JP6225508B2 - デュアルicカード - Google Patents
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Description
デュアルICカード用のICモジュールは、接触用外部機器との接触インターフェース用の端子(接触端子部)が表面に形成されており、裏面にトランス結合(電磁結合)用の接続コイルが形成されている。
カード本体は、シート状の樹脂(基板)の第一の面にプリントコイルで形成した結合コイルとアンテナコイル(主コイル)とを持つアンテナ基板を樹脂封止したものである。結合コイルは、シート状の樹脂の厚さ方向に見たときに、ICモジュールのICチップの外側を囲うように巻回されている。
カード本体の結合コイルが接続コイルとトランス結合し、アンテナコイルがリーダライタなどの非接触用外部機器との間で電力供給と通信が可能となっている。
しかしながら、カード本体に対するICモジュールの配置が規格(JIS X6320−2:2009(ISO/IEC7816:2007))により決まっていたり、カード本体にエンボスが形成可能なエンボス領域(例えば、JIS X6302−1:2005 (ISO/IEC 7811−1:2002))を設ける必要があったりするために、カード本体における第2結合コイルの配置には制限がある。
本発明のデュアルICカードは、接触型外部機器と接触するための接触端子部と、電磁結合による非接触端子部を構成する接続コイルと、接触型通信機能および非接触型通信機能を有するICチップと、を有するICモジュールと、前記ICモジュールの前記接続コイルと電磁結合するための結合用コイルと、非接触型外部機器との非接触型通信を行うために前記結合用コイルに接続された主コイルと、を有するアンテナを備え、前記ICモジュールを収容する凹部が形成された板状のカード本体と、を備え、前記カード本体は基板を有し、前記結合用コイルは、前記基板の前記凹部の開口側となる第一の面に設けられた第一のコイル分割体と、前記基板において、前記第一の面と反対側の第二の面に設けられた第二のコイル分割体と、を有することを特徴としている。
また、上記のデュアルICカードにおいて、前記第一のコイル分割体と前記第二のコイル分割体とは、前記基板の厚さ方向に見たときに少なくとも一部で重なり、前記第一のコイル分割体と前記第二のコイル分割体とが前記厚さ方向に重なった部分において、前記第一のコイル分割体の素線の幅と前記第二のコイル分割体の素線の幅とが異なることがより好ましい。
また、上記のデュアルICカードにおいて、前記第一のコイル分割体と前記第二のコイル分割体とが前記厚さ方向に重なった部分において、前記第一のコイル分割体の素線の幅と前記第二のコイル分割体の素線の幅との差が、0.5mm以上であることがより好ましい。
図1および図2に示すように、本デュアルICカード1は、凹部11が形成された板状のカード本体10と、この凹部11に収容されたICモジュール30とを備えている。
なお、図1はデュアルICカード1を模式的に示す断面図であり、後述するアンテナ13の巻き数を簡略化して示している。図2では、カード本体10におけるアンテナ13および容量性素子14を示し、基板12を透過させてその外形のみ示している。後述する第二のコイル分割体52をハッチングを付して示している。
基板12は、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリエチレンナフタレート(PEN)などの絶縁性を有する材料を用いて、平面視で矩形状に形成されている(図2参照。)。
基板12の短辺12c側には、基板12の厚さ方向Dに貫通する収容孔12dが形成されている。収容孔12dは、平面視で基板12の短辺や長辺に平行な辺を有する矩形状に形成されている。基板12の厚さは、例えば15〜50μm(マイクロメートル)である。
第一のコイル分割体51は、螺旋状に形成され、厚さ方向Dに見たときに、ICモジュール30、すなわち凹部11の周りに5回巻回されている。エンボス領域R3における第一のコイル分割体51を構成する素線51aの幅は、エンボス領域R3以外における素線51bの幅よりも広い。
第一のコイル分割体51の最も内側に配された素線51bの端部には、素線51bよりも幅が広く略円形状に形成された端子部20が設けられている。この端子部20は、第一の面12aに形成されている。
なお、図1においてICモジュール30を取巻くように形成されている第二のコイル分割体52は、ICモジュール30の外側に形成されているが、ICモジュール30と重なるように形成してもよい。
図3に示す部分の第一のコイル分割体51の素線51b、および第二のコイル分割体52の素線52aは、前述の基板12の短辺12cに平行な延在方向Eにそれぞれ延びている。すなわち、図3に示す素線51bと素線52aとは、厚さ方向Dおよび延在方向Eにそれぞれ直交する直交方向Fにずれることなく重なっている。
第一のコイル分割体51の最も内側に配された素線51bは、後述する接続コイル31に最も近い第一のコイル分割体51の素線となる(図1参照。)。
基板12を介して素線51bと素線52aとが対向するように配置されることで、アンテナ13のコンデンサ容量が増加する。しかし、第二のコイル分割体52は、図2に示すように第一のコイル分割体51と1周分しか重ならない。
主コイル19の最も外側に配された素線19aの端部に、第一のコイル分割体51の最も外側に配された素線51aの端部が接続されている。
素線19b、51bは特に限定はしないが、線幅約0.1mm〜1mm程度、間隔約0.1mm〜1mm程度で形成することができる。また、エンボス領域R3における素線19a、51aは線幅約1mm〜15mm、間隔約0.1mm〜1mm程度で形成することができる。
電極板14aは、主コイル19の最も内側に配された素線19bの端部に接続されている。
電極板14bには、第二の面12bに設けられた接続配線21が接続されている。この接続配線21は、第二のコイル分割体52の素線52aの第二の端部に接続されている。
アンテナ13、容量性素子14および接続配線21は、例えば、基板12に一般的なグラビア印刷によるレジスト塗工方式のエッチングを銅箔やアルミニウム箔に対して行うことで形成することができる。
前述の凹部11は、図1に示すように、カード基材15に形成されている。凹部11は、カード基材15の側面に形成された第一の収容部24と、第一の収容部24の底面に形成された第一の収容部24よりも小径の第二の収容部25とを有している。第一の収容部24のカード基材15の側面側の開口が、前述の開口11aとなっている。
なお、基板12、アンテナ13、および容量性素子14を一対のフィルム間に挟み込み、熱圧によるラミネートあるいは接着剤で一対のフィルム同士を一体化する。その後でカード個片形状に打ち抜くことで、カード本体を形成してもよい。
モジュール基材33は、ガラスエポキシやPET(ポリエチレンテレフタレート)などの材料で平面視で矩形状に形成されている。モジュール基材33の厚さは、例えば50〜200μmである。
ICチップ34は、接触型通信機能および非接触型通信機能を有する公知の構成のものを用いることができる。
接続コイル31は、ICチップ34とIC樹脂封止部36を囲うように螺旋状に形成されている。接続コイル31は、銅箔やアルミニウム箔をエッチングでパターン化することで形成され、厚さは、例えば5〜50μmである。接続コイル31は、カード本体10の結合用コイル18との電磁結合による非接触端子部を構成する。
各接触端子35は、現金自動預け払い機などの接触型外部機器と接触するためのものである。接触端子35は、ICチップ34に内蔵された不図示の素子などと接続されている。
ICチップ34と接続コイル31とは不図示のワイヤにより接続されていて、ICチップ34、接続コイル31およびワイヤにより、閉回路が構成される。
モジュール基材33の第二の面に複数の接触端子を厚さ50〜200μmのリードフレームで形成し、モジュール基材33の第一の面に接続コイルを銅線により形成してもよい。
リーダライタ(非接触型外部機器)D10の送受信回路D11で発生された不図示の高周波信号により、送受信コイルD12に高周波磁界が誘起される。この高周波磁界は、磁気エネルギーとして空間に放射される。
主コイル19と容量性素子14の共振回路で受信した信号は、結合用コイル18に伝達される。その後、結合用コイル18と接続コイル31との電磁結合によってICチップ34に信号が伝達される。
基板12の両面12a、12bにコイル分割体51、52を備えることで、ICモジュール30の接続コイル31とカード本体10の結合用コイル18との電磁結合におけるインピーダンスマッチングの調整自由度を大きくとることができる。これにより、ICチップ34ごとに異なるインピーダンス特性により確実に対応することができ、より多くの種類のICチップに対して電力供給などの性能を最適化することができる。
例えば、前記実施形態では、図5に示すように、第一のコイル分割体51の素線51bと第二のコイル分割体52の素線52aとが厚さ方向Dに重なった部分において、素線51bの幅よりも素線52aの幅の方が広くてもよい。この例では、第一のコイル分割体51の素線51bと第二のコイル分割体52の素線52aとが厚さ方向Dに重なった部分において、素線51bの幅よりも素線52aの幅の方が長さL1である0.5mm広い。
このように構成することで、素線52aの位置ずれの有無により素線51bと素線52aとのコンデンサ容量がバラつくのを抑え、デュアルICカード1の通信特性を向上させることができる。
なお、本変形例では、素線52aの幅よりも素線51bの幅の方が広くてもよい。
また、容量性素子14をアンテナ形成後に調整できる構成とすれば、第一のコイル分割体51と第二のコイル分割体52との間で形成されるコンデンサ容量のバラつきを相殺することができるため、あらゆる特性のICチップを使用した場合でも、第二のコイル分割体52のICモジュール30を取巻く回数を任意の回数にでき、最適なインピーダンスマッチング設計を適用することができる。
なお、容量性素子14をアンテナ形成後に調整できる構成は、そうしない構成に比べてコストが増加するため、コスト低減も図り、かつ、通信特性のバラつきを抑えるためには、容量性素子14をアンテナ形成後に調整できない構成において、第二のコイル分割体52のICモジュール30を取巻く回数を2回以下とするのが好ましい。
前記実施形態では、主コイル19および接続コイル31は3回巻回され、第一のコイル分割体51は5回巻回されているとした。しかし、これらのコイル18、19および第一のコイル分割体51が巻回される回数はこの限りではなく、これらのコイル18、19および第一のコイル分割体51は1回以上巻回されていればよい。
接触端子部が有する接触端子35の数は、複数でなく1つでもよい。
図2に示すデュアルICカード1の実施例では、以下に説明する条件でデュアルICカード1を製造した。
基板12をPETで形成し、厚さを38μmとした。アンテナ13、容量性素子14、および接続配線21は、基板12の第一の面12aに厚さ30μmのアルミニウム箔を、第二の面12bに厚さ20μmのアルミニウム箔をラミネートし、前述のエッチング加工をして形成した。第一のコイル分割体51の素線51bの幅を0.4mmとし、第二のコイル分割体52の素線52aの幅を0.9mmとした。
10 カード本体
11 凹部
11a 開口
12 基板
12a 第一の面
12b 第二の面
13 アンテナ
18 結合用コイル
19 主コイル
30 ICモジュール
31 接続コイル
34 ICチップ
35 接触端子(接触端子部)
51 第一のコイル分割体
51a、51b、52a 素線
52 第二のコイル分割体
D 厚さ方向
D10 リーダライタ
Claims (4)
- 接触型外部機器と接触するための接触端子部と、電磁結合による非接触端子部を構成する接続コイルと、接触型通信機能および非接触型通信機能を有するICチップと、を有するICモジュールと、
前記ICモジュールの前記接続コイルと電磁結合するための結合用コイルと、非接触型外部機器との非接触型通信を行うために前記結合用コイルに接続された主コイルと、を有するアンテナを備え、前記ICモジュールを収容する凹部が形成された板状のカード本体と、
を備え、
前記カード本体は基板を有し、
前記結合用コイルは、
前記基板の前記凹部の開口側となる第一の面に設けられた第一のコイル分割体と、
前記基板において、前記第一の面と反対側の第二の面に設けられた第二のコイル分割体と、
を有するデュアルICカード。 - 前記第二のコイル分割体は、前記基板の厚さ方向に見たときに、前記ICモジュールを1回取巻くように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のデュアルICカード。
- 前記第一のコイル分割体と前記第二のコイル分割体とは、前記基板の厚さ方向に見たときに少なくとも一部で重なり、
前記第一のコイル分割体と前記第二のコイル分割体とが前記厚さ方向に重なった部分において、前記第一のコイル分割体の素線の幅と前記第二のコイル分割体の素線の幅とが異なることを特徴とする請求項1または2に記載のデュアルICカード。 - 前記第一のコイル分割体と前記第二のコイル分割体とが前記厚さ方向に重なった部分において、前記第一のコイル分割体の素線の幅と前記第二のコイル分割体の素線の幅との差が、0.5mm以上であることを特徴とする請求項3に記載のデュアルICカード。
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