JP2011061971A - オン時間固定方式dc−dcコンバータ - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング周波数のスペクトラム拡散を可能とするオン時間固定方式DC−DCコンバータを提供すること。
【解決手段】オン時間を、設定時間を平均値としてスイッチング周期に応じて可変に制御するオン時間計時回路を備えることで、オン時間の平均値を設定時間に維持しながら個々のスイッチング周期におけるオン時間を可変することにより、スイッチング周波数のスペクトラム拡散を可能とするオン時間固定方式DC−DCコンバータを提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、オン時間固定方式DC/DCコンバータのスペクトラム拡散に関するものである。
電子機器において、EMI(Electromagnetic Interference)の規格が存在する。そのため、EMIの規格を満たすために、製作者はEMIの対策を行う必要がある。
PWM制御方式のDC−DCコンバータにおいて、EMIの対策の1つとしてスペクトラム拡散が挙げられる(例えば、特許文献1)。三角波の周波数を変調させることによってスイッチング周波数をスペクトラム拡散する。一定の三角波で機能している時と比較して、発生するノイズのピークを低減させる技術である。
特開平7−264849
PWM制御方式のDC−DCコンバータにおいては、三角波の周波数を変調させることにより、スイッチング周波数のスペクトラム拡散を実現するものである。しかしながら、PWM制御方式以外の制御方式によってスイッチング動作するDC−DCコンバータでは、三角波によって制御されない場合も存在する。このような制御方式のDC−DCコンバータについては、スイッチング周波数のスペクトラム拡散を実現するために特許文献1に記載されている方式を用いることはできない。
本発明は、上記の課題に鑑み提案されたものであり、オン時間固定方式のDC−DCコンバータにおいて、オン時間を可変することにより、スイッチング周波数を可変して、スイッチング周波数のスペクトラム拡散を可能とするオン時間固定方式DC−DCコンバータを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の態様によれば、オン時間を、設定時間を平均値としてスイッチング周期に応じて可変に制御するオン時間計時回路を備えている。
また、本発明に係る第2の態様によれば、出力電圧を設定する基準電圧を、設定電圧を平均値として可変に制御する基準電圧回路を備えている。
本発明に係る第1及び第2の態様によれば、オン時間固定方式のDC−DCコンバータにおいて、オン時間の平均値を設定時間に維持しながら個々のスイッチング周期におけるオン時間を可変することにより、スイッチング周波数のスペクトラム拡散を可能とするオン時間固定方式DC−DCコンバータを提供することができる。また、基準電圧の平均値を設定電圧に維持しながら個々のスイッチング周期における基準電圧を可変することにより、スイッチング周波数のスペクトラム拡散を可能とするオン時間固定方式DC−DCコンバータを提供することができる。
第1実施形態のオン時間固定方式DC−DCコンバータ オン時間計時回路 可変容量回路 乱数信号における対応表 可変容量回路における静電容量の変化分布 第2実施形態のオン時間固定方式DC−DCコンバータ 第1の基準電圧生成回路 第2の基準電圧生成回路
図1を参照し、実施形態の一例としてオン時間固定方式DC−DCコンバータについて説明する。図1に示す100は、オン時間固定方式DC−DCコンバータの一例である。150は、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路の一例である。
オン時間固定方式DC−DCコンバータ100では、出力電圧(VO)の電圧値を設定値にするように制御が行われる。基準電圧(VREF)の電圧値をVREF、抵抗素子R1の抵抗値をRV1、及び抵抗素子R2の抵抗値をRV2として、設定値を数式で表すなら、設定値=((RV1+RV2)/RV2)×VREFとなる。以下、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100のうち、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150以外の部分について説明する。
入力電圧(VIN)が、NMOSトランジスタM1のドレインに入力されている。NMOSトランジスタM1のゲートは、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150の出力端子O1に接続されている。NMOSトランジスタM1のソースは、NMOSトランジスタM2のドレイン、及びコイルL1の一端に接続されている。NMOSトランジスタM2のゲートは、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150の出力端子O2に接続されている。NMOSトランジスタM2のソースは接地されている。
コイルL1の他端は、出力容量素子COの一端、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100の出力端子VO、及び抵抗素子R1の一端に接続されている。ここで、出力端子VOから出力される電圧が、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100の出力電圧(VO)である。また、コイルL1に流れる電流がコイル電流(IL)である。ここで、出力容量素子COの他端は接地されている。
抵抗素子R1の他端は、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150の帰還端子FB、及び抵抗素子R2の一端に接続されている。抵抗素子R2の他端は接地されている。抵抗素子R1と抵抗素子R2とは出力電圧(VO)を分圧する分圧回路の一例である。抵抗素子R1の他端と抵抗素子R2の一端との接続点が、分圧回路の分圧点である。ここで分圧回路からは分圧電圧(VFB)が出力される。
以上が、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100のうち、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150以外の部分である。なお、抵抗素子R1、抵抗素子R2、NMOSトランジスタM1、及びNMOSトランジスタM2の少なくともいずれか1つは、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150に備えられるものとしても良い。
次に、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150について説明する。
帰還端子FBは、誤差比較器ERCの反転入力端子に接続されている。誤差比較器ERCの非反転入力端子には、基準電圧(VREF)が入力される。ここで、誤差比較器ERCとは、一般的な比較器を備えるものである。
誤差比較器ERCの出力端子は、RSフリップフロップRSFFのセット端子Sに接続されている。ここで、誤差比較器ERCの出力端子から出力される信号を(ERRO)とする。RSフリップフロップRSFFのリセット端子Rには、オン時間計時回路1から出力される計時信号(TONO)が入力される。RSフリップフロップRSFFの出力端子Qは、駆動回路DLの入力端子INに接続されている。
オン時間計時回路1の詳しい説明については後述するが、ここで、簡単にオン時間計時回路1について説明する。オン時間計時回路1は、後述するRSフリップフロップRSFFの出力端子Qから出力される信号RSFFQがハイレベルに遷移してからの時間経過を計時する回路である。信号RSFFQがハイレベルに遷移してから所定時間が経過すると、オン時間計時回路1はハイレベルの計時信号(TONT)を出力する。また、所定時間は、回生信号(DVRL)がローレベルに遷移するごとに、一定の規則性をもって可変されるものとする。
ここで、一定の規則性とは、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100において、設定時間のオン時間でスイッチング動作が行われる割合を最も多くして、この設定時間を中心に、ある時間幅と出現頻度とでオン時間を増減することである。更に、設定時間を可変するオン時間の平均時間とする。これにより、最頻出である設定時間のオン時間を中心としてスイッチング周波数の増加、減少の何れの方向にも均等にばらつくこととなる。スイッチング周波数は、最頻出周波数に設定される周波数を中心に、周波数の増減何れの方向にも均等に周波数変位するスペクトラム拡散した状態とすることができる。
駆動回路DLの出力端子Q1は、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150の出力端子O1に接続されている。また、駆動回路DLの出力端子Q2は、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路150の出力端子O2に接続されている。ここで駆動回路DLの出力端子Q1から出力される信号を駆動信号(DRVH)、駆動回路DLの出力端子Q2から出力される信号を回生信号(DRVL)とする。
駆動回路DLは、入力端子INに入力される信号がハイレベルになると、出力端子Q1からハイレベルの駆動信号(DRVH)を出力する。また、出力端子Q2からローレベルの回生信号(DRVL)を出力する。逆に、入力端子INにローレベル信号が入力されると、出力端子Q1からローレベルの駆動信号(DRVH)を出力する。また、出力端子Q2からハイレベルの回生信号(DRVL)を出力する。
図2を参照して、オン時間計時回路1について説明する。図2がオン時間計時回路1の一例である。図2のオン時間計時回路1は、可変容量回路CTCを備えて、オン時間の変調を行う回路の例示である。
オン時間固定方式DC−DCコンバータ100の入力電圧(VIN)が抵抗素子R3の一端に入力されている。抵抗素子R3の他端は、抵抗素子R4の一端、及び増幅器AMP1の非反転入力端子に接続されている。抵抗素子R4の他端は接地されている。
増幅器AMP1の出力端子は、NPNトランジスタTR1のベースに接続されている。NPNトランジスタTR1のエミッタは、抵抗素子Rtの一端、及び増幅器AMP1の反転入力端子に接続されている。抵抗素子Rtの他端は接地されている。
NPNトランジスタTR1のコレクタは、PMOSトランジスタM3のドレイン、ゲート、及びPMOSトランジスタM4のゲートに接続されている。PMOSトランジスタM3、M4のソースには入力電圧(VIN)が入力されている。
PMOSトランジスタM4のドレインは、可変容量回路CTCの一端、NMOSトランジスタM5のドレイン、及び増幅器AMP2の非反転入力端子に接続されている。可変容量回路CTCの他端は接地されている。NMOSトランジスタM5のソースは接地されている。NMOSトランジスタM5のゲートには信号RSFFQの反転信号が入力される。
比較器CMP1の反転入力端子は、抵抗素子R5の一端と抵抗素子R6の一端が接続されている。抵抗素子R5の他端には出力電圧(VO)が入力されている。抵抗素子R6の他端は接地されている。比較器CMP1の出力端子から出力される信号が、オン時間設定信号(TONO)である。
次に、オン時間計時回路1の作用について説明する。増幅器AMP1により、抵抗素子Rtの一端は、入力電圧(VIN)を抵抗素子R3、R4で分圧した電圧に制御される。この電圧と抵抗素子Rtにより、NPNトランジスタTR1を介してPMOSトランジスタM3に流れる電流が設定される。カレントミラー動作により、PMOSトランジスタM3に流れる電流はPMOSトランジスタM4から流れでる。
回生信号(DRVL)がローレベルに遷移し、信号RSFFQがハイレベルになり、合わせて駆動信号(DRVH)がハイレベルに遷移して、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100のNMOSトランジスタM1の導通が開始する。このタイミングに同期して、NMOSトランジスタM5が非導通となり、PMOSトランジスタM4から流れでる電流は可変容量回路CTCの容量素子を充電する。充電により電位レベルが上昇し、抵抗素子R5、R6の分圧電圧値を超えると、比較器CMP1の出力信号であるオン時間設定信号(TONO)がハイレベルに遷移する。
オン時間設定信号(TONO)がハイレベルに遷移するとオン期間が終了する。後述するように、信号RSFFQがローレベルになり、駆動信号(DRVH)がローレベルに遷移し、合わせて回生信号(DRVL)がハイレベルに遷移して、NMOSトランジスタM1が非導通になると共にNMOSトランジスタM2が導通する。また、NMOSトランジスタM5が導通して、可変容量回路CTCの容量素子を放電する。
次に図3を参照し、可変容量回路CTCについて説明する。容量素子CT1〜CT3、及びCTを備えている。容量素子CT1の一端は、スイッチ素子SW1の一端に接続されている。容量素子CT2の一端は、スイッチ素子SW2の一端に接続されている。容量素子CT3の一端は、スイッチ素子SW3の一端に接続されている。スイッチ素子SW1〜SW3の他端は、容量素子CTの一端に接続されている。容量素子CT1〜CT3、及びCTの他端は接地されている。ここで各々の容量素子CT1〜CT3が有する静電容量は、CT1<CT2<CT3との関係を有しているものとする。
スイッチ素子SW1〜SW3の各々の制御端子には、乱数発生回路PRNから出力されている乱数信号vsm1〜vsm3が入力される。乱数信号vsm1〜vsm3によって、スイッチ素子SW1〜SW3が選択され導通する。図4に示すように、乱数信号vsm1によりスイッチ素子SW1が導通し、容量素子CTと容量素子CT1とが並列に接続される。また、乱数信号vsm2によりスイッチ素子SW2が導通し、容量素子CTと容量素子CT2とが並列に接続される。また、乱数信号vsm3によりスイッチ素子SW3が導通し、容量素子CTと容量素子CT3とが並列に接続される。
また、乱数発生回路PRNには回生信号(DRVL)が入力される。乱数信号は、回生信号(DRVL)に同期して発生する乱数を更新する。回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移するごとに、乱数信号が更新され、次の回生信号(DRVL)のローレベル遷移によるオン時間の計時開始に備える。また、回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移することに応じて可変とする場合を示したが、これに限られるものではない、スイッチング周期とは異なる外部のクロックに同期するようにしても良い。この場合、クロックの周波数をスイッチング動作に応じて可変に制御してもよい。
前述したオン時間の一定の規則性は、容量素子CTに容量素子CT1〜CT3の何れかが並列接続されることにより可変とされる。この場合、最頻出の中心周波数となるオン時間(設定時間)を計時する容量素子を、容量素子CTと容量素子CT2との並列接続に設定する。また、CT1〜CT3の静電容量の平均値を、容量素子CT2の静電容量となるように各容量素子CT1〜CT3を設定する。以上の設定に対して、乱数信号vsm1〜vsm3のうち、乱数信号vsm2の発生頻度を最も多くすると共に、乱数信号vsm1、vsm3の発生頻度を互いに同等とする。これにより、可変容量回路CTCの静電容量の変化分布は図5のごとく、CT+CT2の静電容量を中心として、左右対象に末広がりの分布に制御される。
次にオン時間固定方式DC−DCコンバータ100の作用について説明する。
分圧電圧(VFB)が基準電圧(VREF)よりも低く誤差比較器ERCの出力信号(ERRO)がハイレベルになることに応じて、RSフリップフロップRSFFがセット状態になる。すると、RSフリップフロップRSFFがハイレベル信号を出力する。このハイレベル信号が、駆動回路DLの入力端子INに入力されることにより、駆動回路DLの出力端子Q1からハイレベルの駆動信号(DRVH)が、出力信号Q2からローレベルの回生信号(DRVL)が出力される。
これにより、NMOSトランジスタM1がオン状態、NMOSトランジスタM2がオフ状態となる。入力電圧(VIN)からコイルL1にコイル電流(IL)が供給される。これに伴い、出力電圧(VO)が増加する。
コイルL1に入力電圧(VIN)から供給されるコイル電流(IL)は、RSフリップフロップRSFFがリセット状態になるまで流れ続ける。RSフリップフロップRSFFのリセットにより、駆動回路DLの入力端子INにローレベルの信号が入力され、駆動回路DLの出力端子Q1からローレベルの駆動信号(DRVH)が、出力信号Q2からハイレベルの回生信号(DRVL)が出力される。
RSフリップフロップRSFFのセットにより、信号RSFFQがハイレベル、回生信号(DVRL)がローレベルに遷移してから所定時間が経過するまで、オン時間計時回路1はハイレベルの信号を出力することは先述したとおりである。その後RSフリップフロップRSFFは、セット後の所定時間でリセットされる。これに伴い、駆動回路DLからは、ローレベルの駆動信号(DRVH)、及びハイレベルの回生信号(DRVL)が出力される。これにより、入力電圧(VIN)からコイルL1へのコイル電流(IL)の供給が遮断される。それまでにコイルL1に蓄積された電磁エネルギーは、NMOSトランジスタM2を介してコイル電流(IL)として、出力端子VOに放出される。
RSフリップフロップRSFFのリセット状態であるオフ時間は、RSフリップフロップRSFFのセット状態であるオン時間と共に、DC−DCコンバータの1周期となる。DC−DCコンバータは、入出力電圧や負荷電流により1周期でのオンデューティが定まる。オン時間固定方式DC−DCコンバータ100では、1周期でのオン時間が定められているので、入出力電圧や負荷電流に応じてオフ時間が調整され、所定の周波数でスイッチング動作が行われる。スペクトラム拡散は、この設定に対してオン時間を可変とすることで実現する。
第1実施形態の効果について説明する。
オン時間計時回路1によって、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100では、設定時間のオン時間でスイッチング動作する割合を最も多くして、このオン時間を中心に、ある時間幅と頻度でオン時間が増減してスイッチング動作が行われる。入出力電圧や負荷電流によってDC−DCコンバータ100のオンデューティは一定であるため、オン時間が変化することによりスイッチング周期が変化することとなる。これにより、オン時間固定方式のDC−DC100において、設定時間のオン時間でのスイッチング周波数を最頻出の周波数としてスペクトラム拡散を実現することができる。スイッチング動作によるノイズ成分のピークを減少することができる。
なお、計時回路1においては、図5に記されている通り、可変容量回路CTCの静電容量の変化分布を、CT+CT2の静電容量を中心として左右対象に末広がりの分布に制御する。なお、この場合、容量値の切り替えは、RSフリップフロップRSFFがセット状態に遷移されることに応じて行われる。静電容量の中心値(CT+CT2)により設定時間のオン時間が設定され、この設定時間がオン時間の平均値となる。スペクトラム拡散されたスイッチング動作の平均周波数は、入出力電圧や負荷電流によって設定されるオンデューティと設定時間のオン時間とにより定められる周波数とされる。
また、可変容量回路CTCの容量値の可変制御の方式として、図3に示す容量値の切り替えによる制御を説明した。この他の方式として、可変容量回路CTCとして可変容量素子を備えることもできる。乱数発生回路PRNから出力される乱数信号vsm1〜vsm3をアナログ電圧信号とし可変容量素子にバイアスすることにより、容量値を可変に制御することができる。
また、オン時間計時回路1において、可変容量回路CTCの容量値の可変制御を行う以外にもオン時間を可変に制御してスペクトラム拡散を行うことは可能である。例えば、可変容量回路CTCの静電容量を固定として、可変容量回路CTCを充電する電流を可変させても良い。
この場合、オン時間計時回路1(図2)における可変容量回路CTCに代えて容量素子CTを備え、抵抗素子Rtに代えて可変抵抗回路を備えればよい。ここで、可変抵抗回路
の一例について示す。
不図示ではあるが可変容量回路は、図3にて記載した容量素子CTの個所に抵抗素子RTが接続され、容量素子CT1の個所に抵抗素子RT1が接続され、容量素子CT2の個所に抵抗素子RT2が接続され、容量素子CT3の個所に抵抗素子RT3が接続されている。ここで各々の抵抗素子RT1〜RT3が有する抵抗成分は、RT1<RT2<RT3との関係を有しているものとする。
スイッチ素子SW1〜SW3の各々の制御端子には、乱数発生回路PRNから出力されている乱数信号vsm1〜vsm3が入力される。乱数信号vsm1〜vsm3によって、スイッチ素子SW1〜SW3が選択され導通すること及び導通する制御端子は可変容量回路と同様である。
なお、乱数発生回路PRNに回生信号(DRVL)が入力されること。乱数信号は、回生信号(DRVL)に同期して発生する乱数を更新すること。回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移するごとに、乱数信号が更新され、次の回生信号(DRVL)のローレベル遷移によるオン時間の計時開始に備えることは可変容量回路CTCと同様である。また、回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移することに応じて可変とする場合を示したが、これに限られるものではない、スイッチング周期とは異なる外部のクロックに同期するようにしても良い。この場合、クロックの周波数をスイッチング動作に応じて可変に制御してもよい。
図5は、可変容量回路CTCの静電容量の変化分布を左右対象に末広がりに制御する場合の分布である。横軸を静電容量でなく可変容量回路CTCを充電する電流として、設定電流の電流値を中心として、左右対象に末広がりの分布に制御することにより、可変容量回路CTCの容量値を可変制御した場合に得られるオン時間の制御と同様の制御が得られ、同様のスペクトラム拡散を行うことができる。
また、オン時間計時回路1(図2)における可変容量回路CTCに代えて容量素子CTを備え、容量素子CTを充電する電流も一定値である場合、抵抗素子R5、R6の少なくとも何れか一方を可変として、増幅器AMP2の反転入力端子に入力される電圧を可変させても良い。図5において、横軸を静電容量でなく比較器CMP1の反転入力端子に入力される電圧として、比較器CMP1の反転入力端子に入力される設定電圧値を中心として、左右対象に末広がりの分布に制御することにより、可変容量回路CTCの容量値を可変制御した場合に得られるオン時間の制御と同様の制御が得られ、同様のスペクトラム拡散を行うことができる。
更に、可変容量回路CTCまたは容量素子CTを充電する電流を可変に制御するその他の方式として、PMOSトランジスタM3、M4を備えるカレントミラー回路に流れる電流に対して、可変電流を加算あるいは減算すればよい。例えば、PMOSトランジスタM3、M4から出力される電流に可変電流を加算して可変容量回路CTCまたは容量素子CTを充電することができる。また、PMOSトランジスタM3、M4から出力される電流に可変電流を減算して可変容量回路CTCまたは容量素子CTを充電することができる。
次に、図6を参照し、第2実施形態のオン時間固定方式DC−DCコンバータについて説明する。ここで、第1実施形態と同様な個所は、第1実施形態と同符号で記し説明を省略する。図6に記す200が、第2実施形態のオン時間固定方式DC−DCコンバータである。250が、オン時間固定方式DC−DCコンバータ制御回路である。
オン時間固定方式DC−DCコンバータ200では、オン時間固定方式DC−DCコンバータ100におけるオン時間計時回路1に代えて、固定時間計時回路2が備えられている。また、誤差比較器ERCの非反転入力端子には、基準電圧(VREF)に代えて、第1の基準電圧生成回路3から出力される基準電圧(VREF1)が入力される。なお、第1の基準電圧生成回路3には回生信号(DRVL)が入力される。
ここで、固定時間計時回路2について説明する。固定時間計時回路2は、第1実施形態に記載したオン時間計時回路1と同様にオン時間を計時する回路である。不図示であるが、固定時間計時回路2は、オン時間計時回路1に記載した可変容量回路CTCに代えて容量素子CTを備える回路である。オン時間を一定の時間に計時してハイレベル信号を出力する。
更に、第1の基準電圧生成回路3について説明する。図7に例示する。抵抗素子R7の一端には、定電圧(VREF0)が入力されている。また抵抗素子R7の一端は、スイッチ素子SW4の一端に接続されている。抵抗素子R7の他端は、抵抗素子R8の一端及びスイッチ素子SW5の一端に接続されている。抵抗素子R8の他端は、抵抗素子R9の一端及びスイッチ素子SW6の一端に接続されている。抵抗素子R9の他端は接地されている。
抵抗素子R7〜R9は分圧器の一例である。スイッチ素子SW4の他端、スイッチ素子SW5の他端、及びスイッチ素子SW6の他端は共通に接続されている。この接続点から基準電圧(VREF1)が出力される。
スイッチ素子SW4〜SW6の各々の制御端子には、乱数発生回路PRNから出力されている乱数信号vsm1〜vsm3が入力される。乱数信号vsm1〜vsm3によって、スイッチ素子SW4〜SW6が選択され導通する。
乱数信号vsm1によりスイッチ素子SW4が導通し、基準電圧(VREF1)の電圧値が、定電圧(VREF0)の電圧値として出力される。乱数信号vsm2によりスイッチ素子SW5が導通し、定電圧(VREF0)の電圧値から抵抗素子R7で電圧降下された電圧が基準電圧(VREF1)として出力される。また、乱数信号vsm3によってスイッチ素子SW6が導通し、定電圧(VREF0)から抵抗素子R7及びR8で電圧降下された電圧が基準電圧(VREF1)として出力される。
また、乱数発生回路PRNには回生信号(DRVL)が入力される。乱数信号は、回生信号(DRVL)に同期して発生する乱数を更新する。回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移することに応じて乱数信号が更新され、次の回生信号(DRVL)のローレベル遷移によるオン時間の計時開始に備える。乱数信号の更新に応じて、基準電圧(VREF1)が段階的に切り替えられる。なお、乱数信号vsm2の発生頻度を最も多くすると共に、乱数信号vsm1、vsm3の発生頻度を互いに同等とする。従って、乱数信号vsm2によりスイッチ素子SW5が導通し、定電圧(VREF0)の電圧値から抵抗素子R7で電圧降下された電圧が設定値である基準電圧(VREF1)となるように設定される。また、回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移することに応じて可変とする場合を示したが、これに限られるものではない、スイッチング周期とは異なる外部のクロックに同期するようにしても良い。この場合、クロックの周波数をスイッチング動作に応じて可変に制御してもよい。
次にオン時間固定方式DC−DCコンバータ200の作用について説明する。
分圧電圧(VFB)が基準電圧(VREF1)よりも低く誤差比較器ERCの出力信号(ERRO)がハイレベルになることに応じて、RSフリップフロップRSFFがセット状態になる。すると、RSフリップフロップRSFFがハイレベル信号を出力する。このハイレベル信号が、駆動回路DLの入力端子INに入力されることにより、駆動回路DLの出力端子Q1からハイレベルの駆動信号(DRVH)が、出力信号Q2からローレベルの回生信号(DRVL)が出力される。
これにより、NMOSトランジスタM1がオン状態、NMOSトランジスタM2がオフ状態となる。入力電圧(VIN)からコイルL1にコイル電流(IL)が供給される。これに伴い、出力電圧(VO)が増加する。
コイルL1に入力電圧(VIN)から供給されるコイル電流(IL)は、RSフリップフロップRSFFがリセット状態になるまで流れ続ける。RSフリップフロップRSFFのリセットにより、駆動回路DLの入力端子INにローレベルの信号が入力され、駆動回路DLの出力端子Q1からローレベルの駆動信号(DRVH)が、出力信号Q2からハイレベルの回生信号(DRVL)が出力される。
RSフリップフロップRSFFのセットにより、信号RSFFQがハイレベルに遷移してから所定時間が経過するまで、固定オン時間計時回路2はハイレベルの信号を出力する。その後、RSフリップフロップRSFFは、セット後の所定時間でリセットされる。これに伴い、駆動回路DLからは、ローレベルの駆動信号(DRVH)、及びハイレベルの回生信号(DRVL)が出力される。これにより、入力電圧(VIN)からコイルL1へのコイル電流(IL)の供給が遮断される。それまでにコイルL1に蓄積された電磁エネルギーは、NMOSトランジスタM2を介してコイル電流(IL)として、出力端子VOに放出される。
RSフリップフロップRSFFのリセット状態であるオフ時間は、RSフリップフロップRSFFのセット状態であるオン時間と共に、DC−DCコンバータの1周期となる。DC−DCコンバータは、入出力電圧や負荷電流により1周期でのオンデューティが定まる。オン時間固定方式DC−DCコンバータ200では、1周期でのオン時間が定められているので、基本的な動作として、オフ時間も所定の時間となり、結果、スイッチング周波数が定まる。この基本動作に対して、第2実施形態では、出力電圧(VO)を分圧した分圧電圧(VFB)との間で誤差増幅される基準電圧(VREF1)が可変制御される。これにより、分圧電圧(VFB)と基準電圧(VREF1)との電圧レベルの一致タイミングがずれ、オフ時間が変化する。このオフ時間の変化により、スイッチング周波数が変化しスペクトラム拡散を行うことができる。
この場合、基準電圧(VREF1)の平均値は、入出力電圧の条件で設定される電圧値とする。更に、この平均値を最頻出値として基準電圧(VREF1)を可変に制御する。これにより、出力電圧(VO)の平均値を基準電圧(VREF1)により設定される電圧値に維持しながら、スイッチング動作に応じたスイッチング周波数を可変とする。
第2実施形態の効果について説明する。
オン時間固定方式DC−DCコンバータ200では、基準電圧(VREF1)が可変制御される。これにより、オン時間が固定であることからオフ時間が変化する。オフ時間が変化することによって、スイッチング周波数が変化しスペクトラム拡散を行うことができる。スイッチング動作によるノイズ成分のピークを減少することができる。
図7に例示した第1の基準電圧生成回路3では、基準電圧(VREF1)を、回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移することに応じて、段階的に切り替える回路方式である。しかしながら、基準電圧(VREF1)の切り替え方式はこれに限られない。段階的な変位に代えて連続的(スロープ状)に可変させても良い。
図8は基準電圧を連続的(スロープ状)に可変させる第2の基準電圧生成回路10である。増幅器AMP3の非反転入力端子に定電圧(VREF0)が入力されている。誤差増幅器AMP3の出力端子は、NPNトランジスタTR2のベースに接続されている。NPNトランジスタTR2のコレクタには入力電圧(VIN)が入力されている。NPNトランジスタTR2のエミッタは増幅器AMP3の反転入力端子、抵抗素子RS1の一端、NMOSトラジスタM6のソース、及び容量素子CT5の一端に接続されている。
抵抗素子RS1の他端は、接地されている。容量素子C2の他端は、可変電流源ISLPの一端、及びNMOSトランジスタM6のドレインに接続されている。容量素子C2の他端から出力される電圧が基準電圧(VREF1)である。可変電流源ISLPの他端には入力電圧(VIN)が入力されている。NMOSトランジスタM6のゲートにはノットゲートNOT1を介して回生信号(DRVL)が入力されている。
ここで、第2の基準電圧生成回路10の作用について説明する。第2の基準電圧生成回路10は、回生信号(DRVL)の論理レベルがハイレベルに遷移することに応じて、基準電圧(VREF1)にスロープを付加する。可変電流源ISLPから出力される電流が容量素子C2に蓄えられ、基準電圧(VREF1)の電圧値が徐々に増加する。
そして、回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルに遷移することに応じてNMOSトランジスタM6が導通する。これにより、基準電圧(VREF1)は定電圧(VREF0)に初期化される。
ここで、可変電流回路ISLPによって流れる電流を可変とすることにより、回生信号(DRVL)の論理レベルがハイレベルに遷移した後、ローレベルに遷移するまでの間、基準電圧(VREF1)に付与される電圧値のスロープを可変とすることができる。これにより、図6において、誤差比較器ERCにて基準電圧(VREF1)からの分圧電圧(VFB)が比較されて誤差比較器ERCの出力端子から出力される。出力端子から出力される信号の反転タイミングが変化してスイッチング周期が変化する。
ここで、可変電流回路ISLPによって流れる電流を可変とすることに代えて、定電圧(VREF0)または容量素子C2の少なくともいずれか一方を可変としても良い。また、回生信号(DRVL)の論理レベルがローレベルからハイレベルに遷移することに応じて可変とする場合を示したが、これに限られるものではない、スイッチング周期とは異なる外部のクロックに同期するようにしても良い。この場合、クロックの周波数をスイッチング動作に応じて可変に制御してもよい。
ここで、オン時間計時回路1は、請求項のオン時間計時回路の一例である。抵抗素子R3、抵抗素子R4、増幅器AMP1、NPNトランジスタTR1、抵抗素子Rt、PMOSトランジスタM3、及びPMOSトランジスタM4の接続関係は、請求項の定電流回路の一例である。可変容量回路CTCは、請求項の参照電圧回路の一例である。NMOSトランジスタM5は、請求項のリセット回路の一例である。基準電圧(VREF1)は、請求項の基準電圧の一例である。基準電圧生成回路3は、請求項の基準電圧回路の一例である。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、オン時間固定方式のDC−DCコンバータにおいて、オン時間を可変することにより、スイッチング周波数を可変して、スイッチング周波数のスペクトラム拡散を行うことができる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内での種々の改良、変更が可能であることは言うまでもない。
以下、発明の諸態様を付記としてまとめる。
(付記1)
オン時間を、設定時間を平均値としてスイッチング周期に応じて可変に制御するオン時間計時回路を備えることを特徴とするオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
(付記2)
前記オン時間計時回路は、
定電流回路と、
計時開始を契機に前記定電流回路からの電流を充電または放電する容量素子と、
前記容量素子から出力される電圧と参照電圧とを比較する比較器と、
前記参照電圧を出力する参照電圧回路とを備え、
前記定電流回路から出力される電流値、前記容量素子の容量値、または前記参照電圧回路から出力される前記参照電圧の電圧値の少なくとも何れか一つが可変に制御されることを特徴とする付記1に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
(付記3)
オフ時間に、前記容量素子を初期化するリセット回路を備えることを特徴とする付記2に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
(付記4)
出力電圧を設定する基準電圧を、設定電圧を平均値として可変に制御する基準電圧回路を備えることを特徴とするオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
(付記5)
前記基準電圧回路は、前記基準電圧をスイッチング周期に応じて可変に制御することを特徴とする付記4に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
(付記6)
前記基準電圧回路は、前記基準電圧をスイッチング周期とは異なる同期信号に応じて可変に制御することを特徴とする付記4に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
(付記7)
前記同期信号は、その周期が可変とされることを特徴とする付記6に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
(付記8)
前記基準電圧回路が前記基準電圧を連続的に変化する場合、前記基準電圧、又は前記基準電圧の変化傾きの少なくとも何れか一方は、可変に制御されることを特徴とする付記4乃至7の少なくとも何れか1つに記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
1 オン時間計時回路
3 第1の基準電圧生成回路
AMP1 増幅器
CTC 可変容量回路
M3、M4 PMOSトランジスタ
M5 NMOSトランジスタ
R3、R4、Rt 抵抗素子
TR1 NPNトランジスタ

Claims (6)

  1. オン時間を、設定時間を平均値としてスイッチング周期に応じて可変に制御するオン時間計時回路を備えることを特徴とするオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
  2. 前記オン時間計時回路は、
    定電流回路と、
    計時開始を契機に前記定電流回路からの電流を充電または放電する容量素子と、
    前記容量素子から出力される電圧と参照電圧とを比較する比較器と、
    前記参照電圧を出力する参照電圧回路とを備え、
    前記定電流回路から出力される電流値、前記容量素子の容量値、または前記参照電圧回路から出力される前記参照電圧の電圧値の少なくとも何れか一つが可変に制御されることを特徴とする請求項1に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
  3. オフ時間に、前記容量素子を初期化するリセット回路を備えることを特徴とする請求項2に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
  4. 出力電圧を設定する基準電圧を、設定電圧を平均値として可変に制御する基準電圧回路を備えることを特徴とするオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
  5. 前記基準電圧回路は、前記基準電圧をスイッチング周期に応じて可変に制御することを特徴とする請求項4に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。
  6. 前記基準電圧回路は、前記基準電圧をスイッチング周期とは異なる同期信号に応じて可変に制御することを特徴とする請求項4に記載のオン時間固定方式DC−DCコンバータ。

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