管126を通って方向性結合器23に導かれ、方向性結合器23によってマイクロ波検出器232に導かれる。
このように、第4導波管126がマイクロ波の反射波をその先端開口部で捕捉して方向性結合器23まで導く機能を有し、方向性結合器23がこの反射波をマイクロ波検出器232側に案内する機能を有することから、これら第4導波管126及び方向性結合器23は、マイクロ波測定手段230の一部も構成している。
このマイクロ波測定手段230は、第4導波管126及び方向性結合器23に加え、反射波の強度を測定するマイクロ波検出器232と、方向性結合器23とマイクロ波検出器232との間に設けられた第5導波管127とを備える。マイクロ波検出器232は、方向性結合器23から第5導波管127を通って到達したマイクロ波の反射波の強度を測定し、その測定値を測定値信号R2としてコンピュータ50(詳しくは、第2記憶部53b)に出力する。
以上のように構成される評価装置210を用いてp−Si半導体薄膜12の結晶性を評価するための方法について説明する。
励起光照射手段15から試料4のp−Si半導体薄膜12の表面に励起光を照射すると共に、励起光が照射された範囲を含むp−Si半導体薄膜12の範囲にマイクロ波照射手段120からマイクロ波を照射する。
そして、p−Si半導体薄膜12の表面からの反射波は、マイクロ波測定手段230によってその強度が測定され、測定値信号R2として当該測定値信号R2が取得された位置情報T1と共に第2記憶部53bに格納される。一方、測定光照射手段40からp−Si半導体薄膜12の表面に照射された測定光の反射光は、光検出器47によってその強度が検出光強度信号R3として膜厚導出部51に出力され、膜厚導出部51においてp−Si半導体薄膜12の膜厚が導出される。この膜厚は膜厚信号R3aとして当該膜厚信号R3aが取得された位置情報T2と共に第3記憶部53cに格納される。尚、第3実施形態においても、第1及び第2実施形態同様、p−Si半導体薄膜12上の全域において、同一位置を同時に走査しないように励起光及びマイクロ波によるの走査と測定光による走査とが同時に行われる。
そして、補正部52が第1〜第3記憶部53a、53b、53cに格納された各情報に基づいてp−Si半導体薄膜12の各位置での測定値信号R2を補正したのち、この補正された測定値信号R2aに基づいて評価部54がp−Si半導体薄膜12の各位置での結晶性の評価を行い、その結果が出力手段60によって評価対象のp−Si半導体薄膜12の製造ラインでの製造条件にフィードバックされると共に、画面上に表示される。
以上説明したように、マイクロ波を分岐することなくp−Si半導体薄膜12に照射する構成であっても、第1記憶部53aに格納された予め求められた各膜厚のp−Si半導体薄膜12にマイクロ波を照射したときの当該p−Si半導体薄膜12からの反射波の強度の値を利用して補正部52によって補正することにより、マイクロ波測定手段230で測定されたマイクロ波の反射波の強度の測定値信号R2からp−Si半導体薄膜12の膜厚変動に起因する反射波の強度変動の影響が取り除かれ、これによりp−Si半導体薄膜12の膜厚の変動に関わらず迅速に精度良く結晶性の評価を行うことが可能となる。また、測定光照射手段40によって測定光を照射し、その反射光の強度を測定光測定手段45で測定することによって非破壊且つ非接触でp−Si半導体薄膜12の膜厚を測定することができるため、当該p−Si半導体薄膜12の状態を変化させることなく膜厚測定を精度よく行うことができる。
尚、本発明の半導体薄膜の結晶性評価方法及び結晶性評価装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
膜厚の測定手段(測定方法)の具体的構成は限定されない。非破壊且つ非接触で膜厚を測定できる構成であればよく、例えば、上記第1乃至第3実施形態では、単一波長の測定光をp−Si半導体薄膜12に照射して、反射の際に当該p−Si半導体薄膜12内で多重干渉した反射光(定常波)の強度を測定することにより膜厚が測定されているが、多波長の測定光を用いた分光エリプソメトリ等により膜厚が測定されてもよい。
第2実施形態のように励起光を所定の周期で強度変調する構成の場合、励起光と測定光とが同一波長の光線を用いることができるため、共通の照射手段(光源)を用い、この照射手段から放射された光線を分岐し、この分岐した光線を励起光及び測定光に用いてもよい。
また、第3実施形態においても、第2実施形態のように励起光を所定の周期で強度変調する、いわゆる変調励起法が用いられてもよい。
12 p−Si半導体薄膜(半導体薄膜)
15 励起光照射手段
20 マイクロ波照射手段
30 マイクロ波測定手段
40 測定光照射手段
45 測定光測定手段
51 膜厚導出部(膜厚導出手段)
52 補正部(補正手段)
53b 第1記憶部(第1の記憶手段)
54 評価部(評価手段)
60 出力手段

Claims (9)

  1. 基材上に成膜された半導体薄膜の結晶性を評価する方法であって、
    前記半導体薄膜にキャリアを励起させるための励起光を照射すると共に、この励起光が照射された範囲を含む前記半導体薄膜の範囲にマイクロ波を照射する第1の照射工程と、
    前記半導体薄膜からの前記マイクロ波の反射波の強度を測定する第1の測定工程と、
    データ収集用半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用半導体薄膜に前記マイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係を収集するデータ収集工程と、
    前記第1の照射工程で励起光及びマイクロ波が照射される前記半導体薄膜の範囲に、少なくとも前記励起光が照射されていないときに測定光を照射する第2の照射工程と、
    前記第2の照射工程で照射された測定光の前記半導体薄膜からの反射光を測定する第2の測定工程と、
    前記第2の測定工程で測定された反射光の強度の測定値に基づいて前記励起光及び前記マイクロ波が照射される範囲の半導体薄膜の膜厚を導出する導出工程と、
    前記データ収集工程で収集された膜厚と反射波の強度との関係と、前記導出工程で導出された膜厚の値とに基づいて前記第1の測定工程で得られた測定値を補正する補正工程と、
    この補正工程で補正された測定値に基づいて前記半導体薄膜の結晶性を評価する評価工程とを備えることを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価方法。
  2. 請求項1に記載の半導体薄膜の結晶性評価方法において、
    前記データ収集工程が前記第1の照射工程及び前記第2の照射工程よりも前に行われることを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価方法。
  3. 請求項1又は2に記載の半導体薄膜の結晶性評価方法において、
    前記第1の照射工程では、前記励起光の照射範囲と前記励起光の照射範囲外とにそれぞれ前記マイクロ波を照射し、
    前記第1の測定工程は、前記照射範囲からの反射波から前記照射範囲外からの反射波を差し引いた差動信号を導出する差動信号導出工程と、この差動信号導出工程で導出された差動信号の強度を測定する差動信号測定工程とを有することを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価方法。
  4. 基材上に成膜された半導体薄膜の結晶性を評価するための装置であって、
    前記半導体薄膜にキャリアを励起させるための励起光を照射する励起光照射手段と、
    前記励起光が照射された範囲を含む前記半導体薄膜の範囲にマイクロ波を照射するマイクロ波照射手段と、
    前記半導体薄膜からの前記マイクロ波の反射波の強度を測定するマイクロ波測定手段と、
    前記励起光及び前記マイクロ波が照射される前記半導体薄膜の範囲に少なくとも前記励起光が照射されていないときに測定光を照射する測定光照射手段と、
    前記半導体薄膜からの前記測定光の反射光を測定する測定光測定手段と、
    この測定光測定手段で測定された測定値に基づいて前記測定光が照射された範囲の前記半導体薄膜の膜厚を導出する膜厚導出手段と、
    予め収集されたデータ収集用半導体薄膜の膜厚とこのデータ収集用半導体薄膜に前記マイクロ波を照射したときの反射波の強度の値との関係を格納しておく第1の記憶手段と、
    この第1の記憶手段に格納されている膜厚と反射波の強度の値との関係と、前記膜厚導出手段で導出された膜厚の値とに基づいて、前記マイクロ波測定手段で測定された測定値を補正する補正手段と、
    前記補正手段で補正された測定値に基づいて前記半導体薄膜の結晶性を評価する評価手段と、
    前記評価手段で評価された前記半導体薄膜の結晶性の評価を出力する出力手段とを備えることを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価装置。
  5. 請求項4の半導体薄膜の結晶性評価装置において、
    前記測定光照射手段は、単一波長の測定光を照射可能に構成され、
    前記測定光測定手段は、前記半導体薄膜で反射するときに多重干渉した前記測定光の反射光の強度を測定するように構成されることを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価装置。
  6. 請求項4又は5に記載の半導体薄膜の結晶性評価装置において、
    前記励起光照射手段は、前記励起光を放射する励起光放射部と、この励起光放射部から放射される励起光を所定の周期で強度変調する変調部とを有し、
    前記マイクロ波測定手段は、前記半導体薄膜からの前記マイクロ波の反射波から前記変調部での励起光の強度変調に同期した周期成分を抽出する第1の抽出部と、この第1の抽出部で抽出された周期信号の強度を測定する周期信号測定部とを有することを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価装置。
  7. 請求項4又は5に記載の半導体薄膜の結晶性評価装置において、
    前記マイクロ波照射手段は、前記半導体薄膜のうち、前記励起光の照射範囲と前記励起光の照射範囲外とにそれぞれ前記マイクロ波を照射するように構成され、
    前記マイクロ波測定手段は、前記照射範囲からのマイクロ波の反射波から前記照射範囲外からのマイクロ波の反射波を差し引いた差動信号を導出する差動信号導出部と、この差動信号導出部で導出された差動信号の強度を測定する差動信号測定部とを有することを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価装置。
  8. 請求項7に記載の半導体薄膜の結晶性評価装置において、
    前記励起光照射手段は、前記励起光を放射する励起光放射部と、この励起光放射部から放射される励起光を所定の周期で強度変調する変調部とを有し、
    前記マイクロ波測定手段は、前記差動信号導出部で導出された差動信号から前記変調部での励起光の強度変調に同期した周期成分を抽出する第2の抽出部をさらに有し、
    前記差動信号測定部は、前記第2の抽出部で前記差動信号から抽出された周期信号の強度を測定することを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価装置。
  9. 請求項4乃至8のいずれか1項に記載の半導体薄膜の結晶性評価装置において、
    前記半導体薄膜が成膜された基材が配置されるステージと、
    前記励起光と前記マイクロ波とで前記半導体薄膜を走査可能に前記励起光照射手段及び前記マイクロ波照射手段と前記ステージとを相対移動させる第1の駆動手段と、
    前記測定光で前記半導体薄膜を走査可能に前記測定光照射手段と前記ステージとを相対移動させる第2の駆動手段と、
    前記半導体薄膜の各位置における前記マイクロ波測定手段で測定された測定値とこの測定値を導出するために前記励起光及び前記マイクロ波が照射された前記半導体薄膜上の位置情報とを関連付けてそれぞれ格納する第2の記憶手段と、
    前記半導体薄膜の各位置における前記膜厚導出手段で導出された膜厚の値とこの膜厚を導出するために前記測定光が照射された前記半導体薄膜上の位置情報とを関連付けてそれぞれ格納する第3の記憶手段とを備え、
    前記補正手段は、前記第2の記憶手段に格納された前記半導体薄膜の各位置での前記マイクロ波測定手段での測定値を、前記第3の記憶手段に格納された前記マイクロ波測定手段での測定値が測定された位置の膜厚の値と、前記第1の記憶手段に格納されている前記膜厚と反射波の強度の値との関係とに基づいてそれぞれ補正するように構成されることを特徴とする半導体薄膜の結晶性評価装置。
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