JP2011066293A - 樹脂基板およびその製造方法、ならびに導電性ペースト - Google Patents

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【課題】導電層の信頼性を高めることが可能な樹脂基板およびその製造方法、ならびに導電性ペーストを提供する。
【解決手段】樹脂基板は、ビアホール導体用孔が形成された複数の樹脂層1A〜1Dと、複数の樹脂層1A〜1D上に形成された導電層2A〜2Dと、複数の樹脂層1A〜1D上に形成された導電層2A〜2D間の電気的導通を得るためのビアホール導体部3A〜3Dとを備える。ビアホール導体部3A〜3Dは、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる導電性ペーストをビアホール導体用孔に充填し、該ビアホール導体用孔に充填された導電性ペーストを真空下で加熱することにより固化させたものである。
【選択図】図8

Description

本発明は、樹脂基板およびその製造方法、ならびに導電性ペーストに関し、特に、複数の樹脂層の表面に形成された導電層間の電気的導通を得るためのビアホール導体部を有する樹脂基板およびその製造方法、ならびに上記ビアホール導体部を形成するための導電性ペーストに関する。
特開2005−136347号公報(特許文献1)には、加熱時に基板内に生じるガスを排出するためのガス抜き穴を金属パターンに設けることが示されている。同じようなガス抜き穴は、特開平10−200271号公報(特許文献2)や特開2000−323840号公報(特許文献3)にも示されている。
特開2005−136347号公報 特開平10−200271号公報 特開2000−323840号公報
しかし、上記のように導電層(金属パターン)に穴を設けることで、該導電層の信頼性が低下することが懸念される。すなわち、導電層をグランド電極として利用する場合、ガス抜き穴を設けることで、該電極のシールド性やグランド性が低下することが懸念される。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、導電層の信頼性を高めることが可能な樹脂基板およびその製造方法、ならびに導電性ペーストを提供することにある。
本発明に係る樹脂基板は、一または複数の樹脂層と、樹脂層の異なる面に形成された複数の導電層と、複数の導電層間の電気的導通を得るためのビアホール導体部とを備え、ビアホール導体部は、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる導電性ペーストをビアホール導体用の孔に充填し、該ビアホール導体用の孔に充填された導電性ペーストを真空下で加熱することにより固化させたものである。
1つの実施態様では、上記樹脂基板において、導電性ペーストにおける金属粉末の含有量は、70重量パーセント以上95重量パーセント以下である。
1つの実施態様では、上記樹脂基板において、金属粉末の平均粒径(D50)は、1μm以上50μm以下である。
1つの実施態様では、上記樹脂基板において、混合溶剤における第1溶剤の含有量は、0.1重量パーセント以上50重量パーセント以下である。
1つの実施態様では、上記樹脂基板において、樹脂層は熱可塑性樹脂からなる。
1つの実施態様では、上記樹脂基板において、熱可塑性樹脂は液晶ポリマーである。
本発明に係る樹脂基板の製造方法は、一または複数の樹脂層を準備する工程と、樹脂層の異なる面に複数の導電層を形成する工程と、樹脂層に複数の導体層を接続するためのビアホール導体用の孔を形成する工程と、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる導電性ペーストを準備する工程と、導電性ペーストをビアホール導体用の孔に充填する工程と、ビアホール導体用の孔に充填された導電性ペーストを真空下で加熱して固化させることによりビアホール導体部を形成する工程とを備える。
1つの実施態様では、上記樹脂基板の製造方法は、複数の樹脂層を積層する工程をさらに備え、導電性ペーストを真空下で加熱して固化させると同時に複数の樹脂層を互いに接合する。
本発明に係る導電性ペーストは、樹脂基板を構成する樹脂層に形成されたビアホール導体用の孔に充填され、真空下で加熱されることにより固化してビアホール導体部を構成する導電性ペーストであって、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなるものである。
本発明によれば、導電性ペーストを構成する混合溶剤が、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含むことにより、導電層の信頼性およびビアホール導体部による電気的導通の信頼性を高めることが可能となる。
すなわち、真空化で固化し得る第1溶剤を用いることにより、導電性ペーストを固化させるときに発生するガスの量を低減することができるので、導電層にガス抜き用の孔を設けることなく、導電層のビアホール導体部からの剥離を抑制することができる。この結果として、導電層の信頼性を向上させることができる。
他方、第1溶剤のみで溶剤を構成せず、加熱により気化し得る第2溶剤も併せて用いることにより、ビアホール導体部内に残留する第1溶剤(絶縁体)の量を低減して、ビアホール導体部による電気的導通の信頼性を高めることができる。
本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第1工程を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第2工程を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第3工程を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第4工程を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第5工程を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第6工程を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第7工程を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板を示す断面図である。 本発明の1つの実施の形態に係る樹脂基板の変形例を示す断面図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
図1乃至図7は、各々、本実施の形態に係る樹脂基板の製造方法における第1乃至第7工程を示す断面図である。図1乃至図7の工程を経ることにより、図8に示す樹脂基板が得られる。
図8を参照して、本実施の形態に係る樹脂基板は、樹脂層1(1A〜1D)と、導電層2(2A〜2D)と、ビアホール導体部3(3A〜3D)と、絶縁膜4と、電極部5とを含む。
樹脂層1は、複数の樹脂層1A〜1Dを積層してなる積層体である。樹脂層1A〜1Dは、たとえば、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)(以下「LCP」という。)、ポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)(以下「PET」という。)、およびポリイミドなどにより構成される絶縁層である。樹脂層1A〜1Dは、好ましくは、LCPのような熱可塑性樹脂で構成される。
樹脂層1A〜1DをLCPで構成した場合、寸法安定性および高周波特性等に優れたフレキシブル多層基板を得ることが可能である。樹脂層1A〜1DをLCPで構成した場合に高周波特性が向上するのは、LCPは吸水性が低く、樹脂層1A〜1Dが吸収した水分の誘電率で高周波特性が悪化することが抑制されるからである。
導電層2は、樹脂層1A〜1D上に各々形成された導電層2A〜2Dを含む。導電層2A〜2Dは、たとえば銅やアルミニウムなどの金属を含む。
ビアホール導体部3(3A〜3D)は、樹脂層1(1A〜1D)に埋設されるものである。ビアホール導体部3A〜3Dは、たとえば銀や銅などの金属を含む。本実施の形態に係る樹脂基板は、ビアホール導体の形成過程に特徴を有するものであるが、詳細は後述する。
絶縁膜4は、樹脂層1A〜1Dの積層体の両面に形成されている。絶縁膜4は、導電層2上に開口を有しており、該開口に電極部5が形成される。電極部5を形成することにより、樹脂基板の実装基板への実装が可能となる。
次に、図1〜図7を用いて、本実施の形態に係る樹脂基板の製造方法について説明する。
図1を参照して、片面に銅箔からなる導電層20が形成された樹脂層10を準備する。樹脂層10は、前述の樹脂層1A〜1Dを構成するものであり、導電層20は、前述の導電層2A〜2Dを構成するものである。
図2を参照して、樹脂層10にビアホール導体用孔30を形成する。このビアホール導体用孔30の形成は、たとえば導電層20が形成された側とは反対側から樹脂層10にレーザ光を照射することによって行なう。この結果、樹脂層10の一部が除去されてビアホール導体用孔30が形成される。ビアホール導体用孔30は、典型的には、図2に示すように、導電層20に近づくにつれて径が小さくなるテーパ状の孔であるが、ストレートな縦孔となる場合もある。
図3を参照して、ビアホール導体用孔30が形成された後、回路パターンに対応したレジスト膜20Aが導電層20上に形成される。そして、レジスト膜20Aをマスクとしてエッチングを行なうことにより、図4に示すように、回路パターンに対応した導電層2が形成される。
図5を参照して、導電層2のパターン間に、絶縁膜40が形成される。絶縁膜40は、前述の絶縁膜4を構成するものである。その後、図6に示すように、ビアホール導体用孔30に導電性ペースト31を充填する。
図7を参照して、ビアホール導体用孔30に導電性ペースト31が充填された複数の樹脂層1A〜1Dを積み重ね、クッション100および押圧材200により高圧および真空の状態でプレスする。これにより、導電性ペースト31が固化してビアホール導体部3A〜3Dが形成される。なお、図7に示すように、複数の樹脂層1A〜1Dを積み重ねるのに先立ち、一部の複数の樹脂層(1A,1D)がカットされている。
以上の工程により、図8に示す樹脂基板が得られる。つまり、本実施の形態に係る樹脂基板の製造方法を要約すると、複数の樹脂層10を準備する工程と、複数の樹脂層10上に導電層20を形成する工程(以上、図1)と、複数の樹脂層10にビアホール導体用孔30を形成する工程(図2)と、導電層20をパターニングする工程(図3,図4)と、パターニングされた導電層2間に絶縁膜40を形成する工程(図5)と、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる導電性ペースト31を準備する工程と、導電性ペースト31をビアホール導体用孔30に充填する工程(以上、図6)と、複数の樹脂層1(1A〜1D)を積層する工程と、ビアホール導体用孔30に充填された導電性ペースト31を真空下で加熱して固化させることによりビアホール導体部31を形成する工程(図7)とを備える。なお、本実施の形態では、導電性ペースト31を真空下で加熱して固化させると同時に積層された複数の樹脂層1(1A〜1D)を互いに接合している。
本実施の形態に係る樹脂基板は、上述した製造工程において、ビアホール導体部3は、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる導電性ペースト31をビアホール導体用孔30に充填し、ビアホール導体用孔30に充填された導電性ペースト31を真空下で加熱することにより固化させたものであることを特徴としている。
本実施の形態に係る樹脂基板と同様の構造を有する従来の樹脂基板において、ビアホール導体部を構成する導電性ペーストとしては、加熱により気化し得る溶剤中に金属粉末を分散させたものが用いられてきた。しかし、このような導電性ペーストでは、加熱時に溶剤が気化した際、そのガスを外部に逃がすため、ビアホール導体用孔30の近辺に位置する導電層2にガス抜き用の孔を設ける必要があり、導電層の強度や電気的特性に悪影響を及ぼすことが懸念されていた。
これに対し、本実施の形態に係る樹脂基板では、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散したものを導電性ペースト31として用いている。
真空化で固化し得る第1溶剤としては、アクリル酸モノマーに代表される『嫌気性溶剤』と呼ばれるものが挙げられる。より具体的には、『嫌気性溶剤』は、ジアクリレートと過酸化物とを主成分とし、アミン類、過酸化物、サッカリンなどを加えた液状体である。『嫌気性溶剤』は、空気に触れているときは液状であるが、空気との接触を遮断し、かつ、金属イオンと接すると触媒反応をおこして硬化するものである。
本実施の形態に係る樹脂基板では、上記『嫌気性溶剤』のみで溶剤を構成するものではなく、『嫌気性溶剤』に対して加熱により気化し得る第2溶剤を混合させた混合溶剤を用いる。これは、『嫌気性溶剤』のみで溶剤を構成した場合、導電性ペースト31が固化してビアホール導体部3が形成された後に、ビアホール導体部3内に残存する絶縁体成分が多くなり、ビアホール導体部3の電気的導通性が低下するからである。第1溶剤(嫌気性溶剤)と第2溶剤(加熱により気化する溶剤)との混合比率を適宜調整することで、ガスの発生を抑制しながら、固化した後のビアホール導体部3内に残存する絶縁体成分量の増大を抑制することができる。結果として、導電層2の信頼性およびビアホール導体部3による電気的導通の信頼性の双方を高めることが可能となる。また、ガスの発生を抑制することで、ビアホール導体部3と導電層2との剥離を抑制することもできる。
導電性ペースト31を構成する金属粉末、第1溶剤、第2溶剤の混合比や、金属粉末の粒径、金属粉末および溶剤の材質は、適宜変更可能なものであるが、1つの典型的な例では、導電性ペースト31における金属粉末の含有量は、70重量パーセント以上95重量パーセント以下程度であり、当該金属粉末の平均粒径は、1μm以上50μm以下程度であり、第1溶剤と第2溶剤とからなる混合溶剤における第1溶剤の含有量は、0.1重量パーセント以上50重量パーセント以下程度である。
本願発明者らは、上述した第1溶剤(嫌気性溶剤:アクリル酸モノマに芳香族第3級アミンを加えたもの)と第2溶剤(加熱により気化する溶剤:エチルセルロースとアクリル酸モノマとの混合物)とからなる混合溶剤の効果を確認するため、導電性ペースト31に含まれる金属粉末の平均粒径[表1中の「平均金属粒径:D50」]、導電性ペースト31における金属粉末および混合溶剤の占める割合(重量パーセント)[表1中の「金属量」および「溶剤量」]、混合溶剤における第1溶剤(嫌気性溶剤)の占める割合(重量パーセント)[表1中の「嫌気性溶剤量」]を変化させた、複数のケースについて実験を行なった。実験は、各ケースにおいて、Cu粉末(95wt%)、Sn粉末(4wt%)、Ag粉末(1wt%)の混合粉末を金属粉末とした導電性ペースト31を、100μmφの複数(10個)のビアホール導体用孔30に充填した、厚み50μmのLCPシートを3層積み重ね、全ケース同じ条件で高圧真空プレス(図7の工程)を行ない、幾つのビアホール導体部3が電気的導通を確保できているか[表1中の「VIA導通数」]を確認する要領で行なわれた。その結果を表1に示す。なお、各ビアホール導体部3の両端には、厚み18μmのCu箔パッドが設けられており、上下のCu箔パッド間の抵抗値が0.2Ω以下のものを「電気的導通が確保できている」としてカウントした。
Figure 2011066293
表1を参照して、サンプル1においては、金属粉末の平均粒径が小さすぎるため、金属粉末同士の接触面積が小さくなり、導通性がやや低下した。
サンプル8においては、金属粉末の含有量が少なく、溶剤量が多すぎるため、金属粉末同士の接触面積が小さくなり、導通性がやや低下した。
サンプル10においては、嫌気性溶剤(第1溶剤)量が少なすぎる(相対的に第2溶剤量が多い)ため、導通性は良好であるものの、第2溶剤がLCPシート間に残留し、LCPシート間にデラミネーション(層間剥離)が発生する傾向にあった。
サンプル13においては、嫌気性溶剤(第1溶剤)量が多すぎる(相対的に第2溶剤量が少ない)ため、金属粉末同士の接触面積が小さくなり、導通性がやや低下した。
サンプル15においては、金属粉末の含有量が多く、溶剤量が少なすぎるため、導通性は良好であったものの、ビアホール導体用孔への導電性ペーストの充填が困難であった。
サンプル19においては、金属粉末の平均粒径が大きすぎる為、金属粉末の分布に偏り(一部の粉末が沈降)が生じ、導通性がやや低下した。また、導電性ペーストに「にじみ」が発生する傾向にあった。
これに対し、その他のサンプルにおいては、概ね電気的導通性が良好で、LCPシート間にデラミネーションが発生することもなく、また、導電性ペーストに「にじみ」が発生することもなかった。
ただし、「平均金属粒径」が30μm、「金属量」が95重量パーセントの場合は、「嫌気性溶剤量」が50重量パーセントとなると(サンプル14)、「VIA導通数」が5(個)/10(個)となった。これは、混合溶剤中の嫌気性溶剤の割合が高くなることで、一部のビアホール導体部3において、導電性ペースト31中の金属が連鎖的に接合した状態で固化しなかったからであると考えられる。しかし、「金属量」および「嫌気性溶剤量」の条件が同じであっても、「平均金属粒径」が1μm、5μm、50μmの場合(サンプル4,7,18)は、各々、「VIA導通数」は8(個)/10(個)、7(個)/10(個)、9(個)/10(個)となり、「平均金属粒径」が30μmである場合(サンプル14)と比較して改善されていることから、「平均金属粒径」やその他の要因(たとえば金属粒子の形状)を適宜調整することで、上記の問題は十分に解決可能と考えられる。たとえば、上記の例では、金属粉末としては、球状粉末を使用したが、扁平状粉末を用いると、粉末同士の接触面積が大きくなり、比抵抗が小さくなって、導通性が増す。
なお、「金属量」が75重量パーセントの場合は、「平均金属粒径」が1μm,5μm、30μmのいずれの場合(サンプル2,5,11)も、「嫌気性溶剤量」を0.1重量パーセントとするだけで、10(個)/10(個)の「VIA導通数」を確保することができる。これは、高圧真空プレスの工程において、第1溶剤(嫌気性溶剤)の硬化が第2溶剤(加熱により気化する溶剤)の硬化よりも早いタイミングで開始され、この第1溶剤(嫌気性溶剤)の硬化により金属層2と導電性ペースト31とが接着され、その後に第2溶剤(加熱により気化する溶剤)が硬化によりガスが発生しても、金属層2と導電性ペースト31とが剥離しにくい状態にあるためであると考えられる。
ところで、本実施の形態では、複数の樹脂層を積層した「樹脂多層基板」の例について説明してきたが、本発明の思想は、「樹脂多層基板」に限定されるものでは無く、図9に示すような単層基板に適用することも当然に可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A〜1D,10 樹脂層、2,2A〜2D,20 導電層、3,3A〜3D ビアホール導体部、4,40 絶縁膜、5 電極部、20A レジスト膜、30 ビアホール導体用孔、31 導電性ペースト、100 クッション、200 押圧材。

Claims (9)

  1. 一または複数の樹脂層と、
    前記樹脂層の異なる面に形成された複数の導電層と、
    前記複数の導電層間の電気的導通を得るためのビアホール導体部とを備え、
    前記ビアホール導体部は、真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる導電性ペーストをビアホール導体用の孔に充填し、該ビアホール導体用の孔に充填された前記導電性ペーストを真空下で加熱することにより固化させたものである、樹脂基板。
  2. 前記導電性ペーストにおける前記金属粉末の含有量は、70重量パーセント以上95重量パーセント以下である、請求項1に記載の樹脂基板。
  3. 前記金属粉末の平均粒径は、1μm以上50μm以下である、請求項1または請求項2に記載の樹脂基板。
  4. 前記混合溶剤における前記第1溶剤の含有量は、0.1重量パーセント以上50重量パーセント以下である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂基板。
  5. 前記樹脂層は熱可塑性樹脂からなる、請求項1から請求項4のいずれかに記載の樹脂基板。
  6. 前記熱可塑性樹脂は液晶ポリマーである、請求項5に記載の樹脂基板。
  7. 一または複数の樹脂層を準備する工程と、
    前記樹脂層の異なる面に複数の導電層を形成する工程と、
    前記樹脂層に前記複数の導体層を接続するためのビアホール導体用の孔を形成する工程と、
    真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる導電性ペーストを準備する工程と、
    前記導電性ペーストを前記ビアホール導体用の孔に充填する工程と、
    前記ビアホール導体用の孔に充填された前記導電性ペーストを真空下で加熱して固化させることによりビアホール導体部を形成する工程とを備えた、樹脂基板の製造方法。
  8. 複数の前記樹脂層を積層する工程をさらに備え、
    前記導電性ペーストを真空下で加熱して固化させると同時に複数の前記樹脂層を互いに接合する、請求項7に記載の樹脂基板の製造方法。
  9. 樹脂基板を構成する樹脂層に形成されたビアホール導体用の孔に充填され、真空下で加熱されることにより固化してビアホール導体部を構成する導電性ペーストであって、
    真空化で固化し得る第1溶剤と、加熱により気化し得る第2溶剤とを含む混合溶剤中に金属粉末を分散してなる、導電性ペースト。
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