以下に、添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体貸出装置および遊技媒体貸出システムの実施例を詳細に説明する。なお、以下では、パチンコ店に設置されているパチンコ機と併設され、パチンコ玉をノズルから払い出す方式の遊技媒体貸出装置(以下、「台間装置」と記載する)が遊技媒体の貸出処理機である場合について説明する。
また、以下の説明における用語の定義として、「ノズル内の遊技媒体払出経路上に設けられたセンサ」を単に「ノズル内センサ」と、「払出単位」を「セット」と、「分割払出情報」を「設定情報」と、それぞれ記載することとする。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技媒体貸出手法の概要を示す図である。なお、同図の(A)には、従来の一括払出例を、同図の(B)には、本発明に係る遊技媒体貸出手法の処理手順を、それぞれ示している。
図1の(A)に示したように、1円レートの台間装置10に千円札を投入したとする(同図の(A−1)参照)。この場合、貸し出される遊技媒体であるパチンコ玉の数量は1000個に及ぶが、従来の手法によれば、この1000個のパチンコ玉は一括してすべて払い出される(同図の(A−2)参照)。
そして、一般的には、遊技台であるパチンコ機の上皿の貯留量は250個程度であるため、かかる事例において一括して払い出される1000個のパチンコ玉は、上皿の貯留量を超え、溢れ出すに至る(同図の(A−3)参照)。
そこで、図1の(B)に示したように、本発明に係る遊技媒体貸出手法では、一括払出分を複数のセットに分割することとした。そして、上皿の貯留量を判定することで、各セットの払出時機を最適化することとした。なお、かかる上皿の貯留量の判定とは、たとえば、上皿に貯留している遊技媒体の数量が、上皿の最大貯留量未満であるか否かを判定することを指す。
具体的には、千円札などの貨幣が投入されると、一括払出分を複数のセットに分割する処理を行う(同図の(B−1)参照)。そして分割後、最初の1セットを払い出す処理を行う(同図の(B−2)参照)。このとき、図示しない報知部に対して未払い出しのセットが存在することを報知する。これにより、遊技客は、遊技媒体の未払出分があることを知ることができる。
続いて、次セットの払い出しを行うにあたり、上皿の貯留量を超えないよう、払出時機の最適化を行う(同図の(B−3)参照)。ここで、本発明に係る遊技媒体貸出手法では、かかる最適化の手法として以下に示す2つの手法をとる。
まず、1つめの手法では、遊技台信号に基づいて算出する遊技媒体の出入差(以下、「差玉」と記載する)を用いることで上皿の貯留量を超えない時機を判定し、判定した時機を払出時機とする(同図の(B−3a)参照)。
また、2つめの手法では、ノズル内センサによって残留する遊技媒体の有無を検知し、その検知結果に基づいて上皿の貯留量を超えない時機を判定し、払出時機とする(同図の(B−3b)参照)。
そして、本発明に係る遊技媒体貸出手法では、このように次セットの払出時機の最適化を行った後、次セットを払い出す処理を行う(同図の(B−4)参照)。以降、同図の(B−3)から(B−4)の手順を繰り返すことで、すべてのセットの払い出しを行い、図示しない報知部に対して未払い出しのセットが存在しないこと、すなわち払出完了の旨を報知する。これにより、遊技客は、遊技媒体の未払出分がないことを知ることができる。
以下では、図1を用いて説明した遊技媒体貸出手法を適用した遊技媒体貸出システムについての実施例1を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例1では、台間装置10と管理装置200を含む遊技媒体貸出システムについて説明することとする。
まず、本実施例1に係る台間装置が接続されるネットワーク環境について図2を用いて説明する。図2は、本実施例1に係る台間装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、遊技台100ごとに併設される台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)20などのネットワーク経由で管理装置200、島コントローラ300といった各機器と接続されている。
また、島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、たとえば、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間などの通信データを中継する。
また、管理装置200は、遊技台100ごとに送出されるアウト信号やセーフ信号などの遊技台信号を受信し、差玉や遊技台の稼働率といった遊技店の運用に関する情報へ加工して管理する。また、管理装置200が有する差玉管理DB201は、差玉に関する情報を管理するデータベースである。
ここで、台間装置10は、管理装置200/遊技台100間の通信経路を分岐させて、遊技台100の遊技台信号を直接受信することが可能である。これにより台間装置10は、管理装置200の有する差玉管理DB201の情報を参照することなく、自装置が併設される遊技台100の差玉に関する情報を直接得ることができる。
なお、本実施例1では、台間装置10が、遊技台100の差玉に関する情報を、自装置が併設される遊技台100から直接得る場合について説明するが、管理装置200の有する差玉管理DB201の情報を参照することとしてもよい。
次に、図2に示した台間装置10についてさらに詳細に説明する。図3は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
図3に示すように、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52と、未払い出しのセットの存否を知らせる報知部53とを備えている。
また、台間装置10は、貸し出される遊技媒体を払い出す払出部54を備えている。払出部54は、遊技媒体を遊技台100の上皿101へと導く払出部ノズル54aを備えており、払出部54から払い出された遊技媒体は、払出部ノズル54a内部の払出経路を通り、遊技台100の上皿101に貯留される。
なお、ここには図示しないが、遊技台100の備える貸出ボタンの押下を契機として、遊技台100に内蔵された媒体払出部から遊技媒体を払い出す、ノズルを用いない貸出方式もある。
次に、本実施例1に係る台間装置10の構成について図4を用いて説明する。図4は、台間装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
同図に示すように、台間装置10は、管理装置通信部11と、報知部12と、払出部13と、遊技台通信部14と、ノズル内センサ部15と、制御部16と、記憶部17とを備えている。また、制御部16は、設定部16aと、分割部16bと、払出指示部16cと、貯留量判定部16dと、払出時機補正部16eとをさらに備えており、記憶部17は、設定情報17aを記憶する。
管理装置通信部11は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、店舗内LAN20などのネットワーク経由で、図2に示した管理装置200から設定情報17aのデータ受信を行う。
報知部12は、未払い出しのセットの存否を報知するための出力デバイスで構成される。なお、報知部12は、端的に存否を知らせるだけの点滅ランプとしてもよいし、詳細な文字情報を表示するディスプレイとしてもよい。また、報知の指示は分割部16bから受け、指示内容に相当する報知処理を行う。
払出部13は、遊技客に対して遊技媒体の払い出しを行うデバイスである。払い出しの指示は払出指示部16cから受け、指示内容に相当する払出処理を行う。
遊技台通信部14は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、台間装置10が併設される遊技台100からアウト信号やセーフ信号などの遊技台信号を受信する。
ノズル内センサ部15は、ノズル内の遊技媒体払出経路上に設けられた検知デバイスである。経路上に残留する遊技媒体の有無を検知し、検知内容の通知を貯留量判定部16dに対して行う。
制御部16は、図1の(B)に示した一括払出分の複数セットへの分割および最初の1セットの払い出し、次セットの払出時機の最適化、次セットの払い出しといった処理を行う処理部である。
設定部16aは、管理装置通信部11経由で管理装置200から受信した設定情報17aを、記憶部17に対して記憶させる処理を行う処理部である。ここで、設定情報17aを管理装置200から受信する時機については、台間装置10の設置時、遊技店の開店前といった所定の時機とすることができる。
分割部16bは、図3に示した紙幣挿入部52へ紙幣が挿入された場合に、設定情報17aに基づいて遊技媒体の一括払出分を複数のセットに分割し、最初の1セットの払い出しを払出指示部16cに対して指示する処理を行う処理部である。
また、分割部16bは、払出指示部16cの処理結果を受信した後、未払い出しのセットの存否を確認し、その内容を報知するように報知部12に対して指示する処理を行う処理部でもある。なお、分割部16bの動作と設定情報17aとの関連については、図6を用いて後述する。
払出指示部16cは、分割部16b、貯留量判定部16d、払出時機補正部16eから受信した払出時機などを含む払出指示に基づき、払出部13に対して払い出しを指示する処理を行う処理部である。また、処理結果を分割部16bに対して通知する処理を行う処理部でもある。
貯留量判定部16dは、次セットの払い出しを行うにあたり、上皿101の貯留量を超えない時機を払出時機として判定する処理を行う処理部である。
ここで、かかる払出時機の判定の手法には、遊技台通信部14から受信した遊技台信号に基づいて算出する差玉と設定情報17aとから上皿101の貯留量を超えない時機を判定する手法と、ノズル内センサ部15から受信した検知内容の通知に基づいて上皿101の貯留量を超えない時機を判定する手法とがある。
また、貯留量判定部16dは、判定した払出時機を払出指示部16cに対して指示する処理を行う処理部でもある。なお、貯留量判定部16dの動作と設定情報17aとの関連については、図6を用いて後述する。
ここで、ノズル内センサ部15から受信した検知内容の通知に基づいて上皿の貯留量判定を行う場合の、ノズル内センサの検知例について説明しておく。図5は、ノズル内センサの検知例を示す図である。なお、同図の(A)には玉残りを検知した場合の例を、同図の(B)には玉残りを検知しない場合の例を、それぞれ示している。
図5の(A)に示したように、ノズル内センサ部15が払出部ノズル54a内部の払出経路上に残留する遊技媒体があると検知した場合、払出部ノズル54aの払出経路には遊技媒体が詰まっている。そこで、次セットの払い出しを行うに先んじて、少なくともノズル内センサ部15が同経路に残留する遊技媒体があると検知しなくなるまでの処理待ちが必要となる。この点は、図9を用いた処理手順の説明で後述する。
また、図5の(B)に示したように、ノズル内センサ部15が払出部ノズル54a内部の払出経路上に残留する遊技媒体を検知しない場合でも、払出部ノズル54aの払出経路途中に遊技媒体が残留している可能性がある。そこで、次セットの払い出しを行うにあたって、少なくとも上皿101の貯留量を超えないと判定される時機までの処理待ちが必要となる。この点もまた、図9を用いた処理手順の説明で後述する。
上記のように、本発明に係る遊技媒体貸出手法では、ノズル内の払出経路上に残留する遊技媒体の有無の監視を行うため、ノズルの玉詰まりを防止することができ、払出機構(玉貸機用ソレノイド等)の負荷を軽減して、故障の一因を除去することができる。
また、ノズル内センサは、台間装置10に内蔵された既存の検知機構であるため、本発明に係る遊技媒体貸出手法の導入にあたっては、ソフトウェアによる対応のみで処置することができる。したがって、遊技店の費用対効果の向上に資することができるという効果を奏する。
図4の説明に戻り、払出時機補正部16eについて説明する。払出時機補正部16eは、遊技台通信部14から受信した遊技台信号に基づき、遊技客が離席せずに遊技媒体を打ち込んでいる時間(以下、単に「継続遊技時間」と記載する)を累算する処理を行う処理部である。そして、払出時機補正部16eは、前回払出時からの継続遊技時間と設定情報17aとに基づいて貯留量判定部16dの判定した払出時機を補正する処理を行う処理部でもある。
また、払出時機補正部16eは、上記において補正した払出時機を払出指示部16cに対して指示する処理を行う処理部でもある。なお、払出時機補正部16eの動作と設定情報17aとの関連については、図6および図7を用いて後述する。
記憶部17は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、設定情報17aを記憶する。設定情報17aは、分割部16b、貯留量判定部16d、払出時機補正部16eの各処理部において参照される定義情報である。
次に、図6を用いて、上記各処理部の動作と設定情報17aとの関連について説明する。図6は設定情報の一例を示す図である。
図6に示したように、設定情報17aは、「台番号」項目と、「レート」項目と、「払出分割数」項目と、「差玉閾値」項目と、「監視タイマ閾値」項目とを含んだ情報である。
ここで、「台番号」項目は、各台間装置10が併設される各遊技台100を識別する台番号が格納される項目である。上記の各処理部は、自台間装置10が併設される遊技台100に該当する台番号のレコードの各項目を参照する。
「レート」項目は、各台間装置10における遊技媒体の貸出レートが格納される項目である。なお、各台間装置10の諸元と、該当する本項目の貸出レートとに基づき、運用上、分割払出を行う必要がないと判断される場合には、他項目の設定を省略することが可能である(同図の「台番号201」のレコードを参照)。
「払出分割数」項目は、各台間装置10における一括払出分の分割数が格納される項目である。分割部16bは、本項目を参照して、一括払出分の複数セットへの分割処理を行う。たとえば、千円札が入金された場合、同図の「台番号101」のレコードに該当する台間装置10においては、1000個の一括払出分が200個ずつ5セットに分割される。
なお、「払出分割数」項目は、各台間装置10の諸元に適した分割数を設定することも可能である(同図の「台番号101」および「台番号102」の各レコードを参照)。また、同図においては、「払出分割数」項目は単一の項目として例を示しているが、台間装置10が扱う金種ごとに複数の項目として設けることとしてもよい。
「差玉閾値」項目は、仮に次の1セットの払い出しを行ったとしても、上皿101の貯留量を超えないと判定される遊技媒体の数量の閾値が格納される項目である。なお、各台間装置10が併設される各遊技台100の上皿101の最大貯留量を格納することとしてもよい。
貯留量判定部16dは、上記した「差玉閾値」項目を参照して、遊技台信号から算出した差玉に基づく上皿101の貯留量を超えない時機の判定を行う。すなわち、前回払出時からの差玉が、該当する本項目に格納された値を超えた時機をもって、次の1セットの払い出しが可能となったと判定する。
「監視タイマ閾値」項目は、前回払出時からの継続遊技時間の閾値が格納される項目である。本項目もまた、各台間装置10が併設される各遊技台100の諸元に適した値を格納することができる。
たとえば、遊技台100が、毎分100個の遊技媒体を打ち出す性能と、最大200個の上皿101の貯留量とを有する場合、2分間で上皿101の遊技媒体をすべて打ち出すと判定して、本項目に120秒の閾値を格納することができる(同図の「台番号101」のレコードを参照)。
なお、「監視タイマ閾値」項目は、同図において秒単位での値を格納した例を示しているが、より緻密な制御を要する場合には、ミリ秒単位などの値を格納することとしてもよい。
次に、図7を用いて、払出時機補正部16eの動作を詳細に説明する。図7は、払出時機補正部の動作を説明するための図である。
まず、払出時機補正部16eは、図7の(A)に示した状態パターンに基づいて遊技台100における遊技客の遊技状態を判定する。すなわち、アウト信号もしくはセーフ信号の少なくともいずれか一方が入力している場合を遊技中であるとする。
さらに、払出時機補正部16eは、同図の(A)に示したように、少なくともアウト信号の入力がある場合には、継続遊技時間のタイマ監視が必要であると判定する。なぜなら、アウト信号の入力がある場合とは、遊技客が離席せずに遊技媒体を打ち込んでいる場合を指し、上皿101の遊技媒体の貯留量が減少する可能性があるためである。
これに続き、払出時機補正部16eは、継続遊技時間の累算を行う。そして、継続遊技時間が、図6に示した「監視タイマ閾値」項目に格納された値を超えた時点を次の払出時機として補正する。すなわち、払出時機補正部16eは、次の1セットの払い出し時機が、遊技客の離席中とならないように調整する。
なお、図7の(B)には、それぞれ継続遊技時間を示す「T1」、「T2」、「T3」の累算値が監視タイマ閾値を超え、その時点が「次の払出」時機として補正される旨を表している。
次に、台間装置10が実行する処理手順について、図8および図9を用いて説明する。まず、図8の処理手順について説明する。図8は、遊技媒体の出入差による貯留量判定手法の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示したように、貨幣投入(ステップS101)を契機として、遊技媒体の一括払出分を複数のセットに分割する処理を行う(ステップS102)。そして、最初の1セットの払い出しを行い(ステップS103)、未払い出しのセットがある旨を報知する(ステップS104)。
続いて、遊技台100の遊技台信号を受信する(ステップS105)。そして、受信した遊技台信号に基づいて遊技中であるか否かの判定を行う(ステップS106)。ここで、遊技中である場合とは、アウト信号もしくはセーフ信号の少なくともいずれか一方が入力している場合を指す。なぜなら、いずれか一方の信号の入力があれば、差玉が生じ、次のセットの払い出しが必要な可能性があるためである。
そして、遊技中であると判定された場合(ステップS106,Yes)、同遊技台信号に基づき、アウト信号入力があるか否かの判定を行う(ステップS107)。ここで、アウト信号入力がある場合とは、次のセットの払い出しが必要であると判定される場合を指す。なぜなら、前回払出時からアウト信号の入力があれば、上皿101の遊技媒体の貯留量は減少している可能性があるためである。
そして、アウト信号入力があると判定された場合(ステップS107,Yes)、アウト信号およびセーフ信号に基づき、前回払出時からの差玉を算出する(ステップS108)。
一方、ステップS107の判定条件を満たさなかった場合(ステップS107,No)、すなわち、前回払出時からアウト信号の入力がなかった場合、上皿101の遊技媒体の貯留量は減少していないと判定されるため、次のセットの払い出しは不要と判定される。そして、ステップS105以降の処理を繰り返す。
続いて、差玉が所定の閾値を超えたか否かの判定を行う(ステップS109)。ここで、差玉が所定の閾値を超えた場合とは、前回払出時から、上皿101の遊技媒体の貯留量が、次の1セットの払い出しを必要とする分減少したと判定される場合を指す。
そして、差玉が所定の閾値を越えたと判定された場合(ステップS109,Yes)、
次の1セットの払い出しを行い(ステップS110)、さらに未払い出しのセットがあるか否かの判定を行う(ステップS111)。未払い出しのセットがないと判定されれば(ステップS111,No)、払出完了の旨を報知し(ステップS112)、処理を終了する。
ところで、ステップS106の判定条件を満たさなかった場合(ステップS106,No)、ステップS109の判定条件を満たさなかった場合(ステップS109,No)、ステップS111の判定条件を満たさなかった場合(ステップS111,Yes)には、ステップS105以降の処理を繰り返す。
続いて、図9の処理手順について説明する。図9は、ノズル内センサによる貯留量判定手法の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示したように、貨幣投入(ステップS201)を契機として、遊技媒体の一括払出分を複数のセットに分割する処理を行う(ステップS202)。そして、最初の1セットの払い出しを行い(ステップS203)、未払い出しのセットがある旨を報知する(ステップS204)。
続いて、遊技台100の遊技台信号を受信する(ステップS205)。そして、受信した遊技台信号に基づいて遊技中であるか否かの判定を行う(ステップS206)。ここで、遊技中である場合とは、図7の(A)で既に示したように、アウト信号もしくはセーフ信号の少なくともいずれか一方が入力している場合を指す。
そして、遊技中であると判定された場合(ステップS206,Yes)、同遊技台信号に基づき、アウト信号入力があるか否かの判定を行う(ステップS207)。ここで、アウト信号入力がある場合とは、図7の(A)で既に示したように、タイマ監視が必要である場合を指す。すなわち、払出時機補正部16eは継続遊技時間の累算を行う。
そして、アウト信号入力があると判定された場合(ステップS207,Yes)、ノズル内センサ部15が払出経路上に残留する遊技媒体を検知したか否かの判定を行う(ステップS208)。
ここで、ノズル内センサ部15が残留する遊技媒体を検知した場合(ステップS208,Yes)、図5の(A)で既に示したように、払出部ノズル54aの払出経路には遊技媒体が詰まっているため、ノズル内センサ部15が残留する遊技媒体を検知しなくなるまで、ステップS208の処理を繰り返す。
一方、残留する遊技媒体がないと判定された場合(ステップS208,No)、遊技中状態が所定の時間継続したか、すなわち継続遊技時間が設定情報17aの監視タイマ閾値を超えたか否かの判定を行う(ステップS209)。なぜなら、図5の(B)に既に示したように、払出部ノズル54aの払出経路上に残留する遊技媒体を検知しない場合でも、払出経路途中に遊技媒体が残留している可能性がある。そのため、次セットの払い出しを行うにあたって、少なくとも上皿101の貯留量を超えないと判定される時機までの処理待ちが必要になるからである。
ここで、所定の時間継続していないと判定された場合(ステップS209,No)、払出時機補正部16eは継続遊技時間の累算を行い、所定の時間継続したと判定されるまで、ステップS209の処理を繰り返す。
一方、遊技中状態が所定の時間継続したと判定された場合(ステップS209,Yes)、次の1セットの払い出しを行い(ステップS210)、さらに未払い出しのセットがあるか否かの判定を行う(ステップS211)。未払い出しのセットがないと判定されれば(ステップS211,No)、払出完了の旨を報知し(ステップS212)、処理を終了する。
ところで、ステップS206の判定条件を満たさなかった場合(ステップS206,No)、ステップS207の判定条件を満たさなかった場合(ステップS207,No)、ステップS211の判定条件を満たさなかった場合(ステップS211,Yes)には、ステップS205以降の処理を繰り返す。
なお、図9では、ノズル内センサの検知結果と、遊技台信号とを併用する場合について示したが、ノズル内センサの検知結果のみに基づいて次セットの払出時機を判定することとしてもよい。この場合、ノズル内センサが最後に遊技媒体を検知してから、所定時間後に次セットの払い出しを行うこととすればよい。また、センサをノズル内ではなく遊技台の上皿上に設けて、遊技台からその検知結果を受信するようにしてもよい。
また、本実施例1では、最初の1セットの払い出しを無条件に行う場合について説明してきたが、かかる最初の1セットの払い出しについても上皿の貯留量を判定し、払出時機を最適化することとしてもよい。
上述してきたように、本実施例1では、分割部が、遊技客に貸し出される遊技媒体の一括払出分を複数の払出単位に分割し、貯留量判定部が、かかる払出単位の各払い出しについて払い出しを行っても遊技台上皿の貯留量を超えない時機を払出時機として判定するように台間装置を構成した。したがって、入金分をすべて貸し出す場合で、かつ、貸し出す遊技媒体の数量が遊技台上皿の貯留量を超える場合であっても、溢れを生じさせることなく、貸し出しを行うことができる。
ところで、上述した実施例1では、パチンコ店に設置されているパチンコ機と併設され、パチンコ玉をノズルから払い出す方式の台間装置が遊技媒体の貸出処理機である場合について説明した。しかしながら、遊技台が備える貸出ボタンの押下を契機として、遊技台に内蔵された媒体払出部に対し払出指示を行う、ノズルを用いない貸出方式の台間装置(CRユニット)に対して本発明を適用することとしてもよい。
また、上述した実施例1の台間装置および遊技媒体貸出システムを、高額金種を扱い、遊技の残金情報などを特定する情報を有価媒体に記録する機能を有する高価格帯の台間装置および遊技媒体貸出システムへ適用することとしてもよい。この場合には、有価媒体の返却ボタンの押下を契機として、未払出分の遊技媒体の存否を含む情報を有価媒体に記録することとなる。
また、上述した実施例1では、パチンコ玉を遊技媒体として貸し出す場合の台間装置および遊技媒体貸出システムについて説明したが、メダルを貸し出す場合にも本発明を適用することとしてもよい。
また、上述した実施例1では、一括払出分を複数の払出単位に分割し、各払出単位の遊技媒体をそれぞれ払い出す場合について説明したが、特定の払出単位を持玉へ変換して遊技媒体の払い出しに代えることとしてもよい。
具体的には、近年、台間装置の中には、遊技客が獲得した遊技媒体の計数を、装置ごとに設けられた各台計数部にて行う、いわゆる各台計数機と呼ばれる機種も登場してきている。そして、かかる台間装置で計数された遊技媒体は、いわゆる持玉という遊技媒体価値として管理される。かかる持玉の払出手法には、台間装置もしくは遊技台に備わる再利用ボタンの押下を契機として、遊技媒体を遊技台上皿へ所定の数量分払い出す手法が知られている。
ここで、かかる台間装置が、持玉がない状態であらたに千円札の投入を受け付け、1円レートで1000個のパチンコ玉の貸し出しを行う場合について説明する。この場合、台間装置は、上皿から溢れ出さない所定の数量、たとえば200個を最初の払出単位として分割し、実際に遊技媒体を払い出す。そして、残りの800個については持玉へと変換し、上述した持玉の払出手法に従って払い出すこととすればよい。このようにすることで、上述してきた実施例1における上皿溢れの問題は発生しない。
また、かかる台間装置が、持玉がある状態で同様の貸し出しを行う場合には、上述した残りの800個については既存の持玉に加算し、上述した持玉の払出手法に従って払い出すこととすればよい。
ところで、上記実施例1では、遊技客に貸し出す遊技媒体数を複数の払出単位に分割する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、持玉の自動払い出しを行う場合に適用することもできる。このため、本実施例2では、遊技客により持玉自動払出ボタンが押下操作されており、遊技台の上皿の遊技媒体が少なくなった場合に、持玉を自動的に払い出す場合を説明する。
まず、本実施例2に係る持玉自動払出処理の概念について説明する。図10は、実施例2に係る持玉自動払出処理の概念を説明するための説明図である。なお、ここでは遊技客がすでに持玉を保持する場合を前提とする。
図10(A)に示すように、計数機付台間装置に設けられた持玉自動払出ボタンが遊技客により押下操作されると、図10(B)に示すように、計数機付台間装置は遊技台の上皿に所在する遊技媒体の貯留量を判定しつつ、自動的に持玉の払出処理を行う。持玉自動払出ボタンが再度押下操作された場合や、持玉の残数がなくなった場合は、持玉の自動払出処理は終了する。
この点を詳細に説明すると、まず計数機付台間装置は、持玉自動払出ボタンが押下操作された時点で、所定数(例えば200個)の持玉をノズルを介して遊技台の上皿に払い出す(図10(B−1)参照)。具体的には、この持玉数は管理装置で管理されているため、持玉自動払出ボタンが押下操作されると、計数機付台間装置から管理装置に対して所定数の持玉の減算指示が行われ、管理装置が持玉の減算を行ったならば、計数機付台間装置は、遊技台の上皿にノズルを介して持玉の払い出しを行うことになる。
その後、計数機付台間装置は、遊技台の上皿に所在する遊技媒体の貯留量を判定する処理を行う(図10(B−2)参照)。具体的には、すでに詳細に説明した実施例1と同様に、遊技台信号に基づいて貯留量を判定する場合と、ノズル内センサで貯留量を判定する場合とがある。
すなわち、遊技台信号に基づいて貯留量を判定する場合には、遊技台信号に基づいて算出する遊技媒体の差玉を計数し、所定数の持玉を払い出したとしても遊技媒体数が上皿の許容量を超えないタイミングを判定することになる(図10(B−2a)参照)。また、ノズル内センサで貯留量を判定する場合は、ノズル内センサによって残留する遊技媒体の有無を検知し、その検知結果に基づいて上皿の許容量を超えないタイミングを判定することになる(図10(B−2b)参照)。
そして、遊技台の上皿の遊技媒体の貯留量が少なくなり、所定数の持玉を払い出したとしても遊技台の上皿の許容量を超えなくなると、所定数の持玉がノズルを介して自動的に遊技台の上皿に払い出される(図10(B−3)参照)。
次に、図10に示した計数機付台間装置について説明する。図11は、本実施例2で用いる計数機付台間装置400の外観図である。なお、同図には、計数機付台間装置400が併設された遊技台500を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける計数機付台間装置400を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを計数機付台間装置400に設けることもできる。
図10に示すように、計数機付台間装置400は、計数機付台間装置400の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部401と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部402と、遊技店の従業員が携帯するリモコンからの試し打ちモード開始/解除指示などを受け付けるリモコン受光部403と、携帯電話などの移動携帯端末とのデータ送受信を行う携帯通信部404とを備えている。
また、計数機付台間装置400は、持玉をなす遊技媒体を払い出す払出部405を備えている。かかる払出部405は、遊技媒体を遊技台500の上皿501へと導く払出部ノズル405aを備えており、払出部405から払い出された遊技媒体は、払出部ノズル405a内部の払出経路を通り、遊技台500の上皿501に貯留される。
また、計数機付台間装置400は、ディスプレイなどの表示部およびテンキーといった操作部を含んだ操作表示部406を備えている。そして、計数機付台間装置400は、会員カードや持玉カードの受け付け及び返却を行うカード挿入部407と、持玉を計数する計数部408と、現物の持玉を貯留する玉貯留部409とを備えている。
ここで、遊技台500の下皿503から落下した遊技媒体は、玉貯留部409を経て計数部408へと導かれ、数量を計数される。なお、計数後の遊技媒体は、遊技島内に形成される図示しない遊技媒体回収経路へ排出されるが、計数結果は計数機付台間装置400内部に記憶される。
また、計数機付台間装置400は、玉貯留部409の前面に持玉払出ボタン409aが設けられている。この持玉払出ボタン409aは、所定数の持玉を払い出す行う場合に押下操作されるボタンであり、この持玉払出ボタン409aが押下操作される度に所定数の持玉が遊技台500の上皿501に投出される。
ここで、本実施例2に係る計数機付台間装置400には、上記持玉払出ボタン409a以外に、持玉自動払出ボタン502が設けられている。この持玉自動払出ボタン502が遊技客によって押下操作されると、遊技台500の上皿501に貯留された遊技媒体が少なくなった時点で所定数の持玉が自動的に払い出されることになる。この持玉自動払出ボタン502が遊技客によって再度押下操作された場合若しくは持玉がなくなった時点で持玉の自動払出処理が終了する。
次に、図11に示した計数機付台間装置400の内部構成について説明する。図12は、図11に示した計数機付台間装置400の内部構成を示すブロック図である。なお、同図には計数機付台間装置400による持玉払出処理を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。また、図4に示した台間装置10と同様の機能部については同一の符号を付すこととしてその詳細な説明を省略する。
図12に示すように、計数機付台間装置400は、管理装置通信部11と、持玉払出部410と、遊技台通信部14と、ノズル内センサ部15と、制御部430と、記憶部17とを備えている。また、制御部420は、設定部16aと、持玉払出指示部421と、貯留量判定部16dと、払出時機補正部16eとをさらに備えており、記憶部17は、設定情報17aを記憶する。
持玉払出部410は、遊技台500の上皿501に対して所定数の持玉を払い出す処理部である。持玉払出指示は持玉払出指示部421から受け、指示内容に相当する持玉の払出処理を行う。
制御部420は、計数機付台間装置400の全体制御を行う制御部であり、図10(B)に示した持玉の自動払出制御を行う制御部である。持玉払出指示部421は、貯留量判定部16d、払出時機補正部16eから受信した払出時機などを含む払出指示に基づき、持玉払出部410に対して持玉の払出指示を行う処理部である。
貯留量判定部16dは、遊技台500の上皿501の貯留量を超えない時機を払出時機として判定する処理を行う処理部である。この貯留量判定部16dは、すでに図4において説明したように、遊技台通信部14から受信した遊技台信号に基づいて算出する差玉と設定情報17aとから上皿501の貯留量を超えない時機を判定する手法と、ノズル内センサ部15から受信した検知内容の通知に基づいて上皿501の貯留量を超えない時機を判定する手法とがある。
払出時機補正部16eは、遊技台通信部14から受信した遊技台信号に基づき、遊技客が離席せずに遊技媒体を打ち込んでいる継続遊技時間を累算する処理を行う処理部である。そして、払出時機補正部16eは、前回払出時からの継続遊技時間と設定情報17aとに基づいて貯留量判定部16dの判定した払出時機を補正する処理を行う。
また、払出時機補正部16eは、補正した払出時機を払出指示部16cに対して指示する。なお、払出時機補正部16eの動作と設定情報17aとの関連については、図6および図7を用いてすでに説明した通りである。
次に、遊技媒体の出入差による貯留量判定を行いつつ持玉の自動払出を行う処理手順について説明する。図13は、遊技媒体の出入差による貯留量判定を行いつつ持玉の自動払出を行う処理手順を示すフローチャートである。なお、ここでは持玉が存在する場合を前提にして説明を行う。
図13に示すように、計数機付台間装置400の持玉自動払出ボタン502を遊技客が押下操作し、計数機付台間装置400が持玉自動払出開始操作を受け付けたならば(ステップS301,Yes)、ノズル405aを介して所定数(例えば200個)の持玉が遊技台500の上皿501に払い出される(ステップS302)。
その後、計数機付台間装置400は、遊技台500の遊技台信号を受信する(ステップS303)。そして、受信した遊技台信号に基づいて遊技中であるか否かの判定を行う(ステップS304)。ここで、遊技中である場合とは、アウト信号もしくはセーフ信号の少なくともいずれか一方が入力している場合を指す。なぜなら、いずれか一方の信号の入力があれば差玉が生じ、遊技媒体の払い出しが必要な可能性があるためである。
そして、遊技中であると判定された場合(ステップS304,Yes)、この遊技台信号に基づき、アウト信号入力があるか否かの判定を行う(ステップS305)。ここで、アウト信号入力がある場合は、上皿501の遊技媒体が少なくなる状態を示しているので、持玉としての遊技媒体を払い出す必要があるか否かを判定する必要がある。
このため、アウト信号入力があると判定された場合(ステップS305,Yes)、アウト信号およびセーフ信号に基づき、前回払出時からの出入差すなわち差玉を算出する(ステップS306)。
一方、前回払出時からアウト信号の入力がなく、ステップS305の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS305,No)、上皿501の遊技媒体の貯留量は減少していないと判定されるため、持玉の払い出しは不要と判定される。
そして、差玉が所定の閾値を超えたか否かの判定を行う(ステップS307)。ここで、差玉が所定の閾値を超えた場合は、前回払出時から上皿501の遊技媒体の貯留量が減少し、所定数の持玉を払い出したとしても上皿501の貯留量が許容量を超えないことを意味する。
このため、差玉が所定の閾値を越えたと判定された場合には(ステップS307,Yes)、所定数の持玉の払い出しを行う(ステップS308)。そして、持玉自動払出終了操作が行われたか否かを判定し(ステップS309)、持玉自動払出終了操作が行われた場合には(ステップS309,Yes)、処理を終了する。一方、持玉自動払出終了操作が行われていない場合には(ステップS309,No)、ステップS303に移行する。なお、ここでは説明の便宜上、持玉自動払出終了操作が行われたか否かを判定することとしたが、持玉がなくなった場合にも持玉の自動払出処理は終了する。
次に、ノズル内センサによる貯留量判定を行いつつ持玉の自動払出を行う処理手順について説明する。図14は、ノズル内センサ15による貯留量判定を行いつつ持玉の自動払出を行う処理手順を示すフローチャートである。
図14に示したように、計数機付台間装置400の持玉自動払出ボタン502を遊技客が押下操作し、計数機付台間装置400が持玉自動払出開始操作を受け付けたならば(ステップS401,Yes)、ノズル405aを介して所定数(例えば200個)の持玉が遊技台500の上皿501に払い出される(ステップS402)。
その後、計数機付台間装置400は、遊技台500の遊技台信号を受信する(ステップS403)。そして、受信した遊技台信号に基づいて遊技中であるか否かの判定を行う(ステップS404)。ここで、遊技中である場合とは、アウト信号もしくはセーフ信号の少なくともいずれか一方が入力している場合を指す。なぜなら、いずれか一方の信号の入力があれば差玉が生じ、遊技媒体の払い出しが必要な可能性があるためである。
そして、遊技中であると判定された場合(ステップS404,Yes)、この遊技台信号に基づき、アウト信号入力があるか否かの判定を行う(ステップS405)。ここで、アウト信号入力がある場合は、タイマ監視が必要である場合を指す。すなわち、払出時機補正部16eは継続遊技時間の累算を行う。
このため、アウト信号入力があると判定された場合(ステップS405,Yes)、ノズル内センサ部15が払出経路上に残留する遊技媒体を検知したか否かの判定を行う(ステップS406)。
ここで、ノズル内センサ部15が残留する遊技媒体を検知した場合(ステップS406,Yes)、払出部ノズル405aの払出経路には遊技媒体が詰まっているため、ノズル内センサ部15が残留する遊技媒体を検知しなくなるまで、ステップS406の処理を繰り返す。
一方、残留する遊技媒体がないと判定された場合(ステップS406,No)、遊技中状態が所定の時間継続したか、すなわち継続遊技時間が設定情報17aの監視タイマ閾値を超えたか否かの判定を行う(ステップS407)。なぜなら、払出部ノズル405aの払出経路上に残留する遊技媒体を検知しない場合でも、払出経路途中に遊技媒体が残留している可能性がある。そのため、持玉の払い出しを行うにあたって、少なくとも上皿501の貯留量を超えないと判定される時機までの処理待ちが必要になるからである。
ここで、所定の時間継続していないと判定された場合(ステップS407,No)、払出時機補正部16eは継続遊技時間の累算を行い、所定の時間継続したと判定されるまで、ステップS407の処理を繰り返す。
一方、遊技中状態が所定の時間継続したと判定された場合(ステップS407,Yes)、所定数の持玉の払い出しを行う(ステップS408)。そして、持玉自動払出終了操作が行われたか否かを判定し(ステップS409)、持玉自動払出終了操作が行われた場合には(ステップS409,Yes)、処理を終了する。一方、持玉自動払出終了操作が行われていない場合には(ステップS409,No)、ステップS403に移行する。なお、ここでは説明の便宜上、持玉自動払出終了操作が行われたか否かを判定することとしたが、持玉がなくなった場合にも持玉の自動払出処理は終了する。
なお、ここではノズル内センサの検知結果と遊技台信号とを併用する場合について示したが、ノズル内センサの検知結果のみに基づいて所定数の持玉の払出時機を判定することもできる。この場合、ノズル内センサ15が最後に遊技媒体を検知してから、所定時間後に所定数の持玉を払い出すこととすればよい。また、センサをノズル内ではなく遊技台500の上皿501上に設けて、遊技台500からその検知結果を受信するようにしてもよい。
上述してきたように、本実施例2では、計数機付台間装置400の持玉自動払出ボタン502が押下操作されたならば、遊技台500の上皿501の貯留量が少なくなり、所定量の持玉を払い出したとしても上皿501の許容量を超えなくなった時点で所定量の持玉を自動的に払い出すよう構成したので、持玉の払い出しに伴う上皿501からの遊技媒体の溢れを防止することができるとともに、遊技客の操作性を向上させることができる。
なお、本実施例2では、持玉自動払出操作がなされた場合に、初回の持玉払出処理を無条件で行うこととしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、初回から上皿501の状況を加味して払い出すよう構成することもできる。
また、本実施例2では、計数機付台間装置400からノズル405aを介して遊技台500の上皿501に持玉を払い出す場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技台500の内部から上皿501に持玉を払い出す場合に適用することもできる。なお、遊技台500の内部から払い出す場合には、通常遊技台500からは25玉単位での払い出しになるので、24玉以下の端数分については、すでに説明したノズル或いは端数玉払出専用の機構から払い出すようにしても良い。
さらに、上記実施例2では、本発明を持玉に適用した場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技媒体を自動的に貸し出す場合や貯遊技媒体を自動的に払い出す場合に適用することもできる。貯遊技媒体を自動的に払い出す場合には、持玉自動払出ボタン502と同様の機能を有する貯玉自動再プレイボタンを計数機付台間装置400に設けるとともに、上皿501に所定量の貯玉を自動的に排出することになる。
また、貸玉、持玉、貯玉を1枚の会員カードに対応づける場合に、遊技客が最初に払い出す遊技媒体の種別を選択し、選択された種別の遊技媒体について自動払出を行うこともできる。この場合は、種別選択ボタンと自動払出ボタンを一つずつ設けるとともに、計数機付台間装置400には種別受付部を新たに設け、遊技客が種別選択ボタンを選択した後に自動払出ボタンを押下操作することになる。