JP2011068064A - ハードコートフィルムおよびそれを用いたタッチパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】ニュートンリングの発生を抑制し、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムおよびそれを用いたタッチパネルを提供すること。
【解決手段】基材フィルム1の表面を第1面、裏面を第2面とし、該基材フィルムの第1面および第2面の両面にハードコート層2,3を積層したハードコートフィルムにおいて、第1面のハードコート層2に樹脂粒子を含まず、第2面のハードコート層3に樹脂粒子を含み、前記ハードコートフィルムの第2面のハードコート層の樹脂粒子の比率が第2面のハードコート層の0.05重量%以上4重量%以下であり、前記第2面のハードコート層の樹脂粒子の平均粒子径(R)を前記第2面のハードコート層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)が0.7以上2.0以下の範囲内であるハードコートフィルムとこれを用いたタッチパネル。
【選択図】図1

Description

本発明は、ニュートンリングの発生が抑制され、耐ペン摺動性、耐ブロッキング性に優れた透明導電性タッチパネル等に用いられるハードコートフィルムに関するものである。
近年、CRTやLCDなどの表示装置上に配置されて表示を見ながら指やペン等で押さえることによりデータや指示・命令を入力できる透明タッチパネルが普及している。従来はタッチパネル等の基板としては、プラスチックフィルム上に透明導電膜としてインジウムと錫の複合酸化物(ITO)を成膜した透明導電性ハードコートフィルムが用いられてきた。
抵抗膜式タッチパネルは2枚の透明電極層の電極面同士を100μm程度の間隙で相対するように配置された構造を有し、一定保持されている。例えば、タッチペン又は指の押し圧により電極面同士が接触して導通し、位置検出をする構造をとる。上下の電極面同士が平滑であった場合、タッチパネルに押し圧がかかり接触する際にその接触部分近傍にニュートンリングが生じるという問題があった。
このような用途に利用されるハードコートフィルムにおいては、プラスチックフィルムに含まれるオリゴマーの析出による白化や不透明化を防いだり、フィルムの収縮による反りを防ぐなどの目的で、透明基材のハードコート層とは反対側にシロキサン系樹脂などからなる背面コート層を設けることがよく行われている。
しかるに、上記の背面コート層を設けてオリゴマーの析出防止などの効果を得るには、100nm以上のかなりの厚さにする必要があるが、この場合、ハードコートフィルムを重ね合わせたり巻回して保存・運搬する際にハードコート層と背面コート層とが貼り付いてしまう、ブロッキングを生じるという問題があった。
透明ハードコートフィルムを用いた透明導電性タッチパネルには、熱可塑性樹脂が好ましく用いられているが、一般に熱可塑性樹脂からなるプラスチックフィルムは、前記用途での電極パターニング工程、接着工程等で使用される極性溶媒等への耐性が不十分となる場合が多い。また、優れた耐ペン摺動性を得るためには、鉛筆硬度3H以上が要求される。
なお上記のようなタッチパネルに関する従来技術については、例えば下記特許文献1〜4が挙げられる。
特開2006−190189号公報 特開2007−70456号公報 特開平7−13695号公報 特開平11−34593号公報
本発明の目的は、上記の様な問題点に鑑み、ニュートンリングの発生を抑制し、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムおよびそれを用いたタッチパネルを提供することにある。
請求項1に記載の発明は、基材フィルムの表面を第1面、裏面を第2面とし、該基材フィルムの第1面および第2面の両面にハードコート層を積層したハードコートフィルムにおいて、第1面のハードコート層に樹脂粒子を含まず、第2面のハードコート層に樹脂粒子を含み、前記ハードコートフィルムの第2面のハードコート層の樹脂粒子の比率が第2面のハードコート層の0.05重量%以上4重量%以下であり、前記第2面のハードコート層の樹脂粒子の平均粒子径(R)を前記第2面のハードコート層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)が0.7以上2.0以下の範囲内であることを特徴とするハードコートフィルムである。
請求項2に記載の発明は、前記第2面のハードコート層のJIS Z8741に準ずる20度光沢度(Gs(20°))が35%以上55%以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルムである。
請求項3に記載の発明は、前記第1面および第2面のハードコート層を形成するハードコート剤が、電離放射線硬化型アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマーを含有する請求項1または2に記載のハードコートフィルムである。
請求項4に記載の発明は、前記第1面および第2面のハードコート層を形成するハードコート剤に含まれるアクリレートオリゴマーあるいはアクリレートモノマーが、分子中に1以上の水酸基と複数のアクリロイル基を持つことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルムである。
請求項5に記載の発明は、前記第2面のハードコート層上に透明導電層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルムである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルムを用いたタッチパネルである。
本発明によれば、ニュートンリングの発生を抑制し、耐ブロッキング性に優れたハードコートフィルムおよびそれを用いたタッチパネルを提供することができる。また、本発明のタッチパネルは、ギラツキを改善することができ、生産性に優れ、透明性にも優れる。
本発明のハードコートフィルムの一実施形態の断面図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明のハードコートフィルムの一実施形態の断面図である。
図1において、本発明のハードコートフィルムは、基材フィルム1の表面を第1面、裏面を第2面としたとき、第1面および第2面の両面にハードコート層2および3をそれぞれ積層し、第1面のハードコート層2に樹脂粒子を含まず、第2面のハードコート層3に樹脂粒子を含むことを特徴としている。第2面のハードコート層3上には、透明導電層4が設けられている。
ニュートンリングを発生させる反射光を散乱するためには、透明導電層4に凹凸構造を形成するのが好ましく、この場合は、樹脂粒子をハードコート層3から突出させることが好ましい。
樹脂粒子の比率は、ハードコート層3中、0.05重量%以上4重量%以下が好ましい。0.05重量%未満の場合は凹凸構造の数が少なくなり反射光のニュートンリングの抑制効果が減じられる。また、4重量%を超えるとニュートンリングの抑制効果は十分であるが、ディスプレイ画像のギラツキが強く視認性に支障がでる場合がある。
ギラツキ発生のメカニズムは不明であるが、表面の凹凸構造がレンズの役割を果たし、凹凸部分が明るく見えることがあるためと思われる。
前記第2面のハードコート層3の樹脂粒子の平均粒子径(R)を前記第2面のハードコート層3の平均膜厚(H)で除した値(R/H)は、0.7以上2.0以下の範囲内であることが好ましい。0.7未満の場合、ハードコート層3から突出する粒子が少なく反射光のニュートンリングの抑制効果が減じられる。また、2.0より大きい場合は、ハードコート層3から樹脂粒子が脱落することがある。
前記第2面のハードコート層3の光沢度(Gs(20°))は35%以上55%以下であることが好ましい。光沢が強く55%より大きい場合は反射光のニュートンリングが発生し、35%より小さい場合はディスプレイに画像ボケが発生する場合がある。
光沢度(Gs(20°))はJIS Z8741に準ずる20度光沢度である。
なお、第2面の測定の際は、第1面の光沢を無くすため、第1面をサンドペーパー、スチールウール等で荒らし、その上に黒色のつや消し塗料(関西ペイント社製:水性シリコンカラースプレー等)で処理を行う。
また、フィルム中の10箇所の平均値を光沢度とする。
樹脂粒子は樹脂から構成される略球状の粒子である。樹脂粒子を構成する樹脂の好適な具体例としては、アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂が挙げられる。これらは2種類以上のモノマーが共重合した共重合体であってもよい。
樹脂粒子の平均粒径は、ハードコート層の厚みによって異なってくるので一概にいえないが、下限として0.5μm以上、より好ましくは1.5μm以上、上限としては15μm以下、好ましくは10μm以下のものが使用される。樹脂粒子の平均粒径が0.5μm未満となるとニュートンリングの抑制に効果的な凹凸とならず、15μmより大きくなった場合、ハードコート膜厚が10μmを越えるものとなり、ハードコート層の硬化収縮に起因するカールが大きくなり、生産性や取扱いが困難となること、多くのハードコート剤を使用することによるコストアップにつながる等の問題が発生する。
本発明に使用する基材フィルム1の厚みは、特に限定はしないが、好ましくは50〜500μmであり、より好ましくは100〜400μmである。
本発明において、第1面および第2面のハードコート層2,3を形成するハードコート剤は、電離放射線硬化型アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマーを含有することが好ましい。電離放射線硬化型アクリレートとしては、特に限定しないが、透明導電層4の積層時の温度に耐え、透明性を維持できる樹脂が好ましい。さらに硬化後の機械特性、透明性、耐薬品性、耐熱性はもちろんのこと、塗布加工時の低粘度化等の諸物性を考慮した場合、具体的には3次元架橋の期待出来る3官能以上のアクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマーが好ましい。3官能以上のアクリレートとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリエステルアクリレート等が好ましいが、特に好ましいのは、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレートおよびポリエステルアクリレートである。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用しても構わない。
また、これら3官能以上のアクリレートの他にエポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリオールアクリレート等のいわゆるアクリル系樹脂を使用することが可能である。これらの樹脂は、いずれのコート方法用いても工業的な製造を考慮すると5分以内で硬化できるものが望ましい。また、これらの樹脂は、架橋性オリゴマー、単官能または多官能モノマー、光重合開始剤、光開始助剤などを含むものである。
架橋性オリゴマーとしては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等のアクリルオリゴマーが好ましい。具体的にはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート、ポリウレタンのジアクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等がある。
単官能または多官能モノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル等のアクリルモノマーが好ましい。具体的には2官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等がある。3官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等がある。4官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはテトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等がある。6官能の(メタ)アクリル酸エステルとしてはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等がある。
上記とは別に、本発明では、その効果の点から、第1面および第2面のハードコート層2,3を形成するハードコート剤に含まれるアクリレートオリゴマーあるいはアクリレートモノマーが、分子中に1以上の水酸基と複数のアクリロイル基を持つことが特に好ましい。
分子中に1以上の水酸基と複数のアクリロイル基を有する化合物としては、
(1)水酸基を少なくとも2つ有する化合物であるポリオールの誘導体で、水酸基を少なくとも1つ有するヒドロキシ(メタ)アクリレート。
ポリオールとしては、任意の適切なポリオールが用いられる。例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステル、シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンメチロール、水添ビスフェノールA、エチレンオキサイド付加ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリジメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類が挙げられる。
具体例としては、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(2)二官能以上のエポキシ化合物とアクリル酸を反応せしめて得られる化合物。
例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、グリセリンジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物等の(メタ)アクリル2官能化合物や、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、グリセロールエポキシトリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル3官能化合物などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
これらすべての成分は単独で用いてもよく、混合体であってもよく、組み合わせて用いてもよい。
本発明において、活性エネルギー線が紫外線である場合には、光増感剤(光重合開始剤)を添加する必要があり、ラジカル発生型の光重合開始剤としてベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2、2、−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、などのアセトフェノン類;メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−アミルアントラキノンなどのアントラキノン類;チオキサントン、2、4−ジエチルチオキサントン、2、4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールなどのケタール類;ベンゾフェノン、4、4−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノン類及びアゾ化合物などがある。これらは単独または2種以上の混合物として使用でき、さらにはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミンなどの第3級アミン;2−ジメチルアミノエチル安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸誘導体等の光開始助剤などと組み合わせて使用することができる。
前記、光重合開始剤の添加量は主成分のアクリレートに対して0.1〜10重量%であり好ましくは2〜8重量%である。下限値未満ではハードコート層の硬化が不十分となり好ましくない。また、上限値を超える場合は、ハードコート層の黄変を生じたり、耐候性が低下するため好ましくない。
光硬化型樹脂を硬化させるのに用いる光は紫外線、電子線、あるいはガンマ線などであり、電子線あるいはガンマ線の場合、必ずしも光重合開始剤や光開始助剤を含有する必要はない。これらの線源としては高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプや加速電子などが使用できる。
溶剤については、前記の主成分のアクリレートを溶解するものであれば特に限定しない。具体的には、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、等が挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
基材フィルム1へのコーティング方法は、特に限定されるものではないが、実用的には、ダイコーター、カーテンフローコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、スピンコーター、マイクログラビアコーター等によるコーティングが一般的である。
基材フィルム1の種類は、特に限定されるものではなく、公知のプラスチックフィルムの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、セロハン、ナイロンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリアセテートフィルム、ポリスチレンフィルム、アクリル系フィルム、耐熱性・エンプラ系フィルム、フッ素樹脂フィルム、トリアセチルセルロースフィルム等のプラスチックフィルムが挙げられる。
透明導電層4を形成する一般的な方式としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等のPVD法、あるいはCVD法、塗工法、印刷法等がある。なお透明導電層4の形成材としては特に制限されるものではなく、例えば、インジュウム・スズ複合酸化物(ITO)、スズ酸化物、銅、アルミニウム、ニッケル、クロムなどがあげられ、異なる形成材が重ねて形成されてもよい。密着性を向上させるために、基材フィルム1の上に単一の金属元素又は2種以上の金属元素の合金からなる金属層を設ける場合もある。金属層にはシリコン、チタン、錫及び亜鉛からなる群から選ばれた金属を用いることが望ましい。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、部は特に断りの無い限り重量基準である。
本発明におけるハードコート層に採用した各種処方H1〜H6を下記の表1に示す。
Figure 2011068064
紫光UV−7605B:日本合成化学社製、化合物名=ウレタンアクリレート。
PE−3A:共栄社化学社製、化合物名=ペンタエリスリトールトリアクリレート。
DA314:ナガセケムテックス社製、化合物名=グリセリントリ(エポキシアクリレート)。
UA−306I:共栄社化学社製、化合物名=ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー。
IRGACURE184:チバスペシャリティーケミカルズ社製重合開始剤。
DAROCUR1173:チバスペシャリティーケミカルズ社製重合開始剤。
KMP701:信越化学社製樹脂粒子。平均粒径3.5μm。
KMP591:信越化学社製樹脂粒子。平均粒径1.5μm。
[ハードコート層の作成]
表2に記載の組合せで、基材フィルム1としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(帝人株式会社製、100μm厚)にワイヤーバーにて第1面のハードコート層2の塗布、乾燥、紫外線照射を行い、続いて第2面のハードコート層3を同様に形成し、ハードコート層を作製した。作製したそれぞれのハードコート層のニュートンリング発生の抑制能、ギラツキ、耐ブロッキング性能、擦傷性を調べた。その結果を表3に示す。
Figure 2011068064
Figure 2011068064
〔評価方法〕
・ニュートンリング抑制能試験;
ハードコートフィルムを2枚用意し、2枚の第1面と第2面を密着させて1kg/25cm2 にて加圧し、その際ニュートンリング発生状況を暗室にて、3波長蛍光灯(松下電器産業株式会社製ナショナルパルック3波長形蛍光灯(FLR40S・EX-N/M-X)の直下40cmで目視評価した。
◎・・・ニュートンリングが全く確認できなかった
○・・・目立たないニュートンリングが確認できた
×・・・目立つニュートンリングが発生した
・ギラツキ;
蛍光灯を内蔵したライトテーブル上に80〜200ppiのパターンを有するブラックマトリックス(BM)ガラス基板を配置し、その上に、実施例及び比較例において得られたハードコートフィルムを配置し、真上より目視にて防眩性色補正フィルムのギラツキを評価した。このとき、ギラツキが気にならないBM解像度のうち、最大のものを対応解像度とした。
◎・・・対応解像度が150ppi以上の場合
○・・・対応解像度が100ppi以上150ppi未満の場合
×・・・対応解像度が100ppi未満の場合
・耐ブロッキング試験;
ハードコートフィルムを2枚用意し、2枚の第1面と第2面を密着させて1kg/25cm2 にて加圧し、その際の両層のブロッキングの状態を暗室にて、3波長蛍光灯( 松下電器産業株式会社製ナショナルパルック3波長形蛍光灯(FLR40S・EX-N/M-X)の直下40cmで目視観察し、評価した。評価基準は、下記のとおりである。
○・・・両層面は密着していなかった (層間に空気層が存在していた)
×・・・両層面が密着し貼り付いていた (層間に空気層がなく貼り付いた)
・耐擦傷性試験;
スチールウール(#0000)を用い500g/cmの荷重をかけ10往復擦り、サンプルの擦り跡やキズなどによる外観の変化を、暗室にて、3波長蛍光灯( 松下電器産業株式会社製ナショナルパルック3波長形蛍光灯(FLR40S・EX-N/M-X)の直下40cmで目視で評価した。
○・・・外観の変化が確認されない
×・・・外観の変化が目立つ
・画像ボケ
液晶ディスプレイDiamondcrysta WIDE RDT202WM-S上にハードコートフィルムの第1面を視認側にして重ね、JIS X9204高精細カラーディジタル標準画像(XYZ/SCID)の各種画像を表示して、ハードコートフィルムの有無での画像ボケを評価した。
○・・・ハードコートフィルムの有無で画像ボケが感じられない。
×・・・ハードコートフィルムを重ねることにより、画像ボケが確認できる。
表3の結果から、実施例の各ハードコートフィルムは評価項目のいずれも良好な結果であったことが分かる。
本発明のハードコートフィルムは、タッチパネル用として上部電極および下部電極として用いられる。
1 基材フィルム
2 第1面のハードコート層
3 第2面のハードコート層
4 透明導電層

Claims (6)

  1. 基材フィルムの表面を第1面、裏面を第2面とし、該基材フィルムの第1面および第2面の両面にハードコート層を積層したハードコートフィルムにおいて、第1面のハードコート層に樹脂粒子を含まず、第2面のハードコート層に樹脂粒子を含み、前記ハードコートフィルムの第2面のハードコート層の樹脂粒子の比率が第2面のハードコート層の0.05重量%以上4重量%以下であり、前記第2面のハードコート層の樹脂粒子の平均粒子径(R)を前記第2面のハードコート層の平均膜厚(H)で除した値(R/H)が0.7以上2.0以下の範囲内であることを特徴とするハードコートフィルム。
  2. 前記第2面のハードコート層のJIS Z8741に準ずる20度光沢度(Gs(20°))が35%以上55%以下であることを特徴とする請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記第1面および第2面のハードコート層を形成するハードコート剤が、電離放射線硬化型アクリレートを主成分とするモノマーもしくはオリゴマーを含有する請求項1または2に記載のハードコートフィルム。
  4. 前記第1面および第2面のハードコート層を形成するハードコート剤に含まれるアクリレートオリゴマーあるいはアクリレートモノマーが、分子中に1以上の水酸基と複数のアクリロイル基を持つことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  5. 前記第2面のハードコート層上に透明導電層を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のハードコートフィルムを用いたタッチパネル。
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