JP2011062997A - 画像記録装置及びその画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザ操作による画像品位のモード切替えは、画質の品位で見栄えが変わらない文字や線画による画像データに対し高品位のモードを選択したり、人的ミスによる操作ミス又は設定変更忘れにより、異なる品位設定で再度画像記録を行う事態が想定される。
【解決手段】ベタ画像に濃度ムラが発生しない通常の適正な温度範囲(第1の温度範囲)の値と、第1の温度範囲よりも上限下限温度が広く、ある程度の濃度ムラが発生する温度範囲(第2の温度範囲)の値の両方を備え、実測したインク温度と規定値以下のベタ画像のベタ記録量で、第1の温度範囲と第2の温度範囲との設定の切り換えを行う画像記録装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録する画像データを元に、インクの画像記録可能な温度範囲を変更する画像記録装置及びその画像記録方法に関する。
一般に、記録媒体にインクを吐出して画像を記録(印刷)するインクジェット方式の記録ヘッドを搭載する画像記録装置、所謂インクジェットプリンタが知られている。このプリンタに用いられる記録ヘッドには、設計・仕様に従う使用可能なインク温度の範囲と、そのインク温度に応じたヘッド駆動電圧の補正係数(補正式)が定められている。
画像記録を行う際に、実測したインク温度が記録可能インク温度下限値に満たない場合には、インクの加温を行う。一方、連続記録等によりインク温度が記録可能インク温度上限を超えた場合には、インクがその温度上限値以下に冷却されるまで記録不可として、待機状態となることが一般的である。
インク温度が記録可能インク温度の範囲外にある時に画像記録を実行させると、正常なインク吐出が行われず、ノズル毎にインク吐出量のムラが発生する、又はインク液滴の着弾位置がずれるなどの現象が起こる。この結果、記録された画像に濃度ムラが現れるなど問題が起こり、画像品位が低下する。一方、画質の劣化が比較的目立たない、文字や線図による画像の場合には、低い画像品位であっても問題のない場合もある。
ユーザの操作により画像品位のレベルを変更可能な選択モードを有する画像記録装置がある。例えば、特許文献1には、選択モードで選択された画像品位のレベルに応じて、インク温度調整を行うか、行わないかを切り替える技術が開示されている。この技術によれば、ユーザが低品位のモードを選択することで、インク加熱に必要な時間が短縮され、記録開始可能時間が速めることができる。
また、特許文献1は、記録可能インク温度の下限値についての低品位のモード選択の利点に着目した発明であるが、記録可能インク温度の上限値についても同様である。低品位のモードで、記録可能インク温度の上限値を高める選択肢があれば、連続記録時のインク温度上昇により、インク温度が通常設定の上限値を超えたとしても、高めた上限値によりユーザは、従来よりも長時間連続して画像記録を行うことができる。
特開2000−108328号公報
前述したようなユーザの操作によって画像品位のモードを切り替えている場合、個人の感覚で判断しているため、文字や線画による画像などで低品位又は高品位のモードの何れを選択しても見栄えが変わらない画像に対して、高品位のモードで画像記録を指示してしまう事態が想定される。さらに、人的ミスで、操作ミス又は設定変更忘れにより、高品位な画質の画像を記録する予定が低品位のモードで画像記録を行ってしまう事態も想定される。
これらの事態は、記録された画像が所望する画像品位よりも低ければ、設定変更の後、再度、画像記録をやり直すこととなる。また、ユーザは、低品位のモードによる画像でも問題がない場合であっても、高品位のモードを設定してしまうと、インク温度が記録可能インク温度の下限よりも低かった場合には、記録開始が不必要に遅れることとなる。
そこで本発明は、記録ヘッドから吐出されるインク滴の着弾位置ずれやインク滴量のばらつきが発生しても画像の画質があまり低下しない画像データでは、より早く記録開始したり、より大量の連続記録が可能な画像記録装置及びその画像記録方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に従う実施形態は、インクを吐出する記録ヘッドと、前記記録ヘッド内のインク若しくは、前記記録ヘッドに供給されるインクのインク温度を検出するサーミスタと、前記サーミスタの出力結果に基づいて、予め定めた前記記録ヘッドのインク吐出温度範囲内に前記インク温度が入るように温度調整するインク温度制御手段と、前記記録ヘッドのインク吐出温度範囲内に、前記インク温度が入っている際に、前記記録ヘッドから前記インクを吐出させる制御を行う吐出制御部と、を有する画像記録装置であって、画像データの記録に先だって、記録される画像データに含まれるベタ記録量を算出し、比較による分析を行う画像データ解析手段と、前記画像データ解析手段が算出されたベタ記録量が予め定めた規定値を越えると分析した際に、前記インク吐出温度範囲を第1の温度範囲に設定し、前記ベタ記録量が前記規定値以下と分析した場合には、前記インク吐出温度範囲を第1の温度範囲を含み且つ第1の温度範囲よりも広い温度範囲を有する第2の温度範囲に設定するインク吐出温度範囲設定手段とを有する画像記録装置を提供する。
また、本発明に従う実施形態は、記録する画像データ内のベタ記録量を算出するベタ記録量算出ステップと、前記ベタ記録量算出ステップで算出されたベタ記録量と、予め定めた規定値とを比較するベタ記録量比較ステップと、前記ベタ記録量比較ステップで、前記ベタ記録量が前記規定値よりも多いと判断された場合に、前記記録ヘッドのインク吐出温度範囲を第1の温度範囲に設定し、前記ベタ記録量が前記規定値よりも少ないと判断された場合に、前記インク吐出温度範囲を第1の温度範囲を含み、且つ前記第1の温度範囲よりも広い温度範囲を有する第2の温度範囲に設定するインク吐出温度範囲設定ステップと、
を有し、前記記録ヘッド内のインク温度若しくは前記記録ヘッドに供給するインク温度が、前記インク吐出温度範囲設定ステップで設定されたインク温度範囲内に入っている場合に前記画像データの記録を開始する画像記録装置の画像記録方法を提供する。
本発明によれば、記録ヘッドから吐出されるインク滴の着弾位置ずれやインク滴量のばらつきが発生しても画像の画質があまり低下しない画像データでは、より早く記録開始したり、より大量の連続記録が可能な画像記録装置及びその画像記録方法を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る画像記録装置を含むシステムの構成例を示すブロック図である。 図2は、インク温度と、インク着弾位置ずれ量の関係を示す図である。 図3は、第1の実施形態における記録可能インク温度の変更と記録可不可判断方法について説明するためのフローチャートである。 図4(a)〜(d)は、ドット径とドット間距離の関係が濃度ムラに与える影響について説明するための図である。 図5は、第2の実施形態における記録可能インク温度の変更と記録可不可判断方法について説明するためのフローチャートである。 図6は、第3の実施形態における記録可能インク温度の変更と記録可不可判断方法について説明するためのフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る画像記録装置(インクジェットプリンタ)を含む画像記録システムの構成例を示すブロック図である。尚、以下の説明においては、本発明の要旨に必要な構成部位について述べているが、これら以外にも、通常のプリンタが有している通常の機構、例えば、ユーザ操作パネル、モニタ、記録媒体供給機構、記録媒体排出機構(ソータ機能)及び記録ヘッドのメンテナンス機構等は備えている。また、本実施形態におけるインク供給機構としては、インク循環系であっても非インク循環系の何れであってもよい。以下の説明では、インク供給経路のみの非インク循環系を例とし、記録ヘッドからインクタンクまで使用しなかったインクを帰還させるインク帰還経路については省略している。
本実施形態は、大別すると、画像記録装置1とホスト装置2とで構成される。これらの画像記録装置1とホスト装置2は、有線又は無線(光通信も含む)等で接続されている。ユーザの操作により、ホスト装置2から画像データを含む画像記録ジョブが画像記録装置1に送信される。尚、図示していないが、像記録装置1とホスト装置2は、インターネット又はLAN等のネットワークを介して、接続されてもよい。ホスト装置2は、専用装置でもよいが、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)及びモニタを用いてもよい。
画像記録装置1は、インクを吐出して記録媒体に画像を記録する記録ヘッド3と、記録ヘッド3にインクを供給するインク供給機構4と、記録媒体を搬送する図示しない搬送機構と、装置全体を制御する制御部5とで構成される。
記録ヘッド3は、例えば、圧電素子又は発熱素子等からなるアクチュエータを駆動して、ノズルからインクを吐出する構成である。この記録ヘッドは、固定された記録ヘッドであるライン型記録ヘッドでもよいし、走査移動しながらインクを吐出して画像を記録するシリアル型記録ヘッドでもよい。
インク供給機構4は、インクが充填されたインクタンク11と、インクタンク11から記録ヘッド3にインクを供給するためのインク供給路12と、記録ヘッド3に供給されるインク温度を検出する温度センサ13と、インク供給路12の経路途中に配置されるインク温度調整部14とで構成される。図1においては、1色のインク色におけるインク供給経路を示しているが、カラー画像を記録する場合には、その色数のインク供給経路が設けられる。また、図示していないが、他にも、インク経路の途中に設けられて、経路の開閉を行う開閉弁やインクタンクにインクを補充するためのインクカートリッジ等が設けられている。
温度センサ13は、例えば、サーミスタが用いられ、記録ヘッド3のインク供給口3aの直前のインク経路12内に配置されて記録ヘッド3に供給されるインクの温度を検出する。尚、温度センサ13は、他の配置例として、センサ部分を記録ヘッド3のインク室内に突出するように設けてもよい。
インク温度調整部14は、インク経路12に配置され、温度センサ13の検出結果に従い、記録ヘッド3に供給されるインクのインク温度を加温又は冷却する。インク温度調整部14における加温は、ヒータ等の熱源を用いて、冷却は、ファン等を用いた空冷方式と冷媒を用いた水冷方式の何れでもよい。尚、後述するインク吐出温度範囲設定部とインク温度調整部14によりインク温度制御手段を構成する。
次に、制御部5について説明する。尚、ここでは、制御部5の機能の一部であるインク吐出制御のみを挙げて説明している。
この制御部5は、画像データに含まれるベタ記録量を分析する画像データ解析部21と、ベタ記録量の予め設定された規定値を記憶するメモリ22と、記録ヘッド3から吐出されるインクの温度を設定するためのインク温度範囲設定部23と、温度センサ13からの検出温度に基づき、インク温度調整部14に加温冷却の動作指示を行う温度判定部24と、インク吐出温度範囲設定部24で設定された範囲内にインク温度が入っている際に、記録ヘッド3からインクを吐出する制御を行う吐出制御部25と、を備えている。
この構成において、画像データ解析部21は、記録媒体への記録に先だって、後述するように記録される画像データに含まれるベタ記録量を解析する。
インク温度範囲設定部23は、画像データ解析部21が出力した解析結果のベタ記録量とメモリ22から読み出された規定値とを比較して、後述する第1のインク温度範囲と第2のインク温度設定範囲の設定変更を行う。尚、規定値の設定は、予め設定される値であり、使用するインクに応じて適宜変更することができる。
この比較で、解析されたベタ記録量が規定値を越えると判断された場合には、インク吐出温度範囲を予め定めた第1のインク温度範囲に設定し、ベタ記録量が規定値以下と分析した場合には、インク吐出温度範囲を第1の温度範囲を含み且つ第1のインク温度範囲よりも上限下限が広い第2のインク温度範囲に設定する。ここで、第1のインク温度範囲は、画像記録した際にベタ画像が均一な濃度で記録される高品位画像を保証する温度範囲であり、画像記録装置において推奨されている通常の温度設定範囲である。
また、第2のインク温度範囲は、第1のインク温度範囲の上限下限の温度を越えて広く設定される範囲であり、装置の電源投入直後(この場合、インク温度が低い)や長時間に亘る連続記録後のインク温度(この場合、インク温度が高い)が第2のインク温度範囲に入るものと想定される。第1のインク温度範囲から外れるものの、第2のインク温度範囲に入るインクは、インク液滴の多少の飛行曲がりや記録されたベタ画像に濃度ムラが発生する虞がある温度範囲である。これらのインク温度範囲は、使用するインクが水性、油性又は、紫外線硬化型タイプ等のそれぞれのインクの特性に基づき設定される。
図2は、画像記録におけるインク温度に対するインク着弾位置ずれ量の関係を模式的に示す図である。制御部5は、通常の、即ち高品位の画像記録を保証する第1のインク温度範囲(記録可能インク温度下限値Tmin、記録可能インク温度上限値Tmax)と、第1の温度範囲から上限下限を拡げた第2のインク温度範囲(記録可能インク温度下限値TminL、記録可能インク温度上限値TmaxL)とを択一的に選択する。
これらの上下限値TminL及びTmaxLは、画像記録時のインク着弾位置のずれ量やインク液滴の体積ばらつきを基準として決められるインク温度であり、TminL≦Tmin、TmaxL≧Tmaxの関係を有している。つまり、少なくとも第2のインク温度範囲内に第1のインク温度範囲が含まれている。
尚、図2においては、プロットの縦軸をインク着弾位置のずれ量としているが、前述したように、これはインク液滴体積のばらつきを表す量でもよく、また着弾ずれとインク液滴体積のばらつき量の両方を反映するような量であってもよい。
本実施形態の画像記録装置1は、温度センサ11が検出した現在のインク温度Tを制御部5に通知する。制御部5は、必要に応じて、インク温度調整部14を用いてインク温度を調整する。制御部5は、ホスト装置2から受け取った画像記録ジョブに基づき記録ヘッド3を駆動して、記録媒体に画像が記録される。
次に、図3に示すフローチャートを参照して、第1の実施形態における記録可能インク温度の変更と画像記録の可不可判断について説明する。
まず、ホスト装置2又は外部機器から画像記録装置1に送信された画像記録ジョブが入力され(ステップS1)、画像データから後述するベタ記録量Aを算出する(ステップS2)。この算出と共に、温度センサ13により現在のインク温度Tが検知される(ステップS3)。
次に、ベタ記録量Aが規定のベタ記録量A0以下か否かを判定[判定1]する(ステップS4)。この判定1による判定結果において、ベタ記録量Aが予め定めた規定を越えて大きい場合には(NO)、第1の温度範囲を設定し、インク温度Tが第1の温度範囲における記録可能インク温度下限値Tmin以上か否かを判定[判定2]する(ステップS5)。この判定2において、温度Tが記録可能インク温度下限値Tmin以上であれば(YES)、次にインク温度Tが記録可能インク温度上限値Tmax以下か否かを判定[判定3]する(ステップS6)。
上述したように、インク温度がステップS5,S6の判定2,判定3による上限下限の温度範囲内(第1の温度範囲内)であれば、インクは通常の適正な温度であり、その状態で画像記録が実施される。(ステップS7)。
一方、ステップS4の判定1において、判定結果がベタ記録量Aが規定よりも小さい場合には(YES)、第1の温度範囲よりも上限下限が広い第2の温度範囲が設定される。そして、インク温度Tが第2の温度範囲における記録可能インク温度下限値TminL以上か否かを判定[判定4]する(ステップS8)。このステップS8の判定4で、インク温度Tが記録可能インク温度下限値TminLに達しなければ(NO)、インク温度Tが低いと判定して、インク温度調整部14により加温し(ステップS9)、ステップS3の温度検出に戻る。
一方、判定4で、インク温度Tが記録可能インク温度下限値TminL以上であれば(YES)、次に、インク温度Tが第2の温度範囲における記録可能インク温度上限値TmaxL以上か否か判定[判定5]する(ステップS10)。この判定5において、インク温度Tが記録可能インク温度上限値TmaxL以上であれば(NO)、インク温度Tが高いと判定して、インク温度調整部14により冷却し(ステップS11)、ステップS3の温度検出に戻る。一方、判定5で、インク温度Tが記録可能インク温度下限値TmaxLに達していなければ(YES)、そのインク温度Tにおいて、画像記録を実施する(ステップS7)。
ステップS7において画像記録を行った後、画像記録は終了か否かを判定し(ステップS12)、終了でなければ(NO)、ステップS1に戻り、次の画像記録ジョブを入力する。一方、終了であれば(YES)、一連の画像記録動作を終了する。
以上説明したインク温度の検出結果と設定された記録モードに応じた画像記録ルーチンの各手順及び判定について詳細に説明する。
まず、画像記録装置1に画像記録ジョブが入ると、制御部5は、ステップS2において、画像データのベタ記録量Aを算出する。ここで、ベタ記録量Aとは、記録画像内にベタ記録部分が含まれるか否かを判定するために用いる情報である。
前述したように、通常の記録可能インク温度範囲Tmin〜Tmaxから外れたインク温度で画像記録を行うと、画像記録結果に濃度ムラや着弾位置ずれが発生するなどの問題が発生する。しかし、画像記録画像データの大半が文字、数字又は線画(グラフ等)で構成されているオフィス文書などでは、このような濃度ムラによる不良は、ある程度までは目立たないため、必ずしも画像品位の低下とは見られていない。反対に、記録する画像データ内に広いベタ記録領域(ベタ画像)が含まれている画像では、濃度ムラは僅かでも目立ち、画像品位が低下している判断される。
そこで、ステップS2の手順では、1枚の記録媒体に記録する画像データ内に、ベタ記録部分が、どの程度含まれているかの判定を行うために、画像データ内のベタ記録量という数値を規定して算出する。これは、記録される画像のドット毎のインク液滴体積のばらつきや着弾位置のばらつきによって記録結果に濃度ムラが現れるとき、ベタで画像記録される面積が広いほど、濃度ムラが目立ち画像品位が低下する。尚、後で詳述するようにベタ記録量の数値においては、1画像の中に複数のベタ画像が含まれる場合に、ベタ記録量は、それらの合計値ではなく、ベタ画像の中で最も大きい面積のベタ画像の数値である。
ここで、濃度ムラについて説明する。
図4(a)〜(d)は、記録ヘッドから吐出されたインク滴が記録媒体上に着弾したドットの着弾位置とドットの形状を示す図である。図4(a)に示すドットは、着弾位置とドット形状が正常状態を示している。図4(b)と図4(c)に比較して示すように、ドット間距離とドット径の差分絶対値が小さいほど、画像品位への影響が大きくなる。これは、ドット間距離とドット径の差分絶対値が小さい場合には、画像記録物上でインクのカバーする面積がドットの着弾位置に直接影響されることによる。反対に、図4(d)に示すように、ドット間距離とドット径の差分絶対値が、さらに大きい場合には、あるドットの着弾位置がずれたとしてもそれによって画像記録物上でインクのカバーする面積が直接的に変化することがない。よって、画像品位が低下しにくい。
ステップS2における手順では、画像データ内でドットが連続したそれぞれの群iに対して、ベタ記録量Aiを次のように計算する。
Ai=群iの面積/(|群iにおけるドット間距離平均値−群iにおけるドット径平均値|+1)
画像データから算出するベタ記録量Aは、例えば、個別の群i毎に求めたベタ記録量Aiの最大値である。この最大値を取る理由は、ベタ記録がある程度大きくなければ、濃度ムラなどの画像品位低下が目に付かないためである。
例えば、記録された画像内に面積Smmの正方形のベタ記録領域がk箇所ある場合と、面積S×kmmの正方形が1箇所ある場合に付いて考える。面積Smmが狭ければ、ベタ記録領域がk箇所あっても、それぞれ箇所の濃度ムラはユーザの目には見えない。しかし面積がS×kmmである大きな画像記録領域があると、濃度ムラが目立つ。この様にベタ記録量とは、着弾ずれやインク液滴体積のばらつきによって画像品位が低下して見え易いベタ記録領域が、どの程度画像データに含まれているかを表す無次元の数値である。
次に、ステップS3の手順では、温度センサ11は、検出したインク温度Tを制御部5に送信する。
ステップ4の判定1では、制御部5がインク温度Tを受けた後、ベタ記録量Aが規定のベタ記録量A0以下か否かを判定する。その判定結果が、A≦A0ならば、即ち、ベタ記録量Aが規定値より小さければ、第2のインク温度範囲を選択することが可能であると判定される。しかし、ベタ記録量Aが規定値よりも大きければ、第2のインク温度範囲に基づいてインク温度を調整した上で画像記録を行うと、濃度ムラが目立つ虞があるため、第2のインク温度範囲は選択されない。
従って、判定1が否(NO)ならば、続く判定2、3でそれぞれ現在のインク温度Tが通常の記録可能インク温度の下限値Tmin以上か、記録可能インク温度上限値Tmax以下か、即ち第1のインク温度範囲内に入っているかを判定し、判定2、3が共に是(YES)である場合には、インク温度が適正温度であると判定され、ステップS7で画像記録を開始する。この場合、第1のインク温度範囲内に測定したインク温度が入っているため、濃度ムラの発生率やインク液滴の着弾位置のずれ量は小さくなるため、記録される画像の品質は高いものが得られる。
判定1の判定結果が是(YES)あれば、記録可能インク温度の下限値をTminL、上限値をTmaxLに、即ち第2のインク温度範囲に変更する。
ステップS8,S9の判定4、5において、現在のインク温度Tが記録可能インク温度下限値TminL以上か、記録可能インク温度上限値TmaxL以下かを判定する。これらの判定4、5における判定結果が、共に(YES)であれば、即ち、インクが低品位の記録モードにおける記録可能な温度範囲内であるため、ステップS7の手順5において、画像記録を行う。インク温度が第1のインク温度範囲内に入っていれば、上述したように、記録される画像の品質は高くなるものの、第1のインク温度範囲から外れ且つ第2のインク温度範囲内に入っているようなインク温度の場合には、濃度ムラの発生率やインク滴の着弾位置のずれ量は大きくなってしまう。しかしながら、記録する画像データ内のベタ記録量Aが規定のベタ記録量A0以下であるため、画像品位の低下は目立たない。
なお、判定4、5における判定結果が共に(NO)であれば、インクの温度が低すぎる又は高すぎるため、ステップS9,S11の手順において、インクを加温又は冷却を行い、再度、インク温度を測定する。
以上のように、本実施形態において、ベタ画像においても濃度ムラが発生しない通常用いられている適正な温度範囲(第1の温度範囲)の設定と、さらに、ある程度の濃度ムラは発生するが、記録媒体における記録画像内で記録されるベタ画像が予め定められた面積よりも小さければ記録を行う、第1の温度範囲よりも上限下限温度が広い温度範囲(第2の温度範囲)の設定を備える。第1の温度範囲と第2の温度範囲との設定の切り換えは、、ベタ画像のベタ記録量Aによって判定している。
従って、現在のインク温度が通常の記録可能インク温度範囲Tmin〜Tmaxから上下に外れていても、画像記録しようとする画像データが、文字又は数式や線画等が多くを占めて画像品位が低下しにくい、即ちベタ画像の記録領域が小さい画像データであれば、第1のインク温度範囲よりも範囲が広い第2のインク温度範囲TminL〜TmaxLに変更して、画像記録装置1により画像を記録する。
尚、本実施形態では、ステップS2の手順で求めるベタ記録量Aを該当画像データ内から求めた全てのインクドット群で求めたベタ記録量Aiの最大値であるとしたが、必ずしもこの限りではない。例えば、ベタ記録量Aは、ベタ記録量Aiの平均値であってもよい。又は、ベタ記録量Aは、画像データ内に含まれる全ての群iについてのベタ記録量Aiの累計でもよい。さらに、画像データの各ページから求めたベタ記録量Aの最大値あるいは平均値用いてもよいし、記録媒体のページ毎に、図3のに示すフローチャートにおける判定を行ってもよい。
以上のことから、装置の電源を投入して立ち上げた直後で記録開始前のインク温度が低い場合であっても、開始時間がインク温度を上昇させるためのウォームアップの時間が短縮され、早期に記録開始が可能になる。また同様に、連続記録によってインク温度が記録可能インク温度範囲の上限値Tmaxを越えた場合であっても、インク冷却のために記録作業を中断することなく画像記録を行うことができる。よって短時間で記録作業を終えることができる。
また、ユーザの判断と切り換え操作無しで、記録可能インク温度範囲の設定変更の判断が画像データ(ベタ記録量A)の解析結果に基づいて切り換えられるため、記録可能インク温度範囲を広げても画像品位が低下しにくい場合のみ記録可能インク温度範囲を変更でき、不本意な画像品位の低下や、不要なインク加温の待ち時間がなくなる。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。
この変形例は、図3に示したステップS2の手順において、算出するベタ記録量Aに代わって、重色ベタ記録量Bを用いた例である。前述したように、インク温度が通常の記録可能インク温度範囲Tmin〜Tmaxを超えている場合に生じる濃度ムラにより画像品位が低下しやすいのは、ベタで画像記録される領域が広い場合である。しかし、このベタ記録領域が2色以上のインクの重色によって構成される場合には、画像品位の低下が更に激しくなる。
これは同じ位置に異なる色のインク滴を着弾して重色で画像記録を行う場合、単インク着弾位置のずれにより、画像に色ずれが生じるためである。人間の目には濃度ムラよりも色ずれの方が検出しやすいため、色ずれが生じると画像品位が大幅に低下する。
そこで、重色ベタ記録量Bに基づいて、いずれかのインク温度範囲を設定する。重色ベタ記録量Bは、例えば同じ群iについて求めた各インク色のベタ記録量AiC、AiM、AiY、AiKを掛け合わせて求めた該当群の重色ベタ記録量Biの最大値として求められる。
また、群iにおける重色ベタ記録量Biは、各色インクについて求めたベタ記録量AiC、AiM、AiY、AiKの掛けあわせであるとしたが、必ずしもこの限りではない。色インク毎について求めたベタ記録量AiC、AiM、AiY、AiKの足し合わせとして求めてもよい。
画像データ内の各ドットの群で求めるベタ記録量Aiが群の面積に比例するとしたが、必ずしもこの限りではない。連続して画像記録される領域の形状の紙搬送方向長さと紙搬送方向に垂直な方向の長さが近しいほど、インク温度が通常の記録可能インク温度範囲Tmin〜Tmaxを超えている場合に生じる濃度ムラが目立ちやすい。よってベタ記録量Aiを求める式に、群iの形状に関するパラメータを含めても良い。
この変形例によれば、記録可能インク温度の範囲の上限下限を広げて画像記録した時に画像品位の低下の発生の有無をより正確に判断できる。
次に、第2の実施形態について説明する。
前述した第1の実施形態においては、画像記録装置1が記録媒体の各ページに画像記録する際に、画像データのベタ記録量を元に、記録可能インク温度範囲を切り換えていた。これに対して、本実施形態では、画像記録装置1に与えられた合計Nページ分に亘る画像データ全てを元に、記録可能インク温度範囲を切り換えて、画像記録の開始可不可の判定を行う特徴を有している。本実施形態の構成は、前述した第1の実施形態と同等であり、同じ参照符号を用いることにより、ここでの説明は省略する。
図5に示すフローチャートを参照して、本実施形態における記録可能インク温度の変更と記録可不可の判定方法について説明する。尚、前述した第1の実施形態と同等の動作を行うステップについては、同じステップ番号を付して、説明を簡略化する。
本実施形態の判定方法は、まず、ホスト装置2又は外部機器から画像記録装置1に送信された合計Nページ分の画像記録ジョブが入力する(ステップS21)。その画像記録ジョブにおける画像データのi(i=1,2,…,i)ページのページ毎に、ベタ記録量Ai(i=1,2,…,i)を算出する(ステップS22)と共に、温度センサ13により、現在のインク温度Tを検知する(ステップS3)。
画像データの全ページ累計のドット記録量Cと、現在のインク温度Tから全ページ記録終了時(又は、終了直後)の推定インク温度Tendを求める(ステップS23)。さらに、全てのページに対して、ベタ記録量Aiが予め定めたベタ記録量A0以下か否か[判定6]を判定する。この判定6において、ベタ記録量Aiがベタ記録量A0以下ではない場合には(NO)、次に、検出したインク温度Tが第1のインク温度範囲における記録可能インク温度下限値Tmin以上か否か[判定2]を判定する(ステップS5)。この判定2において、インク温度Tが下限値Tmin以上であれば(YES)、インク温度Tが記録可能インク温度上限値Tmax以下か[判定3]を判定する。一方、インク温度Tが下限値Tmin以上でなければ(NO)、インク温度Tが下限値Tmin以上でなければ(NO)、インク温度が低すぎるため、インクを加温し(ステップS9)、ステップS3の温度検出に戻る。
また、判定3でインク温度Tが上限値Tmax以下であれば(YES)、画像記録を実施する(ステップS7)。一方、インク温度Tが上限値Tmax以下でなければ(NO)、インク温度が高すぎるため、インクを冷却し(ステップS11)、ステップS3の温度検出に戻る。これらの判定2,3は、インク温度Tが、通常使用するベタ記録にも好適する記録可能インク温度範囲内であるか否かを判定するステップである。
また前述した判定6において、ベタ記録量Aiがベタ記録量A0以下であれば(YES)、インク温度Tが第2のインク温度範囲における、記録可能インク温度下限値TminL以上か否かを判定[判定4]する(ステップS25)。
この判定4で、インク温度Tが記録可能インク温度下限値TminL以上であれば(YES)、推定インク温度Tendが記録可能インク温度上限値TmaxL以下か否か[判定7]を判定する。一方、判定4でインク温度Tが下限値TminL以上でなければ(NO)、ステップS9に移行してインクを加温し、ステップS3の温度検出に戻る。
また、ステップS26の判定7において、推定インク温度Tendが上限値TmaxL以下ではなかった場合には(NO)、ステップS6へ移行し、インク温度Tと記録可能インク温度上限値Tmaxとの比較を行う。一方、推定インク温度Tendが上限値TmaxL以下であった場合には(YES)、ステップS7に移行して、画像記録を行う。
ステップS7において、画像記録を行った後、画像記録は終了か否かを判定し(ステップS12)、終了でなければ(NO)、ステップS1に戻り、次の画像記録ジョブを入力する。一方、終了であれば(YES)、一連の画像記録動作を終了する。
次に、図5に示したフローチャートにおける各ステップにおける手順と判定について説明する。ここで、ステップS3,S5及びS6における手順及び判定については、第1の実施形態と同等であるため、その説明を省略する。
本実施形態ではステップS22の手順において、記録媒体の各ページに対してベタ記録量Aiを求めて、判定6で、その全てが規定のベタ記録量A0以下であることを判定する。この判定6により、記録可能インク温度範囲Tmin〜TmaxをTminL〜TmaxLに切り換えるか否かが判定される。
さらに、ステップS23の手順において、画像データの全ページ累計のドット記録量C
と現在のインク温度Tから全ページの画像記録が終了時又は終了直後における、推定インク温度Tendを求められる。
この推定インク温度は、例えばTend=T+B×Constで求められる。ここで、Constはドット数をインク温度の上昇量に換算する一定の係数である。判定6において、全ページのベタ記録量が予め定めたベタ記録量A0を下回っているという判定結果であっても、画像記録する画像データが大量であった場合には、連続画像記録により、記録開始時からインク温度が上昇して、記録途中で記録可能インク温度上限値TmaxLを超えてしまう虞がある。
これに対して、記録開始前に判定7によって推定インク温度Tendが上限値TmaxLを以下となることを確認すれば、画像記録の途中でインク温度上昇による記録中断が発生することを事前に防止できる。
本実施形態によれば、前述した第1の実施形態による作用効果に加えて、画像記録ジョブによる画像データが複数ページに亘って記録される場合に、事前の判定により記録可能インク温度範囲の変更を行うことで、インク温度の上昇による記録中断を防止することができる。
尚、本実施形態では、判定7による推定インク温度Tendが第2インク温度範囲での記録可能インク温度上限値TmaxLを越えてしまう(NO)ならば、判定3により上限値Tmaxとの比較を行ったが、必ずしもその限りではない。判定7において、記録終了時の推定インク温度Tendが上限値TmaxLを越えると推定された場合には、記録速度を下げてもよい。これは、記録速度を遅くすることにより、インク温度の上昇が抑制され、記録終了時の推定インク温度Tendを上限値TmaxL以下に抑えることができる。 例えば、画像記録装置1の下流にフィニッシャによる画像記録物の製本等の工程が続く場合に、画像記録装置1が指定された全画像記録物の画像記録に要する時間が同じだとしても、一定のペースで継続して記録し続ける方が効率がよい。このようなケースでは、記録速度を下げる対応が有効である。
次に、第3の実施形態について説明する。
本実施形態は、所望するページ数の画像記録が終了するまでに至るインク温度上昇量を推定し、各ページに対して、そのページの記録可不可判定を行う一形態である。
図6に示すフローチャートを参照して、本実施形態の記録可能インク温度の変更と記録可不可判断方法について説明する。尚、前述した第1,第2の実施形態と同等の動作を行うステップについては、同じステップ番号を付して、説明を簡略化する。
本実施形態の判定方法は、まず、ホスト装置2又は外部機器から画像記録装置1に送信された合計Nページ分の画像記録ジョブが入力する(ステップS21)。その画像記録ジョブにおける画像データの各ページについてiページ目のベタ記録量Aiを算出する(ステップS22)。
次に、画像データの各ページについて、i−1ページ目までの推定インク温度上昇量ΔTiを計算し、iページ目の記録開始時推定インク温度Tiを求める(ステップS31)と共に、温度センサ13により、現在のインク温度Tを検知する(ステップS3)。
画像データの全てのページに対して、ベタ記録量Aiが予め定めた規定のベタ記録量A0より大きいか否か[判定12]を判定する(ステップS24)。この判定12において、ベタ記録量Aiがベタ記録量A0より大きい場合には(YES)、通常設定されている第1のインク温度範囲に基づく画像記録となり、検出したインク温度Tが記録可能インク温度下限値Tmin以上か否か[判定2]を判定する(ステップS5)。この判定2において、インク温度Tが下限値Tmin以上であれば(YES)、インク温度Tが記録可能インク温度上限値Tmax以下か[判定3]を判定する。
判定2において、インク温度Tが下限値Tmin以上でなければ(NO)、インク温度Tが下限値Tmin以上でなければ(NO)、インク温度が低すぎるため、インクを加温し(ステップS9)、ステップS3の温度検出に戻る。
また、判定3でインク温度Tが上限値Tmax以下であれば(YES)、画像記録を実施する(ステップS7)。一方、インク温度Tが上限値Tmaxを越えていれば(NO)、インク温度が高すぎるため、インクを冷却し(ステップS11)、ステップS3の温度検出に戻る。
また、ステップS24における判定12で、ベタ記録量Aiがベタ記録量A0以下であった場合には(NO)、制御部11内での処理に使用する変数iに、i=1をセットする(ステップS32)。さらに、Aiが規定のベタ記録量A0以下か否か[判定8]を判定する(ステップS33)。
この判定8において、Aiが規定のベタ記録量A0以下であれば(YES)、推定インク温度Tiが第2のインク温度範囲における記録可能インク温度下限値TminL以上であるか否か[判定9]を判定する。さらに、この判定9において、推定インク温度Tiが記録可能インク温度下限値TminL以上ではなかった場合(NO)、変数iが画像記録ジョブの総ページ数Nに等しいか否か[判定10]、つまり、総ページ数Nまで画像記録ジョブ全頁について確認が行われたか否かを判定する。
この判定10で、変数iが総ページ数Nとは等しくない、即ち、iがNに達していなければ(NO)、変数iに1を足して(ステップS37)、ステップS33に戻る。一方、判定10において、変数iが総ページ数Nと等しければ(YES)、現在のインク温度Tが第2のインク温度範囲における記録可能インク温度上限値TmaxL以下か否か[判定5]を判定する(ステップS36)。この判定5において、インク温度Tが記録可能インク温度上限値TmaxL以下であれば(YES)、ステップS7に移行して画像記録を行う。一方、インク温度Tが記録可能インク温度上限値TmaxL以下でなれば(NO)、ステップS11に移行して、インクを冷却する。
また、ステップS33の判定8において、Aiが規定のベタ記録量A0以下でなければ(NO)、推定インク温度Tiが通常の、即ち第1のインク温度範囲における記録可能インク温度下限値Tmin以上か否か[判定11]を判定する。この判定11で、推定インク温度Tiが通常の記録可能インク温度下限値Tmin以上であった場合には(YES)、ステップS35へ移行する。一方、推定インク温度Tiが記録可能インク温度下限値Tmin以上ではなかった場合(NO)、及びステップS34の判定9において、推定インク温度Tiが記録可能インク温度下限値TminL以上ではなかった場合(NO)、共に、ステップS5に移行する。
そして、ステップS7において画像記録を行った後、画像記録は終了か否かを判定し(ステップS12)、終了でなければ(NO)、ステップS1に戻り、次の画像記録ジョブを入力する。一方、終了であれば(YES)、一連の画像記録動作を終了する。
本実施形態によれば、記録開始に先立って、連続記録によるインク温度上昇を見込んだ上で、記録可能インク温度範囲の変更を行ってよいか否かを判定している。この判定により、前述した第1の実施形態に対して、記録開始前のインク加温が必要となるケースが減り、より記録開始時間を速めることができる。
また本実施形態のフローチャートによる記録開始可否の判定をホスト装置2内のプリンタドライバ、又は画像記録装置1内のプリンタドライバで行うことにより、効率的に画像記録ジョブを処理する効果が得られる。以下に、この効果について説明する。
2名のユーザが、ホスト装置2を介して、例えば、10頁1部からなる画像記録ジョブAと、100頁100部からなる画像記録ジョブDとをそれぞれにプリンタで記録処理する例で説明する。
画像記録ジョブDは、画像記録ジョブAに対して、記録処理に時間がかかることが予め分かっており、ユーザも処理に時間を要することは容認している。
しかし、仕事の段取りから見て、少量の記録からなる画像記録ジョブAが先に、記録処理される方が好ましい。例えば、画像記録ジョブDが与えられた直後で開始前であった時に、画像記録ジョブAがプリンタドライバに与えられた場合、入力順に処理を行うのであれば、画像記録ジョブDの大量の連続記録によって、インク温度が上昇して、処理途中でインク冷却のために、記録処理が一時的に中断される可能性もある。従って、画像記録ジョブAを記録処理するユーザは、画像記録ジョブDの記録時間に加えて、インク冷却に必要な時間も待たされることも想定される。
そこで、本実施形態における記録開始可否判定を、この例に適用すると、画像記録ジョブA及び画像記録ジョブDのそれぞれについて、記録途中でインク冷却のために、記録処理が中断されるか否かを予測することができる。例えば、画像記録ジョブDの途中でインク冷却が必要と推測される場合には、処理の順番を入れ替えることにより、画像記録ジョブAを優先させて処理させることができる。
これにより、元々短時間で記録処理を済ませる予定であった画像記録ジョブAのユーザは、不要な時間を待つことなく、効率的に画像記録ジョブを処理でき、その記録結果を早々に入手することができる。尚、前述した各実施形態は、他の実施形態と組み合わせてもよい。
従って、記録する画像データによっては、画像品位の不本意な劣化を回避しつつも通常の記録モードよりも早く画像記録が開始でき、より大量の連続記録を実現する画像記録装置を提供することができる。
1…画像記録装置、2…ホスト装置、3…記録ヘッド、4…インク供給機構、5…制御部、11…インクタンク、12…インク供給路、13…温度センサ、14…インク温度調整部、21…画像データ解析部、22…メモリ、23…インク温度範囲設定部、24…温度判定部。

Claims (8)

  1. インクを吐出する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッド内のインク若しくは、前記記録ヘッドに供給されるインクのインク温度を検出するサーミスタと、
    前記サーミスタの出力結果に基づいて、予め定めた前記記録ヘッドのインク吐出温度範囲内に前記インク温度が入るように温度調整するインク温度制御手段と、
    前記記録ヘッドのインク吐出温度範囲内に、前記インク温度が入っている際に、前記記録ヘッドから前記インクを吐出させる制御を行う吐出制御部と、
    を有する画像記録装置であって、
    画像データの記録に先だって、記録される画像データに含まれるベタ記録量を算出し、比較による分析を行う画像データ解析手段と、
    前記画像データ解析手段が算出されたベタ記録量が、予め定めた規定値を越えると分析した際に、前記インク吐出温度範囲を第1の温度範囲に設定し、前記ベタ記録量が前記規定値以下と分析した場合には、前記インク吐出温度範囲を第1の温度範囲を含み且つ第1の温度範囲よりも広い温度範囲を有する第2の温度範囲に設定するインク吐出温度範囲設定手段と、
    を有することを特徴とする画像記録装置。
  2. 前記第1の温度範囲は、設計時に定められた画像記録装置の製品仕様を満たす前記記録ヘッドのインク吐出特性を保証するインク吐出温度範囲であり、
    前記第2の温度範囲は、前記記録ヘッドからインクを吐出できるインク吐出温度範囲であることを特徴とする請求項1記載の画像記録装置。
  3. 前記画像データ解析手段は、画像データの記録に先立って、当該画像データが記録された場合の記録終了時のインク温度を推測し、
    前記吐出制御部は、前記画像データ内のベタ記録量が規定値以下で、且つ前記画像データ解析手段によって推測されたインク温度が前記第2の温度範囲内に入る場合に、当該画像データの記録を開始することを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
  4. 前記画像記録装置において、
    記録する画像データが複数頁に亘る画像データであって、
    前記画像データ解析手段は、前記画像データの記録に先立って、当該画像データの全てに亘る記録の終了時のインク温度を推測すると共に、前記画像データの各頁におけるベタ記録量を分析し、
    前記吐出制御部は、前記画像データの全ての頁において、ベタ記録量が予め定めた規定値以下で、且つ前記画像データ解析手段によって推測されたインク温度が前記第2の温度範囲内に入る場合に、当該画像データの記録を開始することを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
  5. 前記画像記録装置において、
    記録する画像データがN頁(N:2以上の整数)に亘る画像データであって、
    前記画像データ解析手段は、前記画像データの記録に先立って、当該画像データのi−1頁目(i:2〜Nまでの整数)まで記録された場合のi頁目の記録開始時のインク温度を推測すると共に、前記画像データの各頁におけるベタ記録量を分析し、
    前記吐出制御部は、記録するi頁目の画像データ内のベタ記録量が規定値以下で、且つ前記画像データ解析手段によって推測された前記記録開始時のインク温度が前記第2の温度範囲内に入る場合に、当該画像データの記録を開始することを特徴とする請求項2記載の画像記録装置。
  6. 記録する画像データ内のベタ記録量を算出するベタ記録量算出ステップと、
    前記ベタ記録量算出ステップで算出されたベタ記録量と、予め定めた規定値とを比較するベタ記録量比較ステップと、
    前記ベタ記録量比較ステップで、前記ベタ記録量が前記規定値よりも多いと判断された場合に、前記記録ヘッドのインク吐出温度範囲を第1の温度範囲に設定し、
    前記ベタ記録量が前記規定値よりも少ないと判断された場合に、前記インク吐出温度範囲を第1の温度範囲を含み、且つ前記第1の温度範囲よりも広い温度範囲を有する第2の温度範囲に設定するインク吐出温度範囲設定ステップと、
    を有し、
    前記記録ヘッド内のインク温度若しくは前記記録ヘッドに供給するインク温度が、前記インク吐出温度範囲設定ステップで設定されたインク温度範囲内に入っている場合に前記画像データの記録を開始することを特徴とする画像記録装置の画像記録方法。
  7. 画像データの記録に先立って、当該画像データの記録終了時のインク温度を推測する記録終了時インク温度推測ステップと、
    前記ベタ記録量比較ステップで、前記ベタ記録量が前記規定値よりも少ないと判断された場合、前記インク温度検出ステップで検出されたインク温度及び、前記インク温度推測ステップで推測された記録終了時の推定インク温度が共に、前記第2のインク温度範囲内に入っている否かを判断する推定インク温度判定ステップと、
    を、さらに有し、
    前記推定インク温度が前記インク吐出温度範囲内に入っている場合に、前記画像データの記録を開始することを特徴とする請求項6記載の画像記録装置の画像記録方法。
  8. 画像データの記録に先立って、当該画像データのi−1頁目(i:2〜Nまでの整数)まで記録された場合のi頁目の記録開始時のインク温度を推測する記録開始時インク温度推測ステップと、
    前記画像データの各頁におけるベタ記録量を算出する頁毎ベタ記録量算出ステップと、
    を、さらに有し、
    前記頁毎ベタ記録量算出ステップで算出したi頁目の画像データ内のベタ記録量が、前記規定値以下で、且つ前記記録時インク温度推測ステップで推測された前記印刷開始時のインク温度が前記第2の温度範囲内の場合に、当該画像データの記録を開始することを特徴とする請求項6記載の画像記録装置の画像記録方法。
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JP2014226818A (ja) * 2013-05-20 2014-12-08 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置

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