JP2011068043A - 熱転写受容シート - Google Patents

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Abstract

【課題】染料熱転写プリンターに適し、高い印画濃度と良好な画像均一性を有する、低コストの熱転写受容シートを提供する。
【解決手段】シート状支持体の少なくとも一面上に、中空粒子を含有する下塗層および画像受容層が順次に積層された熱転写受容シートにおいて、前記下塗層が、鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする熱転写受容シート。前記ポリビニルアルコールの40%水溶液の曇点が40℃以上であることが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱転写シートと重ね合わせ、サーマルヘッドをデバイスとして、熱転写シートの色剤を熱転写することにより画像を形成する熱転写プリンターに使用する熱転写受容シートに関するものである。更に詳しく述べるならば、本発明は、サーマルプリンター、特に染料熱転写プリンターに適し、銀塩写真類似の高濃度で、画像均一性の優れた画像が得られる低コストの熱転写受容シートに関するものである。
近年サーマルプリンターの中でも特に、鮮明なフルカラー画像のプリントが可能な染料熱転写プリンターが注目されている。染料熱転写プリンターは、染料熱転写シートの染料を含む染料層と、熱転写受容シートの染料染着性樹脂を含む画像受容層を重ね合わせ、サーマルヘッドなどから供給される熱により、染料層の所要箇所の染料を所定濃度だけ、画像受容層上に転写して画像を形成するものである。染料熱転写シートは、イエロー、マゼンタおよびシアンの3色、あるいはこれにブラックを加えた4色の染料層を有する。フルカラー画像は、染料熱転写シートの各色の染料を熱転写受容シートに順に繰り返し転写することによって得られる。更に近年は、印画画像の耐久性を向上させるため、印画後、ラミネート保護層を転写する方式の昇華熱転写プリンターが一般的になっている。
コンピューターによるデジタル画像処理技術の発達により、記録画像の画質等は格段に向上し、熱転写方式はその市場を拡大している。またサーマルヘッドの温度制御技術の向上にともない、プリントシステムの高速、高感度化への要求が高まっている。そのためサーマルヘッド等の加熱デバイスの発熱量を、如何に効率よく画像形成に利用するかが重要な技術課題となっている。
熱転写受容シートは一般に、シート状支持体とその表面に形成された画像受容層とから構成されており、シート状支持体としては、従来から種々のフィルム基材や紙基材、およびこれらの積層基材が使用されている。
更に記録感度や画質等を向上させる目的で、断熱性とクッション性を有する層として、紙支持体と画像受容層との間に中空粒子を含有する下塗層を設けた熱転写受容シートが開示されている(特許文献1〜2)。下塗層中に中空粒子を含有することによって、断熱性及びクッション性が向上し、感度や画質が良好な熱転写受容シートが得られる。しかし、一般に用いられている有機系中空粒子は、水に分散しにくく、均一に塗布することが難しい。中空粒子の塗布にムラが生じると断熱性、クッション性が不均一となり印画濃度が不均一となり、印画物の商品価値を著しく損なう。
特開昭63−87286号公報(第1−2頁) 特開平1−27996号公報(第1−3頁)
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、従来の熱転写受容シートが有する前述の問題点を解消し、特に染料熱転写プリンターに適し、高い印画濃度と良好な画像均一性を有する、低コストの熱転写受容シートを提供しようとするものである。
本発明は、以下の各発明を包含する。
(1)シート状支持体の少なくとも一面上に、中空粒子を含有する下塗層および画像受容層が順次に積層された熱転写受容シートにおいて、前記、下塗層に鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする熱転写受容シート。
(2)前記ポリビニルアルコールの40%水溶液の曇点が40℃以上である請求項1に記載の熱転写受容シート。
本発明によれば、染料熱転写プリンターに適し、高い印画濃度と良好な画像均一性を有する、低コストの熱転写受容シートを提供できる。
本発明の熱転写受容シートは、シート状支持体の少なくとも一面に、下塗層および画像受容層等が順次積層された構成であるが、本発明の熱転写受容シートは、必要に応じて、更に他の層を設けて性能を向上させることも勿論可能である。以下これらの層について詳細に説明する。
(シート状支持体)
本発明において使用するシート状支持体としては、セルロースパルプを主成分とする紙類や合成樹脂シート類が使用される。紙類としては、上質紙(酸性紙、中性紙)、中質紙、コート紙やアート紙などの塗工紙、グラシン紙、樹脂ラミネート紙などが挙げられ、抄造後や塗工後に、カレンダー処理などにより表面平滑化処理を施したものが好ましく使用される。合成樹脂シート類としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂、或いはこれら合成樹脂に顔料を添加し延伸して得られる多孔質延伸シート類、合成樹脂繊維から成る不織布などが挙げられる。前記紙類及び合成樹脂シート類は、単体でシート状支持体として使用してもよいし、合成樹脂シート類同士、合成樹脂シート類と紙類とを積層貼着させた積層体シートをシート状支持体として使用してもよい。
前記シート状支持体の中でも、セルロースパルプを主成分とする紙類は熱収縮性が小さく、断熱性が良好であり、受容シートとしての風合いが良好であり、更に価格も安価であることから好ましく使用される。
本発明のシート状支持体としては、受容層が形成される第1の基材層、粘着剤層、離型剤層、第2の基材層を順次積層した構成でもよく、いわゆるステッカー、シールタイプの構造を有する支持体も勿論使用可能である。
(下塗層)
本発明においては、シート状支持体の少なくとも一面に、中空粒子及び、鹸化度が30%以上65%未満のポリビニルアルコールを含む下塗層を設ける。この下塗層を設けることにより、熱転写受容シートに断熱性、クッション性を付与することが可能となる。
(中空粒子)
本発明の下塗層において使用される中空粒子としては、発泡性中空粒子、中空エマルジョンなどが挙げられる。
発泡性中空粒子は、例えばn−ブタン、i−ブタン、ペンタン、ネオペンタン等の低沸点炭化水素を核(コア)として、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸メチル、スチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル等のモノマーの単独重合体樹脂、あるいはこれらの共重合体樹脂を壁(シェル)として、マイクロカプセル化し、加熱により低沸点炭化水素を気化、膨張させて粒子内部に空間を形成するものである。
中空エマルジョンは、重合体形成性材料をシェル形成用材料として用い、かつ揮発性液体を気孔形成用材料として用いて、マイクロカプセル重合方法により製造されたマイクロカプセルから、前記気孔形成用材料を揮発逃散させて得られたマイクロカプセル状中空粒子である。
本発明の下塗層で使用される中空粒子の体積中空率は、45〜97%が好ましく、更に好ましくは50〜95%であり、最も好ましくは70〜90%である。中空粒子の体積中空率が45%未満では得られる下塗層の断熱性が不足し充分な濃度が得られないことがある。また、体積中空率が97%を超えると、中空粒子の殻厚が薄くなるため、中空粒子が潰れやすくなり、得られる熱転写受容シートは、外部からの圧力や熱によって、傷や凹みがつきやすい、取り扱い難いものとなることがある。尚、中空粒子の体積中空率は、中空粒子の分散液の体積比重、固形分濃度、および、中空粒子殻を構成する樹脂の真比重から求めることができる。
本発明で使用される中空粒子の平均粒子径としては、下塗層形成後、0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは0.3〜18μmである。例えば、発泡性中空粒子を使用する場合には、予め発泡させた粒子を用いて下塗層用塗工液を調製し下塗層を形成する方法と、未発泡状態の粒子を用いて下塗層用塗工液を調製し、下塗層を塗工後、粒子を加熱して発泡させ下塗層を形成する方法等の何れを用いてもよいが、得られる下塗層表面の均一性、平坦性の点で、予め発泡させた粒子を用いて下塗層用塗工液を調製し下塗層を形成する方法がより好ましい形態である。前記下塗層において、発泡後の中空粒子の平均粒子径が20μmを超えると、下塗層表面の平滑性が低下して画質が悪化することがある。また、発泡後の中空粒子の平均粒子径が0.1μm未満では、充分な断熱性が得られず、印画濃度が低下することがある。
上記の条件に合致する異なる粒径の中空粒子を同時に用いると、大粒子の間に小粒子が充填されて表面の凹凸が軽減するので、画像均一性がより向上するので好ましい。
尚、本発明の中空粒子の平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計(商品名:SALD2000、島津製作所製、体積分布50%のメジアン径)を用いて測定した値である。また、中空粒子の平均粒子径及び体積中空率については、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による断面写真観察からも求めることができる。
(ポリビニルアルコール)
本発明において、下塗層には鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールを含有する。一般にポリビニルアルコールは、酢酸ビニルモノマーを重合してポリ酢酸ビニルとし、得られたポリ酢酸ビニルをアルカリ等により鹸化して得られる。鹸化の度合いをコントロールすることにより、鹸化で導入される水酸基と、鹸化されずに残る酢酸基の比率を、所望のものとすることが可能である。鹸化度は、鹸化度=(水酸基)÷(水酸基+酢酸基の数)×100 で示すことができる。
本発明の下塗層で使用するポリビニルアルコールは、鹸化度が30%以上65%未満である。鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールは、前記中空粒子を水系溶媒中に均一に分散させ、下塗層形成時には、前記発泡性中空粒子の接着剤となる、鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールは、下塗層中の中空粒子分布の均一性、及び、適度なクッション性に寄与し、高画質の熱転写受容シートを得ることができる。
鹸化度が65%以上では得られる下塗層のクッション性が低下し、高画質の熱転写受容シートを得ることができない。また、鹸化度が30%未満であるとポリビニルアルコールの水への溶解度が小さく、有機溶剤を用いて塗料を用いて下塗層塗料を作成する必要があり、蒸発した有機溶剤の回収又は燃焼処理を有する乾燥設備が必要となり製品のコストアップが問題となる。
本発明の下塗層で使用するポリビニルアルコールは、水に溶解するものであることが好ましい。低鹸化度のポリビニルアルコールの中には、水単独の溶媒には溶解せず、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等の低沸点溶媒と水との混合溶媒のみに良好な溶解性を示すものがあるが、低沸点溶媒と水との混合溶媒を用いて調製した下塗層塗料は、乾燥工程において低沸点溶媒が先に蒸発する為、乾燥工程においてポリビニルアルコールが不溶化して凝集が発生し、形成後の下塗層が不均一となり、熱転写受容シートの印画画質が低下する場合がある。
本発明の下塗層で使用するポリビニルアルコールは、40%水溶液の曇点が40℃以上であることが好ましい。ポリビニルアルコールの曇点は、ポリビニルアルコール水溶液を昇温したとき、白濁し始める温度をいう。ポリビニルアルコール水溶液を昇温すると、ポリビニルアルコール分子と水との水素結合が切れやすくなり、溶解度が低下して析出し白濁するものである。また一般に、水溶液中のポリビニルアルコール濃度は低いほど、昇温時に白濁しやすくなり、曇点が低くなる。40%水溶液で曇点40℃未満のポリビニルアルコールを用いた場合、乾燥過程において下塗層塗料の温度上昇により、ポリビニルアルコールが不溶化して凝集が発生し、形成後の下塗層が不均一となり、熱転写受容シートの印画画質が低下する場合がある。
尚、曇点は、ASTM D2024−65の測定方法に準じて測定されるものである。但し、本発明のポリビニルアルコールの曇点においては、ASTM D2024−65の測定方法において試料として調製される非イオン性界面活性剤の1質量%水溶液の代わりに、ポリビニルアルコールの40質量%水溶液を試料として調製し測定するものである。
ポリビニルアルコールの重合度としては、好ましくは200〜2000のものが使用される。重合度が200未満では、形成する皮膜の強度が弱くなる場合がある。重合度が2000を超えると、水溶液としたときの粘度が高くなりハンドリングしにくい場合がある。
前記下塗層形成においては、鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールともに、その他の水分散性樹脂あるいは水溶性樹脂を使用することは、本発明の範囲を損なわない範囲で可能である。具体例としては、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、各種変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の水溶性樹脂を用いることができる。また、鹸化度が99%以上である完全鹸化ポリビニルアルコールや、鹸化度が65%以上99%未満である部分鹸化ポリビニルアルコールを、本発明の鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールとともに使用することも、本発明の範囲を損なわない範囲で可能である。
本発明において、下塗層の構成材料である、中空粒子とポリビニルアルコールの配合比は、ポリビニルアルコール100質量部に対し、中空粒子10〜300質量部が好ましい。より好ましくは、80〜200質量部である。ちなみに、ポリビニルアルコール100質量部に対し、中空粒子が10質量部未満では、充分な断熱性が得られず、印画した画像の濃度低下や、画質の低下が起こることがある。また、ポリビニルアルコール100質量部に対し、中空粒子が300質量部を超えると、塗膜の強度が低下し、塗膜が剥がれることや、塗膜にひび割れが入ったりすることがある。
また、下塗層を構成する材料として、各種の無機、有機の顔料、ワックス類、金属石鹸、各種架橋剤等が使用でき、さらに必要に応じ紫外線吸収剤、蛍光染料、撥油剤、消泡剤、粘度調節剤等各種添加剤を所望の効果を損なわない範囲で使用が可能である。
下塗層の固形分塗工量は、1〜50g/mであることが好ましく、より好ましくは5〜25g/mである。下塗層の固形分塗工量が1g/m未満であると、十分な断熱性やクッション性が得られず、得られる熱転写受容シートの印画濃度の低下や、画質の悪化が起きることがある。また、固形分塗工量が50g/mを超えると、断熱性、クッション性の効果が飽和し、経済的に好ましくない。
(中間層)
本発明において、下塗層と画像受容層の間に中間層が設けることもできる。
中間層を設けることによって、下塗層上に画像受容層用塗工液を塗工する時に、画像受容層用塗工液の下塗層中への浸透を防止し、低塗工量でも均一な画像受容層を形成することができ、印画画質を向上することができる。特に画像受容層用塗工液の溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を使用する場合には、中間層を設けることによって、有機溶剤の浸透による下塗層中の中空粒子の損壊を防ぎ、熱転写受容シートの画質低下を防止することができる。
中間層に使用される樹脂としては、フィルム形成能に優れ、有機溶剤の浸透を防止し、弾力性、柔軟性のある樹脂が使用される。具体的には、デンプン、変性デンプン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、エチレン−アクリル酸共重合体塩、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等の中から選ばれる1種以上の水溶性樹脂又は水中分散型エマルジョンを適宜選択して使用される。
また中間層中には隠蔽性や白色性の付与、熱転写受容シートの質感を改良するために、無機顔料として、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、珪藻土、サチンホワイト等の白色無機顔料や蛍光染料等を含有させても良く、画像受容層に染着した染料の拡散を防止し、画像滲みを防止するために、高アスペクト比の顔料を添加しても良い。高アスペクト比の顔料としては、合成マイカ、合成スメクタイト、スメクタイト族、バーミキュライト族、マイカ族等が挙げられ、染料拡散防止効果が得られる好ましいアスペクト比の範囲は、100〜5000である。また本発明には、必要に応じて、架橋剤、濡れ剤、増粘剤などを添加できる。
中間層の固形分塗工量は0.1〜8g/mの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜5g/mである。因みに中間層固形分塗工量が0.1g/m未満では、中間層が下塗層表面を完全に覆えないことがあり、画像受容層用塗工液の下塗層への浸透防止効果が不十分となり、均一な画像受容層が形成できない場合がある。一方中間層固形分塗工量が8g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、中間層の厚さが過大となることによって下塗層の断熱効果やクッション性が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招くことがある。
(画像受容層)
本発明の熱転写受容シートにおいて、前記下塗層上或いは前記中間層上に画像受容層が設けられる。画像受容層を形成する樹脂としては、染料熱転写シートから移行する染料に対する親和性が高い染料染着性樹脂が使用される。このような染料染着性樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘導体系樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂、活性エネルギー線硬化樹脂等が挙げられる。
本発明の画像受容層は、架橋剤に対して反応性を有する官能基(例えば水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基等の官能基)を有する染料染着性樹脂と架橋剤との反応物を主成分として含有用することが好ましい。
染料染着性樹脂と架橋剤との反応物を主成分との反応物を主成分とする画像受容層は、架橋反応の進み具合によって、印画濃度が変動し易い問題がある。特にイソシアネート系架橋剤は、画像受容層中の水分量によって架橋密度が変化し、熱転写受容シートの印画濃度が変化し易い。
カルボキシル基を有する染料染着性樹脂と、カルボジイミド系架橋剤又はオキサゾリン系架橋剤から選ばれる少なくとも1種との架橋反応物を主成分として形成された画像受容層は、架橋反応が画像受容層中の水分の影響を受け難く、一定の架橋密度の反応物が得られ、熱転写受容シートの印画濃度を一定範囲に収めることが容易であり好ましい。カルボキシル基を有する染料染着性樹脂の市販品としては、例えば、ネオステッカー#1200、(日華化学社製、ウレタン系樹脂)、ビンブラン603(日信化学社製、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂)、ビンブラン680(日信化学社製、塩化ビニル・アクリル共重合樹脂)、FK−555(中央理化工業社製、アクリル樹脂)などが挙げられ、カルボジイミド系架橋剤の市販品としては、例えば、カルボジイミド(日清紡社製)、オキサゾリン系架橋剤としては、NKアシストOX(日華化学社製)が挙げられる。
またプリントの際にサーマルヘッドでの加熱によって、画像受容層と染料熱転写シートとが融着することを防止するために、画像受容層中に、架橋剤、離型剤、滑り剤等の1種以上が添加剤として配合されていることが好ましい。さらに必要に応じて、上記の画像受容層中に蛍光染料、可塑剤、酸化防止剤、顔料、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の1種以上を添加してもよい。これらの添加剤は塗工前に画像受容層の形成成分と混合されてもよいし、また画像受容層とは別の層として画像受容層の上に形成されていてもよい。
画像受容層の形成は、染料染着性樹脂及び架橋剤、離型剤等の必要な添加剤等を、適宜、有機溶剤あるいは水等に溶解もしくは分散して画像受容層用塗工液を調製し、公知のコーターを使用して、下塗層或いは中間層上に、塗工、乾燥し、更に必要に応じて加熱キュアーして形成することができる。また、前記染料染着性樹脂及び架橋剤、離型剤等の必要な添加剤等を、無溶剤の画像受容層用塗工液として調製し、塗工、あるいは熱溶融して塗工することも可能である。
画像受容層の固形分塗工量は0.1〜12g/mが、好ましく、1〜10g/mが、より好ましい。画像受容層の固形分塗工量が0.1g/m未満では、画像受容層が下塗層或いは中間層表面を完全に覆うことができず、画質が低下する場合がある。一方、固形分塗工量が12g/mを超えると、塗工効果が飽和して不経済であるばかりでなく、画像受容層の塗膜強度が不足して、印画中に画像受容層の一部が剥がれる、或いは下塗層の断熱効果が十分に発揮されず、画像濃度の低下を招く等の問題が発生することがある。
(裏面層)
シート状支持体の画像受容層が設けられていない側の面(裏面)上には、適宜、裏面層を設けることができる。
裏面層の目的は、走行性向上、静電気防止、熱転写受容シート相互の擦れによる画像受容層の傷つき防止、印画後の熱転写受容シートを重ね置きしたときの裏面への染料移行防止などである。裏面層はその目的に応じて、樹脂、顔料、帯電防止剤等を含有する。
(カレンダー処理)
熱転写受容シートにカレンダー処理を施してもよい。カレンダー処理により、得られる熱転写受容シート表面の凹凸を減少させ、均一な画像を得ることができる。カレンダー処理は、いずれの段階で行ってもよい。カレンダー処理に使用されるカレンダー装置は、スーパーカレンダー、ソフトカレンダー、グロスカレンダー、クリアランスカレンダーなどの一般に製紙業界で使用されているカレンダー装置を適宜使用できる。
上記各塗工層には、一般の塗被紙製造において使用される濡れ剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、着色剤、帯電防止剤、防腐剤などの各種助剤が適宜添加される。
本発明の熱転写受容シートの画像受容層等の塗工層は、バーコーター、グラビアコーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、及びスライドビードコーター等の公知のコーターを使用して、所定の塗工液を塗工、乾燥して形成することができる。
下記実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び「部」は、溶剤に関するものを除き、固形分の「質量%」及び「質量部」を示す。
実施例1
「熱転写受容シートの作成」
シート状支持体として、厚さ150μmのアート紙(商品名:OK金藤N、174.4g/m、王子製紙製)を使用し、その片面に下記組成の下塗層用塗工液−1を、固形分塗工量が18g/mになるように塗工、乾燥して下塗層を形成した。次に該下塗層上に、下記組成の画像受容層用塗工液−1を固形分塗工量が5g/mになるように塗工、乾燥して画像受容層を形成し、熱転写受容シートを得た。
(下塗層用塗工液−1)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:LW−100、鹸化度:39〜46%、40%水溶液の曇点:45℃、日本合成化学製) 65部
水 200部
(画像受容層用塗工液−1)
ウレタン樹脂(商品名:ネオステッカー♯1700、Tg20℃、日華化学製、
固形分32%、溶媒:水) 90部
架橋剤(商品名:カルボジライトV−02,日清紡製) 8部
カルナウバワックス(トラソルCN、中京油脂製) 2部
水 350部
実施例2
実施例1の下塗層用塗工液−1のポリビニルアルコール(商品名:LW−100)の代わりに、ポリビニルアルコール(商品名:LW−200、鹸化度:46〜53%、40%水溶液の曇点:60℃、日本合成化学製)を用いて下塗層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
実施例3
実施例1の下塗層用塗工液−1のポリビニルアルコール(商品名:LW−100)の代わりに、(商品名:LW−300、鹸化度:53〜60%、40%水溶液の曇点:85℃以上、日本合成化学製)を用いて下塗層を形成した以外は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
実施例4
下塗層塗工液を以下に示す下塗層用塗工液−2に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
(下塗層用塗工液−2)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:SMR−10M、鹸化度:60%、40%水溶液の曇点:40℃未満、重合度:100、信越化学工業社製) 65部
水 200部
実施例5
下塗層塗工液を以下に示す下塗層用塗工液−3に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
(下塗層用塗工液−3)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:SMR−10L、鹸化度:60%、純水に不溶、重合度:100、信越化学工業社製) 65部
水 80部
メタノール 120部
実施例6
下塗層塗工液を以下に示す下塗層用塗工液−4に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
(下塗層用塗工液−4)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:LW−100、鹸化度:39〜46%、40%水溶液の曇点:45℃、日本合成化学製) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA505、鹸化度73%、クラレ製) 30部
水 200部
比較例1
実施例1の下塗層用塗工液−1以下に示す下塗層用塗工液−5に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
(下塗層用塗工液−5)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 35部
ポリビニルアルコール(商品名:PVA505、鹸化度73%、クラレ製) 65部
水 200部
比較例2
実施例1の下塗層用塗工液−1以下に示す下塗層用塗工液−6に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受容シートを得た。
(下塗層用塗工液−6)
アクリロニトリル及びメタクリロニトリルを主成分とする共重合体からなる
既発泡中空粒子(平均粒子径3.2μm、体積中空率85%) 35部
酢酸ビニル系樹脂(商品名:ゴーセランL−0302,日本合成化学工業社製) 65部
水 200部
(評価)
上記の各実施例及び比較例で得られた熱転写受容シートについて、それぞれ下記の方法により評価を行い、得られた結果を表1に示す。
(印画濃度)
市販の染料熱転写プリンター(商品名:UP−DR100、ソニー社製)を用いて、サーマルヘッドでコントロールされた加熱を施すことにより、黒ベタ画像を作成した。得られた黒ベタ画像について、マクベス反射濃度計RD−914を用いて、その反射濃度を測定し、印画濃度を評価した。
◎:印画濃度が1.9以上である、実用には全く問題ない。
○:印画濃度が1.7以上、1.9未満であり実用可能である。
×:印画濃度が1.7未満であり、実用には適さない。
(画像均一性)
昇華型染料熱転写シート(商品名:UP−540、ソニー社製)を装着した市販の染料熱転写プリンター(商品名:UP−50、ソニー社製)を用い、常温環境下で、熱転写受容シートに、マクベス反射濃度計RD914で測定したときの画像濃度が0.6〜0.7となるように画像を印画し、画像のドット再現性を以下の評価基準で目視評価した。
◎:ドット抜けがなく鮮明性に優れる。
○:僅かにドット抜けが見られるが、実用上問題なく使用できる。
×:ドット抜けが目立ち、実用には適さない。
Figure 2011068043
表1からわかるように、実施例1〜6の熱転写受容シートは、印画濃度及び画像均一性が優れた熱転写受容シートである。
本発明の熱転写受容シートは、特に染料熱転写プリンターに適し、高濃度で、画像均一性の優れた画像が得られる低コストの熱転写受容シートであり、実用的に極めて価値の高いものである。

Claims (2)

  1. シート状支持体の少なくとも一面上に、中空粒子を含有する下塗層および画像受容層が順次に積層された熱転写受容シートにおいて、前記下塗層が、鹸化度30%以上65%未満のポリビニルアルコールを含有することを特徴とする熱転写受容シート。
  2. 前記ポリビニルアルコールの40%水溶液の曇点が40℃以上である請求項1に記載の熱転写受容シート。
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