JP2011068794A - 硬化性樹脂組成物、プリプレグ、耐薬品ボード、耐薬品性化粧板、プリプレグの製造方法 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、プリプレグ、耐薬品ボード、耐薬品性化粧板、プリプレグの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 耐薬品性に優れた化粧板を提供する。
【解決手段】 分子中に少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物と多官能イソシアネート化合物とを含み、揮発性溶剤を含まないことを特徴とする硬化性樹脂組成物。前記硬化性組成物を化粧紙に塗布して表面をフィルムで被覆して展延し、Bステージ化せしめプリプレグを得る。得られたプリプレグとコア基材とを積層し、これを熱圧成形することにより、不飽和二重結合間の重合硬化が起こり、耐薬品性、耐熱性、耐水性、耐擦傷性等に優れた塗膜が形成できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は硬化性樹脂組成物、プリプレグ、耐薬品ボード、耐薬品性化粧板、プリプレグの製造方法に関する。
これまで熱硬化性樹脂化粧板、とりわけメラミン樹脂化粧板は、耐摩耗性、耐熱性、耐汚染性などの表面物性に優れるといった特徴から、テーブル、机、キッチンカウンターなどの水平面用途に多く使用されている。このメラミン樹脂化粧板は、表面メラミン樹脂含浸化粧紙と基材フェノール樹脂含浸紙、及び必要に応じてメラミン樹脂含浸表面オーバーレイ紙とを積層し、熱圧成形することにより得られる。
かようなメラミン樹脂化粧板は一般家庭、オフィスなどで使用される際は充分な物性を有しているものの、化学実験台のように強酸、強アルカリ等の薬品を扱う過酷な使用条件のもとでは、表面が侵され、腐食することがあった。また、一般的に耐薬品性を有するような塗膜は分子中に多くの反応性官能基を有する材料を架橋させてなるものであって、高い架橋密度を有する場合が多く、(1)活性エネルギー線硬化型樹脂を含む塗液を化粧板表面に塗布してUVおよび/又はEBを照射し硬化する方法、あるいは、(2)それらの樹脂を含む塗液を剥離性のある基材に塗布し活性エネルギー線にて硬化した後、コア基材に重ねて熱圧成形することにより、その化粧板表面に硬化塗膜を転写する方法が知られている。
特開2005−255783号公報 特表2000−500184号公報 特開2000−127306号公報 特開2000−85065号公報 特開平9−290491号公報 特開平5−208478号公報
しかしながら、このように活性エネルギー線により硬化するためには高価な活性エネルギー線発生装置が必要であり、EB硬化の場合Nパージが必要等ランニングコスト面で不利であった。また、こうして得られた転写シートは塗膜の緻密さ、硬化収縮等により、シートがカールし易いために、作業性が悪く、さらに、化粧板表面への密着性が劣る場合が多い。
一方、活性エネルギー線を用いない製造方法として、特表2000−500184号公報(イゾマクス デコラティフェ ラミナーテ アクチェンゲゼルシャフト)、特開2005−255783(アイカ工業株式会社)が開示されている。しかしながら、これらの方法は大量の有機溶剤で希釈した硬化性樹脂組成物を用いるため、取扱い可能な状態とするためには有機溶剤を蒸発させる工程が必要であった。また、含浸塗布に用いられる硬化性樹脂組成物溶液は、経時的な増粘あるいはゲル化することがあるため、連続的な生産、取扱いが困難であった。さらには有機溶剤を含むため、耐有機溶剤性のない、ポリカーボネート等へ塗布した場合、溶融、変形、白化、ソルベントクラック等が発生するため使用不可能であった。
本発明の目的は、化粧板表面に優れた耐薬品性をはじめ、高度の耐久性を付与するのに好適な硬化性樹脂組成物を提供することである。
以上の課題に鑑み、本発明では、揮発性有機溶剤を含まない系で、分子中に少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物と多官能イソシアネート化合物との反応において、基材に含浸、塗布後、急速な水酸基とイソシアネート基との反応により、ウレタン結合を生成させることにより、短時間でタックフリーとし、ハンドリング可能状態とする。
この際、イソシアネート基は水酸基に対して化学量論的同一割合である必要はなく、未反応の水酸基を残すこと、あるいは過剰なイソシアネート基を残すことで、コア基材と良好な密着性等を得ることができる。さらに、プリプレグのタックフリー化により、得られたシートとコア基材とを積層できるハンドリング性が得られ、これを熱圧成形することにより、不飽和二重結合間の重合硬化が起こり、耐薬品性等に優れた塗膜を形成することを見出し、本発明に至った。
本発明の耐薬品性化粧板は、評価結果に示されるように高濃度の硫酸、塩酸、硝酸などの強酸およびこれらの混酸、苛性ソーダなどのアルカリに対して耐食性に優れ、化学薬品に極めて侵されにくいため、長期間に渡って使用できる。また、強度、耐熱性、耐擦傷性、耐候性、加工性などの特性のバランスが保たれるため、本発明の成形物は、化学実験台天板用途、無機ガラス代替用途として好適に用いることができる。また、溶剤を含まないので環境的にも都合がよい。
分子中に少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物は、特表2000−500184号公報に開示されているような水酸基を有するラジカル重合性化合物、多価イソシアネート、多価アルコールとの反応により合成可能であるが、工業的に安価で容易に入手可能なものとして不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレートが使用できる。これらの中で、特に耐酸性、耐アルカリ性、耐有機溶剤性に優れるエポキシ(メタ)アクリレートを使用する事が望ましい。
硬化性樹脂組成物中には、エポキシ(メタ)アクリレート[アクリレート及びメタクリレートを「(メタ)アクリレート」と表す]が含まれ、イソシアネート基と反応し、ウレタン結合を生成し、高分子化が起こり、Bステージ、タックフリー化するために少なくとも2個以上の水酸基を有していることが重要である。この水酸基が多官能イソシアネート基と反応し、ウレタン結合を生成することにより、樹脂の高分子化が起こり、Bステージ、タックフリー化に大きく寄与するものとなる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とをエステル化触媒を用いて反応させることによって得られる。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ハロゲン化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールAとエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドとの付加物のジグリシジルエーテル、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック系エポキシ樹脂、クレゾールノボラック系エポキシ樹脂などが挙げられる。
また、不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、ソルビン酸あるいはモノ(2−エチルヘキシル)マレートなどが挙げられ、不飽和一塩基酸と併用される多塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、1,12−ドデカン二酸の他ダイマー酸などが挙げられる。ニ塩基酸無水物として無水マレイン酸、無水フタル酸などが挙げられる。三塩基酸無水物として無水トリメリット酸を使用した変性品も使用可能である。
エステル化触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の第三級アミン類、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、塩化リチウム、塩化クロム等の無機塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、テトラメチルホスフォニウムクロライド、ジエチルフェニルプロピルホスフォニウムクロライド、トリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ベンジルトリエチルフェニルホスフォニウムクロライド、ジベンジルエチルメチルホスフォニウムクロライド、ベンジルメチルジフェニルホスフォニウムクロライド、テトラフェニルホスフォニウムブロマイド等のホスフォニウム塩、第二級アミン類、テトラブチル尿素、トリフェニルホスフィン、トリトリールホスフィン、トリフェニルスチビン等が挙げられる。
本発明において、分子中に少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物と多価イソシアネートのみでも使用可能であるが、望ましくは水酸基を有しないラジカル重合性2重結合を有する化合物ラジカル重合性2重結合を有する化合物で希釈して使用される。
本発明で用いる水酸基を有しないラジカル重合性2重結合を有する化合物は、アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル及び2価以上のアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステルであり、例えば、イソボニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド変性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリアジン環含有(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらにはスチレン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジアリルエーテル等を使用することが可能である。これらは単独でも混合して用いても差し支えない。配合割合は、使用される含浸塗布液の最適粘度、プリプレグのハンドリング性、成形品の要求性能により決定する。
本発明で用いる多官能イソシアネ−トとしては、従来知られている脂肪族系、脂環族系あるいは芳香族系イソシアネート及びこれらの変性物が挙げられる。
脂肪族イソシアネートとしてはヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート(LDI)などが挙げられ、脂環式イソシアネートとしてはジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1、4−シクロヘキサンジイソシアネート(CHDI)、水添キシリレンジイソシアネート(HXDI)、水添トリレンジイソシアネート(HTDI)などが挙げられる。
また、芳香族イソシアネートとしてはトリレンジイソシアネート(TDI)、4、4′(または2、4′)−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、p−フェニレンジイソシアネート(PPDI)などが挙げられ、芳香脂肪族イソシアネートとしてはα、α、α´、α´−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
変性物としては、上述の例示した化合物のイソシアネート基の一部または全部がカーボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、ビューレット基、イソシアヌレート基などに変性された化合物が挙げられ、イソシアネ−トは二種以上併用してもよい。
多官能イソシアネートと分子中に少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物の配合割合は、イソシアネートの配合割合が低いと、ウレタン結合に基づく架橋密度が低く樹脂組成物自体が高分子量化せず、タックが残る。従って、ハンドリングが可能であり基材との密着性、成形品の目標性能が得られる範囲でイソシアネートの配合割合を決定する。また、イソシアネート基は水酸基に対して化学量論的同一割合である必要はなく、むしろ未反応の水酸基を残すこと、あるいは未反応のイソシアネート基を残すことで、基材との間で親和性あるいは化学結合が生成することにより、良好な密着性を得ることができる。
イソシアネート基と水酸基との反応を促進するために、有機錫系あるいはアミン系ウレタン化触媒が使用される。有機錫系ウレタン化触媒としては、ウレタン化反応に一般に使用されるものであればよく、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアルキルマレート、ステアリン酸錫、オクチル酸錫等が挙げられる。アミン系ウレタン化触媒に関しても、ウレタン化反応に一般に使用されるものであればよく、例えば、トリエチレンジアミン、ペンタメチレンジエチレントリアミン、N―エチルモルホリン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等が挙げられるが、変色性の点でアミン系よりも錫系が望ましい。
これら有機錫系ウレタン化触媒の使用量は特に制限されるものではないが、0.01〜2.0重量部の範囲内で用いるのが適当である。下限に満たないと、Bステージ固形化までの時間が長くなり、細泡の結合による大きなクレーター等が発生し易くなり、良好な製品外観および均一な製品が得られない。過剰に加えると著しく反応が速くなり、含浸、塗布するまでにゲル化等を起こし易く、生産安定性が低下する。ゲル化時間は多官能イソシアネート添加後、3分〜1時間以内に調整することが望ましい。
ラジカルを発生する有機過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)パレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6ビス(t−ブチルパーオキシカルボニロキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート等が使用可能である。ラジカルを発生するアゾ化合物としては、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などを挙げることができる。ウレタン化反応時およびBステージ化プリプレグ状態では、ラジカル重合性2重結合のラジカル重合が開始せず、熱圧成形温度にて効果を発揮するラジカル重合開始剤を選定し使用する。
作業性の向上、製品要求性能により、着色顔料・染料、消泡剤、整泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、湿潤剤、有機・無機フィラー接着付与樹脂、硬化収縮低減剤、可塑剤、マット剤、アルミナ等耐摩耗性付与剤、帯電防止剤、スリップ剤、抗菌剤、各種離型剤等が添加される。
硬化性樹脂組成物が塗布される化粧紙は、化粧板用途として供される公知のものであればよい。また、メラミン樹脂等を含浸したものを使用することも可能である。
本発明においては、分子中に少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物と多価イソシアネートとを必須成分として含み、溶剤を含まないことを特徴としている。化粧紙に塗布した際には、水酸基と、イソシアネート化合物のイソシアネート基でウレタン結合が行われ、熱圧成形する際には、二重結合成分がラジカル重合し、架橋密度が高くなり、耐薬品性、表面硬度、耐熱性等が向上する。
本発明の耐薬品性化粧板のコア基材には、ポリカーボネート板、MDF、合板、パーティクルボード等の木質系基材、ケイカル板、石膏ボード等の無機質系基材や、樹脂含浸コア紙などを用いればよく、樹脂含浸コア紙を得る際に用いる樹脂としては、フェノール樹脂、メラミンーホルムアルデヒド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
硬化性樹脂組成物を化粧紙の表面あるいはコア基材に直接塗布する方法については特に制限はないが、硬化性組成物を板状基材、化粧紙、樹脂含浸化粧紙上に流すように流布し、表面を離型フィルムで被覆した後、離型フィルム上から押圧して硬化性組成物を板状基材、化粧紙、樹脂含浸化粧紙全面に押し広げ均一な厚み、均一な含浸率になるよう展延した後、Bステージ化する方法が望ましい。これらの方法は、枚葉生産に適しており、1枚ごとに樹脂の調合が可能であり、連続含浸塗布と比較してバット残、樹脂の増粘による工程不良の発生の懸念が低い。
離型フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッソ樹脂フィルム、ナイロンフィルム、ビニロンフィルム、アクリル樹脂フィルム等を挙げることができる。Bステージ化後に剥離、あるいは熱圧成形後に剥離可能なフィルムを適宜選定する。
以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細に説明する。
配合例1〜7
表1に示す配合のいずれも無溶剤の硬化性樹脂組成物を得た。
ガラス板上に80g/mの黒色の化粧紙を置き、配合例1の多官能イソシアネート以外の配合物を混合した。次ぎにこの混合物と多官能イソシアネートを均一混合後直ちにこの硬化性樹脂組成物を常温で化粧紙の上に流すようにして流布する。流布した硬化性樹脂組成物を、厚み50μmのOPP(延伸ポリプロピレン)フィルムで被覆し、OPPフィルム上からゴム製のローラーで押圧展延して、硬化性樹脂組成物を化粧紙全面に押し広げ均一に展延した。常温〜40℃で約2時間放置後、硬化性樹脂組成物が固形状になりハンドリング可能なBステージ状態であることを確認した後、OPPフィルムを剥離し、ガラス板より取り出しプリプレグを得た。プリプレグの重量は240g/m(含浸率200%)であった。プリプレグの表面は細かな均一な泡が存在する状態であった。次いでこのプリプレグと、150g/mのクラフト紙にフェノール樹脂を含浸率が60%となるように含浸し、乾燥したフェノール樹脂含浸コア紙3枚とプリプレグ裏面を当接するように積層して、ステンレス板に挟み、平板プレス機にて、温度130℃、圧力7MPa、時間60分で熱圧成形後冷却してステンレス板より取り出し実施例1〜4の化粧板を得た。プリプレグ表面の細かな泡は熱圧成形により消失した。
配合例2の組成物を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
配合例3の組成物を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
配合例4の組成物を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
80g/mの木目柄印刷紙に樹脂含浸率が100%になるようにメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を含浸、乾燥したメラミン樹脂含浸化粧紙(160g/m)表面に配合例5の硬化性樹脂組成物塗布量が130g/mと(プリプレグ重量290g/m)なるように実施例1と同様の方法で、プリプレグを作製した。次いで実施例1と同様にフェノール樹脂含浸コア紙と積層し熱圧成形して化粧板を得た。
配合例6の硬化性樹脂組成物を厚み3mmのポリカーボネート板の上に実施例1と同様な方法で240g/mとなるように塗布した。ハンドリング可能なBステージ状態であることを確認した後反転し裏面も同様の方法で処理した。次いで、OPPフィルムをつけたままステンレス板に挟み、平板プレス機にて、温度120℃、圧力6MPa、時間30分で熱圧成形した。冷却後OPPフィルムを剥離し、ポリカーボネート板の両面に配合例6の硬化性樹脂組成物硬化層を形成した。
配合例7の硬化性樹脂組成物を塗布率が350%となるように塗布した以外は実施例1と同様に実施した。
比較例1
配合例8の組成物を用い、実施例1と同様に実施した。しかし、常温で3日間放置しても配合物が固形状にならず、ハンドリング不能であった。
比較例2
配合例9の組成物を用い、実施例1と同様に実施した。しかし、常温で3日間放置してプリプレグを得た。プリプレグ表面は気泡による大きなクレーターが多数あった。実施例1と同様の方法によりフェノール樹脂含浸コア紙を配置して実施例1と同様の方法により成形して化粧板を得た。得られた化粧板は多数のクレータ跡が残ったままであった。
比較例3
実施例5で使用したメラミン−ホルムアルデヒド樹脂含浸化粧紙1枚と、実施例1で使用したフェノール樹脂含浸コア紙3枚とを積層して、
実施例1と同様に平板プレス機を使用し、温度130℃、圧力7MPa、時間60分で熱圧成形した。
比較例4
実施例6で用いたポリカーボネート板を比較例4とした。
評価結果を表2に示す。
試験方法は以下の通りとした。
(1)ゲル化時間、多官能イソシアネートを添加、均一混合後25℃条件にて放置し流動性がなくなるまでの時間。
(2)プリプレグ状態、著しいベトツキがなくハンドリング可能なものを○、ベトツキ有りハンドリングが不可能なものを×とした。
(3)耐薬品性、試験板を洗浄後、乾燥し、試験液約0.2mlを板上に滴下し、時計皿で覆い、室温で24時間放置した後、試験液を洗い落し試験板の変化を肉眼にて観察した。
○、著しい変化なし
×、表面が侵される
(4)耐溶剤性、溶剤で濡らした布で強く擦る
○、変化なし
×、表面が侵される
(5) 鉛筆硬度、JIS K 5600−5−4(1999年版)の規定に基づいて行った。測定装置は,株式会社東洋精機製作所製の鉛筆引掻塗膜硬さ試験機(形式P)を用いた。
(6)耐擦傷性、化粧表面を、2kg/cmの荷重をかけた日本スチールウール株式会社製のスチールウール#0000にて摩擦して傷の度合いを目視によりメラミン化粧板と比較評価した。
○:メラミン化粧板より優れる
×:メラミン化粧板より劣る
(7)耐煮沸性、JIS K 6902、1998(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)により実施し、異常のないものを○とした。
(8)耐熱性、JIS K 6902、1998(熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法)により実施しし、異常のないものを○とした。
(9)PF加工性、抄紙の流れ方向に平行に150mm幅にサンプルを切り出し、9Rの半径を持つ曲げ成形治具によって化粧板の温度を163℃まで加熱して曲げ成形を行い、目視によりクラックの発生の有無を確認し、クラックなきを○とした。

Claims (6)

  1. 分子中に少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物と多官能イソシアネート化合物とを含み、揮発性溶剤を含まないことを特徴とする硬化性樹脂組成物
  2. 前記の少なくとも2個以上の水酸基とラジカル重合性2重結合を有する化合物がエポキシ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載の硬化性樹脂組成物
  3. 請求項1又は2記載の硬化性組成物を板状基材に塗布し、Bステージ化後、熱圧成形してなることを特徴とする耐薬品性ボード。
  4. 請求項1又は2記載の硬化性組成物を化粧紙又は樹脂含浸化粧紙に含浸および/又は塗布してBステージ化してなることを特徴とするプリプレグ。
  5. 請求項4記載のプリプレグを硬化させてなる化粧層が形成されたことを特徴とする耐薬品性化粧板。
  6. 請求項1又は2記載の硬化性組成物を板状基材、化粧紙、樹脂含浸化粧紙の上に塗布し、表面を離型フィルムで被覆した後、離型フィルムの上から押圧して硬化性組成物を均一な厚み、均一な含浸率になるよう展延した後、Bステージ化せしめることを特徴とするプリプレグの製造方法。
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