JP2011059812A - Cad設計装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】多層基板の層間配線を円滑に行うこと。
【解決手段】操作時間抽出部11は、CADシステム上で多層基板の層間を配線するためのVIA(ビア)の入力に伴う操作時間を抽出する。重ね表示制御部12は、VIAの入力により層間配線が開始される開始層と、VIAを介する層間配線の終端とする終端層とが選択された場合に、開始層から終端層までの層のうち少なくとも1つの層の配線画像を開始層の配線画像に重ねて表示させる。押退け表示制御部13は、終端層が選択された後に操作時間抽出部11によって抽出された操作時間から定まる所定時間が経過したか否かを監視する。そして、押退け表示制御部13は、終端層が選択されてから所定時間が経過した場合には、VIAの入力以前に配置されている配置物がVIAの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層基板の層間配線の設計を支援するCAD設計装置に関する。
近年、電子部品、電子回路やプリント基板に代表される各種の基板の実装設計の作業効率を高めるためにCAD(Computer Aided Design)システムが利用されている。このような基板としては、層が多層から形成される多層基板がある。かかる多層基板の層間を配線する場合には、CADシステムが備える表示部上で層の表裏を貫通する穴、いわゆるVIA(ビア)が設計者によって入力される。
このとき、設計者は、VIAの入力によって層間で新たに配線される信号線と既存の信号線とが重なって短絡することを避けるために、層間配線される複数の層の配線状況を互いに確認しながらVIAを入力する。かかる配線状況の確認を支援する技術としては、層間の切替表示(従来技術1)、3次元表示(従来技術2)や他層の透かし表示(従来技術3)などが使用される。
これら従来技術1〜3を図9〜図11を用いて説明する。図9〜図11は、L1〜L4の多層プリント基板の実装設計を行う場合の画面表示の一例を示している。なお、L1とは、4つある層のうち下から1番目の層を指す。L2とは、4つある層のうち下から2番目の層を指す。L3とは、4つある層のうち下から3番目の層を指す。また、L4とは、4つある層のうち下から4番目の層を指す。ここでは、L4における所定のVIA挿入予定箇所へVIAを入力してL1まで貫通した場合に、L4からL1へ貫通して配線される信号線がL1の既存の信号線と重なるか否かを設計者に確認させる場合を想定して説明を行う。
これら図9〜図11の例では、CADシステムは、電子部品の配置状況、電子部品間を接続する信号線やVIAなどを含むL4の配線状況を表示するとともに、図中左側にはVIAを介する層間配線の終端とする層を選択する層選択ウィンドウを表示する。
このうち、従来技術1では、CADシステムは、図9に示すように、表示対象とするL1〜L4の層を切り替えるアイコンを含む層切替ウィンドウを表示する。また、CADシステムは、画面上で設計者によりL1の層が指定されるとL4の画面表示からL1の画面表示へ切替表示する。このように、設計者は、L4からL1へ層の画面表示を切り替えてVIA挿入予定箇所に対応するL1の配線状況を目視し、VIA入力により層間配線される信号線がL1の既存の信号線と重なることを確認する。
また、従来技術2では、CADシステムは、図10に示すように、L4の配線状況の平面図とともに、L1〜L4の各層の配線状況およびVIA挿入予定箇所を立体化した3次元の斜視図を別のウィンドウで表示する。これらL4の配線状況の平面図と3次元の斜視図とを互いに対比することにより、設計者は、VIA入力によって層間配線される信号線がL1の既存の信号線と重なることを確認する。
また、従来技術3では、CADシステムは、図11に示すように、透かし表示制御の内容を設定するための透かし設定ウィンドウを表示する。
この透かし設定ウィンドウの項目のうち対象層の項目においては、設計者は、対象層の項目においてL1〜L4の層の中から透かし表示させる層を選択できる。さらに、CADシステムは、「全層」が選択された場合には信号線の他に電極や電源を含む表示を透かし表示させたり、「全信号層」が選択された場合には電極や電源を除いて透かし表示させたりすることもできる。
また、対象要素の項目においては、設計者は、信号線(ライン)、部品ピン、VIA(ビア)やランドなどの部品の中から表示対象とする部品を選択することができる。また、表示範囲の項目では、設計者は、VIA挿入予定箇所を中心とする半径を指定することによって透かし表示させる円の範囲を指定させることができる。さらに、明るさの項目では、設計者は、透かし表示する層の明るさを指定することができる。
このようにして透かし設定ウィンドウの項目が設定されると、従来技術3に係るCADシステムは、設定された対象層、対象要素、表示範囲や明るさなどの各種項目にしたがってVIA挿入予定箇所の周辺を透かし表示する。この透かし表示によって、設計者は、L4におけるVIA挿入予定箇所の周辺とL1の既存の信号線とが重なることを把握する。
特開平11−312184号公報
しかしながら、上記の従来技術1〜3では、以下のように、多層基板の層間配線を円滑に行うことができないという問題がある。
すなわち、上記の従来技術1は、プリント基板の層間配線を行う場合に、設計者が表示対象とする層を切り替える操作を行わなければならない。このため、切替操作の間は、設計者の思考が中断され、さらに、切替後には、設計者は切替前の画面表示を思い浮かべながらVIAを入力するか否かを思考しなければならない。
また、上記の従来技術2は、2つの画面を別々に表示するので、両者の画面の距離が離れてしまう。また、一方の画面で設計用の平面図を表示する一方で他方の画面で斜視図を表示するので、表示する図面データの視点が両画面の間で異なってしまう。このため、設計者は、両方の画面へ目線を互いに切り替えて確認しなければならず、その間の思考が途切れるとともに、一方の画面の図面を他方の画面の視点へ変換する思考を行った上で層間配線の是非を思考しなければならない。
また、上記の従来技術3では、VIAを入力する層とそれ以外の他層とを目線を切り替えずに確認できるものの、透かし表示を行う対象、例えば層、部品、範囲や明るさなどの項目を設計者が設定せねばならず、設計者の思考が途切れてしまう。
また、上記の従来技術では、VIAを入力した場合の影響を判断してVIAを入力すべきか、或いは層を変更すべきかを決定する必要がある。この場合、上記の従来技術1〜3では、VIAを挿入した後でしかVIA挿入後の配線状況を確認できない、或いは、自動的に配線が押し退けされてしまい、押し退け前の配線状況が分からない状態となる。このため、設計者にとっては、VIAを入力すべきか、或いは層を変更すべきかの判断が難しく、VIAの入力後に入力を取り消す操作を行ってVIAの入力前の状態に戻さなければならない。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、多層基板の層間配線を円滑に行うことができるCAD設計装置を提供することを目的とする。
本願の開示するCAD設計装置は、CADシステム上で多層で形成される基板の層間を配線するためのビアの入力に伴う操作時間を抽出する操作時間抽出部と、前記ビアの入力により層間配線が開始される開始層と、前記ビアを介する層間配線の終端とする終端層とが選択された場合に、前記開始層から前記終端層までの層のうち少なくとも1つの層の配線画像を前記開始層の配線画像に重ねて表示させる重ね表示制御部と、前記終端層が選択された後に前記操作時間抽出部によって抽出された操作時間から定まる所定時間が経過した場合に、前記ビアの入力以前に配置されている配置物が前記ビアの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示させる押し退け表示制御部とを有する。
本願の開示するCAD設計装置の一つの態様によれば、多層基板の層間配線を円滑に行うことができるという効果を奏する。
図1は、実施例1に係るCAD設計装置の構成を示す図である。 図2は、実施例2に係るCAD設計装置の構成を示すブロック図である。 図3は、実施例2に係る層間配線支援処理の手順を示すフローチャート(1)である。 図4は、実施例2に係る層間配線支援処理の手順を示すフローチャート(2)である。 図5は、配線画面の一例を示す図である。 図6は、重ね表示がなされた配線画面の一例を示す図である。 図7は、押退け処理が施された配線画面の一例を示す図である。 図8は、CAD設計プログラムを実行するコンピュータを示す図である。 図9は、従来技術1における層間の切替表示を説明するための図である。 図10は、従来技術2における3次元表示を説明するための図である。 図11は、従来技術3における他層の透かし表示を説明するための図である。
以下に、本願の開示するCAD設計装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例は開示の技術を限定するものではない。
図1は、実施例1に係るCAD設計装置の構成を示す図である。図1に示すCAD設計装置10は、基板の層が多層で形成される多層基板の設計を支援するものであり、操作時間抽出部11と、重ね表示制御部12と、押退け表示制御部13とを有する。
このうち、操作時間抽出部11は、CADシステム上で多層基板の層間を配線するためのVIA(ビア)の入力に伴う操作時間を抽出する。具体的には、操作時間抽出部11は、所定の入力デバイスを介して入力されるVIAに関する操作情報を取得し、予め計測対象として定められた操作が行われてから別途定められた操作が行われるまでの間隔を操作時間として計測する。
重ね表示制御部12は、VIAの入力により層間配線が開始される開始層と、VIAを介する層間配線の終端とする終端層とが選択された場合に、開始層から終端層までの層のうち少なくとも1つの層の配線画像を開始層の配線画像に重ねて表示させる。
押退け表示制御部13は、終端層が選択された後に操作時間抽出部11によって抽出された操作時間から定まる所定時間が経過したか否かを監視する。そして、押退け表示制御部13は、終端層が選択されてから所定時間が経過した場合には、VIAの入力以前に配置されている配置物がVIAの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示させる。
すなわち、押退け表示制御部13は、操作時間抽出部11によって抽出された操作時間から所定の統計手法を用いて定められた所定時間が経過したことを契機に、押退け処理が施されていない配線画像から押退け処理が施された配線画像へ表示を変更する。
このため、過去の操作時間に基づく所定時間が経過するまでは、設計者は、既存の配置物と層間配線が重複する配線画像(押退け処理なしの配線画像)を確認して、VIAの挿入を予定する箇所が適切な場所であるか否かの妥当性を思考することができる。例えば、設計者は、既存の配置物と層間配線する信号線との優先度を考慮に入れながら、VIAを挿入する箇所を別の箇所に移動した方が適切か否か、或いは移動する場合にはその周辺でVIAを挿入することが可能であるか否かなどを思考することができる。
また、所定時間が経過してからは、設計者は、押退け処理が施された配線画像を確認して、VIAの挿入によって既存の配置物が押し退けられた場合に層間配線が既存の配置物に与える影響度を判断することができる。
このように、CAD設計装置10では、既存の配置物を押し退けた押退け表示を開始する前に既存の配置物が押し退けられる前の状況を確認するための思考時間を設計者に提供することができる。このため、設計者は、層間配線を思考が途切れることなく行うことができ、さらに、かかる層間配線を行うためにVIAの入力操作およびその取消操作を繰り返さずともよくなる。したがって、本実施例に係るCAD設計装置10によれば、多層基板の層間配線を円滑に行うことが可能になる。
続いて、実施例2に係るCAD設計装置10について説明する。なお、ここでは、CAD設計装置10の構成を説明してからCAD設計装置10で行われる処理の流れを説明することとする。
[CAD設計装置30の構成]
図2は、実施例2に係るCAD設計装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、このCAD設計装置30は、入力部31と、表示部32と、記憶部33と、制御部34とを有する。
このうち、入力部31は、各種情報、例えばCADシステム35に対する指示入力を受け付ける入力デバイスであり、例えば、キーボードやマウスなどである。なお、後述の表示部32も、マウスと協働して、ポインティングデバイス機能を実現する。また、表示部32は、各種の情報、例えば層間の画像を表示する表示デバイスであり、例えば、モニタ、ディスプレイやタッチパネルなどである。
記憶部33は、例えば、フラッシュメモリ(flash memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置である。なお、記憶部33は、上記の種類の記憶装置に限定されるものではなく、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)であってもよい。
この記憶部33は、制御部34で実行される各種プログラム(例えば、OS(Operating System)やCADシステム)やそのプログラムの実行に必要なデータ(いわゆる、多層基板における各層の作図情報であるCADデータ)を記憶する。例えば、記憶部33は、計測点情報33aと、操作時間情報33bと、押退け情報33cとを記憶する。
計測点情報33aは、操作時間を計測するための計測点の時刻およびその時刻になされた操作の種別を含む情報である。この計測点とは、後述する特定の操作がなされた時点を指し、その時刻および操作種別が後述の操作時間抽出部35aによって計測点情報33aとして登録される。なお、操作種別としては、例えばVIAの終端層の選択に対応するホイール操作やVIAの入力確定に対応するクリック操作などがある。
操作時間情報33bは、後述する操作時間抽出部35aによって抽出された操作時間およびその種別を含む情報である。この操作時間の種別には、層間配線の終端層が選択されてから別の層が終端層として再選択されるまでの「再選択期間」および層間配線の終端層が選択されてからVIAの入力が確定されるまでの「入力確定期間」に大別される。
押退け情報33cは、後述する押退け表示制御部35cによる押退け処理結果として得られた配線画像を含む情報である。この配線画像は、押退け処理により層間配線の経路上に所在していた既存の配置物が層間配線と重ならないように押し退けられた画像であり、押退け表示制御部35cによって登録または削除が行われる。
制御部34は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路、または、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
この制御部34は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。制御部34は、図2に示すように、多層基板の層間配線を支援するアプリケーションであるCADシステム35を有し、CADシステム35が操作時間抽出部35aと、重ね表示制御部35bと、押退け表示制御部35cとを含む。
このうち、操作時間抽出部35aは、入力部11を介して取得される操作情報からVIAの入力に伴う操作時間を抽出する処理部である。なお、以下では、ホイールマウス(以下、単にマウスという)を用いてVIAの入力に伴う操作が行われるケースを例示しながら操作時間抽出部35aによる操作時間の抽出を説明することとする。なお、ここでは、マウスを使用して操作が行われる場合を例示するが、必ずしもマウスの使用に限定されない。例えば、マウス以外にもトラックボール、キーボードやボタンなどの他の入力デバイスを用いることができる。
ここで、操作時間抽出部35aの処理内容に関する説明を行う前にマウスに含まれる部位の操作とそれに割り当てられたCADシステム35のコマンドとの対応関係を例示する。
マウスの移動操作には、移動方向と同じ方向に向かって信号線を配線する配線コマンドが割り当てられる。例えば、CADシステム35は、マウスが右方向に移動操作されると、表示部32に表示される配線画像上で操作直前の信号線の終端位置から右方向へ信号線を配線する描画処理を実行する。
なお、ここでは、マウスを右方向へ移動操作される場合を例示したが、左右、前後、斜めのいずれの方向にマウスが移動操作された場合にも同様の描画処理が実行される。また、マウスの移動操作で信号線の配線を描画させる場合を説明したが、マウスのボタンを押下したままの状態でマウスを移動させる操作、いわゆるドラッグ操作が行われてはじめてCADシステム35に信号線の配線を描画させることとしてもよい。
また、マウスのホイール操作には、VIAの開始層及び終端層の選択コマンドが割り当てられている。具体的には、CADシステム35は、ホイールが回転操作されると、その回転操作が行われる直前まで信号線の配線が実行されていた層をVIAの入力により層間配線を開始する開始層と決定する。かかるホイール操作の終了後に、CADシステム35は、マウスのホイールの回転量(例えば、1/16回転につき1つの層を移動と規定)に応じてVIAを介する層間配線の終端とする終端層を決定する。
さらに、マウスのボタン操作には、VIAの入力を確定する入力確定コマンドが割り当てられている。具体的には、CADシステム35では、VIAの入力の開始層と終端層が選択された状態で入力確定コマンドの入力が有効となり、この状態でマウスのボタンの押下操作、いわゆるクリック操作がなされるとVIAの入力を確定する。
操作時間抽出部35aの説明に戻り、操作時間抽出部35aは、VIAの開始層および終端層の選択またはVIAの終端層の再選択が行われた計測点を起点にして設計者がVIAの挿入の検討を開始したものとみなす。そして、操作時間抽出部35aでは、起点となる操作がなされてから次の操作、例えばVIAの終端層の再選択やVIAの入力確定が行われた計測点を終点として設計者が起点で選択した終端層におけるVIA挿入の是非を思考し終えたものとみなす。
このような規定の下、操作時間抽出部35aは、マウスのホイール操作がなされてVIAの終端層が選択されてから次にマウスのホイール操作がなされて別の層が終端層として再選択されるまでの期間を「再選択期間」として計測する。また、操作時間抽出部35aは、マウスのホイール操作がなされてVIAの終端層が選択されてからマウスのクリック操作がなされてVIAの入力が確定されるまでの期間を「入力確定期間」として計測する。
つまり、操作時間抽出部35aでは、VIAの終端層の選択に対応するホイール操作、並びに、VIAの入力確定に対応するクリック操作が行われた時点を計測点とし、各計測点の時刻の間で差分時間を算出することにより再選択期間及び入力確定期間を計測する。なお、これらホイール操作及びクリック操作を総称する場合には計測点対応操作と呼称する。
具体的に説明すると、操作時間抽出部35aは、かかる計測点対応操作が実行されると、操作時間抽出部35aは、記憶部33に記憶された計測点情報33aを参照して、今回の計測対象操作が行われた時刻に最も近い時刻を持つ直前の計測点の時刻を検索する。そして、操作時間抽出部35aは、記憶部33から検索した直前の計測点の時刻と今回の計測対象操作が行われた時刻との差分時間を算出する。
このとき、今回の計測対象操作が「ホイール操作」であった場合には、操作時間抽出部35aによって再選択期間が算出され、また、「クリック操作」であった場合には、操作時間抽出部35aによって入力確定期間が算出されることになる。なお、かかる差分時間の算出は、直前の計測点の計測点情報33aとして操作種別「ホイール操作」が記憶部33に登録されていた場合に限り実行される。この理由は、直前の計測点でVIAの入力が確定されている場合には、異なるVIAの入力に関する操作時間を算出することになるからである。
続いて、操作時間抽出部35aは、記憶部33に操作時間情報33bとして記憶された操作時間に対して今回に算出した差分時間(操作時間)を更新する。例えば、今回に算出した操作時間が再選択期間である場合には、記憶部33に記憶された操作時間情報33bのうち操作時間種別「再選択期間」に対応する操作時間を更新する。一方、今回に算出した操作時間が入力確定期間である場合には、記憶部33に記憶された操作時間情報33bのうち操作時間種別「入力確定期間」に対応する操作時間を更新する。
このとき、操作時間抽出部35aは、記憶部33に記憶されている操作時間と今回に算出した操作時間との間で各種の統計処理を行うことによって、新たに計測される操作時間を記憶部33に記憶される操作時間情報33bに更新する。なお、ここでは、記憶部33に記憶されている操作時間と今回に算出した操作時間とを平均することにより操作時間情報33bを更新することとする。
このように、操作時間抽出部35aでは、終端層が選択されてから別の層が終端層として再選択されるまでの再選択期間、或いは終端層が選択されてからVIAの入力が確定されるまでの入力確定期間を用いて操作時間を抽出する。このため、設計者の個人特性に適合した操作時間を抽出することができる。
重ね表示制御部35bは、複数の層の配線画像を重ねて表示するように制御する処理部である。具体的には、VIAの開始層及び終端層が選択されるか或いは別の層が終端層として再選択された場合に、開始層から終端層までに含まれる層のうち開始層を除く全ての層の配線画像を開始層の配線画像に重ねて表示部32に表示させる。なお、ここでは、開始層を除く全ての配線画像を開始層の配線画像に重ねて表示させることとしたが、例えば終端層1つの配線画像または終端層と他の層2つの配線画像を表示させるというように、少なくとも1つの配線画像を重ね表示してもよい。
この重ね表示制御部35bは、開始層の配線画像に対して他層の配線画像を重ね表示する際には、重ね表示を行う他層の配線画像の表示態様を開始層とは異なる表示態様にして表示させる。例えば、重ね表示制御部35bは、CADシステム35によって開始層の信号線や電子部品などの配置物が実線で表示されている場合には、他層の配置物を破線で表示させる。また、重ね表示制御部35bは、開始層の配置物がない部分の透明度をゼロよりも高い所定値とする配線画像に描画した上で他層の配線画像を開始層よりも下位の画層に設定することにより他層を透かし表示させてもよい。また、重ね表示制御部35bは、開始層の画層を他層の画層よりも優先表示させ、他層の配置物も破線で表示させつつも開始層と重複する部分は開始層の配置物だけが表示されるようにしてもよい。この他、表示色の区別や塗りつぶしなどの区別であってもよく、開始層と他層の表示態様を区別可能であれば任意の重ね表示を採用することができる。
押退け表示制御部35cは、VIAの入力以前に配置されている配置物がVIAの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示部32に表示するように制御する処理部である。
具体的に説明すると、押退け表示制御部35cは、マウスのホイール操作がなされてVIAの開始層および終端層が選択されたり、或いはVIAの終端層が再選択された場合に、VIAの入力により層間配線される信号線と既存の配置物が重なるか否かを判定する。そして、押退け表示制御部35cは、両者が重なると判定した場合には、既存の障害物を押し退ける押退け処理を重ね表示制御部35bとは別スレッドで起動して実行する。かかる押退け処理の終了に、押退け表示制御部35cは、押退け処理が施された配線画像を記憶部33へ押退け情報33cとして登録する。
ここで、押退け表示制御部35cは、押退け処理が終了した場合に押退け処理が施された配線画像を直ちに表示させることはしない。つまり、押退け表示制御部35cは、VIAの終端層の選択または再選択が行われてから、記憶部33に操作時間情報33bとして記憶された操作時間から定まる所定時間が経過したか否かを監視する。そして、押退け表示制御部35cは、VIAの終端層の選択または再選択が行われてから所定時間が経過した場合に、記憶部33に押退け情報33cとして記憶された押退け処理ありの配線画像を表示部32に表示させる。これによって、押退け表示制御部35cでは、既存の配置物が押し退けられる前の状況を確認するための思考時間を設計者に提供する。
また、押退け表示制御部35cでは、操作時間から所定時間を算出するにあたっては再選択期間と入力確定期間の間で重み付けを行って所定時間を算出する。具体的には、押退け表示制御部35cは、記憶部33に記憶された操作時間情報33bのうち操作時間種別「再選択期間」の操作時間の重みを1とし、操作時間種別「入力確定期間」の操作時間の重みを3として所定時間を算出する。つまり、かかる場合には、押退け表示制御部35cは、再選択期間×1/3+入力確定期間×2/3という計算を行って所定時間を算出する。なお、ここでは、「再選択期間」及び「入力確定期間」の重みをそれぞれ1と3とする場合を説明したが、これら両者それぞれの重み付けは1と3に限らず、2と4など任意の重み付けを行うことができる。また、かかる所定時間の算出には、相加平均、加重平均や移動平均などの平均のほか、標準偏差や分散などの各種の統計手法を用いることができる。
なお、上記の操作時間抽出部35a、重ね表示制御部35b及び押退け表示制御部35cの各機能は、既知のCADシステム35に搭載されることで実現される。また、CADシステム35は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション、携帯電話、PHS端末、移動体通信端末またはPDAなどの情報処理装置に搭載することができる。
[処理の流れ]
次に、図3及び図4を用いて、本実施例に係るCAD設計装置の処理の流れを説明する。図3は、実施例2に係る層間配線支援処理の手順を示すフローチャート(1)であり、図4は、実施例2に係る層間配線支援処理の手順を示すフローチャート(2)である。
図3及び図4に示す層間配線支援処理は、CADシステム35上で信号線の配線コマンドが実行されている場合に起動される処理である。本例では、層移動イベントが発生した場合、すなわちマウスのホイール操作がなされてVIAの開始層および終端層が選択された場合に処理が開始される。
図3に示すように、層移動イベントが発生した場合(ステップS101Yes)に、重ね表示制御部35bは、マウスホイールの回転結果として、開始層が終端層として再選択されたか否かを判定する(ステップS102)。なお、かかる判定は、終端層の再選択で開始層が選択されたか否かを検出するために実行される。
このとき、開始層、すなわちマウスのホイール操作が行われる直前まで信号線の配線が実行されていたが終端層として再選択された場合(ステップS102No)には、重ね表示制御部35bは、重ね表示を初期化する(ステップS103)。この初期化では、開始層に他層が重ね表示された状態から開始層の配線画像が表示されるデフォルトの状態に戻す初期化が実行される。
一方、開始層が終端層として再選択されなかった場合(ステップS102Yes)には、押退け表示制御部35cは、押退け処理が施された配線画像が不要になるので、バックグラウンドで実行中の押退け処理をキャンセルする(ステップS104)。
そして、操作時間抽出部35aは、記憶部33に記憶された計測点情報33aの中から直前の計測点の時刻を検索し、検索した直前の計測点の時刻と今回のホイール操作が行われた時刻との差分時間(再選択期間)を算出する(ステップS105)。
その後、操作時間抽出部35aは、記憶部33に操作時間情報33bとして記憶された操作時間種別「再選択期間」の操作時間に対して今回に算出した差分時間(再選択期間)を更新する(ステップS106)。
続いて、重ね表示制御部35bは、開始層から終端層までに含まれる層のうち開始層を除く全ての配線画像を開始層の配線画像に重ねて表示部32に表示させる(ステップS107)。
その後、操作時間抽出部35aは、今回の計測対象操作が行われた時刻及びその操作種別「ホイール操作」を計測点情報33aとして記憶部33へ登録(セット)する(ステップS108)。このようにして登録された計測点情報33aが次に計測対象操作が行われた場合に直前の計測点となる。
そして、押退け表示制御部33cは、VIAの入力により層間配線される信号線と既存の配置物が重なるか否かを判定する(ステップS109)。なお、両者が重複しない場合(ステップS109No)には、押退け処理は不要であるため、そのままステップS101へ移行する。
このとき、両者が重複する場合(ステップS109Yes)には、押退け表示制御部33cは、既存の障害物を押し退ける押退け処理を重ね表示制御部35bとは別スレッドで起動して実行してから(ステップS110)、ステップS101の処理に移行する。なお、かかる押退け処理の終了には、押退け表示制御部35cは、押退け処理が施された配線画像を記憶部33へ押退け情報33cとして登録する。
一方、層移動イベントおよび入力確定コマンドの両方が発生していない場合(ステップS101NoかつステップS111Yes)には、押退け表示制御部35cは、直前の計測点からの経過時間が所定時間以上であるか否かを判定する(ステップS112)。なお、ここから図4の説明に移る。
このとき、直前の計測点からの経過時間が所定時間以上である場合(ステップS112Yes)には、押退け表示制御部35cは、記憶部33に押退け情報33cが登録されているか否かを判定する(ステップS113)。
ここで、記憶部33に押退け情報33cが登録されていれば(ステップS113Yes)、押退け表示制御部35cは、記憶部33に押退け情報33cとして記憶された押退け処理ありの配線画像を表示部32に表示させる(ステップS114)。そして、押退け表示制御部35cは、記憶部33内の押退け情報33cをクリア(削除)する(ステップS115)。その後、操作時間抽出部35aは、押退け処理ありの配線画像を表示した時点を計測点とし、時刻及びその操作種別「押退け表示」を計測点情報33aとして記憶部33へ登録し(ステップS116)、ステップS101に移行する。
また、直前の計測点からの経過時間が所定時間未満である場合(ステップS112No)、もしくは記憶部33に押退け情報33cが登録されていなければ(ステップS113No)、押退け表示を行うことなく、ステップS101へ移行する。
また、マウスのクリック操作がなされて入力確定コマンドが発生した場合(ステップS111No)には、CADシステム35は、VIAの入力を確定する(ステップS117)。そして、押退け表示制御部35cは、押退け処理が施された配線画像が不要になるので、バックグラウンドで実行中の押退け処理をキャンセルする(ステップS118)。
続いて、操作時間抽出部35aは、記憶部33に記憶された計測点情報33aの中から直前の計測点の時刻を検索し、検索した直前の計測点の時刻と今回のクリック操作が行われた時刻との差分時間(入力確定期間)を算出する(ステップS119)。
その後、操作時間抽出部35aは、記憶部33に操作時間情報33bとして記憶された操作時間種別「入力確定期間」の操作時間に対して今回に算出した差分時間(入力確定期間)を更新し(ステップS120)、処理を終了する。
なお、上記のフローチャートで説明したステップS104と、ステップS105及びステップS106と、ステップS107と、ステップS108は、図示の順序には拘束されず、任意の順序で処理を実行させてよく、また、各々の処理を並列に処理させてもよい。また、ステップS114及びステップS115と、ステップS116との間も同様である。さらに、ステップS118と、ステップS119及びS120との間も同様である。
ここで、図5〜図7を用いて、マウス操作に連動した表示画面の遷移を簡単に説明する。図5〜図7は、L1〜L4の多層プリント基板の層間配線を行う場合の画面遷移の一例を示している。なお、L1とは、4つある層のうち下から1番目の層を指す。L2とは、4つある層のうち下から2番目の層を指す。L3とは、4つある層のうち下から3番目の層を指す。また、L4とは、4つある層のうち下から4番目の層を指す。なお、ここでは、L4で信号線を配線している状況下でL1までVIAを挿入する場合を想定して説明を行う。
図5では、CADシステム35がL4の信号線を実線で表示している場合を示す。マウスの移動操作によって画面左中段から画面中央へ信号線を配線する描画処理が行われているところを示す。
このL4の配線画面を表示中にマウスのホイール操作がなされると、CADシステム35は、ホイール操作が行われる直前まで信号線の配線が実行されていたL4を開始層として決定する。そして、例えば1/16回転につき1つの層を移動するものと規定していた時にホイールが下位の層に対応する方向に3/16回転したとすると、CADシステム35は、L1を終端層として決定する。
このようにして開始層および終端層が選択されると、重ね表示制御部35bは、図6に示すように、開始層L4から終端層L1までに含まれる層のうち開始層L4を除く全ての層L1〜L3の配線画像を開始層の配線画像に重ねて表示部32に表示させる。このとき、重ね表示制御部35bは、開始層であるL4の配線を実線表示するのに対し、開始層以外の移動先の層の配線を破線表示する。この図6の例では、L4からの層間配線がL1の既存の配線と重なるので、押退け表示制御部35cによってL1の配線を押し退ける押退け処理が別スレッドで起動される。
そして、マウスのホイール操作がなされてVIAの開始層および終端層が選択されるか或いはVIAの終端層が再選択されてから所定時間が経過するまでは、重ね表示制御部35bは、図6に示す重ね表示がなされた配線画面を表示部32に表示させ続ける。その後、所定時間が経過すると、押退け表示制御部35cは、図7に示すように、L1の既存の配線が押し退けられた配線画面を表示部32に表示させる。
[効果]
上述してきたように、本実施例に係るCAD設計装置30によれば、既存の配置物を押し退けた押退け表示を開始する前に既存の配置物が押し退けられる前の状況を確認するための思考時間を設計者に提供することができる。このため、設計者は、層間配線を思考が途切れることはなく行うことができ、さらに、かかる層間配線を行うためにVIAの入力操作およびその取消操作を繰り返さずともよくなる。したがって、多層基板の層間配線を円滑に行うことが可能である。
また、本実施例に係るCAD設計装置30によれば、設計者の個人特性に適合した操作時間を抽出することができる。このため、押退け処理が施された配線画像への切替えを設計者個人の思考時間に合わせることが可能である。
さらに、本実施例に係るCAD設計装置30によれば、思考の果てにVIAの挿入まで実際に至った操作時間の重さを他の操作時間よりも重くして所定時間を定めることができる。したがって、設計者に既存の配置物が押し退けられる前の状況を確認させるための思考時間をより正確に定めることが可能である。
[適用例および応用例]
ところで、上記の実施例2では、操作時間抽出部35aが操作時間として再選択期間または入力確定期間を抽出する度に記憶部33に操作時間情報33bとして記憶された操作時間へ更新する場合を説明した。
しかしながら、抽出した再選択期間または入力確定期間を全てフィードバックしたのでは設計者がVIAに関する思考を行っていない時間が大量に含まれてしまう場合もある。例えば、マウスのホイール操作がなされてVIAの開始層及び終端層が選択された後に所用で長時間にわたってCADシステム35が利用されない場合に操作時間に休憩時間が含まれてしまう。また、VIAの開始層及び終端層を選択した後に誤操作で即座にホイール操作やクリック操作が行われた場合に、設計者の本来の思考がなされないまま終端層の再選択や入力確定が行われた時間が操作時間に含まれてしまう。
このことから、複数の計測点から算出した再選択期間又は入力確定期間が所定の上限値を超えるか又は所定の下限値未満である場合に、当該再選択期間又は当該入力確定期間を操作時間の抽出対象から除外するように操作時間抽出部35aを構成することもできる。
これによって、設計者がVIAに関する思考を行っていない時間が操作時間、さらには操作時間から定まる所定時間に含まれるケースを低減でき、設計者に既存の配置物が押し退けられる前の状況を確認させるための思考時間をより正確に定めることが可能になる。
また、上記の実施例2では、再選択期間および入力確定期間を操作時間として抽出する場合を例示したが、いずれか一方のみを操作時間として抽出するようにしてもよい。さらに、上記の実施例2では、再選択期間および入力確定期間を操作時間情報33bとして記憶部33へ個別に登録する場合を例示したが、再選択期間および入力確定期間の間で統計処理を行って1つの操作時間としてまとめて登録することとしてもかまわない。
なお、上記の実施例2では、記憶部33に操作時間情報33bとして記憶された操作時間から経過監視を行う所定時間を定めることとしたが、必ずしも操作時間に平均や加重平均などの統計処理を行う必要はなく、操作時間をそのまま所定時間と定めてもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、所定時間の算出、経過時間の監視、押退け処理の別スレッドでの起動及び押退け画面の表示制御を行う押退け表示制御部35cを算出部と、監視部と、押退け処理起動部と、押退け画面表示制御部とに分散してもよい。また、重ね表示制御を行う重ね表示制御部35bと、押退け表示制御を行う押退け表示制御部35cとを統合してもよい。また、操作時間抽出部35a、重ね表示制御部35bまたは押退け表示制御部35cをCAD設計装置30の外部装置としてネットワーク経由で接続するようにしてもよい。また、操作時間抽出部35a、重ね表示制御部35b、押退け表示制御部35cを別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のCAD設計装置30の機能を実現するようにしてもよい。また、記憶部33に記憶される計測点情報33a、操作時間情報33b、押退け情報33cの全部または一部を別の装置がそれぞれ有し、ネットワーク接続されて協働することで、上記のCAD設計装置30の機能を実現するようにしてもかまわない。
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともできる。例えば、操作時間抽出部35aが記憶部33へ計測点情報33aを登録(セット)する例を説明した。しかし、例えば、ホイール操作またはクリック操作がされた全部または一部のケースで操作時間に反映する計測点を取捨選択する指示操作を設計者にさせてもよい。また、VIAの開始層および終端層の選択を1度のマウスのホイール操作で指定させることとしたが、これらを複数の操作に分けて指定させることとしてもよい。
また、本実施例において説明した各処理のうち、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。例えば、VIAの終端層が選択された状態でマウスのクリック操作がなされてはじめてVIAの入力を確定する場合を説明した。しかし、所定時間を経過して押退け処理ありの配線画像が表示されてから所定の入力確定みなし時間が経過すると、VIAの入力確定が承認されたものとみなし、その時点で自動的にVIAの入力を確定することとしてもよい。
[CAD設計プログラム]
また、上記の実施例で説明したCAD設計装置30の各種の処理(例えば、図3及び図4等参照)は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、図8を用いて、上記の実施例で説明したCAD設計装置30と同様の機能を有するCAD設計プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図8は、CAD設計プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
同図に示すように、CAD設計システム200としてコンピュータ300は、入出力制御部310、HDD320、RAM330およびCPU340をバス400で接続して構成される。
ここで、入出力制御部310は、各種情報の入出力を制御する。HDD320は、CPU340による各種処理の実行に必要な情報を記憶する。RAM330は、各種情報を一時的に記憶する。CPU340は、各種演算処理を実行する。
そして、HDD320には、図8に示すように、CADシステムデータ321があらかじめ記憶されている。かかるCADシステムデータ321は、図2に示したCAD設計装置30の各処理部と同様の機能を発揮するCAD設計プログラム321aを含む。また、CADシステムデータ321は、多層基板における各層の作図であるCADデータをはじめ、図2に示した計測点情報33a、操作時間情報33b及び押退け情報33c等のCAD設計用データ321bを含む。なお、このCADシステムデータ321を適宜分散させて、ネットワークを介して通信可能に接続された他のコンピュータの記憶部に記憶させておくこともできる。
そして、CPU340が、このCADシステムデータ321をHDD320から読み出してRAM330に展開することにより、図8に示すように、CADシステムデータ321はCADシステム331として機能するようになる。かかるCADシステム331にはCAD設計プロセス331aが含まれる。
すなわち、CADシステム331やそれに搭載されたCAD設計プロセス331aは、CAD設計用データ321bをHDD320から読み出して、RAM330において自身に割り当てられた領域に展開し、この展開したデータ等に基づいて各種処理を実行する。
なお、CADシステム331及びCAD設計プロセス331aは、図2に示した各機能部(例えば、操作時間抽出部35a、重ね表示制御部35b及び押退け表示制御部35c)において実行される処理に対応する。
なお、上記したCAD設計プログラム321aについては、必ずしも最初からHDD320に記憶させておく必要はない。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などに各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらから各プログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)CADシステム上で多層で形成される基板の層間を配線するためのビアの入力に伴う操作時間を抽出する操作時間抽出部と、
前記ビアの入力により層間配線が開始される開始層と、前記ビアを介する層間配線の終端とする終端層とが選択された場合に、前記開始層から前記終端層までの層のうち少なくとも1つの層の配線画像を前記開始層の配線画像に重ねて表示させる重ね表示制御部と、
前記終端層が選択された後に前記操作時間抽出部によって抽出された操作時間から定まる所定時間が経過した場合に、前記ビアの入力以前に配置されている配置物が前記ビアの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示させる押し退け表示制御部と
を有することを特徴とするCAD設計装置。
(付記2)前記操作時間抽出部は、層間配線の終端層が選択されてから別の層が終端層として再選択されるまでの再選択期間、或いは層間配線の終端層が選択されてからビアの入力が確定されるまでの入力確定期間を用いて前記操作時間を抽出することを特徴とする付記1に記載のCAD設計装置。
(付記3)前記操作時間抽出部は、前記再選択期間または前記入力確定期間が所定の上限値を超えるか、または所定の下限値未満である場合に、当該再選択期間または当該入力確定期間を前記操作時間の抽出対象から除外することを特徴とする付記2に記載のCAD設計装置。
(付記4)前記押し退け表示制御部は、前記再選択期間よりも前記入力確定期間の重み付けを重くして定まる所定時間を用いて経過を判定することを特徴とする付記2または3に記載のCAD設計装置。
(付記5)CADシステム上で多層で形成される基板の層間を配線するためのビアの入力に伴う操作時間を抽出する操作時間抽出手順と、
前記ビアの入力により層間配線が開始される開始層と、前記ビアを介する層間配線の終端とする終端層とが選択された場合に、前記開始層から前記終端層までの層のうち少なくとも1つの層の配線画像を前記開始層の配線画像に重ねて表示させる重ね表示制御手順と、
前記終端層が選択された後に前記操作時間抽出手順によって抽出された操作時間から定まる所定時間が経過した場合に、前記ビアの入力以前に配置されている配置物が前記ビアの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示させる押し退け表示制御手順と
を実行させることを特徴とするCAD設計プログラム。
(付記6)CADシステム上で多層で形成される基板の層間を配線するためのビアの入力に伴う操作時間を抽出する操作時間抽出ステップと、
前記ビアの入力により層間配線が開始される開始層と、前記ビアを介する層間配線の終端とする終端層とが選択された場合に、前記開始層から前記終端層までの層のうち少なくとも1つの層の配線画像を前記開始層の配線画像に重ねて表示させる重ね表示制御ステップと、
前記終端層が選択された後に前記操作時間抽出ステップによって抽出された操作時間から定まる所定時間が経過した場合に、前記ビアの入力以前に配置されている配置物が前記ビアの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示させる押し退け表示制御ステップと
を含んだことを特徴とするCAD設計方法。
30 CAD設計装置
31 入力部
32 表示部
33 記憶部
33a 計測点情報
33b 操作時間情報
33c 押退け情報
34 制御部
35 CADシステム
35a 操作時間抽出部
35b 重ね表示制御部
35c 押退け表示制御部

Claims (4)

  1. CADシステム上で多層で形成される基板の層間を配線するためのビアの入力に伴う操作時間を抽出する操作時間抽出部と、
    前記ビアの入力により層間配線が開始される開始層と、前記ビアを介する層間配線の終端とする終端層とが選択された場合に、前記開始層から前記終端層までの層のうち少なくとも1つの層の配線画像を前記開始層の配線画像に重ねて表示させる重ね表示制御部と、
    前記終端層が選択された後に前記操作時間抽出部によって抽出された操作時間から定まる所定時間が経過した場合に、前記ビアの入力以前に配置されている配置物が前記ビアの入力により層間配線される信号線と重ならないように押し退けられた配線画像を表示させる押し退け表示制御部と
    を有することを特徴とするCAD設計装置。
  2. 前記操作時間抽出部は、層間配線の終端層が選択されてから別の層が終端層として再選択されるまでの再選択期間、或いは層間配線の終端層が選択されてからビアの入力が確定されるまでの入力確定期間を用いて前記操作時間を抽出することを特徴とする請求項1に記載のCAD設計装置。
  3. 前記操作時間抽出部は、前記再選択期間または前記入力確定期間が所定の上限値を超えるか、または所定の下限値未満である場合に、当該再選択期間または当該入力確定期間を前記操作時間の抽出対象から除外することを特徴とする請求項2に記載のCAD設計装置。
  4. 前記押し退け表示制御部は、前記再選択期間よりも前記入力確定期間の重み付けを重くして定まる所定時間を用いて経過を判定することを特徴とする請求項2または3に記載のCAD設計装置。
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