以下に添付図面を参照して、本発明に係る各台対応装置および遊技媒体貸出システムの実施例を詳細に説明する。なお、以下の説明では、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技機と併設された各台対応装置(以下、「台間装置」と記載する)が、遊技媒体の貸し出しやカード返却を行う場合について説明する。
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要を示す図である。
なお、以下では、同図の(A)に示したように、遊技台の払出単位が「25玉」である場合について説明する。ここで、「払出単位」とは、遊技台が払い出すことのできる遊技媒体の最小単位数である。すなわち、払出単位が25玉の遊技台は、25玉単位でしか遊技媒体を払い出すことができず、25玉未満の遊技媒体を払い出すことができない。
また、以下では、1回の貸出要求ごとに、プリペイド価値から500円を徴収し、払出単位の5倍の遊技媒体「125玉」から消費税分の「5玉」を差し引いた「120玉」を遊技客へ貸し出す場合について説明する。ここで、払出単位が「25玉」である遊技台は、4単位分の「100玉」しか払い出すことができず、残りの「20玉」を払い出すことができない。
図1の(A)に示すように、台間装置は、遊技客から遊技媒体の貸出要求を受け付けると、プリペイド価値から500円を差し引くとともに、500円分の遊技媒体120玉を遊技客に対して貸し出す(同図の(A−1)参照)。
つづいて、台間装置は、貸出遊技媒体数「120玉」を超えない範囲で、払出単位「25玉」の整数倍に相当する数の遊技媒体の払出指示を遊技台に対して行う(同図の(A−2)参照)。ここでは、払出単位の4単位分(合計100玉)の払出指示が遊技台に対して送信され、遊技台からは100玉分の遊技媒体が払い出されることとなる(同図の(A−3)参照)。
また、台間装置は、遊技台から払い出すことができなかった遊技媒体の数(以下、「未払出数」と記載する)を所定の記憶領域へ加算する(同図の(A−4)参照)。具体的には、台間装置は、貸出遊技媒体数「120玉」から遊技台に対して払い出させた遊技媒体数「100玉」を差し引いた未払出数「20玉」を所定の記憶領域へ加算する(同図の(A−4)参照)。
そして、台間装置は、所定の記憶領域に記憶された総未払出数を用いて所定の処理を実行する。たとえば、同図の(B)に示したように、台間装置は、所定の記憶領域へ加算された総未払出数が払出単位以上となった場合に(同図の(B−1)参照)、払出単位分の払出指示を遊技台へ送信する自動払出処理を実行する(同図の(B−2)参照)。
なお、ここでは、未払出数が払出単位以上となったときに自動払出処理を実行することとしたが、これに限ったものではなく、台間装置は、未払出数が払出単位の所定整数倍(たとえば、「125玉」)以上となったときに、払出単位の所定整数倍の遊技媒体を遊技媒体から払い出させることとしてもよい。
このように、本発明に係る遊技媒体管理手法では、貸出要求を受け付けるごとに、未払出数を所定の記憶領域へ加算することとした。すなわち、端数遊技媒体を金額ではなく玉数で管理することとしたため、従来のように端数金額が発生することがない。したがって、本発明に係る遊技媒体管理手法によれば、店舗側が、端数金額の精算に対応したあらたな現金精算機を設置する必要がない。
また、本発明に係る遊技媒体管理手法では、総未払出数が払出単位の所定整数倍以上となったときに、払出単位の所定整数倍の遊技媒体を遊技媒体から払い出させることとした。したがって、ノズルを有さない台間装置にて消費税対応を行った場合に、貸出要求ごとに端数遊技媒体が払い出されることによる煩わしさを解消することができる。
なお、台間装置は、総未払出数を用いたその他の処理として、遊技終了時に、総未払出数を持玉数へ移行したうえでカード返却を行う処理や総未払出数分の遊技媒体を所定の小皿へ投出する処理等を行うこともできる。このように、本発明に係る遊技媒体管理手法では、所定の記憶領域に記憶された総未払出数を用いて所定の処理を実行することとしたため、端数遊技媒体の利便性を高めることができる。
ところで、本発明に係る遊技媒体管理手法では、未払出数を持玉数として管理することもできる。ここで、「持玉」とは、台間装置に対応する遊技台で遊技客が獲得した遊技媒体であり、景品交換や再遊技、貯玉などに利用することが可能である。このように、未払出数を持玉数として管理することによって端数遊技媒体の利用範囲を広げることができる。
なお、台間装置には、遊技台で遊技客が獲得した遊技媒体を計数する計数機能が設けられる場合がある。かかる場合、遊技客が大当たり等によって大量の持玉を獲得すると、持玉数が遊技台の払出単位を大きく超えることとなり、自動払出処理によって持玉が勝手に払い出されてしまうおそれがある。そこで、本発明に係る遊技媒体管理手法では、このような事態を回避するために、未払出数を持玉数として管理する場合には、持玉数が所定数以下である場合にのみ自動払出処理を実行することとした。かかる点の詳細については、実施例にて後述する。
以下では、図1を用いて説明した遊技媒体管理手法を適用した台間装置についての実施例を詳細に説明する。なお、以下では、計数機能付きの台間装置に対して本発明に係る台間装置を適用した場合について説明するが、本発明に係る台間装置は、必ずしも計数機能を有していなくてもよい。
図2は、本実施例に係る台間装置10が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、遊技台100ごとに設けられる台間装置10は、店舗内LAN(Local Area Network)などのネットワーク経由で、管理装置200、島コントローラ300、精算機400、景品管理機500、カード処理機600、景品払出機700といった各機器と接続されている。なお、本実施例に係る遊技媒体貸出システムは、少なくとも台間装置10と管理装置200とを含むものとする。
島コントローラ300は、台間装置10および遊技台100が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、管理装置200/台間装置10間、あるいは、管理装置200/遊技台100間の通信データを中継する。
ここで、台間装置10がカード(遊技用記録媒体)を返却した場合、他の遊技台100で遊技を継続する意志がない遊技客は、カードを精算機400へ挿入することで、プリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。なお、精算機400は、遊技店に設置される一般的な精算機と同様、10円や50円といった少額の釣り銭には対応していないものとする。
また、遊技客は、景品交換コーナーへカードを持参し、カード処理機600にカードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理機500や景品払出機700を操作することで、遊技客は、持玉価値に応じた景品を受け取ることになる。
なお、同図に示すように、管理装置200は、カードに関連付けられる価値を管理する記録媒体管理DB(データベース)201を有している。そして、記録媒体管理DB201は、プリペイド価値を管理するプリペイドカードDB(データベース)201aと、遊技客が獲得した遊技媒体を換金したり景品交換したりすることなく遊技店へ預けておくことを指す貯玉を管理する貯玉DB(データベース)201bと、遊技店が獲得した持玉価値を管理する持玉DB(データベース)201cとから構成される。
たとえば、台間装置10が返却するカードに価値付けられる持玉価値やプリペイド価値は、管理装置200が管理するプリペイドカードDB201aや、持玉DB201cによっても管理されている。
なお、貯玉DB(データベース)201bは、遊技店の会員に対して配布される会員カードに付与された貯玉サービスを行うためのデータベースであり、一般カードの場合には、プリペイドカードDB(データベース)201aおよび持玉DB(データベース)201cのみが関連する。
ここで、貯玉DB(データベース)201bについては、会員用の管理装置を別途設けることとしたうえで、かかる会員用の管理装置が貯玉DB(データベース)201bを管理することとしてもよい。
次に、本実施例に係る台間装置10の構成について図3を用いて説明する。図3は、台間装置10の構成を示すブロック図である。なお、同図には、台間装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
同図に示すように、台間装置10は、計数部11と、カード保持部12と、端数遊技媒体投出部13と、記憶部14と、制御部15とを備えている。また、制御部14は、持玉データ14aを記憶しており、制御部15は、払出処理部15aと、未払出数加算部15bと、実行指示部15cとを備えている。
計数部11は、遊技客が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を計数し、計数した計数値を持玉情報14aとして記憶部14へ記憶させる。なお、かかる計数値がカウントアップされるたびに持玉情報14aは更新されるものとする。
カード保持部12は、一般カードや会員カードといったカードを受け付けるとともに持玉価値やプリペイド価値が関連付けられたカードを返却するデバイスである。かかるカード保持部12は、実行指示部15cからカード返却指示を受け付けると、カードに対して持玉価値やプリペイド価値を関連付けたうえで、カードを返却する。
端数遊技媒体投出部13は、実行指示部15cから端数遊技媒体投出指示を受け付けた場合に、持玉データ14aに含まれる持玉数分の遊技媒体を後述する端数払い出し小皿へ投出するデバイスである。かかる端数遊技媒体投出処理は、持玉数が所定数(たとえば、遊技台100の払出単位)以下である場合に行われる。
また、端数遊技媒体投出処理が行われるのは、持玉数が所定数以下である場合に限られない。たとえば、持玉数が「112玉」であるときに端数遊技媒体投出処理が指示された場合に、「12玉」を端数払い出し小皿へ投出することもできる。また、このとき、残りの「100玉」を遊技台100から投出するようにしてもよい。なお、端数遊技媒体投出部13から払い出される遊技媒体としては、計数した遊技媒体を保留しておいて再利用してもよいし、遊技島の玉補給機構と接続してあらたな遊技媒体を受け取って払い出すこととしてもよい。
ここで、図3に示した台間装置10の外観構成について図4を用いて説明しておく。図4は、台間装置10の外観図である。なお、同図には、台間装置10が併設された遊技台100を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置10を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
図4に示すように、台間装置10は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルを有さないタイプの台間装置である。具体的には、台間装置10は、台間装置10の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52とを備えている。また、台間装置10は、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53と、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、各種のボタンといった操作部を含んだ操作・表示部54とを備えている。
また、台間装置10は、一般カードや会員カードといったカードを受け付けるとともに持玉価値やプリペイド価値が関連付けられたカードを返却するカード保持部55(図3に示した「カード保持部12」に相当)を備えている。また、台間装置10は、遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する計数部56(図3に示した「計数部11」に相当)と、持玉(獲得玉)を貯留する持玉貯留部57を備えている。ここで、遊技台100の下皿から落下した遊技媒体は、持玉貯留部57を経て計数部56へと導かれることになる。
また、持玉貯留部57には、持玉数を表示する持玉表示部57aと、持玉払出ボタン57bとが設けられているものとする。ここで、遊技客によって持玉払出ボタン57bが押下された場合には払出要求が払出処理部15aに対して通知されることとなる。
また、台間装置10は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルに替えて、端数払出小皿58を備えている。かかる端数払出小皿58は、図3に示した端数遊技媒体投出部13によって投出された端数遊技媒体を貯留する小皿である。
なお、遊技台100には、カードの残額や、貸し出された遊技媒体の数などを表示する表示部100aと、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示する返却ボタンといった操作ボタン100bとが設けられる。なお、貸出ボタンが押下された場合には、貸出要求が払出処理部15aに対して通知される。
台間装置10は、同図に示す遊技台100の下皿から落下した持玉(獲得玉)を持玉貯留部57でいったん貯留し、貯留した持玉(獲得玉)を計数部56へ導く。そして、計数部56で持玉(獲得玉)の数量を計数する。
具体的には、この計数部56は、持玉(獲得玉)の計数結果を加算していくことで持玉(獲得玉)の総数を算出する。なお、本実施例では、計数部56が持玉(獲得玉)の総数を算出する機能を備える場合について説明するが、総数算出を行う処理部を、計数部56と独立して設けることとしてもよい。ここで、計数後の遊技媒体は、遊技島内に形成される図示しない遊技媒体回収経路へ排出される。
図3の説明に戻り、記憶部14について説明する。記憶部14は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスであり、持玉データ14aを記憶する。持玉データ14aは、計数部11による計数値および未払出数加算部15bによって加算される未払出数の合算値である。
制御部15は、台間装置10全体を制御する制御部であり、払出処理部15aと、未払出数加算部15bと、実行指示部15cとを備えている。
払出処理部15aは、貸出ボタンの押下に応じて通知される貸出要求を受け付けた場合に、プリペイド価値から一定金額を差し引いた上で、差し引いた金額に相当する貸出遊技媒体数のうち、遊技台100が払出可能な数の遊技媒体を遊技台100から払い出させる処理部である。
具体的には、払出処理部15aは、貸出遊技媒体数を超えない範囲で、遊技台100の払出単位の整数倍に相当する数の遊技媒体を遊技台100に対して払い出させる。ここでは、4単位分の遊技媒体「100玉」を払い出すべき旨の払出指示を遊技台100に対して送信する。
また、払出処理部15aは、貸出遊技媒体数から遊技台に対して払い出させた遊技媒体数を差し引いた数である未払出数を未払出数加算部15bへ通知する処理も併せて行う。ここでは、貸出遊技媒体数「120玉」から遊技台100に対して払い出させた遊技媒体数「100玉」を差し引いた未払出数「20玉」が、未払出数加算部15bへ通知されることとなる。
また、払出処理部15aは、後述する実行指示部15cから自動払出処理の実行指示を受け付けた場合に、払出単位の所定整数倍の遊技媒体(たとえば、125玉)を払い出すべき旨の払出指示を遊技台100に対して送信する自動払出処理を実行する。なお、実行指示部15cは、持玉データ14aとして記憶された持玉数が払出単位の所定整数倍(たとえば、125玉)以上となった場合に、払出処理部15aに対して自動払出処理の実行を指示するが、かかる点については、後述する。
なお、以下では、遊技客からの貸出要求に応じて送信される払出指示を「通常払出指示」と呼び、実行指示部15cからの実行指示に応じて自動的に送信される払出指示を「自動払出指示」と呼ぶこととする。また、払出処理部15aは、持玉払出ボタン57bの押下に応じて通知される払出要求を受け付けた場合には、持玉データ14aから一定数を差し引いたうえで、一定数の遊技媒体を払い出すべき旨の払出指示を遊技台100に対して送信する。
未払出数加算部15bは、払出処理部15aから未払出数を受け取った場合に、受け取った未払出数を持玉データ14aへ加算する処理部である。ここでは、貸出要求を受け付けるごとに、未払出数「20玉」が持玉データ14aへ加算されることとなる。
実行指示部15cは、持玉データ14aとして記憶された持玉数を用いた各種の処理の実行を指示する処理部である。
たとえば、実行指示部15cは、持玉データ14aとして記憶された持玉数が払出単位の所定整数倍となった場合に、持玉数から払出単位の所定整数倍の数を差し引いた上で、自動払出処理の実行を払出処理部15aに対して指示する。この結果、払出処理部15aから遊技台100に対して自動払出指示が送信され、遊技台100から払出単位の所定整数倍の遊技媒体が払い出されることとなる。
なお、ここでは、持玉数が払出単位の5倍に相当する125玉以上となった場合に、実行指示部15cが、払出処理部15aに対して自動払出処理の実行を指示し、払出処理部15aが、遊技台100に対して125玉分の自動払出指示を遊技台100に対して送信する。
ところで、遊技客が大当たり等によって大量の持玉を獲得した場合には、獲得した遊技媒体が計数部11によって計数され、その計数値が持玉データ14aへ加算される。この結果、持玉データ14aとして記憶された持玉数が遊技台の払出単位を大きく超えることとなり、持玉数が125玉未満になるまで自動払出処理の実行が繰り返し指示されることとなる。
そこで、かかる事態を回避するために、実行指示部15cは、持玉数が所定数以下である場合にのみ、自動払出処理の実行を払出処理部15aに対して指示することとしている。ここで、所定数は、1回の貸出要求ごとに加算される未払出数が自動払出指示によって遊技台100から払い出される遊技媒体数を越えた時点の数とすればよい。具体的には、1回の貸出要求ごとに加算される未払出数が20玉であり、自動払出指示によって遊技台100から払い出される遊技媒体数が125玉である場合には、20×7=140玉を所定数として設定すればよい。
このように、計数部11が、自装置に対応する遊技台100で遊技客が獲得した遊技媒体を計数するとともに計数結果である持玉数を記憶部14へ記憶し、未払出数加算部15bが、未払出数を持玉数として記憶部14へ加算し、実行指示部15cが、記憶部14に記憶された持玉数が所定数以下である場合にのみ、自動払出処理の実行を払出処理部15aに対して指示することとした。したがって、未払出数を持玉数として管理する場合に、遊技客が大当たり等によって大量の持玉を獲得した後、自動払出処理によって持玉が勝手に払い出されてしまう事態を防止することができる。
また、実行指示部15cは、操作・表示部54への入力操作に応じてカードの返却要求を受け付けた場合に、持玉データ14aとして記憶された持玉数をカードへ関連付けたうえで当該カードを返却する処理を実行するようにカード保持部12に対して指示する。これによって、遊技客は、端数遊技媒体を持玉として利用することが可能となる。
また、実行指示部15cは、操作・表示部54への入力操作に応じて端数遊技媒体の投出要求を受け付けた場合に、持玉データ14aとして記憶された持玉数を端数払出小皿58へ投出するように端数遊技媒体投出部13に対して指示する。
なお、端数遊技媒体投出処理が行われるのは、持玉数が所定数以下である場合に限らない。たとえば、持玉数が「112玉」であるときに端数遊技媒体投出処理が指示された場合に、「12玉」を端数払い出し小皿へ投出することもできる。また、残りの「100玉」を遊技台100から投出するようにしてもよい。また、端数遊技媒体投出部13が払い出す遊技媒体は、計数した遊技媒体を保留しておいて再利用してもよいし、遊技島の玉補給機構と接続して、あらたな遊技媒体を受け取って払い出すこととしてもよい。
次に、台間装置10と遊技台100との通信内容について図5を用いて説明する。図5は、台間装置10と遊技台100との通信内容を示すシーケンス図である。なお、同図の(A)には、持玉数が払出単位の5倍未満である場合の通信内容について、同図の(B)には、持玉数が払出単位の5倍以上となった場合の通信内容について示している。また、同図の(C)には、計数部11による計数結果が持玉数へ加算された場合の動作例について、それぞれ示している。
同図の(A)に示したように、貸出ボタンが押下されると(ステップS101)、払出処理部15aは、プリペイド価値から500円を差し引くとともに、500円分の遊技媒体120玉を遊技客へ貸し出す。また、払出処理部15aは、遊技客へ貸し出した遊技媒体120玉のうち、4単位分の100玉を払い出すべき旨の通常払出指示を遊技台100へ送信する(同図の(A−1)参照)。そして、遊技台100は、払出処理部15aから受け取った通常払出指示に従って遊技媒体を100玉払い出す(ステップS102)。
また、未払出数加算部15bは、遊技客へ貸し出した遊技媒体120玉のうち、未だ払い出していない「20玉」を持玉データ14aへ加算する(ステップS103)。この結果、記憶部14には、持玉データ14aとして持玉数「20玉」が記憶される。
ここで、ステップS101〜S103の処理が複数回繰り返された結果、同図の(B)に示したように、持玉データ14aとして記憶された持玉数が払出単位の5倍以上(125玉以上)となったとする(ステップS104)。
かかる場合、台間装置10では、実行指示部15cが、払出処理部15aに対して125玉分の自動払出処理の実行を指示し、払出処理部15aが、125玉分の自動払出指示を遊技台100に対して送信する(同図の(B−1)参照)。そして、遊技台100は、払出処理部15aから受け取った自動払出指示に従って遊技媒体を125玉払い出す(ステップS105)。また、実行指示部15cは、持玉データから125玉の減算を行う(ステップS106)。この結果、持玉数は、合計15玉となる。
一方、計数部11が、遊技客が大当たり等によって獲得した遊技媒体を1000玉計数し、計数結果を持玉データ14aへ加算した結果、持玉数が合計1015玉となったとする(ステップS107)。かかる場合、実行指示部15cは、自動払出を禁止状態とする(ステップS108)。すなわち、実行指示部15cは、持玉数が125玉以上であっても、自動払出処理の実行を払出処理部15aに対して指示しない。
より具体的には、連続的に計数されている間は、自動払出指示が送信されず、持玉数が所定値(たとえば、140玉)を超えると、計数が終了しても自動払出指示の出力が禁止されることとなる。また、持玉払出が実行されて、持玉数が所定値を下回った場合には、自動払出指示が出力可能となる。
なお、ここでは、持玉数が払出単位の5倍以上となった場合に、自動払出処理を実行することとしたが、自動払出処理を実行するタイミングは、これに限ったものではない。たとえば、実行指示部15cは、持玉数が払出単位(25玉以上)となった場合に、25玉分の自動払出処理の実行を払出処理部15aに対して指示することとしてもよい。
また、ここでは、払出処理部15aが、実行指示部15cから自動払出処理の実行を指示された場合に、自動払出指示を遊技台100へ送信することとしたが、これに限ったものではない。たとえば、払出処理部15aは、自動払出処理の実行を指示された後、次の貸出要求を受け付けた場合に、自動払出指示を通常払出指示とともに遊技台100へ送信することとしてもよい。
また、持玉が払出単位の何倍以上になったときに自動払出を行うかを遊技者が操作・表示部54等を用いて選択することとしてもよい。また、自動払出処理の可否を遊技者に選択させてもよい。
次に、実施例1に係る台間装置10の具体的動作について図6を用いて説明する。図6は、実施例1に係る台間装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、台間装置10では、払出処理部15aが、貸出要求を受け付けたか否かを判定し(ステップS201)、受け付けた場合には(ステップS201、Yes)、遊技台100に対して通常払出指示を送信する(ステップS202)。また、未払出数加算部15bは、未払出数を持玉データ14aへ加算する(ステップS203)。
つづいて、実行指示部15cは、持玉数が所定数(たとえば、140玉)以下であるか否かを判定し(ステップS204)、所定数以下である場合には(ステップS204、Yes)、持玉数が払出単位の所定整数倍(たとえば、125玉)以上であるか否かを判定する(ステップS205)。
そして、持玉数が払出単位の所定整数倍以上である場合には(ステップS205、Yes)、払出処理部15aが、実行指示部15cからの指示に従って自動払出指示を遊技台100に対して送信し(ステップS206)、実行指示部15cが、持玉数を払出単位の所定整数倍だけ減算して(ステップS207)、処理を終える。
一方、ステップS201において貸出要求がない場合(ステップS201、No)、実行指示部15cは、カード返却要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS208)。そして、カード返却要求を受け付けた場合には(ステップS208、Yes)、カード保持部12が、実行指示部15cからの指示に従って持玉数をカードへ関連付けたうえで(ステップS209)、カードを返却して(ステップS210)、処理を終える。
なお、台間装置10は、持玉数が所定数以下でない場合(ステップS204、No)、持玉数が所定数以下であるが、払出単位の所定整数倍以上でない場合(ステップS205、No)およびカード返却要求がない場合にも(ステップS208、No)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例1では、払出処理部が、遊技媒体の貸出要求を受け付けた場合に、当該貸出要求に対応する貸出遊技媒体数を超えない範囲で、遊技台の払出単位の整数倍に相当する数の遊技媒体を遊技台に対して払い出させ、未払出加算部が、貸出要求を受け付けるごとに、貸出遊技媒体数から遊技台に対して払い出させた遊技媒体数を差し引いた未払出数を記憶部へ加算し、実行指示部が、記憶部に記憶された総未払出数を用いた所定の処理の実行を指示することとした。したがって、端数遊技媒体の利便性を高めることができる。
なお、ここでは、台間装置10が、未払出数加算部15bによって加算された持玉数と計数部11によって計数された持玉数とを区別せずに管理することとしたが、管理装置200側でこれらを別々に管理することとしてもよい。
ところで、上述してきた実施例1では、未払出数を持玉として管理する場合について説明してきたが、これに限ったものではなく、未払出数を持玉数とは個別に管理することとしてもよい。以下では、かかる場合の実施例2について説明する。
図7は、実施例2に係る台間装置10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、実施例2に係る台間装置10では、未払出数が、持玉データ14aとは個別に未払出データ14bとして記憶される。
また、実施例2に係る未払出数加算部15bは、未払出数を持玉データ14aではなく未払出データ14bへ加算する。このため、実施例2では、計数部11による計数値だけが持玉データ14aとして記憶されることとなる。
また、実施例2に係る実行指示部15cは、未払出データ14bとして記憶された総未払出数が125玉以上となった場合に、払出処理部15aに対して自動払出処理の実行を指示する。なお、実施例2では、持玉数と未払出数とを別管理としているため、遊技客が大当たり等によって大量の持玉を獲得した場合であっても持玉データが増えるだけなので、未払出データを使った自動払出処理を禁止する必要はない。
また、実行指示部15cは、カードの返却要求を受け付けた場合に、未払出データ14bとして記憶された総未払出数を持玉データ14aへ移行させて加算する。そして、実行指示部15cは、持玉データ14aとして記憶された持玉数(加算値)をカードへ関連付けたうえでかかるカードを返却する処理を実行するようにカード保持部12に対して指示する。
なお、総未払出数がわずかであり、交換可能な景品も限られるような場合には、端数遊技媒体を持玉として保有しておくよりも遊技で使い切りたいと考える遊技客も少なくない。そこで、実施例2に係る実行指示部15cは、総未払出数が所定数未満である場合には、総未払出数分の遊技媒体を端数払出小皿58へ投出する処理を実行するように端数遊技媒体投出部13に対して指示することとしている。
ここで、実施例2に係るカード返却時の動作例について図8を用いて説明する。図8は、実施例2に係るカード返却時の動作例を示す図である。ここで、同図の(A)には、総未払出数が所定数以上である場合の動作例を、同図の(B)には、総未払出数が所定数未満である場合の動作例を、それぞれ示している。なお、ここでは、所定数を100玉とするが、かかる所定数は任意に設定することができる。
同図の(A)に示したように、未払出データ14bとして記憶された総未払出数が「120玉」であり、所定数(100玉)以上であるとする(同図の(A−1)参照)。かかる場合、実行指示部15cは、カード返却要求を受け付けると、総未払出数を持玉数へ移行したうえで(同図の(A−2)参照)、カード保持部12に対してカード返却処理の実行を指示する。そして、カード保持部12は、実行指示部15cからの指示に従い、持玉数をカードへ関連付けたうえで(同図の(A−3)参照)、カードを返却する(同図の(A−4)参照)。
一方、同図の(B)に示したように、未払出データ14bとして記憶された総未払出数が「20玉」であり、所定数(100玉)未満であるとする(同図の(B−1)参照)。かかる場合、実行指示部15cは、総未払出数分の遊技媒体を端数払出小皿58へ投出する処理を実行するように端数遊技媒体投出部13に対して指示する(同図の(B−2)。
次に、実施例2に係る台間装置10の具体的動作について図9を用いて説明する。図9は、実施例2に係る台間装置10の処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、台間装置10では、払出処理部15aが、貸出要求を受け付けたか否かを判定し(ステップS301)、受け付けた場合には(ステップS301、Yes)、遊技台100に対して通常払出指示を送信する(ステップS302)。また、未払出数加算部15bは、未払出数を未払出データ14bへ加算する(ステップS303)。
つづいて、実行指示部15cは、総未払出数が払出単位の所定整数倍(たとえば、125玉)以上であるか否かを判定する(ステップS304)。そして、総未払出数が払出単位の所定整数倍以上である場合には(ステップS304、Yes)、払出処理部15aが、実行指示部15cからの指示に従って自動払出指示を遊技台100に対して送信し(ステップS305)、実行指示部15cが、未払出数を払出単位の所定整数倍だけ減算して(ステップS306)、処理を終える。
一方、ステップS301において貸出要求がない場合(ステップS301、No)、実行指示部15cは、カード返却要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS307)。また、実行指示部15cは、カード返却要求を受け付けると(ステップS307、Yes)、総未払出数が所定数(たとえば、100玉)以上であるか否かを判定する(ステップS308)。
そして、総未払出数が所定数以上である場合(ステップS308、Yes)、実行指示部15cは、総未払出数を持玉データ14aへ移行させて加算したうえで(ステップS309)、カード保持部12に対してカード返却指示を行う。また、カード保持部12は、実行指示部15cからの指示に従って、持玉数(加算値)をカードへ関連付けたうえで(ステップS310)、カードを返却して(ステップS311)、処理を終える。
一方、総未払出数が所定数未満である場合(ステップS308、No)、端数遊技媒体投出部13は、実行指示部15cからの指示に従って総未払出数分の遊技媒体を端数払出小皿58へ投出して(ステップS312)、処理を終了する。
なお、台間装置10は、総未払出数が払出単位の所定整数倍以上でない場合(ステップS304、No)およびカード返却要求がない場合にも(ステップS307、No)、処理を終了する。
上述してきたように、実施例2では、実行指示部が、カードの返却要求を受け付けた場合に、総未払出数を持玉数としてカードへ関連付けたうえで当該カードを返却する処理を実行するようにカード保持部に対して指示することとした。したがって、未払出数を持玉数と個別に管理する場合であっても、遊技客は、端数遊技媒体を持玉として利用することができる。
また、実施例2では、実行指示部が、カードの返却要求を受け付けた場合に、総未払出数が所定数未満であれば、当該総未払出数分の遊技媒体を端数払出小皿へ投出する処理を実行するように端数遊技媒体投出部に対して指示することとした。したがって、総未払出数がわずかであり、交換可能な景品も限られるような場合には、端数遊技媒体を持玉として保有しておくよりも遊技で使い切りたいという遊技客の心理に沿った処理を行うことができる。
また、実施例2では、図9のステップS308において、総未払出数の大小に基づいて端数投出処理の実行可否を判定することとしたが、これに限ったものではなく、未払出数と持玉数の合算値を用いて判定することとしてもよい。たとえば、未払出数が「10玉」、持玉数が「95玉」の場合であれば、未払出数は、少なくとも、合算して持玉数「105玉」をカードへ関連付けて排出すればよい。このとき、未払出数「10玉」だけを遊技媒体で排出するメリットはない。一方、未払出数「15玉」、持玉数「5玉」の場合であれば、合算しても「20玉」と少ないため、この「20玉」を端数遊技媒体として払い出せばよい。
なお、上述してきた実施例では、1台の台間装置10が、玉貸機能と各台計数機能とを兼ね備える場合について説明したが、玉貸機能を有する第1の台間装置(CRユニット)と、各台計数機能を有する第2の台間装置(計数サンド)とを併設するシステム(ダブルサンド方式)を採用してもよい。また、台間装置10は、各台計数機能自体を備えていなくてもよい。また、台間装置10が持つ機能の一部(たとえば、未払出数を記憶する記憶部14)を島コントローラ300や管理装置200に持たせてもよい。
また、上述してきた実施例では、図4に示したように、計数部56が台間装置10の下部に設けられている場合について示したが、これに限ったものではない。たとえば、計数部56は、遊技台前方の膳板上や遊技台上方に配置してもよい。