JP2011065849A - 電池用セパレータおよびリチウム二次電池 - Google Patents

電池用セパレータおよびリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 異常過熱時および過充電時における安全性、並びに充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池と、該リチウム二次電池を構成し得るセパレータとを提供する。
【解決手段】 ポリオレフィン製微多孔質膜の片面にBET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜Aを、他面にBET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜Bを有する電池用セパレータ、および前記セパレータの多孔質膜Aが正極に対向し、多孔質膜Bが負極に対向しており、かつシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体を含有する非水電解液を有するリチウム二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐熱性に優れた電池用セパレータと、それを用いたリチウム二次電池に関するものである。
リチウム二次電池などの電気化学素子は、エネルギー密度が高いという特徴から、携帯電話やノート型パーソナルコンピューターなどの携帯機器の電源として広く用いられている。例えば、リチウム二次電池では、携帯機器の高性能化に伴って高容量化が更に進む傾向にあり、安全性の確保が重要となっている。
現行のリチウム二次電池では、正極と負極の間に介在させるセパレータとして、例えば厚みが20〜30μm程度のポリオレフィン系の微多孔質膜が使用されている。また、セパレータの素材としては、電池の熱暴走温度以下でセパレータの構成樹脂を溶融させて空孔を閉塞させ、これにより電池の内部抵抗を上昇させて短絡の際などに電池の安全性を向上させる所謂シャットダウン効果を確保するため、融点の低いポリエチレンが適用されることがある。
ところで、こうしたセパレータとしては、例えば、多孔化と強度向上のために一軸延伸または二軸延伸したフィルムが用いられている。このようなセパレータは、単独で存在する膜として供給されるため、作業性などの点で一定の強度が要求され、これを前記延伸によって確保している。しかし、このような延伸フィルムでは結晶化度が増大しており、シャットダウン温度も、電池の熱暴走温度に近い温度にまで高まっているため、電池の安全性確保のためのマージンが十分とは言い難い。
また、前記延伸によってフィルムにはひずみが生じており、これが高温に曝されると、残留応力によって収縮が起こるという問題がある。収縮温度は、融点、すなわちシャットダウン温度と非常に近いところに存在する。このため、ポリオレフィン系の微多孔質膜セパレータを使用するときには、充電異常時などに電池の温度がシャットダウン温度に達すると、電流を直ちに減少させて電池の温度上昇を防止しなければならない。空孔が十分に閉塞せず電流を直ちに減少できなかった場合には、電池の温度は容易にセパレータの収縮温度にまで上昇するため、内部短絡の危険性があるからである。
このようなセパレータの熱収縮による短絡を防止し、電池の信頼性を高める技術として、例えば、シャットダウン機能を確保するための樹脂を主体として含む第1セパレータ層と、耐熱温度が150℃以上のフィラーを主体として含む第2セパレータ層とを有する多孔質のセパレータを用いて電気化学素子を構成することが提案されている(特許文献1)。
特許文献1の技術によれば、異常過熱した際にも熱暴走が生じ難い安全性に優れたリチウム二次電池などの電気化学素子を提供することができる。
また、セパレータの耐熱収縮性を更に向上させる目的で、耐熱温度が150℃以上のフィラーとして板状粒子を用いる提案もされている(特許文献2および3)。
国際公開第2007/66768号公報 特開2007−157723号公報 特開2008−4439号公報
ところで、リチウム二次電池では、例えば、過充電時の安全性を確保するために、非水電解液にシクロヘキシルベンゼンやその誘導体などの添加剤を加えることがある。シクロヘキシルベンゼンやその誘導体は、所定の電位以上となった場合に重合して正極表面に被膜を形成する。そのため、この被膜によって過充電時における正極と非水電解液との反応が抑制されることから、リチウム二次電池の安全性が向上する。
しかし、シクロヘキシルベンゼンやその誘導体は、リチウム二次電池の通常の使用電位領域においても微量ながら重合反応を起こすため、このような添加剤を含む非水電解液を用いたリチウム二次電池では、シクロヘキシルベンゼンなどの重合物がセパレータの細孔内に侵入する現象が生じる。
特許文献1〜3に記載されているようなフィラーを含有する耐熱層を有する積層型のセパレータと、シクロヘキシルベンゼンなどの添加剤を含有する非水電解液を用いてリチウム二次電池を構成した場合にも、シクロヘキシルベンゼンなどの重合物が、セパレータの細孔内に侵入して細孔を塞ぎ、イオンの移動性を妨げて、充放電サイクル特性などの電池特性に悪影響を及ぼす虞がある。前記の積層型のセパレータでは、例えば耐熱収縮性の向上を目的として、耐熱層内におけるフィラーの充填性を高めることが多いが、このような場合には、シクロヘキシルベンゼンなどの重合体による電池特性への悪影響の可能性が特に大きくなる。
前記の積層型のセパレータを用いたリチウム二次電池において、シクロヘキシルベンゼンの重合体による電池特性低下の問題を回避する方法として、例えば、耐熱層内におけるフィラーの充填密度を下げることが考えられるが、このようなセパレータでは耐熱収縮性が損なわれるといった問題が生じる虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、異常過熱時および過充電時における安全性、並びに充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池と、該リチウム二次電池を構成し得るセパレータとを提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の電池用セパレータは、ポリオレフィン製微多孔質膜の片面に、BET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜Aを有し、かつ前記ポリオレフィン製微多孔質膜の他面に、BET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜Bを有することを特徴とするものである。
また、本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを有するリチウム二次電池であって、前記セパレータが本発明の電池用セパレータであり、多孔質膜Aが正極と対向し、多孔質膜Bが負極と対向しており、前記非水電解液が、シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体を含有していることを特徴とするものである。
本発明によれば、異常過熱時および過充電時における安全性、並びに充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池と、前記リチウム二次電池を構成し得る耐熱性に優れたセパレータとを提供することができる。
本発明の電池用セパレータの一例を模式的に表す断面図である。
図1に本発明の電池用セパレータ(以下、「セパレータ」と省略する。)の一例を模式的に表す断面図を示している。本発明のセパレータは、ポリオレフィン製微多孔質膜1の片面に、BET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜2(多孔質膜A)を有しており、前記微多孔質膜の他面に、BET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜3(多孔質膜B)を有している。
セパレータにおけるポリオレフィン製微多孔質膜は、本発明のセパレータを用いた電池において、正極と負極の短絡を防止しつつ、イオンを透過するセパレータ本来の機能を有するものである。また、ポリオレフィン製微多孔質膜によって、誤動作などによって電池内が高温になった際に、微多孔質膜を構成するポリオレフィンが溶融してセパレータの孔を塞ぐシャットダウン機能も確保できる。
セパレータにおける多孔質膜Aは、BET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を主体として含むことから、比較的ポーラスである。よって、リチウム二次電池内において、この多孔質膜Aが正極に対向するようにセパレータを配置すると、正極電位によって重合したシクロヘキシルベンゼンやその誘導体の重合物によるセパレータの細孔の目詰まりを抑制でき、長期の使用や貯蔵による電池特性の低下(特に充放電サイクル特性の低下)を抑制することができる。
また、セパレータにおける多孔質膜Bは、BET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を主体として含んでおり、多孔質膜Aよりも高い耐熱収縮性を有している。よって、特にこの多孔質膜Bによって、誤動作などによって電池内が高温になった際に、セパレータ全体の熱収縮を抑えて、正負極の接触による短絡を抑制することができる。
セパレータに係るポリオレフィン製微多孔質膜としては、従来からリチウムイオン二次電池用のセパレータとして用いられているポリオレフィン[ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体など]製の微多孔質膜(溶剤抽出法、乾式または湿式延伸法などにより形成された孔を多数有するイオン透過性の微多孔質膜)を使用することができる。なお、シャットダウン機能をより良好に確保する観点からは、微多孔質膜を構成するポリオレフィンは、PEなどのように、その融点が80℃以上150℃以下(より好ましくは100℃以上)、すなわち、JIS K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度が、80℃以上150℃以下(より好ましくは100℃以上)のものであることが好ましい。
ポリオレフィン微多孔質膜の厚みは、ある程度の強度を確保して破れなどを防止する観点から、10μm以上であることが好ましく、また、電池の内部抵抗の増大を抑える観点から、30μm以下であることが好ましい。
セパレータに係るポリオレフィン微多孔質膜の両面に形成される多孔質膜のうち、多孔質膜Aは、BET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を主体として含むが、かかる無機微粒子は、その形状が概略板状であることが好ましく、また、二次凝集体を一部に含んでいることが好ましい。後述するように、多孔質膜Aに係る無機微粒子は、必要に応じて二次凝集体のものを解砕処理するなどして、その比表面積を調整することで得ることができるが、その際に、一部に二次凝集体が残存する程度に解砕すると、無機微粒子のBET法による比表面積を4〜6m/gに調整しやすい。また、無機微粒子が、その一部に二次凝集体を含むことで、多孔質膜Aがよりポーラスになりやすいため、リチウム二次電池において、この多孔質膜Aが正極に対向するようにセパレータを配置すると、非水電解液中の成分由来の重合物によるセパレータの目詰まりを、より良好に抑制できる。
多孔質膜Aにおける無機微粒子の平均粒子径は、大きすぎると多孔質膜Aの厚みの制御が困難となることから、3μm以下であることが好ましく、また、0.5μm以上であることが好ましい。なお、本明細書でいう無機微粒子(後記の多孔質膜Bの有する無機微粒子も含む)の平均粒子径は、レーザー散乱式の粒度分布計(例えば、堀場製作所製「LA−920」)を使用し、無機微粒子を溶解しない媒体に分散させて測定した体積基準の積算分率50%における粒子直径の値であるD50%を意味している。
多孔質膜Aの厚みは、薄すぎると前記の重合体による目詰まりを抑制する効果が小さくなる虞があることから、1μm以上であることが好ましく、また、厚すぎるとセパレータの総厚みが大きくなって電池のインピーダンスを過度に上昇させる虞があることから、5μm以下であることが好ましい。
セパレータに係るポリオレフィン微多孔質膜の両面に形成される多孔質膜のうち、多孔質膜Bは、BET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を主体として含むが、かかる無機微粒子は、その形状が概略板状であることが好ましく、また、一次粒子体であることが好ましい。
更に、多孔質膜Bに係る無機微粒子は、一次粒子形状を幾何学形状とした一次粒子の大きさおよび密度から算出される理論比表面積と、BET法による比表面積との差が±15%以内であることが好ましく、この場合には、多孔質膜Bにおける無機微粒子の充填性がより向上し、より高い耐熱収縮性を有するセパレータを得ることができる。なお、多孔質膜Aに係る無機微粒子と同様に、多孔質膜Bに係る無機微粒子も、必要に応じて二次凝集体のものを解砕処理するなどして、その比表面積を調整することで得ることができるが、前記の理論比表面積とBET法による比表面積との差は、この解砕処理による一次粒子体の形成の程度の目安とすることができる。
本明細書でいう無機微粒子の理論比表面積は、無機微粒子の一次粒子を幾何学形状と仮定して、その表面積、体積および密度から、下記式により算出することができる。
理論比表面積 = 表面積/(体積×密度)
(ここで、理論比表面積の単位をm/gとするならば、表面積の単位はm、体積の単位はm、密度の単位はg/mとする。)
なお、前記の無機微粒子の密度は、液相置換法(ピクノメーター法)で測定した値、具体的には、例えばセイシン企業社製「MAT−7000」を使用し、置換媒体にエタノールを用いて測定温度25±5℃で測定した値、または定容積膨張法で測定した値、具体的には、例えば島津−マイクロメリティック社製の乾式自動密度計「アキュピック1330−01」を用い、置換ガスにHeを使用し、測定温度を25℃とし、サンプル仕込み容積を見かけで10cmとして測定した値である。
無機微粒子の表面積と体積とを幾何学的に算出する場合には、無機微粒子の粒子径の情報が必要である。球体形状の無機微粒子であれば、その粒子径はレーザー散乱法などの一般の粒度分布測定装置から得られる平均粒子径(D50%)で求めることもできる。しかし、アスペクト比(後述する)の高い板状粒子(例えば5以上)の場合には、板状粒子中の最大長さと厚みの両方の情報が必要である。この場合、通常の粒度分布測定装置から得られる平均粒子径だけでは、いずれか一方の情報しか得られないため、例えば、無機微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、任意の粒子の寸法をスケールなどで測定する方法が好適に採用される。特に任意の100個以上の粒子を測定すれば、より精度の高い情報が得られる。
なお、多孔質膜Bに係る前記無機微粒子が板状粒子の場合、前記の方法により求められる粒子中の最大長さは、0.5〜3μmであることが好ましく、また、前記の方法により求められる厚みは、0.05〜0.3μmであることが好ましい。更に、板状粒子中の最大長さと厚みとの比で表されるアスペクト比は、5以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、また、100以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましい。板状粒子のアスペクト比は、SEMにより撮影した画像を、画像解析することにより求められる。
多孔質膜Bの厚みは、薄すぎると耐熱収縮性が小さくなる虞があることから、1μm以上であることが好ましく、また、厚すぎるとセパレータの総厚みが大きくなって電池のインピーダンスを過度に上昇させる虞があることから、5μm以下であることが好ましい。
多孔質膜Aおよび多孔質膜Bに含まれる無機微粒子の具体例としては、例えば、酸化鉄、Al(アルミナ)、SiO(シリカ)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などが挙げられる。ここで、前記無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。また、金属、SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料(例えば、前記の無機酸化物など)で被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。耐酸化性をより高める観点から、前記の無機酸化物の粒子(微粒子)が好ましく、中でも、アルミナ、シリカおよびベーマイトが好ましく、特にベーマイトが好ましい。
また、多孔質膜Aおよび多孔質膜Bに含まれる無機微粒子は、前記の通り、一次粒子の形状が板状であることがより好ましく、この場合、比表面積や粒径を所定の数値に管理しやすくなる。
一次粒子が板状の無機微粒子としては、各種市販品が挙げられ、例えば、旭硝子エスアイテック社製「サンラブリー(商品名)」(シリカ)、石原産業社製「NST−B1(商品名)」の粉砕品(TiO)、堺化学工業社製の板状硫酸バリウム「Hシリーズ(商品名)」、「HLシリーズ(商品名)」、林化成社製「ミクロンホワイト(商品名)」(タルク)、林化成社製「ベンゲル(商品名)」(ベントナイト)、河合石灰社製「BMM(商品名)」や「BMT(商品名)」(ベーマイト)、河合石灰社製「セラシュールBMT−B(商品名)」(アルミナ)、キンセイマテック社製「セラフ(商品名)」(アルミナ)、斐川鉱業社製「斐川マイカ Z−20(商品名)」(セリサイト)などが入手可能である。
前記の通り、無機微粒子が二次凝集体である場合には、一次粒子化したり、比表面積や粒子径を調整したりする目的で、乾式または湿式により解砕処理を施すことができる。例えば、板状粒子が凝集して平均粒子径が4〜5μmの二次凝集体を構成しているアルミナ、シリカ、ベーマイトなどを、溶媒(水など)や分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩など)とともに解砕機に装填して処理することにより、解砕処理を施すことができる。
解砕機としては、ジェットミル、高圧ホモジナイザー、ハイブリダイザーなどのメディアレスの粉砕機や、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、振動ミルなどのメディアを使用する分散機などが挙げられる。特に低エネルギーでしかも解砕効率を高めるためには、部材の衝突力を利用する粉砕機よりも、メディア使用の分散機が好ましい。メディアとしては直径が0.1〜10mm程度のジルコニア、アルミナなど、通常のセラミックス材料が好適に用いられる。
多孔質層AはBET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を主体として含むが、ここでいう「主体として含む」とは、前記無機微粒子を、多孔質膜Aの構成成分の全体積中、50体積%以上含むことを意味している。多孔質層Aにおける前記無機微粒子の量は、多孔質膜Aの構成成分の全体積中、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。多孔質層A中において前記無機微粒子を前記のように高含有量とすることで、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制することができる。また、多孔質層Aには、前記無機微粒子間を結着したり多孔質層Aに係る前記無機微粒子とポリオレフィン製微多孔質膜とを結着したりするためにバインダを含有させることが好ましく、このような観点から、多孔質層Aにおける前記無機微粒子の量の好適上限値は、例えば、多孔質膜Aの構成成分の全体積中、99体積%である。なお、多孔質膜Aにおける前記無機微粒子の量を70体積%未満とすると、例えば、多孔質膜A中のバインダ量を多くする必要が生じるが、その場合には多孔質膜Aの細孔がバインダによって埋められてしまい、例えばセパレータとしての機能が低下する虞があり、また、開孔剤などを用いて多孔質化した場合には、前記無機微粒子同士の間隔が大きくなりすぎて、熱収縮を抑制する効果が低下する虞がある。
また、多孔質層BはBET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を主体として含むが、ここでいう「主体として含む」とは、前記無機微粒子を、多孔質膜Bの構成成分の全体積中、50体積%以上含むことを意味している。多孔質層Bにおける前記無機微粒子の量は、多孔質膜Bの構成成分の全体積中、70体積%以上であることが好ましく、80体積%以上であることがより好ましく、90体積%以上であることが更に好ましい。多孔質層B中において前記無機微粒子を前記のように高含有量とすることで、セパレータ全体の熱収縮を良好に抑制することができる。また、多孔質層Bには、前記無機微粒子間を結着したり多孔質層Bに係る前記無機微粒子とポリオレフィン製微多孔質膜とを結着したりするためにバインダを含有させることが好ましく、このような観点から、多孔質層Bにおける前記無機微粒子の量の好適上限値は、例えば、多孔質膜Bの構成成分の全体積中、99体積%である。なお、多孔質膜Bにおける前記無機微粒子の量を70体積%未満とすると、例えば、多孔質膜B中のバインダ量を多くする必要が生じるが、その場合には多孔質膜Bの細孔がバインダによって埋められてしまい、例えばセパレータとしての機能が低下する虞があり、また、開孔剤などを用いて多孔質化した場合には、前記無機微粒子同士の間隔が大きくなりすぎて、熱収縮を抑制する効果が低下する虞がある。
多孔質膜Aおよび多孔質膜Bには、無機微粒子間や無機微粒子とポリオレフィン製微多孔質膜とを結着する目的で、バインダを含有させてもよい。バインダとしては、電気化学的に安定かつ電解液に対して安定で、良好に接着できるものであればよいが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA、酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリN−ビニルアセトアミド、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂などが用いられる。これらのバインダは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記例示のバインダの中でも、150℃以上の耐熱性を有する耐熱樹脂が好ましく、特に、エチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、SBRなどの柔軟性の高い材料がより好ましい。これらの具体例としては、三井デュポンポリケミカル社製の「エバフレックスシリーズ(EVA、商品名)」、日本ユニカー社製のEVA、三井デュポンポリケミカル社製の「エバフレックス−EEAシリーズ(エチレン−アクリル酸共重合体、商品名)」、日本ユニカー社製のEEA、ダイキン工業社製の「ダイエルラテックスシリーズ(フッ素ゴム、商品名)」、JSR社製の「TRD−2001(SBR、商品名)」、日本ゼオン社製の「BM−400B(SBR、商品名)」などが挙げられる。また、アクリル酸ブチルを主成分とし、これを架橋した構造を有する低ガラス転移温度の架橋アクリル樹脂(自己架橋型アクリル樹脂)も好ましい。
多孔質膜Aにおけるバインダの含有量は、無機微粒子間や無機微粒子とポリオレフィン製微多孔質膜とを良好に結着する観点から、体積比率で、多孔質膜Aに含まれる無機微粒子の体積を100としたときに、1以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。ただし、多孔質膜A中のバインダ量が多すぎると、バインダによって多孔質膜Aの空孔が埋められてしまい、イオンの透過性が悪くなって電池特性に悪影響が出る虞がある。よって、多孔質膜Aにおけるバインダの含有量は、体積比率で、多孔質膜Aに含まれる無機微粒子の体積を100としたときに、30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。
また、多孔質膜Bにおけるバインダの含有量は、無機微粒子間や無機微粒子とポリオレフィン製微多孔質膜とを良好に結着する観点から、体積比率で、多孔質膜Bに含まれる無機微粒子の体積を100としたときに、1以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。ただし、多孔質膜B中のバインダ量が多すぎると、バインダによって多孔質膜Bの空孔が埋められてしまい、イオンの透過性が悪くなって電池特性に悪影響が出る虞がある。よって、多孔質膜Bにおけるバインダの含有量は、体積比率で、多孔質膜Bに含まれる無機微粒子の体積を100としたときに、30以下であることが好ましく、20以下であることがより好ましい。
本発明のセパレータは、例えば、BET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を水などの媒体に分散させ、必要に応じてバインダや増粘剤、消泡剤などを加えて調製した多孔質膜A形成用のスラリーと、BET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を水などの媒体に分散させ、必要に応じてバインダや増粘剤、消泡剤などを加えて調製した多孔質膜B形成用のスラリーとを用意し、ポリオレフィン製微多孔質膜の片面に多孔質膜A形成用のスラリーを塗布し乾燥して多孔質膜Aを形成し、ポリオレフィン製微多孔質膜の他面に多孔質膜B形成用のスラリーを塗布し乾燥して多孔質膜Bを形成することにより製造できる。
多孔質膜A形成用のスラリーおよび多孔質膜B形成用のスラリーに増粘剤を添加することで、これらのスラリーの貯蔵中やセパレータを連続的に製造している途中において、スラリー中での無機微粒子の沈降などを抑制できるため、スラリーの貯蔵性を高め、またセパレータの安定製造を可能とし得る。増粘剤の具体例としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体などの合成高分子;キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガム、グアーガム、カラギーナン、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、デキストリン、アルファー化でんぷんなどのでんぷん類などの天然多糖類;モンモリロナイト、ヘクトライトなどの粘土鉱物;ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニアなどの無機酸化物類;などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、多孔質膜A形成用のスラリーおよび多孔質膜B形成用のスラリーの媒体として好適な水に対する溶解性が高く、少量で増粘効果が高い点で、天然多糖類がより好ましく、キサンタンガム、ウェランガム、ジェランガムが更に好ましく、キサンタンガムが特に好ましい。また、多孔質膜A形成用のスラリーおよび多孔質膜B形成用のスラリーにチクソ性を付与する場合には、ヒュームドシリカ、ヒュームドアルミナ、ヒュームドチタニアなどの無機酸化物類を添加することが好ましい。
多孔質膜A形成用のスラリーおよび多孔質膜B形成用のスラリーにおける増粘剤の含有量としては、スラリーの粘度が無機微粒子の沈降などを抑制し安定な分散状態を維持するのに適しており、塗工機を用いて塗布する際に、良好な塗布性が得られる粘度範囲に調整できるような量とすることが好ましい。
なお、多孔質膜A形成用のスラリーおよび多孔質膜B形成用のスラリーの粘度は、5mPa・s以上であることが好ましく、10mPa・s以上であることがより好ましく、20mPa・s以上であることが更に好ましく、また、500mPa・s以下であることが好ましく、300mPa・s以下であることがより好ましく、100mPa・s以下であることが更に好ましい。スラリーの粘度が低すぎると無機微粒子の沈降を抑制することが困難になって、スラリーの安定性を確保し難くなる虞があり、粘度が高すぎるとスラリーを必要な厚みに均一に塗布することが困難になる。多孔質膜A形成用のスラリーおよび多孔質膜B形成用のスラリーの粘度は、振動式粘度計またはE型粘度計により測定することができる。
ただし、増粘剤に、スラリー塗布後の乾燥工程で揮発しないものを用いる場合には、多孔質膜Aや多孔質膜Bに増粘剤が残留することになるため、多量に用いるのは好ましくない。よって、多孔質膜A形成用のスラリーおよび多孔質膜B形成用のスラリーにおける増粘剤の含有量は、スラリー中の全固形分(媒体以外の全成分)の全体積を100としたとき、10以下とすることが好ましく、5以下とすることがより好ましく、1以下とすることが更に好ましい。
多孔質膜A形成用のスラリーや多孔質膜B形成用のスラリーをポリオレフィン製微多孔質膜に塗布する際には、ブレードコーター、ロールコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーターなどを使用することができる。
なお、多孔質膜A形成用のスラリーや多孔質膜B形成用のスラリーのポリオレフィン製微多孔質膜への塗布性を改善したり、多孔質膜Aや多孔質膜Bとポリオレフィン製微多孔質膜との接着性を高めたりするなどの目的で、ポリオレフィン製微多孔質膜の表面改質を行ってもよい。ポリオレフィン製微多孔質膜の表面改質方法としては、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、紫外線照射処理などが挙げられる。なお、環境上の問題から多孔質膜A形成用のスラリーや多孔質膜B形成用のスラリーの媒体は水であることが望ましく、媒体として水を用いる場合には、親和性を確保する意味で前記表面改質処理は特に有効となる。
前記のようにして製造される本発明のセパレータは、その厚みが、12〜40μmであることが好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、セパレータおよび非水電解液を有しており、前記セパレータが本発明のセパレータで、その多孔質膜Aが正極と対向し、多孔質膜Bが負極と対向しており、更に、前記非水電解液が、シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体を含有するものである。
非水電解液には、有機溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液を使用する。非水電解液に係る有機溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールサルファイト、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなどの1種のみからなる有機溶媒または2種以上の混合溶媒を使用することができる。また、リチウム塩には、例えば、LiClO、LiPF、LiBF 、LiAsF 、LiSbF 、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(n≧2)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基〕などのうちの1種または2種以上を用いることができる。リチウム塩の非水電解液中の濃度としては、0.5〜1.5mol/lとすることが好ましく、0.9〜1.25mol/lとすることがより好ましい。
また、非水電解液に、シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体(1−フルオロ−2−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−3−シクロヘキシルベンゼン、1−フルオロ−4−シクロヘキシルベンゼン、1−クロロ−4−シクロヘキシルベンゼン、1−ブロモ−4−シクロヘキシルベンゼン、1−ヨード−4−シクロヘキシルベンゼンなど)を含有させることで、リチウム二次電池の過充電時における安全性を高めることができる。
リチウム二次電池の製造に用いる非水電解液中のシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の量は、その使用による効果をより良好に確保する観点から、非水電解液の溶媒100質量部に対して、0.5質量部以上とすることが好ましい。ただし、非水電解液中のシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の量が多すぎると、電池特性の低下を引き起こす虞がある。よって、リチウム二次電池の製造に用いる非水電解液中のシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の量は、非水電解液の溶媒100質量部に対して、3質量部以下とすることが好ましい。
また、非水電解液には、電池の安全性や充放電サイクル特性、高温貯蔵性といった特性を更に向上させる目的で、ビニレンカーボネート類、環状硫黄化合物(1,3−プロパンサルトン、1,4−ブタンスルトン、3−フェニル−1,3−プロパンサルトン、4−フェニル−1,4−ブタンスルトンなど)、ジフェニルジスルフィド、ビフェニル、ビニルエチルカーボネート、フルオロベンゼンなどの添加剤を適宜加えることもできる。
本発明のリチウム二次電池に係る正極には、従来から知られているリチウム二次電池に用いられている正極、すなわち、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極活物質を含有する正極を用いることができる。例えば、正極活物質には、Li1+xMOで(−0.1<x<0.1、M:Co、Ni、Mnなど)で表されるリチウム含有遷移金属酸化物;LiMnなどのリチウムマンガン酸化物;LiMnのMnの一部を他元素で置換したLiMn(1−x);オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe);LiMn0.5Ni0.5;Li(1+a)MnNiCo(1−x−y)(−0.1<a<0.1、0<x<0.5、0<y<0.5);などを適用することが可能であり、これらの正極活物質に公知の導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの結着剤などを適宜添加した正極合剤を、集電体を芯材として成形体(正極合剤層)に仕上げたものなどを用いることができる。
正極の集電体としては、アルミニウムなどの金属の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、厚みが10〜30μmのアルミニウム箔が好適に用いられる。
正極側のリード部は、通常、正極作製時に、集電体の一部に正極合剤層を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、リード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体にアルミニウム製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
本発明のリチウム二次電池に係る負極には、従来から知られているリチウム二次電池に用いられている負極、すなわち、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極活物質を含有する負極を用いることができる。例えば、負極活物質には、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物の焼成体、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの、リチウムを吸蔵、放出可能な炭素系材料の1種または2種以上の混合物が用いられる。また、Si、Sn、Ge、Bi、Sb、Inなどの元素およびその合金、リチウム含有窒化物、または酸化物などのリチウム金属に近い低電圧で充放電できる化合物、もしくはリチウム金属やリチウム/アルミニウム合金も負極活物質として用いることができる。
負極活物質には、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるR値(I1360/I1580)が0.1以上0.5以下であり、002面の面間隔d002が0.338nm以下である黒鉛を使用することがより好ましい。このような負極活物質を含有する負極を使用することで、低温でも優れた充電特性を維持し得るリチウム二次電池とすることができる。
R値およびd002が前記の値を満足する黒鉛としては、例えば、表面が低結晶性の炭素材で被覆された黒鉛が挙げられる。そのような黒鉛は、d002が0.338nm以下である天然黒鉛または人造黒鉛を球状に賦形したものを母材とし、その表面を有機化合物で被覆し、800〜1500℃で焼成した後、解砕し、篩を通して整粒することによって得ることができる。なお、前記母材を被覆する有機化合物としては、芳香族炭化水素;芳香族炭化水素を加熱加圧下で重縮合して得られるタールまたはピッチ類;芳香族炭化水素の混合物を主成分とするタール、ピッチまたはアスファルト類;などが挙げられる。前記母材を前記有機化合物で被覆するには、前記有機化合物に前記母材を含浸・混捏する方法が採用できる。また、プロパンやアセチレンなどの炭化水素ガスを熱分解により炭素化し、これをd002が0.338nm以下の黒鉛の表面に堆積させる気相法によっても、R値およびd002が前記の値を満足する黒鉛を作製することができる。
電池には、これらの負極活物質に導電助剤(カーボンブラックなどの炭素材料など)やPVDFなどの結着剤などを適宜添加した負極合剤を、集電体を芯材として成形体(負極合剤層)に仕上げた負極が用いられる他、前記の各種合金やリチウム金属の箔を単独、若しくは集電体上に形成した負極を用いてもよい。
負極に集電体を用いる場合には、集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、また、下限は5μmであることが望ましい。
負極側のリード部も、正極側のリード部と同様に、通常、負極作製時に、集電体の一部に負極剤層(負極活物質を有する層)を形成せずに集電体の露出部を残し、そこをリード部とすることによって設けられる。ただし、この負極側のリード部は必ずしも当初から集電体と一体化されたものであることは要求されず、集電体に銅製の箔などを後から接続することによって設けてもよい。
電極は、前記の正極と前記の負極とを、本発明のセパレータを介して積層した積層電極体や、更にこれを巻回した巻回電極体の形態で用いることができる。なお、積層電極体や巻回電極体を形成する際には、前記の通り、多孔質膜Aが正極に対向し、多孔質膜Bが負極に対向するようにセパレータを配置する。これにより、非水電解液中のシクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体の重合物によるセパレータ細孔の目詰まりを抑制することができる。
なお、R値が0.1以上0.5以下といった表面が低結晶性の炭素材で被覆された黒鉛を負極活物質に使用した負極を用いて巻回電極体を形成すると、前記黒鉛の表面が粗面であるため、セパレータの強度によってはセパレータが圧縮され、短絡をしていなくても電極間の距離が小さくなって、充放電サイクルの際に容量低下を生じて信頼性が損なわれる場合もある。しかし、本発明の電池では、多孔質膜Aおよび多孔質膜Bを有することで強度が高められた本発明のセパレータを使用し、これを、より強度の大きな多孔質膜Bが負極に対向するように配置しているため、前記の信頼性低下を抑制することができる。
本発明の電池の形態としては、スチール缶やアルミニウム缶などを外装缶として使用した筒形(角筒形や円筒形など)などが挙げられる。また、金属を蒸着したラミネートフィルムを外装体としたソフトパッケージ電池とすることもできる。
本発明のリチウム二次電池は、従来から知られているリチウム二次電池と同様の用途に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
(1)多孔質膜A形成用スラリー(スラリーA)の調製
概略金平糖形状で平均粒子径が4μmのベーマイト(密度:3.04g/cm)5kgにイオン交換水5kgと水系分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩を40質量%含有)0.5kgとを加え、内容積20L、転回数40回/分のボールミルで5時間解砕処理をして分散液を調製した。得られた分散液中のベーマイトの平均粒子径(D50%)を、レーザー散乱式粒度分布計(堀場製作所製「LA−920」)を用い、屈折率を1.65として測定した。
また、前記分散液の一部を120℃で真空乾燥し、乾燥後のサンプル(ベーマイト)を0.3g取り出して、日本ベル社製「ベルソープミニ」を用いて比表面積(BET法による比表面積)を測定した。また、乾燥後のベーマイトをSEM観察したところ、それらの形状はほぼ板状であった。
更に、前記分散液500gに、水系バインダ(変性ポリブチルアクリレートを45質量%含有するディスパージョン)17gを加え、スリーワンモーターで3時間攪拌してスラリーAを得た。
(2)多孔質膜B形成用スラリー(スラリーB)の調製
概略金平糖形状で平均粒子径が4μmのベーマイト(密度:3.04g/cm)5kgにイオン交換水5kgと水系分散剤(ポリカルボン酸アンモニウム塩を40質量%含有)0.5kgとを加え、内容積20L、転回数40回/分のボールミルで10時間解砕処理をして分散液を調製した。処理後の分散液の一部を120℃で真空乾燥し、SEM観察をしたところ、ベーマイト粒子の形状はほぼ板状であった。そのうち、100個の粒子の寸法測定をして理論比表面積を算出した。なお、粒子中の最大長さを粒子径(I)、厚みを粒子径(II)とした。
また、乾燥後の粒子0.3gを取り出し、日本ベル社製「ベルソープミニ」を用いて比表面積(BET法による比表面積)を測定した。
更に、前記分散液500gに、水系バインダ(変性ポリブチルアクリレートを45質量%含有するディスパージョン)17gを加え、スリーワンモーターで3時間攪拌してスラリーBを得た。
(3)セパレータの作製
リチウムイオン電池用セパレータに使用されるPE製微多孔質膜(幅300mm、厚み16μm)の両面にコロナ放電処理を施し、その片面にスラリーAを、もう一方の面にスラリーBを、それぞれダイコーターを用いて塗布し、乾燥して、多孔質膜A(厚み2μm)および多孔質膜B(厚み2μm)を有するセパレータを作製した。なお、前記セパレータにおける多孔質膜A中の無機微粒子(ベーマイト)の体積含有率(多孔質膜Aの構成成分の全体積中の体積含有率)は90体積%であり、多孔質膜B中の無機微粒子(ベーマイト)の体積含有率(多孔質膜Bの構成成分の全体積中の体積含有率)は90体積%であった。
(実施例2)
ボールミルの解砕処理時間を3時間としてスラリーAを調製し、また、ボールミルの解砕処理時間を9時間としてスラリーBを調製した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
(実施例3)
ボールミルの解砕処理時間を6時間としてスラリーAを調製し、また、解砕処理時間を14時間としてスラリーBを調製した作製した以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
(比較例1)
スラリーBに代えて実施例3で調製したスラリーAを用いた以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
(比較例2)
多孔質膜Aの厚みを4μmとし、多孔質膜Bを形成しなかった以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
(比較例3)
多孔質膜Aを形成せず、多孔質膜Bの厚みを4μmとした以外は、実施例1と同様にしてセパレータを作製した。
実施例1〜3および比較例1〜3のセパレータについて、以下の方法によって熱収縮率を測定した。各セパレータを、それぞれ10×10cmに切り出して試験片を作製し、これらの試験片を郵便用封筒の中に収めて、150℃に調整した恒温槽内に1時間放置した。その後各試験片の縦横両方の寸法を測定し、以下の式に基づいて熱収縮率を算出し、試験片の縦方向の熱収縮率と横方向の熱収縮率のうち、より大きい方の値を、そのセパレータの熱収縮率とした。
熱収縮率(%) = 100×(a−b)/b
(前記式中、a:恒温槽内に放置後の試験片の縦方向または横方向の長さ、b:恒温槽に入れる前の試験片の縦方向または横方向の長さ、である。)
また、各実施例および比較例でセパレータの作製に用いたPE製微多孔質膜についても、比較例4として同様の熱収縮率測定を行った。これらの結果を、多孔質層Aおよび多孔質層Bに含まれる無機微粒子の形態と併せて表1に示す。
Figure 2011065849
表1に示すように、実施例1〜3のセパレータは150℃の高温度に曝しても収縮率が低く、耐熱性に優れている。よって、これらのセパレータを用いてリチウム二次電池を構成した場合には、電池内温度が高くなっても、セパレータの収縮による正負極間の短絡を抑制することができるため、高い安全性を有する電池となる。一方、多孔質膜を形成していない比較例4のセパレータ(通常のセパレータ)は収縮率が高い。比較例1および2のセパレータも通常のセパレータである比較例4のセパレータより熱収縮率は低いが、実施例のセパレータにはおよばなかった。これは比較例1および2のセパレータでは、十分に解砕し、BET法による比表面積を高めた無機微粒子を含有する多孔質膜Bが形成されておらず、多孔質膜中の無機微粒子の充填性が低く、無機微粒子間の接着性や多孔質膜とポリオレフィン製微多孔質膜との接着性が十分でなかったことが原因と考えられる。多孔質膜Aが形成されていないが、解砕が十分でBET法による比表面積を高めた無機微粒子を含有する多孔質膜Bを有する比較例3のセパレータでは熱収縮率が低かったことも、前記の推測を裏付けていると考えられる。
次に、熱収縮率が小さかった実施例1〜3および比較例3のセパレータ、並びに通常のセパレータである比較例4のセパレータを用いて、リチウム二次電池を作製した。
(実施例4)
(1)正極の作製
正極活物質であるLiCoO:70質量部、LiNi0.8Co0.2:15質量部、導電助剤であるアセチレンブラック:10質量部、およびバインダであるPVDF:5質量部を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶剤として均一になるように混合して、正極合剤含有ペーストを調製した。このペーストを、集電体となる厚みが15μmのアルミニウム箔の両面に間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って、全厚が150μmになるように正極合剤層の厚みを調整し、幅43mmになるように切断して、正極を作製した。更にこの正極のアルミニウム箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
(2)負極の作製
平均粒径D50%が18μm、d002が0.338nm、比表面積が3.2m/gである黒鉛Aと、平均粒径D50%が16μm、d002が0.336nmの黒鉛Bを用い、ラマン分光法によりR値を求めた。黒鉛Aまたは黒鉛Bの極微量を曇ガラスに付着させたものをターゲットとした。各サンプルフォルダーをレーザーラマン測定装置(Jovan Yvon社製「U−1000」)に設置し、1μmに集光させたアルゴンイオンレーザー(波長514.5nm、出力250mW)を照射し、後方散乱によりラマン散乱を集光し、集光時間1sec、送りステップ1cm−1で1200〜1800cm−1の範囲を3回積算させてラマンスペクトルを得た。得られたラマンスペクトルから算出したR値は黒鉛Aが0.18、黒鉛Bが0.05であった。
黒鉛Aと黒鉛Bとを質量比85:15で混合した混合物:98質量部と、カルボキシメチルセルロース:1質量部と、SBR:1質量部とを、水の存在下で混合してスラリー状の負極合剤含有ぺーストを調製した。この負極合剤含有ペーストを、銅箔からなる厚みが10μmの集電体の両面に間欠塗布し、乾燥した後、カレンダー処理を行って全厚が142μmになるように負極合剤層の厚みを調整した。共焦点レーザー顕微鏡を用いて求めた前記負極の負極合剤層表面の算術平均粗さ(Ra)は、0.75μmであった。その後、これを幅45mmになるように切断して、負極を得た。更にこの負極の銅箔の露出部にタブを溶接してリード部を形成した。
(3)電池の組み立て
前記の正極と前記の負極と実施例1のセパレータとを、多孔質膜Aを正極に、多孔質膜Bを負極にそれぞれ対向させつつ重ね合わせ、渦巻状に巻回して巻回電極体とした。この巻回電極体を押しつぶして扁平状にし、角形の外装缶内に装填した。更に、非水電解液(エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比で1:2に混合した溶媒に、LiPFを濃度1.2mol/lで溶解し、シクロヘキシルベンゼンを溶媒100質量部に対して1.0質量部の割合で添加したもの)を注入した後に封止を行ってリチウム二次電池を作製した。なお、この電池は、缶の上部に内圧が上昇した場合に圧力を下げるための開裂ベントを備えている。
(実施例5)
セパレータを実施例2のセパレータに変更した以外は、実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(実施例6)
セパレータを実施例3のセパレータに変更した以外は、実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(実施例7)
負極活物質に実施例4で用いたものと同じR値が0.05の黒鉛Bのみを用いた以外は実施例4と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(比較例5)
セパレータの多孔質膜Aを負極に、多孔質膜Bを正極にそれぞれ対向させた以外は、実施例4と同様にして巻回電極体を作製し、この巻回電極体を用いた以外は実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(比較例6)
セパレータを比較例3のセパレータに変更した以外は、実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
(比較例7)
セパレータを比較例4のセパレータに変更した以外は、実施例4と同様にしてリチウム二次電池を作製した。
実施例4〜7および比較例5〜7のリチウム二次電池について、以下の特性試験を行った。これらの結果を表2に示す。
<耐電圧試験>
非水電解液注入前の実施例4〜7および比較例5〜7のリチウム二次電池各20個に対して、500V(AC60Hz)の電圧を印可し、5mA以上の電流が流れた電池を不良とし、その発生個数を調べた。
耐電圧試験は、短絡をしていなくても電極間の距離が小さくなり、極端な場合、充放電サイクルに伴って容量低下しやすくなる充放電サイクル信頼性を、どの程度確保できるか知るための試験手段である。一定の耐電圧に対して、絶縁破壊が起こらなければ電極間距離が基準以上に保たれていることを意味する。ここでは差異を明確にするために高めの値で試験している。
耐電圧の試験電圧は、通常の短絡のチェックだけであれば正の電圧なら1Vでもよいが、更に信頼性を上げるためには50V以上が望ましく、100V以上がより望ましく、300V以上が特に望ましい。また、試験電圧は高いに越したことはないが、過剰品質になるので2000V以下が望ましい。更に、判定電流値は、コンデンサとしての電流は流れるので、Ah値で表した場合の電池の0.2Cの放電容量をG(Ah)としたとき、2G(mA)以上が望ましく、4G(mA)以上がより望ましい。また、判定電流値は、高く設定しすぎると検出率が下がるので、20G(mA)以下が望ましく、10G(mA)以下がより望ましい。今回の実施例および比較例の電池の放電容量Gは1.2(Ah)であるので、5mAは4G(mA)以上、10G(mA)以下である。この耐電圧試験を電池製造工程に組みいれることにより、製造された電池の信頼性がさらに高くなるので望ましい。
<充放電サイクル試験>
実施例4〜7および比較例5〜7のリチウム二次電池について、1Cの定電流および4.2Vの定電圧における充電(充電時間は3時間規制)と、1Cの定電流で電池電圧が2.75Vになるまでの放電とを1サイクルとし、これを500サイクル繰り返した。1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を百分率で表して、容量保持率とした。試験は、各実施例、比較例とも5個ずつ実施し、表2には、それらの平均値を示している。
<過充電試験>
実施例4〜7および比較例5〜7のリチウム二次電池について、1Cの定電流で15Vになるまで充電し、発火の有無を調べた。
<−5℃・10%充電での充電電流測定>
実施例4〜7および比較例5〜7のリチウム二次電池を−5℃の恒温槽内に5時間静置し、その後、各電池について、4.2Vまで1200mA(1.0C)の定電流で充電を行い、4.2Vに達した後は4.2Vで定電圧充電を行い、充電深度(規格容量に対する実際に充電した容量の割合)が10%に達したときの電流値を測定した。なお、表2では、各電池の電流値を、実施例7の電池の値を100とした場合の相対値で示す。
Figure 2011065849
表2に示す結果から、セパレータに係る多孔質膜Aを正極に対向させ、多孔質膜Bを負極に対向させて構成した実施例4〜7のリチウム二次電池では、充放電サイクル試験時における容量維持率が高く、優れた充放電サイクル特性を有していることが分かる。すなわち、実施例4〜7の電池では、セパレータに係る多孔質膜Aの存在によって、充放電サイクル途中に形成されるシクロヘキシルベンゼンの重合物によるセパレータの細孔の目詰まりが良好に抑制されていると考えられ、これにより高い充放電性能が良好に維持されていると推測される。また、実施例4〜7の電池は、過充電試験の際に発火が見られず、過充電時の安全性も優れている。
これに対し、実施例4の電池と同様に実施例1のセパレータを使用し、多孔質膜Aを負極側に、多孔質膜Bを正極側に配置した比較例5の電池、BET法による比表面積の小さな無機微粒子を含有する多孔質膜Aを持たないセパレータを使用した比較例6の電池、および通常のPE製微多孔質膜をセパレータに使用した比較例7の電池では、充放電サイクル試験時の容量維持率が、実施例4〜7の電池よりも劣っている。
また、実施例、比較例によらず、多孔質膜を形成したセパレータを用いた電池では、耐電圧試験における不良の発生がみられなかった。
なお、負極活物質にR値およびd002が好適な黒鉛を使用した実施例4〜6の電池は、R値が小さい黒鉛を使用した実施例7よりも、−5℃・10%充電における充電電流値が大きく、低温での充電特性が優れている。
1 ポリオレフィン製微多孔質膜
2 多孔質膜A
3 多孔質膜B

Claims (5)

  1. ポリオレフィン製微多孔質膜の片面に、BET法による比表面積が4〜6m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜Aを有し、かつ前記ポリオレフィン製微多孔質膜の他面に、BET法による比表面積が7〜10m/gの無機微粒子を主体として含む多孔質膜Bを有することを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 多孔質膜Aに含まれる無機微粒子および/または多孔質膜Bに含まれる無機微粒子が、板状である請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3. 多孔質膜Aに含まれる無機微粒子および/または多孔質膜Bに含まれる無機微粒子が、ベーマイトである請求項1または2に記載の電池用セパレータ。
  4. 正極、負極、非水電解液およびセパレータを有するリチウム二次電池であって、
    前記セパレータが請求項1〜3のいずれかに記載の電池用セパレータであり、多孔質膜Aが正極と対向し、多孔質膜Bが負極と対向しており、
    前記非水電解液が、シクロヘキシルベンゼンまたはその誘導体を含有していることを特徴とするリチウム二次電池。
  5. 負極は、アルゴンイオンレーザーラマンスペクトルにおける1580cm−1のピーク強度に対する1360cm−1のピーク強度比であるR値が0.1〜0.5で、002面の面間隔d002が0.338nm以下の黒鉛を負極活物質として含有している請求項4に記載のリチウム二次電池。
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