JP2011065229A - 非接触icカード - Google Patents

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Abstract

【課題】アンテナの電磁界感応感度を低下させたり電子部品の誤動作を引き起こさずに、自由に多くの電子部品を組み込むことができる非接触ICカードを得る。
【解決手段】非接触ICカードのアンテナシートのアンテナ配線パターンに電子部品を電気接続させ、前記電子部品の上部に第1の金属箔層を有し、前記アンテナシートの下方の前記電子部品の領域に第2の金属箔層を有し、前記第1の金属箔層上に第1の磁気遮蔽シートを有し前記第2の金属箔層下に第2の磁気遮蔽シートを有し、前記第1の磁気遮蔽シートと前記第2の磁気遮蔽シートの端部が上下を接続する磁気回路で接続し、前記電子部品と前記第1の磁気遮蔽シートと第2の磁気遮蔽シートと前記上下を接続する磁気回路を第1のスペーサシートの空孔と第2のスペーサシートの空孔に埋め込む。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子マネー、個人認証、その他の情報の授受を、リーダライタとの間で非接触で行う非接触ICカードに関するものである。
電子マネー、個人認証、その他の情報の記憶媒体装置(電子装置の一種)として、非接触で情報の読み書きが可能なウオレット(札入れ)寸法の非接触ICカードが知られている。非接触ICカードシステムは、国際規格化され、広く用いられている。この非接触ICカードは、薄型の半導体チップ及びアンテナを、薄厚且つ小型のプラスチック基板に配設した構成である。アンテナは、基板面上に方形ループで形成される。そして、そのアンテナにより、非接触での電力受給機能と信号授受機能を有し、また、不揮発性メモリを備え、当該不揮発性メモリにデータを記憶する機能を備える。この非接触ICカードは、アンテナを具備するリードライト装置と対になり、非接触で動作する。リードライト装置は情報処理装置として機能し、その一形態例の構成は、アンテナから電磁波を発射して形成される電磁界を介して非接触ICカード側に非接触で電力供給するとともに、発射した電磁波に非接触ICカードが感応した際にアンテナ(リードライト装置側)に生じる変化を検出することにより非接触ICカードの存在を確認する。さらに、電磁波の送受信により非接触ICカードに情報を書込み、または非接触ICカードの備える不揮発性メモリから記憶情報を読取るよう構成される。
このような非接触ICカードはリードライト装置近くに非接触で配置され、このリードライト装置が形成させる電磁界に感応して具備する負荷に電磁エネルギを吸収させることによりリードライト装置側のアンテナまたは電力供給部に状態変化を生じせしめるか、感応した電磁界の反射波を放射してリードライト装置側に反射波を受信させる等により、当該非接触ICカードの存在をリードライト装置に検出させ、よって非接触ICカード存在情報をリードライト装置に付与するよう構成される。または非接触ICカードは、付与される電磁界に感応して生じる誘導起電流により電力を確保して各部へ供給し、かつ負荷の状態を制御して生じる電磁界の変動により信号授受することにより、内蔵する不揮発性メモリへ受信したデータを記録し、または不揮発性メモリから再生したデータをリードライト装置に伝送するよう構成される。
例えば、データに対応してASK(Amplitude Shift Keying:振幅シフトキーイング)変調された電磁波をリードライト装置から受信した非接触ICカードが、電磁誘導により生じる起電流を整流して電源とするとともに、その電源に負荷をかけるか、または反射波を放出することで存在することの情報をリードライト装置へ送付し、さらに送付する2値データの各々の値(「1」か「0」)に対応して負荷状態を変え、一方、リードライト装置側でアンテナ端子電圧の変化を検出することで非接触ICカードの存在の検出ならびにデータ受信を行なうシステムが開示されている。これによれば、リードライト装置は所定の送信電力の投入による電磁波をアンテナから放射し、非接触ICカードと誘電結合が為された際に生じるアンテナ電圧の変化等の検出に基づき通信範囲内に非接触ICカードが存在するか否かを確認した上で、情報授受を実行する構成とされる。
特許文献1には、この非接触ICカードとして、非接触で電磁界に感応可能なアンテナを具備する共振回路と、その共振回路に接続された負荷部とを具備する非接触ICカードであって、アンテナの片面を覆うように強磁性体層と、半導体チップ等の電子部品の収納領域と、導電体層とが積層された非接触ICカードが開示されている。特許文献1の非接
触ICカードでは、導電体層により強度と剛性が改善され、且つ、導電体層側が電磁波発生源側に向けられた際に電磁界が導電体層により遮断されてアンテナが電磁界に感応せず、一方、アンテナ側が電磁波発生源側に向けられた際にはアンテナが電磁界に感応可能になり、且つ強磁性体層の作用で感度低下がなく高効率で共振回路から負荷へのエネルギ吸収が為されるという、非接触ICカードの表裏で異なる動作をさせることができる。
特開2001−331772号公報
しかし、特許文献1では、非接触ICカードの導電体層と強磁性体層の間に電子部品を組み込んでいるため、この非接触ICカード上に多くの電子部品を組み込んだ場合、その電子部品が非接触ICカードのアンテナの発生させる電磁界を乱し、アンテナが共振して空間から電力を受信する妨げになり、また、そのアンテナ近くの電磁界が、それらの電子部品の誤動作を引き起こし、また、不要電磁波放射を発生させる問題があった。また逆に、それらの電子部品が動作時に電磁界を発生させ、それがその近傍のアンテナに取り込まれてノイズを増幅させる問題もあった。更に、非接触ICカードのアンテナに受信させるべくリーダライタが発生させる電磁界がアンテナ近傍の電子部品に受信されて、それらの電子部品の誤動作を引き起こす問題があった。
上記のように、従来の非接触ICカード構成では電子部品とアンテナの電磁界の干渉により、アンテナの電磁界感応感度が低下したり電子部品の誤動作を引き起こす問題があるので、自由に多くの電子部品を組み込むことができない問題があった。本発明の課題は、このような従来技術における問題点を解決することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、上側から第1のオーバーシート、第1のコアシート、第1のスペーサシート、アンテナ配線パターンを形成したアンテナシート、第2のスペーサシート、第2のコアシート、第2のオーバーシートの順に積層して成る非接触ICカードであって、前記アンテナシートの前記アンテナ配線パターンに電子部品を電気接続させ、前記電子部品の上部に第1の金属箔層を有し、前記アンテナシートの下方の前記電子部品の領域に第2の金属箔層を有し、前記第1の金属箔層上に第1の磁気遮蔽シートを有し前記第2の金属箔層下に第2の磁気遮蔽シートを有し、前記第1の磁気遮蔽シートと前記第2の磁気遮蔽シートの端部が上下を接続する磁気回路で接続し、前記電子部品と前記第1の磁気遮蔽シートと第2の磁気遮蔽シートと前記上下を接続する磁気回路が、前記第1のスペーサシートの空孔と前記第2のスペーサシートの空孔に埋め込まれていることを特徴とする非接触ICカードである。
また、本発明は、上記の非接触ICカードであって、上記アンテナシートに、印刷配線板上に電子部品を設置して成る電子回路モジュールを設置する空孔を有し、前記電子回路モジュールの上記電子部品の上に上記第1の金属箔層を有し、前記印刷配線板の下に上記第2の金属箔層を有し、上記上下を接続する磁気回路が、上記第1の磁気遮蔽シートと上記第2の磁気遮蔽シートの端部を接近させることで構成されていることを特徴とする非接触ICカードである。
本発明の非接触ICカードは、電子部品の上下に金属箔層を有し、それらの上下を磁気回路で接続するように磁気遮蔽シートで包んだ電子回路モジュールを第1のスペーサシー
トの空孔と第2のスペーサシートの空孔に埋め込んだことで、アンテナ配線パターンの近傍の磁界を、磁気遮蔽シートで覆われた電子回路の領域に磁界を通さず、磁気遮蔽シートの中を経由させて通過させることができる効果がある。それにより、本発明の非接触ICカードは、電子部品とアンテナの電磁界の干渉を防止し、アンテナの電磁界感応感度が低下する問題を防止し、電子部品の誤動作を防止できる効果がある。そのため、自由に多くの電子部品を組み込んだ非接触ICカードが実現できる効果がある。
本発明の第1の実施形態の非接触ICカードの上面から見た平面図である。 本発明の第1の実施形態の非接触ICカードの製造方法を示すXX’断面図である。 本発明の第2の実施形態の非接触ICカードの製造方法を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態の非接触ICカードの上面から見た平面図である。 本発明の第3の実施形態の非接触ICカードの製造方法を示すXX’断面図である。 本発明の第3の実施形態の非接触ICカードの製造方法を示すYY’断面図である。 本発明の第3の実施形態の電子回路モジュールの製造方法を示すXX’断面図である。 本発明の第3の実施形態の電子回路モジュールの製造方法を示すYY’断面図である。 本発明の第3の実施形態の変形例の非接触ICカードのYY’断面図である。
以下、本発明の非接触ICカード1は、厚みが0.76mm±0.08mmの銀行カード、クレジットカードサイズの非接触ICカード1である。以下、本発明の好適な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態の非接触ICカード1の平面図を図1に示し、そのX−X’部断面図を図2に示す。この非接触ICカード1は、図1のように、アンテナシート101の中に、アンテナ配線パターン101aで囲まれた領域内に、アンテナシート101に設置する電子部品2の領域を囲む空孔101eを形成する。その空孔101eに磁気遮蔽シート6cを嵌め込む。そして、アンテナシート101の上面に電子部品2を、その端子を半田付けして設置する。電子部品2は例えばICチップ、電子ペーパ等の表示デバイス、振動部品、三次元加速度センサー、バイオモトリックセンサー、その他センサー部品等を設置できる。電子部品2をアンテナシート101に半田付けして実装する場合に、電子部品の厚さが厚い場合は、アンテナシート101に形成した空孔101eにその電子部品の一部を嵌め込んでも良い。図2のように、電子部品2の上面及びその電子部品2の下のアンテナシート101の下面に金属箔層5と5bを形成し電子部品2を上下から包む。アンテナシート101の下側の金属箔層5bは、アンテナシート101の下面に広い島状の導体のベタパターンにより形成しても良い。これらの電子部品2と金属箔層5と5bと、アンテナシート101の、空孔101eに嵌め込んだ磁気遮蔽シート6cの上下を磁気遮蔽シート6と6bで覆う。
これにより、磁気遮蔽シート6と6bと6cが、電子部品2の上側から下側まで磁性体を連続させ、上下を接続する磁気回路を構成し、その上下を接続する磁気回路を有する磁性体シートが電子部品2を上下左右から包み込む。これにより、外部磁界は、その上下を接続する磁気回路の中を上下に通るので、外部磁界が電子部品2を上下に貫通することを防止できる効果がある。金属箔層5と5bは、これらの磁気遮蔽シート6と6bの内面に
一体に形成された金属箔で構成しても良い。これらの磁気遮蔽シート6と6bと、それらで包まれた電子部品2の間にスペーサシート102の絶縁樹脂を流動させて充填して磁気遮蔽シート6と6bを電子部品2と印刷配線板4とに接着させて固定する。そのスペーサシート102の絶縁樹脂には、金属箔層5と5bの間の空間の電磁界が空洞共振して不要電磁波を発生させる問題を避けるため、電磁界の共振を減衰させる誘電正接(tanδ)を0.01以上に大きくした絶縁樹脂を用いる。これは、絶縁樹脂に不純物を混入させた再生ポリエチレンテレフタレート等の誘電正接の高い絶縁樹脂を用いることで実現できる。
アンテナシート101には、導体パターンにより、アンテナ配線パターン101aと接続パターン101bを形成する。電子部品2の端子をアンテナシート101の接続パターン101bに半田付けしてアンテナシート101に電子部品2を接続する。その一体化物の上に第1のスペーサシート102を設置し、アンテナシート101の下に金属箔層5bを挟んで第2のスペーサシート103を設置する。第1のスペーサシート102には、電子部品3と磁気遮蔽シート6cを嵌め込む空孔102eを予め形成し、第2のスペーサシート103には、磁気遮蔽シート6eを嵌め込む空孔103eを形成しておく。これらスペーサシートの上下に第1のコアシート104と第2のコアシート105を設置する。第1のコアシート104には、磁気遮蔽シート6を嵌め込む空孔104eを形成しておく。そして最外層の上下にオーバーシート106と107を設置する。
アンテナシート101としては、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、あるいはPI(ポリイミド) からなる厚み15〜200μmの絶縁フィルムに厚み15〜50μmの銅箔、あるいはアルミ箔を貼り合わせてエッチングによりループ状のアンテナコイルのアンテナ配線パターン101aと接続パターン101bを形成したアンテナシート101を用いることができる。また、アンテナシート101上のアンテナ配線パターン101aは線材で構成するほか、導電性インキのパターン印刷により形成することも可能である。また、第1のスペーサシート102と第2のスペーサシート103、第1のコアシート104と第2と外層シート105はPET(ポリエチエン・テレフタレート)材などの熱可塑性プラスチックで構成する。磁気遮蔽シート6、6b及び6cは、熱可塑性のシート基材に磁性粒子を備えた構造に形成し、磁性粒子は、13.56MHzでの透磁率が10から40程度のフェライト系またはセンダスト系などに代表される高透磁率材料で構成される。例えば、磁性材料粉として、センダスト(Fe−Al−Si系)やパーマロイ(Fe−Ni系)、アモルファス(例えばFe−Si−Al−B系)、フェライト(例えばNi−Znフェライト、Mn−Znフェライト)等を用いることができる。
アンテナシート101上のアンテナ配線パターン101aとそれに実装した電子部品2のうちのコンデンサとを電気接続して共振回路を成す。その共振回路が、外部から付与される特定周波数(例えば13.56MHz)の電磁界に感応して共振する同調回路を構成する。電子部品2は、その共振回路が外部の電磁界に感応した際に、その電磁界を介して外部機器と情報を授受する情報処理部として機能させる。電子部品2は、外部の電磁界が共振してアンテナ配線パターン101aに発生させる誘導起電流により電力を確保し、また情報授受および情報処理を行う。したがって電子部品2は、その共振回路が電磁界に感応した際に電磁エネルギを消費する負荷部となる。さらに、電子部品2としてメモリ回路を具備して情報記録/再生機能を有する非接触ICカード1を構成することも可能である。ここでメモリ回路は情報記憶手段として機能し、例えば識別データIDを固定記録した読出専用メモリ回路により構成することができる。或いは、識別データID等の所定データを記憶するのに加え、任意のデータを記憶可能な不揮発性メモリ回路により構成することができる。
本実施形態の非接触ICカード1は、アンテナシート101に、アンテナ配線パターン101aで囲まれた領域内に空孔101eを設け、その空孔101e内に磁気遮蔽シート6cを嵌め込み、その磁気遮蔽シート6cで囲まれたアンテナシート101の領域に電子部品2をアンテナシート101の接続端子101bに電気接続して設置する。そして、その上下にスペーサシート102、103と、コアシート104、105と、オーバーシート106、107を積層する。特に、電子部品2の上面に金属箔層5を設置し、アンテナシート101の磁気遮蔽シート6cで囲まれた領域の下面に金属箔層5bを設置し、その金属箔層5と5bの上下に磁気遮蔽シート6、6bを配設する。
この構成により、アンテナ配線パターン101aのアンテナコイルで囲まれる領域内の磁気遮蔽シート6cで囲まれた領域に設置された電子部品2の上方側からか、あるいは、下方側から外部の電磁界が付与されると、磁気遮蔽シート6あるいは6bに達する。その電磁界が磁気遮蔽シート6あるいは6bの表面に平行に電界を形成すると、その電界の変化を打ち消すように磁気遮蔽シート6又は6b内に磁界Hが形成される。磁気遮蔽シート6又は6bに磁界Hを付与するとμHだけの磁束密度Bが発生する。μは磁気遮蔽シート6又は6bを構成する強磁性体の透磁率である。この磁気遮蔽シート6又は6bの作用により、外部電磁界の磁界の方向が磁気遮蔽シート6又は6bの面に沿った方向に曲げられ磁気遮蔽シート6又は6bの中央部分から端部まで磁界が導かれる。これにより、金属箔層5又は5bまで達する磁界が少なくなるので、その電磁界が印刷配線板3の金属箔層5によって減衰させられる不具合が抑制される。そして、磁気遮蔽シート6又は6bの中央部分から端部まで導かれた磁界は、その磁気遮蔽シート6又は6bの端部で近接させた磁気遮蔽シート6cに移行し、その磁気遮蔽シート6cから反対面の磁気遮蔽シート6b又は6に移行して、それから反対面の空間に磁界が抜ける。こうして、アンテナ配線パターン101aのアンテナコイルで囲まれる領域内の磁気遮蔽シート6cで囲まれた領域に設置された電子部品2の上方側と下方側の磁界が磁気遮蔽シート6と6bの中を経由して接続される。
このように、非接触ICカード1に加わる電磁界が電子部品2を通らず磁気遮蔽シート6と6bと6cの中を経由してアンテナ配線パターン101aのアンテナコイル内を通り抜けるので、電子部品2が外部の電磁界から守られる効果がある。また、逆に、アンテナ配線パターン101aの近傍の電磁界は、電子部品2からの影響で乱されることが無くなり、アンテナ配線パターン101aが空間から電力を受信する際の共振状態が電子部品2の存在によって妨害されない効果がある。すなわち、アンテナ配線パターン101aが受ける電磁界の電子部品2及びそれを覆う金属箔層5及び5bによる減衰を抑え、アンテナ配線パターン101aの十分な電磁界感応度(すなわち感度)を確保・維持することができる効果がある。
<非接触ICカードの製造方法>
非接触ICカード1の製造方法は、アンテナシート101を製造する工程と、アンテナシート101に電子部品2を半田付けして接続させて一体化させる工程と、その一体化物と、金属箔層5、5bと磁気遮蔽シート6、6b、6cとスベーサシートとコアシートをオーバーシートを重ねて積層する工程とを備えている。
(アンテナシートの製造工程)
先ず、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、あるいはPI(ポリイミド) からなる厚み15〜200μmの絶縁フィルムに厚み15〜50μmの銅箔、あるいはアルミ箔による金属箔を貼り合わせて、エッチングにより図1の平面図と図2の側面図のように導体のアンテナコイルのアンテナ配線パターン101aと接続パターン101bを形成したアンテナシート101を製造する。また、アンテナシート101のループ状のアンテナ配線パターン101aで囲まれた領域をプレスで打ち抜い
て磁気遮蔽シート6cを嵌め込む空孔101eを形成する。
(アンテナシートへの電子部品の実装工程)
次に、図7と図8に示すように、アンテナシート101上に厚さが約0.2mmのICやコンデンサ等の電子部品2を実装する。ここで、電子部品2は、アンテナシート101の上面にフェースダウン(素子面をアンテナシート101側に向け)し、その電子部品2のバンプや端子等の電極をアンテナシート101の上面の接続パターン101bに、異方性導電性接着シート(ACF)で接続するか半田付けすることで接続する。また、厚い電子部品2は、アンテナシート101の空孔101eに嵌め込んで、電子部品2の端子をアンテナシート101の配線パターン4aに半田付けすることも可能である。
(ICカードの積層工程)
次に、図2のように、この電子部品2とアンテナシート101の一体化物の上下に、厚さ0.2mmの非結晶性ポリエチレンテレフタレートコポリマー(PET−G)製あるいはポリ塩化ビニル(PVC)製の第1のスペーサシート102と第2のスペーサシート103を重ねる。その第1のスペーサシート102の上に厚さ0.2mmの、PET−G製あるいはポリ塩化ビニル(PVC)製の白色の第1のコアシート104を重ね、第2のスペーサシート103の下に、同じ材質で厚さ0.05mmの第2のコアシート105を重ね、最外層に厚さ0.05mmの、縦横の延伸方向を揃えた二軸延伸PETフィルムの透明なオーバーシート106、107を重ねて積層する。第1のスペーサシート102には、電子部品2と磁気遮蔽シート6cを嵌め込む空孔102eを予め形成し、第2のスペーサシート103には、磁気遮蔽シート6bの外形を嵌め込む空孔103eを形成しておく。第1のコアシート104には、磁気遮蔽シート6の外形を嵌め込む空孔104eを形成しておく。
この積層体をピンに嵌め込みして位置合わせし、その積層体をプレス用金属プレート7で挟み、加熱プレス機による加熱加圧ラミネートの温度を150℃で、ラミネート圧力を120N/cm^2で50分間加熱加圧ラミネートすることで、スペーサシートとコアシートを軟化流動させて、アンテナシート101と電子部品2と磁気遮蔽シート6と6b及び6cと、第1のコアシート104と第2のコアシート105の間の間隙を充填し、アンテナシート101と電子部品2と磁気遮蔽シート6と6bと6cをコアシートと一体化し、その後にプレス用金属プレート7を外す。この熱圧着の条件は、使用するスペーサシートとコアシートの軟化点に応じて適宜変更されてよい。これにより、総厚0.81mmの、電子部品2を磁気遮蔽シート6、6b及び6cで遮蔽した非接触ICカード1を製造する。この積層工程において、アンテナシート101の上下に、アンテナシート101と第1のスペーサシート102と第2のスペーサシート103のPET−Gとの接着性を考慮して、ポリエステル系ホットメルト接着剤(溶融粘度2000poise:190°C)の厚さ約50μmの接着シート(図示せず)を挟んで、積層するようにしても良い。
(打ち抜き工程)
次に、この積層基板を、個々のアンテナ配線パターン101a毎の所望の非接触ICカード1の形状に打ち抜く。この非接触ICカード1は、一般的には銀行カード、クレジットカードサイズに形成する。
(絵柄印刷工程)
次に、表裏最外層のオーバーシート106、107の表面や裏面に絵柄を印刷して印刷層を形成した非接触ICカード1を製造する。
本実施形態の非接触ICカード1は、以上のようにして、図2のように、上側から最上層の第1のオーバーシート106と磁気遮蔽シート6を嵌め込んだ第1のコアシート層104と、磁気遮蔽シート6cを嵌め込んだ第1のスペーサシート102の層を有し、その層の下に、金属箔層5を上に設置した電子部品2を実装し磁気遮蔽シート6cを嵌め込んだアンテナシート101を設置し、そのアンテナシート101の下に金属箔層5bを介して磁気遮蔽シート6bを嵌め込んだ第2のスペーサシート103と第2のコアシート105と最下層の第2のオーバーシート107の層を積層し、加熱加圧ラミネートして製造する非接触ICカード1である。特に、電子部品2に上下に金属箔層5と5bを設置し、それらを磁気遮蔽シート6と6bで包むことで、電子部品2をアンテナ配線パターン101aの近傍の電磁界から遮蔽する効果を有する。
なお、本実施形態では、金属箔層5と5bを電気的に孤立して設置する場合を示したが、金属箔層5と5bの端部を第1のスペーサシート102に埋め込んだ導体バンプ等を介して電気接続した構成の非接触ICカード1を製造することもできる。また、本実施形態の磁気遮蔽シート6、6b、6cは、それぞれを埋め込む第1のコアシート104、第1のスペーサシート102、アンテナシート101、第2のスペーサシート103に、磁性粒子を含浸した磁性樹脂液を塗布して硬化させて形成しても良い。
<第2の実施形態>
第2の実施形態の断面図を図3に示す。第2の実施形態の非接触ICカード1が第1の実施形態と相違する点は、アンテナシート101の中に磁気遮蔽シートを嵌め込む空孔は形成せず、アンテナシート101の厚さの分の欠落がある磁気回路を形成する。電子部品2の上に第1の金属箔層5を介して設置する磁気遮蔽シート6の端部を曲げてアンテナシート101の上面に接触させる。それにより、磁気遮蔽シート6の端部が上下を接続する磁気回路を構成し、電子部品2の側面を、磁気遮蔽シート6で覆う。アンテナシート101及び電子部品2から、第1の金属箔層及び磁気遮蔽シート6までの間の空間には、例えばエポキシ樹脂等の誘電正接が0.01以上の接着樹脂を充填してアンテナシート101に磁気遮蔽シート6を接着させて一体化したシートを形成する。その一体化物の上に厚さ0.3mmの第1のスペーサシート102を重ね、一体化物の下に厚さ0.1mmの第2のスペーサシート103を重ねる。その更に上下に、厚さ0.1mmの白色の第1のコアシート104と第2のコアシート105を重ね、最外層に厚さ0.05mmの透明なオーバーシート106、107を重ねて積層する。ここで、第1のスペーサシート102には、電子部品2を包む磁気遮蔽シート6の外形を嵌め込む空孔102eを予め形成しておく。第2のスペーサシート103には、磁気遮蔽シート6bを嵌め込む空孔103eを形成しておく。
なお、本実施形態で、内面の全面に第1の金属箔層5が一体に形成された第1の磁気遮蔽シート6を用い、その端部の第1の金属箔層5を除去した部分をアンテナシート101に接触させるとともに、磁気遮蔽シート6の上から連続する第1の金属箔層5をアンテナシート101の接続パターン101bに電気接続させ、その接続パターン101bをアンテナシート101の下面に形成した第2の金属箔層5bに電気接続させた構造を形成しても良い。この様に構成すると、電子部品2を上から覆う第1の金属箔層5と下から覆う第2の金属箔層5bを電気接続したシールド箱が構成でき、それにより電子部品を外部電磁界から完全に遮蔽できる効果がある。
本実施形態では、磁気回路にアンテナシート101の厚さの欠落のある磁気回路を形成するが、それでも、外部磁界から電子部品2をある程度は遮蔽できるので、用途に応じて有効な磁気遮蔽効果を有する。本実施形態の非接触ICカード1は、アンテナシート101に空孔を形成しないため非接触ICカード1の加工が容易になり、製造コストを低減した非接触ICカード1を製造できる効果がある。
<第3の実施形態>
第3の実施形態の非接触ICカード1の平面図を図4に示し、そのX−X’部断面図を
図5に示し、Y−Y’部断面図を図6に示す。この非接触ICカード1は、アンテナシート101の中に空孔101eを形成し、その空孔101e内に電子回路モジュールの印刷配線板4を設置する。そして、印刷配線板4の上面に電子部品2と3を、その端子を半田付けして設置する。電子部品2は例えばICチップであり、電子部品3は例えば電子ペーパ等の表示デバイスである。電子ペーパ等の厚い電子部品3を印刷配線板4に実装する場合は、印刷配線板4に空孔4eを形成し、その空孔4eに電子部品3を嵌め込んで実装する。電子部品2の上面及びその電子部品2の下の印刷配線板4の下面に金属箔層5と5bを形成し電子部品2を上下から包む。印刷配線板4の下側の金属箔層5bとしては、印刷配線板4の下面に広い島状の導体のベタパターンにより形成しても良い。これらの電子部品2と金属箔層5と5bと、印刷配線板4の一部の上下を磁気遮蔽シート6と6bで覆う。磁気遮蔽シート6と磁気遮蔽シート6bの端部同士は曲げて互いに接近させる。その磁気遮蔽シート同士が接近する端部が、上下を接続する磁気回路を構成し、電子部品2の側面と、その下の印刷配線板4の側面を磁気遮蔽シート6と磁気遮蔽シート6bが連続して上下を接続する磁気回路で覆う。金属箔層5と5bは、これらの磁気遮蔽シート6と6bの内面に一体に形成された金属箔で構成しても良い。これらの磁気遮蔽シート6と6bと、それらで包まれた電子部品2及び印刷配線板4との間に絶縁樹脂を充填して磁気遮蔽シート6と6bを電子部品2と印刷配線板4とに接着させて固定する。
アンテナシート101には、第1の実施形態と同様に、導体パターンにより、アンテナ配線パターン101aと接続パターン101bを形成する。印刷配線板4には、アンテナシート101の接続パターン101bと電気接続させる接続パターン4bを、印刷配線板4から突出させて形成する。この印刷配線板4と電子部品2と電子部品3と磁気遮蔽シート6と6bから成る電子回路モジュールの接続パターン4bをアンテナシート101の接続パターン101bに半田付けしてアンテナシート101に電子回路モジュールを接続する。その一体化物の上下に第1のスペーサシート102と第2のスペーサシート103を設置する。第1のスペーサシート102には、電子部品3と、電子部品2を包む磁気遮蔽シート6と6bの外形を嵌め込む空孔102eを予め形成し、第2のスペーサシート103には、磁気遮蔽シート6bの外形を嵌め込む空孔103eを形成しておく。これらスペーサシートの上下に第1のコアシート104と第2のコアシート105を設置する。第1のコアシート104には、電子部品3を嵌め込む空孔104eを形成しておく。そして最外層の上下にオーバーシート106と107を設置する。
アンテナシート101上のアンテナ配線パターン101aと印刷配線板4に実装した電子部品2のうちのコンデンサとを電気接続して共振回路を成す。その共振回路が、外部から付与される特定周波数(例えば13.56MHz)の電磁界に感応して共振する同調回路を構成する。
本実施形態の非接触ICカード1は、アンテナシート101に、アンテナ配線パターン101aで囲まれた領域内に空孔101eを設け、その空孔101e内に、印刷配線板4から成る電子回路モジュールを埋め込む。そして、アンテナシート101の接続端子101bに電子回路モジュールを電気接続し、その上下にスペーサシート102、103と、コアシート104、105と、オーバーシート106、107を積層する。特に、電子部品2の上面に金属箔層5を設置し、印刷配線板4の下面に金属箔層5bを設置し、その上下に磁気遮蔽シート6、6bを配設する。
この構成により、アンテナ配線パターン101aのアンテナコイルで囲まれる領域に設置された印刷配線板4の電子部品2の上方側からか、あるいは、下方側から外部の電磁界が付与されると、磁気遮蔽シート6あるいは6bに達する。その電磁界が磁気遮蔽シート6あるいは6bの表面に平行に電界を形成すると、第1の実施形態の場合と同様に、外部電磁界の磁界の方向が磁気遮蔽シート6又は6bの面に沿った方向に曲げられ磁気遮蔽シ
ート6又は6bの中央部分から端部まで磁界が導かれる。これにより、金属箔層5又は5bまで達する磁界が少なくなるので、その電磁界が印刷配線板3の金属箔層5によって減衰させられる不具合が抑制される。そして、磁気遮蔽シート6又は6bの中央部分から端部まで導かれた磁界は、その磁気遮蔽シート6又は6bの端部で近接させた反対面の磁気遮蔽シート6b又は6に移行し、その磁気遮蔽シート6b又は6から反対面の空間に磁界が抜ける。こうして、アンテナ配線パターン101aのアンテナコイルで囲まれる領域に設置された印刷配線板4の電子部品2の上方側と下方側の磁界が磁気遮蔽シート6と6bの中を経由して接続される。
このように、非接触ICカード1に加わる電磁界が電子部品2を通らず磁気遮蔽シート6と6bの中を経由してアンテナ配線パターン101aのアンテナコイル内を通り抜けるので、電子部品2が外部の電磁界から守られる効果がある。また、逆に、アンテナ配線パターン101aの近傍の電磁界は、電子部品2からの影響で乱されることが無くなり、アンテナ配線パターン101aが空間から電力を受信する際の共振状態が電子部品2の存在によって妨害されない効果がある。すなわち、アンテナ配線パターン101aが受ける電磁界の電子部品2及びそれを覆う金属箔層5及び5bによる減衰を抑え、アンテナ配線パターン101aの十分な電磁界感応度(すなわち感度)を確保・維持することができる効果がある。
<非接触ICカードの製造方法>
第3の実施形態の非接触ICカード1の製造方法は、アンテナシート101を製造する工程と、印刷配線板4を製造する工程と、印刷配線板4に電子部品2と3を実装して磁気遮蔽シート6及び6bで被覆する工程と、電子部品2と3と磁気遮蔽シート6と6bを設置した印刷配線板4をアンテナシート101の空孔101eに嵌め込んでアンテナシート101の接続パターン101bに電気接続する工程と、それらにスベーサシートとコアシートをオーバーシートを積層する工程とを備えている。
(アンテナシートの製造工程)
先ず、第1の実施形態と同様にして、アンテナシート101のループ状のアンテナ配線パターン101aで囲まれた領域に、印刷配線板4を埋め込む空孔101eを形成したアンテナシート101を製造する。。
(印刷配線板の製造工程)
図4の一部の印刷配線板4のX−X’断面図を図7に示し、Y−Y’断面図を図8に示す。印刷配線板4は、例えばガラスエポキシ等の絶縁性の基板4cと、基板4cの上側の面に銅の配線パターン4aを有し、基板4cから突出して形成された銅の接続パターン4bを備えた厚さ15〜500μmの基板に構成する。当該接続パターン4bには、必要に応じてニッケルメッキ及び接触抵抗低減のための金メッキが施されてもよい。印刷配線板4には、ルータ加工あるいはプレス打ち抜き加工等で、後にその位置に設置する電子部品3で、例えば、大きさが、縦31mm×横41mmで、厚み0.3〜0.4mmの電子ペーパ表示部等の大型の電子部品3を設置する領域に、その電子部品3よりやや大きい寸法の空孔4eを形成する。また、印刷配線板4の、電子部品2を設置する領域に、基板4cへのザグリ加工で深さが約0.2mmの穴を掘り込んだキャビティを形成し、後に、そのキャビティ内に電子部品2を実装するようにしても良い。
(印刷配線板への電子部品の実装工程)
次に、図7と図8に示すように、印刷配線板4上に厚さが約0.2mmのICやコンデンサ等の電子部品2を実装し、電子ペーパ表示部等の厚い電子部品3を実装して電子回路モジュールを製造する。ここで、電子部品2は、印刷配線板4の上面にフェースダウン(素子面を印刷配線板4側に向け)し、その電子部品2のバンプや端子等の電極を印刷配線板4の上面の配線パターン4aに、異方性導電性接着シート(ACF)で接続するか半田付けすることで接続する。また、電子ペーパ表示部等の厚い電子部品3は、印刷配線板4の空孔4eに嵌め込んで、電子部品3の接続パターン3bを印刷配線板4の配線パターン4aに半田付けする。
(電子回路モジュールへの金属箔層と磁気遮蔽シートの設置工程)
図7及び図8のように、電子部品2の上面には、厚さ5μmから50μmの金属箔層5を設置し、その金属箔層5の領域の、印刷配線板4の下面に、金属箔層5bを設置することで電子部品2と印刷配線板4を上下から包む。ここで、印刷配線板4の下側の金属箔層5bは、予め、印刷配線板4の下面に広い島状の導体のベタパターンを形成しておき、それを金属箔層5bとして用いても良い。次に、金属箔層5と5bの上下を、厚さ0.05mmから0.2mmの磁気遮蔽シート6と6bを設置して覆う。また、金属箔層5と5bは、これらの磁気遮蔽シート6と6bの内面に金属箔を一体に設けておくことで形成しても良い。ここで、磁気遮蔽シート6と磁気遮蔽シート6bは、図8のように、フィルム状のシートを、その端部同士は曲げて互いに接近させて、磁気遮蔽シート6と磁気遮蔽シート6bの端部のギャップを狭くした磁気回路を形成させることが望ましい。その場合は、電子部品2の側面と、その下の印刷配線板4の側面も磁気遮蔽シート6と磁気遮蔽シート6bで覆われる。なお、本実施形態の変形例として、電子部品2を包む磁気遮蔽シート6を、図9のように、1枚の磁気遮蔽シート6を印刷配線板4と電子部品2に巻き付けて包むことで、電子部品2を包み、かつ、上下を接続する磁気回路を、電子部品2の側面を磁気遮蔽シート6で包むことで構成した、磁気遮蔽構造を形成することもできる。
これらの磁気遮蔽シート6と6bの間に、また、金属箔層5と5bとの間に、エポキシ樹脂等の誘電正接(tanδ)が0.01以上の接着樹脂を充填して、磁気遮蔽シート6と6b及び金属箔層5と5bを電子部品2と印刷配線板4とに接着させて固定する。金属箔層5と5bの間に、誘電体損失tanδが、0.01以上の大きい値の絶縁樹脂を充填することで、金属箔層5と5bの間の電磁界が空洞共振する不具合を防ぐことができる効果がある。
(電子回路モジュールのアンテナシートへの接続工程)
次に、図4から図6に示すように、この印刷配線板4と電子部品2と電子部品3と磁気遮蔽シート6と6bから成る電子回路モジュールをアンテナシート101の空孔101eに嵌め込んで、電子回路モジュールの接続パターン4bをアンテナシート101の接続パターン101bに半田付けしてアンテナシート101に電子回路モジュールを接続する。
(ICカードの積層工程)
次に、図5及び図6のように、この電子回路モジュールとアンテナシート101の一体化物の上に、非結晶性ポリエチレンテレフタレートコポリマー(PET−G)製あるいはポリ塩化ビニル(PVC)製の厚さ0.3mmの第1のスペーサシート102を重ね、アンテナシート101の下に厚さ0.1mmの第2のスペーサシート103を重ねる。その更に上下に、厚さ0.1mmの、PET−G製あるいはポリ塩化ビニル(PVC)製の白色の第1のコアシート104と第2のコアシート105を重ね、最外層に厚さ0.05mmの、縦横の延伸方向を揃えた二軸延伸PETフィルムの透明なオーバーシート106、107を重ねて積層する。第1のスペーサシート102には、電子部品3と、電子部品2を包む磁気遮蔽シート6と6bの外形を嵌め込む空孔102eを予め形成し、第2のスペーサシート103には、磁気遮蔽シート6bの外形を嵌め込む空孔103eを形成しておく。第1のコアシート104には、電子部品3を嵌め込む空孔104eを形成しておく。
この積層体をピンに嵌め込みして位置合わせし、その積層体をプレス用金属プレート7で挟み、第1の実施形態と同様にして加熱加圧ラミネートすることで、スペーサシートと
コアシートを軟化流動させて、アンテナシート101と電子部品2と3と磁気遮蔽シート6と6b及び印刷配線板4と、第1のコアシート104と第2のコアシート105の間の間隙を充填し、アンテナシート101と電子部品2と3と印刷配線板4と磁気遮蔽シート6と6bとをコアシートと一体化し、その後にプレス用金属プレート7を外す。これにより、総厚0.81mmの、電子ペーパー表示部等の電子部品3を内蔵し、電子部品2を磁気遮蔽シート6及び6bで遮蔽した非接触ICカード1を製造する。
(打ち抜き工程及び絵柄印刷工程)
次に、第1の実施形態と同様にして、この積層基板を、個々のアンテナ配線パターン101a毎の所望の非接触ICカード1の形状に打ち抜き、更に、表裏最外層のオーバーシート106、107の表面や裏面に絵柄を印刷して印刷層を形成した非接触ICカード1を製造する。
本実施形態の非接触ICカード1は、以上のようにして、図5及び図6のように、電子部品2の上部に第1の金属箔層5を有し、電子部品2の下方に第2の金属箔層5bを有し、それらを磁気遮蔽シート6と6bで包んだ構造を第1のスペーサシート102の空孔102eとアンテナシート101の空孔101eと第2のスペーサシート103の空孔103eに埋め込んだ。そのため、電子部品2の上から加わる磁界を、磁気遮蔽シート6と6b内を経由させて電子部品2内は通過させず、電子部品2に影響を与えずに非接触ICカード1の上面から下面まで磁界を通り抜けさせることができ、電子部品2と、アンテナ配線パターン101a近傍の電磁界の干渉を防ぐことができる効果がある。
なお、本発明は、以上の実施形態におけるループ状のアンテナ配線パターン101aを用いる非接触ICカード1には限定されず、アンテナ配線パターン101aをダイポールアンテナにした非接触ICカードにも応用できる。
1・・・ICカード
2、3・・・電子部品
4・・・印刷配線板
4a・・・配線パターン
4b・・・接続パターン
4c・・・基板
4e・・・空孔
5、5b・・・金属箔層
6、6b、6c・・・磁気遮蔽シート
7・・・プレス用金属プレート
101・・・アンテナシート
101a・・・アンテナ配線パターン
101b・・・接続パターン
101e・・・空孔
102・・・第1のスペーサシート
102e・・・空孔
103・・・第2のスペーサシート
103e・・・空孔
104・・・第1のコアシート
104e・・・空孔
105・・・第2のコアシート
106・・・第1のオーバーシート
107・・・第2のオーバーシート

Claims (2)

  1. 上側から第1のオーバーシート、第1のコアシート、第1のスペーサシート、アンテナ配線パターンを形成したアンテナシート、第2のスペーサシート、第2のコアシート、第2のオーバーシートの順に積層して成る非接触ICカードであって、前記アンテナシートの前記アンテナ配線パターンに電子部品を電気接続させ、前記電子部品の上部に第1の金属箔層を有し、前記アンテナシートの下方の前記電子部品の領域に第2の金属箔層を有し、前記第1の金属箔層上に第1の磁気遮蔽シートを有し前記第2の金属箔層下に第2の磁気遮蔽シートを有し、前記第1の磁気遮蔽シートと前記第2の磁気遮蔽シートの端部が上下を接続する磁気回路で接続し、前記電子部品と前記第1の磁気遮蔽シートと第2の磁気遮蔽シートと前記上下を接続する磁気回路が、前記第1のスペーサシートの空孔と前記第2のスペーサシートの空孔に埋め込まれていることを特徴とする非接触ICカード。
  2. 請求項1記載の非接触ICカードであって、前記アンテナシートに、印刷配線板上に電子部品を設置して成る電子回路モジュールを設置する空孔を有し、前記電子回路モジュールの前記電子部品の上に前記第1の金属箔層を有し、前記印刷配線板の下に前記第2の金属箔層を有し、前記上下を接続する磁気回路が、前記第1の磁気遮蔽シートと前記第2の磁気遮蔽シートの端部を接近させることで構成されていることを特徴とする非接触ICカード。
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