JP2008177476A - 半導体評価方法、半導体評価装置、半導体デバイス製造方法、および半導体デバイス製造装置 - Google Patents

半導体評価方法、半導体評価装置、半導体デバイス製造方法、および半導体デバイス製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体材料の評価結果(μ-PCD法による反射マイクロ波の電圧値)と半導体デバイスの特性評価結果(移動度)とを対応させることにより、半導体材料の評価結果をデバイス製造プロセスにフィードバックし歩留を高くする。
【解決手段】μ-PCD法によって測定された反射マイクロ波の電圧値により、半導体のTFT特性(移動度)を推定する。μ-PCD法によって測定された反射マイクロ波の電圧値と反射マイクロ波の管理電圧値との対比結果を結晶化プロセスにフィードバックし、結晶化条件を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、半導体材料の特性を評価する半導体評価方法、半導体評価装置、半導体デバイス製造方法、および半導体デバイス製造装置に関する。
半導体材料は、TFTデバイスをはじめとした数々の電子デバイスに用いられており、その特性を評価することは非常に重要である。従来は、ホール効果測定などにより、電気伝導度・キャリア濃度・キャリア移動度などの基本的な物性値が測定され評価が行なわれていた。しかしながら、デバイスの高性能化が進むに従い、半導体材料そのものの評価結果とデバイスの評価結果が必ずしも一致しないという状況が生じてきている。
また、半導体デバイスの集積度向上に伴い、シリコンウェーハの加工やデバイスの製造プロセスにおける重金属汚染が深刻な問題になっている。重金属は熱処理によって簡単にバルク中に拡散・固溶し、ドーパントとペアを形成したり重金属析出物や積層欠陥などを生成して、酸化膜耐圧の劣化やリーク電流の増加を引起こすなど、半導体製品の性能に大きな影響を与えるためである。したがってウェーハの汚染を高感度にモニタする方法がますます重要になっている。
そのような状況で、半導体にレーザを照射して過剰キャリアを励起させ、該半導体のマイクロ波に対する反射電圧値を測定するμ-PCD法という評価方法、評価装置が注目されている。
μ-PCD法とは、レーザとマイクロ波を利用して、再結合ライフタイムを測定する手法であり、マイクロ波光導電減衰法(Microwave Photo Conductivity Decay)と称されている。図9にμ-PCD法の原理を示している。ウェーハにレーザをパルス照射することにより過剰キャリア(電子・正孔対)を生成させ、ウェーハ特性(結晶中の欠陥や不純物密度)によって決まるライフタイムの後、再結合して消滅する時間をマイクロ波の反射率変化によって測定する方法である(非特許文献1)。この方法はJEIDA-53「シリコンウェーハの反射マイクロ波光導電減衰法による再結合ライフタイム 測定方法」として規格化されており、半導体デバイス材料の汚染を高感度にモニタする手法として確立されている。
なお、JEIDAとは「日本電子工業振興協会」(Japanese Electronic Industry Development Association)の略称であり、電子工業の振興を目的に1958年に設立された国内の業界団体であるが、2000年11月に日本電子機械工業会(EIAJ)と合併し、電子情報技術産業の健全な発展に寄与することを目的とした電子機器、電子部品の業界団体である「電子情報技術産業協会」(JEITA:Japan Electronics and Information Technology Industries Association)となっている。
薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor)の特性を決める電子の移動度は結晶性に依存しており,アモルファスシリコン(以下、a-Siとも称す)では0.5〜1cm2/V・Sであるがポリ(多結晶)シリコン(以下、p-Siとも称す)では単結晶シリコンの1,500cm2/V・Sには及ばないものの100〜400cm2/V・Sが実現できる。なお単結晶シリコンは、シリコン(Si)原子が基板ウエハ全面にわたって規則正しく配列している。これに対して原子配列に規則性が乏しい状態をアモルファス(非晶質)という。単結晶シリコンとアモルファスシリコンの中間で、多数の小さな結晶粒が集合した状態にあるのがポリ(多結晶)シリコンである。
電子の移動度がp-Siではa-Siに比較して2桁以上高いためにTFT特性が大幅に向上する。したがってTFTのゲート幅を小さく微細化しても回路動作に必要な電流値を十分確保できる。液晶ディスプレイにおいては、高精細のために画素寸法を微細化してもTFTが小さいために画素内での光が通過する割合を表す開口率も高くなり画面が明るくきれいになる。さらにTFTの動作速度を100MHzへと2桁以上の高速化が可能となるため、ディスプレイの画素を駆動する周辺のCMOS回路をディスプレイ上にモノリシックに一体化できる。
液晶ディスプレイに代表される平面型表示装置の場合、今後更なる画面大型化や高精細化、動画像対応の向上などを図るうえで重要となるのは表示画素駆動回路の応答速度向上である。このため、水素化アモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a-Si:H-TFT)に代わって,数100倍の電子移動度を有する低温成長多結晶シリコン薄膜トランジスタ(poly-Si-TFT)が注目されている。多結晶Si 薄膜の低温成長法としては、アモルファスSi 膜堆積後にエキシマレーザー光を照射して加熱,再結晶化させる方法(ELA法)がある。
このため、トランジスタ性能を左右するポリシリコン薄膜の結晶性を、非接触・非破壊で評価するポリシリコン薄膜の結晶性評価手法が必要とされてきた。そこで、光侵入長の短い励起光源を用い、またマイクロ波の検出感度を改善するなどにより、薄膜のシリコンでもμ-PCD法の測定ができるよう改良し、レーザを照射して励起させ、マイクロ波を照射し、この照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値、なかでもその最大値である最大反射電圧値(以下、ピーク値ともいう)を測定することで、ライフタイム測定の応用として、ポリシリコン薄膜の結晶性を評価する手法が考えられる。
なお、紫外域から可視域にわたる種々の励起レーザー光を用いることにより光侵入長を変えて成長膜厚方向の物性分布について詳細な評価を行なうことができる。たとえば、紫外光363.8nmを励起源に用いることにより、基板との界面や成長表層の数nm厚の領域の評価が可能である。
「半導体プロセスにおける重金属汚染の検出−キャリアライフタイム測定装置−」,R&D神戸製鋼技報,平成14年9月,vol.52,No.2,p.87−93
しかしながら、マイクロ波光導電減衰法(μ-PCD法)などから得られるシリコン基板のライフタイム値は、基板の表面状態によって大きく異なるという欠点があった。このため、たとえば液晶ディスプレイ等に用いられる結晶化半導体材料を対象にした場合、μ-PCD法によって測定されたマイクロ波を反射させたときの最大反射電圧値、すなわち半導体材料の結晶性評価特性(半導体材料の評価結果)と、移動度に代表されるTFT特性(半導体デバイスの特性評価結果)とが明確な相関関係を示さないという問題点があった。
そこで、本発明は、半導体材料の評価結果と、TFT特性などの半導体デバイスの特性評価結果とを対応可能とすることにより、半導体材料の評価結果をデバイス製造プロセスにフィードバックして歩留を高くし、半導体デバイスの製造コストを低減する半導体評価方法、半導体評価装置、半導体デバイス製造方法、および半導体デバイス製造装置を提供することを目的とする。
本発明のある局面に係る半導体評価方法は、半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
前記測定するステップにより測定された反射マイクロ波の電圧値により、半導体のTFT特性を代表する移動度を推定する移動度演算ステップ手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
本発明の他の局面に係る半導体評価方法は、所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定するステップと、
半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記電圧値を測定するステップにより測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定するステップと、
前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度のデータを取得し、さらに該移動度を、前記電圧値を測定するステップにより測定された反射マイクロ波の電圧値に比例すると仮定し、前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて該移動度を算出する移動度演算式を仮定するステップと、
前記移動度演算式を仮定後に、前記電圧値を測定するステップにより測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算ステップとを備えることを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
本発明のさらなる他の局面に係る半導体評価方法は、所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定するステップと、
半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度を測定するステップと、
測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記電圧値を測定するステップにより測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定するステップと、
測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、測定された前記複数個の試料半導体の移動度データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第1移動度演算式を仮定するステップと、
前記反射電圧値演算式と前記第1移動度演算式とにより、前記電圧値を測定するステップにより測定された反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第2移動度演算式を仮定するステップと、
前記第2移動度演算式を仮定後に、前記電圧値を測定するステップにより測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記第2移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算ステップとを備えることを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
好ましくは、前記半導体評価方法における前記反射電圧値演算式、前記移動度演算式は、前記表面突起高さ、前記反射マイクロ波の電圧値をそれぞれ独立変数とする一次関数であることを特徴とする。この発明によれば、反射電圧値演算式、移動度演算式がそれぞれ一次関数であり、単純なためにこれらの式を仮定するのも、これらの式を用いて演算するのも容易になる。
好ましくは、前記半導体評価方法における前記反射電圧値演算式および前記第1移動度演算式は前記表面突起高さをそれぞれ独立変数とする一次関数であり、前記第2移動度演算式は前記反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする一次関数であることを特徴とする。この発明によれば、反射電圧値演算式、第1移動度演算式、第2移動度演算式がそれぞれ一次関数であり、単純なためにこれらの式を仮定するのも、これらの式を用いて演算するのも容易になる。
好ましくは、前記半導体評価方法における前記反射マイクロ波の電圧値は、前記電圧値を測定するステップにより測定された反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値であることを特徴とする。この発明によれば、レーザ照射後直ちに反射マイクロ波の最大電圧値を測定可能となり、直ちに結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することが可能となる。
好ましくは、前記半導体評価方法における前記半導体、前記試料半導体、前記結晶化半導体は、いずれも多結晶シリコンもしくは単結晶シリコンであることを特徴とする。この発明によれば、多結晶シリコンもしくは単結晶シリコン半導体材料は、μ-PCD法によって感度高く反射電圧測定値を測定可能であり、特に有用である。さらに、薄膜トランジスタ(TFT)が可能で、液晶ディスプレイ、太陽電池など大きな需要を得ることができる。
好ましくは、前記半導体評価方法における前記試料半導体の表面突起高さは、原子間力顕微鏡もしくは走査型トンネル顕微鏡を用いて測定されることを特徴とする。この発明によれば、ナノメーター(nm)オーダーでの表面突起高さの測定が可能であり、より正確に、半導体の表面突起高さが測定できる。
好ましくは、前記半導体評価方法における前記試料半導体の表面突起高さは、最大高さ、もしくは、10点平均粗さにて表現される値であることを特徴とする。この発明によれば、半導体の表面突起高さと移動度で代表される半導体のTFT特性とが明確な相関関係を示すため、半導体の移動度が表面突起高さを独立変数とする関数により算出される第1移動度演算式の仮定導出が容易になる。
本発明のさらなる他の局面に係る半導体評価装置は、半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の電圧値により、半導体のTFT特性を代表する移動度を推定する移動度演算手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
本発明のさらなる他の局面に係る半導体評価装置は、所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定する表面突起高さ測定手段と、
半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記反射電圧値測定手段により測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定する反射電圧値演算式仮定手段と、
前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度のデータを取得し、さらに該移動度を、前記反射電圧値測定手段が測定した反射マイクロ波の電圧値に比例すると仮定し、前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて該移動度を算出する移動度演算式を仮定する移動度演算式仮定手段と、
前記移動度演算式仮定手段が前記移動度演算式を仮定後に、前記反射電圧値測定手段により測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
本発明のさらなる他の局面に係る半導体評価装置は、所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定する表面突起高さ測定手段と、
半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度を測定する移動度測定手段と、
測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記反射電圧値測定手段により測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定する反射電圧値演算式仮定手段と、
測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、測定された前記複数個の試料半導体の移動度データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第1移動度演算式を仮定する第1移動度演算式仮定手段と、
前記反射電圧値演算式と前記第1移動度演算式とにより、前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第2移動度演算式を仮定する第2移動度演算式仮定手段と、
前記第2移動度演算式を仮定後に、前記反射電圧値測定手段により測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記第2移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
好ましくは、前記半導体評価装置における前記反射電圧値演算式、前記移動度演算式は、前記表面突起高さ、前記反射マイクロ波の電圧値をそれぞれ独立変数とする一次関数であることを特徴とする。この発明によれば、反射電圧値演算式、移動度演算式がそれぞれ一次関数であり、単純なためにこれらの式を仮定するのも、これらの式を用いて演算するのも容易になる。
好ましくは、前記半導体評価装置における前記反射電圧値演算式および第1移動度演算式は前記表面突起高さをそれぞれ独立変数とする一次関数であり、前記第2移動度演算式は前記反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする一次関数であることを特徴とする。この発明によれば、反射電圧値演算式、第1移動度演算式、第2移動度演算式がそれぞれ一次関数であり、単純なためにこれらの式を仮定するのも、これらの式を用いて演算するのも容易になる。
好ましくは、前記半導体評価装置における前記反射マイクロ波の電圧値は、前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値であることを特徴とする。この発明によれば、レーザ照射後直ちに反射マイクロ波の最大電圧値を測定可能となり、直ちに結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することが可能となる。
好ましくは、前記半導体評価装置における前記半導体、前記試料半導体、前記結晶化半導体は、いずれも多結晶シリコンもしくは単結晶シリコンであることを特徴とする。この発明によれば、多結晶シリコンもしくは単結晶シリコン半導体材料は、μ-PCD法によって感度高く反射マイクロ波の電圧値を測定可能であり、特に有用である。さらに、薄膜トランジスタ(TFT)が可能で、液晶ディスプレイ、太陽電池など大きな需要を得ることができる。
好ましくは、前記半導体評価装置における前記試料半導体の表面突起高さは、原子間力顕微鏡もしくは走査型トンネル顕微鏡を用いて測定されることを特徴とする。この発明によれば、ナノメーター(nm)オーダーでの表面突起高さの測定が可能であり、より正確に、半導体の表面突起高さが測定できる。
好ましくは、前記半導体評価装置における前記試料半導体の表面突起高さは、最大高さ、もしくは、10点平均粗さにて表現される値であることを特徴とする。この発明によれば、半導体の表面突起高さと移動度で代表される半導体のTFT特性とが明確な相関関係を示すため、半導体の移動度が表面突起高さを独立変数とする関数により算出される第1移動度演算式の仮定導出が容易になる。
本発明のさらなる他の局面に係る半導体デバイス製造方法は、所定の結晶化条件にて非晶質半導体を結晶化するステップと、
前記結晶化するステップにより結晶化された半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
前記測定するステップにより測定された反射マイクロ波の測定電圧値と予め準備されている反射マイクロ波の管理電圧値とを対比するステップと、
前記対比するステップにより対比された結果を前記結晶化するステップにフィードバックし、前記結晶化するステップにおける結晶化条件を制御するステップとを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化するステップにおける結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
本発明のさらなる他の局面に係る半導体デバイス製造装置は、所定の結晶化条件にて非晶質半導体を結晶化する結晶化手段と、
前記結晶化手段により結晶化された半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の測定電圧値と予め準備されている反射マイクロ波の管理電圧値とを対比する反射電圧値対比手段と、
前記反射電圧値対比手段により対比された結果を前記結晶化手段にフィードバックし、前記結晶化手段における結晶化条件を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化手段における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。
本発明によれば、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧値)とデバイスの評価結果(移動度)とを即座に対応させることが可能となる。また、結晶化された半導体の反射マイクロ波の電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となり、歩留向上とコスト削減に寄与できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
最初に半導体材料の評価結果をTFT特性などの半導体デバイスの特性評価結果に対応可能とする方法について説明する。具体的には、半導体材料の評価結果とは、非晶質半導体を結晶化したシリコン膜のμ-PCD法による反射マイクロ波の最大電圧値(以下、最大反射電圧値とも称す。)の測定値であり、半導体デバイスの特性評価結果とは、半導体のTFT特性を代表する移動度である。
結晶化したシリコン膜の表面の突起高さによってμ-PCD法によってマイクロ波を反射させたときの減衰する前の反射マイクロ波の最大電圧値の測定値が異なってくる。なお、半導体を結晶化することにより、表面に突起部が生じる。図8は、実際に結晶化された基板の表面の観察結果である。この突起を原子間力顕微鏡により測定した結果が、図1の平均突起高さRzである。シリコン膜の表面のそれぞれの突起高さと、μ-PCD法によってマイクロ波を反射させたときの最大反射電圧値との相関測定値データをグラフ化したのが図1である。
図2は、第1実施形態において、μ-PCD法によってマイクロ波を反射させたときの最大反射電圧値を測定する試料を説明する表である。試料A、試料Bともに多結晶化したシリコン膜であり、試料Aは非晶質半導体を結晶化する結晶化プロセスの結晶化条件Aで作成したサンプル11個で、試料Bは非晶質半導体を結晶化する結晶化プロセスの結晶化条件Bで作成したサンプル11個である。
試料AはTFT特性がTFT特性Aであり、nチャンネルで、チャンネル長が4μのときの移動度は200〜220[cm/V・S]であり、試料BはTFT特性がTFT特性Bであり、nチャンネルで、チャンネル長が4μのときの移動度は100〜120[cm/V・S]である。TFT特性の代表値である移動度を示している。
図1における縦軸は試料にレーザを照射して励起させ、該試料のマイクロ波に対する最大反射電圧の測定値[mV](ピーク値)を表し、横軸は試料表面突起の10点平均高さRz[nm](以下、突起高さともいう)を表している。ここで、試料表面突起の10点平均高さRzは、原子間力顕微鏡により測定した測定値のうち高さの最も高いものから10点を抽出し平均した「10点平均粗さ」である。また、原子間力顕微鏡の代わりに走査型トンネル顕微鏡で測定してもよい。また、10点平均粗さの代わりに、計測値のうちで最も高い値を採用する「最大高さ(Ry)」で表してもよい。なお、表面粗さの表現方法には、10点平均粗さRz(JIS)、最大高さRy(Rmax)の他に、測定値を自乗した値の平均値を採用する自乗平均値Rq、中心線平均粗さRaがある。
図1には、結晶化条件Aで作成したサンプル11個(試料A)および結晶化条件Bで作成したサンプル11個(試料B)の突起高さと最大反射電圧の測定値(ピーク値)を測定しグラフ上にプロットし、試料A、試料B毎に近似直線で表している。各測定プロット値の試料A、試料B毎の近似直線との乖離度を「R」で表している。試料A、試料Bの乖離度はそれぞれR=0.8178、乖離度R=0.8682である。(R=1であれば、すべてのプロットが近似直線上に配置されていることになる。)
走査トンネル顕微鏡は、STM(Scanning Tunneling Microscope)と称され、試料と探針間のトンネル電流を検出することで表面の構造を原子レベルの分解能で観察する。しかし、STMは導電性の試料しか観察出来ないため、絶縁体でも測定できるAFM(Atomic Force Microscope: 原子間力顕微鏡)が考案された。AFMは走査プローブ顕微鏡の一種で、先端を尖らせた針を膜の表面上で走査して、針が感じる原子間力を電気信号に変える事で表面の形状を観察する。これらSTMやAFMは、近接場顕微鏡(SNOM)などと併せてSPM(Scanning Probe Microscope: 走査プローブ顕微鏡)と呼ばれている。
図1で示すように、測定試料の突起高さが異なることによって試料のマイクロ波に対する最大反射電圧値(ピーク値)の測定値が異なるため、測定した最大反射電圧値から直ちにTFT特性を類推できなかった。このため、図6を用いて後述するレーザパワー等によって非晶質半導体を結晶化する結晶化プロセス条件にフィードバックをかけることができなかった。従来は、結晶化工程の後さらに複数の工程を経た後のTFT検査工程を待ってからのフィードバック制御であった。結晶化された半導体の最大反射電圧値を測定し、直ちに結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することができず、結晶化条件がわずかに変化した段階での修正ができなかった。このため結晶化工程の歩留が悪く製造コストも高いものとなっていた。
本実施形態に係る発明は、測定試料の突起高さが異なることによって試料のマイクロ波に対する最大反射電圧値の測定値が異なっていても、測定した最大反射電圧値から直ちにTFT特性(移動度)を類推できる手法を開発し、この手法により、半導体材料のTFT特性を類推して、直ちにレーザパワー等による結晶化プロセス条件にフィードバックをかけることを可能とした。
まず、或る所定の結晶化プロセス条件下で非晶質半導体を結晶化している限り、次の関係式(1)、(2)が成立すると仮定することにより、検査結果と実際に測定されるTFT特性(移動度)とをほぼ対応させることが可能になる。
M1=αP1=αf(H1) (1)
M2=αP2=αf(H2) (2)
ここで試料A(TFT特性A)及び試料B(TFT特性B)の最大反射電圧測定値をP1、P2、突起高さをH1、H2、移動度を:M1、M2とする。f(H1)、f(H2)はそれぞれ独立変数H1、H2の関数であることを示す。
(1)式、(2)式のP1=f(H1)、P2=f(H2)に本実施例の図1に示す測定結果が近似するように、数値を定めた1次関数(半導体の反射マイクロ波の電圧値が表面突起高さを独立変数とする関数により算出される反射電圧値演算式)(3)、(4)を導き出す。
P1=1.13*H1+53 (3)
P2=0.73*H2+33 (4)
この(3)式、(4)式を用いて突起高さをH1、H2に50〜200nmを代入して表面突起高さに対する最大反射電圧計算値のデータを求めグラフ化した説明図を図3に示す。図1と図3とを比較すると図3は図1に近似していることがわかる。
次に、(1)式、(2)式のM1=αP1、M2=αP2に(3)式、(4)式のP1、P2を用い、さらに本実施例の試料Aの移動度:200〜220[cm/V・S]、試料Bの移動度:100〜120[cm/V・S](図2)が近似するように、数値を定めた1次関数(半導体の移動度が表面突起高さを独立変数とする関数により算出される第1移動度演算式)(5)、(6)を導き出す。
M1={1.13*H1}*0.1+53*3.5 (5)
M2={0.73*H2}*0.1+33*3.5 (6)
この(5)式、(6)式を用いて突起高さをH1、H2に50〜200nmを代入して表面突起高さに対する移動度計算値のデータを求めグラフ化した説明図を図4に示す。図4に示す移動度計算値は試料Aの移動度:200〜220[cm/V・S]、試料Bの移動度:100〜120[cm/V・S](図2)に近似していることがわかる。
(5)式、(6)式を用いると、言い換えれば(5)式、(6)式が成立する、或る所定の結晶化プロセス条件下で非晶質半導体を結晶化している限り、突起高さH1、H2が判れば、当該試料A、試料Bの移動度が推定できることになる。しかしながら、試料の突起高さ測定は、大型基板を分割することなく精度良く測定することができないという問題がある。一枚すべてのエリアの突起高さ測定には、数日を要することもある。
(5)式、(6)式を用いた図4と(3)式、(4)式を用いた図3とを比較すると、試料の突起高さによって最大反射電圧測定値は大きく異なってくる(図3)が、移動度は大きく変化しないこと(図4)を見出した。すなわち、(5)式、(6)式が成立する、或る所定の結晶化プロセス条件下で非晶質半導体を結晶化している限り、突起高さのファクターを除くことができる。
なお、「(5)式、(6)式が成立する、或る所定の結晶化プロセス条件下」と記載しているが、正しくは、(5)式、(6)式の両方が成立する必要はなく、「たとえば、(5)式が成立する結晶化条件Aの下で、あるいは(6)式が成立する結晶化条件Bの下で」の意である。以下の記載においても同様の意である。
なお、(3)式、(4)式を変形すると、
H1=(P1−53)/1.13 (3’)
H2=(P2−33)/0.73 (4’)
(3’)式、(4’)式のH1、H2を(5)式、(6)式のH1、H2に代入して整理すると、
M1=(P1−53)*0.1+53*3.5 (7)
M2=(P2−33)*0.1+33*3.5 (8)
となる。
(7)式、(8)式(半導体の反射マイクロ波の最大電圧値を独立変数とする関数により算出される移動度演算式)より、或る所定の結晶化プロセス条件下では、反射マイクロ波の最大電圧値(P1、P2)を測定すると移動度(M1、M2)を算出(推定)可能となる。
[まとめ1]
本実施形態に係る発明は、上記のようにまず準備段階(テスト生産)において、所定の結晶化プロセス条件を定め、該所定の結晶化プロセス条件下で、非晶質半導体が結晶化された所定数の試料半導体を生産する。所定数の試料半導体の表面突起高さを、原子間力顕微鏡もしくは走査型トンネル顕微鏡を用いて測定する。また、μ-PCD法に従い、レーザを試料半導体に照射した直後の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値を測定する。この表面突起高さ、反射マイクロ波の電圧値(反射電圧値とも称す。)の測定には多少時間がかかってもよい。これは本生産のための準備段階だから可能である。
測定された複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、測定された複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式(たとえば上記(3)式、(4)式)を仮定する。この反射電圧値演算式の作成は、表面突起高さデータと反射マイクロ波の電圧値データとを半導体評価装置3の演算手段32が取り込めば、予め作成し演算手段32のROMに記憶させておいたプログラムにより、自動的に作成させることも可能である。
試料半導体のTFT特性を代表する移動度は、上記(1)式、(2)式で示すように測定された反射マイクロ波の電圧値に比例すると仮定する。また、試料半導体の移動度のデータは、図2に示すように、所定の結晶化プロセス条件を定め、試料半導体を作成した後、取得しているものとする。この試料半導体の移動度の測定も表面突起高さ、反射マイクロ波の電圧値の測定同様に、多少時間がかかってもよい。むしろ正確な測定が望まれる。
上記反射電圧値演算式(たとえば上記(3)式、(4)式)と、取得している試料半導体の移動度のデータと、移動度は測定された反射マイクロ波の電圧値に比例するとの仮定とにより、移動度を反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて算出する移動度演算式(たとえば上記(7)式、(8)式)を仮定する。この移動度演算式の作成も、移動度のデータと反射マイクロ波の電圧値データとを半導体評価装置3の演算手段32が取り込めば、予め作成し演算手段32のROMに記憶させておいたプログラムにより、自動的に作成させることも可能である。
移動度演算式作成の準備完了後に、所定数の試料半導体を生産した準備段階(テスト生産)と同じ所定の結晶化プロセス条件下で、非晶質半導体を結晶化する本格生産を開始する。本格生産で生産される結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を測定し、移動度演算式に代入して該結晶化半導体の移動度を算出する。つまり、結晶化半導体の生産ラインにおいて測定する反射マイクロ波の電圧値は、半導体材料の評価結果である。また、算出される結晶化半導体の移動度は、TFT特性などの半導体デバイスの特性評価結果である。このように本実施形態に係る発明は、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧測定値)により半導体デバイスの特性評価結果(移動度)を算出可能とした。
さらに、反射マイクロ波の電圧測定値として、μ-PCD法に従い、レーザを試料半導体に照射した直後の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値を測定する。このため、反射マイクロ波の電圧値測定は直ちに測定結果を得ることができる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態の変形例について第2実施形態として以下に説明する。第1実施形態においては、半導体の最大反射電圧値を独立変数とする関数により算出される移動度演算式((5)式、(6)式、すなわち(7)式、(8)式)の導出がやや難しいと考えられる。第2実施形態は、この点をさらに容易に導出しようとするものである。
第1実施形態においては、シリコン膜の表面のそれぞれの突起高さと、μ-PCD法によってマイクロ波を照射したときの反射マイクロ波の最大電圧値(最大反射電圧値)とを複数個の試料について測定し、これらの相関測定値データをグラフ化し、図1に示している。そして半導体の最大反射電圧値が表面突起高さを独立変数とする関数により算出される反射電圧値演算式((3)式、(4)式)をこの図1に近似するようにして仮定導出した。
第2実施形態においては、さらに、シリコン膜の表面のそれぞれの突起高さと、半導体のTFT特性を代表する移動度とを複数個の試料について測定し、これらの相関測定値データをグラフ化し、図示する。このグラフは図示を割愛しているが、概ね図4に図示するような直線で表面突起高さと移動度との相関を近似できる。そして半導体の移動度が表面突起高さを独立変数とする関数により算出される第1移動度演算式(たとえば(5)式、(6)式)をこのグラフに近似するようにして仮定導出できる。
第1実施形態と同様にして仮定導出された、半導体の最大反射電圧値が表面突起高さを独立変数とする関数により算出される反射電圧値演算式((3)式、(4)式)から(3’)式、(4’)式に変形し、上記第1移動度演算式(たとえば(5)式、(6)式)に代入すると、半導体の移動度を半導体の反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数により算出される第2移動度演算式(たとえば(7)式、(8)式)が仮定導出できる。
[まとめ2]
本実施形態に係る発明は、上記のようにまず準備段階(テスト生産)において、所定の結晶化プロセス条件を定め、該所定の結晶化プロセス条件下で、非晶質半導体が結晶化された所定数の試料半導体を生産する。所定数の試料半導体の表面突起高さを、原子間力顕微鏡もしくは走査型トンネル顕微鏡を用いて測定する。また、μ-PCD法に従い、レーザを試料半導体に照射した直後の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値を測定する。さらに、複数個の試料半導体について、TFT特性を代表する移動度を測定する。
移動度を測定するには、さらにいくつかの工程を経た後でなければならないのであれば、これらの工程を経た後に移動度を測定すればよい。すなわち、結晶化された状態での試料半導体で先に表面突起高さ、反射マイクロ波の電圧値を測定しておく。その後さらに結晶化された状態からいくつかの工程を経た後、そのときには、形状などが異なって、表面突起高さ測定や、反射マイクロ波の電圧値測定はできない状態になっているかも知れないが、移動度が測定可能になった時点で、言い換えれば、移動度を測定可能にした状態で移動度を測定すればよい。このようにしても、たとえば、試料1は表面突起高さ測定値が○○で、反射マイクロ波の電圧測定値が××で、移動度測定値が△△とデータが得られる。
この移動度測定時は、結晶化された状態での試料半導体を分割した形状になるのであれば、移動度測定時の分割形状を想定した分割部分毎の表面突起高さ、反射マイクロ波の電圧値を測定できるように工夫することもできる。各試料の表面突起高さ測定値と反射マイクロ波の電圧測定値との相関、各試料の表面突起高さ測定値と移動度測定値との相関がとれるように工夫することである。表面突起高さ、反射マイクロ波の電圧値、移動度の測定には多少時間がかかってもよい。これは本生産のための準備段階だから可能である。むしろ、より正確な測定値が望まれる。
測定された複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、測定された複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式(たとえば上記(3)式、(4)式)を仮定する。この反射電圧値演算式の作成は、表面突起高さデータと反射マイクロ波の電圧値データとを半導体評価装置3の演算手段32が取り込めば、予め作成し演算手段32のROMに記憶させておいたプログラムにより、自動的に作成させることも可能である。
測定された複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、測定された複数個の試料半導体の移動度データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて試料半導体の移動度を算出する第1移動度演算式(たとえば上記(5)式、(6)式)を仮定する。この第1移動度演算式の作成は、表面突起高さデータと移動度データとを半導体評価装置3の演算手段32が取り込めば、予め作成し演算手段32のROMに記憶させておいたプログラムにより、自動的に作成させることも可能である。
上記反射電圧値演算式(たとえば上記(3)式、(4)式)と、上記第1移動度演算式(たとえば上記(5)式、(6)式)とにより、測定された反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて試料半導体の移動度を算出する第2移動度演算式(たとえば上記(7)式、(8)式)を仮定する。この第2移動度演算式の作成も、反射マイクロ波の電圧値データを半導体評価装置3の演算手段32が取り込めば、予め作成し演算手段32のROMに記憶させておいたプログラムにより、自動的に作成させることも可能である。
第2移動度演算式作成の準備完了後に、所定数の試料半導体を生産した準備段階(テスト生産)と同じ所定の結晶化プロセス条件下で、非晶質半導体を結晶化する本格生産を開始する。本格生産で生産される結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を測定し、第2移動度演算式に代入して該結晶化半導体の移動度を算出する。つまり、結晶化半導体の生産ラインにおいて測定する反射マイクロ波の電圧値は、すなわち、半導体材料の評価結果である。また、算出される結晶化半導体の移動度は、TFT特性などの半導体デバイスの特性評価結果である。このように本実施形態に係る発明は、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧測定値)により半導体デバイスの特性評価結果(移動度)を算出可能とした。
さらに、反射マイクロ波の電圧測定値として、μ-PCD法に従い、レーザを試料半導体に照射した直後の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値を測定する。このため、反射マイクロ波の電圧値測定は直ちに結果を得ることができる。
<第3実施形態>
上記第1実施形態、第2実施形態を応用した半導体デバイス製造方法について以下に説明する。所定の結晶化プロセス条件下で非晶質半導体を結晶化したテスト生産における試料の突起高さ、最大反射電圧測定値、移動度をそれぞれ測定し、(5)式、(6)式が成立することを事前に確認し、所定の結晶化プロセス条件下における移動度を把握し、製造プロセスにおける移動度の許容限度値を管理移動度として事前に準備しておく。なお、テスト生産における試料の移動度測定は時間を要しても、精度の高い方法で測定するものとする。また、上述した(5)式、(6)式における具体的数値は例示に過ぎず、所定の結晶化プロセス条件下で非晶質半導体を結晶化した試料の突起高さ、最大反射電圧測定値、移動度を測定し、適切な具体的数値を決め得ることは当然である。さらに、TFT特性は、結晶性だけで決まるものではなく、ゲート酸化膜の膜厚や界面状態に大きく左右されるため、上述した(5)式、(6)式における具体的数値(定数)はプロセスに応じて最適化する必要がある。
管理移動度が定まれば、(5)式、(6)式(図4参照)より、管理突起高さ(許容上下限値)が定まり、管理突起高さ(許容上下限値)が定まれば、(3)式、(4)式(図3参照)より、管理最大反射電圧値、つまり、測定された最大反射電圧値の許容限度値(許容上下限値)が定まることになる。
上述した具体例により以下説明する。所定の結晶化プロセス条件が上述した結晶化条件A(試料A)であり、管理移動度が200〜220[cm/V・S]とする。(5)式のM1に200〜220[cm/V・S]を代入し、管理突起高さに換算すると128.3〜305.3[nm]と算出される(図4参照)。(3)式のH1に128.3〜305.3[nm]を代入し、管理最大反射電圧測定値に換算すると198〜398[mV]と算出される(図3参照)。以上より最大反射電圧測定値が198〜398[mV]であれば、移動度が200〜220[cm/V・S]であると推定できる。なお、以上の具体的な数値は説明を簡単にするために例示するものであって、実際には、管理安全係数を見込み、より狭い管理値となる。なお、上記説明のようにしなくても、前述した(7)式、(8)式を用いれば簡単である。
[半導体評価装置]
ここで半導体評価装置3について図5を用いて説明する。図5は半導体デバイス製造装置1の構成を説明するブロック図である。本実施形態における半導体デバイス製造装置1は、結晶化手段(結晶化装置)2と半導体評価装置3とで構成される。半導体評価装置3は、結晶化された半導体の最大反射電圧値を測定し、測定した最大反射電圧測定値と管理最大反射電圧値とを対比させ、測定した最大反射電圧測定値が管理最大反射電圧値の範囲内であれば、結晶化された半導体のTFT特性(具体的には、移動度)が所定の管理値の範囲に納まっていると推測するものである。
半導体評価装置3は、結晶化された半導体にレーザパルスを照射し、照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値(以下、反射電圧値ともいう。)を測定する反射電圧値測定手段31と、半導体のTFT特性を代表する移動度を反射電圧値測定手段31により測定された反射電圧値により推定する演算手段32とを備えている。反射電圧値測定手段31は、レーザ照射手段33と、このレーザ照射手段33によりレーザをパルス照射された半導体にマイクロ波出力手段34からマイクロ波を照射し、半導体から反射されるマイクロ波電圧を反射マイクロ波電圧測定手段35により測定する。演算手段32はコンピュータで構成され、演算機能を持つCPU、処理プログラムなどを記憶するROM、CPUの作業エリアとなるRAMを備えている。
図9に示すように、レーザ照射手段33によりレーザをパルス照射された直後は反射マイクロ波の電圧値は最大値を示し、時間経過とともに減衰していく。この反射率が1から1/eになるまでの時間が再結合ライフタイムである。本実施形態では、再結合ライフタイムを測定するのではなく、減衰する前の最大反射電圧値を測定する。第1実施形態で説明したように、(5)式、(6)式が成立する、或る所定の結晶化プロセス条件下で非晶質半導体を結晶化している限り、移動度は所定の管理値に収まっているとみなされる。このことは、事前にテスト生産において確認済みである。再結合ライフタイムではなく、最大反射電圧値を測定するから、測定値が直ちに得られ、直ちに演算手段32によりデータが解析され、結晶化手段(結晶化装置)2の結晶化条件を制御するコントローラにフィードバックされ得る。
さらに、半導体評価装置3は結晶化装置2に隣接し、結晶化装置2により結晶化された半導体の最大反射電圧値を直ちに測定できるよう配置し、測定された反射マイクロ波の電圧値から自動的にTFT特性(移動度)を推測することができる。測定された最大反射電圧値が基準値から外れた場合は、TFT特性(移動度)も基準値から外れたものとみなされる。そこで、結晶化装置2における結晶化条件を制御して、最大反射電圧値が基準値内に納まるようにする。テスト生産において、結晶化条件と該結晶化条件で結晶化された試料(半導体)の最大反射電圧値(測定値)、TFT特性(移動度)との関連を把握しておき、測定された最大反射電圧値の基準値(管理最大反射電圧値)との対比結果により結晶化装置2における結晶化条件をどのように制御すべきであるかは事前に把握されていることが必要である。
このように結晶化された半導体の最大反射電圧値を直ちに測定し、結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することで、結晶化条件がわずかに変化した段階で修正が可能となる。このため歩留向上とコスト削減に寄与できる。従来は、結晶化工程の後さらに複数の工程を経た後のTFT検査工程を待ってからのフィードバック制御であった。
[結晶化装置]
次に結晶化手段(結晶化装置)2について図5、図6を用いて説明する。図5に示すように、結晶化手段(結晶化装置)2は、非晶質半導体4に照射して加熱,再結晶化させるレーザー光を出力するレーザー出力手段21、レーザー光を調節するレーザー光調節手段22、配置した非晶質半導体にレーザー光を照射する照射領域を移動させるステージ(照射領域移動手段)23、前記レーザー出力手段21、レーザー光調節手段22、ステージ(照射領域移動手段)23をそれぞれ制御するコントローラ(結晶化条件制御手段)24を備えている。コントローラ(結晶化条件制御手段)24はコンピュータで構成され、演算機能を持つCPU、処理プログラムなどを記憶するROM、CPUの作業エリアとなるRAMを備えている。
結晶化手段(結晶化装置)2として、アモルファスSi 膜堆積後にエキシマレーザー光を照射して加熱,再結晶化させるエキシマ・レーザ・アニール(excimer laser anneal, ELA)法による再結晶化多結晶シリコン(polycrystalline silicon, poly-Si)を製造するレーザ加工装置について図6を用いて説明する。
図6に示すようにレーザ加工装置は、レーザ光源21、レーザビーム投影マスク14、コントローラ24を備える。レーザ加工装置において、レーザ光源21から出射されたレーザビーム5は、可変減衰器12、反射ミラー7、8、可変焦点視野レンズ13、投影マスク14、結像レンズ15、反射ミラー9を経由して、ステージ23上に搭載された非晶質半導体4の上面に照射される。また、コントローラ24でステージ23の位置を制御するとともにレーザ光源21の出力(出射強度)を制御する。図5に示すレーザー光調節手段22は、図6に示す可変減衰器12、反射ミラー7、8、9、可変焦点視野レンズ13、投影マスク14、結像レンズ15などの総称である。
ステージ23上に位置する非晶質半導体4は、基板としての透明基板上に、下地膜、シリコン膜が順次積層されて構成されている。ここで、下地膜として用いられる材料は、SiO、SiON、SiN、AlN等からなる誘電体材料である。また、下地膜は、蒸着、イオンプレーティング、またはスパッタリングなどにより透明基板上に積層される。そして、シリコン膜は、プラズマエンハンスド化学気相堆積(PECVD,Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)、蒸着、またはスパッタリングなどによって下地膜上に積層されている。この時点で、シリコン膜は、アモルファス(非晶質)の状態である。
次に、上記レーザ加工装置によって、上記シリコン膜を結晶化する工程を説明する。レーザ光源21から出射されたレーザビーム5は、可変減衰器12、反射ミラー7、8、可変焦点視野レンズ13、投影マスク14、結像レンズ15、反射ミラー9を経由して、ステージ23上に搭載された非晶質半導体4のシリコン膜の上面に照射される。このレーザビーム5は、投影マスク14によるマスキングでもって、微細幅のパルスレーザとして照射され、半導体膜としてのシリコン膜をレーザ照射領域の厚さ方向全域にわたって溶融、凝固させて結晶化を行なう(第1領域の結晶化工程)。
次に、コントローラ24は、ステージ23を制御して、図6に示す矢印6の左方向に所定の距離だけ移動させる (領域移動工程)。これにより、投影マスク14を経由したレーザビーム5がシリコン膜の表面に照射される領域は、上記第1領域からステージ23の移動と逆方向に所定の距離だけ移動した第2領域となる。なお、この第2領域は、上記第1領域と部分的に重複している領域とする。これを順次繰り返すことで大きな結晶領域を形成することが可能になる。
但し、本発明は結晶化方法を限定するものでなく、金属触媒を用いた結晶化手法や固体レーザにより連続的に結晶化する手法、固体パルスレーザにより結晶化する手法、幅広レーザビームを用いて結晶化する手法でもよい。
[結晶化条件制御]
図5に示す半導体デバイス製造装置1による結晶化条件制御のフローを図7を用いて説明する。ステップS1(以下ステップを省き、S2、S3、・・と記載する。)において、結晶化手段(結晶化装置)2により非晶質半導体4にレーザー光を照射して加熱、再結晶化させる。S2において半導体評価装置3の反射電圧値測定手段31が結晶化された半導体にレーザパルスを照射し、マイクロ波に対する最大反射電圧値を測定する。
S3において半導体評価装置3の演算手段32が測定された最大反射電圧測定値と最大反射電圧管理値とを対比し分析する。この分析は、図7の「測定値の対比結果区分表」に示すように、最大反射電圧管理値(具体例[mV])をさらに「2:やや高い」範囲(340以上〜390未満)、「3:正常」範囲(255以上〜340未満)、「4やや低い」範囲(205以上〜255未満)と3区分に分け、最大反射電圧測定値が最大反射電圧管理値のどの区分に属するか判定する。なお、不良となり、ライン落ちさせる「1:上限値オーバー」範囲(390以上)、「5:下限値未満」範囲(205未満)の区分も設けている。なお、最大反射電圧管理値の具体例[mV]は、上述したように最大反射電圧測定値が198〜398[mV]であれば、移動度が200〜220[cm/V・S]であると推定できる場合の例示である。
S3における対比分析結果は、半導体評価装置3の演算手段32に記憶されるとともに、S4において半導体評価装置3の演算手段32から、結晶化手段(結晶化装置)2のコントローラ(結晶化条件制御手段)24にフィードバックされ、対比分析結果の区分に応じコントローラ24により結晶化手段2の結晶化条件が制御される。たとえば、対比分析結果が区分2、4であった場合は、「3:正常」範囲に近づくように制御される。S5〜7において、対比結果区分の2〜4は次工程へまわすが、対比結果区分の1、5はライン落ちとなる。
[まとめ3]
本実施形態に係る発明は、第1実施形態、第2実施形態で記載したようにまず準備段階(テスト生産)において、所定の結晶化プロセス条件を定め、該所定の結晶化プロセス条件下で、非晶質半導体が結晶化された所定数の試料半導体を生産する。所定数の試料半導体の表面突起高さ、反射マイクロ波の電圧値を測定する。さらに、移動度データを取得するか測定する。
測定された複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、反射マイクロ波の電圧値データと移動度データとにより、測定された反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて試料半導体の移動度を算出する(第2)移動度演算式(たとえば上記(7)式、(8)式)を仮定する。(第2)移動度演算式作成の準備完了後に、所定数の試料半導体を生産した準備段階(テスト生産)と同じ所定の結晶化プロセス条件下で、非晶質半導体を結晶化する本格生産を開始する。本格生産で生産される結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を測定し、第2移動度演算式に代入して該結晶化半導体の移動度を算出する。
そこで、本格生産(半導体デバイス製造)においては、まず、所定の結晶化条件にて非晶質半導体を結晶化する。結晶化された半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する。測定された反射マイクロ波の測定電圧値と予め準備されている反射マイクロ波の管理電圧値とを対比する。対比された結果を結晶化する工程にフィードバックし、結晶化工程における結晶化条件を制御する。
本実施形態に係る発明は、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧測定値)と、TFT特性などの半導体デバイスの特性評価結果(移動度)とを対応可能とすることにより、半導体材料の評価結果(反射マイクロ波の電圧測定値)をデバイス製造プロセス(結晶化工程)にフィードバックして歩留を高くし、半導体デバイスの製造コストを低減する。従来は、結晶化工程の後さらに複数の工程を経た後のTFT検査工程を待ってからのフィードバック制御であった。結晶化された半導体の最大反射電圧値を測定し、直ちに結晶化装置における結晶化条件にフィードバック制御することができず、結晶化条件がわずかに変化した段階での修正ができなかった。このため結晶化工程の歩留が悪く製造コストも高いものとなっていた。
上記実施の形態においては、半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定すると記載しているが、変形例として、反射マイクロ波の電圧値を電力値に代替してもよい。また、半導体の反射マイクロ波の電圧値としては、半導体の最大反射電圧値を用いた。このため、半導体(試料)にレーザを照射して過剰キャリアを励起させた後、直ちにマイクロ波を照射し、その最大反射電圧値を測定でき、スピード化が図れる。しかし、測定は最大反射電圧値に拘ることなく、所定時間経過後の反射マイクロ波の電圧値を測定してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
半導体の表面突起高さと、μ-PCD法によってマイクロ波を反射させたときの最大反射電圧値との相関測定値データをグラフ化した説明図である。 最大反射電圧値を測定する試料のTFT特性を説明する表である。 (3)式、(4)式により求めた表面突起高さに対する最大反射電圧計算値のデータをグラフ化した説明図である。 (5)式、(6)式により求めた表面突起高さに対する移動度計算値のデータをグラフ化した説明図である。 半導体デバイス製造装置の構成を説明するブロック図である。 非晶質半導体を結晶化する結晶化プロセスを説明する図である。 半導体デバイス製造装置による結晶化条件制御のフローを説明する図である。 結晶化された基板例の表面を観察した写真である。 マイクロ波光導電減衰法(μ-PCD法)の原理を説明する図である。
符号の説明
1 半導体デバイス製造装置、2 結晶化装置、3 半導体評価装置、4 非晶質半導体、5 レーザビーム、21 レーザー出力手段(レーザ光源)、22 レーザー光調節手段(可変減衰器12、反射ミラー7,8,9、可変焦点視野レンズ13、投影マスク14、結像レンズ15)、23 ステージ、24 コントローラ、31 反射電圧値測定手段、32 演算手段、33 レーザ照射手段、34 マイクロ波出力手段、35 反射マイクロ波電圧測定手段。

Claims (20)

  1. 半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
    前記測定するステップにより測定された反射マイクロ波の電圧値により、半導体のTFT特性を代表する移動度を推定する移動度演算ステップ手段とを備えることを特徴とする、半導体評価方法。
  2. 所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定するステップと、
    半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
    測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記電圧値を測定するステップにより測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定するステップと、
    前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度のデータを取得し、さらに該移動度を、前記電圧値を測定するステップにより測定された反射マイクロ波の電圧値に比例すると仮定し、前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて該移動度を算出する移動度演算式を仮定するステップと、
    前記移動度演算式を仮定後に、前記電圧値を測定するステップにより測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算ステップとを備えることを特徴とする、半導体評価方法。
  3. 所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定するステップと、
    半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
    前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度を測定するステップと、
    測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記電圧値を測定するステップにより測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定するステップと、
    測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、測定された前記複数個の試料半導体の移動度データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第1移動度演算式を仮定するステップと、
    前記反射電圧値演算式と前記第1移動度演算式とにより、前記電圧値を測定するステップにより測定された反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第2移動度演算式を仮定するステップと、
    前記第2移動度演算式を仮定後に、前記電圧値を測定するステップにより測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記第2移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算ステップとを備えることを特徴とする、半導体評価方法。
  4. 前記反射電圧値演算式、前記移動度演算式は、前記表面突起高さ、前記反射マイクロ波の電圧値をそれぞれ独立変数とする一次関数であることを特徴とする、請求項2に記載の半導体評価方法。
  5. 前記反射電圧値演算式および前記第1移動度演算式は前記表面突起高さをそれぞれ独立変数とする一次関数であり、前記第2移動度演算式は前記反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする一次関数であることを特徴とする、請求項3に記載の半導体評価方法。
  6. 前記反射マイクロ波の電圧値は、前記電圧値を測定するステップにより測定された反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体評価方法。
  7. 前記半導体、前記試料半導体、前記結晶化半導体は、いずれも多結晶シリコンもしくは単結晶シリコンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体評価方法。
  8. 前記試料半導体の表面突起高さは、原子間力顕微鏡もしくは走査型トンネル顕微鏡を用いて測定されることを特徴とする、請求項2〜7のいずれかに記載の半導体評価方法。
  9. 前記試料半導体の表面突起高さは、最大高さ、もしくは、10点平均粗さにて表現される値であることを特徴とする、請求項2〜8のいずれかに記載の半導体評価方法。
  10. 半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
    前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の電圧値により、半導体のTFT特性を代表する移動度を推定する移動度演算手段とを備えることを特徴とする、半導体評価装置。
  11. 所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定する表面突起高さ測定手段と、
    半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
    測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記反射電圧値測定手段により測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定する反射電圧値演算式仮定手段と、
    前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度のデータを取得し、さらに該移動度を、前記反射電圧値測定手段が測定した反射マイクロ波の電圧値に比例すると仮定し、前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて該移動度を算出する移動度演算式を仮定する移動度演算式仮定手段と、
    前記移動度演算式仮定手段が前記移動度演算式を仮定後に、前記反射電圧値測定手段により測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算手段とを備えることを特徴とする、半導体評価装置。
  12. 所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された、複数個の試料半導体の表面突起高さを測定する表面突起高さ測定手段と、
    半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
    前記複数個の試料半導体のTFT特性を代表する移動度を測定する移動度測定手段と、
    測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、前記反射電圧値測定手段により測定された前記複数個の試料半導体の反射マイクロ波の電圧値データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の反射マイクロ波の電圧値を算出する反射電圧値演算式を仮定する反射電圧値演算式仮定手段と、
    測定された前記複数個の試料半導体の表面突起高さデータと、測定された前記複数個の試料半導体の移動度データとの相関により、表面突起高さを独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第1移動度演算式を仮定する第1移動度演算式仮定手段と、
    前記反射電圧値演算式と前記第1移動度演算式とにより、前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする関数を用いて前記試料半導体の移動度を算出する第2移動度演算式を仮定する第2移動度演算式仮定手段と、
    前記第2移動度演算式を仮定後に、前記反射電圧値測定手段により測定された、前記所定の結晶化条件にて非晶質半導体が結晶化された結晶化半導体の反射マイクロ波の電圧値を前記第2移動度演算式に代入して前記結晶化半導体の移動度を算出する移動度演算手段とを備えることを特徴とする、半導体評価装置。
  13. 前記反射電圧値演算式、前記移動度演算式は、前記表面突起高さ、前記反射マイクロ波の電圧値をそれぞれ独立変数とする一次関数であることを特徴とする、請求項11に記載の半導体評価装置。
  14. 前記反射電圧値演算式および第1移動度演算式は前記表面突起高さをそれぞれ独立変数とする一次関数であり、前記第2移動度演算式は前記反射マイクロ波の電圧値を独立変数とする一次関数であることを特徴とする、請求項12に記載の半導体評価装置。
  15. 前記反射マイクロ波の電圧値は、前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の減衰前の最大電圧値であることを特徴とする、請求項10〜14のいずれかに記載の半導体評価装置。
  16. 前記半導体、前記試料半導体、前記結晶化半導体は、いずれも多結晶シリコンもしくは単結晶シリコンであることを特徴とする、請求項10〜15のいずれかに記載の半導体評価装置。
  17. 前記試料半導体の表面突起高さは、原子間力顕微鏡もしくは走査型トンネル顕微鏡を用いて測定されることを特徴とする、請求項11〜16のいずれかに記載の半導体評価装置。
  18. 前記試料半導体の表面突起高さは、最大高さ、もしくは、10点平均粗さにて表現される値であることを特徴とする、請求項11〜17のいずれかに記載の半導体評価装置。
  19. 所定の結晶化条件にて非晶質半導体を結晶化するステップと、
    前記結晶化するステップにより結晶化された半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定するステップと、
    前記測定するステップにより測定された反射マイクロ波の測定電圧値と予め準備されている反射マイクロ波の管理電圧値とを対比するステップと、
    前記対比するステップにより対比された結果を前記結晶化するステップにフィードバックし、前記結晶化するステップにおける結晶化条件を制御するステップとを備えたことを特徴とする、半導体デバイス製造方法。
  20. 所定の結晶化条件にて非晶質半導体を結晶化する結晶化手段と、
    前記結晶化手段により結晶化された半導体にレーザを照射し、該半導体の照射マイクロ波に対する反射マイクロ波の電圧値を測定する反射電圧値測定手段と、
    前記反射電圧値測定手段により測定された反射マイクロ波の測定電圧値と予め準備されている反射マイクロ波の管理電圧値とを対比する反射電圧値対比手段と、
    前記反射電圧値対比手段により対比された結果を前記結晶化手段にフィードバックし、前記結晶化手段における結晶化条件を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする、半導体デバイス製造装置。
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