JP2017067613A - 検査装置および検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】THz−TDSを短時間でかつ精度良く行う技術を提供する。
【解決手段】テラヘルツ波検出器4は、第2レーザ光L2が入射したときに、第1レーザ光L1を受光した試料9から放射されるテラヘルツ波LT1の電界強度を検出する。遅延ステージ31は、第2レーザ光L2に時間遅延を与える。ロックインアンプ5は、テラヘルツ波検出器4が生成した検出信号を増幅する。ADコンバーター51は、遅延ステージ制御部35から送られるトリガーパルス信号に基づき、遅延ステージ31が規定の位置を通過する毎に、ロックインアンプ5で増幅された検出信号を取得し、制御部6に渡す。時定数設定部60は、指定された遅延ステージ31の速度V1に対応する時定数τを、時定数・速度テーブルDT1から取得し、その時定数τをロックインアンプ5に設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、テラヘルツ時間領域分光法によって試料を検査する技術に関する。
特許文献1,2には、半導体デバイスを検査する装置が開示されている。具体的には、フェムト秒レーザを照射して発生したテラヘルツ波をテラヘルツ波時間領域分光法(Terahertz-Time Domain Spectroscopy:THz−TDS)で計測することで、半導体デバイスの欠陥検出または半導体デバイスの性能評価などの検査を行う技術が開示されている。
THz−TDSでは、パルス状のフェムト秒レーザから出射されたレーザ光が、ビームスプリッターでポンプ光とプローブ光に分割される。そして、ポンプ光を試料に照射してテラヘルツ波を発生させ、当該テラヘルツ波がテラヘルツ波検出器で検出される。テラヘルツ波検出器は、例えば光伝導アンテナで構成されており、プローブ光が照射されたときに、テラヘルツ波の電界強度を検出する。このプローブ光に時間遅延を与えることで、テラヘルツ波検出器において、テラヘルツ波の電界強度が異なる位相で検出される。また、テラヘルツ波検出器が出力する検出信号は、ロックインアンプで増幅される。そして、取り込まれた位相毎のテラヘルツ波の電界強度から、テラヘルツ波の時間波形が復元される。
ここで、プローブ光に時間遅延を与える具体的構成として、プローブ光を反射させるミラーを備えた遅延ステージが、プローブ光の光路上に設けられる。当該遅延ステージをプローブ光の光路に沿って移動させることで、プローブ光の光路長を変更させる。これによって、プローブ光がテラヘルツ波検出器に到達するまでにかかる時間を変更することができる。
ここで、遅延ステージの送り方式として、電界強度を取得したい位相に対応した規定の位置に移動する毎に遅延ステージを停止させて、テラヘルツ波の電界強度を検出する「ステップ送り」を採用することが考えられる。この場合、テラヘルツ波測定の精度が高いメリットがある。しかしながら、遅延ステージの移動と停止を複数回繰り返すため、テラヘルツ波の時間波形復元に時間がかかってしまう。そこで、他の送り方式として、遅延ステージを停止させずに、遅延ステージが規定の位置を通過する度にテラヘルツ波の電界強度を検出する「高速送り」を採用することも考えられる。この場合、遅延ステージを停止させることなく一定速度で移動させるため、ステップ送りの場合に比べてテラヘルツ波の計測時間を大幅に短縮できる。
特開2013−61219号公報 特開2013−19861号公報
しかしながら、高速送りを採用した場合、ロックインアンプの時定数および遅延ステージの速度の設定値が不適切な場合、シグナルノイズ比(S/N比)が悪化したり、あるいは、位相ずれが発生するなど、適切な測定が困難となる場合があった。このため、遅延ステージの速度を高めたい場合には、ロックインアンプの時定数を一意に決定することができず、試行錯誤により設定する必要があった。このため、作業が煩雑となっていた。
そこで、本発明は、THz−TDSを短時間でかつ精度良く行う技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、第1の態様は、パルス状のレーザ光の照射に応じてテラヘルツ波を放射する試料を検査する検査装置であって、パルス状のレーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を、第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割部と、前記第2レーザ光が入射したときに、前記第1レーザ光を受光した前記試料から放射されるテラヘルツ波の電界強度を検出するテラヘルツ波検出器と、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方を反射する反射ミラーを有する遅延ステージと、前記遅延ステージを前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方の光路に沿って往復移動させる遅延ステージ駆動部とを有し、前記遅延ステージを駆動することで前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方に時間遅延を与える遅延機構と、前記テラヘルツ波検出器が生成した検出信号を増幅するロックインアンプと、前記遅延ステージが規定の位置を通過する毎に、前記ロックインアンプで増幅された前記検出信号を取得するデータ取得部と、前記ロックインアンプの時定数と、前記遅延ステージ駆動部によって移動する前記遅延ステージの速度とが対応付けして記録されている時定数・速度テーブルと、前記遅延ステージの速度を指定する操作を受け付ける操作部と、前記遅延ステージが前記操作部で指定された速度で移動するように、前記遅延ステージ駆動部を制御する遅延ステージ駆動制御部と、前記時定数・速度テーブルに基づき、前記ロックインアンプの時定数を、前記遅延ステージの前記指定された速度に対応する値に設定する時定数設定部とを備える。
また、第2の態様は、第1の態様に係る検査装置であって、前記操作部が、前記遅延ステージの速度について、互いに異なる複数の速度の中から選択する選択操作を受け付け、前記遅延ステージ駆動制御部が、前記操作部を介して選択された速度で前記遅延ステージを移動させる。
また、第3の態様は、パルス状のレーザ光の照射に応じてテラヘルツ波を放射する試料を検査する検査方法であって、(a)レーザ光源から出射されたパルス状のレーザ光を光分割部で第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割工程と、(b)前記第1レーザ光を試料に照射する照射工程と、(c)前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方を反射するミラーを有する遅延ステージを、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方の光路に沿って移動させることで、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方に時間遅延を与える遅延ステージ移動工程と、(d)前記第2レーザ光が入射したときに、前記第1レーザ光を受光した前記試料から放射されるテラヘルツ波の電界強度をテラヘルツ波検出器で検出する工程と、(e)前記テラヘルツ波検出器が生成した検出信号をロックインアンプで増幅する増幅工程と、(f)前記遅延ステージ移動工程における前記遅延ステージの速度を、指定された指定速度に設定する速度設定工程と、(g)前記ロックインアンプの時定数と、前記遅延ステージの速度とを対応付けした時定数・速度テーブルに基づき、前前記ロックインアンプの時定数を、前記指定速度に対応する値に設定する時定数設定工程とを含む。
また、第4の態様は、第3の態様に係る検査方法であって、(A)前記遅延ステージを規定の各位置で固定して、前記テラヘルツ波の電界強度を検出することによって参照用時間波形を復元する参照用時間波形復元工程と、(B)前記ロックインアンプの前記時定数を第1時定数に設定し、かつ、前記遅延ステージの速度を第1速度で移動させて、前記遅延ステージが複数の規定の位置を通過する毎に前記テラヘルツ波の電界強度を検出することによって、前記試料から放射される前記テラヘルツ波の第1時間波形を復元する第1時間波形復元工程と、(C)前記第1時間波形及び前記参照用時間波形の位相差を計測することによって、位相ずれが起きているか否かを判定する第1判定工程と、(D)前記第1判定工程にて、位相ずれが起きていないと判定された場合、前記第1時定数及び前記第1速度を時定数・速度テーブルに記録する記録工程と、(E)前記第1判定工程にて、位相ずれが起きていると判定された場合、前記時定数を前記第1時定数よりも小さい第2時定数に設定し、かつ、前記遅延ステージの速度を前記第1速度で移動させて、前記遅延ステージが複数の規定の位置を通過する毎に前記テラヘルツ波の電界強度を検出することによって、前記試料から放射される前記テラヘルツ波の第2時間波形を復元する第2時間波形復元工程と、(F)前記第2時間波形と前記参照用時間波形の位相差を計測することによって、位相ずれが起きているか否かを判定する第2判定工程とを含む。
また、第5の態様は、第4の態様に係る検査方法であって、前記第1判定工程において、前記参照用時間波形及び前記第1時間波形における、最大ピークまたは最小ピークについて前記位相差が計測される。
また、第6の態様は、テラヘルツ波を照射することによって、試料を検査する検査装置であって、パルス状のレーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を、第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割部と、前記第1レーザ光の受光に応じて、試料に照射されるテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射体と、前記第2レーザ光が入射したときに、前記試料を透過または反射した前記テラヘルツ波の電界強度を検出するテラヘルツ波検出器と、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方を反射する反射ミラーを有する遅延ステージと、前記遅延ステージを前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方の光路に沿って往復移動させる遅延ステージ駆動部とを有し、前記遅延ステージを駆動することで前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方に時間遅延を与える遅延機構と、前記テラヘルツ波検出器が生成した検出信号を増幅するロックインアンプと、前記遅延ステージが規定の位置を通過する毎に、前記ロックインアンプで増幅された前記検出信号を取得するデータ取得部と、前記ロックインアンプの時定数と、前記遅延ステージ駆動部によって移動する前記遅延ステージの速度とが対応付けして記録されている時定数・速度テーブルと、前記遅延ステージの速度を指定する操作を受け付ける操作部と、前記遅延ステージが前記操作部で指定された速度で移動するように、前記遅延ステージ駆動部を制御する遅延ステージ駆動制御部と、前記時定数・速度テーブルに基づき、前記ロックインアンプの時定数を、前記遅延ステージの前記指定された速度に対応する値に設定する時定数設定部とを備える。
第1の態様に係る検査装置によると、予め定められた時定数・速度テーブルに基づいて、指定された遅延ステージの速度に対応するロックインアンプの時定数を決定することができる。したがって、THz−TDSを行う際に、遅延ステージを停止させない高速送りを採用した場合でも、測定精度の低下を抑制しつつ測定時間の短縮を図ることができる。
第2の態様に係る検査装置によると、複数の速度の中から選択することで、遅延ステージの速度の指定と、ロックインアンプの時定数の設定を容易に行うことができる。
第3の態様に係る検査方法によると、予め定められた時定数・速度テーブルに基づいて、指定された遅延ステージの速度に対応するロックインアンプの時定数を決定することができる。したがって、THz−TDSを行う際に、遅延ステージを停止させない高速送りを採用した場合でも、測定精度の低下を抑制しつつ測定時間の短縮を図ることができる。
第4の態様に係る検査方法よると、時定数・速度テーブルを生成する際に、ロックインアンプの時定数を大きい値から順に小さくしていって、遅延ステージの速度毎に位相ずれの起きない時定数を決定できる。これによって、時定数・速度テーブルにおいて、時定数が必要以上に小さい値に決定されることを抑制できるため、テラヘルツ波の電界強度のS/N比が低下することを効果的に抑制できる。
第5の態様に係る検査方法によると、テラヘルツ波の時間波形において、比較的特定が容易な最大ピーク及び最小ピークの位相に基づいて位相差を取得する、位相ずれの判定を正確に行うことができる。
第6の態様に係る検査装置によると、予め定められた時定数・速度テーブルに基づいて、指定された遅延ステージの速度に対応するロックインアンプの時定数を決定することができる。したがって、THz−TDSを行う際に、遅延ステージを停止させない高速送りを採用した場合にも、測定精度の低下を抑制しつつ測定時間の短縮を図ることができる。
実施形態に係る検査装置を示す概略構成図である。 実施形態に係る制御部と、検査装置の各要素との接続関係を示す概略図である。 ステップ送り方式を説明するための図である。 高速送り方式を説明するための図である。 遅延ステージの速度が40μm/sの高速送りで測定されたテラヘルツ波の時間波形を示す図である。 遅延ステージの速度が250μm/sの高速送りで測定されたテラヘルツ波の時間波形を示す図である。 時定数・速度テーブルの生成処理を示す流れ図である。 高速送りにより得た時間波形及びステップ送りにより得た時間波形を示す図である。 図7に示す生成処理によって生成された時定数・速度テーブルの一例を示す図である。 検査装置にて実行される検査処理を示す流れ図である。 変形例に係る検査装置を示す概略構成図である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
<1. 実施形態>
図1は、実施形態に係る検査装置100を示す概略構成図である。図2は、実施形態に係る制御部6と、検査装置100の各要素との接続関係を示す概略図である。
検査装置100は、パルス状の第1レーザ光L1を受光することでテラヘルツ波(周波数が0.1THz以上30THz以下の電磁波)を放射する試料9(テラヘルツ波放射体)を検査する。より具体的には、検査装置100は、試料9から放射されるテラヘルツ波LT1の時間波形を、THz−TDSで復元することで、試料9の特性を検査する。
試料9には、半導体デバイス及びフォトデバイスが含まれる。本願においては、半導体デバイスとは、Si、Ge、GaAsなどの半導体で形成されたトランジスタ、集積回路(ICやLSI)、抵抗またはコンデンサ、ワイドギャップ半導体を用いたパワーデバイスなどの電子デバイスをいう。また、フォトデバイスとは、フォトダイオード、CMOSセンサ若しくはCCDセンサなどのイメージセンサ、太陽電池またはLED、レーザなど、半導体の光電効果を利用する電子デバイスをいう。
検査装置100は、フェムト秒レーザ1、ビームスプリッター2、遅延機構3、テラヘルツ波検出器4、ロックインアンプ5、制御部6及び保持台8を備えている。
<フェムト秒レーザ1>
フェムト秒レーザ1は、パルス状のレーザ光LB1を出射するレーザ光源である。レーザ光LB1は、例えば、波長が360nm以上1μm以下の可視光領域の光であり、具体的には、中心波長が800nm付近であり、周期が数kHz〜数百MHz、パルス幅が10〜150フェムト秒程度の直線偏光である。もちろん、レーザ光LB1は、その他の波長領域(例えば、青色波長(450〜495nm)、緑色波長(495〜570nm)などの可視光領域)の光であってもよい。
<ビームスプリッター2>
ビームスプリッター2は、フェムト秒レーザ1から出射されたレーザ光LB1を、第1レーザ光L1と、第2レーザ光L2とに分割する光分割部である。第1レーザ光L1は、光路上に配されたレンズ群(不図示)で適宜集光され、試料9に照射される。第1レーザ光L1が試料9に照射されることによって、試料9からテラヘルツ波LT1が放射される。また、第2レーザ光L2は、一対の放物面鏡200,202を介して、後述するテラヘルツ波検出器4に導かれる。
<遅延機構3>
遅延機構3は、第2レーザ光L2に時間遅延を与える。具体的には、遅延機構3は、遅延ステージ31と、遅延ステージ駆動部33と、遅延ステージ駆動制御部35とを備える。
遅延ステージ31は、第2レーザ光L2の光路上に設けられている。遅延ステージ31は、第2レーザ光L2を、入射方向と平行な方向に、かつ、入射時の光軸からずらして反射する反射ミラー310を備える。
遅延ステージ駆動部33は、遅延ステージ31を、第2レーザ光L2の光路に沿って直線的に往復移動させる。遅延ステージ駆動制御部35は、遅延ステージ駆動部33に駆動信号を与えることによって、遅延ステージ31の動作を制御する。
<テラヘルツ波検出器4>
テラヘルツ波検出器4は、第1レーザ光L1を受光した試料9から放射されるテラヘルツ波LT1の電界強度に応じた検出信号を生成し、当該検出信号をロックインアンプ5に出力する。
具体的には、テラヘルツ波検出器4は、光伝導アンテナ41と半球レンズ43で構成されている。光伝導アンテナ41は、例えば、低温成長ガリウムヒ素基板の上に、ダイポールまたはボウタイなどの形状の電極が設けられている。半球レンズ43は、入射するテラヘルツ波LT1を電極間ギャップに集光する。そして、光伝導アンテナ41は、第2レーザ光L2が入射したときにテラヘルツ波LT1の電界強度に応じた電流を発生させる。光伝導アンテナ41で発生した電流は、電流検出アンプ45によって、ロックインアンプ5に出力される。
ロックインアンプ5は、テラヘルツ波検出器4が生成した検出信号を増幅する。具体的には、ロックインアンプ5は、電流検出アンプ45が出力した電流を増幅して、その振幅を取得する。ロックインアンプ5は、増幅した検出信号をADコンバーター51に出力する。ADコンバーター51に出力された検出信号は、ADコンバーター51によってデジタル情報に変換され、制御部6に取込まれる。なお、図2に示すように、遅延ステージ駆動制御部35はADコンバーター51にトリガーパルス信号を出力する。ADコンバーター51は、このトリガーパルス信号を受信したときに入力された検出信号を、デジタル情報に変換して制御部6に出力する。
<制御部6>
制御部6は、検査装置100の全体の動作制御するように構成されている。制御部6は、一般的なコンピュータとしての構成(CPU、ROM、RAMなど)を備えている。また、制御部6は、記憶部61を備えている。なお、記憶部61は、RAMなどの一時的に情報を記憶するものも含む。
CPUは、記憶部61にインストールされたプログラムに従って動作することによって、ロックインアンプ5の時定数τを設定する時定数設定部60として機能する。
記憶部61には、検査装置100の各要素を制御するための制御プログラムのほか、時定数・速度テーブルDT1が保存されている。時定数・速度テーブルDT1は、ロックインアンプ5に設定される時定数τと、遅延機構3の遅延ステージ31の速度V1とを対応付けして記録されたデータである。時定数・速度テーブルDT1については後述する。
また、制御部6には、表示部63及び操作部65が接続されている。表示部63は液晶ディスプレイなどで構成されており、各種情報を表示する。操作部65は、マウス、キーボードなどの各種入力デバイスで構成されている。操作部65がオペレータからの各種情報入力を受け付けることで、制御部6に対して、その入力に応じた命令が与えられる。
<保持台8>
保持台8は試料9を保持する保持面を有する。ここでは、保持台8の保持面は水平面を成しており、板状の試料9を保持するように構成されている。保持台8の保持面には、試料9を保持する保持機構が適宜設けられる。保持機構としては、例えば、試料9を両側から挟持するもの、試料9の裏面側に接着する粘着性を有するシート状のもの、あるいは、保持面に形成された吸着孔を通じて試料9を吸着するものなどが採用される。もちろん、保持機構を省略して、試料9が保持台8の保持面に置かれるようにしてもよい。
保持台8は図示を省略する駆動部によって、保持面に平行でありかつ互いに直交する2つの軸方向に移動可能とされている。保持台8が2つの軸方向に移動することで、試料9に対する第1レーザ光L1の照射位置が任意に変更される。
上述したように、検査装置100では、THz−TDSでテラヘルツ波LT1の時間波形が復元される。時間波形を復元するためには、テラヘルツ波LT1の異なる位相毎の電界強度を測定する必要がある。そこでテラヘルツ波検出器4にて、テラヘルツ波LT1の検出タイミングを変更するため、遅延機構3の遅延ステージ31を移動させることによって、第2レーザ光L2に遅延時間が与えられる。このときの遅延ステージ31の送り方式としては、「ステップ送り」及び「高速送り」の2つの方式がある。以下、それぞれの送り方式について詳細に説明する。
<ステップ送り>
図3は、ステップ送り方式を説明するための図である。図3に示すグラフにて、横軸は時間を示しており、縦軸は遅延ステージ31の移動速度を示している。このステップ送りでは、試料9上の測定ポイントでテラヘルツ波LT1を測定する際、遅延ステージ31を、規定のスタートポジションから移動させ、そして、直線軌道上の各規定位置(位置LC1,LC2,LC3,LC4,・・・)で停止させる。そして、遅延ステージ31が各規定位置で停止している間に、テラヘルツ波検出器4で検出されるテラヘルツ波LT1の電界強度が、制御部6に取込まれる。
ステップ送りの場合、遅延ステージ31を各規定位置で固定してテラヘルツ波LT1を測定するため、テラヘルツ波測定の精度が高いというメリットがある。しかしながら、遅延ステージ31の移動及び停止を繰り返すため、測定時間が長くなるというデメリットがある。以下、ステップ送りによるテラヘルツ波測定を「ステップ法」と称する場合がある。
<高速送り>
図4は、高速送り方式を説明するための図である。図4に示すグラフにおいて、横軸は時間を示しており、縦軸は遅延ステージ31の移動速度を示している。この高速送りでは、試料9上の測定ポイントでテラヘルツ波LT1を測定する際、遅延ステージ31を、規定のスタートポジションSPから移動を開始し、各規定位置で停止させることなく一定の速度V1で通過させて、規定のゴールポジションGPまで移動させる。そして、図2にて説明したように、各規定位置を通過する度に、トリガーパルス信号が遅延ステージ駆動制御部35からADコンバーター51に出力される。これによって、テラヘルツ波LT1の検出信号が制御部6に取込まれる。ADコンバーター51は、遅延ステージ31が規定の位置を通過する毎にテラヘルツ波LT1の電界強度のデータを取得するデータ取得部の一例である。以下、高速送りによるテラヘルツ波測定を「高速法」と称する場合がある。
この高速送りの場合、遅延ステージを各規定位置で停止させないため、ステップ送りの場合に比べると大幅に測定時間を短縮できるというメリットがある。しかしながら、遅延ステージ31が各規定位置に停止しないため、遅延ステージ31の速度V1やロックインアンプ5の時定数τの設定が不適切であると、テラヘルツ波LT1の検出信号のS/N比が悪化したり、テラヘルツ波LT1の位相ずれが発生したりするおそれがある。
図5は、遅延ステージ31の速度V1が40μm/sの高速送りで測定されたテラヘルツ波LT1の時間波形を示す図である。図6は、遅延ステージ31の速度が250μm/sの高速送りで測定されたテラヘルツ波LT1の時間波形を示す図である。図4及び図5において、横軸は時間を示し、縦軸は電界強度を示している。図5に示す時間波形TW11,TW12,TW13及び図6に示す時間波形TW11a,TW12a,TW13aは、それぞれ、ロックインアンプ5の時定数τを1ms、30ms及び100msとしたときの時間波形である。また、図5及び図6に示す時間波形TW2は、ステップ送りで測定されたテラヘルツ波LT1の時間波形である。
まず、図5に示すように、速度V1が比較的小さい40μm/sの場合、時間波形TW11,TW12,TW13は、ステップ送りの時間波形TW2と略一致しており、位相ずれはほぼ発生していない。すなわち、時定数τが1ms、30ms及び100msのいずれの場合でも、位相ずれはほとんど発生しない。しかしながら、時定数τが1msと小さい場合の時間波形TW11では、ノイズが発生しているため、S/N比が悪化している。
一方、図6に示すように、速度V1が比較的大きい250μm/sの場合、時定数τが大きくなるに連れて、ステップ送りの時間波形TW2に対して位相遅れが大きくなっている。また、時定数τが1msと小さい時間波形TW11aには、やはりノイズが発生しており、S/N比が悪化している。
このように、遅延ステージ31の速度V1を高速に設定すると、位相ずれが発生しやすい。そこで、検査装置100では、高速送り方式を採用した場合に、設定された速度V1に対して、時定数τを適切に設定するため、時定数・速度テーブルDT1が予め用意される。そして、テラヘルツ波測定時に、時定数設定部60が、時定数・速度テーブルDT1に基づいて、速度V1に適した時定数τを設定することで、テラヘルツ波LT1の時間波形を良好に復元することが可能となっている。次に、時定数・速度テーブルDT1の生成処理について説明する。
<時定数・速度テーブルDT1の生成処理>
図7は、時定数・速度テーブルDT1の生成処理を示す流れ図である。この処理は、特に断らない限り、制御部6の制御下で行われるものとする。
まず、図7に示すように、ステップ送りによって、テラヘルツ波測定(すなわち、THz−TDS)が行われる(ステップS11)。この測定によって復元される時間波形は、参照用の時間波形として記憶部61などに保存される。
続いて、遅延ステージ31の速度V1及びロックインアンプ5の時定数τが設定される(ステップS12)。ここでは、速度V1が比較的低速度(例えば、40μm/s)に設定され、時定数τはロックインアンプ5で設定可能な最大値(例えば、100ms)に設定される。そして、この設定された値に基づく高速送りで、テラヘルツ波測定が行われる(ステップS13)。これによって、比較用の時間波形が復元される。
続いて、ステップS11にて復元されたステップ送りによる参照用の時間波形と、ステップS13にて復元された高速送りによる比較用の時間波形とが比較され、位相ずれが起きていないかどうか判定される(ステップS14)。ここで、位相ずれの有無の判定基準について、図8を参照しつつ説明する。
図8は、高速送りにより得た時間波形TW1及びステップ送りにより得た時間波形TW2を示す図である。図8に示すように、時間波形TW1,TW2は、最大ピークPmaxと最小ピークPminとを有する。そこで、最大ピークPmax間の位相差b1と、最小ピークPmin間の位相差b2が計測される。そして、位相差b1及び位相差b2を、ステップ送りの時間波形TW2における最大ピークPmaxと最小ピークPminの時間差aで割ることで、位相差を示す指標値として(b1/a)と(b2/a)が得られる。
続いて、これらの指標値と適宜設定された閾値THとが比較される。2つの指標値が閾値THよりも大きい場合(すなわち、TH>b1/aかつTH>b2/aのとき)は、位相ずれがあると判定される。また、2つの指標値のうち少なくとも一方が閾値TH以下の場合(TH≦b1/aまたはTH≦b2/aのとき)は、位相ずれがないと判定される。
なお、位相差b1,b2を時間差aで割ったものを指標値とすることは必須ではなく、例えば、位相差b1,b2を指標値として、適宜設定された閾値と比較してもよい。また、2つの位相差b1,b2の双方を指標値とすることは必須ではなく、どちらか一方のみを指標値としてもよい。さらにまた、最大ピークPmax間または最小ピークPmin間で位相差を計測したものを指標値とすることは必須ではない。例えば、最大ピークPmax及び最小ピークPmin以外のその他のピークにて、時間波形TW1,TW2の位相差を計測し、それを指標値としてもよい。また、時間波形TW1,TW2について、ピーク以外の位相(例えば、電界強度がゼロとなるときの位相)を抽出することで、これらの位相差を計測して、それを指標値としてもよい。
図7に戻って、高速送りの時間波形とステップ送りの時間波形とに、位相ずれがあると判定された場合(ステップS14にてNO)、時定数τが先に設定された値よりも小さい値に設定される(ステップS15)。そして、再びステップS13の高速送りでテラヘルツ波測定が行われる。一方、ステップS14にて位相ずれがないと判定された場合(ステップS14にてYES)、ステップS13で復元された時間波形のS/N比が算出される(ステップS16)。そして、ステップS14にて位相ずれがないと判定されたときの時定数τ及び速度V1、並びに、ステップS16で算出されたS/N比が、時定数・速度テーブルDT1に追加される(ステップS17)。
続けて、ステップS13で駆動された遅延ステージ31の速度V1が、遅延ステージ31の速度の上限値Vmaxかどうかが判定される(ステップS18)。遅延ステージ31の速度V1が上限値Vmax未満である場合(ステップS18にてNO)、速度V1が所定値だけ大きい値に設定され(ステップS19)、かつ、時定数τが最大値に設定されて、ステップS13の高速送りでのテラヘルツ波測定が実行される。ステップS18にて、遅延ステージ31の速度V1が上限値Vmax以下である場合(ステップS18にてYES)、時定数・速度テーブルDT1の生成処理が完了する。
図9は、図7に示す生成処理によって生成された時定数・速度テーブルDT1の一例を示す図である。図9に示すように、時定数・速度テーブルDT1では、遅延ステージ31の異なる速度V1毎に、位相ずれが起きないと判定された時定数τが設定されているとともに、S/N比情報が記録されている。S/N比情報は、時間波形の振幅に対するノイズ部分の振幅の割合をパーセンテージで示したものである。S/N比情報の値が大きいほどS/N比が低い(すなわち、ノイズが大きい)といえる。
図5及び図6で説明したように、時定数τが小さすぎる場合、S/N比が悪化する。そこで、図8に示す時定数・速度テーブルDT1の生成処理では、時定数τを、まずステップS12にて最大値に設定してから、ステップS15にて順次下げていき、位相ずれが起きないと判定される時定数τが決定している。これによって、S/N比が低くなりすぎないように、時定数τを好適に決定することができる。
また、図8に示す時定数・速度テーブルDT1の生成処理では、遅延ステージ31の速度V1を、まずステップS12にて低速度(例えば、40μm/s)に設定し、ステップS19にて上げていくようにしている。しかしながら、遅延ステージ31の速度V1を、まずステップS12にて高速度(例えば、500μm/s)に設定し、ステップS19にて下げていくようにしてもよい。また、ステップS19において、速度V1を任意に上げ下げすることで、時定数・速度テーブルDT1の生成に必要とされる全ての速度V1毎に時定数τが決定されるようにしてもよい。
<試料9の検査>
図10は、検査装置100にて実行される検査処理の流れ図である。ここでは、検査対象物である試料9が、保持台8に保持されているものとする。また、以下の各工程は、特に断らない限り、制御部6の制御下で行われるものとする。
検査処理が開始されると、まず、遅延ステージ31の速度V1がオペレータによって指定される(ステップS21)。例えば、オペレータが検査を短時間で行いたい場合には、高速度に設定される。また、精度を優先させる場合には、低速度に設定される。また、検査時間の短縮化と検査精度とを両立させる場合には、中速度に設定される。このとき、表示部63に、「速度優先」、「精度優先」、「中間」などを表記したボタンを表示しておき、オペレータがいずれかのボタンを選択することで、速度V1が自動で設定されるようにしてもよい。また、オペレータが速度V1の数値を直接入力することで、速度V1が設定されるようにしてもよい。また、時定数・速度テーブルDT1を表示部63に表示し、時定数・速度テーブルDT1に記録されているいくつかの速度V1の中から、所望の速度を選択したり、あるいはその数値を入力することで、その速度を指定できるようにしてもよい。
また、第2レーザ光L2に与えられる遅延時間の幅(すなわち、遅延ステージ31の総移動距離に対応する)の大きさ毎に、速度V1を設定しておくことも可能である。そして、オペレータが、遅延時間の幅を指定することによって、速度V1が自動で指定されるようにしてもよい。この場合、遅延時間の幅が大きいほど、速度V1を大きくすることで、テラヘルツ波測定の時間短縮を図ることができる。
続いて、ロックインアンプ5の時定数τの設定が行われる(ステップS22)。具体的には、制御部6が、ステップS21で設定された速度V1に適合する時定数τの値を、時定数・速度テーブルDT1から取得し、ロックインアンプ5に渡され、設定される。なお、ステップS21において、数値入力で速度V1が指定された場合に、その指定の速度V1が時定数・速度テーブルにないときも想定される。この場合、指定の速度V1に近い速度の時定数τに設定されるようにしてもよい。
続いて、試料9について、高速送りでのテラヘルツ波測定が行われる(ステップS23)。詳細には、第1レーザ光L1を試料9に照射しつつ、試料から放射されるテラヘルツ波LT1をテラヘルツ波検出器4で検出する。このとき、遅延ステージ31をステップS21で設定された速度V1で高速送りすることで第2レーザ光L2に時間遅延を与えられる。これによって、テラヘルツ波LT1の電界強度が、異なる位相毎に検出される。また、ロックインアンプ5は、ステップS22で設定された時定数τで、テラヘルツ波検出器4の検出信号を増幅する。増幅された検出信号は、遅延ステージ駆動制御部35からトリガーパルス信号が送られるタイミングでADコンバーター51によってデジタル情報に変換される。そしてデジタル情報の検出信号は、制御部6に取込まれる。
なお、ステップS23において、試料9の複数の測定ポイントを測定する場合、1つの測定ポイントでのテラヘルツ波LT1の計測が終わると、次の測定ポイントに第1レーザ光L1が照射されるように、保持台8を試料9の表面に平行な方向へ移動させるとよい。これによって、試料9を第1レーザ光L1で走査することもできる。なお、保持台8を移動させることで試料9を移動させるのではなく、第1レーザ光L1の光路を変更することによって、試料9に対する第1レーザ光L1の照射位置が変更されてもよい。例えば、光路を変更する手段として、ガルバノミラーなどを利用することが考えられる。ガルバノミラーを揺動させることで、第1レーザ光L1の向きを変更することができる。
<2. 変形例>
上記実施形態に係る検査装置100では、第2レーザ光L2の光路上に遅延機構3を設け、第2レーザ光L2に時間遅延を与えるようにしている。しかしながら、第1レーザ光L1の光路上に遅延機構3を設け、第1レーザ光L1に時間遅延を与えるようにしてもよい。第1レーザ光L1に時間遅延を与えることで、テラヘルツ波検出器4において、テラヘルツ波LT1を異なる位相で検出することが可能である。
また、上記実施形態に係る検査装置100では、テラヘルツ波放射体である試料9から放射されるテラヘルツ波LT1そのものを検出している。しかしながら、テラヘルツ波放射体から放射されたテラヘルツ波LT1を、別の試料に照射して、その試料を反射または透過したテラヘルツ波LT1をテラヘルツ波検出器4にて検出するようにしてもよい。この構成について、図11を参照しつつ説明する。
図11は、変形例に係る検査装置100Aを示す概略構成図である。検査装置100Aは、テラヘルツ波放射体21を備えている。テラヘルツ波放射体21は、光伝導アンテナ210と半球レンズ213で構成されている。光伝導アンテナ210は、光伝導アンテナ41と略同一の構成を有する。ここでは、光伝導アンテナ210に第1レーザ光L1が照射されることによって、テラヘルツ波LT1が発生する。当該テラヘルツ波LT1は、半球レンズ213で拡散され、さらに、一対の放物面鏡204,206によって集光されて、試料9Aに照射される。
検査装置100Aのテラヘルツ波検出器4は、試料9Aを透過したテラヘルツ波LT1を検出する。このため、保持台8は、テラヘルツ波LT1を透過し易い素材で構成されているか、もしくは、テラヘルツ波LT1を通過させる貫通孔が形成されていてもよい。
検査装置100Aにおいても、試料9Aを透過したテラヘルツ波LT1について、Thz−TDSを行う場合には、遅延機構3を使用して、第2レーザ光L2に時間遅延が与えられる。そして、図2に示すロックインアンプ5等を使用して、テラヘルツ波LT1の電界強度が検出される。つまり、検査装置100Aにおいても、遅延ステージ31を高速送りしてTHz−TDSを実行する場合には、遅延ステージ31の速度V1に適した時定数τをロックインアンプ5に設定することが望ましい。このため、検査装置100Aにおいても、図9に示すような時定数・速度テーブルDT1を予め生成しておくことが考えられる。
また、検査装置100Aでは、試料9Aを透過したテラヘルツ波LT1をテラヘルツ波検出器4で検出するように構成されている。しかしながら、試料9Aを反射したテラヘルツ波LT1をテラヘルツ波検出器4で検出するようにしてもよい。このような構成は、試料9Aのテラヘルツ波透過率が低い場合に好適である。反射テラヘルツ波について、THz−TDSを適用する場合にも、図9に示すような時定数・速度テーブルDT1を予め生成しておくことが望ましい。
この発明は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
100 検査装置
1 フェムト秒レーザ
2 ビームスプリッター
3 遅延機構
31 遅延ステージ
310 反射ミラー
33 遅延ステージ駆動部
35 遅延ステージ駆動制御部
4 テラヘルツ波検出器
41 光伝導アンテナ
43 半球レンズ
45 電流検出アンプ
5 ロックインアンプ
51 ADコンバーター(データ取得部)
6 制御部
60 時定数設定部
61 記憶部
8 保持台
9 試料
DT1 時定数・速度テーブル
L1 第1レーザ光
L2 第2レーザ光
LC1〜LC4 規定の位置
LT1 テラヘルツ波
Pmax 最大ピーク
Pmin 最小ピーク
TW11〜TW13 時間波形
TW11a〜TW13a 時間波形
TW2 時間波形(参照用時間波形)

Claims (6)

  1. パルス状のレーザ光の照射に応じてテラヘルツ波を放射する試料を検査する検査装置であって、
    パルス状のレーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を、第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割部と、
    前記第2レーザ光が入射したときに、前記第1レーザ光を受光した前記試料から放射されるテラヘルツ波の電界強度を検出するテラヘルツ波検出器と、
    前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方を反射する反射ミラーを有する遅延ステージと、前記遅延ステージを前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方の光路に沿って往復移動させる遅延ステージ駆動部とを有し、前記遅延ステージを駆動することで前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方に時間遅延を与える遅延機構と、
    前記テラヘルツ波検出器が生成した検出信号を増幅するロックインアンプと、
    前記遅延ステージが規定の位置を通過する毎に、前記ロックインアンプで増幅された前記検出信号を取得するデータ取得部と、
    前記ロックインアンプの時定数と、前記遅延ステージ駆動部によって移動する前記遅延ステージの速度とが対応付けして記録されている時定数・速度テーブルと、
    前記遅延ステージの速度を指定する操作を受け付ける操作部と、
    前記遅延ステージが前記操作部で指定された速度で移動するように、前記遅延ステージ駆動部を制御する遅延ステージ駆動制御部と、
    前記時定数・速度テーブルに基づき、前記ロックインアンプの時定数を、前記遅延ステージの前記指定された速度に対応する値に設定する時定数設定部と、
    を備える、検査装置。
  2. 請求項1に記載の検査装置であって、
    前記操作部が、前記遅延ステージの速度について、互いに異なる複数の速度の中から選択する選択操作を受け付け、
    前記遅延ステージ駆動制御部が、前記操作部を介して選択された速度で前記遅延ステージを移動させる、検査装置。
  3. パルス状のレーザ光の照射に応じてテラヘルツ波を放射する試料を検査する検査方法であって、
    (a) レーザ光源から出射されたパルス状のレーザ光を光分割部で第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割工程と、
    (b) 前記第1レーザ光を試料に照射する照射工程と、
    (c) 前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方を反射するミラーを有する遅延ステージを、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方の光路に沿って移動させることで、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方に時間遅延を与える遅延ステージ移動工程と、
    (d)前記第2レーザ光が入射したときに、前記第1レーザ光を受光した前記試料から放射されるテラヘルツ波の電界強度をテラヘルツ波検出器で検出する工程と、
    (e) 前記テラヘルツ波検出器が生成した検出信号をロックインアンプで増幅する増幅工程と、
    (f) 前記遅延ステージ移動工程における前記遅延ステージの速度を、指定された指定速度に設定する速度設定工程と、
    (g) 前記ロックインアンプの時定数と、前記遅延ステージの速度とを対応付けした時定数・速度テーブルに基づき、前前記ロックインアンプの時定数を、前記指定速度に対応する値に設定する時定数設定工程と、
    を含む、検査方法。
  4. 請求項3に記載の検査方法であって、
    (A) 前記遅延ステージを規定の各位置で固定して、前記テラヘルツ波の電界強度を検出することによって参照用時間波形を復元する参照用時間波形復元工程と、
    (B) 前記ロックインアンプの前記時定数を第1時定数に設定し、かつ、前記遅延ステージの速度を第1速度で移動させて、前記遅延ステージが複数の規定の位置を通過する毎に前記テラヘルツ波の電界強度を検出することによって、前記試料から放射される前記テラヘルツ波の第1時間波形を復元する第1時間波形復元工程と、
    (C) 前記第1時間波形及び前記参照用時間波形の位相差を計測することによって、位相ずれが起きているか否かを判定する第1判定工程と、
    (D) 前記第1判定工程にて、位相ずれが起きていないと判定された場合、前記第1時定数及び前記第1速度を時定数・速度テーブルに記録する記録工程と、
    (E) 前記第1判定工程にて、位相ずれが起きていると判定された場合、前記時定数を前記第1時定数よりも小さい第2時定数に設定し、かつ、前記遅延ステージの速度を前記第1速度で移動させて、前記遅延ステージが複数の規定の位置を通過する毎に前記テラヘルツ波の電界強度を検出することによって、前記試料から放射される前記テラヘルツ波の第2時間波形を復元する第2時間波形復元工程と、
    (F) 前記第2時間波形と前記参照用時間波形の位相差を計測することによって、位相ずれが起きているか否かを判定する第2判定工程と、
    を含む、検査方法。
  5. 請求項4に記載の検査方法であって、
    前記第1判定工程において、前記参照用時間波形及び前記第1時間波形における、最大ピークまたは最小ピークについて前記位相差が計測される、検査方法。
  6. テラヘルツ波を照射することによって、試料を検査する検査装置であって、
    パルス状のレーザ光を出射するレーザ光源と、
    前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を、第1レーザ光と第2レーザ光とに分割する光分割部と、
    前記第1レーザ光の受光に応じて、試料に照射されるテラヘルツ波を放射するテラヘルツ波放射体と、
    前記第2レーザ光が入射したときに、前記試料を透過または反射した前記テラヘルツ波の電界強度を検出するテラヘルツ波検出器と、
    前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方を反射する反射ミラーを有する遅延ステージと、前記遅延ステージを前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方の光路に沿って往復移動させる遅延ステージ駆動部とを有し、前記遅延ステージを駆動することで前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光のうち一方に時間遅延を与える遅延機構と、
    前記テラヘルツ波検出器が生成した検出信号を増幅するロックインアンプと、
    前記遅延ステージが規定の位置を通過する毎に、前記ロックインアンプで増幅された前記検出信号を取得するデータ取得部と、
    前記ロックインアンプの時定数と、前記遅延ステージ駆動部によって移動する前記遅延ステージの速度とが対応付けして記録されている時定数・速度テーブルと、
    前記遅延ステージの速度を指定する操作を受け付ける操作部と、
    前記遅延ステージが前記操作部で指定された速度で移動するように、前記遅延ステージ駆動部を制御する遅延ステージ駆動制御部と、
    前記時定数・速度テーブルに基づき、前記ロックインアンプの時定数を、前記遅延ステージの前記指定された速度に対応する値に設定する時定数設定部と、
    を備える、検査装置。
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